子育てしながら健診センターで働く|シフトの融通と、頼れる制度

長谷川 奈津
長谷川 奈津
子育てしながら健診センターで働く|シフトの融通と、頼れる制度

この記事のポイント

  • ✓子育て中のママが健診センターで働くときに知っておきたいことを
  • ✓職場の1日の流れと法律の制度から解説します
  • ✓保育園の送迎と重なる時間帯

先日、看護師の方から相談を受けました。「子どもが保育園に入ったので、夜勤のない健診センターで働き始めた。でも、巡回健診の日は朝6時半に集合と言われて、保育園が開く前に家を出なければならない。聞いていた話と違う」と。

結論から言うと、健診センターは子育て中の方にとって働きやすい職場になりえます。ただし、それは「施設を選び、制度を知っている場合」に限ります。夜勤がないことは確かですが、朝が早い日がある、繁忙期に休みが取りにくい、1人欠けると流れが止まる、という健診ならではの事情があるからです。

これ、知らない人が本当に多いんです。「日勤だから大丈夫」と思って入り、朝の時間と季節の波に振り回されてしまう。

この記事では、子育てをしながら健診センターで働くときに、職場の中で何が起きているのかを、1日の流れと季節の波から整理します。そのうえで、シフトの融通が利く施設の見分け方と、2025年に改正された育児・介護休業法を含めた、頼れる制度をお伝えします。

健診センターが子育て中の人に選ばれる理由と、見落としやすい落とし穴

まず、健診センターが子育て中の方に選ばれる理由を確認しておきます。

1つ目は、夜勤がないことです。病棟のように夜勤の回数で生活が左右されることがなく、家族と夜を過ごせます。

2つ目は、仕事の山が午前中に集中することです。健診は、受診者が朝食を抜いて来ることが多いので、受付は朝の8時台から始まり、午前中に受診者の大半が終わります。そのため、午前だけのパートの求人が多く、子どもが幼稚園や保育園にいる時間に働けます。

3つ目は、予約制で仕事の量が前もって分かることです。救急や急変対応のように、予定外の仕事で帰れなくなることが少なく、残業が少ない施設が多いです。

4つ目は、同じ立場の人が多いことです。午前のパートを中心に、子育て中や子育てを終えた方が多く働いている職場では、子どもの発熱や行事への理解が得られやすい傾向があります。

一方で、見落としやすい落とし穴もあります。

・巡回健診がある施設では、集合が早朝になる日がある ・企業健診が集中する繁忙期は、休みの希望が通りにくい ・予約制で人員を組んでいるので、急に1人休むと現場への影響が大きい ・土曜日に人間ドックを受けている施設では、土曜の出勤を求められることがある

つまり、健診センターの働きやすさは「夜勤がない」という1点で決まるわけではありません。朝の時刻、季節の波、人員の厚みの3つが、子育てとの両立を左右します。この3つを、応募の前に確かめておくことが大切です。

私が相談を受けてきた中でも、両立がうまくいっている方は、入職前にこの3つを具体的に確認していました。反対に、「日勤だから」とだけ考えて入った方ほど、最初の繁忙期で行き詰まってしまう傾向があります。

1日の流れと、保育園の送り迎えが重なるところ

次に、施設内の健診を受けているセンターの1日を、子育て中の方の目線で追ってみます。

朝は、7時30分から8時ごろに出勤し、採血の物品の準備、検査の機器の点検、当日の受診者の確認を済ませます。8時から8時30分ごろに受付が始まり、そこから昼前まで、受付、計測、採血、心電図、X線、診察の流れが続きます。

保育園の開所は、7時から7時30分ごろの園が多いので、施設内の健診だけなら、朝の送りと始業の時刻はなんとか両立できる範囲です。ただ、家から職場までの通勤時間によっては、開所と同時に子どもを預けてもぎりぎり、ということもあります。

午前の健診は、受診者が全員終わるまで続きます。予約の人数は決まっていますが、採血に時間がかかる受診者が続いたり、気分が悪くなった受診者の対応が入ったりすると、終わりの時刻が30分ほど延びることがあります。午前だけのパートの方は、終業の時刻を「何時まで」と約束しておかないと、お迎えや下の子の用事に響くことがあります。

午後は、結果の入力、検体の処理、翌日の準備、人間ドックの結果説明や特定保健指導の面接などが中心になります。午前に比べて時間の融通が利きやすいので、常勤の方は、午後の仕事を早めに切り上げる時短勤務と相性がよい時間帯です。

巡回健診の日は、この流れが大きく変わります。現場で朝の8時ごろに健診を始めるため、センターへの集合は6時30分から7時台になることがあります。保育園の開所より前に家を出ることになるので、家族の協力なしに対応するのは難しいのが現実です。

ここで大切なのは、「朝の送りをどうするか」を、応募の前に家族と具体的に決めておくことです。巡回の日だけ家族に送りを頼めるのか、それとも巡回に出ない働き方を選ぶのか。これが決まっていれば、面接で自分から条件を伝えられます。

季節の波と、子どもの行事がぶつかる時期

健診センターの仕事は、季節によって量が大きく変わります。

企業の定期健康診断は、労働安全衛生法にもとづき、原則として年に1回行われます。多くの企業が年度の予定に合わせて時期を決めるので、春から初夏、秋から年末にかけて受診者が集中する施設が多いです。繁忙期には、受診者が普段の1.5倍近くになり、巡回健診の出動も重なります。

困るのは、この繁忙期が、子どもの行事の時期と重なりやすいことです。

春は、入園式や入学式、進級にともなう慣らし保育、保護者会があります。秋は、運動会、発表会、遠足、個人面談が続きます。子どもが小さいうちは、季節の変わり目に体調を崩しやすく、急な発熱で呼び出されることも増えます。

反対に、冬の一時期や夏の一時期は、受診者が落ち着く施設が多いです。夏休みの期間に、小学生の子どもの預け先に悩む方には、この時期に休みを取りやすいことが助けになります。人間ドックの比重が大きい施設は、季節の波が比較的なだらかです。

先回りの工夫として、次のことをおすすめします。

・子どもの行事の予定が分かったら、その時点ですぐ職場に伝える ・繁忙期に休みが必要な日は、閑散期のうちに早めに希望を出す ・自分が休む日は、代わりに入ってくれる人に一言お礼を伝える ・閑散期には、ほかの人の休みの穴を埋める日を自分から引き受ける

最後の工夫が、実はいちばん効きます。健診センターのように人数の少ない職場では、「お互いさま」の関係が、休みの取りやすさを大きく左右するからです。

もう1つ、法律の面から確認しておきます。年次有給休暇は、労働基準法第39条にもとづく労働者の権利で、パートでも勤務日数に応じて付与されます。会社が取得の時季を変えるよう求められるのは、事業の正常な運営を妨げる場合に限られます。そして、あとで詳しく触れる「子の看護等休暇」は、子どもの病気やけがのとき、会社が申出を拒めない休暇です。つまり、繁忙期だからといって、子どもの急な発熱での休みを一律に認めない、という扱いは許されないということです。

巡回健診と子育ての両立

巡回健診は、健診車で企業の事業所や自治体の会場に出向いて行う健診です。施設によっては、仕事の半分以上が巡回という場合もあります。子育て中の方にとって、巡回の扱いは職場選びの大きな分かれ目になります。

巡回健診の負担は、朝の早さだけではありません。

・遠方の現場では、帰りの時刻が読みにくい ・泊まりがけの出張になることがある ・現場の撤収が長引くと、センターに戻る時刻が遅れる ・巡回のスケジュールが、数週間前まで確定しないことがある

一方で、巡回健診には良い面もあります。現場の健診が昼過ぎに終われば、センターに戻って片付けをして早めに上がれる日があります。早朝手当や出張手当がつくので、同じ勤務日数でも収入が増えます。

子育て中の方が巡回健診と両立する方法は、大きく3つあります。

1つ目は、巡回に出ない働き方を選ぶことです。施設内の健診だけを担当する枠を設けている施設や、午前のパート枠は施設内の担当に限っている施設があります。

2つ目は、巡回に出る頻度や条件を決めて働くことです。「日帰りの近い現場だけ」「月に2回まで」「集合が7時30分以降の日だけ」のように、条件を具体的に伝えて調整してもらいます。

3つ目は、子どもの成長に合わせて巡回の比重を変えることです。子どもが小さいうちは施設内の担当にしてもらい、小学校の高学年になったら巡回にも出る、というように、数年単位で働き方を組み立てる方もいます。

ここで知っておきたい法律があります。育児・介護休業法では、小学校に入学する前の子を育てる労働者が請求した場合、事業主は、深夜(午後10時から午前5時まで)の労働をさせてはならないとされています。泊まりがけの出張そのものは深夜の労働とは限りませんが、現場の準備が深夜に及ぶような働き方は、この制限の対象になりえます。

また、事業主が、就業の場所が変わる配置の変更をする場合には、子育ての状況に配慮しなければならないとされています。施設内の担当から巡回の多い部署へ移るような話が出たときは、子育ての事情を伝えたうえで話し合うことが大切です。

シフトの融通は、施設の「人の厚み」で決まる

子育て中の方からよく聞く悩みが、「シフトの融通が利くと聞いて入ったのに、実際には休みにくい」というものです。シフトの融通が利くかどうかは、制度の有無より、施設の「人の厚み」で決まる部分が大きいんです。

健診センターは、予約の人数に合わせて、その日に必要な人員を組んでいます。採血のブースに3人、計測に2人、というように、ぎりぎりの人数で回している施設では、1人欠けると残りの人の負担が一気に増えます。すると、休みを申し出にくい空気が生まれます。

反対に、次のような施設では、急な休みにも対応しやすい傾向があります。

・看護師や健診スタッフの人数に余裕があり、交代で入れる人がいる ・子育て中のスタッフが複数いて、お互いに休みを埋め合う文化がある ・繁忙期に派遣やスポットの看護師を入れる仕組みがある ・急な欠員が出たときに、受診者の予約を調整する手順が決まっている

規模で見ると、大規模なセンターのほうが人員に余裕があることが多いです。一方で、小規模なセンターでも、責任者が子育てに理解があり、スタッフ全員でカバーする文化がある施設もあります。規模だけで判断せず、実際にどう回しているかを確かめてください。

確かめる方法として、面接で次のように聞いてみるのがおすすめです。

・「子どもの急な発熱でお休みをいただく場合、当日の朝はどなたに連絡して、どう調整されていますか」 ・「いま、子育て中のスタッフの方はどのくらいいらっしゃいますか」 ・「繁忙期に休みが必要な場合、希望はいつまでに出す決まりですか」

答えが具体的な施設は、実際に子育て中のスタッフを受け入れて、休みの調整を回した経験があります。「みんなで協力しているので大丈夫ですよ」だけで終わる場合は、もう一歩踏み込んで、直近の繁忙期の様子を聞いてみてください。

私が以前、健診機関で働く方から聞いたお話があります。子どもが保育園に入ったばかりの春に、発熱の呼び出しが月に何度も続き、職場に申し訳なくて辞めようかと悩んだそうです。そのとき、同じ部署の先輩が「私も最初の1年はそうだった。秋になれば落ち着くから」と声をかけてくれ、閑散期に自分が埋め合わせをする形で乗り切れたと話していました。制度と同じくらい、人の厚みが支えになるということです。

法律で使える制度を整理する

ここからは、子育てをしながら働くときに使える法律の制度を整理します。2025年に大きな改正があったので、以前の情報のまま覚えている方は、ぜひ確認してください。

厚生労働省は、改正について次のように案内しています。

令和6年5月に育児・介護休業法及び次世代育成支援対策推進法が改正されました。 1 子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充 2 育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化 3 介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等 出典: mhlw.go.jp

この改正は、2025年4月と10月の2段階で施行されました。健診センターで働く子育て中の方に関わる主な制度は、次のとおりです。

制度 対象となる子 内容
子の看護等休暇 小学校3年生の修了まで 1年に5日(子が2人以上は10日)。病気やけが、予防接種、感染症による学級閉鎖、入園式や入学式、卒園式で取得できる
所定外労働の制限 小学校に入学する前まで 請求すれば、所定の労働時間を超える残業が免除される
時間外労働の制限 小学校に入学する前まで 請求すれば、残業が1か月24時間、1年150時間までに制限される
深夜業の制限 小学校に入学する前まで 請求すれば、午後10時から午前5時までの労働が免除される
短時間勤務制度 3歳になるまで 1日の所定労働時間を原則6時間とする制度
柔軟な働き方を実現するための措置 3歳から小学校に入学する前まで 事業主が5つの措置から2つ以上を用意し、労働者が1つを選んで使える

つまり、2025年4月からは、子の看護等休暇が小学校3年生まで使えるようになり、入園式や入学式、卒園式、学級閉鎖でも取れるようになりました。残業の免除も、3歳までから小学校に入学する前までに広がっています。

さらに2025年10月からは、3歳から小学校に入学する前の子を育てる人のために、事業主が、始業時刻の変更、テレワーク、保育施設の設置や運営、養育両立支援休暇、短時間勤務制度の5つのうち2つ以上を用意することが義務になりました。健診センターの場合、テレワークは難しい職場が多いので、始業時刻の変更や、短時間勤務、養育両立支援休暇のどれが用意されているかを確認しておくとよいでしょう。

また、妊娠や出産を申し出たときや、子が3歳になる前の時期には、事業主が個別に制度を知らせ、働き方の意向を聞き、配慮することも求められています。

※これらの制度には、勤続期間や所定の労働日数によって、労使協定で対象から外される場合があります。自分が対象になるかどうかは、就業規則を確認し、分からなければ職場の担当者か労働局に確認してください。

パートや有期契約で働くときの注意点

健診センターでは、午前のパートとして働く子育て中の方が多いので、雇用形態ごとの注意点も整理しておきます。

まず、育児休業です。パートや有期契約の方も、要件を満たせば育児休業を取れます。以前は「同じ事業主に1年以上雇われていること」という要件がありましたが、2022年4月に撤廃され、現在は、子が1歳6か月になるまでに契約が満了することが明らかでなければ取得できます。

次に、社会保険です。パートでも、週の所定労働時間が20時間以上であることなど一定の要件を満たし、勤め先が一定の規模以上であれば、健康保険と厚生年金に加入することになります。午前だけの勤務でも、週5日なら週20時間を超えることがあるので、扶養の範囲で働きたいのか、自分で社会保険に入りたいのかを先に決めておく必要があります。加入の要件は、2025年に成立した法改正で、今後段階的に広がることが決まっています。

保育園を利用している方は、就労の証明にも注意が必要です。保育の必要性の認定では、1か月の就労時間について、48時間から64時間の範囲で市町村が下限を定めています。繁忙期と閑散期で勤務日数が大きく変わる働き方だと、閑散期に就労時間が足りなくなることがあります。就労証明書に書いてもらう勤務の時間と日数を、あらかじめ職場と確認しておいてください。

時短勤務を選んだ場合の給付も知っておきたいところです。2025年4月から、2歳未満の子を育てるために時短勤務をして賃金が下がった場合、雇用保険から、時短勤務中の賃金の10%を支給する育児時短就業給付が始まりました。受け取るには雇用保険の加入などの要件があるので、勤め先に確認してください。

最後に、繁忙期だけの短期の契約や、スポットの勤務で働く場合です。こうした働き方は、自分の都合で日を選べる良さがある一方、育児休業や短時間勤務制度などの対象外になることが多く、急な休みへの配慮も期待しにくくなります。子どもが小さいうちの主な働き方にするのか、補助的な働き方にするのかを考えて選びましょう。

こんな場面では、法律が味方になる

子育て中の方が健診センターで働くときに、実際に起きやすいトラブルを、匿名化した事例で紹介します。

1つ目は、時短勤務を申し出たら、「時短にするならパートに切り替えて」と言われたケースです。

育児・介護休業法は、短時間勤務制度の利用を申し出たことや、利用したことを理由に、解雇や雇用形態の変更などの不利益な扱いをすることを禁止しています。つまり、本人が望んでいないのに、時短の申出を理由に正社員からパートへの切り替えを求めるのは、原則として許されません。

2つ目は、子どもの発熱で休みを申し出たら、「繁忙期だから困る。ほかの人に迷惑がかかる」と繰り返し言われたケースです。

子の看護等休暇は、要件を満たす労働者が申し出れば、事業主は拒むことができない休暇です。そして、妊娠や出産、育児休業などの制度の利用に関して、上司や同僚が就業環境を害する言動をすることを防ぐ措置を講じることも、事業主に義務づけられています。「迷惑がかかる」と繰り返し言って休みを取らせないような言動は、こうしたハラスメントに当たる可能性があります。

3つ目は、妊娠を報告したら、次の契約を更新しないと言われたケースです。

男女雇用機会均等法は、妊娠や出産を理由とした解雇や契約の不更新などの不利益な扱いを禁止しています。有期契約の方も対象です。

こうした場面に出会ったときは、いつ、誰に、何を言われたかを、日付と一緒に記録しておいてください。そのうえで、職場の相談窓口や人事の担当者に相談します。職場の中で解決が難しい場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)で、無料で相談できます。労働局には、事業主に助言や指導を行ったり、紛争の解決を援助したりする仕組みがあります。

※解雇や雇い止めを争う場合や、損害賠償を求めたい場合は、弁護士に相談してください。

私自身、相談を受ける中で感じるのは、多くの方が「制度を使うのはわがままではないか」と自分を責めているということです。制度は、使う人がいて初めて職場に根づきます。遠慮しすぎず、でも職場への感謝は忘れずに。そのバランスを取れる人ほど、長く働き続けています。

求人票と面接で、子育てとの両立を確かめる

ここまでの内容を、応募の段階で確かめる項目としてまとめます。

確かめる項目 見るポイント
始業時刻と終業時刻 保育園の開所と閉所に間に合うか
巡回健診の有無と頻度 早朝集合や出張を避けられるか
午前のパート枠 終業時刻が延びたときの扱い
土曜日の勤務 土曜保育の有無と合わせて考えられるか
繁忙期の時期 子どもの行事と重なる時期はいつか
人員の厚み 急な休みのときに交代できる人がいるか
子育て中のスタッフの有無 休みの調整に慣れた職場か
時短勤務や始業時刻の変更の制度 2025年10月からの措置として何を用意しているか
社会保険の加入条件 扶養の範囲で働くか、自分で加入するか

面接では、家庭の状況を細かく説明する必要はありません。「平日の8時から13時までなら勤務できます」「巡回健診は日帰りの現場なら月2回まで対応できます」のように、勤務の条件として具体的に伝えるのがおすすめです。できないことを「できます」と答えると、入職後に自分も職場も困ります。

内定が出たら、労働基準法第15条にもとづいて明示される労働条件を、面接で聞いた話と照らし合わせてください。就業の場所に巡回の現場が含まれているか、始業の時刻が日によって変わる書き方になっていないか、試用期間中の条件はどうか。違う点があれば、入職の前に質問してかまいません。

見学ができる場合は、午前の終わりの時間帯を見せてもらうのも1つの方法です。受診者が終わった後、パートの方がどのくらい時間どおりに上がれているか。その様子は、求人票の終業時刻より、ずっと正確に働き方を教えてくれます。

子育て期の働き方を、長い目で組み立てる

最後に、子育て期の働き方を、数年単位で考える視点をお伝えします。

子どもが小さいうちは、午前だけのパートや施設内の担当で働き、子どもの成長に合わせて勤務の時間を延ばしたり、巡回に出たり、常勤に戻ったりする。健診センターは、そうした段階的な働き方を組み立てやすい職場の1つです。

そのときの判断材料として、看護師の年収が職場の種類や地域、雇用形態でどう違うのかを知っておくと役立ちます。看護師の年収・単価相場では、公的な統計をもとにしたデータを確認でき、パートから常勤に戻るときの収入の見通しを立てやすくなります。

受付や事務として働く方は、医療機関の受付や会計の実務を体系的に学べる資格を持っておくと、子育てが一段落したときに選べる職場が広がります。試験の範囲や難易度は、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)で確認できます。

また、子育てと仕事の両立に悩んだ経験を、同じように悩む人の支えに生かしたいと考える方もいます。仕事や職場、キャリアの悩みに応じる相談の仕事がどういう内容で、どんな働き方があるのかは、職場・転職・キャリア相談のお仕事で紹介されています。看護師の資格と臨床経験を生かして、子どもの寝た後の時間に在宅でできる仕事の種類と始め方は、看護師におすすめの在宅ワーク5選|臨床経験を活かす副業【2026年版】が具体的にまとめています。

20年この市場を見てきた立場から言えば、子育て期に在宅の仕事を組み合わせて長く続けている人ほど、引き受ける仕事の範囲と、連絡できる時間帯を最初に言葉で決めています。「平日の日中は返信が遅れます」と先に伝えておく人のほうが、結果として信頼されています。依頼する人と受ける人が直接つながる取引なら、中間の手数料がない分、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手数料0%の分だけ手取りが厚くなります。限られた時間で働く子育て期には、この手取りの厚さが、働く時間を増やさずに暮らしを支える力になっているのを見てきました。

子育てをしながら健診センターで働くことは、施設を選び、制度を知っていれば、十分に続けられる働き方です。朝の時刻、季節の波、人の厚み。この3つを確かめ、困ったときには制度を使うことをためらわないでください。法律はあなたの味方です。

よくある質問

Q. 子育て中でも健診センターで働けますか?

働けます。夜勤がなく、仕事の山が午前中に集中するため、午前だけのパート求人が多い職場です。ただし、巡回健診がある施設では朝6時30分から7時台の集合があり、企業健診が集中する春と秋は休みが取りにくくなります。応募前に始業時刻、巡回の頻度、急な休みのときに交代できる人員がいるかを確認しておきましょう。

Q. 子どもの発熱で急に休むことはできますか?

小学校3年生の修了までの子を育てる方は、子の看護等休暇を1年に5日、子が2人以上なら10日取得できます。要件を満たす労働者が申し出れば、事業主は拒むことができません。2025年4月からは、感染症による学級閉鎖や、入園式、入学式、卒園式でも使えるようになりました。有給か無給かは就業規則で確認してください。

Q. 巡回健診には必ず出なければいけませんか?

施設によります。施設内の健診だけを担当する枠を設けている施設や、午前のパートは施設内の担当に限っている施設もあります。巡回に出る場合も、日帰りの近い現場だけ、月2回までといった条件を相談できることがあります。応募の段階で、巡回に出られる条件を具体的に伝え、労働条件の書面でも就業場所を確認しておくと安心です。

Q. 時短勤務を申し出たらパートへの切り替えを求められました。どうすればよいですか?

育児・介護休業法は、短時間勤務制度の利用を申し出たことを理由とする雇用形態の変更などの不利益な扱いを禁止しています。本人が望まない切り替えは原則として認められません。言われた日時と内容を記録し、職場の相談窓口や人事に相談してください。解決しない場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)で無料で相談できます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月9日最終更新:2026年9月16日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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