未経験から回復期リハビリ病棟で働く|受け入れている募集と、慣れるまで

中西 直美
中西 直美
未経験から回復期リハビリ病棟で働く|受け入れている募集と、慣れるまで

この記事のポイント

  • ✓回復期リハビリ病棟で未経験から働くときの話をまとめました
  • ✓急性期の経験がない看護師
  • ✓無資格の看護補助者まで

「回復期のリハビリ病棟って、未経験でも受け入れてもらえるんでしょうか」。 このご相談、実はとても多いんです。

急性期で働いたことがない。 ブランクが長い。 そもそも医療の現場が初めて。 事情は人それぞれですが、どなたも「自分が行って迷惑にならないか」を心配されています。

先にお伝えしておきますね。 回復期リハビリ病棟は、医療の職場の中でも未経験の人を受け入れている募集が比較的多い職場です。 ただし、「未経験」と一口に言っても、看護師資格があるかどうか、どんな経験があるかによって、任される範囲も、慣れるまでの道のりも変わります。

この記事では、未経験の立場ごとに、どんな募集が受け入れているのか、入職してから何をどの順番で覚えていくのか、求人票のどこを見れば安心して働ける職場か分かるのかを、順番にお話しします。

回復期リハビリ病棟が未経験の人を受け入れやすい理由

まず、なぜ回復期リハビリ病棟に未経験歓迎の募集が多いのか。 その理由を知っておくと、自分が応募してよい職場なのか、落ち着いて判断できます。

回復期リハビリ病棟は、脳梗塞や脳出血、大腿骨の骨折などで急性期の治療を終えた患者さんが、自宅や施設に帰るためにリハビリを集中して受ける病棟です。 入院できる日数には疾患ごとの上限があり、たとえば大腿骨の骨折では90日、脳血管疾患では150日が上限です。

この病棟には、未経験の人が入りやすい特徴が3つあります。

1つ目:急変が少なく、1日の流れが決まっている

患者さんは、容体が落ち着いてから転院してきます。 容体が悪くなったときは、急性期の病棟や病院へ移って治療を受けることが一般的です。 そのため、急性期のように1日に何度も急変や緊急入院に対応する場面は少なめです。

1日の流れも、起床、食事、リハビリ、入浴、就寝という生活のリズムで決まっています。 毎日同じ流れで動くので、覚えることの順番が見えやすいんですね。

2つ目:生活の介助が仕事の中心になる

回復期で多いのは、食事、トイレ、着替え、入浴、移動といった生活の介助です。 点滴や術後の管理のような高度な処置は多くありません。 介助の技術は、入職してから先輩や療法士に教わりながら身につけていけます。

3つ目:人の入れ替わりに備えて、採用を続けている病院が多い

全国で回復期リハビリ病棟の病床は増えてきましたが、看護師や介護職の人手は十分とは言えません。 そのため、経験者だけを待つのではなく、未経験の人を育てることを前提に採用を続けている病院が多くあります。

レバウェル看護の解説でも、急性期の経験がないことを不安に思う看護師に向けて、次のように書かれています。

リハビリ病院は医療処置が少ないため、「看護師として必要なスキルが身についていないのでは」と不安になる方もいるようです。しかし、リハビリや在宅復帰の支援など、回復期だからこそ学べる専門知識もあります。専門性を高めたい方や、緊急時に備えておきたい方は、外部研修を受講することも検討してみましょう。 出典: kango-oshigoto.jp

「急性期を経験していないから劣っている」わけではありません。 回復期には、回復期でしか身につかない専門性があります。 まず、ここを安心材料にしてくださいね。

未経験の立場ごとに、受け入れている募集は違う

ここからは、未経験の立場ごとに、どんな募集が受け入れているのかを見ていきます。 ご自分がどこに当てはまるか、確かめながら読んでみてください。

新卒の看護師

新卒の看護師を受け入れている回復期リハビリ病棟は、主に2つのタイプに分かれます。

1つは、急性期、回復期、療養、在宅までそろえた病院グループです。 新卒研修をグループ全体で行い、一定期間を経て回復期の病棟に配属されます。 教育の仕組みがしっかりしている反面、配属の希望が必ず通るとは限りません。

もう1つは、回復期リハビリを専門にしている病院です。 新卒の採用人数は少なめですが、最初から回復期の看護を学べます。 「急性期を経験してから回復期へ」という道が昔は一般的でしたが、今は新卒から回復期を選ぶ人も珍しくありません。

急性期の経験がない既卒の看護師

クリニック、健診センター、介護施設、訪問看護などから、初めて病棟に入る看護師です。 回復期リハビリ病棟は、この立場の人をとても受け入れやすい職場です。 介護施設で身につけた移乗や排泄の介助、訪問看護で見てきた在宅の生活は、そのまま回復期で活きます。

ブランクのある看護師

子育てや介護で数年から10年以上離れていた看護師です。 「処置を忘れてしまった」という不安が大きい方が多いのですが、回復期は処置の種類が限られているため、復職の場として選ばれやすい職場です。 パートや日勤のみから始めて、慣れてから常勤や夜勤に広げていく人もいます。

看護師資格のない看護補助者(介護職)

資格がなくても、看護補助者として回復期リハビリ病棟で働くことができます。 食事、排泄、入浴、移動の介助や、シーツ交換、環境整備などが主な仕事です。 介護職員初任者研修などを持っていると選考で有利になることはありますが、「資格不問」「未経験可」の募集も多く見られます。

介護職としての年収の水準や、資格や経験年数による違いを知りたい場合は、介護職員の年収・単価相場が参考になります。 公的な統計をもとに、年齢や経験ごとの年収の傾向をまとめています。

看護師の年収の水準については、看護師の年収・単価相場で、年齢や地域ごとの傾向を確認できます。 回復期リハビリ病棟の給与は、急性期に比べると夜勤の回数や手当によって差が出やすいので、全体の水準を知ったうえで求人を比べると判断しやすくなります。

入職してから最初の1か月で覚えること

では、未経験で回復期リハビリ病棟に入ったら、最初に何を覚えるのでしょうか。 ここでは看護師の場合を中心に、よくある流れをお話しします。 病院によって順番は違いますが、全体の見通しを持っておくだけで、気持ちがずいぶん楽になります。

1週目:病棟の1日の流れと、患者さんの顔と名前

最初の週は、先輩について1日の流れを見て回ります。 何時にリハビリの送り出しがあるのか。 食事の時間に誰がどの患者さんの介助に入るのか。 入浴は何曜日の午前か午後か。

回復期の患者さんは2か月から半年近く入院するので、顔と名前、そして「その人がどこまで自分でできるか」を覚えることが、最初の大きな仕事になります。

2週目:移乗と排泄の介助

2週目ごろから、先輩と一緒に介助に入ります。 ベッドから車いすへの移乗、トイレでの立ち上がり、ズボンの上げ下ろし。 回復期で大事なのは、「全部やってあげる」介助ではなく、「できるところは待つ」介助です。

最初はこれがとても難しく感じます。 手を出したほうが早いのに、患者さんが自分で立ち上がるのを待つ。 待つことにも技術が要るんですね。

3週目:記録と、日常生活動作の評価

3週目ごろには、看護記録の書き方と、日常生活動作の評価を覚えます。 回復期リハビリ病棟では、FIM(機能的自立度評価法)や日常生活機能評価といった指標で、患者さんがどの動作をどのくらい自分でできているかを点数にします。 初めて見ると項目の多さに驚きますが、療法士や先輩と点数をすり合わせながら覚えていけば大丈夫です。

4週目:少人数の受け持ちから始める

1か月たつころには、少ない人数の患者さんを受け持つところから始める病院が多いです。 いきなり他の人と同じ人数を任されることは、教育体制の整った病院ではまずありません。

もし「入職1週間で1人立ち」と言われるような職場だったら、それは未経験の人にとっては少し厳しい環境です。 面接の段階で、1人立ちまでの目安を聞いておくと安心です。

慣れるまでに、多くの人がつまずくところ

ここは、私が一番お伝えしたいところです。 未経験で回復期に入った人が、つまずきやすい場面には共通点があります。 「自分だけができない」と思わなくていいように、先に知っておいてくださいね。

療法士との言葉の違い

回復期リハビリ病棟では、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士と毎日一緒に働きます。 「見守り」「軽介助」「中等度介助」といった言葉の使い方や、動作の見方が、看護師や介護職とは少し違うことがあります。

最初は、カンファレンスで療法士の話が分からなくて落ち込む人が多いんです。

療法士の側も、病棟で患者さんが実際にどう過ごしているかを知りたがっています。 聞くことは、お互いの情報を交換することなんですね。

「待つ介助」への葛藤

先ほどお話しした「できるところは待つ」介助。 これが気持ちの面で一番しんどい、という声をよく聞きます。

忙しい時間帯に、患者さんがゆっくり着替えるのを横で待つ。 他のナースコールが鳴っている。 先輩から「もっと手早く」と言われた気がする。

こういうとき、自分を責めなくて大丈夫です。 急ぐべき場面と待つべき場面の見極めは、経験で身につくものです。 迷ったら、「この患者さんは、今日は着替えを自分でやる日ですか」と先輩に確認してみてください。

転倒への怖さ

回復期では、歩けるようになってきた患者さんほど転倒のリスクが高くなります。 入職して最初に転倒の場面に立ち会うと、「自分のせいだ」と強く落ち込む人がいます。

以前、回復期の病棟に転職したばかりの方から、こんなご相談を受けたことがあります。 「夜中に患者さんがベッドの横で転んでいて、自分がもっと見回っていればと思うと眠れない」と。 お話を伺うと、その方は病棟のルールどおりに見回りをしていて、報告もきちんとしていました。 転倒の対策は、病棟全体で考えるものです。 1人で抱え込まず、振り返りの場で共有することが、次の転倒を防ぐいちばんの近道です。

私自身も、カウンセラーとして初めて医療職の方の相談を受けたころ、「専門的な話を理解できないと役に立てない」と思い込んでいました。 でも実際に大事だったのは、専門用語を覚えることより、相手が何に一番困っているのかを一緒に言葉にすることでした。 新しい職場に慣れるときも、きっと同じです。

求人票と面接で「育てる気がある職場」を見分ける

未経験で入るなら、職場選びでいちばん大事なのは教育体制です。 求人票と面接で、次のポイントを確かめてみてください。

求人票で見るところ

1つ目は、「未経験可」「ブランク可」の書き方です。 ただ「歓迎」と書いてあるだけでなく、「プリセプター制度あり」「復職支援研修あり」「入職後○か月は日勤のみ」など、具体的な仕組みが書かれているかを見ます。

2つ目は、教育の担当者がいるかどうかです。 「教育担当の看護師が在籍」「看護部に教育委員会あり」といった記載があれば、未経験者を育てる仕組みがある職場だと分かります。

3つ目は、看護補助者(介護職)の人数です。 介護職が多い病棟では、看護師が生活介助に追われる時間が減り、未経験の看護師が観察や記録を学ぶ余裕が生まれます。

4つ目は、入院料の区分です。 「回復期リハビリテーション病棟入院料1」のように上位の区分をとっている病院は、療法士や社会福祉士の配置が手厚く、多職種で学べる環境が整っていることが多いです。

5つ目は、夜勤開始の時期です。 「夜勤は入職3か月後から」など、夜勤に入る時期が書かれていれば、慣れる期間を確保してもらえる目安になります。

面接で聞いてよいこと

未経験の方は、面接で質問するのを遠慮しがちです。

むしろ、長く働くつもりがあることが伝わります。

・1人立ちまで、どのくらいの期間を見ていますか ・最初は何人くらいの患者さんを受け持ちますか ・夜勤にはいつごろから入りますか ・移乗や介助の方法は、療法士から教わる機会がありますか ・未経験で入職した方は、今も病棟にいますか

最後の質問は特におすすめです。 未経験で入った人が今も働いているなら、その職場には育てる力があります。

面接で伝えておくとよいこと

質問するだけでなく、自分のことを正直に伝えておくことも大切です。 「急性期の経験はありませんが、介護施設で移乗や排泄の介助を3年経験しています」「ブランクが8年あるので、最初は処置の手順を確認しながら進めたいです」。 こうした伝え方をしておくと、職場の側も最初の配置や教える順番を考えやすくなります。

できないことを隠して入職すると、後から「こんなはずじゃなかった」とお互いに困ってしまいます。 反対に、経験していないことを先に伝え、そのうえで「覚えたい」という気持ちを添えれば、未経験は決して不利にはなりません。 回復期リハビリ病棟の採用担当者が見ているのは、今できることの多さより、患者さんの生活に関心を持って、チームの中で学んでいけるかどうかです。

見学で見るところ

見学ができるなら、スタッフ同士の声のかけ方を見てください。 「手伝おうか」「今そっち行くね」という声が自然に出ている病棟は、新人が質問しやすい病棟です。 反対に、ナースコールが鳴り続けていて、誰もが黙って走っている病棟は、人手が足りていない可能性があります。

看護補助者として未経験から入る場合の道のり

ここでは、資格のない方が看護補助者として回復期リハビリ病棟に入る場合について、もう少し詳しくお話しします。

最初に任されること

最初は、シーツ交換、病室の環境整備、配膳や下膳、車いすの清掃など、患者さんに直接触れない仕事から始まることが多いです。 慣れてきたら、食事の見守り、トイレへの誘導、入浴介助へと広がっていきます。

看護補助者は、看護師の指示のもとで働く職種です。 医療行為はできませんが、患者さんと過ごす時間は看護師より長いこともあります。 「昨日より自分でスプーンを持てていた」「今日は表情が暗かった」といった気づきを看護師に伝えることが、病棟にとってとても大切な役割になります。

資格を取りながら働く道

働きながら介護職員初任者研修や実務者研修を受け、介護福祉士を目指す人もいます。 病院によっては、研修費用を補助する制度があります。 将来的に看護師を目指して、准看護師や看護師の学校に通う人を応援している病院もあります。

夜勤に入るかどうか

看護補助者の夜勤は、看護師2人と組んで病棟に入る形が多いです。 夜間の排泄介助やおむつ交換、見回りの補助が中心になります。 夜勤手当がつくので収入は増えますが、慣れるまでは日勤のみで働ける職場を選ぶと、体も気持ちも無理なく続けられます。

入職前にしておくと、最初の3か月が楽になる準備

未経験で入職するとき、「何か勉強しておいたほうがいいですか」と聞かれることがよくあります。 張り切りすぎなくて大丈夫です。 ただ、次の3つだけ準備しておくと、最初の3か月の負担がぐっと軽くなります。

脳卒中と骨折の基本だけ復習しておく

回復期リハビリ病棟に入院している患者さんの多くは、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患か、大腿骨の骨折などの整形外科の疾患です。 専門書を1冊読み込む必要はありません。 「右の脳に障害があると左の半身に麻痺が出る」「失語症には、言葉が出にくいタイプと、言葉の理解が難しいタイプがある」「大腿骨の手術の後は、脱臼しやすい姿勢がある」といった基本を、看護の参考書やネットの信頼できる解説で一通り見直しておくと、申し送りの内容が頭に入りやすくなります。

ブランクのある看護師の方は、血糖測定やインスリン注射、経管栄養といった、回復期でもよく行う処置の手順だけ確認しておくと安心です。 自治体や都道府県の看護協会が、復職を考える看護師向けの研修を開いていることもあります。

体を使う仕事に備えて、腰を守る動き方を知っておく

回復期は移乗や立ち上がりの介助が多く、腰を痛めて悩む人が少なくありません。 入職前に、介助のときに膝を曲げて重心を低くする、患者さんに体を近づけてから支える、ひねる動きを避けるといった基本だけ知っておくと、最初の数週間の疲れ方が変わります。 入職後は、療法士から患者さんの力を引き出す介助の方法を教わる機会があるので、そこで少しずつ身につけていけば大丈夫です。

生活のリズムを先に整えておく

意外と大事なのが、これです。 新しい職場に入ると、仕事を覚える緊張で眠りが浅くなる方が多いんです。 入職の2週間ほど前から、出勤の時間に合わせて起きる練習をしておくと、最初の週の疲れがずいぶん違います。

特にブランクのある方や、家事や子育てと両立する方は、朝の準備にかかる時間を一度はかっておきましょう。 「朝に余裕がある」というだけで、職場に着いたときの気持ちの落ち着きが違ってきます。

家庭と両立しながら、未経験から始める勤務の組み方

未経験から回復期リハビリ病棟に入る方の中には、子育てや家族の介護と両立しながら働く方も多くいます。 ここでは、勤務の組み方の選択肢をお話しします。

日勤のみの常勤から始める

夜勤のない常勤で入り、慣れてから夜勤に入るかどうかを決める働き方です。 回復期リハビリ病棟では、日勤のみの常勤を募集している病院もあります。 夜勤手当がない分、月の給与は夜勤のある常勤より少なくなりますが、生活のリズムを崩さずに仕事を覚えられます。

パートから始める

1日4時間や6時間、週3日などのパートから始める働き方です。 回復期では、朝のリハビリの送り出しと昼食の介助が重なる午前中や、入浴介助の時間帯に人手が必要なため、午前中だけのパートを募集している病院もあります。 短い時間でも、同じ流れを繰り返し経験するので、仕事は着実に覚えられます。

レバウェル看護の解説には、体調を崩して看護師として働けるか不安だった方が、回復期リハビリテーション病院で週に数回の非常勤から始め、1年後には常勤として働くようになった事例も紹介されています。 いきなりフルタイムを目指さず、段階を踏む選択は十分に現実的です。

家族の協力を先に話し合っておく

どの働き方を選ぶにしても、入職前に家族と話し合っておいてほしいことがあります。 それは、「最初の3か月は疲れて帰ってくる日が多い」ということです。 家事の分担を一時的に変えてもらう、子どもの送り迎えをお願いする日を決めておく。 こうした準備があるだけで、「仕事も家庭もうまくいかない」と自分を追い詰めずに済みます。

こういうご相談、本当によくいただきます。 「働き始めたら家のことが回らなくなって、家族に申し訳ない」と。 申し訳なく思わなくていいんです。 新しい仕事を覚えている時期に、家族の手を借りるのは自然なことです。 慣れてきたら、また分担を戻していけばいいんですよ。

気持ちが折れそうになったときの支え方

最後に、慣れるまでの時期の気持ちの支え方について、お話しさせてください。 新しい職場に入って最初の3か月は、誰にとってもしんどい時期です。

心理学では、新しい環境に移ったときに一時的に気持ちが落ち込む時期があることが知られています。 最初は緊張で乗り切れても、1か月から3か月ほどたったころに、疲れがまとめて出てくるんですね。 これは、あなたの能力が足りないからではありません。 環境の変化に心と体が慣れようとしている、自然な反応です。

小さな「できた」を記録する

おすすめしているのは、1日の終わりに「今日できたこと」を1つだけメモすることです。 「移乗の介助を1人でできた」「療法士さんに質問できた」「患者さんに名前を呼んでもらえた」。 小さなことで大丈夫です。 しんどい時期ほど、できなかったことばかりが頭に残るので、意識して「できた」を拾っていきます。

相談できる相手を職場の外にも持つ

職場の中に相談できる先輩がいれば心強いのですが、なかなか言いにくいこともありますよね。 そんなときは、職場の外に話を聞いてくれる人を持っておくと、気持ちの逃げ場になります。 同じ看護師の友人でもいいですし、キャリアの専門家に相談するのも1つの方法です。

キャリアコンサルタントは、働き方や仕事の悩みについて相談を受ける国家資格です。 資格の内容や、どのような場面で相談に乗ってくれるのかを紹介しています。 転職の相談だけでなく、「今の職場で続けていけるか」という悩みにも対応しています。

また、相談する側としてどんな支援が受けられるのかを知りたい方には、職場・転職・キャリア相談のお仕事も参考になります。 キャリア相談の仕事がどんな内容で、どんな人が担っているのかをまとめています。

回復期で1年、3年と働いたあとに広がる道

未経験で入るときは、目の前の仕事を覚えることで精一杯ですよね。 それでも、少し先の見通しがあると、しんどい時期を越える力になります。 ここでは、回復期リハビリ病棟で経験を積んだ後に、どんな道が広がるのかをお話しします。

1年目:生活を見る目が育つ

1年ほど働くと、患者さんを「病気の人」ではなく「生活している人」として見る目が育ってきます。 この人は家に帰ったら、どこで食事をして、どこのトイレを使うのか。 家族は日中いるのか、1人で過ごす時間が長いのか。 そうした退院後の生活を想像しながら、今日の介助を考えられるようになります。

この力は、回復期で働くうちに自然と身につく、とても大きな財産です。

3年目:チームをつなぐ役割を任される

3年ほどたつと、新人の指導や、カンファレンスでの報告、家族への退院指導などを任されるようになります。 療法士、介護職、社会福祉士、ケアマネジャーのあいだに立って、情報をつなぐ役割です。 病棟によっては、リーダー業務や、転倒予防や褥瘡対策といった委員会の担当も任されます。

その先:専門性を深める道と、場所を変える道

回復期での経験をさらに深めたい人は、回復期リハビリテーション病棟協会の研修に参加したり、回復期リハビリテーション看護の認定の取得を目指したりする道があります。 摂食嚥下障害看護や脳卒中看護など、日本看護協会の認定看護師の分野に進む人もいます。

場所を変える道もあります。 回復期で在宅復帰を支えた経験は、訪問看護、介護施設、地域包括ケア病棟など、生活を支える現場で高く評価されます。 患者さんの退院後の暮らしを想像しながら働いてきた経験は、在宅の現場でそのまま活きるんですね。

回復期では、看護師や療法士が患者さんの自宅を訪ねて、手すりの位置や段差を確認することもあります。 こうした経験から在宅の現場に関心を持ち、訪問看護や訪問リハビリへ働き方を広げる人もいます。 療法士の立場から訪問リハビリの仕事を考える場合は、理学療法士・作業療法士の訪問リハビリ副業|高時給を狙う方法【2026年版】も参考になります。 訪問リハビリの仕事の探し方と、病院勤務との両立の考え方をまとめています。

最初は「ついていけるか不安」だった場所が、数年後には「ここで身につけたことが自分の強み」と言える場所になる。 そういう方を、私はたくさん見てきました。 今は目の前の1日を大事にしながら、ときどき少し先を思い浮かべてみてくださいね。

運営者の視点から見た、未経験から医療の現場に入る人の変化

在宅ワークやフリーランスの仕事の市場を長く見てきた立場から言うと、医療や介護の分野では、ここ数年で「一度離れた人が戻ってくる」「別の業界から入ってくる」という動きがはっきり増えています。 その中で長く続いている人に共通しているのは、最初から完璧を目指さず、「分からないことを聞ける関係」を職場で先に作っていることです。

回復期リハビリ病棟で経験を積んだ看護師の中には、その経験を活かして、病棟勤務と並行して在宅でできる仕事に関わる人もいます。 看護の経験がどのような在宅の仕事につながるのかを知りたい場合は、看護師におすすめの在宅ワーク5選|臨床経験を活かす副業【2026年版】が参考になります。 臨床経験を活かせる仕事を、種類ごとに整理しています。

仲介の手数料がかからない直接のやり取りでは、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、引き受ける側は手元に残る報酬が厚くなります。 運営者として見てきた限りでは、医療や介護の専門職ほど、信頼を少しずつ積み重ねて、この「お互いに得をする関係」を長く続けています。 それは、病棟で患者さんや同僚との関係を丁寧に作ってきた経験があるからだと感じています。

未経験で回復期リハビリ病棟に入るのは、勇気の要ることです。 でも、この病棟は、生活を支える看護を一から学べる場所でもあります。 焦らなくて大丈夫です。 あなたのペースで、1つずつ「できた」を増やしていってくださいね。

よくある質問

Q. 急性期の経験がない看護師でも回復期リハビリ病棟で働けますか?

働けます。回復期リハビリ病棟は急変や高度な処置が少なく、生活の介助や多職種との連携が仕事の中心のため、急性期の経験がない看護師を受け入れている募集が多くあります。介護施設や訪問看護での介助の経験も活かせます。教育体制や1人立ちまでの期間を面接で確認して選ぶと安心です。

Q. 無資格でも回復期リハビリ病棟で働けますか?

看護補助者として働くことができます。シーツ交換や環境整備、配膳などから始まり、慣れてくると食事の見守りや排泄、入浴の介助へと仕事が広がります。資格不問や未経験可の募集も多く、働きながら介護職員初任者研修や実務者研修を受け、介護福祉士を目指す人もいます。

Q. 回復期リハビリ病棟で1人立ちするまでどれくらいかかりますか?

病院や経験によって違いますが、看護師の場合は1か月ほど先輩について病棟の流れと介助を覚え、その後に少人数の受け持ちから始めることが多いです。夜勤は入職から数か月後に入る病院が一般的です。未経験の場合は、1人立ちまでの目安を面接で具体的に聞いておくと入職後のギャップを減らせます。

Q. ブランクが長くても回復期リハビリ病棟に復職できますか?

復職できます。回復期リハビリ病棟は処置の種類が限られているため、ブランクのある看護師の復職先として選ばれやすい職場です。復職支援研修を用意している病院や、日勤のみやパートから始められる募集もあります。不安が大きい場合は、自治体や看護協会の復職支援研修を先に受けておくのも1つの方法です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月28日最終更新:2026年9月16日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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