子育てしながら児童発達支援で働く|シフトの融通と、頼れる制度


この記事のポイント
- ✓児童発達支援は開所時間が短く
- ✓子育てと両立しやすい職場です
- ✓育児・介護休業法で使える制度
先日、保育士として働きながら小学生のお子さんを育てている方から相談を受けました。「子どもが熱を出すたびに謝って早退している。もう限界かもしれない」と。
話を聞いていくと、その方の職場では子の看護のための休暇が事実上使えない運用になっていました。制度としては存在するのに、使った人がいないので誰も申請しない。
結論から言うと、これは法律で認められた権利です。事業所の空気で消えるものではありません。
これ、知らない人が本当に多いんです。
児童発達支援は、子育て中の方にとって働きやすい要素を複数持っている職場です。ただし、それは事業所によって差が大きい。そして、使える制度を知らないまま入ると、せっかくの条件を活かせません。
今日は二つの話をします。前半は、児童発達支援という職場の時間の流れが、子育てとどう噛み合うか。後半は、育児・介護休業法で何が使えるのか、そして求人票と面接でどこを確かめるべきかです。
児童発達支援は、保育園より時間が読める職場
まず、職場の構造から見てください。ここが両立のしやすさを決めています。
児童発達支援は、就学前の子どもを対象にした通所支援です。多くの事業所では、午前と午後で別のグループを受け入れます。午前は9時台に登所して11時台に降所、午後は13時台から15時台まで。1回の支援は90分から120分程度が中心です。
保育園と比べてください。保育園は朝7時台の早番から夜19時台の延長保育まで、開所時間が長い。シフトに早番と遅番があり、自分の子どもの送り迎えと衝突します。
児童発達支援には、この早番と遅番がありません。開所時間そのものが短いからです。
実際の事業所の案内表記を見ると、開所の曜日と時間帯が保育園とはっきり違うことが分かります。
[email protected]:30〜17:30(月・火・木・金 )新潟市中央区神道寺1丁目5番44号 出典: happy-mama-ouendan.jp
注目してほしいのは、曜日の部分です。月曜、火曜、木曜、金曜。水曜が入っていません。
すべての事業所がこうではありませんが、週4日開所、あるいは特定の曜日を支援なしにして事務や会議に充てている事業所は珍しくありません。開所時間も8時半から17時半という形で、保育園より2時間以上短い。
つまり、自分の子どもを保育園に預けて働く場合、送りと迎えの時間に余裕が生まれます。
もう一つ大きいのが、日曜と祝日です。児童発達支援は基本的に日曜と祝日が休みで、土曜は開所する事業所と休みの事業所に分かれます。年末年始も休みになるところが多い。
学校行事や家族の予定を組みやすいという点で、これはかなり効きます。
そして、行事の負担が軽い。保育園には運動会、発表会、卒園式があり、その準備が勤務時間外に食い込みます。児童発達支援にも季節の活動はありますが、規模が違います。少人数で行うため、大掛かりな準備が発生しにくい。
「時間が読める」。これが、この職場の最大の利点です。
ただし、時間が延びる場所は決まっている
良い面だけ書くのはフェアではないので、延びる場所も挙げます。
送迎業務。事業所によっては、職員が車で子どもの送り迎えをします。これが入ると、時間が読めなくなります。渋滞、天候、保護者の不在。どれも自分ではコントロールできません。
子育てと両立させたいなら、送迎の有無は最優先の確認事項です。送迎業務なしで絞り込める求人サイトもあります。
降所時の保護者対応。児童発達支援では、保護者と話す時間が業務の重要な一部です。保護者の多くは不安を抱えて来ていて、「家でどうすればいいか」を求めています。
この会話が5分で終わる日もあれば、20分になる日もあります。相手の状態によるので、こちらでは決められません。降所時刻ちょうどに上がれる前提で予定を組むと、崩れます。
記録。個別支援計画の目標に対して、その日の様子を具体的に書く作業が毎日あります。「楽しそうでした」では記録になりません。事実として書く必要があるため、時間がかかります。
この記録をいつ書くかが、事業所によって違います。降所後に時間が確保されている事業所と、空いた時間で書く運用の事業所。後者は、実質的に残業か持ち帰りになりがちです。
会議とケース検討。月に一度、あるいは週に一度、支援の方針を話し合う時間を設けている事業所があります。これ自体は良いことですが、時間帯が勤務時間外に置かれていないかは確認が必要です。
保護者面談と担当者会議。個別支援計画の作成や見直しの時期には、保護者との面談が入ります。また、相談支援専門員や園、医療機関との担当者会議に出ることもあります。日程が先方都合で決まるため、事前の調整が要ります。
この五つを踏まえると、「児童発達支援なら必ず両立できる」とは言えません。事業所ごとに、どこまで延びるかが違います。
だから、確認の仕方が重要になります。それは後半で書きます。
育児・介護休業法で、何が使えるのか
ここは私の専門なので、丁寧に整理します。冒頭の相談のように、制度を知らないまま我慢している方が本当に多い。
育児・介護休業法は、子育てをしながら働く人を守るための法律です。事業所の規模に関わらず適用されます。「うちは小さい事業所だから」は理由になりません。
主なものを挙げます。
育児休業。原則として子が1歳になるまで取得できます。保育所に入れないなどの事情があれば、最長2歳まで延長できます。父親が取得できる産後パパ育休の枠もあります。
短時間勤務制度。3歳未満の子を養育する労働者について、1日6時間の勤務を選べる制度を設けることが、事業主の義務とされています。
つまり、フルタイムで採用されていても、条件を満たせば6時間勤務に変更できます。
所定外労働の制限。いわゆる残業の免除です。請求すれば、所定労働時間を超える労働をさせてはならないことになっています。
時間外労働の制限。小学校就学前の子を養育する労働者が請求した場合、時間外労働は月24時間、年150時間を超えてはならないとされています。
深夜業の制限。同じく請求により、深夜の時間帯に働かせることができなくなります。児童発達支援では深夜勤務はまずありませんが、権利としては存在します。
子の看護等休暇。冒頭の相談に関わる制度です。子どもの病気やけがの世話、予防接種、健康診断のために取得できる休暇で、年5日、子が2人以上なら年10日が基本です。時間単位でも取得できます。
※ これらは法律上の権利です。申請を理由に不利益な取り扱いをすることは禁止されています。もし「使うなら辞めてもらう」といった対応をされた場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部などに相談してください。
2025年の改正で、使える範囲が広がった
制度は動いています。ここ数年で、子育て中の労働者に有利な方向に改正が進みました。
令和7年4月からの主な変更点を挙げます。
子の看護休暇の拡充。名称が子の看護等休暇に変わり、対象となる子の範囲が小学校就学前から小学校3年生修了までに広がりました。
取得できる理由も増えています。従来の病気やけが、予防接種、健康診断に加えて、感染症に伴う学級閉鎖等や、入園式や卒園式といった行事への参加も対象になりました。
つまり、学級閉鎖で子どもが家にいる日に、この休暇を使えるということです。
さらに、勤続6か月未満の労働者を労使協定で除外できる規定が廃止されました。入職してすぐでも使えます。
所定外労働の制限の対象拡大。残業の免除を請求できる対象が、3歳未満の子を養育する労働者から、小学校就学前の子を養育する労働者にまで広がりました。
テレワークの努力義務。3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるようにすることが、事業主の努力義務とされました。児童発達支援は対面が前提の仕事なので、記録や事務に限られますが、制度としては存在します。
そして、令和7年10月からは、3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者について、柔軟な働き方を実現するための措置を講じることが事業主の義務になりました。
始業時刻等の変更、テレワーク、保育施設の設置運営等、養育両立支援休暇、短時間勤務制度。これらの中から2つ以上を選んで措置し、労働者はその中から1つを選べる形です。
つまり、3歳を過ぎて短時間勤務が使えなくなる、という従来の断絶が緩和されたことになります。
※ 制度の詳細や最新の内容は、厚生労働省の案内で確認してください。厚生労働省のサイトに、事業主向けと労働者向けの両方の資料が掲載されています。
大事なのは、これらが「事業所の好意」ではなく法律上の仕組みだということです。法律はあなたの味方です。ただし、知らないと使えません。
融通が効く事業所と、効かない事業所の分かれ目
制度があっても、実際に使えるかどうかは事業所によります。ここを見分けてください。
職員数。人員配置の基準はおおむね障害児10人までに直接支援職員2人以上ですが、基準ぎりぎりで回している事業所では、一人休むと支援が成立しません。
この状態だと、制度上は休めても、心理的に休めなくなります。基準より手厚く配置している事業所を選ぶのが、いちばん確実な対策です。
非常勤やパートの枠があるか。午前だけ、週3日だけという勤務が可能な事業所は、そもそも短時間で働く人を前提に体制を組んでいます。こういう事業所は、急な休みへの耐性も高い。
職員に子育て中の人がいるか。これがいちばん分かりやすい指標です。同じ立場の人が現にいる職場では、休みの融通が仕組みになっています。誰もいない職場では、あなたが最初の一人になります。
法人の規模。複数の事業所を運営する法人では、応援体制があることがあります。一人休んでも別の事業所から人が来る。この体制があるかどうかは、面接で聞けば分かります。
土曜開所の扱い。土曜に開所している事業所では、土曜出勤が交代制になります。自分の子どもの予定と衝突するので、頻度を確認してください。「月1回程度」と「隔週」では、生活への影響がまるで違います。
児発管が専任か兼務か。児童発達支援管理責任者が管理者と兼務している事業所では、その人が現場に入りきれません。結果として、他の職員の負担が増え、休みにくくなります。
待遇面の判断材料も持っておいてください。保育士資格を持って移る方が多いので、保育士の年収・単価相場で全体の水準を把握しておくと、時短勤務にした場合の見通しが立てやすくなります。福祉の他分野と比べたいなら介護職員の年収・単価相場も見ておくと、選択肢の幅が広がります。
求人票と面接で、必ず確かめること
具体的な確認事項を並べます。ここを飛ばすと、入ってから困ります。
送迎業務の有無と担当の決め方。「手が空いている人が行く」という答えなら、実際には決まった人が行っています。誰がどれくらいの頻度で運転しているかまで聞いてください。
記録を書く時間帯。「何時から何時が記録の時間ですか」と、時間帯で聞いてください。「空いた時間で」という答えなら、確保されていません。持ち帰りがあるかも確認事項です。
会議の時間帯。ケース検討や職員会議が、勤務時間内に組まれているかどうか。勤務時間外なら、それは実質的な残業です。
土曜開所の頻度。月に何回出勤があるか。
子どもの体調不良で休むときの手順。「当日の朝に連絡した場合、どうなりますか」と具体的に聞いてください。答え方に、その職場の文化が出ます。
短時間勤務の実績。制度の有無ではなく、実際に使っている人がいるかを聞いてください。「制度はあります」だけの答えなら、使われていない可能性があります。
子の看護等休暇の運用。「取得された方はいますか」と聞くのが確実です。
労働条件通知書をいつもらえるか。労働基準法により、労働契約を結ぶ際には労働条件を明示する義務があり、重要な事項は書面での交付が必要です。令和6年4月からは、就業場所と業務の変更の範囲も明示事項に加わりました。
この最後の項目が重要です。系列の事業所への異動や、送迎業務が後から加わるかどうかが、書面で確認できます。
※ 面接で聞いた内容は、日付と相手の氏名とあわせてメモに残してください。口頭のやりとりは後から食い違います。労働条件通知書と面接のメモを突き合わせて、ずれがあれば入職前に確認する。これだけで、トラブルの大半は防げます。
一日の時間割を、自分の生活に重ねてみる
抽象的に考えても判断できません。実際の時間割に、自分の予定を並べてみてください。
児童発達支援事業所の典型的な一日は、こう動きます。
8時半、出勤。その日の受け入れ準備。教材を出し、部屋を作り、前日の記録とその日の予定を確認します。
9時半ごろ、午前のグループが登所。保護者から家庭での様子を聞き取ります。ここでの2分の会話が、その日の支援の組み立てを変えることがあります。
10時から11時半ごろ、支援。小集団と個別を組み合わせる形が多い。
11時半ごろ、降所。保護者にその日の様子を伝えます。
12時前後、午前分の記録と、午後の準備。ここに昼休憩が挟まります。
13時半ごろ、午後のグループが登所。同じ流れを繰り返します。
15時半ごろ、降所。片付けと記録。
17時半、退勤。
ここに、自分の生活を重ねます。
保育園に子どもを預けているなら、朝8時に預けて8時半に出勤、という流れが成立するかどうか。通勤時間を足して計算してください。
小学生がいるなら、下校時刻と17時半の退勤が噛み合うか。学童を使うなら終了時刻を確認してください。
そして、短時間勤務を選ぶ場合はどこを削るかを考えます。6時間勤務にするなら、午前だけ入る形か、午後の記録の時間までで上がる形か。事業所によって、どちらが現実的かが違います。
ここで気をつけたいのが、午前だけの勤務を選んだ場合です。午前の記録を書く時間が確保されていないと、退勤後に残ることになります。
面接では、「午前のみの勤務の場合、記録はいつ書きますか」と具体的に聞いてください。実際に午前だけで働いている職員がいるなら、その人がどうしているかを聞くのがいちばん確実です。
時間割を紙に書いて重ねる。これを入職前にやっておくだけで、入ってからの誤算がかなり減ります。
時短にすると収入はどうなるか、支えになる給付
働き方を変えると、当然ですが収入が変わります。ここも先に計算しておきましょう。
短時間勤務にすると、多くの場合、勤務時間に応じて賃金が減ります。8時間から6時間にすれば、単純計算で4分の3です。
ただし、これを補う仕組みがいくつかあります。
育児休業給付金。育児休業中に雇用保険から支給されるもので、休業開始時の賃金日額を基準に、休業開始から180日目までは67パーセント、それ以降は50パーセントが基本です。
出生後休業支援給付金。令和7年4月に始まった制度です。一定の要件を満たす場合、最大28日間、育児休業給付金に上乗せして支給されます。上乗せ分と合わせて、休業前の手取りに近い水準を確保できる設計になっています。
育児時短就業給付金。こちらも令和7年4月に始まりました。2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている場合に、支払われた賃金の一定割合が支給される仕組みです。
つまり、時短にすることによる収入減を、完全にではありませんが一部補える制度が整ってきています。
育児休業中の社会保険料の免除。育児休業を取得している間、健康保険と厚生年金保険の保険料が、本人負担分と事業主負担分の両方について免除されます。免除された期間も、年金の計算上は保険料を納めたものとして扱われます。
養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置。時短勤務によって標準報酬月額が下がった場合でも、将来の年金額の計算においては、下がる前の額で計算される仕組みがあります。手続きが必要なので、時短を始めるときに事業所へ確認してください。
※ これらの制度は要件が細かく、個別の事情によって受けられる内容が変わります。実際の手続きは、事業所の担当者やハローワーク、年金事務所に確認してください。制度の概要は厚生労働省のサイトで公開されています。
ここで申し上げたいのは、「時短にすると収入が減るから無理」と最初から諦めないでほしいということです。使える仕組みを全部並べてから計算すると、想定していたほど減らないことがあります。
そして、これらは申請しないと受けられません。事業所が自動で手続きしてくれるとは限らないので、自分から確認してください。
休みが必要になったときに、周りに伝える順番
制度が使えることと、実際に休みやすいことは別です。ここを埋めるのは、日々の伝え方になります。
まず押さえておきたいのは、児童発達支援の事業所は職員が少ないということ。一人休むと、その日の支援の組み立てが変わります。責めているのではなく、事実としてそうなります。
だからこそ、伝える順番が効きます。
当日の朝に休む場合は、まず管理者か児童発達支援管理責任者に連絡してください。同僚にだけ伝えると、支援の割り振りを決める人に情報が届きません。連絡先と連絡手段は、入職時に確認しておきます。
伝えるときは、理由を簡潔に、そして戻れる見込みも添えてください。「子どもが発熱したため休みます。明日の様子は今夜あらためて連絡します」。この一文があるだけで、受け取る側は翌日の段取りを考えられます。
前もって分かっている休みは、できるだけ早く出してください。学校行事、健康診断、予防接種。カレンダーが出た時点で共有する。早く出すほど、シフトの調整が効きます。
休んだ翌日は、簡単に状況を伝えて、その日の記録の遅れがあれば先に片付ける。これは義務ではありませんが、続けていると信頼になります。
そして、自分が動ける日には、他の職員の急な休みを引き受けてください。この積み重ねが、いざというときの休みやすさに変わります。制度は権利ですが、職場の空気は関係でできています。
もう一つ大切なのが、引き継ぎの形を残しておくことです。担当している子どもについて、直近の様子と支援の意図を記録に残しておけば、自分が休んだ日も他の職員が同じ関わり方をできます。子どもにとっての一貫性が保たれ、あなたも安心して休める。
記録は、自分を守る道具でもあります。丁寧に書いている人ほど、休みやすくなる。現場を見ていると、この関係ははっきりしています。
自分の子どもに特性があるとき
この分野を志望する方の中には、自分のお子さんに発達の特性があるという方が少なくありません。
その経験は、この仕事で確実に活きます。保護者の気持ちが分かるというのは、大きな強みです。
ただし、注意点が二つあります。
一つめ、自分の経験を他の保護者に当てはめないこと。子どもの特性は一人ひとり違います。「うちの子はこうだったから」という語り方は、相手を追い詰めることがあります。経験は理解の助けにはなりますが、答えにはなりません。
二つめ、自分の子どもの通所先では働かないほうがよい場合がある。事業所によっては、職員の子どもの受け入れについて方針を定めています。利用者と職員という二つの立場が重なると、関係が複雑になるからです。応募前に確認してください。
そして、もし自分のお子さんが放課後等デイサービスや児童発達支援を利用しているなら、そのスケジュールと勤務時間の重なりも考える必要があります。自分の子どもの通所の送り迎えができる時間帯かどうか。ここは事前に計算しておくべきです。
この市場を見てきて分かること
この市場を20年見てきた運営者の立場から、一つ付け加えます。
子育てをしながら長く働き続けている人には、共通点があります。制度を「お願いして使わせてもらうもの」ではなく、「最初から組み込んで設計するもの」として扱っていることです。
入職前に、時短をいつまで使うか、看護休暇をどの程度見込むか、土曜の出勤をどう調整するかまで話してから入っている。この人たちは、いざというときに気まずさがありません。
逆に、入ってから相談しようとした人は、たいてい言い出せなくなります。周りが忙しくしているのを見てしまうからです。
もう一つ。中間に何も挟まらない直接のやりとりほど、条件は実態に近づきます。業務委託の市場を見ていると、この傾向ははっきり出ます。発注する側は同じ予算でより多く頼めて、受ける側は手取りが厚くなる。話が正確に伝わるからです。
採用も同じで、現場の職員と直接話してから決めた人は、入職後のずれが少ない。紹介の情報だけで決めた人とは、定着の度合いが違います。
自分のキャリアをどう組み立て直すか迷うなら、職場・転職・キャリア相談のお仕事のような、キャリア相談そのものを扱う仕事の考え方が参考になります。対人支援の技術を体系的に学びたいならキャリアコンサルタントという国家資格もあり、保護者対応にも通じる内容を扱います。
動き出す順番
最後に、何から手をつけるかを整理します。
自分の生活時間を先に書き出す。何時に子どもを預けて、何時に迎えに行く必要があるか。学童の終了時刻は何時か。この枠を先に固定してください。仕事に合わせて生活を削ると、続きません。
送迎業務なしで求人を絞る。まずここで絞り込むと、候補がかなり整理されます。時間が読める職場を優先してください。
見学に行く。求人票では分かりません。降所の時間帯に見学して、職員が何時に上がっているかを見てください。これが実態です。
面接で制度の実績を聞く。制度の有無ではなく、使っている人がいるかを聞く。ここが唯一の判断材料です。
労働条件通知書を受け取って、面接のメモと突き合わせる。ずれがあれば入職前に確認する。
入職前に、時短や休暇の見込みを伝えておく。気まずさは、入ってからのほうが強くなります。先に話しておくほうが、結果的に働きやすい。
児童発達支援は、開所時間の短さと行事の少なさという点で、子育てと重なりやすい職場です。ただし、事業所ごとの差が大きい。確認を飛ばさないでください。
そして、使える制度は使ってください。遠慮する必要はありません。法律はあなたの味方です。
よくある質問
Q. 児童発達支援は保育園より子育てと両立しやすいですか?
開所時間の短さという点では両立しやすい職場です。午前と午後で別のグループを受け入れ、1回90分から120分程度の支援を行う形が中心で、保育園のような早番や延長保育がありません。日曜と祝日は休みで、行事の規模も小さい。ただし送迎業務がある事業所では時間が読めなくなるため、確認が必要です。
Q. 子どもの看護のための休暇は何日取れますか?
子の看護等休暇として年5日、子が2人以上なら年10日が基本で、時間単位でも取得できます。令和7年4月から対象が小学校3年生修了までに広がり、感染症に伴う学級閉鎖や入園式などの行事も取得理由に加わりました。勤続6か月未満を除外する規定も廃止されたため、入職してすぐ使えます。
Q. フルタイムで採用された後に時短へ変更できますか?
できます。育児・介護休業法により、3歳未満の子を養育する労働者について1日6時間の短時間勤務制度を設けることが事業主の義務とされています。さらに令和7年10月からは、3歳以上小学校就学前の子についても柔軟な働き方の措置を2つ以上講じることが義務になりました。申請を理由とする不利益な取り扱いは禁止されています。
Q. 求人票で融通が効く事業所を見分けるポイントは何ですか?
定員に対する職員数、送迎業務の有無、非常勤やパートの枠があるか、土曜開所の頻度、児発管が専任か兼務かの5点です。あわせて面接で「短時間勤務や看護休暇を実際に使っている方はいますか」と聞いてください。制度の有無ではなく利用実績があるかが、実際に休めるかどうかの判断材料になります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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