子育てしながら医療機器メーカーで働く|シフトの融通と、頼れる制度


この記事のポイント
- ✓医療機器メーカーでママとして子育てと仕事を両立できるかは
- ✓会社名より職種と担当の組み方で決まります
- ✓営業・サービス・内勤それぞれの時間の縛られ方
医療機器メーカーでママとして働き続けられるのか。 病院勤務から移りたい人も、すでにメーカーにいて出産を控えている人も、最初に知りたいのはここだと思います。
結論から言うと、両立のしやすさは会社名よりも「どの職種で、担当をどう組んでいる職場か」で決まります。 同じ会社の中でも、手術の予定に合わせて動く営業と、社内で薬事書類を扱う担当とでは、時間の縛られ方がまったく違います。 そして2025年から段階的に施行された育児・介護休業法の改正で、子どもが小さい時期に使える制度は確実に増えました。
ただし、制度が就業規則に書いてあることと、その職場で実際に使えることは別の話です。 この記事では、医療機器メーカーの中で時間がどう動いているのかを職種ごとに分けて見たうえで、頼れる制度と、求人票や面接で確かめるべき点を整理します。
子育て中の人にとって、医療機器メーカーはどんな職場なのか
医療機器メーカーは、病院に比べると「夜勤がない」「土日が休み」という点で、子育て中の人に選ばれやすい職場です。 看護師や臨床工学技士、臨床検査技師として病院で働いていた人が、出産や子どもの入学を機に移ってくる例も珍しくありません。
一方で、医療機器メーカーの仕事は、顧客である病院の予定に強く引っ張られます。 病院の手術や検査は平日の朝から始まり、緊急の手術は時間を選びません。 メーカー側の社員は、その予定に合わせて機器を届け、使い方を支え、不具合が出れば駆けつけます。 つまり「メーカー勤務だから時間が読める」とは限らず、病院との距離が近い職種ほど、病院の時間で動くことになります。
子育てとの関係で考えると、この職場には大きく3つの特徴があります。
1つ目は、職種による差が非常に大きいことです。 営業やクリニカルスペシャリストのように病院へ出向く仕事と、薬事や品質保証のように社内で完結する仕事では、同じ会社の同じ制度でも使いやすさが違います。
2つ目は、担当制が多いことです。 「この病院はこの人」「このエリアはこの人」と担当が決まっていると、その人が休んだときに代わりが立ちにくくなります。 逆に、チームで複数の病院を持つ体制なら、急な発熱で休んでも誰かが代わりに動けます。
3つ目は、外資系や大手を中心に、フレックスタイムや在宅勤務の仕組みを早くから入れてきた会社があることです。 内勤の職種では、こうした仕組みが子育て中の働き方を支えています。
産後の女性がどれほど休めていないかについては、医療機器の製造販売を手がける企業自身が調査を公表しています。
「役割があり休めない」と回答した女性の割合は、女性全体が39.5%に対して、産後1年間は約60%と約20%以上高い結果となった。 出典: takarabelmont.com
産後の1年間は、家でも職場でも役割が重なり、休む時間が削られやすい時期です。 だからこそ、復帰する職場を選ぶときは「制度があるか」だけでなく、「休んだときに誰が仕事を引き取るのか」まで見ておく必要があります。
病院へ出向く職種は、手術と検査の予定に合わせて1日が動く
医療機器メーカーの営業や、手術室で機器の使い方を支えるクリニカルスペシャリストは、病院の予定に合わせて1日が組まれます。 子育てとの両立を考えるなら、まずこの職種の時間の流れを具体的に知っておくことが大切です。
手術に使う機器を扱う担当の場合、朝は病院の手術開始に合わせて動きます。 病院によっては朝の早い時間から手術が始まるため、保育園の送りと重なる日が出てきます。 手術が長引けば、夕方のお迎えの時間に病院を出られないこともあります。
医療機器業界には、メーカーや販売会社の社員が手術や検査に立ち会うことについて、業界の公正競争規約にもとづく基準があり、立会いの回数の考え方や確認書の運用まで決められています。 立会いは無制限にできるものではなく、ルールの中で行われている仕事です。 それでも、担当する製品や病院によっては、立会いの予定が週の中に何度も入ることがあります。
もう1つ、この職種で見落とされやすいのが移動です。 担当エリアが広いと、1日に複数の病院を車や電車で回ることになり、移動時間だけで数時間になる日もあります。 自宅から遠い病院を担当すると、朝の出発も夜の帰宅も遅くなります。
では、子育て中にこの職種を続けるのは無理なのかというと、そうではありません。 続けている人に共通しているのは、次のような条件が揃っていることです。
・担当エリアを自宅や保育園から近い範囲に調整してもらっている ・緊急の呼び出しを、チームで当番制にしている ・直行直帰が認められていて、事務所に寄る時間を省ける ・手術の立会いが少ない製品(消耗品や検査機器など)を担当している
私が以前、医療機器メーカーの営業職で働く人の話を聞いたとき、印象に残ったのは「子どもが生まれてから、担当エリアを変えてもらったのが一番大きかった」という言葉でした。 制度の名前より、担当の組み替えという地味な調整が、毎日の送り迎えを可能にしていたわけです。
もう1つ、この職種ならではの調整として、手術の曜日を見て担当を決める方法があります。 病院ごとに、どの曜日にどの診療科の手術が多いかはおおよそ決まっています。 朝の送りを家族に任せられる曜日に立会いの多い病院を寄せ、それ以外の曜日は事務作業や近くの病院の訪問に充てる、という組み方をしている人もいます。 こうした工夫は、上司が病院ごとの予定を把握していて、チームで担当を動かせる職場でなければ成り立ちません。
裏を返すと、担当の組み替えを相談できない職場では、どれほど立派な制度があっても、病院へ出向く職種での両立は厳しくなります。 求人を見るときは、この職種に子育て中の社員がいるか、担当エリアの調整がされているかを必ず確かめてください。
サービスエンジニアとカスタマーサポートは、シフトと当番の組み方で決まる
医療機器メーカーには、納めた機器の点検や修理を担当するサービスエンジニアと、病院や患者からの問い合わせに電話で答えるカスタマーサポートがあります。 この2つは、病院へ出向く営業とも、社内で完結する内勤とも違う時間の流れを持っています。
サービスエンジニアの仕事は、定期点検と故障対応に分かれます。 定期点検は前もって予定が組めるので、子育て中でも調整しやすい部分です。 病院の検査や手術に影響しないよう、点検が休診日や夕方以降に入ることもありますが、予定表に載っている分、家族と前もって相談できます。
難しいのは故障対応です。 人工呼吸器や透析装置、画像診断装置のように、止まると診療そのものが止まる機器は、連絡が入ったらすぐ動くことが求められます。 こうした機器を扱う会社では、夜間や休日の呼び出しに備えたオンコールの当番を置いていることが多く、子育て中の人にとってはここが一番の壁になります。
当番の組み方は会社によってかなり違います。 全員で均等に回す会社もあれば、子育てや介護をしている人は当番から外す、または回数を減らす会社もあります。 遠隔でログを確認して一次対応をする仕組みを入れている会社では、夜中に病院へ行く回数そのものが少なくなります。
カスタマーサポートは、受付時間が決まっているため、シフトが読みやすい職種です。 医療機器の中には、在宅で使う機器や自己注射に使う器具のように、患者が自宅で使うものがあり、その相談窓口は夜間や休日も開いていることがあります。 こうした窓口では、日勤だけの枠、夜間を含む枠、週の日数を選べる枠など、勤務の型がいくつか用意されていることが多いです。
子育て中の人がこの2つの職種を選ぶなら、確かめたいのは次の点です。
・オンコール当番の頻度と、子育て中の人の当番の扱い ・故障対応の一次受けを誰がしているか(コールセンターか、エンジニア本人か) ・シフトを決める時期と、希望の出し方 ・急な欠勤が出たとき、誰がシフトを埋めるのか
特に最後の点は大切です。 シフト制の職場では、急な欠勤を「残った人が穴埋めする」前提で回していると、休むたびに気まずさが積み重なります。 欠勤を見込んで少し多めに人を配置しているのか、ぎりぎりの人数で回しているのかは、面接で聞いておく価値があります。
社内で完結する内勤は、フレックスと在宅勤務で融通が利きやすい
子育てとの両立という点で、医療機器メーカーの中で最も融通が利きやすいのは、社内で完結する内勤の職種です。 具体的には、薬事、品質保証、学術、マーケティング、受注や物流の管理、営業を後ろから支える営業事務などがこれに当たります。
医療機器は、薬機法にもとづいて承認や認証を受け、品質の仕組みを保ったまま製造販売しなければなりません。 そのため、医療機器メーカーには、申請書類を作る薬事の担当や、製造や出荷の記録を確認する品質保証の担当が必ずいます。 これらの仕事は、病院の手術予定ではなく、申請の締め切りや社内の審査の予定で動きます。 締め切り前は忙しくなりますが、何か月も前から予定が見えているので、家族と前もって調整できます。
内勤の職種では、フレックスタイムや在宅勤務を使っている社員が多い会社もあります。 朝の送りのあとに仕事を始め、お迎えの前に一度仕事を切り上げ、子どもが寝たあとに少しだけメールを確認する、といった動き方ができる職場もあります。
ただし、内勤なら何でも楽というわけではありません。 内勤の職種で気をつけたいのは、次のような点です。
・品質保証は、製品の不具合や回収の判断が必要になると、急に対応が集中する ・受注や物流の管理は、病院からの急ぎの注文に合わせて締め時間が決まっている ・外資系の場合、海外の本社との会議が日本の夕方や夜に入ることがある
特に外資系の会議の時間は、求人票からは読み取りにくい部分です。 在宅勤務ができても、会議が夜に入るなら、子どもの寝かしつけの時間と重なります。 面接では「海外とのやりとりは、どの時間帯に、どのくらいの頻度で入るか」を聞いておくと安心です。
病院で働いていた人が内勤の職種に移る場合、臨床の経験は学術やマーケティングで活きることが多いです。 製品の使われ方を現場の目線で説明できる人は、社内でも頼られます。 一方で、薬事や品質保証は法令や規格の知識が必要になるため、最初の半年から1年ほどは学ぶことが多いと考えておいたほうがよいでしょう。
子育て中に内勤へ移るときに、もう1つ考えておきたいのが、仕事の手触りの変化です。 病院の現場で患者や医療者と直接やりとりしていた人にとって、書類と会議が中心の毎日は、最初は物足りなく感じることがあります。 それでも、自分が作った書類や確認した記録が、製品を病院に届けるための前提になっていると分かってくると、見え方は変わってきます。 時間の融通だけで選ぶのではなく、その仕事のどこに自分の経験が活きるかを考えて選ぶと、子どもが大きくなったあとも続けやすくなります。
2025年の法改正で、子どもが小さい時期に使える制度が増えた
子育てしながら働く人にとって、制度の土台になるのが育児・介護休業法です。 この法律は2024年5月に改正され、2025年4月と10月の2段階で施行されました。
令和6年5月に育児・介護休業法及び次世代育成支援対策推進法が改正されました。 1 子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充 2 育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化 出典: 厚生労働省
厚生労働省の案内をもとに、子育て中の人に関わる主な変更を整理すると、次のようになります。
| 制度 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 子の看護等休暇の対象 | 小学校入学前まで | 小学校3年生修了まで |
| 子の看護等休暇の理由 | 病気・けが、予防接種・健康診断 | 感染症による学級閉鎖、入園式・入学式・卒園式を追加 |
| 残業免除を請求できる人 | 3歳未満の子を育てる人 | 小学校入学前の子を育てる人 |
| 3歳未満の子を育てる人のテレワーク | 規定なし | 選べるようにすることが事業主の努力義務 |
子の看護等休暇の日数は、これまでと同じく1年に5日、子どもが2人以上なら10日です。 学級閉鎖や入学式でも使えるようになった点は、小学校低学年の子どもがいる家庭には大きな変化です。
2025年10月からは、3歳から小学校入学前の子どもを育てる人に向けた「柔軟な働き方を実現するための措置」が始まりました。 事業主は、次の5つのうち2つ以上を選んで用意しなければならず、働く人はその中から1つを選んで使えます。
・始業時刻などの変更(フレックスタイムや時差出勤) ・テレワークなど(月10日以上) ・保育施設の設置運営など(ベビーシッターの手配や費用負担を含む) ・養育両立支援休暇の付与(年10日以上) ・短時間勤務制度(1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含む)
さらに、子どもが3歳になる前の時期と、妊娠や出産を申し出たときには、事業主が働く人の意向を個別に聞き取ることも義務になりました。 聞き取る内容には、勤務時間帯や勤務地、業務量などが含まれます。
医療機器メーカーで働く人にとって、この個別の意向聴取は大事な場になります。 「担当エリアを近くにしてほしい」「オンコール当番を減らしてほしい」といった、職種ならではの希望を伝えるきっかけになるからです。 会社は聞いた意向に配慮することが求められているので、遠慮せずに具体的な希望を伝えてください。
なお、どの措置を選ぶかは会社ごとに違います。 営業職にはフレックスを、内勤にはテレワークを、というように職種で使える制度が分かれている会社もあるので、自分の職種で何が選べるのかを確かめておく必要があります。
制度が使える職場と、使えない職場を分けているもの
同じ法律のもとで、同じような制度を持っていても、子育て中の社員が長く続く職場と、復帰してすぐ辞めてしまう職場があります。 医療機器メーカーの場合、その差を生んでいるのは、制度の中身よりも仕事の持ち方です。
1つ目の分かれ目は、担当が1人に張り付いているかどうかです。 病院ごとに担当が1人しかいない職場では、その人が休むと病院への対応が止まります。 本人も休みにくくなり、周りも「あの人が休むと困る」と感じてしまいます。 一方、主担当と副担当を決めている職場や、チームで複数の病院を持っている職場では、急な休みが出ても誰かが動けます。
2つ目は、急な休みを前提に人数を組んでいるかどうかです。 子どもが小さいうちは、発熱や感染症での呼び出しが月に何度も起きます。 それを「例外」として扱う職場では、休むたびに調整が必要になり、本人も周りも疲れていきます。 最初から誰かが休む前提で人数を組んでいる職場では、休みは日常の一部として処理されます。
3つ目は、評価の仕組みです。 営業職の場合、売上の目標や担当病院の数で評価されることが多く、短時間勤務やエリアの縮小がそのまま評価の低下につながる職場もあります。 短時間勤務のときの目標をどう設定するのか、復帰後の昇格や昇給がどう扱われるのかは、制度の説明ではなかなか出てこない部分です。
4つ目は、子育て中の社員が実際にいるかどうかです。 制度の利用実績がある職場では、上司も周りも「どう回せばよいか」を経験として知っています。 初めての例になる職場では、制度があっても運用の手探りが続き、本人が調整の負担を背負いがちです。
こうした差は、会社の規模だけでは決まりません。 大手でも、特定の部署だけ担当が1人に張り付いていることがありますし、中堅の会社でも、チームで病院を持つ体制を組んでいることがあります。 会社全体の評判より、自分が配属される部署の体制を見ることが大切です。
私自身、以前、子育て中の知人と一緒に転職先の求人票を読み比べたことがあります。 そのとき、福利厚生の欄が長い会社ほど安心に見えましたが、面接で配属先の人数を聞いてみると、長い欄の会社のほうが1人担当の体制でした。 制度の数を数えるより、体制を聞くほうがよほど判断材料になる、と実感した出来事でした。
産休・育休に入る前と、復帰する前にしておきたいこと
医療機器メーカーで働いている人が出産を迎える場合、休みに入る前と復帰する前の準備で、その後の働きやすさが大きく変わります。 病院と直接つながっている仕事が多い職場なので、準備の中身も病院勤務とは少し違います。
休みに入る前にしておきたいのは、担当している病院や案件の引き継ぎです。 営業やクリニカルスペシャリストの場合、病院の医師や看護師、臨床工学技士との関係は、担当者個人に積み上がっていることが多いです。 後任に書類だけを渡すのではなく、可能であれば一緒に病院を回り、顔をつないでおくと、休み中に後任が困る場面が減ります。 それは結果として、復帰したときに自分が戻りやすい状態を残すことにもなります。
内勤の職種でも、申請中の案件や、定期的に作っている報告書の段取りを、手順として書き残しておくことが大切です。 薬事や品質保証の仕事は、担当者の頭の中にだけ段取りが入っていることがよくあります。 自分が休んでも回る形にしておくことは、周りのためだけでなく、自分が安心して休むためでもあります。
休みの間に気になるのが、製品や制度の変化です。 医療機器メーカーでは、新しい製品の発売や、添付文書の改訂、社内の手順の変更が日常的に起きます。 1年近く離れていると、戻ったときに知らない製品が増えていることもあります。 会社によっては、休業中の社員に社内の情報を共有したり、復帰前に研修を用意したりしているので、どんな支援があるかを休みに入る前に聞いておくとよいでしょう。
復帰の前には、上司や人事との面談があるはずです。 先に触れたとおり、妊娠や出産を申し出たときと、子どもが3歳になる前の時期には、会社が働く人の意向を個別に聞き取ることが義務になっています。 この面談で、復帰後の職種、担当エリア、勤務時間、在宅勤務の使い方、当番の扱いを、できるだけ具体的に話し合っておいてください。
保育園の入園時期と復帰の時期を合わせるのも、この職場では大事な調整です。 営業職で担当エリアを変えてもらう場合、社内の担当の組み替えは年度の変わり目や組織変更の時期に合わせて行われることが多く、希望を出す時期が遅れると反映されにくくなります。 入園が決まったら、できるだけ早く上司に伝え、担当の組み替えを相談する時間を確保しましょう。
求人票と面接で確かめること
子育てしながら医療機器メーカーで働けるかを見極めるには、求人票に書いてあることと、書いていないことの両方を確かめる必要があります。 ここでは、職種を問わず確かめたい点を整理します。
まず、求人票で見る点です。
・勤務時間の欄に、フレックスタイムのコアタイムが書かれているか ・在宅勤務の欄が「可」だけでなく、月の日数や対象職種まで書かれているか ・勤務地の欄に、担当エリアの範囲が書かれているか ・休日の欄に、休日出勤や当番の記載があるか ・福利厚生の欄に、短時間勤務が子どもの何歳まで使えるか書かれているか
短時間勤務は、法律では3歳未満の子どもを育てる人が対象ですが、会社によっては小学校入学前や小学校の途中まで延ばしています。 ここが長く設定されている会社は、子育て中の社員が長く働くことを想定していると考えられます。
次に、会社の外から確かめられる情報です。 厚生労働省が運営する「両立支援のひろば」では、企業が自社の両立支援の取り組みを公表しています。 従業員が300人を超える企業は、2025年4月から、男性の育児休業等の取得率などを年に1回公表することが義務になりました。 また、子育て支援に取り組む企業が受ける「くるみん」の認定を持っているかも、目安の1つになります。
最後に、面接で聞きたい点です。 求人票に出てこない部分は、面接で具体的に聞くしかありません。
・配属予定の部署に、子育て中の社員が何人いるか ・担当は1人制か、チーム制か ・急な欠勤が出たとき、誰が対応を引き取るか ・オンコールや休日対応の当番は、どう決めているか ・短時間勤務のとき、目標や評価はどう設定されるか
面接でこうした質問をすると、不利になるのではと心配する人もいます。 ただ、医療機器メーカーの仕事は病院の予定に左右されるので、働き方の条件を確かめるのは仕事を理解している証拠でもあります。 「長く働くために確かめたい」と前置きしてから聞けば、真剣に考えていることが伝わります。
病院勤務からの転職を考えている人は、病院とメーカーで何が変わるのかを先に整理しておくと、面接での質問も具体的になります。 医療機器メーカーへ転職するという選択|前の職場との落差と、決め手では、病院からメーカーへ移ったときに感じやすい違いと、決め手になる点がまとめられています。 臨床の経験がない場合は、未経験から医療機器メーカーで働く|受け入れている募集と、慣れるまでで、未経験者を受け入れている募集の傾向と、慣れるまでに必要なことを確認できます。
在宅ワーク市場を長く見てきた立場から、両立の形を考える
在宅ワークや業務委託の市場を長く運営してきた立場から見ると、子育てとの両立がうまくいっている人には共通点があります。 それは、1つの職場の制度だけに頼らず、働き方の選択肢を自分の手元に複数持っていることです。
医療機器メーカーの社員として働きながら、子どもが小さい数年間だけ内勤に移る人もいます。 いったん退職して、子どもが小学校に上がるまでは、医療分野の知識を活かした在宅の仕事をして、その後にメーカーへ戻る人もいます。 どちらが正しいということはなく、その家庭の状況に合った形を選べるかどうかが大切です。
運営者として見てきた限りでは、長く続く人ほど、単発の作業ではなく「この人に任せると安心」という関係づくりに時間を使っています。 これは会社員でも業務委託でも同じです。 医療機器の知識を持ち、病院の現場の言葉が分かる人は、メーカーの内側でも外側でも頼られます。
業務委託で働く場合は、仲介の手数料が乗らない直接のやりとりを選ぶと、同じ予算でも依頼する側はより多く頼め、受ける側の手取りは厚くなります。 手数料0%の直接取引は、子育て中で働ける時間が限られている人ほど、その差を実感しやすい仕組みです。
医療分野の資格を持っている人は、自分の資格が市場でどう評価されているかを知っておくと、選択肢を比べやすくなります。 看護師の年収・単価相場では、働く場所や雇用形態ごとの水準がまとめられているので、メーカー勤務と他の働き方を比べるときの材料になります。
働き方そのものに迷ったときは、第三者に相談する手もあります。 職場・転職・キャリア相談のお仕事では、働く人の相談にどんな形があるかが紹介されていて、どこに相談すればよいかを考える手がかりになります。 いつか自分の経験を、同じように迷う人のために活かしたいと思ったら、キャリアコンサルタントの資格ガイドで、学ぶ内容や受験資格を見ておくのもよいでしょう。
子どもが小さい時期は、数年で終わります。 その数年を、制度と体制の両方が揃った職場で過ごせるかどうかで、その後のキャリアの続けやすさは大きく変わります。 医療機器メーカーで働くと決めたなら、会社名より先に、配属先の体制を見てください。
よくある質問
Q. 医療機器メーカーの中で、子育てと両立しやすい職種はどれですか?
一般に、薬事・品質保証・学術・受注管理などの内勤の職種が両立しやすい傾向があります。病院の手術や検査の予定ではなく、社内の締め切りで動くため、フレックスタイムや在宅勤務を使いやすいからです。営業やサービスエンジニアでも、担当エリアの調整やオンコール当番の軽減がある職場なら続けている人はいます。
Q. 医療機器メーカーの営業職は、子どもが小さいと続けられませんか?
続けることは可能ですが、条件が揃っているかが大きく影響します。担当エリアを自宅や保育園から近い範囲にしてもらえるか、緊急の呼び出しがチームの当番制になっているか、直行直帰ができるかを確かめてください。手術の立会いが少ない製品を担当しているかどうかでも、時間の縛られ方は変わります。
Q. 2025年の法改正で、子育て中に使える制度は何が変わりましたか?
子の看護等休暇の対象が小学校3年生修了までに広がり、学級閉鎖や入学式でも使えるようになりました。残業免除は小学校入学前の子を育てる人まで請求できます。2025年10月からは、3歳から小学校入学前の子を育てる人向けに、事業主がフレックスやテレワークなど5つのうち2つ以上の措置を用意する義務も始まりました。
Q. 面接で子育てとの両立について聞くと、不利になりませんか?
働き方の条件を確かめるのは、仕事の中身を理解している証拠でもあります。「長く働くために確かめたい」と前置きしたうえで、配属先に子育て中の社員がいるか、担当は1人制かチーム制か、急な欠勤を誰が引き取るかを具体的に聞くとよいでしょう。答え方そのものが、職場の体制を知る材料になります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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