日本エネルギー経済研究所の情報漏えい|Microsoft 365への不正アクセス メールアドレス759件・パスポート情報13件 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓日本エネルギー経済研究所の情報漏洩について
- ✓2026年9月11日の初報と10月2日の続報をもとに整理
- ✓所員6名のMicrosoft 365への不正アクセスで
日本エネルギー経済研究所の情報漏洩について、一般財団法人日本エネルギー経済研究所は2026年9月11日、フィッシング攻撃によって所員6名のMicrosoft 365アカウントに不正にアクセスされ、メールとファイルの閲覧による情報漏えいの可能性と、ファイルのダウンロードによる情報漏えいが発生したと初めて公表しました。2026年11月1日時点で最新の発表は10月2日の続報で、詳細調査の結果、関係先の個人情報のうちメールアドレス759件と、氏名・役職・所属23件が漏えいした可能性があり、パスポート情報13件は漏えいしたと発表されています。対象の本人には個人情報保護法に基づいて通知が進められており、補償についての記載はありません。漏えいした情報が不特定多数に公開された事実や、不正に使われた事実は確認されていないとされています。 研究所の所員とメールやファイルをやり取りしたことがある人がまずすることは、研究所からの通知が届いていないかを確かめること、研究所や中東研究センターの役職員を名乗るメールの添付ファイルとURLを開かないこと、心当たりがあれば研究所の窓口に問い合わせることの3つです。
この記事は、2026年11月1日時点で研究所の公式発表「不正アクセスによる情報漏えいに関するお詫びとお知らせ」と「同(続報)」を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。
日本エネルギー経済研究所の不正アクセスで何が起きたのか
日本エネルギー経済研究所は、エネルギーと経済に関する調査や研究を行う一般財団法人です。研究所の中には、中東の政治や経済、エネルギーを分析する中東研究センターがあり、会員制の刊行物も出しています。研究の性質上、官公庁や企業、海外の研究機関など、多くの関係先とメールや資料をやり取りしています。
発表の骨子は次のとおりです。
- 2026年7月29日に外部機関から研究所に情報提供があった
- 外部の専門機関と連携して調べた結果、第三者によるフィッシング攻撃で、所員6名のMicrosoft 365アカウントに不正にアクセスされていた
- メールとファイルの閲覧による外部への情報漏えいの可能性と、ファイルのダウンロードによる外部への情報漏えいが発生した
- 不正アクセスに使われた経路は、アカウントの利用停止とパスワードの変更で遮断し、アクセス権限の無効化などの措置も済ませた
- 個人情報保護委員会へ報告し、関係省庁とも連携して調査を続けている
Microsoft 365とは、メール(Outlook)やファイルの保存(OneDriveやSharePoint)、表計算や文書作成のソフトをまとめて使えるMicrosoftのサービスのことです。1つのアカウントでメールとファイルの両方に入れるため、そのアカウントに他人が入ると、メールの本文や添付ファイル、保存してある資料まで見られる状態になります。今回の発表でも、メールの閲覧とファイルの閲覧、ファイルのダウンロードの3つが分けて書かれています。
「情報漏えいの可能性」と「情報漏えいが発生」は、発表の中で書き分けられています。閲覧されたことが痕跡から分かっても、その中身が外へ持ち出されたかまでは確定できない場合は「可能性」、ダウンロードの痕跡があって外に出たと判断できる場合は「発生」という整理です。この記事でも、その言い方のまま書きます。
公表の経緯:9月11日の初報と10月2日の続報
日付の順に整理すると、次のようになります。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2026年7月29日 | 外部機関から研究所に情報提供があり、調査を始めた |
| 2026年9月11日 | 初報「不正アクセスによる情報漏えいに関するお詫びとお知らせ」を公表。閲覧とダウンロードの痕跡の件数を発表 |
| 2026年9月11日 | 中東研究センターのサイトにも、会員あての同じ内容のお知らせを掲載 |
| 2026年10月2日 | 続報を公表。詳細調査で、個人情報の種類ごとの件数が分かった |
9月11日の初報では、何件のメールやファイルに第三者が触れたかという、痕跡の件数が示されました。この段階では、その中にどんな個人情報が含まれていたかはまだ書かれていません。10月2日の続報で、痕跡の中身を詳しく調べた結果として、メールアドレスや電話番号、口座の情報、パスポート情報といった項目ごとの件数が初めて示されました。
初報で示された痕跡の件数は次のとおりです。
- 所員6名のメールの閲覧を行った痕跡 5,417件
- 所員6名のファイルの閲覧を行った痕跡 3,272件
- そのうち、ダウンロードされた痕跡 2,798件
続報の発表文は、冒頭で初報の内容をこう振り返っています。
2026 年 9 月 11 日に公表しましたとおり、当研究所では、第三者により所員 6 名の Microsoft 365 アカウントへ不正にアクセスされ、メール及びファイルの閲覧による外部への情報漏えいの可能性、並びにファイルのダウンロードによる外部への情報漏えいの発生を確認いたしました。 出典: 日本エネルギー経済研究所「不正アクセスによる情報漏えいに関するお詫びとお知らせ(続報)」
研究所のお知らせの一覧(メディア情報)を2026年11月1日に確かめたところ、この件の発表は9月11日の初報と10月2日の続報の2本で、それより新しい続報は出ていませんでした。
漏えいした可能性のある情報と、漏えいした情報
10月2日の続報で示された個人情報の内訳を、会社の言い方のまま分けて並べます。
| 区分 | 項目 | 件数 |
|---|---|---|
| 漏えいした可能性のある個人情報 | メールアドレス | 759件 |
| 同上(759件の内訳) | うち氏名も含むもの | 755件 |
| 同上(759件の内訳) | うち電話番号も含むもの | 36件 |
| 同上(759件の内訳) | うち金融関係情報(口座名義、口座番号等)も含むもの | 5件 |
| 漏えいした可能性のある個人情報 | 氏名・役職・所属 | 23件 |
| 漏えいした個人情報 | パスポート情報 | 13件 |
表の読み方には注意が要ります。メールアドレス759件の下にある755件、36件、5件は、759件の内訳です。つまり、759件のメールアドレスのうち、ほとんどは氏名と組になっていて、一部には電話番号や口座の情報も一緒に含まれていた、ということです。合計を出すために全部の数字を合わせるのは誤りです。
氏名・役職・所属の23件は、メールアドレスとは別に数えられた項目です。名刺の情報のように、名前と勤め先と肩書きが組になったものと考えると分かりやすいでしょう。
パスポート情報の13件だけは「漏えいした個人情報」として、可能性ではなく漏えいしたと書かれています。パスポート情報にどの項目(旅券番号、生年月日、顔写真など)が含まれていたかは、発表には書かれていません。この記事でも、中身を推測では書きません。
一方で、クレジットカード番号やパスワードが含まれるかどうかについては、発表は触れていません。「含まれない」とも「含まれる」とも書かれていないため、この記事でもどちらとも書きません。気になる場合は、窓口で自分の情報について確かめるのが確実です。
「閲覧の痕跡」と「個人情報の件数」の読み方
初報の5,417件、3,272件、2,798件と、続報の759件、23件、13件は、数えているものが違います。
初報の数字は、第三者が触れたメールやファイルの数です。1通のメールに何人もの名前が書かれていることもあれば、個人情報をまったく含まない資料もあります。続報の数字は、その痕跡の中から見つかった個人情報を、項目ごとに数え直したものです。
検索結果やSNSでは、初報の5,417件や2,798件といった数字だけが目に入ることがあります。数字の大きさだけで自分の情報も含まれると決めつけたり、逆に小さい数字を見て関係ないと決めつけたりせず、続報の項目ごとの件数と、研究所からの通知の有無をあわせて見るのが確実です。
初報と続報で数えているものが違う以上、「メール5,417件が漏れたから5,417人が対象」という読み方は当たりません。対象になるのは、痕跡の中に自分の個人情報が含まれていた人で、その人には研究所から通知が届く、という順番で考えます。また、759件のメールアドレスが759人と同じとも限りません。発表は件数で示しているので、この記事でも人数ではなく件数で書きます。
ファイルのダウンロードの痕跡が2,798件あることから、研究所は「漏えいが発生した」と判断しています。どのファイルに何が入っていたかは、研究の資料なのか、関係先との連絡の資料なのかを含めて、発表には書かれていません。個人情報として本人に通知が必要なものは、続報の表のとおり整理された、という順番です。
研究所の発表は、研究の内容そのもの(報告書の下書きや会員向けの資料など)が含まれていたかには触れていません。会員企業や共同研究の相手先の担当者は、自社の情報について気になる点があれば、通常の連絡先ではなく、この件の窓口に問い合わせるのが確実です。
原因として発表されていること
原因について、発表は「第三者によるフィッシング攻撃」と書いています。フィッシングとは、本物そっくりのメールやログイン画面を使って、IDやパスワード、認証の操作をだまし取る手口のことです。
発表に書かれていることは、次の3点です。
- 起点は第三者によるフィッシング攻撃だった
- その結果、所員6名のMicrosoft 365アカウントに不正にアクセスされた
- 不正アクセスに使われた経路は、アカウントの利用停止とパスワードの変更で遮断した
どんな件名のメールだったのか、所員がどの画面で何を入力したのか、多要素認証(パスワードに加えて別の確認を求める仕組み)を設定していたかどうかは、発表には書かれていません。ほかの組織の事例から手口を推測して書くことはしません。
7月29日の情報提供から9月11日の公表までには、およそ6週間あります。この間に外部の専門機関と連携して、どのメールやファイルに触れられたかを調べていたことになります。痕跡を1件ずつ確かめるには時間がかかるため、まず痕跡の件数を公表し、そのあとに個人情報の内訳を公表するという2段階の流れになっています。
再発防止策としては、10月2日の続報で、不正アクセスを防ぐための認証の強化、監視と検知の高度化、全所員を対象にしたサイバーセキュリティ教育の再徹底などが挙げられています。
研究所の対応と、2026年11月1日時点で分かっていること
研究所が発表している対応を、時期ごとにまとめます。
| 時期 | 対応 |
|---|---|
| 初報まで | 悪用された経路を遮断(アカウントの利用停止、パスワードの変更)。アクセス権限の無効化 |
| 初報まで | 個人情報保護委員会へ報告。関係省庁と連携して調査を継続 |
| 初報の日 | 中東研究センターのサイトで、会員あてに不審なメールへの注意を呼びかけ |
| 続報の時点 | 対象の本人に、個人情報保護法に基づいて事態が生じたことを通知中 |
| 続報の時点 | 認証の強化、監視と検知の高度化、全所員への教育の再徹底などの再発防止策 |
2026年11月1日時点で分かっていることを整理すると、次のとおりです。
- 最新の発表は10月2日の続報で、それより新しい続報は出ていない
- 個人情報の件数は続報で示された759件、23件、13件が現時点の数字
- 対象の本人への通知は「通知申し上げているところ」とされ、続報の時点で進められていた
- 漏えいした情報が不特定多数に公開された事実や、不正に使われた事実は確認されていない
- 補償やお詫びの品については、初報にも続報にも記載がない
補償の有無は、発表に書かれていないので、この記事でもあるともないとも書きません。ほかの事案で、お詫びの品やポイントがどのように扱われてきたかを知りたい人は、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026が参考になります。今回の件でどうなるかは、研究所の発表を待つしかありません。
自分が対象かを確かめる方法
今回の対象は、研究所の利用者や会員の名簿そのものではなく、所員6名のメールやファイルに含まれていた関係先の個人情報です。続報は「関係先の皆様の個人情報」という言い方をしています。
対象になりうるのは、たとえば次のような人です。いずれも発表の言い方から読み取れる範囲での例で、当てはまれば必ず対象というわけではありません。
- 研究所の所員とメールでやり取りしたことがある人
- 研究会や講演、共同研究などで、研究所に名刺や連絡先を渡したことがある人
- 研究所への支払いや受け取りのために、口座の情報を伝えたことがある人
- 出張や招へいの手配などで、研究所にパスポートの情報を伝えたことがある人
自分が対象かどうかは、まず研究所からの通知が届いているかで確かめます。続報では、本人に個人情報保護法に基づいて通知していると書かれています。ただ、通知がメールで届くのか、郵便で届くのか、いつまでに届くのかは、発表には書かれていません。
通知が届いていないが心当たりがある、という場合は、研究所の窓口に問い合わせます。電話のほか、発表にはメールの窓口も載っています。問い合わせるときは、いつごろ、どの所員と、どんな用件でやり取りしたかを伝えると、確かめてもらいやすくなります。
通知が届いたときに確かめる点
研究所からの通知が届いたら、次の点を読み取っておくと、そのあとの備えを絞り込めます。
- 自分の情報のうち、どの項目が含まれていたか(メールアドレス、氏名、電話番号、口座の情報、役職と所属、パスポート情報)
- 「漏えいした可能性」なのか、「漏えいした」なのか
- 問い合わせ先として書かれている窓口が、研究所の公式発表に載っている窓口と同じか
- 返信や手続きを求める内容が含まれていないか
項目が分かれば、後の節で挙げる備えのうち、自分に要るものだけを選べます。たとえばメールアドレスと氏名だけであれば、偽のメールへの注意が中心になり、口座やパスポートの備えまでは要りません。通知の中身が分かりにくいときは、そのまま窓口に問い合わせて確かめてください。
通知そのものが偽物である可能性
注意したいのは、研究所を名乗る通知そのものが偽物である可能性です。通知のメールに書かれたリンクや電話番号をそのまま使わず、研究所の公式サイトに載っている窓口に、自分から連絡して確かめると安全です。
対象になりうる人がすること
ここからは、漏えいした可能性のある項目ごとに、要ることだけを並べます。自分の情報にどの項目が含まれていたかは、通知か窓口で確かめたうえで、当てはまるものから進めてください。
メールアドレスと氏名が含まれていた場合
759件のうち755件は、メールアドレスと氏名が組になっています。名前で呼びかけてくるメールは本物らしく見えるため、研究所や中東研究センター、研究会、エネルギー関係の団体を名乗るメールには、いつも以上に注意します。
具体的には、次のような点を確かめます。
- 送信元のアドレスが、これまでやり取りしてきた相手のアドレスと一字一句同じか
- 急ぎの対応を求める、添付ファイルを開かせる、ログインを求める内容になっていないか
- 心当たりのない請求書、報告書、会議の招待が添付されていないか
迷ったときは、メールに返信して確かめるのではなく、以前から知っている相手の連絡先に、別の手段で問い合わせます。フィッシングのメールの見分け方と、開いてしまったあとの対処は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で詳しく説明しています。
自分のメールアドレスが、ほかの漏えいの事案にも含まれていないかを調べる方法もあります。Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩では、海外の事案を中心に、メールアドレスを入れて確かめる手順を紹介しています。今回の件がそこに載るとは限りませんが、自分のアドレスの状況を把握しておくのに役立ちます。
電話番号が含まれていた場合
36件は電話番号も含まれています。研究所や官公庁、エネルギー関係の会社を名乗る電話やSMS(携帯電話番号あてに届く短いメッセージ)に注意します。電話で口座の情報や暗証番号、ログインのための認証コードを聞かれても、答えずにいったん切ります。
電話番号が出回ったときに起こりやすいことと備えは、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026にまとめています。
口座の情報が含まれていた場合
5件は、口座名義や口座番号などの金融関係の情報も含まれています。研究所への支払いや謝金の受け取りなどで、口座を伝えたことがある人が当てはまる可能性があります。
続報の時点で、不正に使われた事実は確認されていないとされています。それでも、念のため次のことをしておくと安心です。
- 口座の入出金の明細を、しばらくのあいだ定期的に見る
- 銀行や研究所を名乗り、口座番号を知っていることを理由に手続きを急がせる連絡には応じない
- 身に覚えのない引き落としや入金があれば、すぐに銀行に連絡する
口座番号と名義が分かることで何ができてしまうかは、銀行や口座の種類によって違います。不安な場合は、口座のある銀行の窓口に、今回の件を伝えて相談してください。
パスポート情報が含まれていた場合
13件のパスポート情報は、可能性ではなく漏えいしたと発表されています。出張や招へいの手配で研究所に旅券の情報を伝えた人が当てはまる可能性があります。
パスポート情報のうち、どの項目が含まれていたかは発表に書かれていません。そのため、まずは研究所からの通知の内容を確かめ、通知が届いていなければ窓口に問い合わせて、自分の情報が含まれるか、どの項目が含まれるかを聞くのが先です。
旅券を作り直すべきかどうかについて、研究所の発表は何も示していません。作り直しが必要かどうかは、事情によって変わるので、この記事では断定しません。判断に迷う場合は、旅券を申請した都道府県の旅券の窓口に相談すると、手続きの要否を確かめられます。また、旅券の番号や生年月日を知っていることを理由に、航空会社や旅行会社、大使館を名乗って手続きを急がせる連絡が来ても、その場で応じないようにします。
氏名・役職・所属が含まれていた場合
23件は、氏名と役職と所属が組になった情報です。勤め先と肩書きが分かると、その人の上司や取引先を装ったメールを作りやすくなります。勤め先の情報システムの担当に、今回の件で自分の情報が含まれた可能性があることを伝えておくと、会社あての不審なメールに備えてもらえます。
研究所や中東研究センターを名乗るメールへの備え
中東研究センターのサイトには、9月11日付けで会員あてのお知らせが載っています。その中で、研究所または中東研究センターの役職員を名乗る不審なメールを受け取った場合は、送信元を確かめ、添付ファイルや本文中のURLを開かないよう呼びかけています。
本件に関連し、当研究所または中東研究センターの役職員をかたる不審なメール等を受信された場合には、送信元をご確認のうえ、添付ファイルや本文中のURLを開かないようご注意ください。 出典: 中東研究センター「不正アクセスによる情報漏えいに関するお詫びとお知らせ」
アカウントが乗っ取られたあとの事案では、乗っ取られたアカウントや、そこで見たやり取りをまねて、関係先に偽のメールが送られることがあります。過去のやり取りの件名を引き継いだり、署名をそのまま写したりしているため、見た目だけでは見分けにくくなります。
受け取った側で確かめられるのは、次のような点です。
- 送信元のアドレスのドメイン(@より後ろ)が、いつもの相手と同じか
- 添付ファイルを開かせたあと、Microsoftなどのログイン画面に誘導していないか
- 「至急」「本日中」など、確かめる時間を与えない書き方になっていないか
Microsoftのログイン画面に誘導された場合、その画面が本物かどうかを見分けるのは簡単ではありません。メールのリンクからではなく、自分でブックマークや公式のアプリから開くのが基本です。Microsoftを名乗るメールの確かめ方は、Microsoftからのメールは本物か|不審なサインインの通知と公式の送信元アドレスの確かめ方で、送信元のアドレスとサインインの通知の確かめ方を説明しています。
もしリンクを開いてIDやパスワードを入れてしまったら、すぐにそのパスワードを変え、同じパスワードを使っているほかのサービスも変えます。勤め先のアカウントであれば、自分だけで片付けず、情報システムの担当にすぐ知らせます。
問い合わせ窓口
10月2日の続報に載っている問い合わせ先は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 一般財団法人日本エネルギー経済研究所 |
| 窓口名 | 業務ユニット 前川 |
| 電話番号 | 03-5547-0222 |
| 受付時間 | 平日 9:30から17:00 |
| メール | [email protected] |
9月11日の初報と中東研究センターのお知らせにも、同じ窓口が載っています。受付時間が書かれているのは続報です。
問い合わせるときは、自分の氏名と勤め先、研究所とやり取りした時期と相手の所員、用件(共同研究、講演、謝金の受け取り、出張の手配など)を伝えると、確かめてもらいやすくなります。パスポートや口座の番号そのものを、メールに書いて送る必要はありません。窓口から求められた場合も、送る前に、その連絡が本当に研究所からのものかを確かめてください。
Microsoft 365を使う組織が今回の件から確かめておきたいこと
今回の件は、研究所の外の組織にとっても、自分たちのメールのアカウントを見直すきっかけになります。発表から読み取れるのは、フィッシングを起点に、メールとファイルの両方に入れるアカウントが使われた、という点です。
社内で確かめておきたい点を並べます。発表に書かれた事実ではなく、同じサービスを使う組織が一般に見直す項目として挙げます。
- すべてのアカウントで多要素認証が有効になっているか、例外のアカウントが残っていないか
- 退職者や異動者のアカウント、使われていない共有のアカウントが残っていないか
- 社外から届いたメールの添付ファイルからログインを求められたときの、社内の決まりがあるか
- 不審なサインインに気づいたとき、誰に、どの手段で知らせるかを全員が知っているか
- 外部から「おたくのアカウントが不正に使われている」と連絡が来たとき、受ける窓口が決まっているか
最後の点は、今回の件にも関わります。研究所は、外部機関からの情報提供で事態に気づいています。外から寄せられた知らせを、誰が受けて、どう調べるかが決まっていると、対応を早く始められます。
多要素認証の仕組みと選び方は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版にまとめています。社員向けには、偽のメールを使った模擬の訓練を定期的に行い、開いてしまったときに責めずに報告できる雰囲気をつくっておくと、気づきが早くなります。
会員企業や共同研究先の担当者が社内で進めること
研究所の関係先は、個人だけではありません。会員企業や官公庁、共同研究の相手先など、組織として研究所とやり取りしてきたところも多くあります。そうした組織の担当者が、社内で進めておくとよいことを並べます。いずれも発表に書かれた指示ではなく、関係先の側で一般に考えられる手当てです。
- 研究所とやり取りしてきた部署と担当者を洗い出す。誰がいつごろ、どんな資料をやり取りしたかを把握しておくと、通知が届いたときに照らし合わせやすくなります
- 担当者あてに、研究所や中東研究センターを名乗るメールへの注意を社内で共有する。添付ファイルを開く前に、送信元のアドレスと、これまでのやり取りとの食い違いを確かめるよう伝えます
- 研究所に口座の情報や旅券の情報を伝えた社員がいないかを確かめる。いれば、その社員に本記事で挙げた項目ごとの備えを伝えます
- 社内の情報システムの担当に、研究所の件を伝えておく。研究所のドメインを装ったメールが社内に届いていないかを見てもらえます
- 研究所からの通知が会社あてに届いた場合の受け取り先を決めておく。担当者が異動していると、通知が誰にも読まれないまま埋もれることがあります
組織の名前で研究所と契約や会員の手続きをしている場合、研究所の窓口に組織として問い合わせることもできます。問い合わせる前に、社内でやり取りの記録を集めておくと、確かめてもらう時間が短く済みます。
在宅で仕事をする人が気をつけること
研究所の関係先には、翻訳や調査の補助、資料づくりなどを在宅で受けている人もいるはずです。在宅で働く人は、取引先から資料や名簿、未公開の原稿を預かる立場になることがあります。自分のメールやクラウドのアカウントが乗っ取られると、自分の情報だけでなく、預かった取引先の情報まで外に出るおそれがあります。
個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報(病歴など、とくに慎重に扱う情報)を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。不正アクセスでデータが盗まれた場合は、不正の目的で行われたおそれがある例として示されています。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。
業務委託で個人情報を扱う人が、自分のアカウントから預かった情報を漏らしてしまった場合、まず対応を迫られるのは委託元の取引先です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ取引先に伝えることが、取引先が必要な手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。
今回の件をきっかけに、仕事で使うアカウントについて次の点を見直しておくと安心です。
- 仕事のメールとクラウドのアカウントに、多要素認証を設定しているか
- 仕事のパスワードが、ほかのサービスと同じになっていないか
- 取引先から預かったファイルを、仕事が終わったあとも手元に残していないか
- 取引先を名乗るメールで添付ファイルが届いたとき、別の手段で確かめる習慣があるか
- 不審なサインインの通知が届いたとき、取引先の誰に連絡するかを決めているか
フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かった情報の扱い方で信頼を得ています。アカウントを分ける、使い終わった資料を返すか削除する、といった地味な手当てが、そのまま取引先からの評価につながります。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。
アカウントを守る力を仕事に生かす
情報の守り方は、自分の身を守る知識であると同時に、仕事として求められる力でもあります。研究機関や企業の中には、社員向けのセキュリティの研修資料の作成、関係先への注意喚起の文面づくり、アカウントの棚卸しの手伝いなどを、外部の人に頼むところがあります。今回のような発表を正確に読み、「何が漏えいの可能性で、何が漏えいなのか」「関係先は何をすればよいか」を整理する作業も、その一つです。
研究の補助や調査の仕事に関心がある人は、研究に関わる働き方の収入の目安を研究者の年収・単価相場で確かめられます。セキュリティの仕事を在宅で受けたい場合は、いきなり専門的な診断の仕事を目指す必要はありません。まずは自分のアカウントの管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
日本エネルギー経済研究所の件は、2026年11月1日時点で10月2日の続報が最新で、対象の本人への通知が進められている段階です。研究所の所員とやり取りしたことがある人は、通知が届いていないかの確認、研究所を名乗るメールへの注意、心当たりがある場合の窓口への問い合わせの3つを先に済ませ、続報は研究所の公式サイトのメディア情報で確かめてください。
よくある質問
Q. 研究所とメールをやり取りしたことがあれば、必ず対象になりますか?
必ず対象になるとは限りません。対象は、所員6名のメールやファイルの中から見つかった関係先の個人情報で、続報ではメールアドレス759件などが漏えいした可能性があるとされています。研究所は対象の本人に通知していると発表しているので、まず通知が届いているかを確かめ、心当たりがあれば窓口(03-5547-0222、平日9:30から17:00)に問い合わせてください。
Q. パスポート情報が漏えいした13件に自分が含まれるか、どう確かめればよいですか?
研究所からの通知の内容を確かめるのが先です。通知が届いていない場合は、研究所の窓口に、出張や招へいの手配で旅券の情報を伝えた時期と相手の所員を伝えて確かめます。発表にはパスポート情報のどの項目が含まれていたかが書かれていないため、作り直しが必要かどうかは、旅券を申請した都道府県の窓口に相談すると確実です。
Q. 口座の情報が含まれていた場合、口座を止める必要はありますか?
続報の時点で、不正に使われた事実は確認されていないとされています。口座を止めるかどうかは、口座の種類や事情で変わるため、口座のある銀行に今回の件を伝えて相談してください。あわせて、入出金の明細を定期的に見ること、口座番号を知っていることを理由に手続きを急がせる連絡に応じないことを続けると安心です。
Q. 補償やお詫びの品はありますか?
2026年9月11日の初報と10月2日の続報には、補償やお詫びの品についての記載はありません。発表にないことは分からないため、気になる場合は研究所の窓口に問い合わせるか、研究所の公式サイトのメディア情報で新しい発表が出ていないかを確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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