ICUの求人はどこで探すのか|募集の出方と、応募前に確かめること

長谷川 奈津
長谷川 奈津
ICUの求人はどこで探すのか|募集の出方と、応募前に確かめること

この記事のポイント

  • ✓ICUの求人を探す看護師の方へ
  • ✓ICUの募集が表に出にくい理由
  • ✓ICUやHCUやCCUなど種類ごとの看護配置の違い

先日、ある看護師さんから相談を受けました。

「ICUで働きたくて、求人に『ICU経験者歓迎』と書いてある病院に応募した。内定をもらって入職したら、配属されたのは一般の外科病棟だった。面接ではICU希望と伝えていたのに」

結論から言うと、これは珍しい話ではありません。ICUの求人には、病棟の求人とは違う出方の癖があります。そして、配属先がどう決まるのか、書面にどう書かれるのかを知らないまま応募すると、こういうすれ違いが起きやすいんです。

これ、知らない人が本当に多いんです。

この記事では、ICUの求人がどこにどういう形で出るのかを整理したうえで、ICUの種類ごとの違い、求人を探す場所、紹介会社を使うときのルール、求人票で実態を読むコツ、そして配属先の確約と労働条件の書面について、順番にお話しします。応募する前に何を確かめればいいのかが、はっきり分かるようにまとめました。

ICUの求人が表に出にくい理由

まず、ICUの求人の出方の特徴から見ていきましょう。

ICUで働く看護師を探しているとき、「ICU」と部署名がはっきり書かれた求人は、思ったより少ないと感じるはずです。これには理由があります。

1つ目は、院内の異動が優先されやすいことです。ICUは専門性の高い部署なので、病院はまず、自分の病院で経験を積んだ看護師を異動させて補充しようとします。病棟で数年働いた看護師が、希望を出してICUへ移る。これが多くの病院で一般的な流れです。外に向けて求人が出るのは、院内で補充しきれないときになります。

2つ目は、「看護師募集」とだけ書いて、配属先を面接で決める病院が多いことです。求人票には「配属先は経験や希望を考慮して決定」と書かれていて、ICUに欠員があるかどうかは、応募してみないと分からないことがよくあります。

3つ目は、ICUの規模が小さいことです。ICUの病床数は、一般の病棟に比べると少ないことが多く、看護師の人数も限られます。欠員が出るのは年に数人ということもあり、募集の時期が不定期になります。

では、実際にICUの部署名を出して募集している求人は、どういう書き方になっているのか。看護師向けの求人サイトに掲載されている募集の一例を見てみましょう。

●集中治療室(ICU)は病床数8床を有し2:1の看護師配置です。集中ケア認定看護師や呼吸療法認定士などの資格をお持ちのスタッフも在籍され、より質の高い看護を提供できるように自己研鑽に励まれています。スキルアップ、キャリアアップしたい方はぜひご応募ください! 出典: kango.mynavi.jp

この短い紹介文には、ICUの求人で確かめるべき情報がいくつも含まれています。病床数、看護配置、在籍するスタッフの資格。つまり、良いICUの求人は、部署の規模と体制を具体的に書いているということです。

逆に言えば、「ICUスタッフ募集」とだけあって、病床数も配置も書かれていない求人は、応募の前に確かめることが多い求人だと考えてください。

ICUの求人は、見つけた時点で応募の判断をするのではなく、「この求人には何が書かれていて、何が書かれていないか」を読むところから始めるのが大切です。

同じICUでも、種類によって中身が違う

次に、ICUの種類について整理しておきます。求人票に書かれた部署名によって、働き方がかなり変わるからです。

一般に「集中治療室」と呼ばれる部署には、いくつかの種類があります。そして、それぞれ診療報酬の基準で、看護師の配置が決められています。看護配置とは、患者さん何人に対して看護師を常に何人置くか、という基準のことです。

部署 主な対象 看護配置の基準
ICU(特定集中治療室) 重い病気や大きな手術のあとの患者さん 常に患者2人に看護師1人
HCU(ハイケアユニット) ICUほどではないが、手厚い観察が必要な患者さん 常に患者4人または5人に看護師1人
CCU 心筋梗塞など心臓の病気の患者さん ICUの基準で運用されることが多い
SCU(脳卒中ケアユニット) 脳卒中の急性期の患者さん 常に患者3人に看護師1人
NICU 生まれたばかりの重症の赤ちゃん 常に患者3人に看護師1人
PICU 重症の子ども 常に患者2人に看護師1人

この表を見ると分かるように、同じ「集中治療」の部署でも、1人の看護師が受け持つ患者さんの数が違います。ICUの基準は、「常に」患者2人に看護師1人です。つまり、夜間でもこの配置を守る必要があるということです。

一般の病棟の看護配置は、1日を通した平均で決められていて、夜間は1人の看護師がもっと多くの患者さんを受け持ちます。ICUは、時間帯にかかわらず手厚い配置が求められる点で、働き方の性質が大きく違います。

働く側から見ると、ここにはメリットとデメリットがあります。

メリットは、受け持つ患者さんの数が少ないので、一人ひとりの状態を深く観察できることです。人工呼吸器、持続的な血液の浄化、補助循環の装置など、高度な医療機器の管理も学べます。

デメリットは、配置の基準を守るために、夜勤の人数をしっかり確保しなければならないことです。看護師の人数が少ないICUでは、1人あたりの夜勤の回数が多くなりがちです。

また、ICUに入る患者さんの内訳も、病院によって違います。大きな手術のあとの患者さんが中心のICUでは、予定手術に合わせて入室が決まるので、ある程度は流れが読めます。救急で運ばれてきた患者さんが中心のICUでは、いつ誰が入ってくるか分かりません。

求人票に「ICU」と書いてあっても、それがどの種類の部署で、どういう患者さんが中心なのかを確かめることが、応募の前の大切な一歩です。

ICUの求人を探す場所

では、ICUの求人は実際にどこで探せばいいのでしょうか。主な探し方を5つに分けて整理します。

病院の採用サイト

もっとも確実なのは、働きたい病院の採用サイトや看護部のサイトを直接見ることです。ICUを持つ病院は、大学病院、救急を多く受け入れる総合病院、心臓や脳の専門病院などに限られます。住んでいる地域でICUを持つ病院をまず洗い出し、その採用サイトを定期的に確認するのが基本です。

看護部のサイトには、ICUの紹介ページや、先輩看護師の声、教育の仕組みが載っていることがあります。求人票よりも詳しい情報が得られることが多いです。

都道府県のナースセンター

各都道府県には、看護職の就業を支援するナースセンターがあります。無料で求人を紹介してもらえるほか、復職の相談や研修の案内も受けられます。地域の病院とのつながりが強く、民間の求人サイトには出ていない求人が見つかることもあります。

ハローワーク

ハローワークにも、看護師の求人は多く出ています。病院が費用をかけずに求人を出せるので、中小規模の病院の求人も集まります。ただ、ICUを持つ大きな病院の求人は、ほかの経路と比べると少ない傾向があります。

看護師向けの転職サイトや紹介会社

民間の転職サイトや、看護師専門の職業紹介会社も、ICUの求人を探す有力な手段です。紹介会社には、病院が公開していない求人の情報が入ることもあります。担当者にICU希望を伝えておくと、欠員が出たときに連絡をもらえることがあります。紹介会社を使うときのルールは、次の章で詳しくお話しします。

派遣でICUを探す場合の注意

ここは、知らない人が本当に多いところです。

病院や診療所で看護師として働く派遣は、労働者派遣法で原則として禁止されています。つまり、「派遣でICUの看護師として働く」ことは、基本的にはできないということです。

例外として認められているのは、将来その病院に直接雇われることを前提にした紹介予定派遣、産休や育休、介護休業を取っている人の代わり、へき地の医療機関などです。紹介予定派遣は、一定期間を派遣として働いたあと、双方が合意すれば直接雇用に切り替わる仕組みです。

「ICUの派遣求人」と書かれた情報を見かけたら、この例外のどれに当たるのかを確かめてください。紹介予定派遣であれば、派遣として働ける期間の上限や、直接雇用に切り替わったあとの条件がどうなるのかも、最初に確認しておくと安心です。

※具体的な契約の形が法律に沿っているか判断に迷う場合は、労働局や社会保険労務士に相談してください。

紹介会社を使うときに知っておきたいルール

看護師専門の紹介会社は便利ですが、仕組みを知っておくと、より安心して使えます。

まず、紹介会社の手数料は、求職者であるあなたではなく、採用した病院が払います。一般的には、採用された人の年収の一定割合が手数料になります。つまり、紹介会社はあなたが採用されることで収入を得る仕組みです。

これ自体は何も悪いことではありません。ただ、この仕組みを知っておくと、担当者が「早く決めましょう」と急かしてくる理由が理解できます。あなたが納得する前に決める必要はありません。

次に、法律上のルールです。職業紹介に関する法律と、それに基づく国の指針では、紹介会社に対していくつかのルールが定められています。

・紹介した人が就職してから2年間は、その人に転職を勧めてはいけない ・手数料の額や、返金の規定などを明示する ・求職者の個人情報を、本人の同意なく目的外に使ってはいけない

1つ目は、医療や介護の分野で、紹介会社が短期間での転職を繰り返させて手数料を得る問題があったことから設けられたルールです。つまり、入職後に紹介会社から「もっと良い病院がありますよ」と勧められることは、本来あってはならないということです。

また、国は医療、介護、保育の分野で、一定の基準を満たした紹介会社を「適正な有料職業紹介事業者」として認定する制度を設けています。紹介会社を選ぶときの1つの目安になります。制度の概要は厚生労働省のサイトで確認できます。

紹介会社を使うときは、次のことを担当者に確かめておくと安心です。

・その求人は、ICUへの配属が確約されているのか、配属は面接で決まるのか ・ICUの病床数と看護配置、夜勤の形と回数 ・その病院に、これまで紹介した人が何人いて、定着しているか ・病院に伝える自分の情報の範囲

紹介会社を複数使うこと自体は問題ありません。ただ、同じ病院に複数の紹介会社から応募すると、病院側で手続きが重なり、印象を損ねることがあります。どの病院をどの紹介会社から紹介してもらったのか、手元で記録しておきましょう。

特に1つ目は、冒頭の相談のようなすれ違いを防ぐために、必ず聞いてください。担当者が「たぶん大丈夫です」と答えたら、「病院に確認していただけますか」とお願いしてかまいません。

求人票でICUの実態を読む

ここからは、求人票を読むときのコツをお話しします。ICUの働き方は、求人票の数行から、かなりの部分が読み取れます。

病床数と看護配置

まず見るのは、ICUの病床数と看護配置です。先ほどの引用にあったように、「病床数8床、2対1の配置」と書かれていれば、常に4人以上の看護師が勤務している部署だと分かります。病床数が書かれていない場合は、応募前に問い合わせる価値があります。

夜勤の形と回数

ICUの夜勤は、2交代制で16時間ほどの夜勤になる職場と、3交代制で8時間ほどの勤務を回す職場があります。求人票に夜勤の形と、月の夜勤回数の目安が書かれているかを確認してください。

ICUは常に手厚い配置が必要なので、一般の病棟より夜勤の回数が多くなることがあります。2交代制なら月に4〜5回程度、3交代制なら月に8〜9回程度が1つの目安ですが、人員が少ないICUではこれを超えることもあります。「夜勤回数は応相談」とだけ書かれている場合は、実際の平均回数を確かめましょう。

手当

ICUで働く看護師には、特殊業務の手当や、ICU手当が付く病院があります。金額は病院によって幅があり、月に数千円から2万円程度までさまざまです。夜勤手当の額と合わせて、月の給与にどれくらい効くのかを計算してみてください。

ここで注意したいのは、基本給と手当の区別です。手当は、ICUから別の部署に異動すると付かなくなることがあります。求人票の「月給」に手当が含まれているのかどうか、含まれているならいくらなのかを確かめておくと、あとで思っていた金額と違うということを防げます。

入室する患者さんの内訳

求人票に「術後管理が中心」「救急からの入室が多い」「心臓血管外科の術後が多い」などと書かれていれば、働き方の見通しが立ちます。書かれていない場合は、病院の診療科の特徴から推し量るか、面接で確かめます。

応募の条件

「ICU経験者歓迎」「急性期経験3年以上」「未経験可」など、応募の条件にも注目してください。「未経験可」と書かれていても、実際には病棟での急性期の経験を前提にしていることがあります。

教育と資格

教育の仕組みがあるか、ICUに特化した研修があるか。在籍するスタッフに、クリティカルケア認定看護師や呼吸療法認定士などの資格を持つ人がいるか。資格の取得を支援する制度があるか。これらが書かれている求人は、教育に力を入れている部署である可能性が高いです。

経験と時期で、探し方を変える

ICUの求人の探し方は、あなたの経験と、転職を考えている時期によって変わります。ここを意識しておくと、限られた求人を取りこぼしにくくなります。

病棟で急性期の経験がある人

もっとも応募の幅が広いのが、このケースです。外科や循環器、救急の病棟で数年の経験があれば、「ICU経験者歓迎」の求人にも応募しやすくなります。ICUの経験がなくても、術後の管理や急変対応の経験は、ICUで活きる経験として評価されることが多いです。

探し方としては、ICUと明記された求人を中心にしつつ、配属先を面接で決める「看護師募集」の求人にも応募して、面接でICUの欠員の状況を確かめるのが現実的です。

他院のICUで働いている人

即戦力として歓迎されやすいケースです。部署名を出した求人のほか、紹介会社に「ICU経験者」として登録しておくと、公開前の求人の情報が入ることがあります。

ただし、ICUの種類が変わると、求められる知識も変わります。心臓血管外科の術後が中心のICUから、救急の患者さんが中心のICUに移ると、扱う病態も機器も違ってきます。これまでの経験と応募先の患者さんの内訳が、どのくらい重なるのかを確かめてください。

看護師としての経験が浅い人や、新卒の人

新卒でICUへの配属を希望する場合は、中途の求人ではなく、新卒採用の枠で探すことになります。新卒の配属は、希望を聞いたうえで病院が決めるのが一般的で、ICUへの配属が確約されることは多くありません。

経験の浅い人がICUを目指す現実的な道は、ICUを持つ急性期の病院に入り、病棟で経験を積んでから院内の異動でICUへ移ることです。この道を選ぶなら、面接で「病棟からICUへの異動は、これまでどのくらいありましたか」と聞いてみてください。異動の実績がある病院なら、数年後の見通しが立ちます。

ブランクがある人

出産や育児、介護などで現場を離れていた人は、復職の支援を行っているナースセンターが心強い窓口です。ICUはブランク明けすぐの配属が難しいこともありますが、復職者向けの研修を用意している病院もあります。まずはHCUや急性期の病棟から始めて、段階的にICUを目指すという選び方もあります。

転職の時期

病院の中途採用は通年で行われていることが多いものの、動きが出やすい時期があります。年度の区切りの4月入職に向けて、前年の秋から冬にかけて募集が増えます。また、夏と冬の賞与のあとは退職者が出やすく、その補充の求人が出ることもあります。

ICUの求人は数が少ないので、転職を決めてから探し始めるより、半年ほど前から採用サイトや紹介会社で情報を集めておくほうが、自分に合う求人に出会える可能性が高くなります。

配属先の確約と、労働条件の書面

冒頭の相談に戻りましょう。「ICU希望と伝えていたのに、一般の病棟に配属された」。これを防ぐために、ぜひ知っておいてほしい法律のルールがあります。

雇い主は、労働者を雇うとき、労働条件を書面などで明示しなければなりません。これは労働基準法で定められていて、明示する項目の中には「就業の場所」と「従事すべき業務」が含まれています。

さらに、2024年4月からは、この明示のルールが改正されました。雇い入れた直後の就業場所と業務だけでなく、将来の配置転換などで変わりうる「変更の範囲」も明示することが義務になったんです。

つまり、労働条件の書面を見れば、次のことが分かるということです。

・入職した直後に、どの部署でどんな業務に就くのか ・将来、どの部署や業務に変わる可能性があるのか

もし書面の就業場所が「看護部」とだけ書かれていて、変更の範囲が「会社の定める部署」となっていれば、ICUへの配属は確約されていないと読むのが自然です。一方で、「集中治療室」と明記されていれば、少なくとも入職時の配属はICUだと分かります。

変更の範囲の書き方は、病院によってさまざまです。「集中治療室およびハイケアユニット」のように近い部署に限っている場合もあれば、「法人内のすべての事業所」と広く書かれている場合もあります。後者なら、将来はICUに限らず、関連する施設へ異動する可能性もあると読めます。ICUで長く働きたい人にとっては、入職時の配属と同じくらい、この変更の範囲が大切な情報です。

ここで大切なのは、面接で口頭の約束をもらって安心しないことです。「ICUに配属しますよ」と面接で言われても、書面が「看護部」のままなら、あとで配属が変わったときに、その約束を確かめる手段が乏しくなります。

内定をもらったら、労働条件の書面を受け取り、就業場所の欄を確認してください。ICUと書かれていない場合は、「面接でICUへの配属と伺っていたので、書面にも明記していただけますか」とお願いしてかまいません。応じてもらえない場合は、入職の判断を考え直す材料になります。

私が以前、労務の相談を受けた看護師さんの中にも、この書面の確認で救われた方がいました。内定のあと書面を見たら、就業場所が「看護部」になっていて、問い合わせたところ「ICUは現在欠員がなく、半年ほど病棟で勤務してもらう予定」と説明されたそうです。その方は、別の病院の、ICUと明記された求人を選びました。確認しなければ、入職してから知ることになっていた話です。

※配属をめぐって入職後にトラブルになった場合、契約の内容や経緯によって判断が変わります。深刻なケースでは、弁護士や労働局に相談してください。

応募前に確かめることを、見学と面接で聞く

最後に、応募前から入職前までに確かめたいことを、見学と面接の場面に分けてまとめます。

見学で確かめること

ICUの見学ができる病院は多くあります。見学では、次の点に目を向けてみてください。

・ベッドのあいだの距離や、モニターや機器の配置 ・看護師同士が声をかけ合って動いているか ・休憩が交代でとれていそうか ・若手とベテランがバランスよくいるか ・掲示物や手順書が整理されているか

ICUは、1人の患者さんに多くの機器がつながる場所です。機器の配置が整理されていると、急変時にも動きやすく、新しく入った人も覚えやすくなります。

面接で聞くこと

面接では、求人票に書かれていなかったことを確かめます。聞き方は、数字で答えられる形にするのがコツです。

・ICUの病床数と、今月の平均の稼働はどのくらいですか ・入室する患者さんは、術後と救急のどちらが多いですか ・夜勤は月に平均何回くらいですか ・独り立ちまでの目安と、その間の教育の担当はどうなっていますか ・配属は入職時にICUと確定していますか。書面にも記載されますか ・この1年で、ICUの看護師の入れ替わりはどのくらいありましたか

配属の質問は、聞きにくいと感じるかもしれません。でも、「ICUで長く働きたいので、確認させてください」と前置きすれば、前向きな質問として伝わります。

聞いた答えは、面接のあとすぐにメモしておきましょう。複数の病院を受けている場合は、病床数、配置、夜勤回数、教育、配属の確約、入れ替わりの人数を同じ表に並べて比べると、違いがはっきり見えてきます。答えが具体的に返ってきた病院と、濁された病院。その差も、表に書き込んでおくと判断の材料になります。

面接で聞いた答えと、内定後に受け取る書面の内容がそろっているかを最後に確認する。この順番を守れば、冒頭のようなすれ違いは、ほとんど防ぐことができます。

ICUの経験は、看護師としての給与の水準にも関わってきます。夜勤の回数や手当がどう年収に効くのかを考えるときは、相場を知っておくと判断しやすくなります。看護師の年収・単価相場では、公的な統計をもとに看護師の年収の分布が整理されています。求人票の金額が相場と比べてどの位置にあるのか、一度見比べてみてください。

運営者として見てきたこと

最後に、看護師に限らず、専門職が仕事を探し、選ばれる場を20年見てきた運営者の立場から、少しお伝えさせてください。

仕事の条件をめぐるすれ違いの多くは、「言った、言わない」から生まれます。面接で聞いた、担当者から聞いた、なんとなくそう書いてあった。そして、すれ違いが起きたときに頼りになるのは、いつも書面に残っていることだけです。長く安定して働いている人ほど、条件を最初に書面で確かめる習慣を持っています。

もう1つ感じるのは、条件を確かめることをためらう人ほど、入ってから苦労しやすいということです。確認の質問をしたことで評価が下がる職場は、入ってからも同じように、言いたいことが言いにくい職場であることが多い。確かめる質問への反応そのものが、職場を見極める材料になります。

これは、仕事を依頼する人と受ける人のあいだでも同じです。業務の範囲と報酬を最初にすり合わせ、書面に残した関係ほど長く続きます。そして、間に余計な取り分が入らない直接の関係では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%の直接の取引が長い関係を生みやすいのは、双方が条件に納得できる構造だからだと感じています。

ICUへの転職を考えるなかで、自分のキャリアをどう組み立てるか迷うこともあると思います。そういうときは、キャリアの相談を専門に受ける人を頼るのも1つの方法です。国家資格のキャリアコンサルタントは、職業の選択や能力の開発について相談に応じる専門職で、資格の役割や試験の仕組みがまとめられています。医療の現場を知る人が、働く人の悩みに寄り添う仕事には、職場・転職・キャリア相談のお仕事のような形もあり、どういう依頼があるのかを確認できます。

見てきた限りでは、専門性の高い部署に移る人ほど、最初の数か月で「思っていた体制と違った」と感じたときの落胆が大きくなります。専門を深めたいという強い思いがあるからこそ、条件の確認を後回しにしてしまうのかもしれません。思いが強いときほど、一度立ち止まって書面を見てください。

ICUの求人は、見つけるまでより、見つけてから確かめることのほうが大切です。書かれていることを読み、書かれていないことを聞き、最後に書面で確かめる。その順番を覚えておいてください。法律はあなたの味方です。

よくある質問

Q. ICUの求人が少ないのはなぜですか?

ICUは専門性が高く、病院はまず院内の看護師を異動させて補充しようとするため、外部への求人は院内で補充しきれないときに出ることが多いからです。また、配属先を面接で決める「看護師募集」の形で出る求人も多く、ICUの規模が小さいため欠員が出る時期も不定期です。病院の採用サイトを定期的に確認するのが確実です。

Q. 派遣でICUの看護師として働くことはできますか?

病院や診療所での看護師の派遣は、労働者派遣法で原則として禁止されています。例外は、直接雇用を前提にした紹介予定派遣、産休や育休や介護休業を取る人の代わり、へき地の医療機関などです。ICUの派遣求人を見かけたら、どの例外に当たるのかを確かめてください。判断に迷う場合は労働局などに相談しましょう。

Q. 面接でICU配属と言われれば、確実にICUで働けますか?

口頭の約束だけでは確実とは言えません。内定後に受け取る労働条件の書面で、就業の場所と、2024年4月から明示が義務になった変更の範囲を確認してください。就業場所が「看護部」とだけ書かれている場合は、ICUと明記してもらえるかをお願いしてかまいません。応じてもらえない場合は判断を考え直す材料になります。

Q. ICUとHCUの求人では、働き方にどんな違いがありますか?

看護配置の基準が違います。ICUは常に患者2人に看護師1人、HCUは常に患者4人または5人に看護師1人が基準です。ICUは受け持ちが少なく、一人ひとりを深く観察し高度な機器管理を学べますが、配置を守るため夜勤の回数が多くなりがちです。HCUは受け持ちが増える分、観察と優先順位の判断が求められます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月23日最終更新:2026年9月24日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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