放課後等デイサービスの志望動機をどう書くか|ここを選んだ理由の組み立て方


この記事のポイント
- ✓放課後等デイサービスの志望動機を
- ✓施設の中で実際に起きていることから組み立てる方法を解説します
- ✓採用側が確かめている点
結論から書きます。放課後等デイサービスの志望動機で差がつくのは、「なぜ子どもと関わる仕事がしたいのか」ではなく、「なぜ放課後等デイサービスで、なぜこの施設なのか」を、その施設の中で実際に行われていることにもとづいて説明できるかどうかです。
志望動機の例文を検索すると、「子どもの成長に寄り添いたい」「一人ひとりに合わせた支援に魅力を感じた」といった文章がたくさん見つかります。間違ってはいません。ただ、採用担当者は同じような文章を何十通も読んでいます。どの施設に出しても通用する文章は、裏を返せば、どの施設に対しても決め手にならない文章です。
放課後等デイサービスは、施設ごとに支援の方針も、通っている子どもの年齢や特性も、1日の活動の中身もかなり違います。そして2024年度の制度の見直しで、各施設は自分たちの支援の内容をプログラムとしてまとめ、公表することが求められるようになりました。つまり、「この施設を選んだ理由」を作るための材料は、以前よりずっと手に入りやすくなっています。
この記事では、採用する側が志望動機で何を確かめているのかを整理したうえで、施設の実態から志望動機を組み立てる手順を、経歴別の例文とあわせて解説します。
採用する側は、志望動機で何を確かめているのか
志望動機の書き方の前に、読む側の事情を押さえておきます。放課後等デイサービスの採用担当者が志望動機で確かめていることは、大きく分けて3つあります。
1つ目は、「この仕事の中身を理解したうえで応募しているか」です。放課後等デイサービスは、児童福祉法にもとづく障害児通所支援で、障害のある子どもや発達に特性のある子どもが、学校のあとや休みの日に通う場所です。子ども1人ひとりに個別支援計画があり、それにもとづいて支援が行われます。学童保育のように子どもが安全に放課後を過ごす場所というだけでなく、発達の支援、つまり療育を行う場所です。この違いを理解していない志望動機は、入職後に「思っていた仕事と違う」となる可能性が高いと判断されます。
2つ目は、「長く働いてくれそうか」です。放課後等デイサービスの多くは定員10人程度の小規模な施設で、職員の人数も限られています。1人が辞めると、残った職員の負担がすぐに増え、子どもたちにとっても慣れた職員がいなくなる影響が出ます。発達に特性のある子どもの中には、関わる大人が変わることに強い不安を感じる子もいます。採用する側にとって、職員の定着は支援の質そのものに関わる問題です。
3つ目は、「施設の支援方針と合っているか」です。運動を中心にした療育に力を入れている施設に、「学習支援に関わりたい」という志望動機が届いても、採用する側は判断に迷います。どちらが良い悪いではなく、施設の方針と応募者のやりたいことが合っていなければ、お互いに不幸になるからです。
この3つを踏まえると、良い志望動機の条件がはっきりします。放課後等デイサービスの仕事の中身を理解していることが伝わり、長く働く理由がその施設の中にあり、施設の方針と自分の経験や関心がつながっている。この3点がそろっていれば、文章の上手さはそれほど問われません。
正直なところ、多くの例文はこの3つ目が弱いと感じます。どの施設にも出せる例文を少し書き換えただけでは、「なぜうちなのか」という問いに答えられません。そして面接では、ほぼ確実にこの問いが来ます。書類の段階で答えを用意しておくことが、そのまま面接の準備にもなります。
もう1つ、採用する側の事情として知っておくと役立つことがあります。放課後等デイサービスには、国の基準で置かなければならない職員の人数が決まっていて、子どもの支援を直接担う職員は、保育士か児童指導員の要件を満たす人である必要があります。施設が求人を出すとき、「基準を満たすための有資格者」を探しているのか、「子どもが多い時間帯を支える補助の職員」を探しているのかで、志望動機に期待する内容も変わります。求人票の募集職種と応募条件を先に読んでおくと、どんな人物像を求められているかが見えてきます。
「なぜ放課後等デイサービスか」は、他の職場との違いから組み立てる
志望動機の1段目は、「なぜ放課後等デイサービスという職場を選んだのか」です。ここを説得力のある形で書くには、似た職場との違いを自分の言葉で説明できることが前提になります。
子どもと関わる職場は、ほかにもたくさんあります。保育園、幼稚園、認定こども園、学童保育、児童発達支援、特別支援学校。放課後等デイサービスは、この中でどこに位置しているのでしょうか。
保育園や認定こども園は、主に就学前の子どもを対象に、生活全体を長い時間預かる場所です。障害のある子どもや発達に特性のある子どもも一緒に過ごしますが、あくまで集団の保育の中で配慮を行う形が基本です。
一方、放課後等デイサービスの役割は、保育士向けの求人情報サイトで次のように説明されています。
保護者が仕事などで家を空けている間、子どもたちが放課後や学校の長期休暇中などに安心して過ごせる場所を提供することで、心身の安全と集団生活の体験を保証しながら個別の療育を実現します。 出典: hoikushibank.com
放課後等デイサービスの特徴は、この引用にあるように、「安心して過ごせる場所」と「個別の療育」の両方を担っている点にあります。対象は小学生から高校生までで、学校との連携や、将来の生活や仕事を見据えた支援まで視野に入ります。
児童発達支援は、就学前の障害のある子どもを対象にした通所支援です。放課後等デイサービスと制度の上では近い仕組みですが、対象の年齢が違います。就学前の早い時期の発達支援に関わりたいのか、学齢期から思春期にかけての長い時期に関わりたいのか。この違いを意識すると、「なぜ放課後等デイサービスか」の答えが具体的になります。
学童保育は、保護者が働いている家庭の小学生が、放課後を安全に過ごす場所です。障害のある子どもを受け入れている学童保育もありますが、1人ひとりに個別支援計画を作って療育を行う仕組みではありません。
特別支援学校は、学校教育として子どもの学びを担う場所です。放課後等デイサービスは、学校とは違う立場で、子どもが学校で見せる姿とは別の面に関わります。学校では緊張している子どもが、施設では安心して自分を出せる。そういう場面に立ち会えることは、放課後等デイサービスで働く人がよく口にするやりがいの1つです。
これらの違いを踏まえて、自分がどの点に惹かれているのかを言葉にしてみてください。例を挙げると、次のような切り口があります。
- 小学生から高校生まで、長い期間にわたって1人の子どもの成長に関われること
- 少人数の環境で、子ども1人ひとりの特性に合わせた関わりを深められること
- 学校とも家庭とも違う、子どもが安心して過ごせる第3の居場所を作る仕事であること
- 保護者の就労や休息を支え、家庭全体を支える役割を持っていること
大切なのは、この中のどれかを「選ぶ」ことではなく、自分の経験と結びつけて「なぜそこに惹かれたのか」を1〜2文で説明できることです。保育園で働いていた人なら、卒園した子どもたちのその後が気になった経験。学校で働いていた人なら、放課後の子どもの姿を知りたいと思ったきっかけ。こうした具体的な出来事があると、志望動機の1段目は一気に説得力を持ちます。
「なぜこの施設か」の材料は、支援プログラムと活動の中身にある
志望動機の2段目、そして最も差がつくのが、「なぜこの施設を選んだのか」です。ここを書くための材料は、施設が外に向けて出している情報の中にあります。
まず見てほしいのは、施設が公表している支援プログラムです。2024年度の制度の見直しで、放課後等デイサービスの事業所は、「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」という5つの領域をふまえた支援を行い、その内容をプログラムとして作成・公表することが求められるようになりました。施設のホームページや、事業所の情報を公表する仕組みの中で、このプログラムを読むことができます。
支援プログラムには、その施設が5つの領域それぞれで何を大切にしているか、どんな活動を行っているかが書かれています。ここを読むと、同じ放課後等デイサービスでも、施設ごとの力の入れ方の違いがはっきり見えてきます。
たとえば、運動療育に力を入れている施設では、「運動・感覚」の領域に、体幹を育てる運動や、感覚の偏りに配慮した遊びが具体的に書かれています。学習支援を中心にしている施設では、「認知・行動」の領域に、宿題の支援や、学習の困りごとに合わせた教材の工夫が並びます。中高生が多い施設では、「人間関係・社会性」の領域に、将来の就労を見据えた活動や、地域での体験が書かれていることがあります。
次に、施設の日々の活動の発信を見ます。多くの施設が、ブログやSNSで日々の活動の様子を発信しています。季節の行事、外出の活動、おやつ作り、制作活動。支援プログラムが「方針」だとすると、日々の発信は「実際に行われていること」です。この2つを突き合わせると、施設の支援が方針どおりに行われているかも、ある程度見えてきます。
3つ目は、対象の子どもです。小学生中心か、中高生中心か。重症心身障害のある子どもや、医療的ケアが必要な子どもを受け入れているか。子どもの年齢や状態によって、職員に求められる関わり方は大きく違います。自分の経験や関心と、対象の子どもが合っているかは、志望動機の土台になります。
4つ目は、運営法人です。複数の施設を展開している法人なのか、1つの施設を地域で運営している法人なのか。社会福祉法人で、児童発達支援や相談支援など他の事業も運営しているのか。法人の規模や事業の広がりは、職員の研修体制や、将来のキャリアの幅にも関わります。
そして、可能であれば見学に行ってください。子どもたちが施設にいる時間帯の職員の声のかけ方、子どもが困っているときの待ち方、職員同士の連携の様子。見学で見たことを志望動機に書けるのは、とても強い材料になります。
私は以前、福祉分野の求人記事を編集する仕事をしていた時期があります。そのとき、採用担当の方々に話を聞いて印象に残ったのは、「見学に来た人の志望動機は、読めばすぐに分かる」という言葉でした。見学で見た具体的な場面が1つ書かれているだけで、文章の説得力がまったく違うのだそうです。反対に、ホームページの理念の文言をそのまま引き写しただけの志望動機は、「読んだけれど、考えてはいない」と受け取られがちだと聞きました。材料を集めることと、それを自分の言葉で消化することは、別の作業だということです。
集めた材料から志望動機に使うのは、1つか2つで十分です。支援プログラムの中で自分の経験とつながる1つの領域、あるいは見学で印象に残った1つの場面。そこに「なぜ惹かれたのか」「自分はそこで何ができるか」を重ねれば、「この施設を選んだ理由」になります。
経歴別の組み立て方と例文
ここからは、経歴ごとに志望動機の組み立て方を見ていきます。例文の中の「〇〇」は、応募する施設の実際の情報に置き換えてください。例文はあくまで構造の見本で、そのまま使うと、先に書いた「どの施設にも出せる文章」になってしまう点には注意が必要です。
保育士として保育園で働いてきた場合
保育士の経験者は、子どもの発達を見る目と、集団の中で1人ひとりに目を配る経験を持っています。一方で、採用する側は「保育園との違いを理解しているか」を気にします。保育園で出会った、発達に特性のある子どもとの関わりや、卒園後の子どもへの関心など、放課後等デイサービスを選んだきっかけを具体的に書くのが効果的です。
例文は次のような構造になります。
「保育園で5年間勤務する中で、集団の活動に入りにくい子どもへの関わりに悩み、発達支援の研修を受けてきました。その子たちが小学校に上がったあとも、安心して過ごせる場所で成長を支えたいと考え、放課後等デイサービスを志望しました。貴施設の支援プログラムで、〇〇の領域に△△の活動を取り入れていることを知り、保育園で行ってきた感覚遊びの経験を生かせると考えています。」
児童指導員として別の放課後等デイサービスで働いてきた場合
同じ業態からの転職では、「なぜ今の施設ではなく、この施設なのか」が必ず問われます。前の職場の不満を書くのではなく、自分が深めたい支援の方向と、応募先の施設の方針が合っていることを示します。
参考になるのが、保育士の求人サイトのこの指摘です。
児童指導員ならではの強み、たとえば個別支援計画の作成経験や、子どもの行動観察に基づくアセスメントの経験などを具体的に示せると、説得力のある志望動機になりやすいでしょう。 出典: hoikushibank.com
経験者であれば、個別支援計画にどう関わってきたか、子どもの行動をどう観察して支援につなげてきたかを、1つの事例として書けると強くなります。そのうえで、「中高生の支援に関わってきた経験を、就労を見据えた活動に力を入れている貴施設で深めたい」というように、応募先の特徴と結びつけます。
子育て経験はあるが、福祉や保育の経験がない場合
未経験の方の場合、採用する側が気にするのは「障害のある子どもとの関わりを、どこまで具体的にイメージできているか」です。自分の子育ての経験を書くこと自体は問題ありませんが、「子育てをしてきたから子どもの扱いに慣れている」という書き方は避けたほうがよいでしょう。自分の子どもとの関わりと、仕事として発達に特性のある子どもに関わることは、同じではないからです。
代わりに、放課後等デイサービスについて自分で調べたこと、見学で見たこと、そして未経験の自分が何から学び、どう貢献したいかを書きます。「送迎の運転や活動の準備など、まず自分にできる役割から施設を支え、研修や先輩の職員から子どもの特性への理解を学んでいきたい」という書き方は、誠実さが伝わります。
異業種から転職する場合
営業、接客、事務など、異業種からの転職では、前職の経験と放課後等デイサービスの仕事のつながりを見つけることがポイントです。接客業で身につけた相手の気持ちを読み取る力、事務職で身につけた記録や書類を正確に扱う力、営業職で身につけた関係者との調整の力。放課後等デイサービスの仕事には、保護者とのやり取り、学校や相談支援事業所との連携、日々の記録など、こうした力が生きる場面が多くあります。
例文の構造は次のようになります。「前職では飲食店の店長として、アルバイトスタッフの育成とお客様への対応を担当してきました。スタッフ1人ひとりの得意なことを見つけて役割を任せると、表情が変わっていく姿に仕事の手応えを感じていました。貴施設の見学で、職員の方が子どもの得意な作業を見つけて〇〇の活動を任せている場面を拝見し、前職で大切にしてきた関わり方が生かせると考えて志望しました。」
異業種からの応募では、前職の経験を福祉の言葉に無理に言い換える必要はありません。自分が前職で何を大切にしてきたかを具体的に書き、それが施設のどの場面と重なるのかを示せば十分に伝わります。
新卒の場合
大学で心理学や教育学、社会福祉学などを学んだ新卒の方は、児童指導員の要件を満たしている場合があります。学んだ内容と、実習やボランティアでの経験を具体的に書き、応募する施設の支援プログラムのどの部分に学びを生かしたいかを示します。
評価を下げやすい志望動機の書き方
ここで、評価を下げやすい書き方を整理しておきます。どれも、例文をもとに書くと陥りやすいものです。
1つ目は、「子どもが好きだから」だけで終わる志望動機です。子どもが好きなことは、この仕事の前提として大切です。ただ、それだけでは放課後等デイサービスを選んだ理由にも、その施設を選んだ理由にもなりません。「好き」から一歩進めて、「どんな場面で、どんな関わりをしたいのか」まで書く必要があります。
2つ目は、「学ばせていただきたい」が中心の志望動機です。未経験の方ほど、謙虚な姿勢を示そうとしてこの書き方になりがちです。学ぶ姿勢そのものは評価されますが、「学びたい」だけが並ぶと、採用する側には「この人は施設に何をもたらしてくれるのか」が見えません。学びたいことと同じくらい、自分が今できることを書くのが大切です。
3つ目は、勤務条件だけが理由に見える志望動機です。「自宅から近い」「午後だけ働ける」「土日が休み」。これらは実際の選択の理由として正当ですし、面接で聞かれれば正直に答えてよいことです。ただ、志望動機の中心に置くと、条件がより良い職場が見つかれば辞めてしまうのではないか、と受け取られます。条件は、長く働き続けられる理由として補足的に添える程度にとどめるのがよいでしょう。
4つ目は、支援する側の立場を強く出しすぎた書き方です。「障害のある子どもたちを助けたい」「かわいそうな子どもたちの力になりたい」。善意からの言葉であっても、子どもを一方的に助けられる存在として見ているように読まれることがあります。放課後等デイサービスの支援は、子どもが自分の力で過ごせる場面を増やしていくことが目的です。「子どもが自分でできることを一緒に増やしていきたい」のように、子どもの主体性を大切にする言葉を選んでください。
5つ目は、家族に障害のある人がいる経験の扱い方です。この経験は、志望のきっかけとして自然なものですし、書いてはいけないということはありません。ただ、家族の詳しい事情を長く書くと、志望動機の焦点がぼやけます。きっかけとして簡潔に触れ、そこから何を考え、なぜこの仕事を選んだのかに重心を置くのがよいでしょう。
6つ目は、施設の理念の文言をそのまま写した志望動機です。「貴施設の『一人ひとりの可能性を大切にする』という理念に共感しました」。この書き方は一見、施設のことを調べたように見えます。ただ、理念の言葉はどの施設も似ていて、採用する側からすると「ホームページのトップを読んだ」ことしか伝わりません。理念に共感したのであれば、その理念が支援プログラムや日々の活動のどこに表れていると感じたのかまで書いてください。理念と具体的な活動をつなげて書けると、施設の中身を読み込んだことがはっきり伝わります。
書き終えたら、1つ簡単な確認をしておくことをおすすめします。志望動機の中の施設名を、別の放課後等デイサービスの名前に置き換えて読んでみてください。それでも文章が成り立ってしまうなら、まだ「この施設を選んだ理由」が書けていないということです。置き換えたときに違和感が出る文章になっていれば、施設に固有の理由が入っていると判断できます。
面接で志望動機を深掘りされたときの答え方
書類で志望動機を書いたら、面接での深掘りに備えておきます。放課後等デイサービスの面接でよく聞かれるのは、次のような問いです。
1つ目は、「なぜ保育園(または学童、学校)ではなく、放課後等デイサービスなのですか」。これには、前の章で整理した「他の職場との違い」をもとに、自分がその違いのどこに惹かれたのかを具体的に答えます。書類に書いた内容を、具体的なエピソードで補うイメージです。
2つ目は、「当施設のどこに惹かれましたか」。支援プログラムや見学で見たことを、書類よりも少し踏み込んで話します。「支援プログラムの〇〇の領域に書かれていた活動について、実際にはどのように進めているのか、もう少し伺いたいです」と、逆に質問につなげるのも有効です。施設の支援に本当に関心を持っていることが伝わります。
3つ目は、「子どもがパニックになったとき、どう対応しますか」。未経験の方にとっては答えにくい質問ですが、正解を答えることより、考え方を示すことが求められています。「まず子どもと周りの子どもの安全を確保し、1人で抱え込まずにすぐに他の職員に伝えます。その子がなぜその状態になったのかは、落ち着いてから職員の方と一緒に振り返りたいと考えています」というように、安全、連携、振り返りの順で答えると、施設の支援の考え方と大きくずれることはありません。
4つ目は、「長く働けますか」「長期休暇中の勤務は可能ですか」。放課後等デイサービスは、夏休みなど学校の長期休暇や土曜日に、朝から子どもを受け入れます。平日とは勤務の時間帯が変わるため、この点は必ず確認されます。できることとできないことを正直に伝えるのが、結果的に長く働くことにつながります。
5つ目は、「保護者とのやり取りで大切にしたいことは何ですか」。放課後等デイサービスでは、送迎の際や連絡帳を通じて、保護者とのやり取りが日常的にあります。子どもの様子を肯定的な面も含めて具体的に伝えること、保護者の話をまず聞くこと。こうした基本を、自分の前職の経験と結びつけて答えられると説得力が増します。
面接の最後には、「何か質問はありますか」と聞かれることがほとんどです。ここも志望動機の延長として使えます。「新しく入った職員は、最初の数か月でどのような流れで仕事を覚えていくのでしょうか」「支援プログラムの見直しには、職員の方はどのように関わっていますか」。こうした質問は、入職後に長く働く姿を具体的に考えていることを示します。反対に、給与や休みの話だけで質問を終えると、それまで話した志望動機の印象が薄れてしまうので、条件面の確認は質問の後半に回すのがよいでしょう。
面接の答えは、暗記した文章を読み上げるより、要点だけを頭に入れておいて、その場で自分の言葉で話すほうが伝わります。書類の志望動機を「結論」「理由」「具体例」「施設でやりたいこと」の4つの要素に分けてメモしておくと、どの角度から聞かれても組み立て直しやすくなります。
志望動機を書く力は、入職後の仕事にもそのまま使う
最後に、志望動機を書く作業が、入職後の仕事とどうつながっているかを整理しておきます。
放課後等デイサービスの仕事には、書く場面がとても多くあります。日々の支援記録、保護者に渡す連絡帳、個別支援計画のモニタリングの記録、学校や相談支援事業所との情報共有。どれも、「事実」「その背景にある子どもの様子」「次にどうするか」を、読み手に誤解なく伝えることが求められます。
これは、志望動機で求められる「結論」「理由」「具体例」「これから」という構造と、ほぼ同じです。志望動機を丁寧に組み立てる作業は、入職後に良い記録を書くための練習にもなっています。
文章の構成に苦手意識がある場合は、結論を先に書き、理由と具体例を続けるという基本の型だけを押さえておけば十分です。報告書や連絡帳の文章も、目的に合わせて整理して書くという同じ考え方の上に成り立っています。
最近は、志望動機の下書きに生成AIを使う人も増えています。文章の構成を整える補助としては便利ですが、「なぜこの施設か」という核の部分は、自分で集めた材料と自分の経験からしか作れません。AIが作った文章は、どの施設にも出せる一般的な内容になりやすく、この記事の最初に書いた問題をそのまま抱えることになります。自分の経験をどう言葉にすればよいか迷うときは、人に話しながら整理するほうが近道です。働く人の進路や職場の悩みに向き合う相談の仕事がどんな形で行われているかは、職場・転職・キャリア相談のお仕事にまとまっています。
業務委託の市場を長く運営してきた立場から、1つだけ観察を書いておきます。応募の文章で選ばれる人の特徴は、福祉の求人でも業務委託の案件でもほとんど変わりません。長く仕事が続く人ほど、「相手が何を大切にしているか」を先に調べ、その上で自分に何ができるかを書いています。そして、そうして結ばれた関係は、仲介の手数料が乗らない直接の取引であれば、依頼する側は同じ予算でより多くを任せられ、受ける側は手取りが厚くなるので、どちらにとっても続ける理由がはっきりしています。相手の中身を読んでから書く。放課後等デイサービスの志望動機も、この基本の上に成り立っています。
放課後等デイサービスの志望動機は、例文を探すところからではなく、応募する施設の支援プログラムと活動の中身を読むところから始めるのが近道です。その施設で実際に起きていることを知り、そこに自分の経験を重ねる。それが、「ここを選んだ理由」になります。
よくある質問
Q. 放課後等デイサービスの志望動機は、どのくらいの長さで書けばよいですか?
履歴書の志望動機欄であれば、200字から300字程度が目安です。「なぜ放課後等デイサービスか」「なぜこの施設か」「自分の経験をどう生かすか」の3点を、それぞれ1〜2文でまとめると収まります。欄の大きさに対して文字が少なすぎると意欲が伝わりにくいため、欄の8割程度を埋めることを意識すると読みやすくなります。
Q. 未経験で資格もない場合、志望動機で何をアピールすればよいですか?
放課後等デイサービスについて自分で調べたことや見学で見た場面、前職で身につけた力が施設のどの仕事に生きるかを具体的に書きます。送迎や活動の準備など、自分に今できる役割から施設を支える姿勢を示すと誠実さが伝わります。「学ばせていただきたい」だけで終わらず、学ぶことと貢献できることを並べて書くのがポイントです。
Q. 施設の支援プログラムはどこで確認できますか?
多くの施設が、ホームページで支援プログラムを公表しています。2024年度の制度の見直しで、放課後等デイサービスの事業所は5つの領域をふまえた支援プログラムを作成し公表することが求められるようになりました。ホームページに見当たらない場合は、見学の申し込み時や面接の場で、支援プログラムを見せていただけるか尋ねてみるとよいでしょう。
Q. 家族に障害のある人がいることを、志望動機に書いてもよいですか?
書いて問題ありません。放課後等デイサービスを志望する自然なきっかけとして受け止められます。ただし、家族の事情を詳しく長く書くと、志望動機の焦点がぼやけてしまいます。きっかけとして簡潔に触れたうえで、その経験から何を考え、なぜこの施設で働きたいのかに重心を置いて書くのがおすすめです。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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