訪問看護ステーションに向いている人|長く続く人に共通していること


この記事のポイント
- ✓訪問看護ステーションに向いている人と
- ✓長く続く人に共通していることを
- ✓ステーションの人員体制や1日の動き
「訪問看護に興味はあるけれど、自分に向いているのか分からない」
看護師の方から、こういうご相談をよくいただきます。病棟の忙しさに疲れて、でも看護は続けたい。一人で訪問先に行くことを想像すると、不安のほうが大きくなってしまう。そんな揺れる気持ちを抱えている方が多いんです。
大丈夫ですよ。結論からお伝えすると、訪問看護ステーションで長く続いている人は、看護の技術が特別に高い人とは限りません。共通しているのは、一人で動く時間と、チームに頼る時間を上手に行き来できること。そして、「治す」より「暮らしを支える」ことに意味を感じられることです。この記事では、ステーションという職場の中で何が起きているかを出発点に、長く続く人に共通していること、向いていないと感じやすい場面と続ける工夫、自分に合うかを確かめる方法まで、順にお話しします。
訪問看護ステーションは、どんな職場なのか
向き不向きの話をする前に、職場の輪郭を確認しておきましょう。「向いているか」は、その職場で毎日何が起きているかによって決まるからです。
訪問看護ステーションの人員基準は、看護職員を常勤換算で2.5人以上置き、そのうち1人は常勤であることです。管理者は原則として常勤の看護師か保健師が務めます。つまり、とても小さな職場なんです。看護師が5人前後のステーションも多く、全員の顔と性格が見える距離で働くことになります。
1日の訪問件数は4〜5件が一つの目安です。朝の打ち合わせで担当を確認したら、車や自転車で一人ずつ利用者さんのお宅に向かいます。1件あたりの訪問時間は30分〜1時間程度が中心です。
訪問先では、バイタルの測定、服薬の確認、点滴や褥瘡の処置、痰の吸引、入浴の介助、リハビリ、そしてご家族の相談に乗ることまで、看護師が一人でこなします。医師の指示は「訪問看護指示書」という書面で出ていて、その範囲で看護を行い、変化があれば主治医に電話で報告します。
多くのステーションでは24時間対応の体制を取っていて、夜間や休日は看護師が交代で携帯電話を持つ「オンコール」があります。電話で相談に乗るだけで終わる日もあれば、夜中に訪問する日もあります。
そして、訪問看護の仕事は、医療の処置だけにとどまりません。
在宅療養に必要な看護備品の貸し出しなど、制度や枠にとらわれすぎず、実際の生活に役立つ支援を行っています。 「家で過ごし続けるために何が必要か」を現場視点で考えます。 出典: nagahara.or.jp
「家で過ごし続けるために何が必要か」。この問いが、訪問看護の仕事の真ん中にあります。病棟では「退院に向けて」だった看護が、訪問看護では「この家での暮らしが続くように」に変わる。この違いを知っておくと、次からお話しする「長く続く人に共通していること」が、ぐっと分かりやすくなると思います。
病棟と訪問看護で、看護師の1日はこう変わる
向き不向きを考えるとき、「同じ看護師の仕事でも、1日の過ごし方がどう変わるか」を具体的に思い浮かべてみると、自分の気持ちが見えやすくなります。
病棟の日勤では、朝の申し送りのあと、受け持ちの患者さんを順番に回り、検温、点滴の交換、検査への送り出し、ナースコールへの対応が次々と重なっていきます。同じフロアに先輩も医師もいて、困ったらすぐに声をかけられる。そのかわり、自分のペースで仕事を進められる時間はほとんどありません。
訪問看護の1日は、もう少し区切りがはっきりしています。
・8時半ごろ:ステーションで朝の打ち合わせ。前夜のオンコールの内容と、その日の訪問先の注意点を共有 ・9時〜12時:午前の訪問を2件ほど。1件ごとに移動があり、車や自転車の中で気持ちを切り替える ・12時〜13時:昼休憩。ステーションに戻るか、訪問先の近くで休む ・13時〜17時:午後の訪問を2〜3件 ・17時ごろ:ステーションに戻って記録を仕上げ、主治医やケアマネジャーに連絡
大きな違いは3つあります。
1つ目は、1件ごとに「始まりと終わり」があることです。訪問先の玄関をくぐった瞬間から、その利用者さんとご家族だけに集中できます。ナースコールで中断されることはありません。「一人の人とじっくり向き合いたい」と感じていた方にとっては、これが大きな魅力になります。
2つ目は、移動の時間があることです。これを「無駄な時間」と感じるか、「心を整える時間」と感じるかで、訪問看護の毎日の感じ方は大きく変わります。
3つ目は、夜勤がないかわりにオンコールがあることです。病棟の夜勤のように朝まで起きて働くことはありませんが、電話が鳴るかもしれない夜を過ごします。体への負担は夜勤より軽いと感じる方が多い一方で、「いつ呼ばれるか分からない」緊張を苦手に感じる方もいます。
この3つの違いを思い浮かべて、「こちらのほうが自分らしく働けそう」と感じるかどうか。それが、向き不向きを考える最初の手がかりになります。
長く続く人に共通していること1:一人の時間に強く、でも抱え込まない
訪問看護の一番の特徴は、訪問先で看護師が一人になることです。病棟のように、隣に先輩がいて「ちょっと見てもらえますか」と声をかけることができません。
長く続いている人は、この一人の時間に強い人です。ただ、ここで誤解してほしくないのは、「一人で何でも判断できる人」が向いているわけではない、ということです。
むしろ、長く続く人ほど、迷ったときにすぐ電話をかけています。「いつもより呼吸が浅い気がするんですが、主治医に連絡したほうがいいでしょうか」と、訪問先からステーションの管理者や先輩に相談する。この「一人で動けるけれど、一人で抱え込まない」バランスが、訪問看護ではとても大切なんです。
以前、訪問看護に移って半年ほどの看護師さんから、こんなご相談を受けたことがあります。「電話をするたびに、自分は判断力がないと思われているんじゃないかと怖くなる」。お話を聞いていくと、実際には管理者の方から「迷ったら電話して」と言われていて、責められたことは一度もなかったそうです。怖さの正体は、病棟で「一人前なら自分で判断するもの」と教わってきた思い込みでした。
訪問看護の管理者の多くは、一人で抱え込んで判断を誤ることのほうを心配しています。電話は、あなたの弱さではなく、利用者さんの安全を守る行動です。
一人の時間に強いかどうかは、たとえばこんなところで分かります。
・一人で知らない場所に行くことに、強い苦痛を感じない ・移動中の時間を、気持ちの切り替えや次の訪問の準備に使える ・誰にも見られていない場面でも、手順を省かずに丁寧にできる
そして、抱え込まないかどうかは、こんなところで分かります。
・「分からない」「自信がない」を、言葉にして人に伝えられる ・自分の判断に、他の人の目を入れることを嫌がらない ・つらいことがあった日に、誰かに話すことができる
もし今、「一人は平気だけれど、人に頼るのは苦手」と感じたとしても、心配はいりません。頼ることは、練習で身につけられる力です。
長く続く人に共通していること2:「治す」より「暮らしを支える」に意味を見出せる
病棟の看護、特に急性期の病棟では、治療によって状態がよくなり、退院していく姿を見送ることが、やりがいの大きな部分を占めていたと思います。
訪問看護の利用者さんは、治療が一段落して自宅で療養している方、慢性の病気と長く付き合っている方、そして人生の最期を自宅で過ごしたいと願う方が中心です。状態が劇的によくなることは、あまり多くありません。
長く続く人は、ここに別の形のやりがいを見つけています。
・今日も自分の家のベッドで、好きなテレビを見ながら過ごせている ・ご家族が「看護師さんが来てくれるから、もう少し家で頑張れる」と言ってくれた ・褥瘡が悪化せず、先月と同じ状態を保てている ・最期の日まで、住み慣れた部屋で家族に囲まれて過ごしてもらえた
どれも、数字で見える成果ではありません。でも、その人の暮らしが続いていることそのものに、意味を感じられる。これが訪問看護で長く続く人の大きな共通点です。
病棟で働いていたときに、「退院したあの方は、家でどうしているだろう」と気になった経験はありませんか。退院指導をしながら、「この家族で本当に大丈夫だろうか」と心配になったことは。そうした気持ちを持ったことがある方は、訪問看護の仕事にやりがいを感じやすいと思います。
反対に、急性期の処置や手技を磨くことに一番の喜びを感じている方は、訪問看護の毎日を物足りなく感じるかもしれません。それは、どちらがよい看護かという話ではありません。自分が何に喜びを感じるかを知っておくことが、職場選びではいちばん大切なんです。
長く続く人に共通していること3:家族との距離感を保てる
訪問看護では、利用者さんだけでなく、ご家族と深く関わります。看護師がいない時間の大半は、ご家族が介護をしているからです。痰の吸引や経管栄養を、ご家族が担っている家庭も少なくありません。
ご家族との関係は、訪問看護のやりがいにも、疲れの原因にもなります。
「看護師さん、夜も眠れないんです」と、介護に疲れたご家族が涙を流す。「うちの母にもっと何かしてあげられないんですか」と、強い口調で求められる。家族の中で介護の方針が割れていて、訪問のたびに違うことを言われる。こうした場面は、訪問看護では日常的にあります。
長く続く人は、ご家族に心から寄り添いながらも、自分が背負いすぎない距離感を持っています。
たとえば、ご家族の疲れに気づいたら、自分が全部を引き受けるのではなく、ケアマネジャーに連絡してショートステイの利用を提案してもらう。強い要求を受けたら、その場で約束せず、「ステーションで相談してお返事しますね」と持ち帰る。家族の意見が割れているときは、主治医やケアマネジャーを交えた話し合いの場を持つ。
心理学では、相手の感情に巻き込まれすぎずに共感する姿勢を、「共感」と「同情」を分けて考えることがあります。日常の言葉で言うと、「相手のつらさを分かろうとするけれど、そのつらさを自分のものとして抱え込まない」ということです。
これは冷たさではありません。看護師が倒れてしまったら、そのご家族を支える人がいなくなってしまいます。自分を守ることは、利用者さんとご家族を守ることにつながっているんです。
私自身、カウンセラーとして独立したばかりの頃、相談者の方のつらさを家にまで持ち帰ってしまい、眠れない日が続いたことがあります。そのとき先輩のカウンセラーから言われたのが、「あなたが元気でいることも、相談者さんへの支援の一部よ」という言葉でした。訪問看護の看護師さんにも、同じことをお伝えしたいと思います。
長く続く人に共通していること4:自分の予定と体調を自分で整えられる
訪問看護の働き方は、病棟とはリズムがまったく違います。
・訪問の予定は日によって変わり、急な入院やキャンセルで組み直しになる ・移動は天候の影響を受ける。雨の日や猛暑の日の自転車移動は、想像以上に体力を使う ・オンコールの日は、電話が鳴るかもしれないという緊張の中で夜を過ごす ・直行直帰ができるステーションでは、仕事とプライベートの境目が曖昧になりやすい
長く続いている人は、この変化の多いリズムの中で、自分の予定と体調を自分で整えています。
たとえば、オンコールの日は早めに夕食とお風呂を済ませ、呼ばれてもすぐ出られるようにしておく。オンコールの翌日は、できるだけ訪問件数を少なめにしてもらうよう相談する。雨の日用のカッパや、夏の日焼け対策、冬の防寒具を、自分に合うものに整えておく。
オンコールについては、不安を感じる方がとても多いです。ただ、実際の負担はステーションによって大きく違います。月に何回担当するのか、夜間に訪問が必要になる頻度はどのくらいか、呼ばれたときに相談できる管理者がいるか。これを事前に確かめておくだけで、不安はずいぶん小さくなります。
大切なのは、「体調が悪いのに無理をして訪問する」ことを続けないことです。小さなステーションでは、自分が休むと他の人に負担がかかると感じて、休みを言い出しにくくなりがちです。でも、長く続く職場は、休みを言い出しやすい職場でもあります。見学や面接で、休みの取りやすさについて聞いてみてくださいね。
長く続く人に共通していること5:記録と連絡を面倒がらない
最後の共通点は、少し地味に聞こえるかもしれません。記録と連絡を、大切な看護の一部として続けられることです。
訪問看護では、毎回の訪問記録に加えて、主治医に提出する訪問看護計画書と訪問看護報告書を毎月作成します。介護保険の利用者さんであれば、ケアマネジャーとの連絡も欠かせません。訪問介護やデイサービスなど、他の事業所との情報共有もあります。
病棟では、同じ建物の中で申し送りをすれば伝わっていたことが、訪問看護では電話、FAX、連絡ノート、ICTのツールと、いくつもの経路に分かれます。そして、次にその利用者さんを訪問するのは、別の看護師かもしれません。
長く続く人は、この記録と連絡を「後回しにすると自分が困る」と知っています。訪問が終わったらその日のうちに記録を終える。気になることは、担当が変わっても分かるように具体的に書く。この習慣がある人は、残業も少なく、チームからの信頼も厚くなります。
反対に、記録が溜まっていくと、夕方以降の時間がどんどん削られ、疲れが抜けなくなっていきます。「記録が苦手」という方は、完璧な文章を書こうとしすぎていることが多いです。事実、自分が見たこと、次の訪問で確認してほしいこと。この3つを短く書くことから始めれば大丈夫ですよ。
短い期間で離れた人の話から見えること
長く続く人の話と同じくらい、短い期間で訪問看護を離れた人の話にも、大切なヒントがあります。ご相談の中でよく聞くのは、次のような理由です。
「思っていたより、一人で判断することが怖かった」 「オンコールの回数が、面接で聞いていたより多かった」 「小さな職場で、管理者と合わなかったときに逃げ場がなかった」 「記録と書類に追われて、訪問の時間より事務の時間が長く感じた」
こうして並べてみると、看護の技術が足りなかったという理由は、あまり出てこないんです。多くは、職場の体制と、入る前に思い描いていた姿のずれから生まれています。
たとえば「一人で判断することが怖かった」という方は、同行研修が数回で終わり、すぐに一人で訪問することになったケースが多いです。訪問看護そのものが向いていなかったのではなく、慣れるまでの支えが足りなかった可能性があります。
「管理者と合わなかった」という悩みは、小さな職場ならではです。看護師が5人ほどの職場では、管理者の考え方がそのまま職場の空気になります。見学のときに、管理者が他の看護師とどう話しているか、質問にどう答えてくれるかを、よく見ておくことをおすすめします。
「記録に追われた」という方は、記録の方法がステーションによって大きく違うことを知っておくと防げるかもしれません。タブレットで訪問先から入力できるステーションもあれば、戻ってから紙に書くステーションもあります。
一度離れた方が、別のステーションに移って長く続けている例もたくさんあります。一つの職場で合わなかったことが、「訪問看護に向いていない」ことを意味するわけではありません。もし今、過去の経験で自信をなくしている方がいたら、そのことを覚えておいてくださいね。
向いていないと感じやすい場面と、続けるための工夫
ここまで「長く続く人」の話をしてきましたが、「自分は当てはまらないかも」と感じた方もいるかもしれません。向いていないと感じやすい場面と、それでも続けている人がしている工夫をお話しします。
車の運転や移動が苦手
訪問看護では、車の運転が必要なステーションが多いです。ペーパードライバーの方には大きな不安ですよね。ただ、都市部では自転車や電動アシスト自転車で回るステーションもあります。訪問エリアが狭く、移動が短いステーションを選ぶという方法もあります。求人票で移動手段を確認してみてください。
オンコールが怖い
オンコールを担当しない条件で働けるパートの求人もあります。まずはオンコールなしで訪問看護に慣れ、自信がついてから担当を相談する、という段階の踏み方をしている方もいます。
看取りがつらい
在宅での看取りに関わると、気持ちが大きく揺れることがあります。つらいのは、その方に心を寄せていた証拠です。看取りのあとに、ステーションの中で振り返りの時間を持っているかどうかは、長く続けられるかに大きく影響します。一人で抱えず、同僚に「今日はつらかった」と言葉にしてみてください。
ブランクがあって自信がない
ブランクがある方でも、訪問看護を始めている方はたくさんいます。
muku.訪問看護ステーション サテライト八尾の求人一覧muku.訪問看護ステーション サテライト八尾の看護師/准看護師求人未経験可!ブランク大歓迎♪週1日~勤務OK◎入所施設での訪問看護パートスタッフ募集 出典: job-medley.com
このように、「未経験可」「ブランク歓迎」「週1日から」と書いている求人もあります。週1日から始めて、少しずつ訪問件数を増やしていくと、体と気持ちが追いついてきます。
ステーションによって「向いている人」は変わる
同じ訪問看護ステーションでも、どんな利用者さんが多いかによって、向いている人は変わります。
規模の大きいステーションと、小さいステーション
看護師が10人を超えるような規模の大きいステーションでは、オンコールの回数が分散され、同行研修の担当者も確保しやすくなります。困ったときに相談できる相手が複数いるので、訪問看護が初めての方や、人間関係に不安がある方には安心材料になります。
一方、看護師が3〜5人ほどの小さなステーションでは、一人ひとりの裁量が大きく、利用者さんやご家族と長く深く関われます。管理者との距離も近く、意見が通りやすいことも多いです。そのかわり、オンコールの回数は増えやすく、誰かが休むと全員の負担に響きます。
どちらがよいということではありません。「支えの多さ」を重視するか、「関わりの深さ」を重視するかで、自分に合う規模は変わってきます。
医療保険の利用者さんが多い、ターミナルケア中心のステーション
末期がんの方や神経難病の方など、医療の必要度が高い方が多いステーションです。看取りに関わる機会が多く、オンコールで呼ばれる頻度も高くなります。緩和ケアや急変時の判断に関心がある方、病棟での経験を生かしたい方に向いています。
リハビリ職が多い、リハビリ中心のステーション
理学療法士や作業療法士が多く在籍し、機能訓練を中心に訪問しているステーションです。看護師の役割は、全身状態の管理や、リハビリ職との連携が中心になります。医療処置の頻度は比較的少なめで、生活の支援に関心がある方に合いやすいです。
精神科訪問看護
精神疾患のある方の自宅を訪問し、服薬の支援や生活リズムの相談、症状の変化の観察を行います。医療処置は少なく、対話が中心です。人の話をじっくり聴くことが好きな方に向いていますが、関係づくりに時間がかかることもあります。
小児の訪問看護
医療的ケアが必要なお子さんの自宅を訪問します。お子さんの成長に長く関われる一方で、ご家族、特にお母さんの負担に寄り添う場面が多くなります。小児科や新生児の病棟経験がある方が活躍しやすい分野です。
教育や実習の受け入れに力を入れているステーション
学生の実習を受け入れているステーションは、教える文化が根付いていることが多いです。
私たちの訪問看護ステーションでは、将来の看護を担う学生の皆さまの実習を積極的に受け入れています。 地域での医療・介護の現場を体験しながら、安心して学べる環境づくりに取り組んでいます。 出典: nagahara.or.jp
学生に教える体制があるということは、新しく入った看護師への同行や指導の仕組みも整いやすいということです。訪問看護が初めての方は、こうした点も選ぶ手がかりにしてみてください。
自分に向いているかを確かめる方法
最後に、自分に向いているかどうかを、実際に確かめる方法をお話しします。
見学と同行訪問をお願いする
多くのステーションは、応募前の見学を受け付けています。可能であれば、看護師の訪問に半日だけ同行させてもらえないか相談してみてください。実際に利用者さんのお宅に一緒に行くと、「思っていたより自分にもできそう」「移動が想像以上に大変」といった、求人票では分からない感覚がつかめます。
週1日のパートから始めてみる
いきなり正職員として転職するのが不安なら、今の仕事を続けながら、週1日のパートで訪問看護を経験してみる方法もあります。副業が認められているかどうか、今の職場の就業規則を確認してから検討してくださいね。
自分に問いかけてみる
次の問いに、ゆっくり答えてみてください。
・病棟で、退院したあとの患者さんの生活が気になったことはあるか ・一人で知らない場所に行くことに、強い苦痛を感じないか ・迷ったときに、人に電話で相談することができるか ・状態が劇的によくならなくても、暮らしが続いていることに意味を感じられるか ・ご家族のつらさに寄り添いつつ、自分の生活と切り分けることができそうか
全部に「はい」と答えられなくても、大丈夫です。3つくらい当てはまれば、訪問看護を試してみる価値は十分にあります。当てはまらなかった点は、ステーションを選ぶときに「ここを支えてくれる職場か」を確かめる材料にしてください。
求人票で確かめること
・訪問エリアの広さと移動手段 ・1日の訪問件数の目安 ・オンコールの回数と手当 ・同行研修の期間 ・利用者さんの特徴(ターミナル、リハビリ、精神科、小児など) ・看護職員の人数と、管理者の経験年数
看護師としての給与の水準も、選ぶうえで大切な材料です。職業情報をもとにまとめた看護師の年収・単価相場で、全国の傾向を一度見ておくと、提示された条件を落ち着いて判断できます。
心の疲れとの付き合い方と、その先のキャリア
訪問看護は、やりがいの大きな仕事です。同時に、一人で判断する緊張、ご家族との関わり、看取り、オンコールと、心が疲れやすい要素も重なっています。
私がカウンセリングでお会いする医療職の方の中には、「看護師なのだから、弱音を吐いてはいけない」と自分に言い聞かせてきた方がたくさんいます。でも、長く続けている人ほど、上手に弱音を吐いています。ステーションの同僚、家族、友人、そして必要なときには専門の相談窓口。話せる相手を複数持っておくことが、長く続ける一番の支えになります。
訪問看護で積み重ねた「その人の暮らし全体を見る力」は、看護の外でも生きていきます。たとえば、働く人の悩みに寄り添う国家資格としてキャリアコンサルタントがあり、医療職の経験を持つ方が学ぶこともあります。実際にどのような相談を受ける仕事なのかは、職場・転職・キャリア相談のお仕事で具体的に紹介されています。
フリーランス・在宅ワーク市場を20年運営してきた立場から見ると、医療や介護の現場経験を持つ人が個人で仕事を広げるとき、長く続く人ほど、単発の作業ではなく「この人に任せると安心」という関係づくりに時間を使っています。在宅療養の相談記事、介護する家族向けの資料づくり、事業所の研修。訪問先で暮らしに寄り添ってきた人の言葉が求められる場面は、少しずつ増えています。直接取引であれば、中間のマージンが乗らない分、依頼者は同じ予算で頼める量が増え、受け手は手取りが厚くなります。手数料0%が意味を持つのは、経験に見合う対価がそのまま手元に残るという点です。
「向いているか分からない」と迷うのは、真剣に考えている証拠です。まずは一つのステーションに見学をお願いするところから、ゆっくり始めてみてくださいね。
よくある質問
Q. 病棟経験が短くても訪問看護ステーションで働けますか?
働けます。「未経験可」「ブランク歓迎」と明記した求人もあり、同行研修の期間を設けて少しずつ一人で訪問できるようにするステーションが増えています。ただし訪問先では一人で観察し判断する時間が長いため、同行研修の期間や、迷ったときに電話で相談できる体制があるかを見学や面接で確認してから選ぶと安心です。
Q. オンコールが不安ですが、訪問看護は続けられますか?
続けられます。オンコールを担当しない条件のパート求人もあり、慣れてから担当を相談する方もいます。担当する場合も、月の回数、夜間に訪問する頻度、呼ばれたときに相談できる管理者がいるかはステーションによって大きく違います。事前に確認し、オンコール翌日の訪問件数を調整してもらえるかも聞いておくと負担を減らせます。
Q. 車の運転が苦手でも訪問看護はできますか?
できる場合があります。都市部では自転車や電動アシスト自転車で訪問するステーションもあり、訪問エリアが狭いステーションを選べば移動の負担も小さくなります。求人票で移動手段と訪問エリアの広さを確認してください。車を使う場合は、社用車か自家用車か、燃料代や保険の扱いも確かめておくと安心です。
Q. 自分が訪問看護に向いているか確かめる方法はありますか?
見学と半日程度の同行訪問をお願いするのが一番確実です。実際に利用者さんのお宅に一緒に行くと、移動の大変さや一人で判断する感覚がつかめます。今の仕事を続けながら週1日のパートで経験してみる方法もあります。その場合は、今の職場の就業規則で副業が認められているかを先に確認してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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