地域包括ケア病棟のパートという働き方|勤務時間の組み方と、任される範囲

中西 直美
中西 直美
地域包括ケア病棟のパートという働き方|勤務時間の組み方と、任される範囲

この記事のポイント

  • ✓地域包括ケア病棟でパートとして働く人に向けて
  • ✓午前のみ・日勤フル・夕方の短時間など勤務時間の組み方
  • ✓時間帯ごとに任される範囲

地域包括ケア病棟で、パートとして働いてみたい。

子育てや介護と両立したい、ブランクがあるので少しずつ戻りたい、体力的に常勤はもう難しい。理由は人それぞれですが、「パートで入ったら、どこまで任されるのだろう」「時間の融通はきくのだろうか」と気になっている人は多いと思います。

先にお伝えしておきます。地域包括ケア病棟は、病棟の中でもパートの看護師が働きやすい部類に入ります。介助が集中する時間帯がはっきりしていて、その時間を手厚くしたい病院が多いからです。

一方で、パートの働き方は、勤務時間の組み方によって任される仕事がかなり変わります。午前だけ入る人と、日勤をフルで入る人とでは、同じ「パート」でも1日の中身が別物です。

この記事では、地域包括ケア病棟のパートの勤務時間の組み方と、それぞれで任される範囲、常勤との違い、収入の相場、求人票と面接で確認しておきたいことを、順番にお話しします。

地域包括ケア病棟でパートが求められている理由

まず、なぜ地域包括ケア病棟でパートの募集が多いのかを見ておきます。理由が分かると、自分がどんな役割を期待されているのかも見えてきます。

地域包括ケア病棟は、急性期の治療を終えた患者さんや、自宅や施設で療養中に状態が悪くなった患者さんを受け入れ、在宅に戻れるよう支える病棟です。看護師向けの情報サイトでも、一般病棟との違いや看護師の役割が、次のように取り上げられています。

地域包括ケア病棟とはどのような特徴があるのか、一般病棟との違いを踏まえたうえで、看護師に求められる役割や具体的な仕事内容を解説します。また今回は、勤務経験がある看護師が地域包括ケア病棟のやりがいや大変さについて紹介するので、ぜひ参考にしてください。 出典: recruit.nurse-senka.com

一般病棟との大きな違いは、仕事の重心が「治療」から「生活の支援と退院の準備」に移っていることです。入院できる期間は原則60日までで、その間にリハビリと退院の準備を進めます。

この性質から、パートが求められる理由が3つ出てきます。

1つ目は、忙しさの山がはっきりしていることです。 朝の検温と排泄介助、離床が重なる9時前後、昼の食事介助、夕方の食事と就寝前の介助。地域包括ケア病棟は、介助が集中する時間帯が毎日ほぼ決まっています。病院としては、その時間帯だけ人を増やしたいので、短時間のパートの需要が生まれます。

2つ目は、看護配置が13対1で、常勤の人数だけでは手が足りないことです。 急性期病棟より看護師の数が少ない分、パートの看護師が入ることで、常勤の看護師が退院調整やカンファレンスに時間を割けるようになります。

3つ目は、患者さんの状態が比較的安定していることです。 急変や高度な処置が少ないため、毎日入らない人でも、申し送りを受ければ業務に入りやすい病棟です。ブランクのある人や、週に数日だけ働きたい人を受け入れやすい環境だといえます。

つまり、地域包括ケア病棟のパートは「常勤の補欠」ではなく、病棟の忙しい時間を支える、はっきりした役割を持った存在です。そう考えると、少し気持ちが楽になりませんか。

パートの勤務時間の組み方

地域包括ケア病棟のパートの勤務時間には、いくつかの型があります。求人票に書かれている形と、面接で相談して調整できる形があるので、まず全体像を見ておきましょう。

勤務の型 時間の例 向いている人
日勤フル 8:30〜17:00(週2〜4日) 時間は確保できるが、日数を減らしたい人
午前のみ 8:30〜12:30 子どもの送迎や、午後に予定がある人
午前から昼過ぎ 9:00〜14:00 昼の食事介助まで入れる人
午後のみ 13:00〜17:00 午前に家のことを済ませたい人
夕方の短時間 16:00〜20:00 日中は別の仕事や家庭の用事がある人
夜勤のみ 16:30〜翌9:00(月数回) 夜の時間が使え、日中を空けたい人

どの型を募集しているかは、その病棟が「どの時間の人手を増やしたいか」で決まります。

朝の介助が大変な病棟では、午前のみのパートを厚くしています。夕方の食事介助や就寝前の介助が大変な病棟では、夕方の短時間パートを募集していることがあります。求人票に「勤務時間応相談」とある場合は、自分の都合と病棟の忙しい時間が重なる形を、面接で相談できる可能性があります。

こういう相談がよくあります。「午前だけ働きたいけれど、それでは迷惑をかけるのではないか」。

大丈夫ですよ。午前は地域包括ケア病棟でいちばん手が足りない時間の1つです。午前のみのパートは、病棟にとってとても助かる存在です。

一方で、注意しておきたいのは、「短時間ほど任される範囲がはっきり限られる」ということです。次の節で、時間帯ごとに任される範囲を見ていきます。

時間帯ごとに任される範囲

同じパートでも、どの時間に入るかで、1日の中身は変わります。時間帯ごとに、よく任される仕事を整理します。

午前のみ(8時30分〜12時30分ごろ)

・朝の申し送りを受け、担当する患者さんの情報を確認する ・検温、配薬の補助 ・排泄介助、おむつ交換、離床と車いすへの移乗 ・リハビリへの送り出しの準備(着替え、排泄を済ませる) ・清拭や陰部洗浄、入浴介助 ・点滴の管理、簡単な処置

午前のみのパートは、「介助と観察の人手」としての役割が中心になります。受け持ちの患者さんを数人持つ病院もあれば、受け持ちは常勤が持ち、パートは介助や処置を病棟全体で手伝う形の病院もあります。

日勤フル(8時30分〜17時ごろ)

・常勤と同じように、患者さんを受け持つ ・午前の介助と処置に加えて、昼の食事介助、午後の検温や処置 ・入院や転棟の受け入れの補助 ・家族への退院前の指導の一部 ・記録

日勤フルのパートは、業務の中身は常勤とかなり近くなります。違いは、次の節で書くリーダー業務や委員会、退院調整の窓口などを担わないことが多い点です。

午後のみ・夕方の短時間(13時〜17時、16時〜20時ごろ)

・午後の検温、処置 ・入院や転棟の受け入れの補助 ・夕食の配膳、食事介助、服薬、口腔ケア ・就寝前の排泄介助、着替え

夕方の短時間パートは、夜勤の人が少ない時間を補う役割です。日勤者が帰ったあとの夕食の介助は、地域包括ケア病棟の夜勤者にとって最初の大きな山なので、そこに1人いるだけで、夜の病棟の空気が変わります。

夜勤のみ

・常勤の夜勤者と同じく、夜間の巡視、排泄介助、ナースコールや離床センサーへの対応 ・状態が変わった患者さんの観察と、医師への報告

夜勤のみのパートは、病棟に慣れていることが前提になることが多く、日勤で一定期間働いてから夜勤に移る形や、ほかの病院で夜勤経験がある人を募集する形が一般的です。

私がお話を聞いたある方は、午前のみのパートで入り、「最初は介助ばかりで、看護師として役に立てているのか不安だった」と言っていました。数か月たったころ、常勤の看護師から「午前にあなたがいてくれるから、カンファレンスに出られる」と言われて、自分の役割がすとんと腑に落ちたそうです。パートの仕事の価値は、自分の手元だけでなく、病棟全体の回り方に表れます。

常勤との違い:任されること、任されないこと

パートと常勤で、任される範囲はどう違うのでしょうか。病院によって差はありますが、よくある分け方を整理しておきます。

項目 常勤 パート
受け持ち患者 持つ 日勤フルなら持つことが多い。短時間なら持たないこともある
リーダー業務 経験年数に応じて担う 担わないことが多い
多職種カンファレンス 受け持ち患者について参加する 日勤フルなら参加することがある。短時間では参加しないことが多い
退院調整の窓口 担当することがある 担わないことが多い
委員会、係の仕事 担う 担わないか、軽い係だけ
院内研修 参加が求められる 必須のもの(感染対策、医療安全など)だけのことが多い
夜勤 担う 希望による

地域包括ケア病棟で特徴的なのは、「退院調整の窓口」をパートが担わないことが多い点です。退院の調整は、家族やケアマネジャーとのやりとりが何日にもわたって続くため、毎日病棟にいる常勤や、医療ソーシャルワーカー(MSW)、退院支援看護師が担当するのが自然だからです。

ただ、パートの看護師が退院支援にまったく関わらないわけではありません。介助の場面で気づいた患者さんの様子、たとえば「トイレまでの歩き方が昨日より安定していた」「夜は不安が強いと話していた」といった情報は、退院の判断にとても役立ちます。気づいたことを記録に残したり、常勤に伝えたりすることは、パートでも大切にされる役割です。

注意してほしいのは、「パートだから責任が軽い」と考えていると、ずれが生まれることがあるという点です。受け持ちを持つ日勤フルのパートは、その日の担当患者さんについては常勤と同じ責任を負います。反対に、常勤と同じだけ任されているのに、パートの待遇のまま、という状態が続いている場合は、働き方や雇用形態を見直す相談をしてもよいでしょう。

面接では、「パートの方は、受け持ちを持ちますか」「カンファレンスや退院調整には、どこまで関わりますか」と聞いてみてください。入ってからの「こんなはずでは」を防げます。

同じパートでも、病院の形で任される範囲が変わる

ここまで、時間帯ごとの任される範囲を書いてきましたが、実はもう1つ、任される範囲を大きく左右するものがあります。それは、病院の形です。

急性期病院の中の地域包括ケア病棟

大きな急性期病院が、病床の一部を地域包括ケア病棟にしている形です。この場合、患者さんの多くは院内の急性期病棟から移ってきます。転棟が毎日のようにあり、午後から夕方に受け入れが集中しやすくなります。

こうした病棟でパートとして働くと、日中の受け入れの補助や、転棟してきた患者さんの状態の確認に関わる場面が多くなります。まだ状態が安定しきっていない患者さんを受けることもあるため、パートでも急性期に近い観察の力を求められることがあります。病院の規模が大きい分、教育の仕組みや、パート向けの研修が整っていることが多いのは安心材料です。

中小病院で、地域包括ケア病棟が中心の形

200床未満の中小病院で、地域包括ケア病棟が病院の主な役割になっている形です。自宅や介護施設からの入院、近隣の急性期病院からの転院が主な入り口で、地域の在宅医療や訪問看護との結びつきが強いのが特徴です。

こちらでは、患者さんの状態が比較的落ち着いていて、パートの人が介助や日々の観察を中心に担う形が多くなります。長く勤めているスタッフが多く、顔なじみの関係の中で働けることがある一方、人数が少ない分、1人のパートが担う範囲が広くなることもあります。

看護補助者の人数でも変わる

もう1つ見ておきたいのが、看護補助者の人数です。看護補助者が十分にいる病棟では、パートの看護師は処置や観察に集中しやすくなります。補助者が少ない病棟では、午前のみのパートが、ほぼ排泄介助と移乗介助にかかりきりになることがあります。

どちらがよいということではありません。「介助の人手として体を動かすほうが気が楽」という人もいれば、「看護師としての観察や処置に時間を使いたい」という人もいます。

こういう相談がよくあります。「パートなら介助中心で楽だと思っていたら、思ったより処置や入院の受け入れを任された」。その反対もあります。自分がパートで何をしたいのかを先に言葉にしておき、面接で「この時間帯のパートの方は、主にどんな業務をしていますか」と聞いてみてください。病院の形と自分の希望が重なっているかが、ぐっと見えやすくなります。

ブランクがある人が、パートで戻るときの最初の1か月

地域包括ケア病棟のパートは、ブランクのある看護師の復帰先としても選ばれています。最初の1か月をどう過ごすかで、その後の続けやすさが変わるので、よくある流れとコツをお話しします。

最初の数回は、先輩について動く

入職直後は、病院全体のオリエンテーションのあと、先輩の看護師について1日の流れを見るところから始まるのが一般的です。パートの場合、この期間が数回だけのこともあるので、「もう少しついてもらえますか」と自分から伝えてかまいません。

電子カルテと物品の場所を、先に覚える

ブランクの間に、電子カルテの導入や操作の変更があった人は多いと思います。最初の1〜2週間は、看護技術よりも、カルテの見方、記録の入れ方、物品の場所を覚えることに時間を使うと、その後が楽になります。

介助から入り、処置は確認しながら

地域包括ケア病棟は介助の比重が大きい病棟なので、ブランク明けでも、排泄介助や移乗、食事介助から自然に業務に入れます。点滴や注射などの処置は、最初のうちは先輩に一声かけて、手順を確認しながら行ってください。確認することは、恥ずかしいことではなく、安全のための当たり前の行動です。

分からないことを、メモにまとめて聞く

週に数日の勤務だと、分からないことをその場で聞きそびれて、次の勤務まで持ち越してしまうことがあります。小さなメモ帳を1冊用意して、気になったことを書き留め、勤務の終わりにまとめて聞くと、少しずつ不安が減っていきます。

1か月たったら、働き方を見直す

1か月ほど働くと、体の疲れ方や、家庭との両立のしやすさが見えてきます。そのときに、時間帯や日数を少し変えたほうがよいと感じたら、遠慮せず相談してください。最初に決めた形を無理に続ける必要はありません。

ブランクがあることは、弱みではありません。子育てや介護を経験した人は、患者さんの家族の気持ちに寄り添う場面で、その経験が自然と活きます。退院後の生活を支える地域包括ケア病棟では、その感覚がとても大切にされます。

パートの時給と、収入の考え方

パートで働くとき、時給と収入の見通しは大切な判断材料です。

看護師のパートの時給

地域包括ケア病棟の看護師パートの時給は、地域や病院によって差がありますが、正看護師で1,700円〜2,300円程度が中心です。都市部ほど高く、地方では1,600円前後の募集も見られます。准看護師は、正看護師より100円〜300円程度低く設定されていることが多い傾向です。

経験年数によって時給を上げる病院や、午前の早い時間や夕方の時間に加算をつける病院もあります。夜勤のみのパートは、1回あたり2万5,000円〜3万5,000円程度で募集されていることが多く、日勤の時給で換算するより高くなる傾向です。

月収の目安

たとえば時給1,900円で、1日4時間の午前のみを週4日入ると、月16日で64時間、月収は12万円ほどになります。日勤フル(実働7.5時間)を週3日入ると、月12日で90時間、月収は17万円ほどです。

看護師の雇用形態ごとの年収の違いや、地域による相場の差は、看護師の年収・単価相場にまとめられています。自分の地域の相場と比べておくと、提示された時給が妥当かどうかを落ち着いて判断できます。

扶養や社会保険との関係

パートで働く人の多くが気にするのが、配偶者の扶養や社会保険の加入です。

税金の扶養の基準や、社会保険に加入する条件(週の労働時間、月の賃金、勤め先の規模など)は、ここ数年で見直しが続いています。以前の知識のまま「この金額を超えなければ大丈夫」と考えていると、実際には基準が変わっていることがあります。

働く時間を決める前に、次のことを確認しておくと安心です。

・勤め先で、どのくらいの時間と賃金から社会保険に加入することになるか ・配偶者の勤め先の家族手当に、収入の条件があるか ・自分が社会保険に加入した場合、保険料と将来の年金がどう変わるか

社会保険に加入すると手取りは一時的に減りますが、将来の年金が増える、病気で休んだときに傷病手当金を受けられるといった面もあります。「扶養の範囲に収めること」だけを目標にせず、自分の生活と将来にとってどちらがよいかを考えてみてください。

パートで働くときに起きやすいずれと、その対処

地域包括ケア病棟のパートで、実際に起きやすいずれを知っておくと、入ってからの戸惑いが減ります。

申し送りと情報の追いつき

週に数日しか入らないと、前回の勤務から患者さんの状態や退院の予定が大きく変わっていることがあります。地域包括ケア病棟は入院期間が限られているので、数日空くと、知らない患者さんが増えていることも珍しくありません。

対処としては、始業前に電子カルテで担当患者さんの経過を確認する時間が必要になります。ここで気をつけたいのが、その時間が勤務時間に含まれるかどうかです。始業前の情報収集が当たり前になっていて、その分の賃金が出ていない病棟もあります。面接で「始業前の情報収集はどう扱われていますか」と確認しておくと、後で心がもやもやせずにすみます。

終業間際の入院や転棟

地域包括ケア病棟では、急性期病棟からの転棟や、自宅からの入院が午後から夕方に入ることがあります。午後まで入るパートの場合、終業直前に受け入れが入り、時間どおりに帰れないことがあります。

子どもの迎えなど、終業時刻を動かせない事情がある人は、そのことを入職時に伝えておいてください。受け入れの補助から外してもらう、時間になったら常勤に引き継ぐ、といった配慮をしてくれる病院は少なくありません。遠慮して言わずにいると、毎回ぎりぎりまで残ることになり、心も体も疲れてしまいます。

休みの取りやすさ

パートでも、子どもの急な発熱や、家族の通院の付き添いで休まなければならない日があります。休みの連絡をしたときの病棟の反応は、職場の雰囲気がいちばん表れるところです。

見学や面接で、「子育て中のパートの方は何人くらいいますか」と聞いてみてください。同じ事情の人が多い病棟は、お互いさまの空気ができていることが多いです。

「パートなのに」という気持ちのすれ違い

常勤とパートが一緒に働く職場では、どうしても気持ちのすれ違いが起きることがあります。常勤は「パートは定時に帰れていいな」と感じ、パートは「任されている割に待遇が違う」と感じる。どちらの気持ちも、自然なものです。

こういうときは、自分が病棟のどの時間を支えているのかを、言葉にしておくことが助けになります。「私は午前の介助を担当している」「夕方の食事介助の人手になっている」と役割がはっきりしていれば、ほかの人と比べて落ち込むことが減ります。

求人票と面接で確認しておきたいこと

地域包括ケア病棟のパートを選ぶときに、求人票と面接で確認しておきたいことをまとめます。

求人票で見る場所

・勤務時間の型:午前のみ、日勤フル、夕方、夜勤のみなど、どの型を募集しているか ・「勤務時間応相談」「週2日から」などの柔軟さ ・時給:正看護師と准看護師の差、経験による加算、時間帯による加算 ・社会保険の加入条件の記載 ・託児所や院内保育所の有無、利用できる時間帯 ・病院の病床数と、ほかの病棟の構成

院内保育所がある病院でも、パートは利用できない、あるいは利用できる時間帯が限られている場合があります。子育て中の人は、パートでも使えるかを必ず確認してください。

面接で確認すること

・パートの人は、受け持ち患者を持ちますか ・カンファレンスや退院調整には、どこまで関わりますか ・始業前の情報収集は、勤務時間に含まれますか ・終業間際に入院があった場合、パートの人はどうしていますか ・急な休みのときは、どのように連絡し、誰が穴を埋めていますか ・同じような勤務形態のパートの人は、何人くらいいますか ・入職後の教育は、パートの人にもありますか

最後の質問も大切です。パートの人は、教育の機会が常勤より少なくなりがちです。ブランクがある人や、地域包括ケア病棟が初めての人は、最初の数回だけでも先輩についてもらえるかを確認しておくと安心です。

見学ができるなら、自分が入る予定の時間帯に行くのがいちばんです。午前のみを希望しているなら午前に、夕方を希望しているなら夕方に。その時間の病棟の空気が、あなたの働く毎日の空気になります。

看護補助者としてパートで入る場合

看護師の資格がない人も、看護補助者(看護助手)のパートとして地域包括ケア病棟で働く道があります。食事や排泄、入浴の介助、シーツ交換、車いすでの移動の付き添いなどを、看護師の指示のもとで担う仕事です。

看護補助者のパートは、朝の介助や昼の食事介助、夕方の配膳など、看護師のパート以上に「忙しい時間帯だけ」の短時間募集が多い傾向があります。時給は地域によって差がありますが、1,100円〜1,400円程度が一つの目安で、介護職員初任者研修などの資格があると手当がつく病院もあります。介護職全体の給与の水準や、施設と病院の違いを知りたい人は、介護職員の年収・単価相場で相場を確認してから応募先を比べると、条件の良し悪しを判断しやすくなります。

パートから始めて、働き方を広げていく

地域包括ケア病棟のパートは、それ自体が長く続けられる働き方であると同時に、次の働き方への入口にもなります。

ブランクのある人が、午前のみのパートから始めて、慣れてから日勤フルに、子どもが大きくなってから常勤に、と段階的に働く時間を増やしていくことは珍しくありません。反対に、常勤で働いていた人が、体力や家庭の事情でパートに切り替え、同じ病棟で働き続けることもあります。地域包括ケア病棟は、こうした行き来を受け入れやすい病棟です。

地域包括ケア病棟で身につく、高齢者の生活を見る力や退院支援の知識は、訪問看護や介護施設、ケアマネジャーといった仕事にもつながっていきます。パートで週に数日働きながら、別の場所で経験を広げている人もいます。

フリーランスや在宅ワークの市場を長く運営してきた立場から見ると、医療の現場で働く人が、パートの勤務と在宅でできる仕事を組み合わせる形は、年々増えているように感じます。医療記事の執筆や監修、健康相談など、臨床経験が活きる在宅の仕事については、看護師におすすめの在宅ワーク5選|臨床経験を活かす副業【2026年版】で、仕事の中身と始め方を紹介しています。勤務先の副業の決まりを確かめたうえで、パートの日以外の時間の使い方を考える参考にしてみてください。

こうした仕事を、仲介の手数料がかからない形で直接受けられると、依頼する側は同じ予算で頼みやすくなり、受ける側の手取りも厚くなります。限られた時間で働く人ほど、この違いは暮らしの余裕として実感しやすいものです。

また、働く人の悩みを聴いたり、働き方の相談にのったりすることに関心が出てきた人には、キャリアコンサルタントという国家資格があります。資格の内容や試験の流れがまとめられているので、患者さんや家族の話を聴いてきた経験を、別の形で活かしたい人は一度のぞいてみてください。

パートという働き方は、決して「常勤になれなかったから」選ぶものではありません。自分の暮らしに合った時間で、病棟の大切な時間を支える働き方です。勤務時間の型と任される範囲を確かめて、無理のない形を選んでいきましょう。あなたのペースで大丈夫です。

よくある質問

Q. 地域包括ケア病棟のパートは、午前だけでも働けますか?

午前のみのパートを募集している病院は多くあります。地域包括ケア病棟は、朝の検温や排泄介助、離床、リハビリへの送り出しが重なる午前中に人手が最も必要になるため、短時間でも歓迎されやすい時間帯です。受け持ちを持つかどうかは病院によって違うので、面接で任される範囲を確認しておきましょう。

Q. パートでも、常勤と同じように患者さんを受け持ちますか?

日勤をフルで入るパートは受け持ちを持つことが多く、その日の担当患者については常勤と同じ責任を負います。短時間のパートは、受け持ちを持たずに介助や処置を病棟全体で手伝う形もあります。リーダー業務や退院調整の窓口、委員会はパートが担わないことが多いですが、病院によって分け方が違います。

Q. 地域包括ケア病棟の看護師パートの時給はどのくらいですか?

正看護師で1,700円から2,300円程度が中心で、都市部ほど高い傾向です。准看護師は正看護師より100円から300円程度低めに設定されることが多く、経験年数や時間帯による加算をつける病院もあります。夜勤のみのパートは1回2万5,000円から3万5,000円程度の募集が多く見られます。

Q. 子どもの迎えがあり、終業時刻を延ばせない場合はどうすればよいですか?

入職時に、終業時刻を動かせない事情をはっきり伝えておくことが大切です。地域包括ケア病棟は午後から夕方に転棟や入院が入ることがあるため、受け入れの補助から外してもらう、時間になったら常勤に引き継ぐといった配慮を相談できます。子育て中のパートが多い病棟かどうかも、見学や面接で確認しておきましょう。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月27日最終更新:2026年9月18日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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