効果的なアンケートの作り方は目的から|回答率と本音を引き出す設問の決め方


この記事のポイント
- ✓効果的なアンケートの作り方を
- ✓目的の決め方から設問の逆算
- ✓回答率を上げる配り方まで具体例つきで解説します
アンケートを作ったのに、集まった回答を見ても次に何をすればいいのか分からない。回答は集まったけれど、どれも「普通」「特になし」ばかりで使えない。アンケートを任された人の多くが、一度はこの壁に当たります。
原因の多くは、設問の書き方より前の段階にあります。何を決めるためにアンケートを取るのか、その目的がはっきりしないまま設問を並べると、どれだけ回答が集まっても判断の材料になりません。効果的なアンケートの作り方は、目的から設問を逆算するところから始まります。
この記事では、アンケートの目的の決め方、目的から設問を作る手順、回答形式の選び方、本音を引き出す聞き方、設問の順番と数、回答率を上げる配り方までを、具体例を交えて順に説明します。回答のあとに1件ずつ返信や対応が必要なアンケートでは、受付から返信までを1つの画面で扱えるHalictという選択肢にも触れます。
アンケートの効果は「何を決めるか」で決まる
アンケートは、手軽に作れるようになった反面、目的のあいまいなまま実施されることが増えました。GoogleフォームやMicrosoft Formsを使えば、数分で作ってURLを配れます。その手軽さの裏で、回答する側は、買い物のあと、研修のあと、イベントのあとと、あらゆる場面でアンケートを頼まれるようになっています。
回答する側から見ると、アンケートは時間を差し出す行為です。何に使われるのか分からないアンケートには、適当に答えるか、答えないかのどちらかになりがちです。いわゆる回答疲れと呼ばれる状態で、設問が長い、似た質問が続く、何のために聞いているのか分からない、という条件がそろうほど起きやすくなります。
効果的なアンケートとは、回答率が高いアンケートのことではありません。集めた回答をもとに、何かを決められるアンケートのことです。たとえば次のような判断です。
- 次回のセミナーを平日の夜に開くか、土曜の昼に開くか
- 新しいメニューを3つの候補のうちどれにするか
- 社内の勉強会を続けるか、内容を変えるか
- サービスの問い合わせ窓口を電話とメールのどちらに寄せるか
判断することが決まっていれば、聞くべきことは自然に絞られます。反対に「とりあえず満足度を聞いておこう」で始まったアンケートは、結果を見ても「満足度は5段階で平均3.8でした」で終わり、次の行動につながりません。
作り始める前に決めておく5つのこと
設問を考える前に、次の5つを書き出しておきます。紙1枚に収まる程度で十分です。この1枚があるだけで、設問の要不要の判断が速くなり、関係者との相談もしやすくなります。
1. 何を決めるためのアンケートか
前の節で触れたとおり、アンケートの結果を使って何を決めるのかを1文で書きます。「来年度の研修のテーマを、上位2つまで絞り込む」のように、判断の中身が分かる書き方にします。
2. 結果がどうなったら、どう動くか
結果によって取る行動を、あらかじめ決めておきます。「土曜の昼を希望する人が半分を超えたら、次回から土曜開催に切り替える」のように書いておくと、集計のあとで迷いません。この段階で「どの結果になっても行動が変わらない」と分かった設問は、聞く必要がない設問です。
3. 誰に答えてもらうか
回答してほしい人を具体的に決めます。既存のお客様なのか、まだ利用していない人なのか、社員全員なのか、特定の部署なのか。対象がずれていると、どれだけ丁寧に設問を作っても、判断に使えない回答が集まります。
4. 何人に、いつまでに答えてもらうか
おおよその回答数と、回答の締め切りを決めます。社内の30人に聞くアンケートと、お客様1,000人に聞くアンケートでは、設問の数も配り方も変わります。締め切りは、結果を使う会議や判断の日から逆算して決めます。
5. 回答が届いたあと、誰が何をするか
見落とされがちなのがここです。集計して報告すれば終わるアンケートなのか、回答者に1件ずつ返事をする必要があるのかで、作り方も道具も変わります。自由記述に要望や苦情が書かれたとき、誰が読んで、誰が返事をするのかまで決めておきます。
目的から設問を逆算する手順
5つが決まったら、いよいよ設問を作ります。ここで大切なのは、思いついた質問を並べるのではなく、目的から逆にたどって設問を決めることです。
手順1:知りたいことを書き出す
判断に必要な情報を書き出します。たとえば「次回のセミナーの開催日時を決める」なら、知りたいことは「参加しやすい曜日と時間帯」「その理由」「参加をためらう条件」などです。
手順2:仮説を立てる
知りたいことについて、今の時点での予想を書きます。「子育て中の人は平日の夜より土曜の午前を好むのではないか」「会社員は平日の19時以降なら参加しやすいのではないか」のような予想です。仮説があると、確かめるために必要な設問がはっきりします。この例なら、「参加しやすい時間帯」に加えて「仕事や家庭の状況」を聞く必要があると分かります。
手順3:集計表の形を先に描く
設問を作る前に、結果をどんな表で見たいかを描きます。たとえば次のような表です。
| 回答者の状況 | 平日の夜 | 土曜の午前 | 土曜の午後 |
|---|---|---|---|
| 会社員 | ○人 | ○人 | ○人 |
| 子育て中 | ○人 | ○人 | ○人 |
| 自営業 | ○人 | ○人 | ○人 |
この表を作るには、「回答者の状況」と「参加しやすい時間帯」の2つの設問が必要です。集計表から逆算すると、必要な設問と不要な設問を分けられます。表のどこにも出てこない設問は、削ってかまいません。
手順4:設問の文と選択肢を書く
必要な設問が決まったら、文と選択肢を書きます。書き方のコツは、後の節で詳しく説明します。
手順5:身近な人に答えてもらう
できあがったら、対象に近い人に2〜3人答えてもらいます。答えにくい質問、意味の取り違え、選択肢の漏れは、作った本人には見えません。所要時間も計ってもらい、案内文に書く時間の目安にします。
回答形式の選び方
設問ごとに、どの形式で答えてもらうかを決めます。主な形式と向いている場面は次のとおりです。
| 形式 | 回答のしかた | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 単一回答 | 選択肢から1つ選ぶ | 年代、利用頻度、いちばん重視することなど |
| 複数回答 | 当てはまるものをすべて選ぶ | 利用したことのあるサービス、興味のあるテーマなど |
| 評価(尺度) | 1〜5などの段階で答える | 満足度、重要度、同意の度合いなど |
| 順位 | 候補に順番を付ける | 複数の候補の優先順位を知りたいとき |
| 自由記述 | 文章で答える | 理由、要望、選択肢では拾えない意見 |
Googleフォームで使える質問の形式と設定は、フォームの質問の形式を選択するの公式ヘルプに一覧があります。同じヘルプによると、均等目盛は0または1から始めて、最大値を2〜10の整数で設定でき、両端にラベルを付けられます。
単一回答と複数回答を取り違えない
「利用したことのあるサービスを選んでください」を単一回答にすると、2つ以上使った人が答えられません。反対に「いちばん重視することを選んでください」を複数回答にすると、全部に印を付ける人が出て、優先順位が分からなくなります。聞きたいのが「全部」なのか「1つ」なのかを、設問の文と形式でそろえます。
評価は段階の数と言葉をそろえる
満足度を聞くなら、5段階が多く使われます。「とても満足」「やや満足」「どちらともいえない」「やや不満」「とても不満」のように、真ん中を挟んで左右対称の言葉にします。真ん中の選択肢を外して4段階にすると、どちらかに寄った答えを求められますが、本当にどちらでもない人が答えにくくなります。何を知りたいかで決めます。
自由記述は1〜2問に絞る
自由記述は本音が出やすい一方で、答える負担が大きく、集計にも時間がかかります。1つのアンケートに入れるのは1〜2問にとどめ、最後に置くのが基本です。
本音を引き出す設問の書き方
設問の書き方1つで、回答は大きく変わります。ここでは、本音が出にくくなる書き方と、その直し方を整理します。
1つの質問で2つのことを聞かない
「講師の説明と資料は分かりやすかったですか」という質問には、説明は分かりやすかったが資料は分かりにくかった人が答えられません。このように1つの質問に2つの論点が入っている状態を、調査の分野ではダブルバーレル質問と呼びます。「講師の説明は分かりやすかったですか」「資料は分かりやすかったですか」の2問に分けます。
答えを誘導しない
「多くの方にご好評いただいている新メニューについて、満足度を教えてください」と書くと、回答者は満足と答えるよう促されます。質問の前置きに評価の言葉を入れないのが原則です。「新メニューについて、満足度を教えてください」とだけ書きます。
あいまいな言葉を使わない
「よく利用しますか」の「よく」は、人によって週1回にも月1回にもなります。「この1か月で何回利用しましたか」のように、期間と数で聞きます。「最近」「ときどき」「多い」も同じで、数や期間に置き換えます。
答えにくいことは聞き方を工夫する
収入、健康、職場の人間関係のように答えにくいことは、正直な答えが出にくくなります。人は、周りから良く見られる答えを選びがちです。これを社会的望ましさの偏りといいます。必要がなければ聞かない、聞くなら幅のある選択肢にする(「300万円未満」「300万〜500万円未満」のように)、匿名で答えられることを明記する、といった工夫で答えやすくします。
選択肢に漏れと重なりを作らない
年代を「20代」「30代」「40代」とだけ並べると、10代と50代以上の人が答えられません。「20〜30歳」「30〜40歳」と書くと、30歳の人がどちらにも当てはまります。漏れがあるときは「その他」や「当てはまるものはない」を加え、重なりは境目をそろえて消します。
否定の文で聞かない
「研修の内容に不満はなかったですか」のような否定の文は、「はい」がどちらの意味なのか混乱を招きます。「研修の内容に満足しましたか」と肯定の文で聞きます。
設問の順番と数
同じ設問でも、並べる順番で答えやすさが変わります。
答えやすい質問から始める
最初の数問は、迷わず答えられる質問にします。利用頻度や参加した回のように事実を聞く質問から始めると、回答者は勢いに乗って先へ進めます。いきなり「改善してほしいことを書いてください」から始めると、そこで手が止まり、閉じてしまう人が出ます。
全体の評価は細かい評価より先に聞く
「全体の満足度」を、講師、資料、会場などの細かい評価のあとに聞くと、直前に答えた項目に引っ張られます。全体の満足度を先に聞き、そのあとで個別の項目を聞くのが一般的な並べ方です。
属性は最後に回す
年代、職業、役職などの属性は、判断に必要でも最後に聞きます。最初に属性を聞くと、「何に使われるのか」と警戒されやすくなります。最後であれば、すでに回答を終えかけているので、抵抗なく答えてもらえます。
設問の数は所要時間で決める
設問の数は、所要時間で考えるほうが分かりやすくなります。お客様に頼むアンケートなら3〜5分、社内のアンケートでも10分以内が目安です。選択式なら1問10秒前後、自由記述は1問1分前後と見積もると、選択式10問と自由記述2問でおよそ4分になります。
回答者によって質問を分ける
「利用したことがない」と答えた人に、満足度を聞いても意味がありません。Googleフォームでは、選択式とプルダウンの質問で、回答に応じて次に表示するセクションを変えられます。利用経験の有無で質問を分けるだけで、回答者の負担はぐっと減ります。
回答率を上げる配り方と案内文
設問がよくできていても、配り方を誤ると回答は集まりません。
送るタイミングを選ぶ
研修やイベントのアンケートは、終わった直後がいちばん答えてもらえます。記憶が新しく、その場の流れで答えられるからです。会場で画面にURLを映したり、終了のあいさつの中で案内したりすると、回答率が上がります。お客様向けのアンケートは、購入や利用の直後、または利用から少し時間を置いて使い心地が分かったころに送ります。
案内文に書く4つのこと
案内文には、次の4つを書きます。
- 何のためのアンケートか(結果を何に使うか)
- 所要時間の目安
- 締め切り
- 個人を特定する情報の扱い
案内文の例です。
「本日はセミナーにご参加いただき、ありがとうございました。次回の開催日時と内容を決めるため、アンケートへのご協力をお願いします。全8問、所要時間は3分ほどです。回答の締め切りは10月24日です。いただいた回答は次回の企画の参考にのみ使い、個人が特定される形で公開することはありません。」
社内アンケートで匿名を約束するときの注意
社内のアンケートで「匿名です」と書くなら、本当に個人が分からない作りにします。メールアドレスを集める設定のまま匿名と書いたり、所属と年代と役職を細かく聞いて1人に絞り込める作りにしたりすると、信頼を失います。人数の少ない部署では、属性の選択肢を大きめの区分にまとめて、個人が特定されないようにします。
締め切りの前に一度だけ案内し直す
締め切りの2〜3日前に、もう一度だけ案内を送ります。何度も送ると、かえって負担に感じられます。
結果を回答者に返す
回答者が次のアンケートにも答えてくれるかどうかは、前回の結果がどう使われたかで決まります。「前回のアンケートで土曜の開催を希望する声が多かったため、今回から土曜に変更しました」のように、結果と、それを受けて変えたことを伝えます。回答が役に立ったと分かれば、回答者は次も協力してくれます。
具体例:小さな教室の受講者アンケートを作る
ここまでの手順を、オンラインで教室を開いている小さな事業者の例で通してみます。
決めたこと
- 何を決めるか:来期に開く講座を、候補の3つから2つに絞る
- 結果でどう動くか:希望の多い上位2つを開講する。どれも希望が少なければ、自由記述の要望から新しい講座を検討する
- 誰に:今期の受講者全員
- 何人、いつまで:約60人、2週間後の企画会議の3日前まで
- 回答のあと:講座への要望が書かれていたら、担当の講師が読んで、必要に応じて個別に返事をする
設問の構成
| 番号 | 設問 | 形式 |
|---|---|---|
| 1 | 今期の講座の全体の満足度 | 5段階の評価 |
| 2 | 来期に受けたい講座(候補3つ) | 複数回答 |
| 3 | その中でいちばん受けたい講座 | 単一回答 |
| 4 | 受けやすい曜日と時間帯 | 複数回答 |
| 5 | 来期の講座への要望 | 自由記述 |
| 6 | 受講の目的(仕事・趣味・資格など) | 単一回答 |
設問2と3を分けているのは、「受けたいもの全部」と「いちばん受けたいもの」の両方を知るためです。幅広く興味を持たれている講座と、強く望まれている講座は、別の判断材料になります。設問6の受講の目的は属性にあたるので、最後に置いています。
集計の見通し
設問3と設問6を掛け合わせると、「仕事で受けている人はどの講座を選んだか」が分かります。こうした掛け合わせの集計をクロス集計といいます。仕事目的の人が多い講座は平日の夜、趣味の人が多い講座は土曜の昼、のように、開講の時間帯まで決められます。
結果を受けて決めること
仮に、60人のうち45人が答え、設問3で「Webデザイン入門」を選んだ人が20人、「表計算の実務」が15人、「動画編集の基礎」が10人だったとします。最初に決めた「希望の多い上位2つを開講する」に従えば、来期はWebデザイン入門と表計算の実務を開くことになります。結果を見てから基準を考えると、声の大きい意見に引っ張られがちですが、基準を先に決めておけば、会議でも迷わずに説明できます。
一方で、設問2の複数回答で動画編集の基礎を選んだ人が30人いたなら、「いちばんではないが受けたい人は多い」ことが分かります。この場合は、来期の開講は見送りつつ、短い体験会を開いて反応を見る、という次の一手も考えられます。単一回答と複数回答を分けて聞いたからこそ見える判断です。
自由記述の要望は、似た内容ごとに分けて数えます。「録画で見直したい」という声が多ければ、講座の中身より先に、録画の提供を検討します。こうして、アンケートの結果が来期の運営の具体的な変更につながります。
集計と分析で困らないために
アンケートの分析で困る理由の多くは、集計の段階ではなく、作る段階にあります。
集計表を先に描いておく
前の節で説明したとおり、設問を作る前に集計表を描いておけば、集計で迷うことはほとんどありません。描いた表に数を入れていくだけです。
単純集計とクロス集計
最初に、設問ごとの回答の数と割合を出します。これを単純集計といいます。全体の傾向をつかんだら、属性と掛け合わせるクロス集計に進みます。回答数が少ない区分の割合は、1人の答えで大きく揺れるので、割合だけでなく人数も合わせて見ます。
回答の確認と書き出し
Googleフォームでは、[回答]の[概要]で設問ごとのグラフを、[個別]で回答者ごとの答えを確かめられます。スプレッドシートで並べ替えたり、CSV形式で書き出したりすることもできます。手順はフォームの回答を表示、管理するの公式ヘルプにあります。
結果の概要を回答者に見せる設定に注意する
Googleフォームには、回答を送った人に結果の概要を見せる設定があります。公式ヘルプには、次のように書かれています。
回答の概要には、各質問に対する回答の全文やグラフが表示されます。フォームに回答可能なすべてのユーザーは、これらの概要を閲覧できます。 出典: support.google.com
自由記述の全文まで見えるため、個人的な事情や他の人への意見が書かれやすいアンケートでは、この設定をオンにしないよう気をつけます。
効果が出ないアンケートによくある失敗と直し方
ここまでの手順を踏まえて、実際のアンケートでよく見かける失敗を5つ挙げます。自分のアンケートに当てはまるものがないか、公開の前に見直してください。
失敗1:聞きたいことを全部入れてしまう
関係者に「何か聞きたいことはありますか」と尋ねると、設問はどんどん増えます。結果、30問を超えるアンケートになり、後半の回答が雑になったり、途中で閉じられたりします。直し方は、作る前に決めた「何を決めるか」に照らして、判断に使わない設問を外すことです。外した設問は、別の機会のアンケートに回します。
失敗2:選択肢の言葉が作る側の言葉になっている
社内では当たり前の略語や部署名、サービスの機能名を選択肢に使うと、回答者は意味が分からず、当てずっぽうで選びます。身近な人に答えてもらう段階で「この言葉は分かりましたか」と聞くと、すぐに見つかります。
失敗3:すべての設問を必須にしている
回答漏れを防ぎたい気持ちから、すべての設問を必須にすると、答えにくい設問のところで閉じてしまう人が出ます。必須にするのは、判断に欠かせない設問だけにします。自由記述は、必須にしないのが基本です。
失敗4:前回と聞き方が変わっている
同じアンケートを毎年続けているのに、選択肢の言葉や段階の数を変えてしまうと、前回との比較ができなくなります。経年で比べたい設問は、文も選択肢も変えずに残します。変える必要があるときは、変えた年を記録に残しておきます。
失敗5:結果を回答者に返していない
結果をどう使ったかを伝えないアンケートは、次第に答えてもらえなくなります。全部を公開する必要はありません。「いただいた声をもとに、ここを変えました」と1つでも伝えることが、次の回答率を守ります。
回答を集める道具の選び方
アンケートを作る道具は、無料のものから有料のものまで多くあります。選ぶときは、作りやすさより、回答者の環境と、回答のあとの扱いで考えます。
無料で始めるなら、回答者の環境に合わせる
GoogleフォームとMicrosoft Formsは、どちらも無料でアンケートを作れます。回答者の多くがGoogleのサービスを使っているならGoogleフォーム、職場でMicrosoft 365を使っているならMicrosoft Formsを選ぶと、ログインや共有の設定でつまずきにくくなります。
受付の締め切りと上限を設定する
Googleフォームでは、回答の受付を止めたり、終了日や回答数の上限を設定したりできます。公開済みのフォームの右上にある公開のアイコンから[回答を受付中]をオフにすると、受付を止められます。締め切りを決めたアンケートでは、終了日を設定しておくと、締め切り後に届いた回答の扱いに迷いません。
また、公式ヘルプによると、2026年9月からGoogleフォームには、1つのフォームあたり合計の保存容量1GB、回答数50万件の上限が適用されています。一般的なアンケートで上限に届くことはまずありませんが、同じフォームを何年も使い続ける場合は、古い回答を書き出して整理しておくと安心です。
回答のあとの扱いで選ぶ
集計して報告するだけなら、無料の道具で十分です。一方、回答者に1件ずつ返事をしたり、担当者を決めて対応を追ったりする必要があるなら、その作業まで扱える道具を選びます。この点は、次の節で詳しく説明します。
回答のあとに個別の対応が要るアンケートの管理
アンケートの中には、集計して終わりではなく、回答者1人ひとりに対応が必要なものがあります。お客様の声を聞くアンケートに不具合の報告が書かれていた。研修のアンケートで個別の相談を希望する人がいた。イベントの事後アンケートで次回の参加を申し込む人がいた。こうした回答には、誰かが返事をしなければなりません。
フォームの道具だけで回していると、回答をスプレッドシートに書き出し、担当者と対応状況の列を手で埋め、返事はメールソフトから送ることになります。件数が少ないうちは回りますが、担当者が複数になると、同じ人に二重に返事をしたり、誰も返事をしていない回答が残ったりします。回答者から見れば、書いた要望に何の返事もないのは、聞きっぱなしにされたのと同じです。
受付から返信までを1つの画面で扱える選択肢
こうした場面で選択肢になるのが、フォームの道具のHalictです。公式サイトによると、フォームで届いた回答1件ごとに担当者とステージ(未対応・対応中など)を割り当てて管理でき、回答者への返信も同じ画面から送れます。送ったメールの開封やリンクのクリックも記録されます。作りたいフォームの内容を伝えると、AIが質問と選択肢の下書きを作る機能や、回答者に1画面1問だけを見せる表示もあります。
料金は、メンバー1人までのフリープランが0円で、フォームの数と回答の数はどのプランでも無制限と公式の料金ページに書かれています。新しい回答をGoogleスプレッドシートに1行ずつ追記する連携は、有料のスタータープラン(税抜で1か月あたり2,980円)から使えます。
Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
Halictの公式サイトでも、集計を見るだけで終わる用途や、回答者へ個別に返信する必要がない用途ならGoogleフォームで足りると案内されています。作る前に決めた5つのことのうち「回答が届いたあと、誰が何をするか」の答えによって、道具を選ぶのが確実です。
個人情報を集めるときに確かめること
氏名、メールアドレス、電話番号など、個人を特定できる情報を集めるアンケートでは、使い道を回答者に示す必要があります。個人情報保護法の第21条は、本人から直接書面(電子的な記録を含む)で個人情報を取る場合に、あらかじめ利用目的をはっきり示すよう定めています。Webのフォームで集める場合も、この考え方が当てはまると一般に理解されています。条文はe-Govの法令検索で確かめられます。
実務では、フォームの冒頭に「いただいた情報は、次回のご案内の送付にのみ使います」のように書いておきます。判断に迷う場合は、自社の個人情報の取り扱いの方針や、法務の担当者に確かめるのが確実です。
そもそも、個人を特定する情報が判断に必要ないアンケートなら、集めないのがいちばん安全です。名前を書かなくてよいと分かるだけで、回答者は本音を書きやすくなります。
アンケートを設計する力を仕事に生かす
目的から設問を逆算し、偏りのない聞き方で回答を集め、結果から次の行動を決める。この一連の力は、マーケティング、商品企画、人事、教育など、多くの仕事で求められています。
マーケティングや調査の仕事
顧客の声を集めて施策に生かす仕事では、アンケートの設計と分析がそのまま業務になります。マーケティングやAI、セキュリティの分野の仕事の内容と求められる力は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。調査の設計と分析を専門にする仕事の年収と単価の相場は、研究者の年収・単価相場で確かめられます。
経営の支援の仕事
中小企業の経営を支援する立場では、顧客満足度の調査や社員の意識調査を設計し、結果から改善策を提案する場面がよくあります。経営の助言を仕事にする国家資格については、中小企業診断士のページで試験の内容と活かし方を整理しています。
運営者として見てきたこと
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、アンケートの作成や集計を外部に任せる依頼でも、続けて声がかかるのは「設問を作れる人」より「何を決めるためのアンケートかを一緒に考えてくれる人」です。目的を一緒に整理し、集計表を先に描いて見せる。それだけで、依頼する側は安心して任せられます。
また、中間の手数料が乗らない直接のやり取りでは、同じ予算で依頼する側は集計のあとの分析や改善の提案まで頼みやすくなり、受ける側は手取りが厚くなります。小さな集計作業から始まった関係が、調査の企画全体の相談に広がっていくのは、こうした双方が得をする取引が続いたときです。
効果的なアンケートの作り方は、特別な技術ではありません。何を決めるのかを先に書き、集計表を描き、そこから設問を逆算する。この順番を守るだけで、集まった回答が判断の材料に変わります。
よくある質問
Q. アンケートの設問はいくつくらいが適切ですか?
所要時間で考えると決めやすくなります。お客様に頼むアンケートなら3〜5分、社内向けでも10分以内が目安です。選択式は1問10秒前後、自由記述は1問1分前後と見積もると、選択式10問と自由記述2問でおよそ4分です。判断に使わない設問は削ります。
Q. 回答率を上げるにはどうすればよいですか?
研修やイベントなら終わった直後に案内し、案内文には目的、所要時間、締め切り、個人情報の扱いを書きます。締め切りの2〜3日前に一度だけ案内し直し、結果をどう生かしたかを回答者に伝えると、次回以降も協力してもらいやすくなります。
Q. 満足度は5段階と4段階のどちらで聞くべきですか?
真ん中の「どちらともいえない」を残したいなら5段階、どちらかに寄った答えを求めたいなら4段階です。4段階は判断がはっきりする一方、本当にどちらでもない人が答えにくくなります。何を知りたいかで決め、同じアンケートの中では段階の数と言葉をそろえます。
Q. 自由記述の質問は入れたほうがよいですか?
選択肢では拾えない理由や要望を知るために、1〜2問入れるのがおすすめです。ただし答える負担が大きいため、アンケートの最後に置き、必須にしないのが基本です。要望や相談が書かれたときに誰が読んで返事をするかも、あらかじめ決めておきます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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