ドトールコーヒーの情報漏洩|不正アクセスで4店舗の従業員・退職者951名の口座番号などが流出した可能性 対象者が確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓ドトールコーヒーが2026年10月26日に公表した不正アクセスの範囲を公式発表だけで整理
- ✓対象は西武大泉学園駅店など4店舗の従業員と退職者951名で
- ✓客の情報への不正アクセスは確認されていません
株式会社ドトールコーヒーは2026年10月26日、同社のシステムが外部からの不正アクセスを受け、4店舗に勤務していた従業員と退職者、計951名の個人データが第三者に閲覧され、外部へ流出した可能性があると公表しました。 流出した可能性がある項目は、氏名、生年月日、住所、メールアドレス、電話番号、銀行口座番号の6つです。 店で飲食した客の情報への不正アクセスは、公表の時点で確認されていません。 対象になりうるのは、ドトールコーヒーショップの西武大泉学園駅店、国立大学通り店、東京駅八重洲中央口店、石神井公園駅前店のいずれかで働いたことがある人です。 該当する人がまずすることは3つ。会社からの連絡を待ちつつ自分が対象の店で働いていたかを思い出すこと、給与の振込先にしていた口座の入出金を見直すこと、そして会社や銀行を名乗る電話やメール、SMS、郵便物を疑ってかかることです。
この記事は、ドトールコーヒーの公式発表だけを根拠に、2026年10月28日時点で分かっていることと、分かっていないことを分けて整理します。報道で流れている推測や、発表に無い数字は書きません。
公表の経緯と、2026年10月28日時点の状況
ドトールコーヒーの公式サイトのニュースリリースに掲載された文書は、「当社の従業員及び退職者の皆様へのお知らせ 当社システムの一部に対する不正アクセスについて」という題で、日付は2026年10月26日です。
公表までの流れは、発表文によると次のとおりです。
- 2026年10月20日: ドトールコーヒーが自社システムへの不正アクセスを検知
- 2026年10月26日: 従業員と退職者の個人データが第三者に閲覧され、外部へ流出した可能性があることを公表
検知から公表まで6日間で、その間に被害拡大防止の手立てと事実関係の調査、個人情報保護委員会への報告を進めていたと書かれています。
2026年10月28日時点で、同社のニュースリリース一覧にはこの10月26日の文書より後の続報は掲載されていません。「新たにお知らせすべき事項が判明した場合には、速やかにお知らせいたします」とあるので、対象の店で働いた人は、同社のニュースリリース一覧をときどき見に行くのがよいでしょう。
発表文の冒頭は次のとおりです。
当社は、2026年10月20日、当社システムへの不正アクセスを検知し、下記のとおり、同システムに保存されていた当社の従業員及び退職者の皆様の個人データが第三者に閲覧され、外部へ流出した可能性があることを確認いたしました。 出典: doutor.co.jp
言葉づかいに注意したいのは、同社が「流出した可能性」「漏えいが発生したおそれがある」と書いている点です。閲覧された痕跡はあるが、実際に外に持ち出されて悪用されたかまでは確定していない、という段階の表現です。この記事でも、発表の表現をそのまま使います。
対象は4店舗の従業員と退職者。客は対象ではない
「ドトール 情報漏洩」と検索する人の多くは、ふだん店を使っている客でしょう。先に結論を書くと、今回の発表で対象とされているのは客ではなく、特定の4店舗で働いていた人です。
発表文の対象者の欄は次のように書かれています。
- 対象者: 同社の下記4店舗に勤務していた従業員と退職者(計951名)
- ドトールコーヒーショップ西武大泉学園駅店
- ドトールコーヒーショップ国立大学通り店
- ドトールコーヒーショップ東京駅八重洲中央口店
- ドトールコーヒーショップ石神井公園駅前店
4店舗のうち3つは東京都の練馬区と国立市、1つは東京駅の八重洲側にある店です。いずれも「ドトールコーヒーショップ」の屋号で、同社が展開する他のブランド(エクセルシオール カフェなど)の店名は発表に出てきません。
客については、発表文に「現時点で、お客様情報への不正アクセスは確認されていません」と明記されています。店頭で現金やカードで支払った人、アプリやポイントの会員になっている人が、この発表を理由に何かをする必要はありません。ただし、同社を名乗る「情報漏えいのお詫びとして補償を送ります」という類の連絡が来たら、それは発表に無い話なので疑ってください。
対象の951名は、いま働いている人だけでなく退職者を含みます。アルバイトとして短期間だけ働いた人も、そのシステムに個人データが保存されていれば含まれている可能性があります。発表文には雇用形態の区別は書かれていないので、「正社員だけ」「アルバイトは除く」といった線引きは読み取れません。
流出した可能性がある項目と、発表に無い項目
発表に書かれている項目と、書かれていない項目を分けて表にします。対策を考えるとき、この区別が出発点になります。
| 区分 | 項目 | 発表の記載 |
|---|---|---|
| 流出した可能性がある項目 | 氏名 | 記載あり |
| 流出した可能性がある項目 | 生年月日 | 記載あり |
| 流出した可能性がある項目 | 住所 | 記載あり |
| 流出した可能性がある項目 | メールアドレス | 記載あり |
| 流出した可能性がある項目 | 電話番号 | 記載あり |
| 流出した可能性がある項目 | 銀行口座番号 | 記載あり |
| 発表に無い項目 | キャッシュカードの暗証番号、インターネットバンキングのパスワード | 項目の一覧に無い |
| 発表に無い項目 | クレジットカード番号 | 項目の一覧に無い |
| 発表に無い項目 | マイナンバー、運転免許証などの本人確認書類の画像 | 項目の一覧に無い |
| 発表に無い項目 | 客の氏名や購入履歴 | 客の情報への不正アクセスは確認されていない |
「発表に無い」は「漏れていないと会社が明言した」とは違います。発表文は「現時点までに、以下の従業員及び退職者の皆様について、以下の個人データの項目が外部に流出した可能性があります」として6項目を挙げているだけで、暗証番号やマイナンバーについて「含まれない」とは書いていません。したがって、この記事でも「項目の一覧に無い」という書き方にとどめます。
6項目の組み合わせが意味するところを考えると、氏名と住所と生年月日と電話番号がそろうと、本人になりすまして何かを申し込む材料になりえます。銀行口座番号が加わると、給与の振込先として本人の口座を知っている立場、つまり勤め先を名乗って連絡する材料にもなります。この点は後の節で、何を確かめればよいかに落とし込みます。
原因について会社が発表していること
原因の欄には、「当社のシステムが外部第三者からの不正アクセスを受け、同システムに保存されていた当社の従業員及び退職された方の個人データが第三者に閲覧され、外部へ流出した可能性があることを確認いたしました」とあります。
発表から読み取れるのはここまでです。次の点は、2026年10月28日時点の発表には書かれていません。
- 不正アクセスがどの経路で行われたか(外部から公開されているサーバーなのか、社内の端末なのか)
- なぜ4店舗の従業員の情報だけが対象なのか(そのシステムが4店舗に限って使われていたのか)
- 攻撃者が誰で、何を目的にしていたか
- データが実際に外部へコピーされたのか、閲覧されただけなのか
発表には「事実関係の調査」を進めているとあるので、これらは調査中という扱いです。「不正アクセスを検知した」という表現から、同社の側に検知の仕組みがあったことは分かりますが、それ以上の推測はこの記事ではしません。
会社の対応。通知の形、窓口、調査の進め方
発表文の「その他」の欄に、同社の対応がまとまっています。
- 発覚後、被害拡大防止の手立てを講じた
- 事実関係の調査を進めている
- 個人情報保護委員会への報告などの手続きを進めている
- 個人データが漏えいしたおそれのある従業員へは順次連絡している
- 退職者へは、この公表をもって知らせる扱いとしている
- 二次被害は、現時点で確認されていない
ここで大事なのは、在職中の人と退職者とで、知らされ方が違うことです。在職中の人には会社から順次連絡が来ます。退職者には個別の連絡をせず、公表そのものを通知に代えると書かれています。退職して住所やメールアドレスが変わった人に個別に届けるのは難しいという事情があるのでしょうが、裏を返すと、退職者は自分で発表を読んで、自分が対象かを判断する必要があるということです。
補償やお詫びの品については、発表に記載がありません。したがって「補償がある」とも「無い」とも、この記事では書きません。もし「補償の手続きのために口座情報を確認させてほしい」という連絡が来たら、発表に無い話なので、その場で応じずに同社の問い合わせ窓口へ確かめてください。
問い合わせ窓口として発表に載っているのは、メールアドレス1つです。
- お問い合わせ窓口: [email protected]
電話番号や受付時間は発表に書かれていません。電話で「ドトールの窓口です」と名乗る相手がいても、発表された窓口はメールだけだと覚えておけば、不審な電話を見分ける手がかりになります。
自分が対象かを確かめる方法
対象かどうかは、次の順で確かめられます。
- 上に挙げた4店舗のいずれかで働いたことがあるか
- 在職中なら、会社から連絡が来ているか(発表では順次連絡するとされている)
- 退職者なら、公表をもって通知に代えるとされているので、1に当てはまれば対象の可能性があるものとして行動する
- はっきりしないときは、発表に載っている [email protected] に、働いていた店名と在籍期間を添えて問い合わせる
発表文には「いつからいつまでに在籍した人が対象か」という期間の記載がありません。退職者がどの年代まで含まれるのかも書かれていないので、何年も前に辞めた人でも、4店舗のどれかで働いていたなら対象の可能性を否定できません。「かなり前だから関係ない」と決めつけず、問い合わせるのが確実です。
問い合わせのメールを書くときは、本文に口座番号や暗証番号を書かないでください。窓口に本人確認のために必要なのは、せいぜい氏名と店名と在籍期間です。それ以上を求められたら、その返信が本当に同社からのものか、送信元のドメインを確かめてください。
銀行口座番号が含まれる人が確かめること
6項目の中で、もっとも気になるのは銀行口座番号でしょう。ここは煽らず、発表と金融機関側の公式の案内で確かめられる範囲だけを書きます。
まず、発表の項目一覧には、キャッシュカードの暗証番号やインターネットバンキングのログイン情報は含まれていません。銀行の窓口やATMで預金を引き出すには通帳やカードと暗証番号が要るので、口座番号だけが知られた状態と、暗証番号まで知られた状態は、危険の度合いが違います。
その上で、自分でできる確認は次のとおりです。
- 給与の振込先にしていた口座の、入出金の明細を見直す。身に覚えのない引き落としや、少額の試しのような入出金が無いかを見る
- 口座振替(公共料金やサービスの利用料を自動で引き落とす仕組み)に、申し込んだ覚えのない項目が無いかを見る
- 銀行のアプリやインターネットバンキングに、登録した覚えのない端末やメールアドレスが無いかを見る
- 不安が残るなら、取引している銀行に「勤め先の情報漏えいで口座番号が流出した可能性がある」と伝えて相談する
銀行への相談で何ができるか(口座の監視を強めるのか、口座番号を変えるために新しい口座を作るのか)は、銀行ごとに扱いが違います。一般社団法人全国銀行協会は、金融犯罪に関する相談先として、各地の銀行協会が運営する「銀行とりひき相談所」と「全国銀行協会相談室」を案内しています。被害に遭ってしまった場合は、警察と取引銀行へただちに連絡するよう書かれています。
全国銀行協会のネットバンキング犯罪のページには、銀行からの連絡を装う手口への基本の対処が書かれています。
銀行がメールでパスワードなどの入力を求めたり、電話でパスワードなどを聞き出したりすることはないことを知っておく。 出典: zenginkyo.or.jp
今回の件に当てはめると、「ドトールの給与担当です。口座の情報が漏れたので、安全のために暗証番号を確認させてください」という電話が来たら、その時点で偽物と判断してよい、ということになります。会社の給与担当が暗証番号を知る必要は一切ありません。
もう1つ、発表に無いことを書いておきます。口座番号が知られただけで預金が引き出されるかどうかは、この記事では断定しません。銀行の仕組みや本人確認の方法は銀行ごとに違い、ここで一般論を書いても読者の口座には当てはまらないからです。確かめる先は、自分の銀行の窓口です。
住所・電話番号・メールアドレスが流出した可能性があるときの備え
口座番号以外の5項目も、組み合わさると実害につながります。発表文には、二次被害は確認されていないとした上で、次の注意が書かれています。
念のため、不審な電話、電子メール、SMS、郵便物および身に覚えのない請求等には十分ご注意頂きますようお願いいたします。 出典: doutor.co.jp
具体的には、次の4つの経路で連絡が来る可能性を想定しておきます。
- 電話: 会社の人事や給与の担当、銀行、警察、役所を名乗る電話。氏名と生年月日と住所を知っている相手は「本人確認はできています」と言って信用させようとする
- メール: 会社や銀行のロゴを使った偽メール。本文のリンク先で口座情報やパスワードを入力させる
- SMS: 「口座が一時停止されました」「再開の手続きをしてください」という文面でリンクを押させる
- 郵便物: 住所が知られているので、紙の請求書や当選通知の形で届く可能性もある
警察庁サイバー警察局は、2026年10月に相次いでいる情報流出事案を受けて、個人向けの注意点を「サイバー警察局便り」で出しています。要点は3つで、メール内のリンクを安易に押さない(情報流出元の企業をかたる偽メールの可能性がある)、安全なパスワードを設定して使い回さない、警察庁が推奨するスマートフォンの詐欺電話対策アプリを入れる、というものです。少しでも不審に思ったら最寄りの警察署かサイバー犯罪相談窓口、または警察相談専用電話「#9110」に相談できると案内されています。
郵便物については、身に覚えのない請求書が届いても、書かれている振込先に払わないことが原則です。発表文の「身に覚えのない請求等」は、まさにこの形を想定した注意です。本当に支払い義務があるものなら、差出人に自分で電話番号を調べて連絡すれば確かめられます。
住所が漏れた可能性がある場合に、引っ越しまで考える必要があるかという相談も出てきます。住所の漏えいが生活に与える影響と、どこまで対処すべきかは、別の記事住所が漏れたときの対処で、郵便物の転送や公的な手続きまで含めて整理しています。
パスワードは項目に無いが、メールアドレスの使い回しは見直す
今回の発表の項目一覧には、パスワードは含まれていません。それでも、メールアドレスが流出した可能性がある以上、そのメールアドレスで登録している他のサービスの守りを見直す価値があります。理由は2つあります。
1つ目は、メールアドレスはほとんどのサービスでログインIDになっているからです。攻撃者がIDを知れば、あとはパスワードを当てるだけになります。過去に別のサービスから漏れたパスワードが出回っていれば、それと組み合わせて試す手口(パスワードリスト型攻撃と呼ばれる、使い回しを狙う攻撃)が成立します。
2つ目は、そのメールアドレス宛に、会社や銀行を装った偽メールが届くようになる可能性があるからです。宛先を知られた時点で、偽メールの標的のリストに載ったと考えて備えるのが無理のない前提です。
やることは次の3つです。
- 給与関係の書類やマイページに使っていたメールアドレスで、同じパスワードを使っているサービスが無いかを洗い出し、あればそれぞれ別のパスワードに変える
- メールアカウント自体に二段階認証(パスワードに加えて、スマートフォンに届くコードなどで本人を確かめる仕組み)を設定する
- 自分のメールアドレスが過去にどの漏えい事案に含まれていたかを調べる
3つ目の調べ方は、海外の有志が運営する検索サービスでメールアドレスを入れるだけで分かります。使い方と結果の読み方はHave I Been Pwned で自分の漏えいを調べる方法に手順があります。
二段階認証をどのサービスで、どの方式(SMS、認証アプリ、物理キー)で設定すべきかは、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版が方式ごとの強さと弱さを比べています。個人で使うなら、まずメールアカウントと銀行のアプリに認証アプリ方式を入れるのが順当です。
在宅で仕事をする人、副業で店に入っていた人の注意
ドトールコーヒーショップでアルバイトをしながら、在宅でライティングやデータ入力の仕事を受けている人も少なくないでしょう。そうした人は、店の給与の振込先と、在宅の仕事の報酬の振込先が同じ口座になっていることが多いはずです。
その場合の整理は次のとおりです。
- 流出した可能性があるのは、あくまで自分自身の個人データです。発表の範囲に、取引先や依頼者の情報は含まれていません
- したがって、在宅の仕事の取引先に「自分の情報が漏れたかもしれない」と知らせる義務は、今回の件からは生じません
- ただし、取引先とのやり取りに使っているメールアドレスが流出した可能性があるなら、取引先を装った偽メール(請求書の差し替えや振込先の変更を求める手口)に注意する必要があります。振込先の変更を求めるメールが来たら、メール以外の手段で相手に確かめる習慣をつけてください
一方で、自分が事業者として他人の個人情報を預かる立場(たとえば顧客リストを持つ個人事業主)だった場合、話は変わります。個人情報の保護に関する法律第26条は、預かっている個人データの漏えいやそのおそれがあり、個人の権利利益を害するおそれが大きい事態が生じたときは、個人情報保護委員会に報告し、本人にも通知するよう定めています。個人情報保護委員会の案内によると、報告が義務になる事態の1つに「不正の目的をもって行われたおそれがある行為による漏えい等(又はそのおそれ)」があり、これは人数にかかわらず対象です。委託先で起きた事故も、委託元が報告の主体になりうるので、クラウドやメール配信などの外部サービスに顧客情報を預けている人は、そのサービスの障害情報を見る習慣が要ります。自分の仕事に当てはまるかどうかは、個人情報保護委員会の相談窓口で確かめてください。
在宅の仕事の仲介サイトを通じて働いている人は、サイトのアカウントにも同じメールアドレスを使っていることが多いので、ここの守りも一緒に見直してください。在宅ワークの仲介サイト @SOHO でも、応募先とのやり取りはメールアドレスを起点に始まります。たとえばAI・マーケティング・セキュリティのお仕事のような分野では、依頼者から業務用のアカウントを預かることもあるので、自分のメールアカウントが乗っ取られると、依頼者の環境まで巻き込みます。パスワードの使い回しをやめ、二段階認証を入れるのは、自分のためだけでなく取引先のためでもあります。
会社や銀行を名乗る連絡を受けたときの確かめ方
対象の可能性がある人にとって、これから数か月でいちばん起こりやすいのは、「本物らしい連絡」が届くことです。相手は氏名、生年月日、住所、電話番号を知っている前提で話しかけてくるので、「個人情報を言い当てられたから本物だ」という判断は使えません。代わりに、次の3つの型に分けて確かめます。
1つ目は、ドトールコーヒーを名乗る連絡です。発表で案内されている窓口はメールアドレス [email protected] だけで、電話番号は公表されていません。電話で「ドトールの本部です」と名乗られたら、折り返す番号をその場で受け取らず、同社の公式サイトに載っている代表の連絡先を自分で調べてかけ直します。メールなら、送信元のドメインが doutor.co.jp であるか、返信先が別のドメインにすり替わっていないかを見ます。給与の振込先の「再登録」や「確認」を求める内容は、発表の対応に無いので、応じる前に窓口に確かめます。
2つ目は、銀行を名乗る連絡です。全国銀行協会のフィッシング詐欺のページには、銀行を装った偽SMSの文例として「お客様の口座がセキュリティ強化のため、一時利用停止しております。再開手続きをお願いします」といった形が載っています。URLへアクセスする前に正しいホームページのURLかを確かめ、あらかじめブックマークした正規のページから入るよう案内されています。SMSやメールの中のリンクからは入らない、という1点を守れば、この型の大半は防げます。
3つ目は、警察や役所を名乗る連絡です。「あなたの口座が犯罪に使われている」「還付金がある」という切り出しで、口座番号や暗証番号を聞き出す手口が全国銀行協会のページに紹介されています。警察や役所が電話で暗証番号を聞くことはありません。相談したいときは、自分から警察相談専用電話「#9110」にかけます。
どの型でも共通するのは、「相手が言った連絡先には折り返さない」「自分で調べた公式の連絡先にかけ直す」「暗証番号とパスワードは誰にも言わない」の3つです。対象の可能性がある家族(高校生や大学生のアルバイトだった子ども、退職した親)がいるなら、この3つだけでも伝えておいてください。
2026年10月に相次ぐ不正アクセスの中で、この件をどう見るか
2026年10月は、企業や自治体への不正アクセスによる個人情報の漏えいやそのおそれの公表が続いています。警察庁サイバー警察局は2026年10月16日に「不正アクセスによる漏えい等事案を踏まえた注意喚起について」というページを設け、個人情報保護委員会、国家サイバー統括室、総務省、経済産業省、金融庁がそれぞれ出した注意喚起を一覧にしています。
個人情報保護委員会は2026年10月7日に「大規模な漏えい等事案を踏まえた対応について(注意喚起)」を公表し、不正アクセスによる個人データ漏えい防止のための注意喚起も同じ日に改訂しています。金融庁は2026年10月9日に金融機関向けの注意喚起を出し、本人確認書類の画像に不自然な点が無いかの確認を徹底するよう求めています。これは、漏れた個人情報を使ったなりすましの口座開設や取引申込を防ぐための対応です。
こうした流れの中で見ると、ドトールコーヒーの件は、対象が客ではなく従業員で、人数が951名と比較的小さく、項目に銀行口座番号を含む、という特徴があります。人数が小さいことは、対象者1人1人にとっての危険が小さいことを意味しません。むしろ、氏名、住所、生年月日、電話番号、口座番号がそろっている分、1人あたりの材料は多いと言えます。
従業員のデータが狙われる事案は、客のデータが狙われる事案よりも目立ちにくく、報道も少なくなりがちです。退職者が自分で気づかない限り誰も教えてくれない、という構造があるので、この記事のように公式発表を元に整理した情報が、検索で届く意味があります。
会社側の情報管理と、セキュリティを仕事にする人の需要
今回の発表から、企業が従業員の個人データをどこに保存しているかという論点も見えてきます。給与の振込先や住所は、人事や給与のシステムに集まります。店舗ごとのシステムに保存されていたのか、本社のシステムの一部だったのかは発表に書かれていませんが、「当社システムの一部」という表現から、全社のシステムではなく一部分だったことは読み取れます。
企業の側でこうした事故を防ぐ仕組みづくりは、中小企業でも手がつけられます。公的な補助金を使って対策を入れる方法は中小企業のサイバーセキュリティ対策2026|IT導入補助金で防御力を強化する方法に、従業員が偽メールに引っかからないための訓練は社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドに、それぞれ具体策があります。
そして、こうした事案が続くほど、対策を設計し、運用し、事故が起きたときに対応する人の需要は増えます。在宅や業務委託の形でも、セキュリティ診断、ログの監視、従業員教育の教材づくり、規程の整備といった仕事は成り立ちます。入口の資格としては、ネットワークの基礎を体系的に学べるCCNA(シスコ技術者認定)が、不正アクセスの経路を理解する土台になります。仕事の中身と求められる経験はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事に整理されています。
長く在宅ワークの市場を見てきた立場から言えば、こうした事案のあとに増えるのは、派手な攻撃の分析よりも、「従業員の情報をどこに保存し、誰がアクセスでき、辞めた人の情報をいつ消すか」という地味な整理の仕事です。今回の件でも、退職者の情報が現役の従業員と同じシステムに残っていたことが、対象者の数を増やしています。退職者の情報をいつまで保存するかを決め、期限が来たら削除する運用は、技術よりも手順の問題で、在宅で請け負える範囲の仕事です。
2026年10月28日時点の要点と、次に確かめること
この記事で確かめた事実を、もう一度並べます。
- 公表日は2026年10月26日。検知は10月20日。10月28日時点で続報は無い
- 対象は4店舗(西武大泉学園駅店、国立大学通り店、東京駅八重洲中央口店、石神井公園駅前店)の従業員と退職者、計951名
- 項目は氏名、生年月日、住所、メールアドレス、電話番号、銀行口座番号。流出は「可能性」の段階
- 客の情報への不正アクセスは確認されていない
- 二次被害は確認されていない
- 在職者には順次連絡、退職者には公表をもって通知
- 窓口は [email protected] のみ。電話窓口は発表に無い
対象の可能性がある人が今日のうちにすることは、口座の明細の確認と、メールアドレスのパスワードの使い回しの解消です。そのあとで、同社のニュースリリース一覧に続報が出ていないかを、数日おきに見に行ってください。この記事も、同社の続報が出れば、その内容に合わせて更新します。
よくある質問
Q. ドトールの客として店を使っていた場合、今回の情報漏洩の対象になりますか?
2026年10月26日の公式発表では、対象は4店舗(西武大泉学園駅店、国立大学通り店、東京駅八重洲中央口店、石神井公園駅前店)の従業員と退職者、計951名です。客の情報への不正アクセスは、発表の時点で確認されていないと明記されています。客として店を使っただけの人が、この発表を理由に手続きをする必要はありません。
Q. 退職してから何年も経っていますが、連絡は来ますか?
発表では、在職中の従業員には順次連絡し、退職者には公表そのものをもって通知に代えるとされています。退職者に個別の連絡は来ない前提で、4店舗のどれかで働いたことがあるなら、自分から公式の窓口 [email protected] に店名と在籍期間を添えて問い合わせるのが確実です。在籍の期間による線引きは発表に書かれていません。
Q. 銀行口座番号が漏れた可能性があるとき、口座を解約すべきですか?
発表の項目に暗証番号やインターネットバンキングのパスワードは含まれていません。まずは入出金の明細と口座振替の内容を見直し、身に覚えのない動きが無いかを確かめてください。口座を変えるべきかは銀行ごとに扱いが違うので、取引銀行に事情を伝えて相談します。会社や銀行を名乗って暗証番号を聞く連絡は、すべて偽物と考えて応じないでください。
Q. 会社から補償やお詫びの品はありますか?
2026年10月28日時点の公式発表に、補償やお詫びの品に関する記載はありません。したがって「補償がある」とも「無い」とも言えない段階です。「補償の手続きのために口座情報を確認する」といった連絡が来た場合は、発表に無い話なので、その場では応じず、公式の問い合わせ窓口へメールで確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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