顧客満足度調査の設問の決め方と、回答を次の改善につなげる進め方

@SOHO編集部
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顧客満足度調査の設問の決め方と、回答を次の改善につなげる進め方

この記事のポイント

  • ✓顧客満足度調査を自社で行うときの進め方を
  • ✓総合満足度やNPSなどの指標の選び方
  • ✓低い評価への対応まで順番に整理しました

顧客満足度調査を始めようとして、まず設問の例を探す人は多いはずです。ところが、例をそのまま並べたアンケートは、回答は集まっても「で、何を直せばいいのか」がわからないまま終わりがちです。原因は設問の出来ではなく、何を知るための調査なのかが決まっていないことにあります。

この記事では、顧客満足度調査を自社で行うときの進め方を、目的の決め方、指標の選び方、設問の作り方、配り方、集計と分析、そして回答を改善につなげるところまで順番に説明します。届いた回答への対応や担当決めまで一か所で済ませたい場合に使える、フォームと回答の管理を1つにしたHalictにも触れます。

顧客満足度調査とは何か

顧客満足度調査とは、商品やサービスを使った顧客が、どの程度満足しているかを数字や言葉で集める調査です。CS調査とも呼ばれます。CSはCustomer Satisfactionの略で、顧客満足という意味です。マーケティングリサーチの会社は、次のように説明しています。

顧客満足度調査とは、商品やサービスを利用した顧客がどの程度満足しているかを数値化・可視化する調査です。企業はこの結果を基に改善点を見出し、顧客体験を高める施策につなげます。 出典: dm-insight.jp

大事なのは後半の「改善点を見出し、施策につなげる」という部分です。満足度の数字を測ること自体は目的ではありません。数字が下がった理由を探し、手を打ち、次の調査で変化を確かめる。この流れを回すための道具が顧客満足度調査です。

業界をまたいだ調査もある

日本では、公益財団法人日本生産性本部のサービス産業生産性協議会が、日本版顧客満足度指数(JCSI)という調査を毎年行っています。公式サイトによると、サービス産業の約30の業種を対象に、利用者に全業種で共通の質問をして結果を指数にし、業種をまたいで比べられるようにしています(日本生産性本部 顧客満足度調査(JCSI))。

こうした大規模な調査は、業界の中での自社の位置を知るのに役立ちます。一方、自社の商品のどこを直せばよいかを知るには、自社の顧客に向けて自社で行う調査が欠かせません。この記事が扱うのは後者です。

始める前に決める3つのこと

設問を考える前に、次の3つを決めておきます。ここが決まっていれば、設問は自然と絞られていきます。

1. 何を決めるための調査か

「顧客の声を聞きたい」では目的になりません。調査の結果を見て、誰が何を決めるのかを書き出します。

目的の例 結果を見て決めること
解約が増えている理由を知りたい どの機能や対応を優先して直すか
新しい料金プランの受け止め方を知りたい 料金の見直しや説明の仕方を変えるか
窓口の対応の質を測りたい 研修や対応の手順をどこから変えるか
紹介で来る顧客を増やしたい 紹介したくなる理由と、ためらう理由のどちらに手を打つか

決めることが書けない調査は、結果が出ても誰も動きません。目的は1回の調査で1つか2つに絞るのが原則です。

目的を書き出すときは、「結果がこうだったら、こう動く」という分かれ道まで想定しておくと、調査の設計がぶれません。たとえば「対応の速さの満足度が前回より下がっていたら、問い合わせの受付から返信までの手順を見直す。下がっていなければ、料金の説明の改善を優先する」のように書いておきます。結果がどちらに出ても次の行動が決まっている調査は、集計した瞬間から役に立ちます。

2. 誰に聞くか

全員に聞くのか、最近購入した人だけに聞くのか、解約した人に聞くのかで、得られる答えはまったく違います。満足している常連の顧客だけに聞けば、数字は高く出ますが、離れていく理由は見えません。目的に合わせて、聞く相手を決めます。

3. いつ聞くか

利用した直後に聞くと、体験の記憶が新しいうちに具体的な答えが返ってきます。半年や1年に1回まとめて聞くと、全体の印象の変化を追いやすくなります。季節で売れ行きや問い合わせの量が変わる商売なら、毎回同じ時期に聞くようにすると、季節の影響を受けずに前回と比べられます。購入や問い合わせの直後に短く聞く調査と、年に1回の総合的な調査を組み合わせる会社もあります。

満足度を測る指標の選び方

顧客満足度調査で使われる主な指標は次のとおりです。全部を入れる必要はなく、目的に合うものを選びます。

指標 聞き方の例 わかること
総合満足度 全体としてどの程度満足していますか 全体の評価の水準と、その変化
項目別満足度 価格、品質、対応の速さなどにどの程度満足していますか どの点が評価され、どの点が不満か
NPS 友人や同僚にどの程度すすめたいと思いますか 紹介したいほどの支持があるか
継続や再購入の意向 今後も使い続けたいと思いますか 離れていく可能性

NPSの計算の仕方

NPSはNet Promoter Scoreの略で、顧客がどの程度ほかの人にすすめたいかを数字にする指標です。考案したベイン・アンド・カンパニーの公式サイトでは、「友人や同僚にすすめる可能性はどのくらいありますか」という質問に0から10の11段階で答えてもらい、9と10をつけた人(推奨者)の割合から、0から6をつけた人(批判者)の割合を引いた値をNPSとしています(Net Promoter System)。7と8の人は中立者と呼ばれ、計算には使いません。

たとえば100人が答え、推奨者が40人、批判者が25人なら、NPSは40%から25%を引いて15になります。マイナスの値になることもあります。

指標を決めたら変えない

指標の聞き方や段階の数は、一度決めたら調査ごとに変えないことが大切です。5段階で聞いていた満足度を次の回から10段階に変えると、前回と比べられなくなります。調査の価値の大半は、時間をおいた変化を追えることにあります。

設問の作り方

指標が決まったら、設問を組み立てます。順番、聞き方、選択肢の3つに気をつけると、答えやすく、集計しやすいアンケートになります。

設問の順番

一般的には、次の順番が答えやすいとされています。

  1. 総合満足度(最初に全体の印象を聞く)
  2. 項目別満足度(価格、品質、対応などを順に)
  3. NPSや継続の意向
  4. 理由を書いてもらう自由記述
  5. 利用の頻度や期間など、回答者の属性

総合満足度を最初に聞くのは、項目別の質問に答えたあとだと、その印象に引きずられて全体の評価が変わりやすいためです。属性の質問を最後にするのは、最初に個人のことを聞かれると身構えてしまう人がいるためです。

聞き方で気をつけること

避けたい聞き方 理由 直し方
価格と品質に満足していますか 2つのことを1問で聞いていて、どちらへの答えかわからない 価格と品質を別の質問に分ける
新しくなった窓口の対応に満足していますか 「新しくなった」が良い方向に答えを誘う 窓口の対応に満足していますか
サポートは使いやすかったですか(使っていない人も回答) 使っていない人が答えに困る 使ったかどうかを先に聞き、使った人だけに聞く
普段どのくらい使いますか 「普段」の受け取り方が人によって違う 直近1か月に何回使いましたか

選択肢の作り方

満足度は、5段階で聞くのが一般的です。「満足」「やや満足」「どちらともいえない」「やや不満」「不満」のように、真ん中を挟んで良い方と悪い方が同じ数になるように並べます。選択肢の順番は、すべての質問で同じ向きにそろえます。途中で向きが入れ替わると、読み違えた回答が混ざります。

自由記述は1つか2つに絞る

自由記述は、数字だけではわからない理由を知るために欠かせません。ただし、いくつも並べると回答の負担が大きくなり、途中でやめる人が増えます。「満足度の理由を教えてください」「改善してほしい点があれば教えてください」の1つか2つで十分です。

業種ごとの設問の例

ここでは、項目別満足度で聞く項目の例を、業種ごとに挙げます。そのまま使うのではなく、自社の目的に合わせて取捨選択してください。

業種 項目別満足度で聞く項目の例
飲食店 料理の味、提供までの時間、接客、店内の清潔さ、価格
ソフトウェアのサービス 機能、操作のわかりやすさ、動作の速さ、サポートの対応、料金
美容室やサロン 仕上がり、予約の取りやすさ、待ち時間、説明のわかりやすさ、価格
士業や相談の事務所 説明のわかりやすさ、連絡の速さ、費用の説明、相談のしやすさ
ネットショップ 商品の品質、届くまでの日数、梱包、サイトの使いやすさ、問い合わせの対応

項目は5つから7つほどに絞るのが目安です。項目が多いほど1つずつの回答が雑になり、最後のほうの質問には、どれも真ん中を選ぶ回答が増えていきます。

1つの調査に入れる設問の数

全体の設問の数は、回答にかかる時間で考えるとわかりやすくなります。スマートフォンで答える人が多いなら、数分で終わる長さに収めるのが無難です。聞きたいことが多いときは、調査を分けて、目的ごとに短いアンケートを時期をずらして送るほうが、回答の質を保てます。

小さな事業者が最初に使える7問の構成

従業員が数人の事業者や、個人で仕事を受けている人が初めて満足度調査を行うなら、設問は少なく始めるのが無理のない進め方です。ここでは、どの業種でも使いやすい7問の構成を例に挙げます。

順番 設問 答え方
1 今回のご利用全体について、どの程度満足されましたか 5段階
2 品質(仕上がりや内容)について、どの程度満足されましたか 5段階
3 連絡や対応の速さについて、どの程度満足されましたか 5段階
4 料金について、どの程度満足されましたか 5段階
5 ご友人や同僚に、どの程度すすめたいと思いますか 0から10の11段階
6 満足された点、または改善してほしい点を教えてください 自由記述(任意)
7 担当者からご連絡してもよろしいですか(よろしければ連絡先をご記入ください) 選択と自由記述(任意)

この7問なら、スマートフォンでも数分で答えられます。2から4の項目は、自社の仕事に合わせて入れ替えてください。デザインの仕事なら「提案の内容」、飲食店なら「料理の味」のように、顧客が実際に判断している点を選びます。

冒頭の案内文の例

アンケートの最初には、次のような案内を書いておきます。〇〇の部分は自社の内容に合わせて書き換えてください。

「このたびは〇〇をご利用いただき、ありがとうございました。サービスの改善のため、ご意見をお聞かせください。回答には3分ほどかかります。いただいた回答は、サービスの改善のためにのみ使い、ほかの目的には使いません。連絡先をご記入いただいた方には、内容を確認するために担当者からご連絡することがあります。」

調査の目的、かかる時間、回答の使い道、連絡の可能性の4つが入っていれば、回答者は安心して答えられます。使い道の一文は、前の節で触れた個人情報の扱いの面でも欠かせません。

よくある失敗と、その避け方

顧客満足度調査は、始めるのは簡単でも、続けて成果につなげるのが難しい取り組みです。現場でよく見かける失敗を、避け方と一緒に挙げます。

満足している人の声ばかり集まる

調査の案内を常連の顧客にだけ送ったり、利用からしばらく経ってから送ったりすると、満足している人ばかりが答えて、数字が実態より高く出ます。離れていった顧客や、使い始めて間もない顧客にも届くように、送る相手と時期を決めておきましょう。解約や取引の終了のときに、短い質問を1つか2つだけ聞くのも有効です。

数字が上がったか下がったかだけで終わる

総合満足度が前回より上がった、下がった、という報告で終わってしまうと、何をすればよいかが残りません。数字の動きと一緒に、どの項目が動いたのか、自由記述にどんな声が増えたのかを必ず添えて報告します。

調査のたびに設問を作り直す

担当者が変わるたびに設問を一から作り直すと、前回と比べられなくなります。総合満足度やNPSのように変化を追う質問は固定し、その時々に知りたいことは、追加の質問として最後に加える形にすると、比較と新しい発見の両方が得られます。

回答者への連絡を約束したまま放置する

「ご連絡してもよろしいですか」と聞いておきながら、誰も連絡しないのは、調査をしないより信頼を損ねます。連絡を約束するなら、回答が届いてから何日以内に誰が連絡するかを決め、その人に回答が届く仕組みを先に作っておきましょう。

結果を顧客に伝えない

声を寄せても何も変わらないと感じた顧客は、次の調査に答えてくれなくなります。すべての声に応えることはできなくても、「多くいただいた声と、これから取り組むこと」を短く知らせるだけで、次の回答率は変わります。

配り方と回答率を上げる工夫

設問ができたら、どう届けるかを決めます。回答率は、送る経路とタイミングで大きく変わります。

配る経路

経路 向いている場面 気をつけること
メール 購入や問い合わせのあと、会員の顧客 件名で何のメールかがすぐわかるようにする
店頭のQRコード 飲食店や店舗 会計のときに一言添えると回答が増える
サービスの画面の中 ソフトウェアやアプリ 作業の邪魔にならない時に表示する
紙のアンケート 高齢の顧客が多い店舗や窓口 入力の手間が後でかかる

回答してもらいやすくする工夫

  • 冒頭に、調査の目的と、かかる時間の目安を書く
  • 答えた内容が何に使われるのかを書く
  • 必須の質問を必要なものだけにする
  • スマートフォンで答えやすい画面にする
  • 送ってから数日後に、1回だけ再案内を送る

回答のお礼にクーポンやポイントを渡す方法もあります。回答は増えますが、お礼目当ての雑な回答が混ざることもあるので、お礼の有無で回答の傾向が変わっていないかを見ておきましょう。

法人の顧客に聞く場合の注意

取引の相手が会社の場合、満足度調査は個人の顧客とは少し違う配慮が要ります。

誰に答えてもらうかを決める

法人の取引では、契約を決めた人、日々の窓口になっている人、実際にサービスを使っている人がそれぞれ違うことがよくあります。窓口の担当者だけに聞くと、現場で使っている人の不満が見えません。逆に、現場の人だけに聞くと、契約を続けるかどうかを決める人の考えがわかりません。立場ごとに分けて聞くか、回答者の立場を属性の質問で必ず聞いておきましょう。

回答数が少ないことを前提にする

法人の顧客は数が限られるため、回答数が数十件ほどにとどまることも珍しくありません。数が少ないと、割合の上下は1社の回答で大きく動きます。数字の変化に一喜一憂するより、自由記述と個別の聞き取りに重きを置くほうが、得られるものが多くなります。

匿名にするかどうか

取引先が特定できる形で不満を書くのは、相手にとって気が重いものです。率直な声を集めたいなら、会社名を聞かない形にする方法があります。一方で、不満のある取引先に個別に対応したい場合は会社名が必要です。どちらを優先するのかを目的に照らして決め、冒頭の案内文にも、匿名かどうかをはっきり書いておきます。

調査と営業を混ぜない

満足度調査の最後に新しい商品の案内を載せたり、調査の結果を見て営業の電話をかけたりすると、回答者は調査を営業の入口と受け取るようになります。次から率直に答えてもらえなくなるので、調査と営業ははっきり分けておきましょう。

個人情報の扱いで押さえておくこと

顧客満足度調査では、名前やメールアドレスなどの個人情報を集めることがあります。個人情報保護法では、本人から書面(Webのフォームなど電子的なものを含む)で直接個人情報を集めるときは、あらかじめ本人に利用目的をはっきり示す必要があるとされています(個人情報の保護に関する法律 第21条)。

つまり、アンケートの冒頭や送信ボタンの近くに、「いただいた回答はサービスの改善のために使います」のように、何に使うのかを書いておく必要があるということです。改善のために集めた回答を、あとから営業の案内に使いたくなった場合、示した目的と違う使い方になってしまいます。最初に、使う可能性のある目的を正しく書いておきましょう。

そもそも名前を聞く必要があるか

匿名で聞けば、回答者は率直に書きやすくなります。名前を聞くのは、低い評価をつけた人に個別に連絡して事情を聞きたいときなど、理由がある場合に限るのがおすすめです。名前を任意の項目にして、「連絡してもよい方だけ」と書き添える方法もあります。個別の事情で判断が分かれるときは、個人情報保護委員会の案内や専門家に確かめてください。

集計と分析の進め方

回答が集まったら、集計と分析に移ります。難しい統計の手法を使わなくても、次の順番で見ていけば、手を打つべき点は見えてきます。

1. 単純集計で全体を見る

まず、質問ごとに、各選択肢を選んだ人の数と割合を出します。総合満足度で「満足」と「やや満足」を合わせた割合、NPSの値、項目別満足度で一番低い項目、を確かめます。

2. 属性ごとに分けて見る

次に、利用の期間や頻度、年代などの属性ごとに分けて集計します。この分け方をクロス集計と呼びます。全体では高い満足度でも、使い始めたばかりの人だけ低い、といった偏りが見つかることがあります。使い始めの人の満足度が低いなら、手を打つべきは最初の案内や使い方の説明です。

3. 満足度と重要度を並べる

項目別満足度を、その項目が総合満足度にどれだけ関わっているかと並べると、優先順位をつけやすくなります。関わりの強さは、総合満足度が高い人と低い人で、その項目の点数がどれだけ違うかで大まかに見られます。

総合満足度との関わりが強い 関わりが弱い
満足度が低い 最優先で直す 余裕があれば直す
満足度が高い 強みとして守る 今のままでよい

左上に入った項目が、最初に手を打つ候補です。満足度が低くても総合満足度にあまり関わっていない項目は、後回しにしてかまいません。

4. 自由記述を分類する

自由記述は、読んで終わりにせず、内容ごとに分類して数えます。「対応が遅い」「説明がわかりにくい」「料金が高い」のように見出しをつけ、それぞれ何件あったかを数えると、数字の結果と照らし合わせて読めるようになります。項目別満足度で低かった項目について、自由記述でどんな理由が書かれているかを見ると、直し方の手がかりが得られます。

回答を次の改善につなげる進め方

顧客満足度調査がうまくいかない会社の多くは、集計の資料を作ったところで止まっています。調査を改善につなげるには、次の4つを決まった手順として回します。

低い評価への個別の対応

名前や連絡先を書いてくれた人の中で、低い評価をつけた人には、できるだけ早く連絡して事情を聞きます。不満を書いた人に連絡があると、それだけで受け止め方が変わることがあります。ここで大事なのは、誰がいつまでに連絡するかを決めておくことです。回答の一覧を全員で眺めているだけでは、誰も連絡しないまま日が過ぎます。

たとえば、満足度調査の自由記述に「担当者の説明が早口でわからなかった」と書いた顧客に、1か月以上誰も連絡していない、という状況は珍しくありません。回答はスプレッドシートに集まっていても、誰が見て誰が動くのかが決まっていなければ、こうしたことが起こります。調査の仕組みより先に、回答を受け取ったあとの担当を決めておくことが欠かせません。

社内で結果を共有する

集計の結果は、改善を担う部署や担当者に届けます。数字だけでなく、自由記述の中から代表的なものをいくつか添えると、現場が受け止めやすくなります。

改善を決めて、顧客に知らせる

改善することを決めたら、可能であれば顧客にも知らせます。「いただいた声をもとに、予約の受付時間を延ばしました」と伝えると、次の調査で答えてくれる人が増えます。声が届いたと感じた顧客ほど、また声を寄せてくれるからです。

次の調査で変化を確かめる

同じ指標で次の調査を行い、手を打った項目の満足度が変わったかを確かめます。変わっていなければ、打った手が合っていなかったか、まだ顧客に伝わっていないかのどちらかです。

結果を社内に伝える報告のまとめ方

集計が終わったら、結果を社内に伝える報告を作ります。報告が長すぎると読まれず、短すぎると何をすればよいかが伝わりません。1回の調査の報告は、次の5つの項目に沿って整理すると、読む人が迷いません。

  1. 調査の概要:目的、対象、期間、回答数
  2. 主な数字:総合満足度、NPS、前回との差
  3. 目立った変化:上がった項目、下がった項目
  4. 声の傾向:自由記述を分類した結果と、代表的な声を3つほど
  5. 提案:次の調査までに取り組むこと、担当、期限

一番大事なのは5つ目です。報告を読んだ人が「では誰が何をするのか」を探さなくて済むように、提案は担当と期限まで書いておきます。提案が決まらないうちは報告を締めない、と決めておくのも1つの方法です。

数字は前回と並べて見せる

満足度の数字は、それだけを見ても良いのか悪いのか判断できません。前回の調査、前年の同じ時期の調査と並べて見せると、変化が一目でわかります。回答数が少ないうちは、数ポイントの上下は偶然の範囲のこともあるので、大きく動いた項目と、何回か続けて同じ方向に動いている項目に注目します。

自由記述は原文を残す

自由記述を分類して数えるときも、代表的な声は手を加えずに原文のまま載せます。言い換えたり要約したりすると、顧客が実際に何に引っかかったのかという細かな手がかりが失われます。現場の担当者にとっても、顧客自身の言葉は数字よりも強く響きます。

1年の進め方の例

顧客満足度調査を一度きりで終わらせず、毎年の仕事として回すための流れを例にします。会社の規模や商品によって変わるので、目安として見てください。

時期 やること
年度の初め 調査の目的を見直し、固定する質問と今年追加する質問を決める
毎月 購入や問い合わせの直後に短い質問を送り、低い評価に個別に対応する
半年ごと 総合的な調査を行い、集計と報告をまとめる
報告の翌月 取り組むことを決め、担当と期限を割り振る
年度の終わり 1年の変化を振り返り、取り組みの効果を確かめる

毎月の短い質問と、半年ごとの総合的な調査を組み合わせると、日々の対応の改善と、全体の方針の見直しの両方を回せます。最初から全部を行う必要はありません。まずは半年に1回の総合的な調査から始め、回答のあとの対応が回るようになってから、毎月の短い質問を加えるのが無理のない順番です。

回答のあとの対応を回すための道具

顧客満足度調査のフォームを作るだけなら、Googleフォームのような無料の道具で十分です。質問の種類も多く、回答はスプレッドシートに自動で集まり、グラフで集計も見られます。年に1回、全体の傾向を見るための調査なら、これで足りる場面がほとんどです。

手間がかかってくるのは、前の節で触れた「低い評価への個別の対応」を回そうとしたときです。回答を表に集め、担当者の名前を列に手で書き込み、対応したかどうかを別の列で管理し、返信はメールソフトから送る。回答の数が増えるほど、誰がどこまで対応したかが追えなくなります。

フォームと対応の管理を1つにする選択肢

回答のあとの対応まで1か所で済ませたい場合は、Halictのように、フォームと回答の管理を1つにした道具があります。公式サイトの案内によると、Halictではフォームを作り、届いた回答1件ごとに担当者とステージ(対応の段階)を残して、同じ画面から返信を送れます。送った返信の開封まで記録されます。

アンケートの作成では、作りたいフォームを言葉で伝えるとAIが質問と選択肢の下書きを作る機能や、回答者に1画面に1問ずつ見せる表示があり、評価や選択肢など12種類の項目を使えます。無料のプランはメンバー1人までで、フォームの数と回答の数は無制限です。チームで使う場合は有料のプラン(税抜で月額2,980円から)があり、上位のプランでは顧客への一斉メールと開封の計測、SlackやMicrosoft Teamsへの通知も使えます。

Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

道具は、調査の目的と規模に合わせて選べば十分です。全体の傾向を年に1回見るだけなら無料の道具、回答者1人ひとりに対応する運用まで含めるなら対応の管理ができる道具、と考えると選びやすくなります。

外部の力を借りる場合

設問の設計や分析を社内だけで進めるのが難しい場合は、外部の専門家に一部を頼む方法もあります。最近は、大きな調査会社に頼むほどの規模ではない会社が、設問の見直しや集計の分析を、フリーランスのマーケターやリサーチャーに小さな単位で依頼する例が増えています。

2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた@SOHO編集部が見てきた限りでは、こうした依頼で長く続く関係を作っているのは、集計の資料を納めて終わりにせず、「次の調査までにこの2点を変えて、ここで効果を確かめましょう」と、改善の流れまで一緒に設計する人です。依頼主が欲しいのは分析の資料ではなく、何をすればよいかがわかる状態だからです。仲介の手数料が乗らない直接の取引なら、同じ予算でより多くの作業を頼め、受ける側は手取りが厚くなります。

マーケティングやデータの分析を外から支える仕事の全体像は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。顧客の声をもとに経営の改善を助ける立場に関心がある人は、中小企業診断士の資格の中身も参考になります。予約や顧客の管理の道具をまとめて見直したい美容やサロンの事業者には、美容・サロン業界のDX2026|予約管理 × 顧客管理 × 決済のSaaS一括導入が、道具の組み合わせ方を整理しています。

顧客満足度調査は、1回で答えが出るものではありません。目的を1つに絞った短い調査から始め、回答のあとに誰が何をするかを決めて、次の調査で変化を確かめる。この流れが回り始めれば、設問は回を重ねるごとに磨かれていきます。

よくある質問

Q. 顧客満足度調査は何人くらいに回答してもらえば十分ですか?

目的によって変わります。全体の傾向をおおまかにつかむなら、数十人の回答でも手がかりは得られます。年代や利用期間などで分けて比べたい場合は、分けたあとの1つずつのグループにもある程度の人数が必要になるため、全体の回答数を多めに集める必要があります。少ない回答で結論を出すときは、数字の差が偶然の範囲かもしれないと考えて読むのが安全です。

Q. 満足度は5段階と10段階のどちらで聞くべきですか?

一般的には5段階がよく使われ、回答者が迷いにくいのが利点です。細かな差を見たい場合は10段階や11段階を使うこともあります。NPSは0から10の11段階で聞くのが決まりです。大切なのは、一度決めた段階の数を次の調査でも変えないことです。段階の数を変えると、前回の結果と比べられなくなります。

Q. 顧客満足度調査で名前やメールアドレスを聞いてもよいですか?

聞くことはできますが、個人情報保護法により、本人から直接集めるときは、あらかじめ利用目的をはっきり示す必要があります。アンケートの冒頭などに何に使うのかを書いておきましょう。率直な回答を集めたい場合は匿名にし、個別に連絡してもよい人だけが任意で連絡先を書く形にする方法もあります。

Q. 調査の結果を改善につなげるコツはありますか?

回答のあとに誰が何をするかを、調査を始める前に決めておくことです。低い評価をつけた人への連絡の担当と期限、結果を共有する相手、改善を決める会議の日程を決めておくと、集計の資料を作って終わることを防げます。改善したことを顧客に知らせ、次の調査で同じ指標の変化を確かめると、調査が改善の流れとして定着します。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年4月19日最終更新:2026年10月15日
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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