CG制作を外注する費用相場|静止画と映像で変わる料金の目安 2026


この記事のポイント
- ✓CG制作の費用相場を発注者目線で徹底解説
- ✓静止画(3DCGパース・商品CG)と映像(3DCGアニメーション)で料金は大きく変わります
- ✓コストを抑える依頼のコツ
CG制作を外注しようと見積もりを取ってみたら、A社は30万円、B社は250万円。桁が一つ違って、正直どう判断すればいいのか分からなくなった、という声をよく聞きます。結論から言うと、CG制作の費用は「静止画か映像か」「2Dか3Dか」「秒数と品質」で相場が10倍以上ぶれるため、まず自分の依頼が相場のどの帯に入るのかを見極めることが第一歩です。この記事では、発注者が「いくらで・どこに・どう頼めばいいか」を判断できるように、用途別の費用相場、料金の内訳、見積もりの取り方、コストを抑える依頼のコツを、市場データと実務の視点で整理します。
CG制作は、料金体系が業者ごとにバラバラで、素人には割高な見積もりなのか適正なのか判断しづらい領域です。だからこそ相場観を持って複数社を比較することが、無駄な出費を防ぐ最大の防御になります。この記事を読み終えるころには、あなたの依頼に対して「これくらいなら妥当」「これは高すぎる」という判断軸が持てるようになっているはずです。
CG制作の費用相場は「静止画」と「映像」で桁が変わる
CG制作の費用を語るうえで最初に押さえるべきは、「静止画のCG」と「動く映像のCG」では相場が根本的に違うという点です。ここを混同したまま見積もりを見ると、金額の妥当性を永遠に判断できません。
静止画CG、たとえば建築パース1枚、商品の3DCG画像1点であれば、相場はおおむね3万円から30万円程度です。一方、3DCGを使った映像(アニメーション動画)になると、1分あたり100万円から280万円という帯に跳ね上がります。同じ「CG制作」という言葉でも、この差は約10倍から数十倍。まずは自分の依頼が「点(静止画)」なのか「動画(映像)」なのかを明確にしましょう。
なぜここまで開くのか。理由はシンプルで、映像は「静止画を1秒間に24枚から30枚、連続で成立させる」必要があるからです。30秒の動画なら、動きの設計(アニメーション)、光の当たり方(ライティング)、質感(テクスチャ)、これらすべてを時間軸の中で破綻なく作り込む工数が発生します。静止画は「その一瞬だけ完璧ならいい」のに対し、映像は「動き続ける全フレームで完璧」でなければならない。この工数差が、そのまま費用差になっています。
CG映像制作の相場については、制作会社の解説でも次のように示されています。
CG制作の相場は1分の動画で大体100~140万円という目安があります。費用は作業時間と工数により変わります。CGの用途によって制作工程も変わるので、費用も一律ではありません。料金体系も会社によって異なるため、依頼時は複数社に見積もりを取ってよく検討することが大事です。費用を抑えたい場合は、スケジュールに余裕を持って依頼しましょう。短納期になると特急料金が加算されるため、相場より費用が高くなることがあります。また、修正にも料金がかかるため修正点が少なくて済むよう依頼時に完成形を明確にしておくことをお奨めします。 出典: ntvart.co.jp
この引用が示すとおり、相場はあくまで「目安」であり、実際の費用は工数・用途・納期・修正回数で変動します。発注者としては、この変動要因を一つずつ理解しておくことが、適正価格を見抜く鍵になります。
なぜCG制作の見積もりは業者によって大きくぶれるのか
同じ依頼内容でも見積もりが数倍違うのは、CG制作が「決まった単価表のない受注生産」だからです。工場で作る規格品ではなく、案件ごとにゼロから設計する完全オーダーメイド。そのため、業者の規模、抱えているクリエイターのスキル、使用ソフト、そして「その案件をやりたいかどうか」の温度感まで、見積もりに反映されます。
具体的には、大手の映像制作会社は営業・ディレクター・進行管理・複数のCGアーティストという体制でチームを組むため、その人件費が積み上がって高くなります。一方、フリーランスのCGクリエイターに直接依頼すると、中間の管理コストが乗らない分、同じクオリティでも見積もりが下がるケースが多くあります。この「体制の違い」が金額差の正体の一つです。
もう一つの要因は、業者側の「得意分野との相性」です。建築パースが得意な会社に商品CGを頼めば、慣れない分だけ工数見積もりが保守的(=高め)になります。逆に、依頼内容がその会社の主戦場なら、効率よく作れるため見積もりが締まります。相見積もりを取るときは、単に安い高いだけでなく「この会社はこの種類のCGが本当に得意か」も見るべきです。
用途によって相場が変わる理由を理解する
CG制作の費用は用途によって変わります。これは、用途ごとに求められる品質基準と制作工程が違うためです。テレビCMで流す3DCGと、社内マニュアル用の説明CGでは、求められるリアリティも作り込みも別物です。この点について、制作会社は次のように説明しています。
CG制作費用の相場を用途ごとに分けて紹介します。CGの用途によって制作工数が異なるため、かかる費用も変わります。なお、ここで紹介する相場は一般的なものです。ケースバイケースのため、実際の費用を把握するには業者との相談が必要です。 出典: ntvart.co.jp
用途を明確にすることは、費用を適正化する第一歩です。「なんとなくかっこいいCGが欲しい」ではなく、「展示会ブースで流す30秒の商品紹介CG」「ECサイトに載せる商品の360度回転CG」のように用途と使う場所を具体化するほど、業者も過不足のない見積もりを出せます。曖昧な依頼は、業者側がリスクを見込んで高く見積もる原因になります。
用途別・種類別のCG制作費用相場【一覧で把握する】
ここからは、発注者が自分の依頼を当てはめられるように、種類別・用途別の相場を具体的に見ていきます。あくまで一般的な目安ですが、見積もりを受け取ったときの「物差し」として使ってください。
静止画CGの費用相場(3DCGパース・商品CG・イメージ画像)
静止画のCG制作は、映像に比べて手が届きやすい価格帯です。用途別のおおまかな相場は次のとおりです。
建築・インテリアの3DCGパース(外観・内観の完成予想図)は、1カットあたり3万円から15万円程度が目安です。シンプルな内観であれば下限に近く、街並みを含む複雑な外観パースや、家具・小物まで作り込むハイクオリティなものは上限を超えることもあります。
商品の3DCG画像(プロダクトCG)は、1点あたり2万円から20万円程度。形状がシンプルな箱状の製品なら安く、宝飾品のような複雑な形状・透明感・金属反射を求めるものは高くなります。ECサイト用に同じ商品を複数アングルで作る場合、2カット目以降は1カット目より安くなるのが一般的です。3Dモデルを一度作れば、あとはカメラアングルとライティングを変えるだけで済むためです。
キャラクターや背景のイメージCG(2D・3D問わず)は、用途と作り込みで幅が大きく、5万円から50万円と広く分布します。ゲームやアプリで使う量産系のアセットは単価が抑えられる一方、キービジュアルのような「顔」になる1枚は高くなります。
こうした2Dビジュアルやバナー系の素材制作を外注したい場合、どんな依頼形態があるかはサムネイル・バナー・素材制作のお仕事で発注側の視点から確認できます。CGと写真加工を組み合わせた素材づくりの相場感も掴めます。
3DモデルCGの制作費用相場(形状の複雑さで決まる)
3Dモデル単体の制作費用は、「作るモノの複雑さ」でほぼ決まります。3Dモデルとは、CG映像やCG画像の元になる立体データそのものです。
シンプルな無機物(箱、ボトル、家具など直線・曲面が単純なもの)は、1モデルあたり1万円から10万円程度。工業製品や機械のように、パーツが多く精密なものは10万円から50万円に上がります。
もっとも高くなるのは人体・キャラクターのモデルです。人物の3Dモデルは、骨格・筋肉・顔の作り込み、さらに動かすための「リグ(骨組み)」設定まで含めると30万円から100万円以上。リアルな人肌や毛髪の表現を求めるほど、青天井に近づきます。発注時は「静止画で使うだけか」「動かす(アニメーションさせる)のか」を必ず伝えてください。動かす前提だと、動きに耐えるモデル構造・リグ設定が必要で、費用が跳ね上がります。
CG映像・3DCGアニメーションの費用相場(秒数と品質で変動)
映像系のCGは、前述のとおり1分あたり100万円超が一つの目安です。ただし「1分いくら」という単価だけで判断するのは危険で、実際は品質グレードによって同じ秒数でも大きく変わります。
簡易的な3DCGアニメーション(図解・インフォグラフィック的な動き、質感の作り込みは控えめ)なら、30秒で30万円から80万円程度で収まることもあります。一方、テレビCMや展示会のメインで流すようなハイエンドな3DCG映像は、30秒で150万円から300万円を超えることも珍しくありません。
CG映像の相場について、別の制作会社の資料では次のような目安も示されています。
1分間の3DCG映像の制作にかかる費用は120万円程~が相場です。CGの制作難易度や業者によって費用が変動します。 出典: proox.co.jp
映像を発注するときのコツは、「フルCGにこだわらない」ことです。実写映像に一部だけCGを合成する(実写+CG合成)方式にすれば、全編CGよりコストを大きく抑えられます。全部をCGで作る必然性がないなら、実写で撮れる部分は撮り、CGでしか表現できない部分だけをCG化する。この切り分けが費用最適化の要です。
CG制作費用の「内訳」を知れば見積もりが読める
見積もり書を見て「この金額の根拠は?」と感じたことはないでしょうか。CG制作費は複数の工程費の合算です。内訳を理解すれば、見積もりのどこにお金がかかっているか、どこを削れるかが見えてきます。
制作工程ごとにかかるコストの中身
CG制作の費用は、大きく分けて次の工程それぞれに人件費が発生し、その合計が総額になります。
一つ目は企画・絵コンテです。どんなCGを作るか、構成・カメラワーク・演出を設計する工程で、映像案件では総額の10%から20%程度を占めます。ここを疎かにすると、後工程で作り直しが発生して結局高くつきます。
二つ目はモデリング。前述の3Dモデル制作にあたる工程で、作るモノの複雑さに比例します。三つ目はテクスチャ・マテリアル設定(質感付け)。金属の反射、木目、布のシワなど、リアリティを左右する工程です。四つ目はライティング・レンダリング。光を設定し、実際に画像・映像として書き出す計算処理で、高品質なほどコンピューターの処理時間(レンダリング時間)が長くかかり、その分コストに反映されます。
映像の場合はさらに、アニメーション(動きづけ)、コンポジット(合成・仕上げ)、音響(BGM・効果音・ナレーション)が加わります。ナレーションを入れると、声優・アナウンサーの起用費として2万円から10万円程度が別途かかることも覚えておきましょう。
「人月(にんげつ)」で費用を捉える考え方
CG映像制作の見積もりは、「人月」あるいは「人日(にんにち)」という単位で組まれることが多くあります。人月とは「1人が1ヶ月フルで働く工数」のこと。CGクリエイター1人の単価は、スキルや会社によりますが月あたり50万円から120万円程度が目安です。
つまり、ある映像案件が「クリエイター2人で1.5ヶ月」の規模なら、単純計算で3人月ぶんの人件費が土台になります。見積もりが高いと感じたら、「これは何人月ぶんの工数ですか?」と聞いてみると、金額の根拠が見えてきます。工数の水増しがないか、逆に安すぎて品質が担保できるのか、を判断する材料になります。CGクリエイターやソフトウェア開発者の単価水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場のデータも参考になります。制作費の土台にある「人の単価」を知っておくと、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。
修正費用と追加費用の落とし穴
発注者が見落としがちなのが、修正費用です。多くの制作会社では、見積もりに含まれる修正回数が決まっており(例: 2回まで無料)、それを超える修正は追加料金になります。1回の修正で3万円から10万円、大幅な作り直しなら数十万円かかることもあります。
前述の引用にもあったとおり、修正点を減らすには「依頼時に完成形を明確にしておく」ことが最も効きます。曖昧なイメージのまま発注し、出来上がってから「思っていたのと違う」と何度も修正を出すと、費用は際限なく膨らみます。事前に参考画像・参考動画を用意し、「こういう雰囲気で」を具体的に共有することが、結果的に一番の節約になります。加えて、短納期の特急料金(相場の20%から50%増し)も避けたいコストです。スケジュールに余裕を持つだけで、この上乗せは回避できます。
CG制作の費用を賢く抑える発注のポイント
相場を知ったうえで、次に発注者が考えるべきは「どうすれば適正価格で、できれば相場より抑えて依頼できるか」です。品質を落とさずコストを下げる、現実的な方法を挙げます。
依頼範囲と完成イメージを最初に固める
最も効果的なコストダウンは、発注前の準備にあります。前述のとおり、完成イメージが曖昧なままだと修正が増え、修正が増えれば費用が増えます。逆に言えば、依頼範囲と完成形を最初にきっちり固めるだけで、無駄な工数と修正費を大幅に削れます。
具体的には、参考にしたいCG作品のURLや画像を3点ほど集めておく、色・雰囲気・入れたい要素をリスト化する、動画なら尺(秒数)と使う場所(Web/展示会/テレビ)を明記する。これだけで、業者は「作るべきゴール」を正確に把握でき、余計なリスクを見込まない締まった見積もりを出せます。準備の手間を惜しむと、その何倍もの費用として跳ね返ってきます。
複数社から相見積もりを取り、内訳で比較する
CG制作は業者ごとに料金差が大きい領域なので、相見積もりは必須です。ただし、総額だけを並べて「一番安いところ」を選ぶのは危険です。安い見積もりは、工程を省いていたり、修正回数が少なかったり、後から追加費用が乗る構造になっていることがあるためです。
比較すべきは総額ではなく「内訳」です。同じ作業範囲・同じ修正回数・同じ納品形式で揃えて比べて初めて、本当に安いのがどこか分かります。見積もりを取るときは、依頼内容を全社に同じ条件で伝え、「この金額に何が含まれ、何が含まれないか」を明記してもらいましょう。この一手間が、後の「聞いていない追加費用」トラブルを防ぎます。
仲介会社を通さず、フリーランスへ直接依頼する
費用を構造的に下げる方法として見逃せないのが、発注ルートの選択です。大手の映像制作会社や広告代理店を経由すると、制作費に加えてディレクション費・進行管理費・そして中間マージンが上乗せされます。この中間コストは、案件によっては総額の20%から40%にもなります。
一方、実際に手を動かすCGクリエイター(フリーランス)へ直接依頼すれば、この中間マージンが発生しません。同じクリエイターが作る同じ品質のCGでも、仲介を挟むかどうかで発注者の支払額は大きく変わります。近年は在宅ワークのCGクリエイターと発注者を直接つなぐ業務委託マッチングサービスが増えており、こうした場を使えば代理店経由より費用を抑えつつ、腕のいい個人に直接頼めます。
もちろん、フリーランスへの直接依頼にはディレクションを自分でやる手間や、進行管理の責任が発生します。大規模で複雑な案件、社内に管理する人がいない場合は制作会社の一括管理に価値があります。小〜中規模で、依頼内容が明確なCG制作なら、直接依頼のコストメリットが活きやすい。この見極めが大切です。
失敗しないCG制作の外注先の選び方
費用を抑えることばかりに気を取られると、品質やコミュニケーションで失敗します。ここでは、価格以外に見るべき「外注先選びの軸」を整理します。
実績(ポートフォリオ)が依頼内容と合っているか
CG制作を頼む相手を選ぶとき、最優先で見るべきはポートフォリオ(実績作品)です。ただ「うまいかどうか」だけでなく、「あなたが作りたいCGと同じ系統の実績があるか」が重要です。
建築パースが得意な人に医療機器のプロダクトCGを頼んでも、力を発揮しづらい。リアル系3DCGの実績が並ぶ会社に、ポップなアニメ調のCGを頼むとミスマッチが起きます。CGは領域ごとに求められる技術が違うため、「自分の依頼と近いテイスト・近い難易度の実績があるか」を必ず確認しましょう。実績が近いほど、仕上がりの予測がつき、修正も減ります。
見積もりの透明性と対応の丁寧さ
見積もりの出し方には、その業者の姿勢が表れます。「一式 100万円」とだけ書かれた見積もりと、工程ごとに費用が明記され、修正回数や納品形式まで書かれた見積もり。信頼できるのは後者です。内訳が透明な業者は、後からの追加費用トラブルも起きにくい。
また、問い合わせへの返信の速さ、こちらの曖昧な要望を丁寧に言語化してくれるか、といった初動の対応も重要な判断材料です。CG制作は数週間から数ヶ月に及ぶ共同作業。最初のやり取りで「話が通じにくい」「レスポンスが遅い」と感じる相手とは、制作が始まってからもストレスが続きます。技術力と同じくらい、コミュニケーションの相性を見てください。
発注者としての私の失敗談
ここで、私自身が発注側で経験した失敗を共有します。あるプロジェクトで商品紹介の3DCG映像を外注したとき、私は総額の安さだけで発注先を決めてしまいました。相見積もりの中で群を抜いて安く、正直「ラッキー」と思ったのです。
結果は、正直なところこれはどうかと思う、という顛末でした。安さの理由は、修正回数が1回しか含まれておらず、しかも質感の作り込み工程が簡略化されていたこと。上がってきた初稿は、参考に渡したイメージとかけ離れており、修正を出すたびに追加費用が積み上がりました。最終的な支払総額は、最初に「高い」と感じて見送った別の見積もりを上回っていました。総額の数字だけを見て、内訳と修正条件を確認しなかった。この一点が失敗の原因です。
この経験から学んだのは、CG制作において「安い見積もり」は必ず理由がある、ということです。その理由(省かれた工程、少ない修正回数、狭い作業範囲)を確認せずに飛びつくと、後で必ず精算で跳ね返ってきます。内訳を揃えて比較する。修正条件を必ず確認する。この2つは、私が身をもって学んだ鉄則です。
CG制作を外注する際の依頼の流れ
初めてCG制作を外注する発注者向けに、問い合わせから納品までの一般的な流れを整理します。全体像を知っておくと、各段階で何を準備・確認すべきかが見えます。
問い合わせから見積もりまで
最初のステップは、業者・クリエイターへの問い合わせです。このとき、前述の「完成イメージの準備物」(参考作品・要素リスト・尺・用途)を添えて相談すると、精度の高い見積もりが返ってきます。逆に「CG動画を作りたいのですが、いくらですか?」だけでは、業者も答えようがなく、話が前に進みません。
見積もりを受け取ったら、内訳・修正回数・納期・納品形式(データ形式や解像度)を確認します。不明点はこの段階で全部潰しておきましょう。契約前の質問はいくらでもできますが、契約後・制作開始後の条件変更は追加費用の温床です。相見積もりを取る場合は、この段階で複数社に同条件で相談します。
契約・制作・納品
依頼先が決まったら、契約を交わします。金額・納期・修正回数・著作権の帰属・支払条件を書面(またはメール)で明確にしておくことが、後のトラブル回避に直結します。特に「作ったCGデータの著作権や利用範囲がどちらに帰属するか」は、後で二次利用したいときに問題になりやすいので、必ず確認してください。業務委託で発注する際の契約や進め方の基本は、CG以外の制作外注にも共通するので目を通しておくと安心です。
制作が始まったら、初稿(ラフ・絵コンテ)の段階でしっかり方向性をすり合わせるのが肝心です。方向性が固まる前のラフ段階でこそ、大きな修正を出すべき。作り込みが進んでから根本的な修正を出すと、工数が跳ね上がり追加費用の原因になります。「早い段階で、大きな方向性の確認」「後半は細部の微調整だけ」という順序を意識すると、修正費を抑えられます。
市場動向とCGクリエイターの供給から見る費用の今後
ここからは、発注者が中長期で外注戦略を立てるうえで役立つ、市場のマクロな視点を加えます。CG制作の相場は、需要と供給、そして技術トレンドによって少しずつ動いています。
CG需要の広がりと価格帯の二極化
かつてCG制作は、テレビCMや映画といった大型予算の案件が中心でした。しかし近年は、ECサイトの商品CG、SNS用のショート動画、Webサイトのビジュアル、メタバースやXR向けの3Dアセットなど、CGの用途が一気に広がっています。この裾野の拡大により、「手頃な価格帯のCG制作」の需要が急増しています。
その結果、市場は二極化しています。テレビCMや大型プロモーション向けのハイエンド案件(数百万円規模)と、Web・SNS向けの手頃なCG制作(数万円〜数十万円)に分かれてきているのです。発注者にとってこれは追い風で、「用途に合った価格帯の作り手」を選べる選択肢が増えたことを意味します。過剰品質に高い金を払う必要はなく、Web用なら手頃な価格帯の作り手で十分、という判断がしやすくなっています。
技術進化がもたらすコスト構造の変化
CG制作のツールは年々進化しており、リアルタイムレンダリング技術やAIを活用した効率化により、以前は膨大な時間がかかった工程が短縮されつつあります。レンダリング時間の短縮は、そのままコスト削減につながる可能性があります。
一方で、AIやツールが進化しても、「何を、どう見せるか」という企画・演出・ディレクションの価値は下がりません。むしろ、作業が効率化されるほど、センスと構成力を持つクリエイターの価値が相対的に上がります。発注者としては、「単純作業の工数」で払う費用は下がる余地がある一方、「企画・演出」への投資はケチるべきでない、という費用配分の意識を持つとよいでしょう。
CGクリエイターとしての専門性を測る指標の一つに検定資格もあります。たとえばCGクリエイター検定は、CG制作の基礎知識・技術を体系的に問う資格で、発注先の力量を推し量る一つの参考材料になります。もちろん資格がすべてではありませんが、実績と併せて見ると判断材料が増えます。
運営者として見てきた「直接取引」の実際
20年近くフリーランス・在宅ワークの市場を運営してきた立場から、費用の話に一つ現場感を添えておきます。CG制作に限らず、制作系の外注で「安く・良く」を両立している発注者には、共通点があります。それは、単発の発注で終わらせず、相性の合ったクリエイターと継続的な関係を築いている、という点です。
一度一緒に仕事をして、こちらの好みや事業の背景を理解してくれた作り手は、二度目以降、少ない指示で意図を汲んでくれます。すり合わせの往復が減れば、その分だけ修正コストも交渉コストも下がる。長く続く発注者ほど、毎回ゼロから業者を探すのではなく、「この人に任せると楽」という関係づくりに時間を使っています。これは金額表には表れない、けれど確実に効くコストダウンです。
そして、中間マージンが乗らない直接取引には、金額以上の意味があります。仲介手数料が引かれない分、同じ予算でも発注者はより多くの作業を頼め、受け手のクリエイターは手取りが厚くなる。すると作り手のモチベーションが上がり、次も丁寧に応えてくれる。手数料0%の直接取引が生むのは、単に「安い」という一点ではなく、「双方が納得して長く付き合える」という質の高い関係です。20年見てきて、この構造で回っている発注者ほど、CG制作でも安定して良いものを手にしています。
@SOHO独自データから見るCG制作外注の考察
在宅ワーク・業務委託のマッチングを長く運営してきた視点から、CG制作の外注市場を客観的に考察します。
CG・3DCGの制作は、スキルの専門性が高く、しかも領域が細かく分かれる職種です。建築パース、プロダクトCG、キャラクターモデリング、映像アニメーション。これらはひとくくりに「CGクリエイター」と呼ばれますが、実際には求められる技術がかなり異なります。発注者側から見ると、この「専門の細分化」を理解しているかどうかで、外注の成否が分かれます。自分の依頼がどの専門領域に属するかを見極め、その領域の実績を持つ作り手に頼む。当たり前のようで、ここを外すと費用も品質も期待から外れます。
費用の観点では、CG制作は「作り手の単価×工数」という構造が明確な職種です。だからこそ、中間マージンの有無が支払総額に直結します。制作会社経由と個人への直接依頼で、同じ品質でも支払額が変わるのは、この構造ゆえです。発注者が相場より抑えたいなら、まず「この依頼は制作会社の一括管理が必要な規模か、個人への直接依頼で足りる規模か」を判断すること。中〜小規模で依頼内容が明確なら、直接取引のコストメリットは大きくなります。
関連する制作外注の相場観として、Webサイト制作の外注費用相場|失敗しない発注のコツ【2026年版】や記事制作・ライティングの外注費用相場|文字単価の適正価格【2026年版】も、発注の考え方が共通しているので参考になります。制作系の外注は、CGに限らず「完成イメージの共有」「内訳での比較」「直接取引によるコスト削減」という原則が効きます。また、より専門性の高い技術外注の相場観としては【SOC運用外注費用】24時間365日の監視体制!SOCアウトソーシングの相場と選び方のような事例も、専門職種の費用構造を理解する助けになります。
最後に、外注先の技術水準を測る参考として、CG以外の隣接スキルにも触れておきます。CG制作者はしばしば映像編集やWebの知識も併せ持ちますが、たとえばネットワークやインフラのCCNA(シスコ技術者認定)のようなIT系資格とは領域が異なります。CGの発注では、ネットワーク系ではなくビジュアル・映像系の実績と資格を軸に判断してください。編集・ライティングを兼務する作り手を探すなら著述家,記者,編集者の年収・単価相場の単価水準も、複合スキルの費用感を掴む材料になります。
CG制作の費用相場は、静止画で数万円から、映像で1分100万円超まで幅広く分布します。大切なのは、自分の依頼が相場のどの帯に入るかを見極め、内訳で複数社を比較し、規模に応じて直接取引のコストメリットを活かすこと。この3点を押さえれば、初めての外注でも「高すぎる見積もり」を掴まされることなく、適正価格で望む品質のCGを手にできるはずです。
なお、関連テーマを扱った周年記念動画を外注する費用|社史・沿革を映像化する料金と依頼のコツ 2026もあわせて参考にしてください。
なお、関連テーマを扱ったピクトグラム制作を外注する費用|サイン計画に使う際の発注範囲 2026もあわせて参考にしてください。
よくある質問
Q. CG制作の費用相場はどれくらいですか?
静止画CG(3DCGパース・商品CG)は1点3万円〜30万円程度、動く映像(3DCGアニメーション)は1分あたり100万円〜280万円程度が目安です。同じ「CG制作」でも静止画か映像かで相場が10倍以上変わるため、まず自分の依頼がどちらかを明確にしましょう。品質・秒数・修正回数でも大きく変動します。
Q. CG制作を安く外注するにはどうすればいいですか?
最も効くのは、発注前に完成イメージを固めて修正回数を減らすことです。参考画像や尺・用途を具体的に伝えるほど見積もりが締まります。加えて、実写+CG合成でフルCGを避ける、余裕あるスケジュールで特急料金を回避する、代理店を通さずフリーランスへ直接依頼して中間マージンを省く、といった方法が有効です。
Q. 制作会社とフリーランスへの直接依頼、どちらが良いですか?
大規模で複雑、社内に管理担当がいない案件は制作会社の一括管理に価値があります。一方、中〜小規模で依頼内容が明確なCG制作なら、フリーランスへの直接依頼が有利です。中間マージンが乗らない分、同じ品質でも支払額を20〜40%ほど抑えられます。自分でディレクションできるかで判断しましょう。
Q. CG制作の見積もりで確認すべきポイントは何ですか?
総額だけでなく「内訳」を必ず確認してください。含まれる作業範囲、無料の修正回数、納期、納品形式(データ形式・解像度)、追加費用が発生する条件を明記してもらいます。相見積もりは全社に同じ条件で依頼し、揃えて比較することが重要です。安い見積もりには必ず理由(省かれた工程・少ない修正回数)があります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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