CG制作を外注する費用相場|静止画と映像で変わる料金の目安 2026


この記事のポイント
- ✓CG制作の費用相場を発注者目線で徹底解説
- ✓静止画(3DCGパース・商品CG)と映像(3DCGアニメーション)で料金は大きく変わります
- ✓コストを抑える依頼のコツ
CG制作を外注しようと見積もりを取ってみたら、A社は30万円、B社は250万円。桁が一つ違って、正直どう判断すればいいのか分からなくなった、という声をよく聞きます。結論から言うと、CG制作の費用は「静止画か映像か」「2Dか3Dか」「秒数と品質」で相場が10倍以上ぶれるため、まず自分の依頼が相場のどの帯に入るのかを見極めることが第一歩です。この記事では、発注者が「いくらで・どこに・どう頼めばいいか」を判断できるように、用途別の費用相場、3DCGの依頼相場、見積もりの取り方と見積書の読み方、契約で詰めるべき条件、コストを抑える依頼のコツを、市場データと実務の視点で整理します。
CG制作は、料金体系が業者ごとにバラバラで、初めての発注者には割高な見積もりなのか適正なのか判断しづらい領域です。だからこそ相場観を持って複数社を比較することが、無駄な出費を防ぐ最大の防御になります。この記事を読み終えるころには、あなたの依頼に対して「これくらいなら妥当」「これは高すぎる」という判断軸が持てるようになっているはずです。
CG制作の費用相場は「静止画」と「映像」で桁が変わる
CG制作の費用を語るうえで最初に押さえるべきは、「静止画のCG」と「動く映像のCG」では相場が根本的に違うという点です。ここを混同したまま見積もりを見ると、金額の妥当性を永遠に判断できません。
静止画CG、たとえば建築パース1枚、商品の3DCG画像1点であれば、相場はおおむね3万円から30万円程度です。一方、3DCGを使った映像(アニメーション動画)になると、1分あたり100万円から280万円という帯に跳ね上がります。同じ「CG制作」という言葉でも、この差は約10倍から数十倍。まずは自分の依頼が「点(静止画)」なのか「動画(映像)」なのかを明確にしましょう。
依頼内容別の費用早見表(まずここで自分の依頼を当てはめる)
検索してこのページに来た方が最初に知りたいのは、おそらく「自分の依頼はいくらか」の一点だと思います。細かい理屈は後回しにして、まず下の早見表で自分の依頼に近い行を探してください。金額はすべて発注者が支払う目安であり、税別・1件あたりの幅として示しています。
| 依頼内容 | 単位 | 費用の目安 | 主な変動要因 |
|---|---|---|---|
| 3Dモデリング(シンプルな無機物) | 1モデル | 1万円〜10万円 | 形状の複雑さ、パーツ数 |
| 3Dモデリング(工業製品・機械) | 1モデル | 10万円〜50万円 | 精度、内部構造の再現 |
| 3Dモデリング(人物・キャラクター) | 1体 | 30万円〜100万円超 | 造形の作り込み、リグの有無 |
| 建築パース(内観) | 1カット | 3万円〜10万円 | 家具・小物の作り込み |
| 建築パース(外観) | 1カット | 5万円〜15万円 | 周辺環境、植栽、時間帯表現 |
| 製品CG(プロダクト静止画) | 1カット | 2万円〜20万円 | 透明・金属など質感の難度 |
| 製品CGの追加アングル | 2カット目以降 | 初回の3割〜6割 | モデル流用の可否 |
| キャラクターイラスト・キービジュアル | 1点 | 5万円〜50万円 | 用途、描き込み量、権利範囲 |
| 簡易3DCGアニメーション | 30秒 | 30万円〜80万円 | 質感の作り込み度合い |
| 標準的な3DCG映像 | 60秒 | 100万円〜140万円 | モデル数、カット数 |
| ハイエンド3DCG映像(CM等) | 30秒 | 150万円〜300万円超 | 演出、実写合成、音響 |
| 実写+CG合成 | 1カット | 10万円〜80万円 | 合成点数、トラッキング難度 |
| 既存3Dデータの流用・改変 | 1件 | 数千円〜5万円 | データ形式、修正量 |
この表を見ると、CG制作の費用は「作る対象そのもの」より「その対象を何秒動かすか」「どこまで質感を追い込むか」で決まっていることが分かります。同じ商品でも、静止画1枚なら数万円、それを回転させる15秒の映像にすると数十万円、CMクオリティにすると数百万円。発注前に「本当に動かす必要があるのか」を一度立ち止まって考えるだけで、予算は大きく変わります。
なぜここまで開くのか。理由はシンプルで、映像は「静止画を1秒間に24枚から30枚、連続で成立させる」必要があるからです。30秒の動画なら、動きの設計(アニメーション)、光の当たり方(ライティング)、質感(テクスチャ)、これらすべてを時間軸の中で破綻なく作り込む工数が発生します。静止画は「その一瞬だけ完璧ならいい」のに対し、映像は「動き続ける全フレームで完璧」でなければならない。この工数差が、そのまま費用差になっています。
CG映像制作の相場については、制作会社の解説でも次のように示されています。
CG制作の相場は1分の動画で大体100~140万円という目安があります。費用は作業時間と工数により変わります。CGの用途によって制作工程も変わるので、費用も一律ではありません。料金体系も会社によって異なるため、依頼時は複数社に見積もりを取ってよく検討することが大事です。費用を抑えたい場合は、スケジュールに余裕を持って依頼しましょう。短納期になると特急料金が加算されるため、相場より費用が高くなることがあります。また、修正にも料金がかかるため修正点が少なくて済むよう依頼時に完成形を明確にしておくことをお奨めします。 出典: ntvart.co.jp
この引用が示すとおり、相場はあくまで「目安」であり、実際の費用は工数・用途・納期・修正回数で変動します。発注者としては、この変動要因を一つずつ理解しておくことが、適正価格を見抜く鍵になります。
なぜCG制作の見積もりは業者によって大きくぶれるのか
同じ依頼内容でも見積もりが数倍違うのは、CG制作が「決まった単価表のない受注生産」だからです。工場で作る規格品ではなく、案件ごとにゼロから設計する完全オーダーメイド。そのため、業者の規模、抱えているクリエイターのスキル、使用ソフト、そして「その案件をやりたいかどうか」の温度感まで、見積もりに反映されます。
具体的には、大手の映像制作会社は営業・ディレクター・進行管理・複数のCGアーティストという体制でチームを組むため、その人件費が積み上がって高くなります。一方、フリーランスのCGクリエイターに直接依頼すると、中間の管理コストが乗らない分、同じクオリティでも見積もりが下がるケースが多くあります。この「体制の違い」が金額差の正体の一つです。
もう一つの要因は、業者側の「得意分野との相性」です。建築パースが得意な会社に商品CGを頼めば、慣れない分だけ工数見積もりが保守的(つまり高め)になります。逆に、依頼内容がその会社の主戦場なら、効率よく作れるため見積もりが締まります。相見積もりを取るときは、単に安い高いだけでなく「この会社はこの種類のCGが本当に得意か」も見るべきです。
用途によって相場が変わる理由を理解する
CG制作の費用は用途によって変わります。これは、用途ごとに求められる品質基準と制作工程が違うためです。テレビCMで流す3DCGと、社内マニュアル用の説明CGでは、求められるリアリティも作り込みも別物です。この点について、制作会社は次のように説明しています。
CG制作費用の相場を用途ごとに分けて紹介します。CGの用途によって制作工数が異なるため、かかる費用も変わります。なお、ここで紹介する相場は一般的なものです。ケースバイケースのため、実際の費用を把握するには業者との相談が必要です。 出典: ntvart.co.jp
用途を明確にすることは、費用を適正化する第一歩です。「なんとなくかっこいいCGが欲しい」ではなく、「展示会ブースで流す30秒の商品紹介CG」「ECサイトに載せる商品の360度回転CG」のように用途と使う場所を具体化するほど、業者も過不足のない見積もりを出せます。曖昧な依頼は、業者側がリスクを見込んで高く見積もる原因になります。
3DCGの依頼相場を用途別に詳しく見る
早見表で自分の依頼のあたりをつけたら、次はその金額が「なぜその幅なのか」を用途別に理解します。同じ3DCGでも、モデリング単体なのか、パースなのか、動かすのかで、見積もりに効いてくる変数がまったく違います。ここを押さえておくと、業者の説明が妥当かどうかをその場で判断できるようになります。
3Dモデリング単体を依頼するときの相場
3Dモデル単体の制作費用は、「作るモノの複雑さ」でほぼ決まります。3Dモデルとは、CG映像やCG画像の元になる立体データそのものです。モデルだけを納品してもらい、レンダリング(画像として書き出す作業)は自社でやる、という発注の仕方もあります。
シンプルな無機物(箱、ボトル、家具など直線・曲面が単純なもの)は、1モデルあたり1万円から10万円程度。工業製品や機械のように、パーツが多く精密なものは10万円から50万円に上がります。
もっとも高くなるのは人体・キャラクターのモデルです。人物の3Dモデルは、骨格・筋肉・顔の作り込み、さらに動かすための「リグ(骨組み)」設定まで含めると30万円から100万円以上。リアルな人肌や毛髪の表現を求めるほど、青天井に近づきます。
3Dモデリングを依頼するとき、見積もりを大きく左右する条件は次の4つです。発注前にこの4点を決めておくと、金額のぶれが一気に小さくなります。
| 決めておく条件 | 具体例 | 費用への影響 |
|---|---|---|
| 用途(静止画か、動かすか) | 静止画1枚だけ/30秒の映像で回す | 動かす前提だとリグ設定が加算 |
| ポリゴン数の上限 | ゲーム用に1万ポリゴン以内 | 制約が厳しいほど手間が増える |
| 納品データ形式 | fbx/obj/glb/blend | 変換作業が別料金のことがある |
| 元資料の有無 | CADデータあり/写真のみ | CADがあれば大幅に短縮できる |
特に効くのが「元資料の有無」です。製品の設計データ(CAD)を渡せる場合、モデリング工数は劇的に減ります。写真数枚から形状を推測して作る場合と、正確な寸法データがある場合とでは、同じ製品でも見積もりが半分以下になることがあります。手元にCADや図面があるなら、最初の問い合わせの時点で「渡せます」と伝えてください。
もう一つ、発注時に必ず伝えるべきなのが「静止画で使うだけか、動かす(アニメーションさせる)のか」です。動かす前提だと、動きに耐えるモデル構造とリグ設定が必要で、費用が跳ね上がります。逆に、静止画にしか使わないのにリグ込みで見積もられていたら、その分は削れる余地があります。
建築パース(外観・内観)を依頼するときの相場
建築・インテリアの3DCGパース(完成予想図)は、1カットあたり3万円から15万円程度が目安です。シンプルな内観であれば下限に近く、街並みを含む複雑な外観パースや、家具・小物まで作り込むハイクオリティなものは上限を超えることもあります。
建築パースの見積もりで変動幅が大きいのは、次の要素です。
・外観か内観か(外観は周辺環境・植栽・空の表現が必要で高くなりやすい) ・昼景か夜景か(夜景は照明計画の再現が必要で加算されることが多い) ・人物や車などの添景をどこまで入れるか ・図面の完成度(実施設計レベルの図面があるか、ラフスケッチだけか) ・カット数(同じ建物の別アングルは2カット目以降が安くなる)
パースは「同じ建物で複数カット」を頼むほど1カットあたりの単価が下がる典型例です。1カットだけ頼んで後から追加すると、モデルデータの再セットアップが発生して割高になることがあります。必要なカットは最初にまとめて相談するのが得策です。
製品CG(プロダクトCG)を依頼するときの相場
商品の3DCG画像は、1点あたり2万円から20万円程度。形状がシンプルな箱状の製品なら安く、宝飾品のような複雑な形状・透明感・金属反射を求めるものは高くなります。
ECサイト用に同じ商品を複数アングルで作る場合、2カット目以降は1カット目より安くなるのが一般的です。3Dモデルを一度作れば、あとはカメラアングルとライティングを変えるだけで済むためです。この構造を知っていれば、「1点だけ試しに」と頼むより「まとめて6カット」で相談したほうがトータルで安くなることが分かります。
製品CGで発注者が判断を迷いやすいのが、「写真撮影とCG、どちらが安いか」という比較です。おおまかには次のように考えると整理しやすくなります。
| 条件 | 有利なのは | 理由 |
|---|---|---|
| 実物がすでにある・1〜2カットだけ | 写真撮影 | スタジオ撮影のほうが早くて安い |
| 実物がまだない(発売前・試作段階) | CG | 撮るものがないのでCGしか選べない |
| 色違い・サイズ違いが多数ある | CG | 1モデルから色替えを量産できる |
| 内部構造や断面を見せたい | CG | 撮影では不可能な表現ができる |
| 毎年カタログで使い回す | CG | 初期費用は高いが2年目以降が安い |
色違いのバリエーションが多い商品は、CGの費用対効果がとくに高くなります。1つのモデルを作ってしまえば、色や素材を差し替えるだけで何十点ものカットが作れるため、2点目以降の単価は数千円台まで落ちることもあります。見積もりを取るときは「色違いが20点あります」と最初に伝え、バリエーション単価を別建てで出してもらいましょう。
キャラクターCG・イメージビジュアルを依頼するときの相場
キャラクターや背景のイメージCG(2D・3D問わず)は、用途と作り込みで幅が大きく、5万円から50万円と広く分布します。ゲームやアプリで使う量産系のアセットは単価が抑えられる一方、キービジュアルのような「顔」になる1枚は高くなります。
キャラクター系の発注で費用を左右する最大の変数は、実は絵柄の難しさではなく「権利の範囲」です。SNSで1回使うだけなのか、商品パッケージに恒久的に使うのか、グッズ展開まで想定するのか。利用範囲が広がるほど見積もりは上がります。逆に言えば、使う範囲を正直に、かつ必要最小限で伝えることが、無駄な上乗せを避けるコツです。範囲を曖昧にしたまま安く発注し、後から用途を広げると、追加の使用料を請求されて結局高くつきます。
こうした2Dビジュアルやバナー系の素材制作を外注したい場合、どんな依頼形態があるかはサムネイル・バナー・素材制作のお仕事で発注側の視点から確認できます。CGと写真加工を組み合わせた素材づくりの相場感も掴めます。
3DCGアニメーションの尺別・品質別の相場
映像系のCGは、前述のとおり1分あたり100万円超が一つの目安です。ただし「1分いくら」という単価だけで判断するのは危険で、実際は品質グレードによって同じ秒数でも大きく変わります。尺と品質を掛け合わせた目安は次のとおりです。
| 尺 | 簡易グレード(図解・説明系) | 標準グレード(Web・展示会) | ハイエンド(CM・大型販促) |
|---|---|---|---|
| 15秒 | 15万円〜40万円 | 40万円〜80万円 | 80万円〜200万円 |
| 30秒 | 30万円〜80万円 | 70万円〜150万円 | 150万円〜300万円 |
| 60秒 | 60万円〜120万円 | 100万円〜250万円 | 250万円〜500万円 |
| 90秒以上 | 尺に比例して加算 | カット数次第で逓減も | 案件ごとの個別見積もり |
尺が倍になっても費用が単純に倍にならない場合があります。理由は、モデリングやテクスチャなどの「一度作れば使い回せる工程」が先に完了しているためです。30秒で作った3Dモデルをそのまま使って60秒版を作るなら、追加はアニメーションとレンダリングの工数だけで済みます。将来的に長尺版や別バージョンを作る可能性があるなら、最初の相談の時点で伝えておくと、後の追加が安くなる組み方をしてもらえます。
CG映像の相場について、別の制作会社の資料では次のような目安も示されています。
1分間の3DCG映像の制作にかかる費用は120万円程~が相場です。CGの制作難易度や業者によって費用が変動します。 出典: proox.co.jp
映像を発注するときのコツは、「フルCGにこだわらない」ことです。実写映像に一部だけCGを合成する(実写とCGの合成)方式にすれば、全編CGよりコストを大きく抑えられます。全部をCGで作る必然性がないなら、実写で撮れる部分は撮り、CGでしか表現できない部分だけをCG化する。この切り分けが費用最適化の要です。
CG制作の見積もりの取り方と見積書の読み方
相場が分かっても、実際に見積もりを取る段階でつまずく発注者は多いものです。「何を伝えれば正確な金額が返ってくるのか」「返ってきた見積書のどこを見ればいいのか」。この2つを押さえるだけで、外注の失敗確率は大きく下がります。
見積もり依頼の前に用意しておく情報リスト
問い合わせの時点で次の項目が揃っていれば、業者は推測でリスクを積む必要がなくなり、締まった金額を出せます。逆にこれらが不明なままだと、業者は最悪ケースを想定して高めに見積もらざるを得ません。準備の有無が、そのまま金額に効きます。
| 伝える項目 | 記入例 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 制作物の種類 | 3DCG静止画/3DCG映像/実写合成 | 相場の帯が決まる |
| 用途・掲載先 | 自社ECの商品ページ、展示会ブースの大型モニター | 必要な解像度と品質が決まる |
| 数量・尺 | 静止画6カット/映像30秒 | 工数の土台になる |
| 対象物の資料 | CADデータあり、実物の写真10枚あり | モデリング工数が大きく変わる |
| 参考イメージ | 参考URLを3点、テイストの説明を添えて | 品質グレードの認識を揃える |
| 希望納期 | 初稿を3週間後、最終納品を6週間後 | 特急料金の有無が決まる |
| 予算の上限 | 税別50万円以内 | 予算に合う提案を出してもらえる |
| 修正回数の想定 | 社内確認が2段階あるので3回想定 | 修正条件を最初から織り込める |
| 納品形式 | mp4(H.264)/png(4000px以上) | 変換や書き出しの追加を防ぐ |
| 利用範囲 | 自社サイトと展示会。二次利用の予定なし | 権利の上乗せを最小化できる |
予算を先に言うと足元を見られるのでは、と心配する方がいますが、CG制作に関しては上限を伝えたほうが得をするケースが多いと感じます。CGは品質をどこまでも上げられる仕事なので、予算を伝えないと業者は「フルスペック」で組んでしまい、金額を見て双方が仕切り直す往復が発生します。上限を伝えれば、その範囲でどこに力を入れるかという提案が返ってきます。
そのまま使える見積もり依頼文の例
問い合わせフォームやメールに書く文面の例を挙げます。自社の条件に置き換えてそのまま使えます。
株式会社◯◯ ご担当者様
はじめまして。株式会社△△の□□と申します。
自社製品の3DCG制作をご相談したく、ご連絡いたしました。
■ 制作をお願いしたいもの
・自社製品(据置型の電子機器、幅40cm程度)の3DCG静止画
・6カット(正面/斜め/背面/使用イメージ/内部構造カット/サイズ比較)
■ 用途と掲載先
・自社ECサイトの商品ページ
・A4カタログへの掲載(印刷)
■ こちらでご用意できる資料
・製品のCADデータ(STEP形式)
・実物の写真(各アングル計20枚)
・ロゴおよび製品名のデータ(ai形式)
■ 参考イメージ
・(参考にしたいテイストのURLを3点)
・写真のような実写感より、清潔感のある明るいトーンを希望します
■ 納品形式
・png(長辺4000px以上、背景透過あり/なし両方)
■ 希望スケジュール
・初稿:ご発注から3週間以内
・最終納品:ご発注から6週間以内
■ ご予算の目安
・税別40万円以内を想定しています
つきましては、以下をご記載のうえお見積もりをいただけますでしょうか。
(1)工程ごとの内訳(モデリング/質感設定/ライティング/レンダリング)
(2)お見積もりに含まれる修正回数と、超過した場合の1回あたりの費用
(3)納品データの著作権および利用範囲の扱い
(4)追加費用が発生する条件
ご不明な点がございましたら遠慮なくお知らせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
この文面の要点は、最後の4項目を「見積もりに書いてください」と明示的にお願いしている点です。内訳・修正回数・権利・追加条件は、こちらから求めないと書かれないことがあります。求めておけば、相見積もりの比較が同じ土俵でできるようになります。
見積書の項目ごとの意味と、見るべきポイント
返ってきた見積書は、業者ごとに項目名が違います。ただ、実質的に指しているものは共通しているので、下の対応表を手元に置いて読み解いてください。
| 見積書の項目名 | 実際に何の費用か | 発注者が確認すべき点 |
|---|---|---|
| 企画費/構成費/絵コンテ費 | 何をどう見せるかの設計 | 絵コンテの枚数と修正回数 |
| ディレクション費 | 制作全体の指揮・品質管理 | 総額に対して過大でないか |
| モデリング費 | 立体データの作成 | 対象点数と、流用の可否 |
| テクスチャ費/マテリアル費 | 質感の設定 | 実物との色合わせを含むか |
| ライティング費 | 光の設計 | カットごとに加算されるか |
| レンダリング費 | 画像・映像への書き出し | 解像度と再レンダリングの扱い |
| アニメーション費 | 動きの付与 | 秒数とカット数の内訳 |
| コンポジット費/編集費 | 合成・仕上げ | テロップや色調整を含むか |
| 音響費/ナレーション費 | BGM・効果音・読み上げ | 音源の使用許諾範囲 |
| 素材費/ライセンス費 | 購入素材、フォント、音源 | 買い切りか期間利用か |
| 進行管理費 | 日程・やり取りの管理 | 何に対する対価か説明があるか |
| 諸経費 | 通信費・データ保管など | 総額に対する比率が妥当か |
見積書を読むときに最初に見るべきは、合計額ではなく「含まれないもの」の欄です。多くのトラブルは、金額の高低ではなく「入っていると思っていたものが入っていなかった」ことから起きます。ナレーション、BGMの使用料、印刷用の高解像度書き出し、納品後のデータ保管、これらは別料金になりやすい代表格です。
「一式」としか書かれていない見積もりへの対処
「CG制作一式 1,200,000円」のような見積もりが返ってきたら、そのままでは比較も交渉もできません。この場合は、次のように分解をお願いします。角が立たない聞き方の例です。
お見積もりありがとうございます。
社内稟議にかける都合で、恐れ入りますが内訳をいただけますでしょうか。
・工程ごとの費用(企画/モデリング/質感/ライティング/レンダリング/編集)
・お見積もりに含まれる修正回数
・修正が超過した場合の1回あたりの費用
・お見積もりに含まれないもの(別途費用が発生するもの)
比較検討のためではなく、社内説明のために必要な資料となりますので、
概算のレベルで構いません。よろしくお願いいたします。
「社内稟議のため」という理由を添えると、値切り交渉と受け取られずに内訳を出してもらいやすくなります。内訳を出すこと自体を渋る業者は、その後の進行でも情報開示が不透明になりがちなので、その反応自体が判断材料になります。
相見積もりを同じ条件で揃えるチェックリスト
相見積もりは、条件がずれていると比較の意味がありません。全社に同じ条件を伝え、返ってきた見積もりを次の観点で並べてください。
・作業範囲は同じか(企画からか、絵コンテ支給後からか) ・数量と尺は同じか(カット数、秒数) ・品質グレードの前提は揃っているか(参考URLを全社に同じものを渡す) ・修正回数は同じ前提か(無料修正の回数と、その定義) ・納品形式は同じか(解像度、ファイル形式、素材データの有無) ・著作権と利用範囲の条件は同じか ・納期は同じか(片方だけ特急料金が乗っていないか) ・支払条件は同じか(一括後払いか、着手金ありか)
この8項目を揃えたうえで、はじめて総額の比較に意味が出ます。逆に言えば、この8項目のどれか一つでもずれていれば、金額差はそのずれで説明がついてしまい、業者の実力差を見ていることにはなりません。
CG制作費用の「内訳」を知れば見積もりが読める
見積もり書を見て「この金額の根拠は何か」と感じたことはないでしょうか。CG制作費は複数の工程費の合算です。内訳を理解すれば、見積もりのどこにお金がかかっているか、どこを削れるかが見えてきます。
制作工程ごとにかかるコストの中身
CG制作の費用は、大きく分けて次の工程それぞれに人件費が発生し、その合計が総額になります。
一つ目は企画・絵コンテです。どんなCGを作るか、構成・カメラワーク・演出を設計する工程で、映像案件では総額の10%から20%程度を占めます。ここを疎かにすると、後工程で作り直しが発生して結局高くつきます。
二つ目はモデリング。前述の3Dモデル制作にあたる工程で、作るモノの複雑さに比例します。三つ目はテクスチャ・マテリアル設定(質感付け)。金属の反射、木目、布のシワなど、リアリティを左右する工程です。四つ目はライティング・レンダリング。光を設定し、実際に画像・映像として書き出す計算処理で、高品質なほどコンピューターの処理時間(レンダリング時間)が長くかかり、その分コストに反映されます。
映像の場合はさらに、アニメーション(動きづけ)、コンポジット(合成・仕上げ)、音響(BGM・効果音・ナレーション)が加わります。ナレーションを入れると、声優・アナウンサーの起用費として2万円から10万円程度が別途かかることも覚えておきましょう。
工程ごとの費用配分は案件によって変わりますが、発注者としては「どの工程に予算が寄っているか」を見ると、その業者が何を重視しているかが分かります。企画に厚く配分している見積もりは演出重視、モデリングに寄っている見積もりは造形の精度重視です。自分の目的と配分が合っているかを確認してください。
「人月(にんげつ)」で費用を捉える考え方
CG映像制作の見積もりは、「人月」あるいは「人日(にんにち)」という単位で組まれることが多くあります。人月とは「1人が1ヶ月フルで働く工数」のこと。CGクリエイター1人の単価は、スキルや会社によりますが月あたり50万円から120万円程度が目安です。
つまり、ある映像案件が「クリエイター2人で1.5ヶ月」の規模なら、単純計算で3人月ぶんの人件費が土台になります。見積もりが高いと感じたら、「これは何人月ぶんの工数ですか」と聞いてみると、金額の根拠が見えてきます。工数の水増しがないか、逆に安すぎて品質が担保できるのか、を判断する材料になります。CGクリエイターやソフトウェア開発者の単価水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場のデータも参考になります。制作費の土台にある「人の単価」を知っておくと、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。
修正費用と追加費用の落とし穴
発注者が見落としがちなのが、修正費用です。多くの制作会社では、見積もりに含まれる修正回数が決まっており(例: 2回まで無料)、それを超える修正は追加料金になります。1回の修正で3万円から10万円、大幅な作り直しなら数十万円かかることもあります。
さらに注意したいのが、「修正1回」の定義が業者ごとに違うことです。次のどれに当たるかで、実質的な修正可能量がまるで変わります。
| 「修正1回」の解釈 | 発注者にとっての意味 |
|---|---|
| 1回の連絡でまとめて出した指摘すべてで1回 | もっとも発注者に有利。指摘は必ずまとめて出す |
| 指摘項目1件につき1回 | 実質ほぼ修正できない。要注意 |
| 工程の区切りごとに1回 | 一般的。工程を戻る修正は追加になりやすい |
| 軽微な修正は無制限、方向転換は追加 | 「軽微」の線引きを事前に確認する |
契約前に「修正1回の数え方」を確認しておくだけで、後の請求額が数十万円変わることがあります。これは値切りではなく、条件の確認です。遠慮なく聞いてください。
前述の引用にもあったとおり、修正点を減らすには「依頼時に完成形を明確にしておく」ことが最も効きます。曖昧なイメージのまま発注し、出来上がってから「思っていたのと違う」と何度も修正を出すと、費用は際限なく膨らみます。事前に参考画像・参考動画を用意し、「こういう雰囲気で」を具体的に共有することが、結果的に一番の節約になります。加えて、短納期の特急料金(相場の20%から50%増し)も避けたいコストです。スケジュールに余裕を持つだけで、この上乗せは回避できます。
契約時に詰めておく条件と、条項の書き方例
CG制作は納品後に「使いたい場所で使えない」「データをもらえない」というトラブルが起きやすい分野です。金額が固まったら、次の項目を書面に落としてください。以下は発注者側から提示する条項の書き方例です。専門的な内容を含む契約は、必要に応じて専門家に確認したうえで使ってください。
修正回数と修正範囲の定め方
第◯条(修正)
1. 本件業務における無償修正は、初稿提出後に発注者が通知する
修正指示を1回分として、合計3回までとする。
2. 発注者が1通の連絡においてまとめて通知した複数の指摘は、
全体で1回の修正とみなす。
3. 前項の範囲を超える修正、および承認済み工程を遡る修正が
生じた場合、受注者は事前に追加費用を見積もり、
発注者の書面による承諾を得たうえで着手するものとする。
第3項が重要です。「事前に見積もり、承諾を得てから着手」と定めておけば、知らないうちに追加費用が積み上がる事態を防げます。
著作権の譲渡・利用範囲の定め方
CGは納品物の権利関係が曖昧になりやすい制作物です。書き方は大きく2通りあります。
譲渡を受ける場合の例。
第◯条(著作権)
1. 本件成果物に関する著作権(著作権法第27条および第28条に
定める権利を含む)は、発注者が受注者に対し本契約に定める
委託料の全額を支払った時点で、受注者から発注者へ移転する。
2. 受注者は、発注者および発注者が指定する第三者に対し、
著作者人格権を行使しないものとする。
3. 前各項にかかわらず、受注者が本件業務以前から保有する
汎用素材およびツールに関する権利は、受注者に留保される。
利用許諾(ライセンス)にとどめる場合の例。
第◯条(利用範囲)
1. 発注者は、本件成果物を以下の範囲で利用できる。
(1)発注者が運営するウェブサイトおよびSNS
(2)発注者が出展する展示会での上映および印刷物
(3)期間の定めなく、地域の限定なく利用できるものとする。
2. 前項の範囲を超える利用(テレビ放映、商品パッケージへの
使用、第三者への再許諾等)を行う場合、発注者は事前に
受注者へ通知し、別途条件を協議する。
どちらが良いかは案件次第です。将来の展開が読めない、社内で自由に改変したい、という場合は譲渡を受けたほうが安全です。ただし譲渡は受注者にとって負担が大きいため、見積もりが上がる要因になります。「今回はWebと展示会だけ」と確実に言い切れるなら、利用許諾で範囲を明記したほうが安く収まります。第3項のような「受注者が元から持っている汎用素材は除く」という但し書きを入れておくと、受注者側も譲渡に応じやすくなります。
中間データ・素材データの納品の定め方
映像を納品してもらったあと、「テロップの文言だけ直したい」となったときに、プロジェクトファイルが手元になければ、修正のたびに元の制作者へ依頼するしかありません。将来の運用まで見据えるなら、次のような条項を入れます。
第◯条(納品物)
1. 受注者は、以下を納品する。
(1)完成データ(mp4形式、1920×1080、H.264)
(2)マスターデータ(ProRes形式)
(3)3Dモデルデータ(fbx形式)およびテクスチャ一式
(4)編集プロジェクトファイル一式
2. 受注者は、納品後1年間、本件データを保管するものとする。
ただし、プロジェクトファイルまで求めると見積もりが上がることがあります。制作会社にとってはノウハウそのものであり、他社で改変されるリスクも伴うためです。本当に必要かを考えたうえで、必要なら最初の見積もり依頼の時点で条件に入れてください。後から要求すると別料金になります。
支払条件と検収の定め方
第◯条(委託料の支払)
1. 発注者は、委託料の◯%を着手時に、残額を検収完了後に
支払うものとする。
2. 発注者は、納品後10営業日以内に検収を行い、
合否を受注者へ通知する。
3. 前項の期間内に通知がない場合、検収に合格したものとみなす。
CG制作は制作期間が長く、受注者側の持ち出しが大きくなりがちです。着手金を設定することは、受注者にとっての安心材料になり、結果として良い条件を引き出しやすくなります。検収期間を明記しておくのは双方のためで、いつまでも検収されない状態は受注者の資金繰りを圧迫し、関係を悪化させます。
業務委託で発注する際の契約や進め方の基本は、CG以外の制作外注にも共通するので目を通しておくと安心です。
CG制作の費用を賢く抑える発注のポイント
相場を知ったうえで、次に発注者が考えるべきは「どうすれば適正価格で、できれば相場より抑えて依頼できるか」です。品質を落とさずコストを下げる、現実的な方法を挙げます。
依頼範囲と完成イメージを最初に固める
最も効果的なコストダウンは、発注前の準備にあります。前述のとおり、完成イメージが曖昧なままだと修正が増え、修正が増えれば費用が増えます。逆に言えば、依頼範囲と完成形を最初にきっちり固めるだけで、無駄な工数と修正費を大幅に削れます。
具体的には、参考にしたいCG作品のURLや画像を3点ほど集めておく、色・雰囲気・入れたい要素をリスト化する、動画なら尺(秒数)と使う場所(Web、展示会、テレビ)を明記する。これだけで、業者は「作るべきゴール」を正確に把握でき、余計なリスクを見込まない締まった見積もりを出せます。準備の手間を惜しむと、その何倍もの費用として跳ね返ってきます。
参考作品を集めるときのコツは、「好きな作品」だけでなく「これは違う」という反面教師も1点添えることです。方向性の外枠が定まり、初稿のずれが小さくなります。
削っても品質に響きにくい部分から削る
予算が足りないとき、どこを削るかで結果は大きく変わります。品質への影響が小さい順に並べると、おおむね次のようになります。
| 削る対象 | コスト削減の効き | 仕上がりへの影響 |
|---|---|---|
| 納期を延ばす(特急料金の回避) | 大きい | ほぼなし |
| カット数を減らす | 大きい | 構成次第で吸収できる |
| 背景を簡略化する(単色・グラデ) | 中程度 | 主役が引き立つこともある |
| 実写素材を一部流用する | 大きい | 質感の統一に注意 |
| ナレーションをテロップに置き換える | 中程度 | 用途によっては問題なし |
| 解像度を用途に合わせる | 中程度 | Web用途なら影響なし |
| モデルの作り込みを落とす | 中程度 | アップで映すなら影響大 |
| 修正回数を減らす | 小さい | 後で追加費用になりがち |
上から順に検討するのが定石です。逆に、いちばん下の「修正回数を減らして安くする」は、見積もり上は安くなっても実質的な支出は増えやすいので、最後の手段と考えてください。
複数社から相見積もりを取り、内訳で比較する
CG制作は業者ごとに料金差が大きい領域なので、相見積もりは必須です。ただし、総額だけを並べて「一番安いところ」を選ぶのは危険です。安い見積もりは、工程を省いていたり、修正回数が少なかったり、後から追加費用が乗る構造になっていることがあるためです。
比較すべきは総額ではなく「内訳」です。同じ作業範囲・同じ修正回数・同じ納品形式で揃えて比べて初めて、本当に安いのがどこか分かります。見積もりを取るときは、依頼内容を全社に同じ条件で伝え、「この金額に何が含まれ、何が含まれないか」を明記してもらいましょう。この一手間が、後の「聞いていない追加費用」トラブルを防ぎます。
社数は3社前後が現実的です。多く取りすぎると比較の手間が増えるうえ、対応してくれた業者に断りを入れる負担も増えます。得意分野の異なる3社(大手制作会社、小規模スタジオ、フリーランス)に声をかけると、価格帯と体制の違いが立体的に見えてきます。
仲介会社を通さず、フリーランスへ直接依頼する
費用を構造的に下げる方法として見逃せないのが、発注ルートの選択です。大手の映像制作会社や広告代理店を経由すると、制作費に加えてディレクション費・進行管理費・そして中間マージンが上乗せされます。この中間コストは、案件によっては総額の20%から40%にもなります。
一方、実際に手を動かすCGクリエイター(フリーランス)へ直接依頼すれば、この中間マージンが発生しません。同じクリエイターが作る同じ品質のCGでも、仲介を挟むかどうかで発注者の支払額は大きく変わります。近年は在宅ワークのCGクリエイターと発注者を直接つなぐ業務委託マッチングサービスが増えており、こうした場を使えば代理店経由より費用を抑えつつ、腕のいい個人に直接頼めます。
発注ルートの向き不向きは、案件の規模と社内の管理体制で決まります。
| 発注ルート | 向いている案件 | 発注者に必要なもの |
|---|---|---|
| 大手制作会社 | 大規模、実写併用、放映を伴う | 予算。管理負担は少ない |
| 小規模スタジオ | 中規模、専門領域が明確 | 仕様を伝える力 |
| フリーランス直接 | 小〜中規模、内容が明確 | 進行管理と判断のスピード |
| 制作会社+直接の併用 | 主軸は会社、素材は個人 | 全体を束ねる社内担当 |
もちろん、フリーランスへの直接依頼にはディレクションを自分でやる手間や、進行管理の責任が発生します。大規模で複雑な案件、社内に管理する人がいない場合は制作会社の一括管理に価値があります。小規模から中規模で、依頼内容が明確なCG制作なら、直接依頼のコストメリットが活きやすい。この見極めが大切です。
失敗しないCG制作の外注先の選び方
費用を抑えることばかりに気を取られると、品質やコミュニケーションで失敗します。ここでは、価格以外に見るべき「外注先選びの軸」を整理します。
実績(ポートフォリオ)が依頼内容と合っているか
CG制作を頼む相手を選ぶとき、最優先で見るべきはポートフォリオ(実績作品)です。ただ「うまいかどうか」だけでなく、「あなたが作りたいCGと同じ系統の実績があるか」が重要です。
建築パースが得意な人に医療機器のプロダクトCGを頼んでも、力を発揮しづらい。リアル系3DCGの実績が並ぶ会社に、ポップなアニメ調のCGを頼むとミスマッチが起きます。CGは領域ごとに求められる技術が違うため、「自分の依頼と近いテイスト・近い難易度の実績があるか」を必ず確認しましょう。実績が近いほど、仕上がりの予測がつき、修正も減ります。
ポートフォリオを見るときは、完成品の華やかさだけでなく「どの工程を自社でやったか」も聞いてください。制作会社の実績ページには、企画だけ担当した案件や、外部のクリエイターに再委託した案件が並んでいることもあります。実際に手を動かしたのが誰なのかを確認しておくと、期待値のずれを防げます。
見積もりの透明性と対応の丁寧さ
見積もりの出し方には、その業者の姿勢が表れます。「一式 100万円」とだけ書かれた見積もりと、工程ごとに費用が明記され、修正回数や納品形式まで書かれた見積もり。信頼できるのは後者です。内訳が透明な業者は、後からの追加費用トラブルも起きにくい。
また、問い合わせへの返信の速さ、こちらの曖昧な要望を丁寧に言語化してくれるか、といった初動の対応も重要な判断材料です。CG制作は数週間から数ヶ月に及ぶ共同作業。最初のやり取りで「話が通じにくい」「レスポンスが遅い」と感じる相手とは、制作が始まってからもストレスが続きます。技術力と同じくらい、コミュニケーションの相性を見てください。
発注者としての私の失敗談
ここで、私自身が発注側で経験した失敗を共有します。あるプロジェクトで商品紹介の3DCG映像を外注したとき、私は総額の安さだけで発注先を決めてしまいました。相見積もりの中で群を抜いて安く、正直「ラッキー」と思ったのです。
結果は、正直なところこれはどうかと思う、という顛末でした。安さの理由は、修正回数が1回しか含まれておらず、しかも質感の作り込み工程が簡略化されていたこと。上がってきた初稿は、参考に渡したイメージとかけ離れており、修正を出すたびに追加費用が積み上がりました。最終的な支払総額は、最初に「高い」と感じて見送った別の見積もりを上回っていました。総額の数字だけを見て、内訳と修正条件を確認しなかった。この一点が失敗の原因です。
この経験から学んだのは、CG制作において「安い見積もり」は必ず理由がある、ということです。その理由(省かれた工程、少ない修正回数、狭い作業範囲)を確認せずに飛びつくと、後で必ず精算で跳ね返ってきます。内訳を揃えて比較する。修正条件を必ず確認する。この2つは、私が身をもって学んだ鉄則です。
CG制作を外注する際の依頼の流れ
初めてCG制作を外注する発注者向けに、問い合わせから納品までの一般的な流れを整理します。全体像を知っておくと、各段階で何を準備・確認すべきかが見えます。
問い合わせから見積もりまで
最初のステップは、業者・クリエイターへの問い合わせです。このとき、前述の「見積もり依頼の前に用意しておく情報リスト」を添えて相談すると、精度の高い見積もりが返ってきます。逆に「CG動画を作りたいのですが、いくらですか」だけでは、業者も答えようがなく、話が前に進みません。
見積もりを受け取ったら、内訳・修正回数・納期・納品形式(データ形式や解像度)を確認します。不明点はこの段階で全部潰しておきましょう。契約前の質問はいくらでもできますが、契約後・制作開始後の条件変更は追加費用の温床です。相見積もりを取る場合は、この段階で複数社に同条件で相談します。
契約・制作・納品
依頼先が決まったら、契約を交わします。金額・納期・修正回数・著作権の帰属・支払条件を書面(またはメール)で明確にしておくことが、後のトラブル回避に直結します。特に「作ったCGデータの著作権や利用範囲がどちらに帰属するか」は、後で二次利用したいときに問題になりやすいので、必ず確認してください。前章の条項例をそのままたたき台として使えます。
制作が始まったら、初稿(ラフ・絵コンテ)の段階でしっかり方向性をすり合わせるのが肝心です。方向性が固まる前のラフ段階でこそ、大きな修正を出すべき。作り込みが進んでから根本的な修正を出すと、工数が跳ね上がり追加費用の原因になります。「早い段階で、大きな方向性の確認」「後半は細部の微調整だけ」という順序を意識すると、修正費を抑えられます。
工程の目安と、その段階で発注者がやるべきことを整理すると次のようになります。
| 工程 | 期間の目安(30秒映像の場合) | 発注者がやること |
|---|---|---|
| 見積もり・打ち合わせ | 1週間〜2週間 | 資料と参考作品を渡す |
| 企画・絵コンテ | 1週間〜2週間 | 構成と演出をここで確定させる |
| モデリング・質感設定 | 2週間〜4週間 | 実物との色味を確認する |
| アニメーション・仮組み | 1週間〜3週間 | 動きの方向性をここで判断する |
| レンダリング・仕上げ | 1週間〜2週間 | 細部の微修正のみ出す |
| 検収・納品 | 数日 | 納品形式と権利の確認 |
社内の承認者が多い場合は、絵コンテ段階と仮組み段階の2回、関係者全員に見てもらう場を設けると手戻りが減ります。仕上がってから役員が「もっと派手に」と言い出すのが、追加費用の最大の発生源です。
市場動向とCGクリエイターの供給から見る費用の今後
ここからは、発注者が中長期で外注戦略を立てるうえで役立つ、市場のマクロな視点を加えます。CG制作の相場は、需要と供給、そして技術トレンドによって少しずつ動いています。
CG需要の広がりと価格帯の二極化
かつてCG制作は、テレビCMや映画といった大型予算の案件が中心でした。しかし近年は、ECサイトの商品CG、SNS用のショート動画、Webサイトのビジュアル、メタバースやXR向けの3Dアセットなど、CGの用途が一気に広がっています。この裾野の拡大により、「手頃な価格帯のCG制作」の需要が増えています。
その結果、市場は二極化しています。テレビCMや大型プロモーション向けのハイエンド案件(数百万円規模)と、Web・SNS向けの手頃なCG制作(数万円から数十万円)に分かれてきているのです。発注者にとってこれは追い風で、「用途に合った価格帯の作り手」を選べる選択肢が増えたことを意味します。過剰品質に高い金を払う必要はなく、Web用なら手頃な価格帯の作り手で十分、という判断がしやすくなっています。
技術進化がもたらすコスト構造の変化
CG制作のツールは年々進化しており、リアルタイムレンダリング技術やAIを活用した効率化により、以前は膨大な時間がかかった工程が短縮されつつあります。レンダリング時間の短縮は、そのままコスト削減につながる可能性があります。
一方で、AIやツールが進化しても、「何を、どう見せるか」という企画・演出・ディレクションの価値は下がりません。むしろ、作業が効率化されるほど、センスと構成力を持つクリエイターの価値が相対的に上がります。発注者としては、「単純作業の工数」で払う費用は下がる余地がある一方、「企画・演出」への投資はケチるべきでない、という費用配分の意識を持つとよいでしょう。
なお、生成AIを使った制作物を発注する場合は、成果物の権利関係や、学習データに由来するリスクの扱いを契約で確認しておくと安心です。「本件成果物の制作において生成AIを利用する場合は事前に通知する」といった一文を入れておく発注者も増えています。
CGクリエイターとしての専門性を測る指標の一つに検定資格もあります。たとえばCGクリエイター検定は、CG制作の基礎知識・技術を体系的に問う資格で、発注先の力量を推し量る一つの参考材料になります。もちろん資格がすべてではありませんが、実績と併せて見ると判断材料が増えます。
運営者として見てきた「直接取引」の実際
20年近くフリーランス・在宅ワークの市場を運営してきた立場から、費用の話に一つ現場感を添えておきます。CG制作に限らず、制作系の外注で「安く・良く」を両立している発注者には、共通点があります。それは、単発の発注で終わらせず、相性の合ったクリエイターと継続的な関係を築いている、という点です。
一度一緒に仕事をして、こちらの好みや事業の背景を理解してくれた作り手は、二度目以降、少ない指示で意図を汲んでくれます。すり合わせの往復が減れば、その分だけ修正コストも交渉コストも下がる。長く続く発注者ほど、毎回ゼロから業者を探すのではなく、「この人に任せると楽」という関係づくりに時間を使っています。これは金額表には表れない、けれど確実に効くコストダウンです。
そして、中間マージンが乗らない直接取引には、金額以上の意味があります。仲介手数料が引かれない分、同じ予算でも発注者はより多くの作業を頼め、受け手のクリエイターは手取りが厚くなる。すると作り手のモチベーションが上がり、次も丁寧に応えてくれる。手数料0%の直接取引が生むのは、単に「安い」という一点ではなく、「双方が納得して長く付き合える」という質の高い関係です。20年見てきて、この構造で回っている発注者ほど、CG制作でも安定して良いものを手にしています。
@SOHO独自データから見るCG制作外注の考察
在宅ワーク・業務委託のマッチングを長く運営してきた視点から、CG制作の外注市場を客観的に考察します。
CG・3DCGの制作は、スキルの専門性が高く、しかも領域が細かく分かれる職種です。建築パース、プロダクトCG、キャラクターモデリング、映像アニメーション。これらはひとくくりに「CGクリエイター」と呼ばれますが、実際には求められる技術がかなり異なります。発注者側から見ると、この「専門の細分化」を理解しているかどうかで、外注の成否が分かれます。自分の依頼がどの専門領域に属するかを見極め、その領域の実績を持つ作り手に頼む。当たり前のようで、ここを外すと費用も品質も期待から外れます。
費用の観点では、CG制作は「作り手の単価×工数」という構造が明確な職種です。だからこそ、中間マージンの有無が支払総額に直結します。制作会社経由と個人への直接依頼で、同じ品質でも支払額が変わるのは、この構造ゆえです。発注者が相場より抑えたいなら、まず「この依頼は制作会社の一括管理が必要な規模か、個人への直接依頼で足りる規模か」を判断すること。中規模から小規模で依頼内容が明確なら、直接取引のコストメリットは大きくなります。
もう一つ、運営していて感じるのは、発注者が「作り手の稼働の読み方」を知っていると外注がうまくいくという点です。CGクリエイターは同時に複数案件を抱えることが多く、繁忙期には見積もりが高めに出たり、返信が遅くなったりします。急ぎでないなら「いつ着手できますか」と先に聞き、相手の空きに合わせてスケジュールを組むだけで、条件が良くなることがあります。相手の都合を織り込んだ発注は、値切らずに費用を下げる方法の一つです。
関連する制作外注の相場観として、Webサイト制作の外注費用相場|失敗しない発注のコツ【2026年版】や記事制作・ライティングの外注費用相場|文字単価の適正価格【2026年版】も、発注の考え方が共通しているので参考になります。制作系の外注は、CGに限らず「完成イメージの共有」「内訳での比較」「直接取引によるコスト削減」という原則が効きます。また、より専門性の高い技術外注の相場観としては【SOC運用外注費用】24時間365日の監視体制!SOCアウトソーシングの相場と選び方のような事例も、専門職種の費用構造を理解する助けになります。
最後に、外注先の技術水準を測る参考として、CG以外の隣接スキルにも触れておきます。CG制作者はしばしば映像編集やWebの知識も併せ持ちますが、たとえばネットワークやインフラのCCNA(シスコ技術者認定)のようなIT系資格とは領域が異なります。CGの発注では、ネットワーク系ではなくビジュアル・映像系の実績と資格を軸に判断してください。編集・ライティングを兼務する作り手を探すなら著述家,記者,編集者の年収・単価相場の単価水準も、複合スキルの費用感を掴む材料になります。
CG制作の費用相場は、静止画で数万円から、映像で1分100万円超まで幅広く分布します。大切なのは、自分の依頼が相場のどの帯に入るかを見極め、内訳を揃えて複数社を比較し、修正回数と権利の条件を契約前に確定させ、規模に応じて直接取引のコストメリットを活かすこと。この4点を押さえれば、初めての外注でも「高すぎる見積もり」を掴まされることなく、適正価格で望む品質のCGを手にできるはずです。
なお、関連テーマを扱った周年記念動画を外注する費用|社史・沿革を映像化する料金と依頼のコツ 2026もあわせて参考にしてください。
なお、関連テーマを扱ったピクトグラム制作を外注する費用|サイン計画に使う際の発注範囲 2026もあわせて参考にしてください。
よくある質問
Q. CG制作の費用相場はどれくらいですか?
静止画CG(3DCGパース・商品CG)は1点3万円〜30万円程度、動く映像(3DCGアニメーション)は1分あたり100万円〜280万円程度が目安です。同じ「CG制作」でも静止画か映像かで相場が10倍以上変わるため、まず自分の依頼がどちらかを明確にしましょう。品質・秒数・修正回数でも大きく変動します。
Q. CG制作を安く外注するにはどうすればいいですか?
最も効くのは、発注前に完成イメージを固めて修正回数を減らすことです。参考画像や尺・用途を具体的に伝えるほど見積もりが締まります。加えて、実写+CG合成でフルCGを避ける、余裕あるスケジュールで特急料金を回避する、代理店を通さずフリーランスへ直接依頼して中間マージンを省く、といった方法が有効です。
Q. 制作会社とフリーランスへの直接依頼、どちらが良いですか?
大規模で複雑、社内に管理担当がいない案件は制作会社の一括管理に価値があります。一方、中〜小規模で依頼内容が明確なCG制作なら、フリーランスへの直接依頼が有利です。中間マージンが乗らない分、同じ品質でも支払額を20〜40%ほど抑えられます。自分でディレクションできるかで判断しましょう。
Q. CG制作の見積もりで確認すべきポイントは何ですか?
総額だけでなく「内訳」を必ず確認してください。含まれる作業範囲、無料の修正回数、納期、納品形式(データ形式・解像度)、追加費用が発生する条件を明記してもらいます。相見積もりは全社に同じ条件で依頼し、揃えて比較することが重要です。安い見積もりには必ず理由(省かれた工程・少ない修正回数)があります。
無料で案件を掲載する
入力は3分ほど。掲載料も取引手数料も0円です。@SOHOに登録しているフリーランス・副業ワーカーから、早ければ当日中に最初の応募が届きます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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