医療系のコールセンターの志望動機をどう書くか|ここを選んだ理由の組み立て方

長谷川 奈津
長谷川 奈津
医療系のコールセンターの志望動機をどう書くか|ここを選んだ理由の組み立て方

この記事のポイント

  • ✓医療系のコールセンターの志望動機は
  • ✓電話だけで判断する職場の役割を理解しているかで評価が分かれます
  • ✓健康相談・救急相談・製薬や医療機器・保険会社など窓口ごとの違い

医療系のコールセンターの志望動機を書こうとして、手が止まっている方は多いと思います。「残業が少ないから」「体力的に続けやすいから」が本音なのに、それをそのまま書いていいのか分からない。かといって「電話で多くの人の健康を支えたい」と書くと、どこにでも出せる文章になってしまう。

先日、病院勤務から医療系のコールセンターへの応募を考えている方から、まさにこの相談を受けました。書き上げた志望動機を見せてもらうと、内容は丁寧なのに、どの窓口に出しても通用する文章になっていました。

結論から言うと、医療系のコールセンターの志望動機は「その窓口が何を扱う場所か」と「電話だけで判断する職場の役割」を理解していることが伝われば、ぐっと具体的になります。これ、知らない人が本当に多いんです。この記事では、窓口ごとの違い、法律から見た電話相談の線引き、志望動機の組み立て方を順番にお話しします。

医療系のコールセンターは「どの窓口か」で志望動機が変わる

最初に押さえておきたいのは、医療系のコールセンターと一口に言っても、扱う内容がまったく違う窓口がいくつもあることです。志望動機の中身は、窓口の種類で決まります。

主な窓口の種類

看護師の資格を生かせるコールセンターの仕事は、大きく次のように分けられます。

医療に関係するコールセンターではどのような仕事をしているのでしょうか。正看護師・准看護師資格を持っている方、臨床経験がある方が応募できるコールセンターの仕事を6つご紹介します。 出典: saiyou.tmj.jp

この記事で紹介されている6つを、志望動機の観点で整理するとこうなります。

・健康に関する相談窓口:共済組合の加入者や、ホームセキュリティーサービスの利用者などから、救急や健康維持の相談を受ける ・自宅療養者の健康観察:用意された項目に沿って問診し、保健師や事務員と協力して、受診や配食の手配につなぐ ・ワクチン接種後の相談窓口:接種後に不調を感じた方の電話を受け、緊急度を見分けて医療機関へつなぐ ・医薬品メーカーの問い合わせ窓口:薬の飲み方や使い方の問い合わせに答え、内容を資料にまとめる ・医療機器メーカーの問い合わせ窓口:医療機関の看護師や薬剤師に、機器の取り扱いや使用方法を説明する ・保険会社のメディカルサービス:加入者の健康や病気の相談に答え、必要なら受診や救急外来を勧める

相手が「一般の人」か「医療者」かで求められる力が違う

ここが大事なポイントです。健康相談や保険会社の窓口は、電話の相手が一般の方です。専門用語を使わずに説明する力、不安な気持ちを受け止めながら状況を聞き取る力が中心になります。

一方で、医療機器メーカーの窓口は、相手が医療機関の看護師や薬剤師のこともあります。こちらでは、機器を使った臨床の経験や、医療者どうしで正確に情報をやりとりする力が求められます。

医薬品メーカーの窓口は、問い合わせの内容を記録し、資料にまとめる仕事も含まれます。電話の対応だけでなく、文書の正確さも見られます。

自治体の相談事業を受託している窓口もある

公的な電話相談の中にも、看護師が関わるものがあります。たとえば、総務省消防庁が紹介している救急安心センター事業(#7119)は、急な病気やケガで救急車を呼ぶか迷ったときの相談窓口です。

♯7119に寄せられた相談は、医師、看護師、トレーニングを受けた相談員等が電話口で傷病者の状況を聞き取り、「緊急性のある症状なのか」や「すぐに病院を受診する必要性があるか」等を判断します。 出典: 総務省消防庁

また、厚生労働省の子ども医療電話相談事業(#8000)は、47都道府県で実施されています。こうした公的な相談事業は、自治体が民間の事業者に運営を委託していることがあり、求人票に「自治体からの受託業務」と書かれている場合があります。

つまり、応募先の求人票を読んで「誰からの電話を、何のために受ける窓口なのか」を一文で言えるようになることが、志望動機づくりの出発点なんです。

電話相談の「線引き」を理解していることが伝わると強い

医療系のコールセンターの志望動機で差がつくのは、電話でできることとできないことの線引きを理解しているかどうかです。ここでは法律の条文を少しだけ見ておきます。難しく感じたら、「つまり」の部分だけ読んでいただければ大丈夫です。

看護師の業務と、診断・治療の違い

保健師助産師看護師法の第5条では、看護師を次のように定めています。

この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。 出典: e-Gov法令検索(保健師助産師看護師法)

一方で、医師法の第17条は「医師でなければ、医業をなしてはならない。」と定め、第20条は、医師が自ら診察しないで治療をしたり、診断書や処方せんを交付したりすることを禁じています。

つまり、電話で相談を受ける看護師の役割は、診断を下すことではありません。聞き取った症状から緊急度を見分け、救急車を呼ぶべきか、いつ受診すればよいか、どこへ相談すればよいかを案内することです。窓口ごとに用意された手順や判断の基準に沿って対応し、迷う場面では医師や上席に相談します。

守秘義務は電話の仕事でも変わらない

保健師助産師看護師法の第42条の2は、保健師、看護師、准看護師が、正当な理由なく業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないと定めています。資格者でなくなった後も同じです。

電話の相談では、相談者の病状や家族の事情、保険の加入状況など、非常に踏み込んだ情報を扱います。コールセンターは企業としても個人情報の管理ルールを持っていますが、看護師には法律上の義務が別にかかっている、ということです。

志望動機にどう生かすか

この線引きを、志望動機の中で長々と説明する必要はありません。大切なのは、次のような理解がにじむ書き方をすることです。

・「電話で診断する」ではなく「緊急度を見分けて、適切な受診や相談先につなぐ」と書く ・「自分の判断で助言する」ではなく「手順に沿って聞き取り、必要に応じて医師や上席につなぐ」と書く ・個人の情報を扱う仕事であることを理解している、と一言添える

採用する側は、電話で踏み込みすぎてしまう人を一番心配しています。線引きを理解していることが伝わるだけで、安心して任せられる人だと受け取ってもらえます。

※ここでご紹介した条文は、職場の役割を理解するための一般的な説明です。個別の業務が法律上どう扱われるかは、勤務先の手順や、必要に応じて専門家の判断に従ってください。

志望動機の組み立て方は「3つの問い」に答えるだけ

ここからは、実際の組み立て方です。医療系のコールセンターの志望動機は、次の3つの問いに答える形で作ると、どの窓口に出す場合でも筋が通ります。

問い1:なぜ病院ではなく、電話の窓口なのか

採用担当者がまず知りたいのは、「なぜ臨床の現場を離れて、電話の仕事を選ぶのか」です。

ここで本音の「残業が少ない」「体力的に楽」だけを書くと、「楽をしたい人」と受け取られてしまいます。かといって、本音を隠す必要もありません。働き方の理由は、仕事内容の理由と組み合わせて書けばいいんです。

・書き方の例:「病棟で夜勤を続ける中で、退院後の患者さんがどこに相談すればよいか迷っている場面を何度も見てきました。受付時間の決まった働き方で長く続けながら、受診前の不安に電話で応える仕事に携わりたいと考えました。」

働き方の条件を「長く続けるため」の理由として位置づけ、そのうえで仕事の中身への関心を書く。これで本音と志望理由が矛盾しなくなります。

問い2:臨床経験のどこが、電話で使えるのか

次に、自分の経験が電話の仕事でどう役立つのかを書きます。ここで大切なのは、手技ではなく「聞き取り」「説明」「記録」の経験を選ぶことです。

コールセンターの仕事では、点滴や採血などの手技は使いません。代わりに求められるのは、表情が見えない相手から状況を絞り込む質問の力、専門用語を使わずに伝える説明の力、聞き取った内容を正確に残す記録の力です。

・外来で、電話での問い合わせや受診の案内をした経験 ・小児科で、症状を言葉にできない子どもの様子を保護者から聞き取った経験 ・退院指導で、薬の飲み方や自己注射の手順を家族に説明した経験 ・電子カルテで看護記録を入力してきた経験

どれか1つを選び、「その経験を、応募先の窓口のどの場面で使えるか」まで書きます。

問い3:この窓口で続けられる根拠は何か

最後に、この仕事を続けられる根拠を示します。コールセンターの仕事には、クレームを受けること、電話だけで判断するプレッシャーがあることは、採用する側も分かっています。

・強い口調の相談者にも、事実と感情を分けて対応してきた経験 ・判断に迷ったときに、ためらわず上席に相談してきた習慣 ・シフト制の働き方で、生活のリズムを整えられる事情

根拠は1つで十分です。「続けられます」と宣言するより、続けられる理由を具体的に書くほうが伝わります。

窓口の種類別に見る志望動機の例文

3つの問いを使って、窓口の種類ごとに例文を作ってみました。そのまま使うのではなく、ご自身の経験に置き換えて使ってください。

健康相談・救急相談の窓口に応募する場合

「病院の救急外来で勤務する中で、症状が軽いのに不安から救急車を呼ぶ方と、重い症状なのに受診をためらって来院が遅れる方の両方を見てきました。受診の前に適切な判断の手助けができる電話相談の役割に関心を持ち、応募いたしました。外来での問診で身につけた、症状の経過や時間を順に確認する聞き取りを生かし、手順に沿って緊急度を見分け、必要な方を速やかに医師や救急につなぐ対応に努めたいと考えています。受付時間の決まった勤務で生活のリズムを整え、長く続けられる環境で経験を積みたいと考えております。」

医薬品・医療機器メーカーの窓口に応募する場合

「病棟でインスリン製剤や血糖測定器を使う患者さんへの自己管理の指導を担当し、ご家族を含めて使い方を分かりやすく説明することを心がけてきました。退院後に使い方で迷う方が多いことを知り、製品を使う方からの問い合わせに答える窓口で、その経験を生かしたいと考えました。問い合わせの内容を正確に記録し、社内で共有できる形にまとめることにも力を入れたいと考えています。」

保険会社のメディカルサービスに応募する場合

「訪問看護で、受診のタイミングに迷うご家族からの電話に対応してきました。加入者の方が困ったときにすぐ相談できる窓口で、健康の不安に応え、必要な場合は医療機関への受診をスムーズにつなぐ役割を担いたいと考えています。相談の中で知り得た情報を適切に扱うことの重さを、看護師として常に意識してきました。」

ブランクがある場合

ブランクがある方は、ブランクを隠さず、電話の仕事が合う理由と結びつけて書きます。

「出産と育児で臨床を離れて数年が経ちますが、その間、子どもの急な発熱で夜間の電話相談を利用し、電話口での落ち着いた聞き取りに救われた経験があります。相談する側の不安を知る立場として、分かりやすい言葉で状況を確認し、手順に沿って案内する仕事に携わりたいと考えました。研修で窓口の知識を身につけ、確実に対応できるよう努めます。」

コールセンターは点滴や採血などの手技がないため、ブランクがあっても募集要件を満たせば応募できる仕事が多いとされています。ブランクを弱みとして謝るのではなく、今の自分だから書ける視点として使ってください。

志望動機で避けたい書き方と、書き直しの手順

例文を見たうえで、反対に「これを書くと評価が下がりやすい」書き方も押さえておきましょう。相談を受けていると、同じつまずき方をしている方がとても多いんです。

避けたい書き方1:病院への不満が中心になっている

「人間関係に疲れた」「夜勤がつらかった」「医療事故が怖くなった」。どれも本当の気持ちだと思います。ただ、これが志望動機の中心になると、採用する側は「うちでも同じ不満を持つのでは」と考えます。

電話の窓口にも、夜勤はありますし、強い口調の相談者もいます。電話だけで緊急度を見分けるプレッシャーもあります。前の職場の不満を書くと、「その不満はこの職場でも解消されない」と判断されやすいんです。

書き直すときは、不満を「気づき」に言い換えます。「夜勤で患者さんの急変に立ち会う中で、受診が遅れる前に相談できる場所の大切さに気づいた」。こう書けば、同じ経験が志望の理由になります。

避けたい書き方2:「寄り添う」「支える」だけで終わっている

「電話越しでも患者さんに寄り添いたい」という表現は、気持ちとしては正しいのですが、どの窓口でも言えてしまいます。寄り添うために、具体的に何をするのかまで書かないと、印象に残りません。

「症状が始まった時間、熱の経過、水分がとれているかを順に確かめ、相談者が次に何をすればよいかを一つずつ伝える」。ここまで書くと、電話の仕事を具体的に想像できている人だと伝わります。

避けたい書き方3:電話で「診断」「指導」する前提になっている

先ほどお話しした線引きに関わるところです。「電話で症状を診断し、適切な治療をアドバイスしたい」と書くと、医師の業務との区別がついていない印象を与えてしまいます。

つまり、使う言葉を選ぶだけで評価が変わるんです。「診断する」は「緊急度を見分ける」に、「治療をアドバイスする」は「受診の目安や相談先を案内する」に置き換えてください。

書き直しの手順

書き上げた志望動機は、次の順番で見直すと、ぶれが減ります。

  1. 応募先の窓口を「誰から、何のための電話を受ける場所か」と一文で書く
  2. 志望動機の中に、その一文と関係のない話が混ざっていないかを確かめる
  3. 前の職場への不満が主語になっている文を、気づきの文に書き換える
  4. 「診断」「治療」「指導」など、線引きを越える言葉がないかを確かめる
  5. 自分の経験が、応募先のどの場面で使えるかが書かれているかを確かめる

この5つを通すだけで、「どこにでも出せる志望動機」から「この窓口に向けた志望動機」に変わります。

准看護師や看護師以外の資格で応募する場合

医療系のコールセンターには、正看護師以外の方が応募できる求人もあります。准看護師の方や、保健師、社会福祉士、医療事務の経験がある方の志望動機についても触れておきます。

准看護師の場合

保健師助産師看護師法の第6条では、准看護師は、医師、歯科医師または看護師の指示を受けて、療養上の世話や診療の補助を行う者と定められています。求人によっては、正看護師と准看護師で任される範囲や給与が分かれていることがあります。

志望動機では、資格の違いを気にしすぎる必要はありません。「上席の看護師や医師の判断を仰ぎながら、聞き取りと記録を正確に行う」という役割を理解していることを書けば、准看護師の立場にふさわしい志望動機になります。むしろ、指示を受けて動く働き方に慣れていることは、手順に沿って対応するコールセンターでは強みにもなります。

看護師以外の資格や経験の場合

がんの相談窓口のように、看護師のほか保健師や社会福祉士も対象にしている求人があります。社会福祉士の方なら、医療費や介護サービス、生活の困りごとなど、制度や支援先につなぐ経験を中心に書くのが自然です。

医療事務の経験がある方は、看護師の資格が求められない一次受付や、予約・受診案内の窓口で経験を生かせます。受付での患者対応や、保険証の確認、診療科の案内といった経験は、電話の受付でもそのまま使えます。医療事務の資格の内容は、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)のページで確かめられます。

資格を持っていない場合

資格を持っていない方でも、医療系のコールセンターの中には応募できる仕事があります。予約の受付、資料請求の対応、問い合わせ内容を看護師へ引き継ぐ一次受付などです。

ここで気をつけたいのは、保健師助産師看護師法の第42条の3で、看護師でない者が看護師やこれに紛らわしい名称を使うことが禁じられている点です。つまり、電話口で相談者から「看護師さんですか」と聞かれたときに、あいまいに答えてはいけないということです。

志望動機では、「医療的な判断が必要な相談を、決められた基準で速やかに専門職へつなぐ」という役割を理解していることを書いてください。つなぐ役割を正確に果たせる人は、窓口全体の安全を支える存在として評価されます。

どの資格の場合も、「看護師の代わりをしたい」ではなく、「自分の資格で担える役割を、窓口の中でどう果たすか」を書くことが大切です。

在宅勤務や働き方の希望を志望動機に入れるときの注意

医療系のコールセンターの求人には、研修後に在宅で勤務できるものもあります。在宅を希望する方は、志望動機にどう書けばよいか迷いますよね。

在宅は「理由」ではなく「条件」として扱う

在宅勤務は、多くの方にとって魅力的な条件です。ただ、志望動機の中心に「在宅で働けるから」を置くと、「在宅でなくなったら辞めてしまう人」と受け取られかねません。

在宅の希望は、志望動機の本文ではなく、面接で勤務条件を確かめる場面で伝えるのが基本です。どうしても書く場合は、「家庭の事情で通勤時間を抑えたい」などの事情を簡潔に添え、仕事の中身への関心を先に書きます。

労働条件の明示ルールを知っておく

これ、知らない人が本当に多いんです。2024年4月から、労働条件の明示のルールが変わりました。厚生労働省の案内によると、労働契約を結ぶときに、就業の場所や従事する業務の「変更の範囲」も明示することが求められるようになっています。

つまり、「研修後に在宅」「将来はオフィス勤務もあり得る」といった働く場所の変わり方は、契約のときに書面で確かめられるということです。志望動機で在宅を強調するより、内定の段階で労働条件通知書を読み、就業場所と変更の範囲がどう書かれているかを確かめるほうが、ご自身を守ることにつながります。

夜勤の希望はむしろ具体的に書いてよい

一方で、夜勤の可否は、窓口の運営に直結する情報です。24時間体制の窓口では、夜勤に入れる人が限られているため、夜勤が可能であることは強みになります。

夜勤は、「発熱などの赤ちゃんの体調不良」「高齢者の転倒や急変」「医療機器の故障や使用トラブルへの相談」など緊急性の高い対応が多いのが特徴。迅速な判断をするために、夜勤勤務にはある程度の経験やスキルが求められます。 出典: kango-oshigoto.jp

夜勤を希望する場合は、「救急や急変の対応経験があり、夜間の緊急性の高い相談にも対応したい」と、経験と結びつけて書くと説得力が出ます。

応募前に求人票で確かめておくこと

志望動機を書く前に、求人票から読み取っておきたい情報があります。ここを読み違えると、せっかくの志望動機がずれてしまいます。

仕事内容の欄で見るところ

・電話の相手は一般の方か、医療機関か ・受信が中心か、こちらから電話をかける発信が中心か ・受託業務か、自社のサービスか ・医師や薬剤師のバックアップ体制が書かれているか ・記録や報告書の作成が含まれるか

たとえば、求人検索サイトの掲載例には、がんに関する相談窓口で、看護師、保健師、社会福祉士の資格を持つ方を対象に、臨床経験やがん患者・家族への対応経験を求めているものがありました。こうした求人なら、志望動機ではがん看護や家族支援の経験を中心に書くことになります。

応募資格の欄で見るところ

応募資格には、正看護師のみか、准看護師も可か、臨床経験の年数が求められているかが書かれています。在宅療養患者の相談窓口や医薬品メーカーの問い合わせ窓口では、3〜5年程度の臨床経験を求められる傾向があるとされています。

経験年数が足りない場合でも、応募できる窓口はあります。無理に経験を大きく見せるのではなく、足りない部分は研修で身につける姿勢を書くほうが誠実です。

給与と雇用形態の欄で見るところ

医療系のコールセンターで働く看護師の給与の目安は、転職情報サイトで次のように紹介されています。

・正社員の月給:約20万円〜35万円程度 ・日勤の時給:約1,500円〜2,500円程度 ・夜勤の時給:約2,000円〜3,500円程度

同じサイトでは、厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとに、看護師全体の給与を約36万円と紹介しています。病院勤務と比べて給与が下がる可能性があることは、応募する前に家計の面から確かめておいてください。ご自身の年代や地域での相場は、看護師の年収・単価相場で確かめられます。

雇用形態は、正社員、契約社員、派遣、パートが並ぶことが多い職種です。派遣の場合は、派遣元と結ぶ契約と、派遣先で働く条件の両方を確かめる必要があります。社会保険の加入条件や、有期契約の更新の考え方も、応募前に確かめておくと安心です。

志望動機づくりで相談を受けて感じたこと

最後に、志望動機の相談を受けてきて感じていることをお話しします。

以前、医療機器メーカーの窓口に応募したいという方から、書類で落ち続けていると相談を受けました。志望動機を読むと、「患者さんに寄り添う看護を電話でも実践したい」と書かれていました。気持ちは伝わるのですが、応募先は医療機関の担当者からの問い合わせが中心の窓口でした。相手が患者さんではなく医療者であることを読み落としていたんです。

そこで、病棟で機器のトラブルに対応した経験や、新人に機器の使い方を教えた経験を中心に書き直してもらったところ、面接に進めるようになりました。志望動機の良し悪しは、文章の上手さより、窓口の中身を正しく読めているかで決まります。

別の方は、自治体から受託した健康相談の窓口に応募する際、「地域の医療を支えたい」とだけ書いていました。求人票をもう一度一緒に読むと、受託期間が決まった業務で、契約期間も有期と書かれていました。この場合は、地域への思いと同時に、有期の契約で働くことを理解したうえでの応募だと伝わる書き方のほうが、採用する側は安心します。※契約の更新や雇い止めについて具体的に不安がある場合は、労働局の相談窓口や弁護士に相談してください。

もう1つ感じるのは、フリーランスや在宅ワークの市場を長く見てきた運営者の視点と重なる部分です。運営者として見てきた限りでは、資格を生かして長く働く方ほど、「自分にできること」と「その場で求められていること」の重なりを言葉にするのが上手です。仲介の手数料が乗らない直接取引の仕事でも、選ばれる人は「何でもできます」ではなく「この依頼のこの部分なら確実にできます」と伝えています。医療系のコールセンターの志望動機も、まったく同じ構造です。

電話相談の仕事を経験したあと、相談や支援の分野で専門性を深める道もあります。国家資格のキャリアコンサルタントは、職業生活の設計や能力開発について相談に応じる専門職で、資格の概要をこのページで確かめられます。病院を離れたあとの選択肢をもっと広く知りたい場合は、看護師が転職を決める前に確かめることで、求人の見方と面接で確かめる点を整理しています。

志望動機は、応募先に向けた文章であると同時に、ご自身が「なぜここで働くのか」を確かめる作業でもあります。窓口の中身を読み、電話でできることの線引きを理解し、自分の経験との重なりを見つける。この順番で書けば、あなたにしか書けない志望動機になります。法律と仕組みを知っておくことは、働く人を守る力になりますよ。

よくある質問

Q. 医療系のコールセンターの志望動機に「残業が少ないから」と書いてもいいですか?

働き方の条件だけを理由にすると、仕事の中身に関心がないと受け取られやすくなります。本音を隠す必要はなく、「長く続けるための条件」として位置づけ、そのうえで電話で受診前の不安に応える仕事への関心や、臨床経験のどこが生かせるかを書くと、本音と志望理由が矛盾しなくなります。

Q. 臨床経験が短い看護師でも医療系のコールセンターに応募できますか?

窓口によって応募資格が違います。在宅療養患者の相談や医薬品メーカーの窓口では3〜5年程度の臨床経験を求める傾向がありますが、資格があれば応募できる仕事もあります。経験を大きく見せるより、聞き取りや説明の経験を具体的に書き、足りない部分は研修で身につける姿勢を示すほうが誠実です。

Q. 電話相談で看護師はどこまで助言できますか?

医師法では医師でない者の医業が禁じられ、医師が診察しないで治療することも禁じられています。電話を受ける看護師の役割は診断ではなく、窓口の手順に沿って症状を聞き取り、緊急度を見分けて、救急や受診、相談先へつなぐことです。個別の判断は勤務先の手順と医師の指示に従ってください。

Q. 在宅勤務を希望していることは志望動機に書くべきですか?

在宅の希望は、志望動機の中心ではなく勤務条件として面接で確かめるのが基本です。2024年4月から、労働契約を結ぶときに就業場所や業務の変更の範囲も明示することが求められています。内定の段階で労働条件通知書を読み、研修後の在宅や将来の出社の可能性がどう書かれているかを確かめてください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年6月5日最終更新:2026年9月16日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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