病棟の面接で聞かれること|現場が見ている点と、聞き返すこと


この記事のポイント
- ✓病棟の面接で聞かれることを
- ✓看護部長や看護師長が何を確かめているかという視点で整理しました
- ✓退職理由など病棟ならではの質問への答え方
病棟の面接が近づくと、何を聞かれるのか、うまく答えられるのか、不安になりますよね。
こういうご相談、本当によくあります。
でも、少し安心してください。病棟の面接で聞かれることは、ある程度決まっています。そして、質問の一つひとつには、現場が確かめたい理由があります。理由が分かれば、答えは暗記しなくても組み立てられます。
この記事では、病棟の面接で誰が何を見ているのか、よく聞かれる質問とその意図、答えにくい質問への向き合い方、そして面接で聞き返しておきたいことまでを、順番にお話しします。
病棟の面接では、誰が何を見ているのか
まず、面接の場にいる人を知っておきましょう。
病院の看護職の面接には、看護部長や副看護部長、配属予定の病棟の看護師長、そして人事や事務の担当者が同席することが多いです。規模の小さい病院では、看護部長と事務長の2人だけ、ということもあります。
それぞれが見ている点は、少しずつ違います。
看護部長は、病院全体の看護の方針に合う人かどうかを見ています。長く働いてくれそうか、看護部の理念とずれていないか。全体を見る立場なので、配属先を決める判断材料も集めています。
病棟の看護師長は、もっと具体的です。自分の病棟の、今のメンバーの中に入ったときにうまく回るか。夜勤に入れるか。受け持ちをいつから任せられそうか。現場を預かる人として、明日からの勤務表を思い浮かべながら話を聞いています。
事務の担当者は、勤務条件や入職時期、手続きの確認が中心です。
つまり、同じ質問でも、看護師長からの質問は「うちの病棟で働く姿」を確かめるためのものだと考えると、答え方の方向が見えてきます。
面接官は、あなたを落とそうとして質問しているわけではありません。人が足りない病棟ほど、本当は採用したいんです。ただ、入ってすぐに辞めてしまうと、病棟にとっても本人にとっても負担が大きい。だから、ミスマッチがないかを丁寧に確かめている。面接は、その確認の場です。
そう考えると、少し気持ちが楽になりませんか。
必ず聞かれる質問と、その背後にある意図
病棟の面接でほぼ必ず聞かれる質問は、次の4つです。
1つ目は、志望動機です。なぜ病棟なのか、なぜこの病院なのか。ここで見られているのは、病棟の仕事を理解しているかと、応募先を調べてきたかです。「患者さんに寄り添いたい」だけで終わらせず、応募先の病棟の特徴と自分の経験のつながりを、1分ほどで話せるようにしておくと安心です。
2つ目は、これまでの経験です。経験者なら、どの診療科で何年、どんな患者さんを受け持ってきたか。リーダー業務や新人指導の経験があるか。新卒なら、実習で印象に残った受け持ち患者さんとの関わりです。ここで見られているのは、入職後にどこから任せられるかという見通しです。
3つ目は、退職理由や転職理由です。経験者には必ず聞かれます。見られているのは、同じ理由でまた辞めてしまわないか、です。
4つ目は、配属の希望です。病棟が複数ある病院では、ほぼ必ず聞かれます。
配属希望の答え方については、看護師向けの転職情報サイトで、次のような例が紹介されています。
私は外科への配属を希望いたします。リハビリ病棟での経験を通じ、怪我や病気からの回復を助ける仕事にやりがいを感じてきました。次のステップとして、手術前後の患者様の身体的・精神的なケアを実践したいと考えています。私の長所である行動力を活かし、術後の疼痛管理や早期離床に向けたサポートを積極的に行い、患者様の早期退院に貢献したいです。 出典: kango.mynavi.jp
この例のよいところは、希望する病棟、そう思うようになった経験、入職後にやりたいこと、が一続きになっている点です。配属希望は、志望動機の続きとして話すと自然になります。
同じサイトでは、もっと短い言い方も紹介されています。
「これまでの外科病棟での経験を活かしたく、外科への配属を希望いたします。」「循環器内科での勤務を希望いたしますが、貴院の規定に従います。」 出典: kango.mynavi.jp
希望を伝えつつ、病院の判断に従う姿勢も添える。この2つがそろっていれば、配属希望の答えとしては十分です。
病棟の面接ならではの質問
外来やクリニックの面接と比べて、病棟の面接で特に聞かれやすい質問があります。どれも、病棟という職場の性質から来ている質問です。
もっとも大事なのが、夜勤についての質問です。「夜勤は可能ですか」「月に何回くらい入れますか」「2交代と3交代の経験はありますか」。病棟は24時間を交代で支える職場なので、夜勤に入れる人がどれだけいるかは、勤務表を組む看護師長にとって切実な問題です。
ここで大切なのは、正直に答えることです。できない回数を「大丈夫です」と言ってしまうと、入職後に自分が苦しくなります。子育てや介護で夜勤に制限があるなら、「月に4回までなら可能です」「子どもが小学校に上がる来年からは回数を増やせます」のように、できる範囲を具体的に伝えましょう。具体的に伝えるほど、看護師長は勤務表の中にあなたを置いて考えられます。
次に、急変時の対応の経験を聞かれることがあります。「急変に立ち会ったとき、どう動きましたか」。これは、落ち着いて報告や応援要請ができるか、チームの中で自分の役割を理解しているかを確かめる質問です。うまくできなかった経験でも構いません。そのとき何を学び、次にどう動くようにしたかを話せれば、十分に伝わります。
多職種との連携についても聞かれます。回復期や地域包括ケア病棟では特に多い質問です。「リハビリスタッフと意見が分かれたとき、どうしましたか」。見られているのは、自分の意見を押し通すのでも引っ込めるのでもなく、患者さんを中心に話し合えるか、です。
体調や体力について聞かれることもあります。病棟は立ち仕事と移動が多く、夜勤もあるので、健康面の確認は業務上必要なことです。持病がある場合、どこまで伝えるかは悩むところですが、勤務に影響する可能性があるなら、配慮してほしい点とセットで伝えておくほうが、入職後に無理をせずに済みます。
病棟の種類によって、深く聞かれることが変わる
同じ病院の面接でも、どの病棟への配属を想定しているかによって、深く聞かれることは変わります。病棟ごとに1日の流れも、求められる力も違うからです。
急性期病棟を想定した面接では、業務の速度と判断についての質問が多くなります。「入退院が多い中で、優先順位をどうつけてきましたか」「術後の観察で気をつけていたことは何ですか」「急変時に最初に何をしましたか」。急性期は、限られた時間で複数の患者さんの状態を見極め、次々に判断していく職場です。面接官は、あなたがその流れの中に入ったときの姿を想像しようとしています。経験がない方は、学生時代の実習や前の職場で、忙しい中で優先順位をつけた場面を1つ思い出しておくと話しやすくなります。
回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟を想定した面接では、生活と退院についての質問が中心になります。「退院支援で大切にしてきたことは何ですか」「ご家族の意向と患者さんの意向が違ったとき、どうしましたか」「リハビリスタッフとどう連携してきましたか」。これらの病棟では、病気を治すことより、生活に戻ることを支える看護が中心です。治療の話より、日常生活の動作や、退院後の暮らしをどう想像してきたかを話せると、面接官に響きます。
療養病棟を想定した面接では、長い関わりと確実さについて聞かれます。「経管栄養や吸引の経験はありますか」「長期入院の患者さんとの関わりで気をつけていることは何ですか」「看護補助者や介護職とどう役割を分けてきましたか」。決まった処置を毎日確実に積み重ねる職場なので、丁寧さや、職種をまたいだ協働への姿勢が見られます。
精神科病棟を想定した面接では、関わり方の統一とご自身の心の扱い方について聞かれることがあります。「患者さんから強い言葉を向けられたとき、どう受け止めますか」「チームで決めた対応方針と自分の考えが違ったらどうしますか」。精神科の看護は、一人ひとりの対応がぶれないことが大切です。自分の気持ちを整えながら、チームで決めた方針に沿って関われるかどうかを、面接官は丁寧に見ています。
緩和ケア病棟では、看取りについての考えを聞かれることが多いです。正解を答える必要はありません。これまでに看取りに関わった経験があれば、そのとき感じたことと、そこから考えたことを、自分の言葉で話せば十分です。
配属先が決まっていない面接でも、応募先の病院にどんな病棟があるかを事前に調べておくと、質問の意図を読み取りやすくなります。
面接の前に、求人票で確かめておくこと
面接の準備というと、答えを考えることに意識が向きがちです。でも、その前に求人票を丁寧に読み直しておくと、面接で聞くべきことがはっきりします。
まず見ておきたいのは、勤務形態の欄です。2交代か3交代か、夜勤の回数の目安、夜勤専従の募集かどうか。2交代の夜勤は16時間前後の長い勤務になることが多く、3交代は勤務の間隔が短くなりやすいという特徴があります。どちらが自分の生活に合うかを考えておくと、面接で夜勤について聞かれたときに、落ち着いて答えられます。
次に、給与の欄です。月給や年収の例が書かれていたら、それが夜勤手当を含んだ金額なのか、何回の夜勤を前提にしているのかを確かめます。書かれていなければ、面接で確認する項目としてメモしておきます。
休日と休暇の欄も大切です。年間休日の日数、4週8休かどうか、有給休暇の取得の状況。病棟はシフト制なので、土日に休めるかどうかは月によって変わります。家庭の予定との兼ね合いがある方は、希望休がどれくらい通るのかも聞いておきたい点です。
教育制度の欄では、中途入職者向けの研修があるか、プリセプターのような指導者がつくかを確認します。書き方が具体的な病院ほど、受け入れの流れが整っていることが多いです。
配属先の欄に複数の病棟が並んでいる場合は、そのうちどこが今人手を必要としているのかを、面接で聞いてみるのもよいと思います。欠員の出ている病棟への配属になる可能性が高いからです。
求人票に書かれていることと、面接で聞いた話が大きく違っていたら、それも1つの判断材料です。慌てて決めず、持ち帰って考えてかまいません。
求人票を読みながら、「ここが分からない」と感じた点に印をつけておくと、それがそのまま逆質問のメモになります。
経験者、新卒、ブランクのある人で変わる質問
同じ病棟の面接でも、立場によって聞かれることは変わります。
経験者の場合は、「前の病院とのやり方の違いに対応できるか」がよく見られます。「前の病院ではどんな看護方式でしたか」「電子カルテは何を使っていましたか」「リーダー業務の経験はありますか」。これらは、入職後の教育をどこから始めればよいかを判断するための質問です。できることを正確に伝え、慣れていないことは「経験がないので、早めに覚えたいと思っています」と素直に伝えれば問題ありません。
経験者が気をつけたいのは、前の病院のやり方を基準にした話し方です。「前の病院ではもっと効率的でした」という言い方は、面接の場では、うちのやり方に合わせてくれないかもしれない、と受け取られてしまいます。
新卒の場合は、「看護師を目指したきっかけ」「実習で大変だったこと」「つらいときの乗り越え方」がよく聞かれます。病棟の厳しさを理解したうえで、それでも続けていけそうか、を確かめる質問です。完璧な答えは求められていません。自分の言葉で、具体的なエピソードを1つ話せれば十分です。
ブランクのある人は、「ブランクの間に何をしていたか」「復職に不安はないか」を聞かれます。ブランクそのものを責める面接官はほとんどいません。見られているのは、復職に向けてどう準備してきたか、そして不安をどう扱おうとしているか、です。
こういう相談がよくあります。「ブランクが長くて、面接で何を話せばいいか分からない」。そういう方には、まず不安を正直に認めることをおすすめしています。「採血や点滴の手技に不安があるので、復職者研修があれば受けたいです」と言える人は、面接官から見ると、自分の状態を客観的に把握できている人です。不安を隠して「大丈夫です」と言うより、ずっと信頼されます。
答えにくい質問への向き合い方
面接で一番緊張するのは、答えにくい質問ですよね。代表的なものを取り上げて、向き合い方をお話しします。
まず、退職理由が人間関係だった場合です。人間関係で職場を離れるのは、決して珍しいことではありません。ただ、面接でそのまま「人間関係が悪かった」と話すと、面接官は「うちでも同じことが起きたら、また辞めるのかな」と心配になります。
こういうときは、事実を否定せず、自分が次に何を大切にしたいかに話を移します。「チームで相談しながら看護を進められる環境で働きたいと考えるようになりました」。これは嘘ではなく、人間関係の経験から出てきた、前向きな希望です。前の職場の誰かを悪く言う必要はありません。
次に、短期間で辞めた経験がある場合です。「前の病院は半年で退職されていますね」と聞かれたら、言い訳を重ねるより、何が合わなかったのかを簡潔に伝え、今回はそれをどう確かめて応募したのかを話します。「夜勤の回数が想定と大きく違ったので、今回は面接で勤務の実態を確認させていただきたいと思っています」。こう話せる人は、同じミスマッチを繰り返さないように考えている人だと伝わります。
「希望の病棟に配属されなかったらどうしますか」という質問もあります。これは、あなたの柔軟さを見る質問です。「希望は変わりませんが、まずは配属された病棟で基本を身につけたいです」と答えれば十分です。
「当院が第一志望ですか」と聞かれることもあります。ほかの病院も受けているなら、それを隠す必要はありません。「複数の病院を受けていますが、〇〇という点で貴院に強く関心を持っています」と、理由を添えて伝えれば、誠実に受け取られます。
答えにくい質問ほど、完璧な答えより、落ち着いて正直に話す姿勢が伝わります。一度言葉に詰まっても大丈夫です。「少し考えてもよろしいですか」と一呼吸置くのは、失礼なことではありません。
面接で聞き返しておきたいこと
面接の最後に「何か質問はありますか」と聞かれます。ここは、あなたが病棟を見極めるための大切な時間です。遠慮せずに使いましょう。
病棟の働きやすさに直結するのは、次のような点です。
受け持ち人数です。日勤で1人が何人の患者さんを受け持つのか。病棟の配置基準や病床の稼働によって変わるので、平均的な人数を聞いておくと、1日の忙しさを想像しやすくなります。
夜勤の体制です。夜勤を何人で回しているのか、2交代か3交代か、月の平均回数はどれくらいか、夜勤中の休憩や仮眠が実際に取れているか。求人票に書かれていても、実態を確かめておく価値があります。
看護方式です。固定チームナーシング、PNS、プライマリーナーシングなど、どの方式を採っているかで、日常的に誰とどう組むかが変わります。
教育と入職後の流れです。中途入職者に何週間ほど指導がつくのか、夜勤にはいつ頃から入るのか、独り立ちの目安はどれくらいか。
看護補助者の体制です。食事や排泄の介助、シーツ交換を看護補助者がどこまで担っているかで、看護師の業務量は大きく変わります。
残業と休暇の実態です。聞きにくいと感じる方が多いのですが、「記録は勤務時間内に終わることが多いですか」「有給休暇はどのように取られていますか」と、働き方を具体的に想像するための質問として聞けば、失礼にはなりません。
配属が決まる時期も確認しておきましょう。内定の時点で決まるのか、入職後に決まるのかで、準備の仕方が変わります。
質問は、1つか2つに絞っても構いません。自分にとって一番大切な条件から聞いてください。答えの内容だけでなく、答え方も見ておきましょう。具体的に答えてくれる病院は、職場の実態を隠さない病院であることが多いです。
見学や面接当日に、病棟の空気を見ておく
面接の前後に病棟を見学できるなら、ぜひお願いしてみてください。書類や面接の受け答えだけでは分からないことが、たくさん見えてきます。
見学についても、先ほどの転職情報サイトで次のように書かれています。
実際に働いている看護師の雰囲気を見て、「この人たちと一緒に働きたい」「この病棟の空気感が自分に合っている」と感じた印象を信じるのもよい方法です。 出典: kango.mynavi.jp
空気感は、あいまいに思えるかもしれません。でも、見るポイントを決めておくと、短い時間でも意外と分かるものです。
ナースステーションでの声のかけ方を見てください。忙しい中でも、お願いするときに一言添えているか。新人らしい人が質問したとき、どう返されているか。
ナースコールへの反応も見ておきましょう。鳴ったときに誰が動くのか。特定の人ばかりが動いていないか。
看護補助者やリハビリスタッフとのやり取りも大切です。職種が違う人への話し方には、その病棟の雰囲気がよく表れます。
掲示物にも手がかりがあります。勉強会の予定、インシデントの共有、業務改善の取り組み。学ぶ文化がある病棟は、壁にもそれが出ています。
案内してくれる看護師さんの様子も見てください。病棟のことを聞いたとき、困った顔をせず、よいところも大変なところも話してくれるか。
見学のあと、「なんとなく苦しそうだった」と感じたなら、その感覚も大切にしてください。感覚だけで決める必要はありませんが、面接で確かめる質問を考えるきっかけになります。
面接が終わってから、入職を決めるまでに確かめること
面接が終わると、ほっとして、あとは結果を待つだけと思いがちです。でも、病棟で長く働くためには、内定が出てから入職を決めるまでの時間も大切です。
まず、労働条件を書面で受け取りましょう。雇い入れのときに、賃金や労働時間、休日などの労働条件を書面などで明示することは、法律で事業主に義務づけられています。面接で聞いた夜勤の回数や手当、配属先、試用期間の条件が、書面の内容と一致しているかを確かめてください。口頭で聞いた話と違う点があれば、入職前に確認しておくほうが、あとで悩まずに済みます。制度の詳細は厚生労働省のサイトでも確認できます。
次に、配属先がいつ決まるのかを確かめます。内定の時点で決まっていない場合は、入職前に伝えてもらえるのか、入職後の研修期間を経てから決まるのかを聞いておきましょう。配属先が分かれば、その病棟に多い疾患について事前に学び直すなど、準備の方向が定まります。
入職日の調整も大切です。今の職場に勤めている方は、退職の申し出から実際の退職まで、就業規則で決められた期間があることが多いです。病棟は勤務表を1か月単位で組むため、今の職場にも、次の職場にも、早めに相談しておくと双方の負担が減ります。
複数の病院から内定をもらって迷っている場合は、面接で感じたことを書き出して比べてみてください。受け持ち人数、夜勤の体制、教育の流れ、見学で感じた空気。条件の数字だけでなく、「この人たちと働く自分を想像できるか」も、大事な比較の軸です。
内定を辞退する場合は、決めた時点でなるべく早く連絡するのが礼儀です。病棟は採用を前提に勤務表や教育の計画を立て始めるので、早い連絡は相手への配慮になります。電話で伝え、必要に応じてメールでも一言添えると丁寧です。
こういう相談もよくあります。「内定をもらったけれど、面接で感じた違和感が消えない」。そういうときは、違和感の正体を言葉にしてみてください。条件の話なのか、人の話なのか。言葉にできれば、確認すべきことが見えてきます。
緊張との付き合い方について
最後に、面接の緊張について少しお話しさせてください。
緊張するのは、それだけ真剣に考えている証拠です。緊張をなくそうとしなくて大丈夫です。
私がカウンセリングの場でよくお伝えしているのは、面接を「試験」ではなく「お互いを知るための話し合い」だと捉え直すことです。あなたが選ばれる場であると同時に、あなたが病棟を選ぶ場でもあります。そう思えると、面接官の質問に対して、自分も相手を知ろうとする姿勢が自然に生まれます。
前日にやっておくと安心なのは、話す内容を暗記することではなく、話したいことを3つだけメモにしておくことです。志望動機の核、自分の経験の中で一番伝えたいこと、聞き返したいこと。この3つがあれば、話が途中で飛んでも戻ってこられます。
私自身、独立する前の会社員時代に転職の面接を受けたとき、用意した答えを思い出そうとして頭が真っ白になったことがあります。そのとき面接官に「落ち着いてからで大丈夫ですよ」と言われ、深呼吸をしてから、準備した言葉ではなく自分の言葉で話し直しました。結果として、そのほうがずっと伝わったんです。
面接当日は、ゆっくり息を吐くことを意識してみてください。吸うより、吐くほうに意識を向けると、体の緊張がほどけやすくなります。
うまく話せなかったとしても、それであなたの看護師としての価値が決まるわけではありません。
長く市場を見てきた立場から、面接と働き方の関係について
最後に、フリーランスや在宅ワークの市場を長く運営してきた立場から、病棟の面接について感じていることをお伝えします。
運営者として見てきた限りでは、長く働き続けられる人ほど、面接で自分から条件や実態を確かめています。聞き返すことを遠慮する人ほど、入ってから「こんなはずではなかった」と感じやすい。面接で確かめる姿勢は、職場との関係を最初から対等にするための一歩です。
これは病院に勤める場合だけでなく、業務委託で仕事を受ける場合も同じです。依頼者と直接話し、仕事の範囲や条件を最初にすり合わせる。仲介を挟まない直接取引では、同じ予算でも依頼者はより多く頼め、受け手の手取りは厚くなります。手数料0%であることの意味は、金額以上に、お互いが納得した条件で長く続く関係を作りやすいところにあります。
面接の前に、条件面の相場を知っておくことも大切です。看護師の年収が勤務形態や夜勤の回数でどう変わるのかは、統計にもとづく看護師の年収・単価相場で確認できます。相場を知っていると、提示された条件に落ち着いて向き合えます。
病棟とクリニックのどちらが自分に合うのか、まだ迷っている方もいると思います。夜勤の有無や受け持ちの形の違いを具体的に比べた看護師のクリニック転職ガイド|病棟との年収・働き方の違いも参考にしてみてください。
面接の準備を一人で進めるのが不安な方は、誰かに話を聞いてもらうだけでも気持ちが整理されます。キャリアの相談を専門に受ける仕事がどんなものかは職場・転職・キャリア相談のお仕事で紹介しています。看護の経験を生かして、いつか相談を受ける側になりたいと考える方は、国家資格のキャリアコンサルタントについて知っておくと、将来の働き方の選択肢が広がります。
あなたは一人じゃありません。準備をして、正直に話して、聞きたいことを聞く。それだけで、面接はきっと、あなたに合う病棟を見つけるための時間になります。
よくある質問
Q. 病棟の面接で夜勤の回数を聞かれたら、どう答えればよいですか?
できる範囲を具体的に、正直に伝えるのが一番です。子育てや介護などで制限があるなら、月に何回までなら入れるか、いつから回数を増やせるかを伝えると、看護師長が勤務表を考えやすくなります。無理な回数を引き受けると入職後に自分が苦しくなるので、面接の段階ですり合わせておきます。
Q. 退職理由が人間関係の場合、面接で正直に話すべきですか?
事実を否定する必要はありませんが、前の職場の誰かを悪く言う形は避けます。人間関係の経験から、次はチームで相談しながら看護を進められる環境で働きたい、というように、自分が大切にしたいことに話を移すと前向きに伝わります。同じ理由で辞めないかという面接官の心配に応える答え方です。
Q. 面接の逆質問で、残業や有給休暇のことを聞いても失礼になりませんか?
働き方を具体的に想像するための質問として聞けば、失礼にはなりません。「記録は勤務時間内に終わることが多いですか」「有給休暇はどのように取られていますか」のように聞くと自然です。受け持ち人数や夜勤の体制と合わせて、自分にとって一番大切な点から1つか2つに絞って聞くのがおすすめです。
Q. 配属希望を聞かれたとき、特に希望がない場合はどう答えればよいですか?
希望がないと答えるより、これまでの経験や関心から、強いて言えば関心のある領域を1つ挙げるほうが意欲が伝わります。そのうえで、病院の判断に従う姿勢を添えれば十分です。どうしても決められない場合は、幅広く経験を積みたい理由を具体的に話すと、柔軟さとして前向きに受け取られます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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