Arcブラウザの特徴と、Macで仕事用のブラウザを選ぶときの比べ方


この記事のポイント
- ✓Arcブラウザの特徴と使い方を
- ✓開発の現状とあわせて整理します
- ✓新機能の開発が止まりDiaへ軸足が移った今
Arcブラウザが気になって調べ始めたものの、「もう開発が終わったらしい」「後継のDiaに移った人が多い」という話も目に入り、今から使い始めてよいのか迷っている人は多いはずです。仕事で毎日開くブラウザは、一度決めると数年単位で付き合う道具です。見た目の評判だけで選ぶと、あとで乗り換えの手間が大きくなります。
結論から書くと、Arcは今も無料でダウンロードでき、タブを縦に並べて仕事ごとに分ける考え方はとても使いやすいブラウザです。ただし、開発元はすでに新機能の開発をやめており、公式サイト自身が「ArcはChromiumの更新だけを受け取る」と明記しています。この記事では、Arcの特徴と基本の使い方、開発の現状、そしてMacで仕事用のブラウザを選ぶときに比べるべき点を、手順と表で整理します。
Arcブラウザとは何か、いまどういう状況にあるのか
Arcは、ニューヨークのThe Browser Companyが作ったブラウザです。中身はGoogle Chromeと同じChromium(Chromeの土台になっている公開のブラウザ部品)で作られているため、Chromeで見られるサイトはほぼそのまま表示でき、Chromeの拡張機能もそのまま使えます。公式のよくある質問では、Chromeが対応する拡張機能に100%対応すると説明されています。
見た目はほかのブラウザと大きく違います。タブが画面上部ではなく左のサイドバーに縦に並び、仕事・勉強・趣味といった用途ごとに「スペース」という区切りを作って切り替えます。開いたタブは一定時間がたつと自動で片付けられ、必要なものだけをピン留めして残す作りです。タブが30個も40個も並んで何が何だか分からなくなる人に向けて設計されたブラウザだといえます。
一方で、ここ1年ほどで状況が大きく変わりました。開発元は2025年5月に公開した利用者向けの手紙で、Arcの新機能の開発を積極的には続けていないこと、AIを中心にした新しいブラウザ「Dia」に軸足を移したことを説明しています。さらに同年9月には、ソフトウェア会社のAtlassianがThe Browser Companyの買収に合意したと発表しました。
いまのArcの公式サイトには、次のような一文が載っています。
FYI: Arc receives Chromium updates only. For active security patches and enterprise-grade protection, download Dia instead. 出典: arc.net
意味は「ArcはChromiumの更新だけを受け取ります。積極的なセキュリティの修正や企業向けの保護が必要なら、代わりにDiaをダウンロードしてください」です。開発元自身が、仕事で安全面を重視する人にはDiaを勧めている、という点は押さえておく必要があります。
| 項目 | いまの状況(公式の記載) |
|---|---|
| 入手 | Mac版とWindows版を公式サイトから無料でダウンロードできる |
| 土台 | Chromium。Chromeの拡張機能が使える |
| 新機能の開発 | 積極的には行っていないと開発元が説明 |
| 更新 | Chromiumの更新を受け取る |
| 開発元 | The Browser Company。2025年9月にAtlassianが買収に合意と発表 |
| 後継 | AIを中心にしたブラウザ「Dia」(Mac版を提供、Windows版は準備中) |
Arcが支持されてきた理由と、仕事で便利だった機能
開発が止まったと聞くと、すぐに別のブラウザへ移るべきか考えてしまいます。ただ、Arcが多くの人に支持された理由を知っておくと、次のブラウザを選ぶときの物差しになります。ここでは、仕事で特に役立った機能を整理します。
スペースで仕事と私用を分けられる
Arcの一番の特徴は「スペース」です。スペースごとにタブとピン留めが分かれ、色やアイコンも変えられます。本業、副業、私用の3つのスペースを作っておけば、切り替えた瞬間に画面全体がその仕事用の並びに変わります。さらにスペースごとに「プロファイル」を割り当てると、ログイン状態や閲覧履歴も分けられます。会社のGoogleアカウントと個人のGoogleアカウントを、ログアウトせずに使い分けられるわけです。
タブが勝手に増え続けない
Arcは、ピン留めしていないタブを一定時間で自動的に片付けます。片付けたタブはアーカイブとして後から探せるため、消えて困ることはほとんどありません。「念のため開いておく」タブが溜まらないので、画面がいつも整った状態に保たれます。デスクワークで集中が続かない原因の1つは、視界に入る情報が多すぎることです。タブが自動で減る仕組みは、地味ですが効き目があります。
画面分割と、コマンドバーでの操作
Arcには「スプリットビュー」という画面分割の機能があり、1つの窓の中に2つ以上のページを並べられます。左に資料、右に入力画面を並べて作業する人には便利です。また、Command+Tで開くコマンドバーから、タブの検索、ページの移動、設定の呼び出しまでキーボードだけで行えます。
AI機能「Arc Max」
Arcには「Arc Max」というAI機能の集まりがあり、リンクにカーソルを合わせてShiftキーを押すとページの要約を表示する機能、タブの題名を短く整える機能、ダウンロードしたファイルの名前を整える機能などがあります。公式ページでは、コマンドバーに「Arc Max」と入力して機能をオンにする手順が案内されています。
| 機能 | 仕事での使いどころ | 注意点 |
|---|---|---|
| スペース | 本業・副業・私用を分ける | スペースが増えすぎると切り替えに迷う |
| プロファイル | 複数のGoogleアカウントを分ける | プロファイルごとに拡張機能の設定が必要 |
| 自動アーカイブ | 不要なタブを溜めない | 残したいタブはピン留めが必要 |
| スプリットビュー | 資料と入力画面を並べる | 画面が小さいノートでは窮屈 |
| Arc Max | 要約やタブ名の整理 | 新機能の追加は期待しにくい |
Arcの基本的な使い方と初期設定の手順
ここからは、これからArcを試す人のために、入れてから仕事で使える状態にするまでの手順を整理します。初心者がつまずきやすいのは、Chromeからの引き継ぎと、スペースの作り方です。
手順1:ダウンロードとアカウント作成
公式サイトからMac版をダウンロードし、アプリケーションフォルダに移して起動します。Arcは同期のためにアカウントの作成を求めます。公式のよくある質問でも、データを失わないため、端末間で同期するためにアカウントを作ると説明されています。メールアドレスの登録が必要になる点は、アカウントなしで使える一般的なブラウザとの違いです。
手順2:Chromeからの引き継ぎ
初回起動時に、Chromeなどからブックマーク、パスワード、拡張機能を取り込むか聞かれます。公式サイトでは、Chromeのデータは数秒で取り込めると案内されています。取り込んだブックマークはサイドバーのピン留めとして並ぶため、数が多い人は最初に整理しておくと後が楽です。
手順3:スペースを3つまでに絞って作る
最初から細かく分けすぎると、どのスペースに何があるか分からなくなります。まずは「本業」「副業」「私用」の3つ程度にとどめ、それぞれにいつも使うサービスを3〜5個ずつピン留めします。メール、チャット、カレンダー、作業用のドキュメントあたりが基本です。
手順4:既定のブラウザにするか決める
メールやチャットのリンクをArcで開きたいなら、macOSのシステム設定でArcを既定のブラウザに設定します。ただし、後で別のブラウザに移る可能性が高いなら、しばらくはChromeやSafariを既定のまま残し、Arcは特定の仕事用として試すほうが安全です。
手順5:自動アーカイブの時間を確かめる
自動で片付けるまでの時間は設定から変えられます。数日かけて進める調べものが多い人は、時間を長めにしておくと「さっき見ていたページが消えた」と慌てずに済みます。
設定に慣れるまでの数日は、作業の手が止まりがちです。デスクワークが長い人は、設定作業の合間にも1時間に1回は立ち上がって、30秒ほど体を伸ばす習慣をつけておくと、肩や腰の負担が軽くなります。新しい道具に慣れる時期ほど、画面をのぞき込む姿勢が続きやすいからです。
開発が止まったブラウザを仕事で使い続けるときの注意点
Arcは今も動きますし、Chromiumの更新は受け取っています。それでも、仕事で使い続けるなら次の点は理解しておく必要があります。
新しい機能や不具合の直しは期待しにくい
開発元は、新しい機能の開発を積極的には行っていないと明言しています。Webサービス側の仕様が変わって、Arc独自の機能だけがうまく動かなくなっても、直る保証はありません。スペースやアーカイブのような独自機能に仕事の流れを強く頼るほど、その影響を受けやすくなります。
セキュリティの面で取引先の決まりに合うか
取引先によっては、業務で使うブラウザやソフトウェアを指定している場合があります。特に、顧客の個人情報や未公開の資料を扱う仕事では、更新が続いているブラウザを使うよう求められることがあります。Arcの公式サイト自身が「積極的なセキュリティ修正が必要ならDiaを」と書いている以上、取引先から使用ソフトを聞かれたときに説明が難しくなる場面も考えられます。
データの持ち出し方を先に確かめる
いつか乗り換えるときに困らないよう、ピン留めやブックマークを書き出せるか、別のブラウザで取り込めるかを先に確かめておきます。最近のブラウザやアプリ集約ブラウザの多くは、Arcからのブックマーク取り込みに対応しています。取り込み元にArcが選べるかどうかは、乗り換え先を選ぶ条件の1つになります。
後継のDiaは別の製品と考える
DiaはArcと同じ開発元のブラウザですが、AIとの対話を中心にした別の製品です。公式サイトでは、朝の予定やメールをまとめて表示する機能、複数のタブやサービスにまたがって質問に答える機能などが紹介されています。Arcのスペースやサイドバーの操作感をそのまま求める人には、合う部分と合わない部分があります。現時点の公式サイトでは、DiaはMac版のみで、Windows版は準備中と案内されています。
| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| 取引先にブラウザの指定があるか | 更新の続かないソフトは使用を断られることがある |
| ブックマークを書き出せるか | 乗り換え時に一から作り直さずに済む |
| 拡張機能の設定を控えたか | パスワード管理などの再設定に時間がかかる |
| 独自機能にどこまで頼っているか | 動かなくなったときの影響を見積もる |
Macで仕事用のブラウザを選ぶときに比べる5つのポイント
Arcを続けるか、別のブラウザに移るかを決めるときは、見た目の好みではなく、次の5つの点で比べると判断がぶれません。
ポイント1:更新が続いているか
まず確かめたいのは、そのブラウザがこれからも更新されるかどうかです。ChromeやSafari、Microsoft Edgeのように大きな会社が作るブラウザは更新が止まる心配がほぼありません。小さな会社のブラウザは独自の工夫が魅力ですが、Arcのように方針が変わる可能性もあります。公式のブログやリリースノートが最近も更新されているかを見ておきます。
ポイント2:複数のアカウントを同時に使えるか
在宅で仕事を受ける人は、取引先ごとにGoogleアカウントやSlackのワークスペースを分けて渡されることがよくあります。1つの窓で複数のアカウントにログインしたまま使えるか、プロファイルの切り替えが必要か、で毎日の手間が大きく変わります。
ポイント3:通知をまとめられるか
メール、チャット、タスク管理の通知がばらばらに届くと、集中が細切れになります。通知を1か所にまとめられるか、時間帯で止められるかは、作業の質に直結します。
ポイント4:同期の仕組みとアカウントの要否
ブラウザによっては、使い始めにアカウント作成が必要です。同期のデータがどこを通るのか、提供元のサーバーに預けるのか、自分のクラウドを使うのかも確かめます。仕事のデータを扱う以上、どこに何が保存されるのかを説明できる状態にしておくと安心です。
ポイント5:費用と、やめたときの扱い
無料のブラウザが大半ですが、仕事向けのアプリ集約ブラウザには有料のものもあります。月額か年額か買い切りか、無料でどこまで使えるか、解約した後にデータがどうなるかを比べます。
| 比べる点 | Chrome / Safari / Edge | Arc | アプリ集約ブラウザ |
|---|---|---|---|
| 更新の継続 | 継続している | Chromiumの更新のみ | 製品による |
| 複数アカウント | プロファイルで切り替え | スペースとプロファイル | 製品によっては同時にログイン |
| 通知の集約 | 基本はサイトごと | サイトごと | まとめられる製品が多い |
| アカウントの要否 | 不要(同期のみ要) | 必要 | 製品による |
| 費用 | 無料 | 無料 | 無料の範囲と有料プラン |
乗り換え先の候補ごとの向き不向き
5つのポイントを踏まえて、Arcから移るときによく候補に挙がるブラウザを、合う人と合わない人に分けて整理します。どれが優れているかではなく、自分の働き方に合うかで選びます。
Chrome:迷ったときの基準になる
Chromeは対応するサイトと拡張機能が最も多く、取引先から指定されることも多いブラウザです。タブグループで仕事ごとにタブをまとめられ、プロファイルで複数のGoogleアカウントを窓ごとに分けられます。一方、プロファイルを切り替えるたびに窓が分かれるため、アカウントが4つ、5つと増えると窓の管理が手間になります。
Safari:Macの電池と相性を重視する人に
SafariはmacOSに組み込まれたブラウザで、電池の持ちやiPhoneとの連携に強みがあります。プロファイル機能で仕事と私用を分けることもできます。ただし、Chromeの拡張機能はそのまま使えず、業務で使うサービスによってはChromeでの利用を前提にしているものもあります。
Microsoft Edge:Microsoft 365を中心に使う人に
EdgeもChromiumを土台にしており、Chromeの拡張機能が使えます。縦にタブを並べる表示があり、Arcの操作感に近い使い方ができます。Microsoft 365の会社アカウントと相性がよく、取引先がMicrosoftの製品を中心に使っている場合に向いています。
Dia:AIに作業を任せたい人に
Diaは、開いているタブや仕事のツールをまたいで質問に答えるなど、AIとの対話を中心にしたブラウザです。Arcの開発元が作っていて、Arcのスペースに近いプロファイル機能もあります。AIに要約や下調べを任せたい人には合いますが、AIの機能を使う場面で何の情報が送られるかは、公式の説明を読んで確かめてから使います。
アプリ集約ブラウザ:決まったWebサービスを毎日行き来する人に
Gmail、Slack、Notion、カレンダーなど、決まったWebサービスを毎日行き来する人には、サービスを「アプリ」として並べるアプリ集約ブラウザという選択肢もあります。サービスごとにログイン状態を分けて保存できる製品が多く、複数アカウントの切り替えが少なくて済みます。
Arcに近い使い方を、標準のブラウザで再現する方法
新しいブラウザを入れる前に、いま使っているブラウザの機能だけでArcに近い環境を作れないか試してみる価値はあります。追加の費用がかからず、取引先の指定にも合わせやすいからです。
Chromeで再現する
Chromeでは、タブを右クリックして「タブをグループに追加」を選ぶと、タブに色と名前を付けてまとめられます。「本業」「副業」のようにグループを作り、使わないグループは折りたたんでおけば、Arcのスペースに近い見え方になります。保存したタブグループは、窓を閉じても次回呼び出せます。アカウントを分けたい場合は、右上のプロフィールのアイコンから新しいプロファイルを作ります。
Edgeで再現する
Edgeには、タブを左側に縦に並べる表示があります。Arcのサイドバーに慣れた人は、まずこの表示を試すと違和感が少なく済みます。Edgeにも仕事用と私用でプロファイルを分ける機能があり、Microsoftの会社アカウントと個人アカウントを窓ごとに分けられます。
Safariで再現する
Safariでは「タブグループ」でタブをまとめ、「プロファイル」で仕事と私用を分けられます。プロファイルごとに履歴やCookie(サイトがログイン状態などを覚えておくための小さなデータ)が分かれるため、Googleアカウントを分けて使えます。
再現できないもの
一方で、ピン留めしていないタブの自動アーカイブや、コマンドバーからのすばやい操作は、標準のブラウザでは同じようにはいきません。拡張機能で補える部分もありますが、拡張機能を増やしすぎるとブラウザが重くなり、仕事のデータを読み取る権限を持つ拡張機能が増えることにもなります。追加する拡張機能は、提供元と必要な権限を確かめてから入れます。
Arcのスペースが合っていた人が次に試せる選択肢
Arcのスペースやサイドバーが気に入っていた人の中には、「本当に欲しかったのはタブの整理ではなく、毎日使うサービスを用途ごとに分けて、ログインしたまま行き来できること」だったという人も少なくありません。そうした人がChromeのプロファイルに戻ると、窓が増えて結局散らかってしまいがちです。
その場合の候補の1つが、macOS向けのアプリ集約ブラウザ「SpaceDeck」です。公式サイトによると、GmailやSlack、NotionなどのWebサービスをアプリとして左のサイドバーに並べ、アプリごとにCookieの入れ物を分けて動かすため、同じサービスに複数のアカウントでログインしたまま使えます(この機能はPro)。アプリを「仕事」「個人」のようなワークスペースにまとめる考え方はArcのスペースに近く、ArcやChromeなどからフォルダの構成ごとブックマークを取り込めます。Chromeウェブストアの拡張機能も使え、通知をまとめる機能や内蔵のターミナルは無料の範囲で使えます。
料金は、無料版がワークスペース1つ・アプリ3つまでで、期間の制限はありません。Proは税込で月額980円、年額8,800円、買い切り19,800円の3通りで、ダウンロードした日から14日間はProの全機能を試せます。体験にカードの登録やアカウントの作成は不要です。対応するのはmacOS 12以降で、Windows版はありません。
SpaceDeckは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
タブを整理したいだけなら、Chromeのタブグループや、Edgeの縦のタブ表示でも十分に用は足ります。専用のブラウザは、どこで手間がかかっているのかがはっきりしてから試せば遅くありません。
乗り換えの進め方と、失敗しないための段取り
ブラウザの乗り換えは、一度に全部を移すと仕事が止まります。次の段取りで、2週間ほどかけて少しずつ移すのが安全です。
1週目:今の使い方を書き出す
まず、毎日開くサービス、ログインしているアカウント、使っている拡張機能を紙かメモに書き出します。Arcのスペースごとに、ピン留めしているサービスを並べるだけでかまいません。書き出してみると、ふだん使っているのは10個前後のサービスに収まることが多いはずです。
1週目:パスワードの管理を先に整える
乗り換えで一番困るのは、ログインし直しのたびにパスワードを思い出せないことです。パスワード管理のアプリや拡張機能を使っていない人は、乗り換えの前に整えておきます。二段階認証(パスワードに加えてスマホへの通知などで本人を確かめる仕組み)を設定しているサービスは、スマホを手元に置いて作業します。
2週目:新しいブラウザで1つの仕事だけを回す
いきなり全部を移さず、副業だけ、あるいは特定の取引先の仕事だけを新しいブラウザで回してみます。数日使って不便がなければ、次の仕事を移します。
2週目:Arcのデータを残したまま様子を見る
Arcはすぐに削除せず、しばらく残しておきます。新しいブラウザに移し忘れたピン留めやメモに後から気づくことがよくあるためです。1か月ほど開かなくなったら、ブックマークを書き出してから削除します。
乗り換えで起きやすい失敗
| 失敗 | 防ぎ方 |
|---|---|
| 取引先のアカウントにログインできなくなる | 二段階認証の手段を事前に確かめる |
| 拡張機能の設定が消える | 設定を書き出せる拡張機能は先に書き出す |
| 古いブラウザのリンクを開いてしまう | 既定のブラウザを切り替えるのは最後にする |
| ブックマークが二重になる | 取り込みは1回だけにして、整理してから使う |
編集部のメンバーにも、Arcからの乗り換えで同じ失敗をした例があります。既定のブラウザを最初に切り替えてしまい、メールのリンクを開くたびに新しいブラウザ側でログインを求められて、半日ほど作業が進みませんでした。既定のブラウザは、主な仕事が新しい環境で回るようになってから最後に切り替えるのが近道です。
Arcを当面使い続けるなら決めておきたいルール
乗り換えをすぐには決められない人もいるはずです。慣れた道具を急いで手放す必要はありません。ただ、使い続けるなら、後で困らないためのルールを先に決めておくと安心です。
重要なログインは別のブラウザでも開けるようにしておく
取引先の管理画面や、銀行・会計のサービスなど、止まると困るサービスは、ChromeやSafariでもログインできる状態にしておきます。Arcで不具合が起きたときに、別のブラウザですぐ作業を続けられるからです。会計や請求のサービスは月末や確定申告の時期に集中して使うため、その時期にログインできないと影響が大きくなります。
独自機能に頼る部分を減らしていく
スペースやピン留めの並びは、ほかのブラウザでも再現しやすい形にしておきます。たとえば、ピン留めをフォルダごとに整理しておけば、ブックマークとして書き出したときにも構成が保たれます。Arc独自の「イーゼル」やメモに仕事の情報を書き溜めている人は、少しずつ別のメモアプリに移しておくと、乗り換えるときの負担が減ります。
毎月1回、更新状況を確かめる
公式サイトの案内や開発元のブログを、月に1回程度見に行く習慣をつけます。サポートの方針が変わったときに早めに気づけます。macOSの大きな更新が出たときは、Arcが問題なく動くかを確かめてから更新すると安全です。
確認のための簡単な表
| ルール | 頻度の目安 |
|---|---|
| 重要なサービスに別のブラウザでログインできるか確かめる | 3か月に1回 |
| ピン留めとブックマークを書き出す | 1か月に1回 |
| 公式サイトの案内を確かめる | 1か月に1回 |
| macOSの更新前にArcの動作を確かめる | 大きな更新のたび |
ブックマークの書き出しは、ファイル1つで済む作業です。5分もかからないので、月初の作業として決めてしまうと続けやすくなります。
ブラウザ選びが在宅の仕事にどう関わるか
ブラウザは、在宅で仕事をする人にとって作業場そのものです。どの職種でも、仕事の大半はブラウザの中で進みます。
たとえば、アプリやWebサービスの開発を受ける人は、開発用の画面、課題管理、チャット、ドキュメントを一日中行き来します。アプリケーション開発のお仕事では、こうした開発の仕事の種類や進め方を紹介しています。複数の取引先から開発を受ける場合、取引先ごとにGitHubやSlackのアカウントが分かれることも珍しくありません。
ソフトウェア作成者の年収・単価相場を見ると、開発の仕事は経験や担当する工程によって報酬に大きな幅があることが分かります。報酬の高い案件ほど、取引先が業務で使うツールやセキュリティの決まりを細かく定めている傾向があり、更新が続くブラウザを使っていることが前提になる場面もあります。
文章の仕事も同じです。取材、執筆、入稿をすべてブラウザの中で進める書き手は、媒体ごとに管理画面やアカウントが分かれます。著述家,記者,編集者の年収・単価相場では、書く仕事の報酬の目安を確かめられます。
在宅で働く人が増えた背景には、企業側の環境整備もあります。テレワークの導入にかかる費用を国が支援する制度については、テレワーク 助成金 2026で整理しています。
運営者として見てきた、道具選びと仕事の続け方の関係
フリーランスや在宅ワークの市場を長く見てきた立場からいえるのは、仕事が長く続く人ほど、道具の流行に振り回されず、自分の仕事の流れに合わせて道具を選んでいるということです。新しいブラウザが話題になるたびに乗り換える人もいますが、乗り換えのたびに設定やログインのやり直しで数日を失います。その数日は、取引先から見れば返信が遅くなった数日でもあります。
一方で、取引先が増えてアカウントの切り替えに毎日何十分も使っている人は、道具を見直すだけで作業の時間を取り戻せます。大事なのは、どこで時間を失っているのかを先に把握することです。ブラウザのタブが多すぎるのか、アカウントの切り替えが多いのか、通知に気を取られているのか。原因によって選ぶべき道具は変わります。
仲介手数料がかからない直接取引では、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなり、発注側も同じ金額でより多くを頼めます。こうした取引が長く続くのは、返信が早く、約束の期限を守る人です。ブラウザやアカウントの整理は、その土台を支える地味な準備だといえます。AIを使った業務の効率化を仕事として請け負う人も増えており、AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、そうした仕事の内容と始め方を紹介しています。
Arcを使い続けるにしても、別のブラウザへ移るにしても、まずは今の仕事で何に時間を使っているかを1週間ほど記録してみてください。その記録が、次の道具を選ぶいちばん確かな根拠になります。
よくある質問
Q. Arcブラウザは今から使い始めても大丈夫ですか?
Arcは今も公式サイトから無料でダウンロードでき、Chromiumの更新も受け取っています。ただし、開発元は新機能の開発を積極的には行っておらず、公式サイトでも安全面を重視するなら後継のDiaを勧めています。仕事で使うなら、取引先にブラウザの指定がないかを確かめ、いつでも乗り換えられるようブックマークを書き出せる状態にしておくと安心です。
Q. ArcとDiaはどう違いますか?
どちらも同じ開発元のブラウザですが、Arcはサイドバーとスペースでタブを整理するブラウザ、DiaはAIとの対話を中心に、タブや仕事のツールをまたいで質問に答えるブラウザです。Arcの操作感をそのまま求める人には合わない部分もあります。DiaのAI機能を使うときは、何の情報が送られるかを公式の説明で確かめてから使います。
Q. ArcでChromeの拡張機能は使えますか?
使えます。ArcはChromeと同じChromiumを土台にしており、公式のよくある質問ではChromeが対応する拡張機能に100%対応すると説明されています。初回起動時にChromeからブックマークや拡張機能を取り込むこともできます。ただし、拡張機能の中の設定やログイン状態は、拡張機能ごとに確かめ直す必要がある場合があります。
Q. Arcから別のブラウザへ乗り換えるときに気をつけることは?
一度に全部を移さず、1つの仕事ずつ新しいブラウザへ移すのが安全です。先にパスワード管理と二段階認証の手段を整え、既定のブラウザの切り替えは最後に行います。Arcはすぐに削除せず、移し忘れたピン留めやメモがないかを1か月ほど確かめてから、ブックマークを書き出して整理すると失敗が減ります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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