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シングルマザーの資格取得の支援|給付金と訓練

@SOHO編集部
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シングルマザーの資格取得の支援|給付金と訓練

この記事のポイント

  • ✓シングルマザーの資格取得を支える制度には
  • ✓高等職業訓練促進給付金
  • ✓自立支援教育訓練給付金

シングルマザーの資格取得を支える制度は、国と自治体、ハローワークにいくつも用意されています。ただ、制度の名前が似ていて、どれが自分に使えるのか、いくらもらえるのか、いつ申し込めばよいのかが分かりにくいのが実情です。しかも、受講を始めてからでは申し込めない制度があるため、知らないまま学校に入ると、本来受けられた支援を逃してしまうことがあります。

この記事では、ひとり親が資格を取るときに使える主な制度を4つに分けて、対象になる条件、支給される金額、対象の資格、申し込む順番を、こども家庭庁と厚生労働省の公式の情報に沿って説明します。そのうえで、子育てと両立しやすい資格の選び方と、在宅の仕事につなげる考え方も紹介します。まず全体像を表で整理します。

制度 窓口 支援の中身 向いている人
高等職業訓練促進給付金 都道府県・市区町村 6か月以上の養成機関で学ぶ間の生活費 看護師、保育士、介護福祉士など、学校に通って国家資格を取りたい人
自立支援教育訓練給付金 都道府県・市区町村 指定講座の受講料の60%など 働きながら、または短期間で資格を取りたい人
求職者支援制度 ハローワーク 無料の職業訓練と、要件を満たせば1か月あたり10万円の給付金 雇用保険を受けられず、仕事を探している人
教育訓練給付金 ハローワーク 指定講座の受講料の20%から最大80% 雇用保険に入って働いている人、離職して1年以内の人

ひとり親の資格取得を支える制度の全体像

ひとり親向けの制度は、大きく「ひとり親であることを条件にした制度」と「誰でも条件を満たせば使える雇用の制度」の2つに分かれます。前者はこども家庭庁が所管し、都道府県や市区町村が窓口です。後者は厚生労働省が所管し、ハローワークが窓口になります。

ひとり親向けの給付金は、「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業」として、都道府県、市、福祉事務所を置く町村が実施しています。ここで大切なのは、国が全国一律で配る給付金ではなく、自治体が事業として行うものだという点です。こども家庭庁は、制度を設けていない自治体に住んでいる場合は対象にならないと明記しています。最初にやることは、住んでいる市区町村(町村に住んでいる人は都道府県)のひとり親家庭の担当窓口で、どの制度が使えるかを確かめることです。

雇用の制度は、ハローワークで申し込みます。雇用保険に入って働いた期間がある人は教育訓練給付金、雇用保険を受けられない人は求職者支援制度が中心になります。ひとり親向けの制度と雇用の制度は、条件によっては組み合わせて使えるため、両方の窓口で相談するのが近道です。

なお、これらの制度はシングルマザーだけのものではありません。こども家庭庁の案内では、母子家庭の母と父子家庭の父の両方が対象とされています。また、自立支援教育訓練給付金の対象者は「現に児童(20歳に満たない者)を扶養している」ひとり親で、受講中に子どもが20歳になった場合も、受講を修了するまでは引き続き対象になります。子どもの年齢が上がってから資格に挑戦する人も、制度が使えるかどうかを一度確かめる価値があります。

離婚の話し合いをしている途中の人も、相談を先延ばしにする必要はありません。母子・父子自立支援プログラム策定事業は、ひとり親の親だけでなく、離婚前から支援が必要な人も対象に含めています。先の生活の見通しを立てるために、早めに窓口を訪ねておくと選べる道が広がります。

制度の名前は似ていますが、目的で分けると覚えやすくなります。

  • 学ぶ間の生活費を支えるもの … 高等職業訓練促進給付金、求職者支援制度の職業訓練受講給付金
  • 受講料を支えるもの … 自立支援教育訓練給付金、教育訓練給付金
  • 入学や就職のときのまとまったお金を貸すもの … ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付

高等職業訓練促進給付金の条件と金額

高等職業訓練促進給付金は、ひとり親が就職に有利な資格を目指して養成機関で学ぶ間の生活費を支える制度です。看護師や保育士のように、学校に1年以上通う必要がある資格では、通学中に働く時間が減って収入が落ちることが一番の壁になります。その間の暮らしを支えるのが、この給付金の役割です。

訓練開始日以降、次の要件を満たすひとり親の方1 児童扶養手当の支給を受けているか、同等の所得水準(※1)にある方ただし、所得水準を超過した場合であっても、1年に限り引き続き対象者とします。※1 例:お子さんが1人の場合、1年間の収入が385万円未満2 養成機関において6月以上のカリキュラムを修業し、対象資格の取得等が見込まれる方3 仕事または育児と修業の両立が困難であると認められる方 出典: こども家庭庁「高等職業訓練促進給付金のご案内」

条件を言い換えると、次の3つをすべて満たす人が対象です。

  1. 児童扶養手当を受けているか、それと同じくらいの所得であること。児童扶養手当とは、ひとり親家庭の子どもの生活を支えるために自治体から支給される手当のことです。子どもが1人なら、1年間の収入が385万円未満が目安です
  2. 養成機関で6か月以上のカリキュラムを学び、資格を取る見込みがあること
  3. 仕事や育児と勉強の両立が難しいと認められること

支給額は次のとおりです。

区分 住民税が非課税の世帯 住民税が課税の世帯
訓練期間中(1か月あたり) 10万円 70,500円
訓練期間の最後の1年間 4万円の増額 4万円の増額
訓練の修了後 5万円 25,000円

たとえば住民税が非課税の世帯で2年間の養成機関に通う場合、最初の1年は1か月あたり10万円、最後の1年は14万円が支給される計算になります。修了後には5万円が加わります。

対象になる資格は、就職に有利で、養成機関で6か月以上学ぶものです。こども家庭庁は例として、看護師、准看護師、保育士、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、調理師、製菓衛生師などの国家資格と、シスコシステムズ認定資格やLPI認定資格などのデジタル分野の民間資格を挙げています。国家資格だけでなく、デジタル分野の資格も対象に含まれている点は、資格を選ぶときの大きな手がかりになります。

受給中に子どもが20歳になったときに、支給が途切れて資格を諦めることがないよう、「高等職業訓練促進継続給付金」という制度もあります。条件を満たせば、子どもが20歳になったあとも同じ額が続きます。

あわせて使えるのが「ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付」です。高等職業訓練促進給付金を使って養成機関で学ぶ人に、入学準備金と就職準備金を貸し付ける制度で、取った資格を生かして5年間働き続けると返済が免除されます。貸付の金額や手続きは都道府県(指定都市に住んでいる人は市役所)が案内しています。

自立支援教育訓練給付金の条件と金額

自立支援教育訓練給付金は、ひとり親が自分で選んだ講座を受講して修了したときに、受講料の一部が戻ってくる制度です。学校に何年も通うのではなく、通信講座や数か月の講座で資格を取りたい人に向いています。

支給額は、講座の種類で変わります。

講座の種類 支給額
雇用保険の一般教育訓練・特定一般教育訓練の対象講座 受講料の60%(上限20万円)
雇用保険の専門実践教育訓練の対象講座 受講料の60%(修学年数×40万円、上限160万円)
専門実践教育訓練の講座を修了し、1年以内に資格を取って就職した場合 受講料の85%(修業年数×60万円、上限240万円)

下限は1万2,001円で、これより少ない場合は支給されません。また、ハローワークの教育訓練給付金を受けられる人は、その額との差額が支給されます。

対象になるのは、20歳未満の子どもを育てているひとり親で、次の2つを満たす人です。

  • 自治体で「母子・父子自立支援プログラム」の策定などを受けていること。これは、自治体の担当者と面談して、生活の状況や仕事への希望、資格取得の取り組みを確かめ、一人ひとりに合った支援の計画をつくるものです
  • 仕事の経験や持っている資格、地域の求人の状況から見て、その講座が自分に合う仕事に就くために必要だと認められること

もっとも気をつけたいのは、受講を始める前に自治体から講座の指定を受ける必要があることです。こども家庭庁は「必ず事前にお住まいの市(町村在住の方は都道府県)にご相談下さい」と書いています。先に講座を申し込んで受講を始めてしまうと、あとから給付金の対象にできません。

ハローワークの求職者支援制度と教育訓練給付金

ひとり親向けの制度とは別に、ハローワークの制度も使えます。

求職者支援制度

雇用保険を受けられない人が、無料の職業訓練を受けられる制度です。訓練期間は2か月から6か月で、パソコンの基礎、医療事務、介護職員初任者研修、Webデザインなど、多くのコースがあります。託児サービスを利用できるコースがあることも、子育て中の人にとって大きな利点です。

一定の条件を満たすと、訓練の期間中に職業訓練受講給付金が支給されます。

職業訓練受講手当 月10万円 訓練を受講している期間について、要件を満たせば1か月ごとに支給します 出典: 厚生労働省「求職者支援制度のご案内」

主な条件は、本人の収入が1か月あたり8万円以下、世帯全体の収入が1か月あたり30万円以下、世帯全体の金融資産が300万円以下で、訓練の日にすべて出席することです。やむを得ない理由で休んだ場合も8割以上の出席が必要ですが、育児や介護をしている人は、証明ができない場合でも認められる扱いになっています。通所手当(定期券などの額、上限42,500円)もあり、給付金だけでは生活費が足りない場合は、低い利率で借りられる求職者支援資金融資も用意されています。

教育訓練給付金

雇用保険に入って働いている人、または原則として離職して1年以内の人が、厚生労働大臣が指定した講座を修了したときに、受講料の一部が支給される制度です。講座の種類で支給の割合が変わります。

講座の種類 支給の割合
一般教育訓練 受講料の20%(上限10万円)
特定一般教育訓練 受講料の40%(上限20万円)。資格を取って1年以内に就職すると50%(上限25万円)
専門実践教育訓練 受講料の50%(年間上限40万円)。資格を取って就職すると70%、賃金が5%以上上がると80%

専門実践教育訓練の70%と80%の上乗せは、令和6年10月以降に始まる講座が対象です。対象の講座は、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで探せます。

目指す資格ごとに、使える制度を当てはめてみる

制度の条件を読んでも、自分の場合にいくら受けられるのかは想像しにくいものです。ここでは、よくある3つの進み方に制度を当てはめて、受けられる支援の目安を計算します。金額はこども家庭庁と厚生労働省の案内に書かれた上限や割合をもとにしたもので、実際の額は自治体の判断や受講料で変わります。

保育士の養成校に2年間通う場合

住民税が非課税の世帯で、児童扶養手当を受けている人が、保育士の養成校に2年間通うとします。高等職業訓練促進給付金は、最初の1年が1か月あたり10万円で12か月、最後の1年が1か月あたり14万円で12か月となり、合計は288万円です。修了後の5万円を合わせると293万円になります。入学金や教材費が気になる場合は、ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付の入学準備金を相談し、卒業後に保育士として5年間働き続ければ返済が免除されます。

この進み方は、通学中に働く時間が大きく減る人に向いています。一方で、給付金は生活費の支えであって学費をまかなうものではないため、授業料は別に準備が必要です。養成校の学費と、通学中の家計の見通しを窓口で一緒に確かめてから入学を決めると安心です。

医療事務の講座を数か月で修了する場合

雇用保険を受けられない人が、ハローワークの求職者支援訓練で医療事務のコースを受けるとします。受講料は無料で、収入や資産の条件を満たし、訓練の日にすべて出席すれば、職業訓練受講手当として1か月あたり10万円が支給されます。訓練期間が4か月なら、受講手当の合計は40万円です。通所の定期券代も、上限42,500円の範囲で通所手当として支給されます。

短い期間で就職につなげたい人や、託児サービスのあるコースを選びたい人に向いた進み方です。コースごとに募集の時期が決まっているので、ハローワークインターネットサービスの訓練コース検索で、地域と分野、募集期間を確かめてから申し込みます。

働きながら通信講座で資格を取る場合

雇用保険に入って働いているひとり親が、一般教育訓練の対象になっている通信講座(受講料10万円)を受けるとします。自立支援教育訓練給付金を使えば、受講料の60%にあたる6万円が支給の目安です。ハローワークの教育訓練給付金(一般教育訓練は20%で2万円)を受けられる人は、自立支援教育訓練給付金からその差額の4万円が支給される仕組みなので、受け取る合計は6万円になります。

この場合も、受講を始める前に自治体から講座の指定を受けることが条件です。働きながら学ぶ人は、仕事の繁忙期と試験の日程が重ならない講座を選ぶと、修了まで進みやすくなります。

申し込む順番と、つまずきやすい点

制度を確実に使うには、順番が何より大切です。次の流れで進めると、申請の漏れを防げます。

  1. 住んでいる市区町村のひとり親家庭の担当窓口に相談し、使える制度と自治体ごとの条件を確かめる
  2. 必要に応じて、母子・父子自立支援プログラムの策定の面談を受ける
  3. 取りたい資格と講座、または養成機関を決める。教育訓練給付の対象講座かどうかを検索システムで確かめる
  4. 自立支援教育訓練給付金を使うなら、受講を始める前に講座の指定を受ける
  5. 高等職業訓練促進給付金を使うなら、養成機関に入学したあとに申請する。支給の開始時期は自治体の案内に従う
  6. ハローワークで、教育訓練給付金や求職者支援制度が使えるかを確かめる

つまずきやすい点も整理しておきます。

受講を始めてから申し込もうとする

自立支援教育訓練給付金は、受講前の指定が条件です。申し込みを済ませてから相談に行く人が少なくありません。講座を決めたら、申し込む前に窓口へ行くことを習慣にしてください。

自治体ごとの違いを確かめていない

制度は自治体が事業として実施しているため、対象の講座や資格、申請の時期、必要な書類が自治体ごとに少しずつ違います。インターネットで見た他の地域の情報をそのまま当てにせず、自分が住んでいる自治体の案内で確かめることが大切です。

生活費の見通しを立てずに入学する

高等職業訓練促進給付金があっても、それだけで家計がまかなえるとは限りません。家賃、保育料、教材費、通学の交通費を書き出し、給付金と児童扶養手当、貯金でどこまで足りるかを入学前に計算しておくと、途中で通えなくなる事態を防げます。足りない場合は、貸付制度や、ひとり親家庭の住宅支援資金貸付(児童扶養手当を受けている世帯などに、上限7万円を12か月にわたって貸し付け、1年間働き続けると返済が免除される制度)も相談の対象になります。

窓口で相談するときに確かめたいこと

ひとり親家庭の担当窓口やハローワークでの相談は、聞きたいことを先にまとめておくと、1回の相談で必要な情報を集められます。次の項目をメモにして持っていくと、聞き漏らしを防げます。

  • この自治体で実施している制度は何か(高等職業訓練促進給付金、自立支援教育訓練給付金、促進資金貸付、住宅支援資金貸付)
  • 自分の世帯は住民税が課税か非課税か、児童扶養手当と同じくらいの所得水準に当たるか
  • 目指している資格や講座が対象になるか。対象の一覧があれば見せてもらえるか
  • 申請の時期はいつか。入学や受講の前に済ませる手続きは何か
  • 申請に必要な書類は何か(戸籍謄本、住民票、所得の証明、養成機関の在籍証明など、自治体の案内で確かめる)
  • 給付金の支給はいつから、どの間隔で振り込まれるか
  • 途中で学校を休んだり、辞めたりした場合はどうなるか

持っていくとよいものは、本人確認書類、児童扶養手当の証書(受けている場合)、目指す学校や講座の資料です。資料があると、窓口の担当者がその場で対象かどうかを判断しやすくなります。

相談の結果は、聞いた日付と担当者の名前と一緒に記録しておくことをおすすめします。制度の手続きは数か月にわたることが多く、あとから「何を言われたか」を確かめたくなる場面が必ず出てくるからです。

学ぶ期間の家計を見積もる手順

制度を使うかどうかを決める前に、学ぶ期間の家計を紙に書き出してみると、無理のない計画かどうかが一目で分かります。次の手順で進めます。

  1. 今の収入を書き出す。給与、児童扶養手当、養育費など、毎月入ってくるお金をすべて並べる
  2. 学ぶ期間に減る収入を見積もる。通学や訓練で勤務時間を減らす場合、どのくらい給与が下がるかを勤務先に確かめる
  3. 学ぶ期間に増える支出を書き出す。授業料、教材費、実習の交通費、延長保育や一時預かりの費用など
  4. 受けられる支援を書き入れる。給付金、受講料の支給、貸付の額を、窓口で確かめた数字で書く
  5. 毎月の差額を出す。足りない月があれば、貯金で埋めるか、貸付を相談するか、講座の時期をずらすかを考える
項目 書き出す内容
入ってくるお金 給与、児童扶養手当、養育費、給付金
出ていくお金 家賃、食費、光熱費、保育料、通信費
学ぶために増えるお金 授業料、教材費、交通費、預け先の費用
いざというときの備え 貯金、貸付の候補、助けてくれる家族

表を作ると、給付金が振り込まれる時期と、授業料を払う時期がずれることに気づく場合があります。入学金や前期の授業料は入学前にまとめて払うことが多い一方で、給付金がいつから支給されるかは自治体ごとに決まっていて、入学時点ではまだ受け取れていない場合があります。支給の開始時期は必ず窓口で確かめ、入学時のまとまった支払いには入学準備金の貸付が使えないかもあわせて相談します。家計の見通しを窓口に持っていけば、担当者も具体的な助言をしやすくなります。

見積もりは一度作って終わりではなく、学期ごとに見直すと安心です。実習が始まる時期は交通費や預け先の費用が増え、試験の前は勤務を減らしたくなるなど、学ぶ期間の中でもお金の出入りは変わっていきます。

子育てと両立しやすい資格の選び方

どの資格を選ぶかは、「どれくらいの期間、勉強に時間を使えるか」と「どんな働き方をしたいか」の2つで決めると迷いにくくなります。

勉強に使える期間 候補になる資格の例 使いやすい制度
2年以上、学校に通える 看護師、保育士、介護福祉士、理学療法士 高等職業訓練促進給付金、促進資金貸付
6か月から1年程度 調理師、製菓衛生師、デジタル分野の民間資格 高等職業訓練促進給付金、自立支援教育訓練給付金
数か月で取りたい 介護職員初任者研修、医療事務、パソコンの資格 求職者支援制度、自立支援教育訓練給付金

学校に何年も通う資格は、取ったあとの就職先が見つけやすい反面、通学の時間と子どもの預け先を確保できるかが鍵になります。短期間で取れる資格は、すぐに働き始められる一方で、資格だけで収入が大きく変わるわけではないので、実務の経験を積みながら次の資格へ進む計画を立てておくと安心です。

働き方の希望も大切な判断材料です。夜勤や休日の勤務がある職種は、子どもの預け先がないと続けにくくなります。日中の勤務が中心の職場を選びたいのか、在宅で働ける仕事を目指したいのかを先に決めておくと、資格の候補が自然に絞られます。

デジタル分野の資格は、高等職業訓練促進給付金の対象として、シスコシステムズ認定資格やLPI認定資格が例に挙がっています。ネットワークの基礎を学べるシスコの資格については、CCNA(シスコ技術者認定)で、試験の範囲と受験の進め方をまとめています。事務職を目指すなら、文書を正しく作る力も評価されます。ビジネス文書検定では、社内外の文書の書き方を問う検定の内容を紹介しています。

勉強を続けるための時間の作り方

制度が使えても、勉強の時間が確保できなければ資格には届きません。子育て中の勉強は、まとまった時間を待つより、短い時間を毎日積み重ねるほうが続きます。

1日の中で使える時間を書き出す

朝に子どもが起きる前の30分、通勤や送迎の待ち時間の15分、寝かしつけたあとの30分のように、使える時間を具体的に書き出すと、思っていたより時間があることに気づきます。暗記ものは短い時間に、問題演習や課題の作成はまとまった時間に、と分けて計画すると効率が上がります。

預け先と助けてくれる人を先に決める

試験の日や実習の期間は、普段より長く子どもを預ける必要があります。保育所の延長保育、ファミリー・サポート・センター、一時預かりなど、地域で使えるサービスを入学前に調べ、登録まで済ませておくと、いざというときに慌てません。

試験の日程から逆算して計画を立てる

資格の試験は、年に1回や2回しか行われないものが少なくありません。受けたい試験の日程と申込の締切を最初に確かめ、そこから逆算して「いつまでに何を終えるか」を月ごとに決めておくと、子どもの行事や体調不良で予定が崩れても立て直しやすくなります。計画には、何も予定を入れない予備の週を月に1回ほど設けておくのがおすすめです。予定どおりに進んだ月は、その週を復習に回せます。

養成機関に通う場合は、実習の時期を早めに確かめてください。実習は平日の日中に続けて行われることが多く、普段より長く子どもを預ける必要が出てきます。実習の前に預け先を確保しておくことが、途中で通えなくなる事態を防ぐいちばんの備えになります。

相談できる窓口を持っておく

勉強が思うように進まないときや、家計が苦しくなったときに一人で抱え込むと、途中で諦める原因になります。こども家庭庁は、都道府県や市などが就業相談から講習会、求人情報の提供まで一貫して行う「ひとり親家庭等就業・自立支援事業」を案内しており、各地のひとり親家庭支援センターで相談できます。勉強を始める前に一度訪ねて、相談先を確保しておくと心強い支えになります。

資格を取ったあとの就職活動

資格を取ったら、就職活動でも公的な支援を使えます。こども家庭庁の案内では、自治体の母子・父子自立支援プログラムと連携して、ハローワークに就職支援ナビゲーターなどを配置し、児童扶養手当を受けている人などの状況や希望に合わせて、きめ細かな就労支援を行う事業が実施されています。自治体の窓口で自立支援プログラムを策定している人は、その計画をもとにハローワークでの職業相談につなげてもらえます。

就職先を選ぶときは、給与の額だけでなく、勤務時間と休みの取りやすさ、子どもの急な発熱のときに休めるかどうかを必ず確かめてください。面接では、子育て中であることを隠すより、預け先や協力してくれる人の体制を具体的に伝えたほうが、働き始めてからの行き違いを防げます。

専門実践教育訓練の講座で資格を取った人は、修了後1年以内に雇用保険の被保険者として就職すると、教育訓練給付金の追加の支給を受けられる場合があります。自立支援教育訓練給付金でも、修了後1年以内に資格を取って就職すると支給の割合が85%に上がります。就職した時期によって受け取れる額が変わるので、修了したら早めにハローワークと自治体の窓口で手続きを確かめてください。

資格を在宅の仕事や副業につなげる考え方

資格を取ったあと、子どもが小さいうちは在宅で働きたいと考える人も多いはずです。こども家庭庁は「ひとり親家庭の在宅就業推進事業」も施策として紹介しており、在宅で働くことはひとり親の働き方の選択肢の1つとして位置づけられています。

在宅の仕事で求められやすいのは、資格そのものより、資格の勉強で身につけた実務の力です。たとえば、Webデザインやパソコンの訓練で学んだ人は、バナーやチラシの作成、Webサイトの更新作業から始められます。デザインの仕事の相場は、デザイナーの年収・単価相場で、雇用と業務委託それぞれの目安をまとめています。

文章を書く仕事を考えているなら、最初に実績を見せられる形を整えておくことが大切です。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、経験が少ない段階でも作れる作品集の作り方を紹介しています。プログラミングの訓練を受けた人は、アプリケーション開発のお仕事で、業務委託で募集されている開発の仕事の内容と必要な技術を確かめてください。

デザインは才能より、決まりごとを知って手を動かした量で上達するスキルです。余白の取り方、色の組み合わせ、文字の選び方には定石があり、訓練で学んだ基本を実際の制作で繰り返すほど、仕上がりが安定していきます。資格の勉強も同じで、最初から完璧を目指すより、毎日少しずつ手を動かす人が最後まで続けられます。

2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、子育てをしながら在宅で長く働けている人は、最初から大きな仕事を狙うのではなく、小さな仕事をていねいに仕上げて「この人に頼めば安心」という信頼を積み重ねています。納期の相談を早めにする、作業の途中で進み具合を共有するといった基本が、継続の依頼につながっていきます。

依頼する側と受ける側が直接やり取りできる仕組みでは、中間の手数料が差し引かれない分、受け手の手取りが厚くなり、同じ予算でも依頼する側がより多くの仕事を頼めます。子育てで働ける時間が限られる人ほど、1件あたりの手取りが厚いことは大きな意味を持ちます。在宅で募集されている仕事の種類を知るには、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のように、分野ごとに仕事の内容をまとめたページから見ていくと、資格と結びつく仕事を探しやすくなります。

よくある質問

Q. 高等職業訓練促進給付金はいくらもらえますか?

こども家庭庁の案内では、訓練期間中は住民税が非課税の世帯で1か月あたり10万円、課税の世帯で70,500円が支給され、訓練期間の最後の1年間は4万円増額されます。訓練を修了すると、非課税の世帯は5万円、課税の世帯は25,000円が支給されます。制度は自治体が実施しているため、申請の時期や必要な書類は住んでいる市区町村で確かめてください。

Q. どんな資格が給付金の対象になりますか?

高等職業訓練促進給付金は、養成機関で6か月以上学ぶ就職に有利な資格が対象です。看護師、准看護師、保育士、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、調理師、製菓衛生師などの国家資格のほか、シスコシステムズ認定資格やLPI認定資格などのデジタル分野の民間資格も例に挙がっています。対象の範囲は自治体で異なる場合があるため、窓口で確認が必要です。

Q. 自立支援教育訓練給付金はいつ申し込めばよいですか?

受講を始める前に、住んでいる市(町村に住んでいる人は都道府県)から講座の指定を受ける必要があります。先に講座を申し込んで受講を始めてしまうと、あとから対象にできません。講座の候補が決まった段階で、申し込む前にひとり親家庭の担当窓口へ相談し、母子・父子自立支援プログラムの策定などの手続きを済ませておきます。

Q. ハローワークの制度とひとり親向けの制度は両方使えますか?

条件によっては組み合わせて使えます。たとえば自立支援教育訓練給付金は、ハローワークの教育訓練給付金を受けられる人には、その額との差額が支給される仕組みです。雇用保険を受けられない人は、求職者支援制度で無料の職業訓練を受けられる場合があります。どの組み合わせが使えるかは人によって違うため、市区町村の窓口とハローワークの両方で相談してください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月5日最終更新:2026年10月31日
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