プロジェクトの進捗管理をExcelで行う作り方と、限界を感じたときの見直し方

@SOHO編集部
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プロジェクトの進捗管理をExcelで行う作り方と、限界を感じたときの見直し方

この記事のポイント

  • ✓プロジェクトの進捗管理をエクセルで行う表の作り方を
  • ✓ドロップダウンでの状態の入力
  • ✓条件付き書式での遅れの色分け

プロジェクトの進捗管理を、まずは手元のExcelで始めたい。新しい道具を入れる予算はないし、メンバーも使い慣れている。そう考えてExcelで進捗表を作ったものの、項目をどう並べればよいのか、遅れをどう見えるようにするのか、複数の人でどう更新すればよいのかで手が止まる人は多いはずです。

結論から書くと、Excelでの進捗管理は「1行に1作業」「状態は選択肢から選ぶ」「遅れは色で自動的に見せる」の3つを押さえれば、小さなチームのプロジェクトなら十分に回せます。一方で、メンバーが増えて同時に更新する場面が多くなると、版の食い違いや通知のなさが負担になります。その段階で、表の作りを見直すか、専用の道具に移るかを判断するのが現実的です。

この記事では、プロジェクトの進捗管理をエクセルで行う表の作り方を手順で説明し、限界を感じたときの見直し方まで整理します。表での管理が苦しくなったときの移り先としては、ガントとカンバンのボードを5人まで無料で使えるPinatecaも紹介します。

Excelで進捗管理をするとは:作業と状態を1つの表で見えるようにすること

進捗管理とは、計画した作業が予定どおりに進んでいるかを定期的に確かめ、遅れがあれば早めに手を打つための管理のことです。Excelで進捗管理をするとは、プロジェクトの作業を1つの表に並べ、それぞれの担当、期限、状態を書き込んで、全体の進み具合を見える形にすることを指します。

Excelを使う良さは、多くの職場で追加の費用なく使えることと、表の形を自分たちの仕事に合わせて自由に変えられることです。関数や条件付き書式を使えば、遅れている作業に色をつけたり、全体の進み具合を数字で出したりすることもできます。

Excelで進捗管理をする良さ 気をつけること
多くの職場ですでに使える 同時に編集するには条件がある
表の形を自由に変えられる 作る人ごとに形がばらつく
関数や書式で自動化できる 数式が壊れると表全体が崩れる
印刷や社外への共有がしやすい 更新の通知が自動では届かない

表に入れる作業を洗い出す

表の形を決める前に、プロジェクトに必要な作業を書き出しておく必要があります。表は器にすぎず、中身の作業に抜けがあれば、どれだけ見やすい表を作っても予定は崩れます。

作業を書き出すときは、まずプロジェクトを3つから7つほどの大きな工程に分け、工程ごとに作業を並べます。そのうえで、次の観点で抜けを探します。

・始まる前の準備と、終わったあとの片づけや報告の作業
・依頼主や上司の確認を待つ期間
・ほかの人から資料や素材を受け取る作業
・修正や手戻りが起きたときの作業

特に、確認を待つ期間は、自分の作業ではないため表から抜けがちです。「確認を依頼する」と「確認の結果を受け取る」を別の行にしておくと、待ちの期間が表の上で見えるようになり、遅れの原因を追いやすくなります。

書き出した作業は、1つが半日から数日で終わる大きさにそろえます。作業の大きさがそろっていると、完了した数の割合がそのまま全体の進み具合の目安になり、集計の関数も単純なままで済みます。

表を作る前に決めておく3つのこと

いきなり表を作り始めると、あとから列を足したり作り直したりすることになります。作り始める前に、次の3つを決めておきます。

誰が見て、誰が更新するのか

自分だけが見る表なのか、チーム全員が更新する表なのか、上司や依頼主に報告するための表なのかで、必要な項目と細かさが変わります。報告用なら全体の進み具合が一目で分かる要約が要り、チームで更新するなら入力の手間が少ない作りが要ります。

どのくらいの細かさで作業を並べるのか

1つの作業が半日から数日で終わる大きさに分けておくと、進み具合を確かめやすくなります。「設計」「開発」のような大きな単位のままでは、何割終わっているのかが分かりません。

どのくらいの頻度で更新するのか

毎日更新するのか、週に1回の会議の前に更新するのかを決めておきます。更新の頻度が決まっていないと、表の内容が古いまま放置され、誰も見なくなります。

進捗管理表の列の決め方

プロジェクトの進捗管理表で使う列の例を示します。最初はこのくらいから始め、必要になったら列を加えるのがおすすめです。

列 内容 入力の例
番号 作業を区別する番号 1-1、1-2
工程 大きなかたまり 企画、制作、確認
作業名 動詞まで書いた作業の名前 見積もりの資料を作る
担当 1人の名前 佐藤
開始予定日 作業を始める予定の日 2026/11/2
期限 作業を終える予定の日 2026/11/6
状態 決まった選択肢から選ぶ 未着手、作業中、確認待ち、完了
完了日 実際に終わった日 2026/11/5
備考 遅れの理由や注意点 依頼主の返事待ち

列を増やしすぎると、入力が面倒になって更新されなくなります。「この列は誰が何のために見るのか」を説明できない列は、作らないほうが表は長持ちします。

進捗率の列は必要か

作業ごとに「60%」のような進捗率を入れる表もよく見かけます。ただし、人の感覚で入れる進捗率は、ばらつきが大きく、「90%のまま何日も動かない」ということが起きがちです。作業を半日から数日の大きさに分けておけば、状態を「未着手・作業中・完了」の3段階で入れるだけで、全体の進み具合は十分に分かります。

表の作り方の手順

ここからは、Excelで進捗管理表を作る具体的な手順を説明します。

手順1:見出しの行を作り、テーブルにする

1行目に列の見出しを入力し、作業を2行目から1行ずつ入力します。入力した範囲のどこかを選んで Ctrl+T を押すと、範囲をExcelのテーブルに変えられます。テーブルにしておくと、行を加えたときに書式や数式が自動で引き継がれ、見出しのボタンから並べ替えや絞り込みもできます。

手順2:見出しを固定する

作業が多くなると、下にスクロールしたときに見出しが見えなくなります。[表示] タブの「ウィンドウ枠の固定」で見出しの行を固定しておくと、どこまでスクロールしても列の意味が分かります。

手順3:日付の列の書式をそろえる

開始予定日、期限、完了日の列は、日付の書式にそろえます。日付が文字として入っていると、並べ替えや、あとで紹介する遅れの判定が正しく動きません。

手順4:状態の列をドロップダウンにする

状態の列は、手入力にすると「作業中」「対応中」「進行中」のように書き方がばらつきます。選択肢から選ぶ形にしておくと、集計や色分けが正しく動きます。手順は次の節で説明します。

状態の入力をドロップダウンで統一する

状態の列を選択肢から選ぶ形にするには、Excelの「データの入力規則」を使います。Microsoftのヘルプによると、設定の流れは次のとおりです。

  1. 別のシートに、選択肢(未着手、作業中、確認待ち、完了)を縦に入力する
  2. 状態の列のセルを選ぶ
  3. [データ] タブの [データの入力規則] を選ぶ
  4. [設定] タブの [入力値の種類] で [リスト] を選ぶ
  5. [元の値] の欄で、選択肢を入力した範囲を指定する
  6. [ドロップダウン リストから選択する] にチェックを入れる

ヘルプでは、選択肢をExcelのテーブルにしておくと、選択肢を加えたり削除したりしたときに、ドロップダウンが自動で更新されると説明されています。また、[エラー メッセージ] タブで [停止] を選んでおくと、リストにない値を入力できなくなります。詳しい手順はMicrosoftの「ドロップダウン リストを作成する」で確かめられます。

担当の列も、メンバーの名前を選択肢にしておくと、名前の書き方のばらつき(「佐藤」と「佐藤さん」など)を防げます。

遅れている作業を条件付き書式で色分けする

進捗表でいちばん見たいのは、遅れている作業です。条件付き書式を使うと、条件に合うセルや行に自動で色をつけられます。条件付き書式とは、セルの値に応じて、色や文字の太さなどの見た目を自動で変える機能のことです。

期限を過ぎて終わっていない行に色をつける

期限が今日より前で、状態が「完了」でない行を赤くする例です。期限がF列、状態がG列、表が2行目から始まる場合の手順を示します。

  1. 色をつけたい範囲(表のデータの部分)を選ぶ
  2. [ホーム] タブの [条件付き書式] から [新しいルール] を選ぶ
  3. [数式を使用して、書式設定するセルを決定] を選ぶ
  4. 数式に「=AND($F2<TODAY(),$G2<>"完了")」と入力する
  5. [書式] で塗りつぶしの色を選ぶ

TODAY関数は、開いた日の日付を返す関数です。この設定をしておけば、表を開くたびに、その日の時点で遅れている作業に自動で色がつきます。

期限が近い作業にも色をつける

期限まで3日以内で、まだ終わっていない作業を黄色にしておくと、遅れる前に手を打てます。数式は「=AND($F2>=TODAY(),$F2-TODAY()<=3,$G2<>"完了")」のように書きます。

完了した行を淡い色にする

状態が「完了」の行を灰色にしておくと、残っている作業に目が向きやすくなります。数式は「=$G2="完了"」です。

色は使いすぎないことが大切です。赤は遅れ、黄は注意、灰は完了、の3色程度に絞ると、表を開いた瞬間に見るべき場所が分かります。条件付き書式の詳しい使い方はMicrosoftの「条件付き書式を使用して Excel 内の情報を強調表示する」で確かめられます。

Excelでガントチャートを作る

ガントチャートとは、作業の期間を横棒で並べた工程表のことです。作業の重なりや、全体の流れが一目で分かります。Excelでは、条件付き書式を使って簡単なガントチャートを作れます。

作り方の手順

  1. 進捗表の右側に、日付を1列に1日ずつ横に並べる(たとえば見出しの行のJ列から右へ)
  2. 日付の列の幅を狭くし、表示を日だけにする
  3. ガントの部分(日付の下の範囲)を選ぶ
  4. 条件付き書式の [新しいルール] で、数式「=AND(J$1>=$E2,J$1<=$F2)」を入力する(E列が開始予定日、F列が期限の場合)
  5. 塗りつぶしの色を選ぶ

これで、各作業の開始予定日から期限までのセルに色がつき、横棒のように見えます。さらに、「今日の列」に色をつけるルール(=J$1=TODAY())を加えると、今日の位置に縦の線が引かれたように見え、遅れが分かりやすくなります。

ガントチャートを作るときの注意

日付を横に並べると、3か月で90列ほどになります。期間の長いプロジェクトでは、1列を1週間にするなど、目盛りを粗くすると見やすくなります。また、土日や祝日に色をつけておくと、作業ができない日が分かります。

プロジェクト全体の進み具合を数字で出す

上司や依頼主への報告では、「全体で何割終わっているか」を聞かれることがよくあります。状態の列を選択肢で統一しておけば、関数で簡単に集計できます。

出したい数字 関数の例 意味
作業の総数 =COUNTA(C2:C100) 作業名が入っている行の数
完了した数 =COUNTIF(G2:G100,"完了") 状態が完了の数
完了の割合 =完了した数/作業の総数 全体の進み具合
遅れている数 =COUNTIFS(F2:F100,"<"&TODAY(),G2:G100,"<>完了") 期限を過ぎて終わっていない数

作業の大きさがそろっていれば、完了の割合はそのまま全体の進み具合の目安になります。作業の大きさがばらばらな場合は、見積もり時間の列を加え、完了した作業の見積もり時間の合計を、全体の見積もり時間で割ると、より実態に近い数字になります。

報告用には、表の上に「全体の作業数」「完了数」「完了の割合」「遅れている作業数」の4つを並べた要約の欄を作っておくと、表を開いた人がすぐに状況をつかめます。

プロジェクトの種類別:表の作り方の例

同じ進捗管理表でも、プロジェクトの種類によって、重点を置く列が変わります。代表的な3つの例を示します。

制作の仕事(資料、動画、ウェブサイトなど)

制作の仕事では、依頼主の確認と修正の回数が予定を左右します。状態の選択肢に「確認待ち」「修正中」を入れ、確認を依頼した日と返事をもらった日を記録する列を加えると、どこで時間がかかっているかが分かります。

イベントの準備

イベントの準備では、本番の日が動かせない期限です。本番の日から逆算して、会場の手配、案内の送付、参加者の受付の締め切り、当日の準備物の手配といった作業を並べます。期限の列のほかに「本番の何日前か」を計算する列を加えると(本番の日から期限を引く)、準備の遅れを日数で把握できます。

社内の仕組みづくり(新しい制度や道具の導入)

社内の仕組みづくりでは、関わる部署が多く、合意を取る作業が多くなります。担当の列のほかに「関係する部署」の列を加え、合意が必要な作業には「承認者」を書いておくと、誰の判断を待っているのかが一目で分かります。

種類 加えると便利な列 状態の選択肢の例
制作の仕事 確認依頼日、返事の日、修正回数 未着手、作業中、確認待ち、修正中、完了
イベントの準備 本番の何日前か 未着手、手配中、確定、完了
社内の仕組みづくり 関係する部署、承認者 未着手、検討中、承認待ち、完了

Googleスプレッドシートで作る場合との違い

社内で Google Workspace を使っている場合や、社外の人とファイルを共有したい場合は、Excelではなく Googleスプレッドシートで進捗表を作る選択肢もあります。

Googleスプレッドシートはブラウザで使う表計算で、Googleのアカウントがあれば、共有した相手と同じファイルを同時に編集できます。この記事で紹介した、ドロップダウンでの入力、条件付き書式での色分け、TODAY関数やCOUNTIF関数を使った集計は、Googleスプレッドシートでも同じ考え方で作れます。メニューの名前や細かな操作は違うので、作るときはGoogleのヘルプで確かめてください。

比べる点 Excel Googleスプレッドシート
同時の編集 Microsoft 365 とクラウドへの保存が必要 共有すれば同時に編集できる
社外との共有 共有の設定が必要 リンクや招待で共有しやすい
複雑な関数や大きな表 動作が安定しやすい 行が多いと重くなることがある
印刷や書式の細かさ 細かく整えやすい 基本的な印刷はできる

どちらを選ぶかは、社内でふだん使っている道具に合わせるのが基本です。メンバーが慣れていない道具で進捗表を作ると、更新の手間が増え、表が使われなくなります。

報告用の要約とグラフの作り方

進捗表をそのまま上司や依頼主に見せると、行が多すぎて状況が伝わりません。報告には、表とは別に、要約の欄やグラフを用意すると効果的です。

要約の欄

表の上部か別のシートに、次の4つの数字を並べます。

・全体の作業数
・完了した作業数と、その割合
・遅れている作業数
・今週期限の作業数

数字の横に「前週からの変化」を書いておくと、進み具合の勢いも伝わります。

工程ごとの完了の割合をグラフにする

工程ごとに、作業数と完了数を COUNTIFS 関数で数え、完了の割合を横棒のグラフにすると、どの工程が遅れているのかが一目で分かります。グラフは1枚か2枚に絞り、数字を読まなくても状況が分かるものにします。

報告の言葉を添える

数字とグラフだけでなく、「遅れている作業のうち、依頼主の確認待ちが3件。来週火曜までに返事をもらえれば、全体の期限には影響しない」のように、遅れの理由と見込みを短い文で添えます。報告を受ける側が知りたいのは、数字そのものより、期限に間に合うかどうかと、何か判断が必要かどうかです。

複数の人で更新するときの決まりと、共同編集の条件

Excelの進捗表をチームで更新するときに最も起きやすい問題は、版の食い違いです。メールに添付して送り合っていると、誰の手元のファイルが最新なのかが分からなくなります。

これを避けるには、ファイルをクラウドに保存して、全員が同じファイルを開く形にします。Microsoftのヘルプでは、共同編集について次のように説明しています。

同僚と一緒に同じ Excel ブックを開いて作業できます。 これは共同編集と呼ばれます。 共同編集を行うと、お互いの変更をわずか数秒ですばやく確認できます。 出典: Microsoft サポート「Excel ブックの共同編集を使用して同時に共同作業を行う」

同じヘルプによると、デスクトップ版のExcelで共同編集をするには、Microsoft 365 のサブスクリプションと最新の版のExcelが必要で、ファイルは OneDrive、OneDrive for Business、SharePoint Online のいずれかに保存し、.xlsx などの対応する形式にしておく必要があります。社内のファイルサーバーにファイルを保存している場合は、この条件を満たしているかを情報システムの担当者に確かめてください。

更新の決まりを決めておく

共同編集ができても、決まりがないと表は荒れます。次のような決まりを最初に決めておくと安心です。

・自分が担当の行の「状態」と「完了日」は、本人が更新する
・作業の追加と削除は、進行の担当者だけが行う
・列や数式は、進行の担当者以外は変えない
・週に1回、決まった曜日に全員が更新を済ませる

数式が入っている列は、シートの保護を使って、誤って書き換えられないようにしておくのも有効です。

表を印刷したり、社外に渡したりするときの工夫

進捗表は画面で見るだけでなく、会議で印刷して配ったり、依頼主にファイルで渡したりすることもあります。そのまま印刷すると、列が途中で切れたり、ガントチャートの部分が何枚にも分かれたりします。

印刷の範囲と向きを決める

印刷するのは、作業名、担当、期限、状態の列と要約の欄だけにし、備考や数式のための列は外します。ページレイアウトで用紙を横向きにし、「すべての列を1ページに印刷」のように縮小の設定をしておくと、列が途中で切れません。

社外に渡す版は別に作る

依頼主に渡す表には、社内のメモや担当者の個人的な事情を書いた備考が入っていないかを確かめます。社外向けには、元の表から必要な列だけを値として貼り付けた別のシートを作り、そちらを渡すと安全です。数式や社内の情報をそのまま渡してしまう事故を防げます。

ファイル名に日付を入れる

社外に送るファイルは、「進捗表_20261106」のように日付を入れた名前にしておくと、相手の手元で版が混ざりません。

編集部の書き手は、独立して保険の相談の仕事を始めた頃、相談者ごとの手続きの進み具合をExcelで管理していたそうです。ある日、相談者に手続きの予定を説明しようとして、別の相談者のメモが入った表をそのまま画面に映してしまいかけ、慌てて閉じたことがあったといいます。それ以来、人に見せる表と自分用の表を必ず分け、見せる表には個人の情報が入らない作りにしているそうです。進捗表は、作業だけでなく、関わる人の情報も扱う表だということを忘れないようにしたいものです。

Excelで進捗管理をするときによくある失敗

Excelでの進捗管理は手軽な分、失敗も起きやすいものです。よくある失敗と防ぎ方をまとめます。

失敗1:作った人しか使い方が分からない

関数や条件付き書式を凝らしすぎると、作った人が異動や退職をしたときに、誰も直せなくなります。表の右側や別のシートに、列の意味と更新の決まりを書いておくと、引き継ぎがしやすくなります。

失敗2:更新されなくなる

入力の手間が多い表は、忙しくなると更新されなくなります。毎日の更新で入力するのは状態と完了日だけ、というように、更新の手間を最小限にする作りにします。

失敗3:完了の基準があいまい

「完了」の意味が人によって違うと、表の数字が信用できなくなります。「依頼主の確認が終わったら完了」「自分の作業が終わったら確認待ち」のように、状態ごとの基準を決めて表に書いておきます。

失敗4:遅れの理由が残らない

色で遅れが分かっても、理由が分からなければ手が打てません。遅れている作業には、備考の列に理由と次の見込みを書く決まりにしておきます。

Excelで限界を感じる場面

小さなプロジェクトならExcelで十分に回りますが、規模が大きくなると、次のような場面で限界を感じるようになります。

場面 起きること
メンバーが10人を超える 同時に更新する人が多くなり、誰が何を直したか追いにくい
作業が数百行になる 表が重くなり、見たい作業を探すのに時間がかかる
作業どうしのつながりが多い 1つの遅れが後ろの作業にどう響くかを表で追い切れない
遅れを本人に知らせたい 期限が近づいても、自動で通知が届かない
作業ごとの相談がある 相談はメールやチャットに散らばり、表とつながらない
社外の人と共有したい 共有の範囲や権限の設定が手間になる

正直なところ、これらの場面のうち2つ以上に当てはまるなら、Excelの表を作り込むより、専用の道具を検討したほうが、管理にかかる時間を減らせます。

Excelで回し続けるための見直し方

限界を感じても、すぐに道具を変えられない事情もあります。その場合は、表の作りを見直すことで、しばらくは回し続けられます。

表を分ける

1つの表にすべての作業を入れていると、重くなり、見づらくなります。工程ごと、チームごとにシートを分け、全体の要約だけを1枚のシートに集める形にすると、それぞれの担当が自分のシートだけを見ればよくなります。

完了した作業を別のシートに移す

完了した作業がいつまでも表に残っていると、行が増え続けます。月に1回、完了した行を「完了済み」のシートに移すと、表が軽くなり、残っている作業だけが目に入ります。

会議の進め方を表に合わせる

週1回の進捗の会議では、表の要約の欄と、赤く色がついた作業だけを見る、と決めておくと、会議が短くなります。全員で全行を読み上げる会議は、時間がかかるわりに、遅れへの手当てが後回しになりがちです。

専用の道具に移るときの進め方

Excelから専用の道具に移るときは、一度に切り替えると混乱します。次の順番で進めると、移行の途中で作業が抜けることを防げます。

  1. 試すプロジェクトを1つ選ぶ:小さめで、期限に余裕のあるプロジェクトから始める
  2. Excelの列を道具の項目に対応させる:担当、期限、状態がどの項目になるかを決める
  3. 2週間ほどExcelと並行して使う:両方の内容が合っているかを確かめる
  4. 更新の決まりを道具に合わせて作り直す:誰が何を更新するかを改めて決める
  5. Excelの表を読むだけにする:移行が済んだら、Excelの表は記録として残し、更新をやめる

道具を選ぶときは、今使っている提供元のサービスが続くかどうかも確かめておきます。たとえば、国産のタスク管理の道具であるJootoは、Jootoの公式サイトで2027年7月31日に一般提供を終了すると告知しています。長く使う前提の道具は、提供の状況や料金の改定の予定も、公式の告知で確かめてから選ぶのが安全です。

表での管理が苦しくなったときの移り先:Pinateca

Excelの表の考え方をそのまま生かしながら、ガントチャートやカンバン、チャットまで1か所で使いたい場合の選択肢の1つが、Pinateca(ピナテカ)です。

Pinatecaの公式サイトによると、カンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードと、ワークスペースごとのチャットが使えます。Excelの進捗表との対応で言えば、次のような使い方ができます。

・リストボード:Excelの表と同じように全件を並べ、絞り込んで一括で直す
・ガントボード:期間を横棒で並べ、バーをドラッグして開始日や期限をその場で変える。今日の線で遅れている作業が一目で分かる
・カンバンボード:「未着手」「作業中」「確認待ち」「完了」の列にカードを並べ、進み具合を動かす
・リソースボード:人ごとの作業の偏りを確かめる
・カスタムフィールド:見積もり時間や依頼主の名前など、Excelで使っていた列をカードの項目として追加する

さらに、自分宛ての担当の割り当てや締切は受信箱に集まるので、Excelでは難しかった「本人への知らせ」も道具の側で行えます。料金は5人まで無料で、無料のプランでもガントやチャットまで使えると案内されています。試し方はPinatecaの紹介ページにまとめられています。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

まずは小さなプロジェクトを1つ移して、Excelの表と見比べながら試してみると、自分たちのチームに合うかどうかを判断しやすくなります。

進捗管理の道具にかかる費用の考え方

最後に、進捗管理の道具を選ぶときの費用の考え方と、外部の人と仕事をするときの視点を整理します。

Excelで進捗管理をする最大の理由は、追加の費用がかからないことです。ただし、表の作り込みや更新、会議での読み合わせにかかる時間も、費用の一部です。毎週2時間を表の手入れに使っているなら、その時間を道具の料金と比べてみると、どちらが割安かが見えてきます。道具の費用全体の見直し方については、中小企業のSaaS費用管理術2026|サブスクコストを30%削減する方法で整理されています。

業務の進め方そのものを見直したい会社は、外部の専門家の力を借りる方法もあります。経営の改善を支援する国家資格としては中小企業診断士があり、業務の流れの見直しやAIの道具の導入を手伝う仕事についてはAIコンサル・業務活用支援のお仕事で確かめられます。

在宅ワークとフリーランスの市場を20年運営してきた立場から見ると、外部の人とのプロジェクトがうまく回っている会社ほど、進捗表を「報告のための表」ではなく「相談のきっかけ」として使っています。遅れが赤く表示されたら責めるのではなく、何に困っているかを聞く。その姿勢があると、外部の人も早めに遅れを打ち明けてくれます。

また、仲介の手数料がかからない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%で直接つながる関係では、進捗を同じ表で見ていることが、余計な確認の連絡を減らし、双方の時間を守ります。Excelで始めるにしても、専用の道具に移るにしても、全員が同じ表を見て話せる状態を作ることが、進捗管理のいちばんの目的です。

よくある質問

Q. Excelの進捗管理表に最低限必要な項目は何ですか?

作業名、担当、期限、状態の4つがあれば、進捗管理は始められます。そこに開始予定日、完了日、備考を加えると、ガントチャートや遅れの理由の記録にも使えるようになります。列を増やしすぎると更新されなくなるので、誰が何のために見る列なのかを説明できるものだけに絞るのがおすすめです。

Q. Excelで遅れている作業に自動で色をつけるにはどうすればよいですか?

条件付き書式で、数式を使ったルールを作ります。期限がF列、状態がG列なら「=AND($F2<TODAY(),$G2<>"完了")」のような数式を入れ、塗りつぶしの色を選びます。TODAY関数は開いた日の日付を返すので、表を開くたびにその日の時点で遅れている作業に色がつきます。

Q. 複数の人で同じExcelの進捗表を同時に更新できますか?

共同編集を使えば同時に更新できます。デスクトップ版のExcelで行う場合、Microsoftのヘルプでは Microsoft 365 のサブスクリプションと最新の版のExcelが必要で、ファイルを OneDrive や SharePoint Online に保存する必要があると説明されています。条件を満たしているかは、社内の担当者に確かめてください。

Q. Excelから専用の道具に移るのはどんなときですか?

メンバーが10人を超えて同時の更新が多い、作業が数百行になって表が重い、期限が近い作業を本人に自動で知らせたい、作業ごとの相談を表とつなげたい、といった場面が2つ以上重なったら、移行を考える目安です。移るときは小さなプロジェクトから試し、2週間ほどExcelと並行して使うと安全です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年3月12日最終更新:2026年10月15日
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この記事を書いた人

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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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