調剤薬局事務が転職の相談先を選ぶなら|担当者との付き合い方と見極め方


この記事のポイント
- ✓調剤薬局事務の働き方を変えたいとき
- ✓相談先の選び方で結果が変わります
- ✓心が疲れない進め方とあわせて整理しました
「調剤薬局事務として働き続けたいけれど、今の職場のままでいいのか分からない」。このご相談、本当によく届きます。
仕事そのものが嫌になったわけではない。ただ、人数が足りない、シフトが読めない、家庭との両立がしんどい。そういう理由で働き方を見直したくなるのは、とても自然なことです。
そして次に出てくるのが、どこに相談すればいいのか分からない、という迷いです。求人サイト、ハローワーク、転職支援サービス、知人からの紹介。入り口はいくつもあるのに、どれが自分に合うのかは誰も教えてくれません。
結論から言うと、相談先は「求人の数」で選ばないほうがうまくいきます。選ぶ基準は、あなたの事情を正確に聞き取ろうとするかどうか。この記事では、相談先ごとの性格、担当者の見極め方、面談で必ず聞いておきたいこと、そして心をすり減らさない進め方を順に整理します。
相談先を探す前に、困っていることを言葉にしておく
転職の相談窓口に行く前に、やっておくと結果が変わる作業がひとつあります。今、何に困っているかを紙に書き出すことです。
「なんとなくしんどい」の状態で相談に行くと、相手は判断材料がないので、とりあえず条件の良さそうな求人を並べてきます。そうすると、提案されたものの中から選ぶことになり、自分の希望がどんどん後ろに下がっていきます。
書き出すのは、次の3つで十分です。ひとつ目は、今の職場で何が起きているか。人手が足りない、休みが取りづらい、通勤に時間がかかる、といった事実です。ふたつ目は、そのうち絶対に変えたいこと。三つ目は、変わらなくても我慢できることです。
この仕分けが大事です。カウンセリングでよく聞くのは、「全部が嫌になってしまって、何から手をつければいいか分からない」という声です。そういうときほど、絶対に変えたいことを1つか2つに絞ると、視界が急に晴れます。
たとえば、通勤時間が長いことが本当の負担なのに、給与の話ばかりしていると、相談先は給与の高い求人を持ってきます。それは相手が悪いのではなく、こちらが伝えた情報がそうさせているのです。
書き出すときは、感情も一緒に書いてかまいません。「レセプトの時期になると眠れない」「一人体制の日が怖い」。そういう言葉こそ、条件面に翻訳できます。眠れないほどの繁忙があるなら、人員体制を確認軸にすればいい。一人体制が怖いなら、常時2人以上いる薬局を条件にすればいい。
感情を条件に翻訳する。この作業さえ済んでいれば、どの相談先を使っても、話が早くなります。
大丈夫です。うまく言葉にできなくても、書き出す作業そのものが整理になります。完璧な言語化を目指す必要はありません。
調剤薬局事務という仕事の輪郭と、働き方の幅
相談先を選ぶ前提として、この仕事の働き方の幅を押さえておきます。ここが曖昧なままだと、提案された求人が自分に合うかどうかを判断できません。
調剤薬局事務の主な業務は、受付、処方箋の受け取りと患者情報の確認、レセプトコンピュータへの入力、会計、薬剤師の補助、在庫や備品の管理、そしてレセプト業務です。店舗によっては電話応対や、在宅対応の書類準備も含まれます。
働く場所は、門前薬局と呼ばれる病院の近くの店舗、複数の医療機関から処方箋を受ける面対応の店舗、ドラッグストア併設型、そして在宅医療に力を入れている薬局など、いくつかの型があります。この型によって、一日の流れがまったく違います。
門前薬局は、近くの医療機関の診療時間に強く影響されます。診療が終われば処方箋の流入も止まるので、忙しさに山と谷がはっきり出ます。この特性は、家庭の予定を組みやすいという意味では利点になります。
実際、こんな働き方の紹介があります。
午前の受付が終了したら、患者様がお帰りになるのを待って片付けを行い、昼休みに入ります。病院の午後診療は15:00から。それに合わせ、昼休みは2時間取れるので、一旦帰宅して夕食の準備を。こんな働き方ができるのも、調剤薬局事務の魅力のひとつです。 出典: u-can.co.jp
ただし、これはすべての薬局に当てはまるわけではありません。面対応の店舗では処方箋が一日を通して入ってくるため、休憩の取り方も変わります。同じ職種名でも中身が違う、という前提で求人を見てください。
雇用形態の幅も広い職種です。正社員、パート、時短勤務、扶養の範囲での勤務。子どもの学年が上がるタイミングで勤務時間を増やす人もいれば、逆に介護のために減らす人もいます。長く続けやすいのは、この可変性があるからです。
相談先に伝えるべきなのは、まさにこの部分です。「調剤薬局事務の求人を探しています」だけでは足りません。「どの型の薬局で、どの雇用形態で、どの時間帯なら働けるか」まで伝わって、はじめて的確な提案が返ってきます。
収入の相場と、地域差という前提
お金の話は聞きにくいものですが、相談先を選ぶうえでは避けて通れません。相場を知らないまま面談に臨むと、提示された条件が妥当なのかを自分で判断できなくなります。
全国的な水準については、次のように整理されています。
調剤薬局事務の全国的な平均年収は270~320万円前後です。月収でみると18万円前後となっています。ただし、平均年収は地域によって違いがあります。たとえば、北海道での平均年収が270万円程度であるのに対して、大阪では360万円程度、東京では420万円程度です。また、一部の年齢層を除き、年齢が上がるにつれて平均額も上昇する傾向にあります。 出典: u-can.co.jp
ここで見ておきたいのは、地域差の幅です。北海道で270万円程度、東京で420万円程度という開きがあるということは、全国平均だけを持って自分の待遇を判断してもあまり意味がない、ということです。
比べるべきは、同じ地域、同じ雇用形態、同じ勤務時間の求人です。相談先に「この地域の相場感を教えてください」と聞くのは、まったく失礼にあたりません。むしろ、その質問にきちんと答えられるかどうかで、担当者の力量が見えます。
もうひとつ、額面ではなく手取りで考える習慣を持ってください。通勤手当の有無、社会保険の加入条件、賞与の実績、昇給の仕組み。同じ月収でも、これらが違えば年間で残る額は変わります。
年齢とともに平均額が上がる傾向があるという点も、長く続ける価値を示しています。経験が評価される職種であるということは、途中で辞めてしまうと積み上げがリセットされやすいということでもあります。だからこそ、続けられる職場を選ぶことが、結果的に収入面でも効いてきます。
相談の場では、希望額を先に言うことをためらう人が多いのですが、伝えたほうが早く進みます。言わないと、相手は下限で提案してくることがあります。「この金額を下回ると生活が回りません」と一度伝えておけば、話がずれません。
資格をどう位置づけるか、無資格から始める場合の考え方
調剤薬局事務は、業務独占の国家資格が必要な職種ではありません。求人によっては、資格を持っていない人や未経験の人を対象にしているものもあります。
先ほど引用した解説でも、無資格者や未経験者を募集している求人が実際にあること、その一方でレセプトや処方箋を扱う以上は専門知識が必要になるため、資格を持っていたほうが業務を進めやすく、就職や転職の場面で有利になる場合もあることが説明されています。
つまり、資格は入り口の必須条件ではないけれど、あると仕事が進めやすくなる、という位置づけです。この違いは大切です。「資格がないから応募できない」と思い込んで動けなくなっている人が、思っている以上に多いのです。
民間の検定はいくつかあり、通信講座で対応しているものもあります。すでに現場で働いている人が、体系的に知識を整理し直すために受けるケースもあります。実務で覚えたことには抜けがあるものなので、この使い方は合理的です。
一方で、資格を取ってから転職しようと考えて、そのまま何年も動けなくなってしまう人もいます。カウンセリングでよく聞くのが、「準備が整ってから」という言葉です。この言葉が出てきたときは、たいてい準備そのものが目的になっています。
資格の勉強と求人探しは、同時に進めてかまいません。応募の段階で「現在、検定の学習を進めています」と伝えられれば、それは前向きな材料になります。
事務としての基礎を広げたいなら、文書作成の力を測る資格も選択肢に入ります。ビジネス文書検定は、社内外の文書を正確に整える力を確認できる資格で、薬局の事務から一般事務や医療関連の事務へ幅を広げたい人には接続しやすい内容です。専門の検定と組み合わせると、応募先の選択肢が少し広がります。
資格は、あなたを守る道具です。持っていないことを引け目に感じる必要はありませんし、持っているからといって職場選びを妥協する理由にもなりません。
相談先にはどんな種類があり、それぞれ何が違うのか
ここからが本題です。相談先は大きく分けて4つあり、性格がまったく違います。
ひとつ目は、求人サイトからの直接応募です。自分のペースで探せて、誰かに気を遣う必要がありません。その代わり、求人票に書かれていない情報は自分で確認する必要があります。職場の人数や雰囲気を知りたい場合、面接の場で自分から聞くことになります。
ふたつ目は、公的な職業紹介の窓口です。地域の求人が集まりやすく、費用もかかりません。担当者は特定の企業の利益で動いていないので、無理に勧められることが少ないのが利点です。一方で、医療系事務に特化した知識を持つ担当者に必ず当たるとは限りません。
三つ目は、民間の転職支援サービスです。担当者が付き、求人の紹介から書類の調整、面接日程の調整まで代行してくれます。働きながら探す人にとっては、この代行部分が大きい。ただし、サービス側は採用が決まることで収益を得る仕組みなので、こちらの迷いより決断を促す方向に力が働きやすい構造があります。この構造は知っておいたほうがいい。悪いことではなく、前提です。
四つ目は、薬局への直接の問い合わせや、知人からの紹介です。職場の実情が事前に分かりやすく、ミスマッチが起きにくい。反面、断りにくいという難しさがあります。紹介で入った職場を短期で辞めると、紹介してくれた人との関係にも影響が出ます。
どれが正解ということはありません。おすすめの組み合わせは、ひとつ目とみっつ目の併用です。自分で探す軸を持ちながら、代行してもらえる部分は任せる。これがいちばん消耗しません。
同じ資格職の世界で、相談先や働き方の選び方がどう整理されているかを知りたいときは、薬剤師フリーランスの働き方|派遣・業務委託・ライターの選択肢が参考になります。職種は違いますが、雇用形態ごとに何が変わるかという整理の仕方は、そのまま応用できます。
担当者を見極める、4つのポイント
民間の転職支援サービスを使う場合、結果を左右するのはサービス名より担当者個人です。初回の面談で、次の4点を見てください。
ひとつ目は、条件を聞き取る順番です。良い担当者は、求人を出す前にあなたの事情を聞きます。勤務可能な曜日と時間、通勤の許容範囲、家庭の事情、譲れない条件。この聞き取りが先に来るかどうかで、その後の提案の精度が決まります。いきなり求人票を並べてくる担当者は、こちらの条件をまだ理解していません。
ふたつ目は、ネガティブな情報を伝えてくれるかどうかです。どの職場にも弱点があります。人数が少ない、繁忙期の残業が読めない、前任者が短期で辞めている。こうした情報を先に共有してくれる担当者は、入職後のミスマッチを本気で避けようとしています。良い話しかしない担当者は、あとで困ることが増えます。
三つ目は、分からないことを確認してくれるかどうかです。「その点は薬局に確認します」と言える担当者は信頼できます。逆に、その場で憶測の答えを返す担当者は危ない。あとで話が違ったときに、誰も責任を取れなくなります。
四つ目は、こちらのペースを尊重するかどうかです。「今週中に返事をください」と繰り返す、他の応募者の存在を強調する、迷っていると言うと不機嫌になる。こうした反応が出たら、距離を取ってください。決めるのはあなたです。
見極めに時間をかけることを、申し訳なく思う必要はありません。合わないと感じたら、担当者の変更を申し出ることもできますし、そのサービス自体を使わない選択もできます。
そして、これは大事なことですが、複数のサービスに登録して比べることは、まったく失礼ではありません。比較して初めて、自分に合う進め方が見えてきます。
担当者との付き合い方、伝え方と断り方
担当者が決まったら、次は付き合い方です。ここを整えておくと、転職活動そのものの負担が大きく減ります。
まず、希望条件は文章で渡してください。口頭だけだと、伝わり方に幅が出ます。メールやメッセージで「勤務可能な時間帯」「通勤範囲」「絶対に譲れない条件」「妥協できる条件」を箇条書きで送っておくと、担当者もそれを基準に探せます。
次に、連絡のペースを最初に決めます。「平日の夜なら返信できます」「日中は勤務中なので電話は出られません」。これを伝えておくだけで、出られない電話に焦る時間がなくなります。
紹介された求人を断るときは、理由を一言添えてください。「通勤時間が長いので見送ります」「一人体制の時間があるとのことなので難しいです」。理由が分かれば、次の提案の精度が上がります。ただ断るだけだと、似た求人がまた来ます。
断ることに罪悪感を持つ人は、とても多いです。よく聞くのが「せっかく探してくれたのに申し訳ない」という言葉です。けれど、合わない求人を無理に受けて短期で辞めることのほうが、双方にとって損失が大きい。断るのは、誠実な行為です。
進捗が止まったときは、こちらから確認の連絡を入れて問題ありません。応募先からの返答待ちなのか、担当者の手元で止まっているのかは、聞かないと分かりません。
そして、心が疲れてきたら、いったん止めていいのです。転職活動は期限のあるものではありません。「今月中に決めなければ」という思い込みが、判断を狂わせます。呼吸を整えて、また再開すれば大丈夫です。
面談と見学で、必ず確認しておきたいこと
相談先が決まって応募に進んだら、確認すべきことがいくつかあります。求人票には書かれていない部分こそ、入職後の働きやすさを決めます。
人員体制は必ず聞いてください。事務が何人いるのか、薬剤師は何人か、一人になる時間帯があるのか。人数の話は待遇の話より聞きやすいので、面接でも自然に尋ねられます。
繁忙期の実態も確認します。レセプト業務が集中する時期に、残業がどのくらい発生するのか。持ち帰りの作業があるのか。ここを曖昧にされた場合は、少し慎重になったほうがいい。
シフトの決め方も重要です。誰がいつ組むのか、希望をいつまでに出すのか、急な休みが出たときにどう埋めているのか。子育てや介護と両立したい人にとっては、給与より優先度の高い項目になることもあります。
教育体制も聞いておきます。未経験や、ブランクがある状態で入る場合、最初の数週間をどう過ごすかで定着率が変わります。マニュアルがあるのか、誰が教えてくれるのか、レセプトコンピュータの操作研修があるのか。
可能であれば、職場見学をお願いしてください。断られることもありますが、受け入れてもらえるなら情報量が段違いです。待合の雰囲気、スタッフ同士の会話の様子、掲示物の管理状態。数分見るだけでも、その職場の余裕度が分かります。
聞きにくいことは、担当者を通して確認してもらう方法もあります。転職支援サービスを使う利点のひとつが、この代行機能です。直接聞くと角が立ちそうな質問こそ、担当者に頼んでください。
この職種の将来性と、積み上がるスキルの中身
働き方を見直すとき、その仕事が続けられるものかどうかは気になります。将来性という言葉で語られる部分です。
医薬分業が定着している以上、処方箋を扱う業務そのものは残ります。ただし、業務の中身は変わっていきます。入力作業や会計の一部は機械化が進み、電子処方箋の運用も広がっています。単純な入力だけをしていた人の役割は、少しずつ減っていく方向にあります。
では何が残るか。ひとつは、患者への対応です。体調が悪い状態で来店する人に、どう声をかけ、どう待たせるか。ここは機械に置き換わりません。もうひとつは、保険や制度に関する判断です。レセプトの返戻や査定への対応は、経験が効く領域です。
三つ目が、店舗運営に関わる管理業務です。在庫、備品、スタッフのシフト、他の医療機関との連絡。こうした調整の力は、どの職場でも重宝されます。
積み上げるスキルとして意識してほしいのは、記録と説明の力です。何が起きて、どう対応し、どう解決したかを書き残せる人は、どの現場でも重宝されます。文章を扱う仕事の相場感を知っておくと、この力の市場価値が見えてきます。著述家,記者,編集者の年収・単価相場では、文章を職業にしている人がどういう単位で仕事を受けているかが整理されています。
在宅の働き方が医療分野でどこまで広がっているかを知りたい場合は、在宅薬剤師の求人と働き方|オンライン服薬指導の最新事情【2026年版】が現状を整理しています。オンライン対応が広がれば、その周辺の事務業務にも変化が出ます。すぐに自分の働き方が変わるわけではありませんが、方向を知っておくと選択に余裕が生まれます。
職場の外に選択肢を持っておくと、心が軽くなる
ここからは、少し先の話をします。今すぐ動く必要はありません。ただ、選択肢を知っているだけで、目の前の職場との向き合い方が変わります。
カウンセリングでよく感じるのは、「ここを辞めたら行き場がない」と思い込んでいるときほど、人は無理を重ねてしまうということです。逆に、他にも道があると知っている人は、同じ職場にいても落ち着いています。実際に動くかどうかは関係なく、選択肢の存在そのものが心を守ります。
医療事務の経験は、他の分野でも読み替えができます。正確な入力、期限のある処理、個人情報の取り扱い、複数の関係先との調整。これらはどの業界でも必要とされる力です。
たとえば、業務の進め方を整理して効率化する領域では、現場を知っている人の視点が求められます。AIコンサル・業務活用支援のお仕事は、実際の業務にどう道具を組み込むかを考える仕事で、現場の手順を体で知っている人には入り口があります。近い領域ではAI・マーケティング・セキュリティのお仕事もあり、個人情報を丁寧に扱ってきた経験が評価される場面があります。
もう少し技術寄りに進みたいなら、アプリケーション開発のお仕事のように、仕様を整理したり使い勝手を検証したりする役割から関わる道もあります。この分野の相場を確かめたいときはソフトウェア作成者の年収・単価相場が目安になりますし、基礎から学び直すならCCNA(シスコ技術者認定)のような体系立った資格が順路になります。
資格を持つ人が組織の外でどう働いているかという例としては、企業薬剤師への転職ガイド|年収・働き方・中途採用の壁を突破する方法【2026年版】も参考になります。同じ資格でも、働く場所を変えると求められる力が変わる、という構造がよく分かります。
繰り返しますが、今すぐ転身する必要はありません。知っておくだけで十分です。
働きながら探すときの、時間とエネルギーの配分
在職中に転職活動をする人がほとんどです。ここで無理をすると、活動そのものが続かなくなります。
まず、活動に使う時間をあらかじめ決めてください。毎日少しずつやろうとすると、勤務後の疲れた頭で求人を眺めることになり、判断の質が落ちます。週に一度、まとまった時間を取るほうが結果的に進みます。
次に、応募先を絞ります。気になる求人をすべて受けると、面接の日程調整だけで消耗します。同時に進めるのは、多くても3件程度に抑えると、一件ずつ丁寧に準備できます。
書類は、一度作ったものを使い回す形にしてください。職歴と資格の欄は固定し、志望動機だけを応募先に合わせて差し替える。この作り方なら、応募先が増えても負担がほとんど変わりません。
面接の日程は、有給が取れるならその日に固めます。数日に分けると、そのたびに気持ちの切り替えが必要になり、疲れが蓄積します。まとめて済ませたほうが、心の負担は軽くなります。
そして、うまくいかない期間があっても、自分の価値が下がったわけではありません。募集のタイミング、人員の状況、地域の求人の巡り。自分では動かせない要素で結果は変わります。
よく聞くのが、「不採用が続いて、自分が必要とされていない気がする」という声です。けれど、採用は相性の問題です。合わなかったという事実があるだけで、あなたの仕事ぶりが否定されたわけではありません。
しんどくなったら、一週間まるごと休んでください。求人は無くなりません。整えてから戻れば大丈夫です。
内定が出たあと、今の職場とどう向き合うか
次が決まったあとにも、心を使う場面があります。ここを乗り切る準備をしておくと、最後まで穏やかに終えられます。
退職の意思は、就業規則で定められた時期を確認したうえで、直属の上司に最初に伝えます。同僚に先に話が伝わると、話がこじれることがあります。順番だけは守ってください。
引き止められることは珍しくありません。人手が足りない職場ほど、強く引き止められます。ここで大切なのは、理由を長く説明しないことです。説明すればするほど、その一つひとつに反論の余地が生まれます。「決めたことなので」と落ち着いて繰り返すだけで十分です。
条件の改善を提示されたときは、いったん持ち帰ってください。その場で答える必要はありません。そもそも、条件が変えられるのなら、もっと早く変えられたはずです。その事実も含めて考えてみてください。
引き継ぎは、書き残す形で行います。口頭だけの引き継ぎは、必ず抜けます。日常の手順、月ごとの締めの流れ、取引先や医療機関の連絡先、レセプトの時期にやること。書いて渡せば、あなたが辞めたあとの問い合わせも減ります。
そして、辞めることに後ろめたさを感じる必要はありません。職場を選ぶ権利は、働く人の側にあります。人が入れ替わることを前提に体制を組むのは、雇う側の役割です。
最後の出勤日まで、いつも通りに働けば十分です。円満に終えられれば、その業界で再び顔を合わせたときにも気持ちが楽になります。
運営者として見てきた、働き方の選択肢と手取りの話
在宅ワークと業務委託の市場を20年運営してきた立場から見ると、資格や専門の事務経験を持つ人が、雇用の枠の外でも仕事を受けるケースは、静かに増えています。フルタイムの転職ではなく、勤務を続けながら週に数時間だけ別の仕事を受ける、という形です。
運営者として見てきた限りでは、この形が続く人には共通点があります。単発の作業をこなすのではなく、「この人に頼むと段取りが楽になる」という関係を作っている点です。依頼側が説明にかける時間が減れば、その分だけ仕事は継続します。調剤薬局事務の現場で身につく、先回りして準備しておく力は、まさにここに効きます。
もうひとつ、金額の構造の話をしておきます。仲介する事業者が中間マージンを取る形だと、依頼側が同じ予算を出しても、実際に受け手に届く額は目減りします。手数料0%で直接つながる形であれば、依頼側は同じ予算でより多く頼めますし、受け手の手取りは厚くなります。額面が同じでも、残る額が違う。これは長く続けられるかどうかに直結します。
現場を見ていて思うのは、働き方の相談で本当に必要なのは、条件の比較表ではなく、安心して選べる状態だということです。焦って決めた選択は、たいてい半年以内にもう一度やり直すことになります。
だから、相談先を選ぶときも、担当者と話すときも、あなたのペースを守ってください。急がせてくる相手より、待ってくれる相手のほうが、結果として良い職場につながります。
そして、今の職場で頑張っていること自体を、どうか小さく見積もらないでください。処方箋を受け取り、患者さんに声をかけ、期限のある処理を回している。それは十分に専門的な仕事です。相談の場では、その事実を堂々と伝えてください。
よくある質問
Q. 調剤薬局事務は、資格がなくても応募できますか?
業務独占の国家資格が必要な職種ではなく、無資格や未経験を対象にした求人もあります。ただし、レセプトや処方箋を扱うため専門知識は必要で、資格があると仕事を進めやすく、応募の際に有利になる場合もあります。資格の取得を待ってから動くのではなく、学習と求人探しを同時に進めるほうが現実的です。
Q. 転職の相談先は、どこを選べばよいですか?
求人数の多さではなく、こちらの事情を先に聞き取ろうとするかどうかで選んでください。おすすめは、求人サイトで自分でも探しながら、民間の転職支援サービスを併用する形です。自分の軸を持ちつつ、日程調整や職場への確認といった手間を任せられるため、働きながら進めても消耗しにくくなります。
Q. 担当者が合わないと感じたら、どうすればよいですか?
担当者の変更を申し出ることも、そのサービスを使わない選択もできます。急かしてくる、良い情報しか伝えない、憶測で答える。こうした対応が続く場合は距離を取って構いません。複数のサービスに登録して比べることも失礼にはあたらず、比較して初めて自分に合う進め方が見えてきます。
Q. 面接や職場見学では、何を確認しておくとよいですか?
求人票に書かれない部分を聞いてください。事務と薬剤師の人数、一人になる時間帯の有無、レセプトが集中する時期の残業実態、シフトの決め方と急な休みへの対応、入職直後の教育体制です。聞きにくい項目は転職支援サービスの担当者に確認を頼む方法もあり、直接尋ねるより角が立ちません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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