店舗の内装デザインを外注する進め方|コンセプト共有から図面化までの手順 2026

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
店舗の内装デザインを外注する進め方|コンセプト共有から図面化までの手順 2026

この記事のポイント

  • ✓店舗の内装デザインを外注する際の費用相場
  • ✓失敗しない業者選びのポイントを解説
  • ✓コンセプト共有から図面化

店舗の内装デザインを外注しようと考えたとき、多くの人がまず「費用はいくらかかるのか」「どこに頼めばいいのか」という2つの疑問にぶつかります。結論から言うと、店舗の内装デザインは坪単価15万円〜40万円程度が相場で、依頼先は大きく分けて「デザイン会社」「施工会社」「フリーランスデザイナー」の3択です。この記事では、費用の内訳、依頼の流れ、失敗しない選び方を、発注者が実際に意思決定できる粒度で解説します。

店舗内装デザイン外注の市場動向とマクロ視点

飲食店やサロン、クリニックなど、対面型のビジネスを新規開業したり移転・改装したりする件数は、コロナ禍後の回復基調の中で増加傾向にあります。とりわけ2023年以降、原状回復コストの高騰と物件確保の難化を背景に、既存物件を活かした「居抜き改装」の需要が伸びています。居抜き物件であっても、ブランドの世界観を伝えるためには内装デザインの外注は避けて通れません。

内装デザインの外注市場を見渡すと、依頼先は主に3つの層に分かれます。1つ目は大手の店舗デザイン会社で、飲食店からアパレル、美容室まで幅広い業種に対応し、実績数が豊富です。2つ目は中小規模のデザイン事務所や設計事務所で、特定の業種やテイストに強みを持つケースが多く見られます。3つ目はフリーランスの内装デザイナーで、個人店やスモールビジネスのオーナーが直接依頼するケースが増えています。

飲食店を中心に、オフィス、クリニック、サロン、ホテルなど、幅広い業種の店舗デザイン設計・施工を行う有限会社AIA。流行の発信地である東京渋谷にオフィスを構え、創業から29年間で2000店舗以上のお店作りを行ってきました。物件探しや現地調査にも対応し、個人店から多店舗展開まで任せられる心強い内装デザイン設計・施工会社です。

出典: shop-reform.com

この引用からもわかる通り、店舗デザインの世界では「業種特化」と「実績の蓄積年数」が信頼の大きな指標になっています。逆に言えば、実績が浅い、あるいは業種の相性が悪い会社に依頼すると、コンセプトの擦り合わせに余計な時間がかかり、結果的に費用も膨らむ傾向があります。この点は依頼先を選ぶ際に必ず確認すべきポイントです。

もう1つのマクロ視点として、原材料費や職人の人件費の高騰があります。木材や金属建材の価格は2020年代前半に比べて上昇しており、これが内装工事費全体を押し上げています。デザイン費だけを見て安さで飛びつくと、実際の施工段階で追加費用が発生し、当初の予算を大きく超えるケースも珍しくありません。デザインと施工を別々に発注する場合は特に、この価格変動リスクを見込んだ予算組みが必要です。

店舗内装デザインの費用相場と内訳

店舗の内装デザインを外注する際、まず気になるのが費用です。ここでは業種別の相場感と、費用の内訳を具体的に見ていきます。

業種別の坪単価相場

店舗の内装費用は「坪単価」で語られることが多く、業種によって大きく異なります。飲食店の場合、居抜き物件を活用したケースで坪単価20万円〜50万円、スケルトン物件(内装が何もない状態)からの新規工事だと坪単価50万円〜100万円程度が目安になります。厨房設備や排水設備の工事が加わると、さらに費用がかさむ点に注意が必要です。

美容室・サロン系は坪単価30万円〜60万円程度が相場です。シャンプー台や鏡、照明などの造作が多いため、飲食店より坪単価が高くなる傾向があります。アパレルショップやセレクトショップは比較的シンプルな内装で済むことが多く、坪単価15万円〜35万円程度に収まるケースが一般的です。

クリニックや歯科医院は医療機器の設置や配管工事が絡むため、坪単価40万円〜80万円と高めになります。10坪程度の小規模クリニックでも、総額400万円〜800万円の予算を見込んでおく必要があります。

デザイン費と施工費の内訳

内装デザインを外注する際の費用は、大きく「デザイン費」と「施工費」に分かれます。デザイン費のみを依頼する場合、店舗全体のコンセプト設計、平面図・立面図の作成、パース(完成イメージ図)の制作などが含まれ、総工事費の10%〜15%程度が相場です。例えば工事費が500万円の場合、デザイン費は50万円〜75万円程度になります。

デザインと施工をセットで依頼する「設計施工一貫方式」の場合は、デザイン費が工事費に組み込まれることが多く、見積書上は「設計監理費」として工事費全体の5%〜10%程度が計上されるのが一般的です。この方式は窓口が一本化されるため管理が楽になる一方、デザインと施工が同一業者だとコストチェックが働きにくいという指摘もあります。

フリーランスの内装デザイナーに直接依頼する場合、デザイン費は15万円〜80万円程度と幅がありますが、デザイン会社を経由するよりも中間マージンが乗らない分、同じ品質でも費用を抑えられる傾向があります。特に10坪未満の小規模店舗であれば、フリーランスへの直接依頼は有力な選択肢です。

見落としがちな追加費用

見積もりを比較する際に見落としがちなのが、以下の追加費用項目です。

・現地調査費(遠方の場合は交通費・宿泊費が加算されることがある) ・確認申請費用(用途変更を伴う場合) ・什器・家具のコーディネート費用(デザイン費に含まれない場合が多い) ・修正回数の上限超過による追加料金(多くの契約で修正は2〜3回までが無料) ・図面の著作権・二次利用に関する費用

これらの項目は見積書に明記されていないケースもあるため、契約前に必ず確認しましょう。

店舗内装デザインを外注する流れ

内装デザインの外注は、一般的に次のようなステップで進みます。全体の期間は物件の規模や状態にもよりますが、平面図確定から施工完了まで2ヶ月〜4ヶ月程度を見込むのが現実的です。

ステップ1:コンセプトの言語化と資料の準備

外注先を探す前に、まず自分自身でコンセプトを言語化する作業が欠かせません。「どんな客層に、どんな体験を提供したいか」「参考にしたい店舗の写真や事例」「絶対に外せない設備要件(厨房機器、収納スペースなど)」をまとめた資料を作っておくと、依頼先とのコミュニケーションが格段にスムーズになります。

この段階で曖昧なまま外注してしまうと、デザイナー側が方向性を探るためのヒアリングに時間がかかり、結果として着手が遅れます。逆に、Pinterest やInstagram で集めた参考画像を10〜20枚程度用意しておくだけで、初回打ち合わせの精度が大きく上がります。

ステップ2:依頼先の選定と相見積もり

コンセプトが固まったら、複数の依頼先に問い合わせて相見積もりを取ります。最低でも3社から見積もりを取ることを推奨します。1社だけの見積もりでは相場感が掴めず、提示された金額が妥当かどうかの判断ができません。

見積もり依頼時には、前述のコンセプト資料に加えて、物件の図面(既存の平面図があれば)、予算の上限、希望する完成時期を伝えます。この段階で対応が丁寧か、質問に対する回答が具体的かどうかも、依頼先選びの重要な判断材料になります。

ステップ3:コンセプト共有とヒアリング

依頼先が決まったら、正式な契約前後に詳細なヒアリングが行われます。ここでは業態、客単価、想定回転率、動線設計の希望などを共有します。特に飲食店の場合、厨房と客席の動線設計は売上に直結するため、経営視点での要望をしっかり伝えることが重要です。

ステップ4:平面図・ゾーニング案の確認

ヒアリングを踏まえて、デザイナーから平面図(ゾーニング案)が提出されます。この段階でレイアウトの大枠が決まるため、席数や客席面積、厨房の広さなど、経営数値に直結する部分を重点的にチェックしましょう。この段階での修正は比較的容易ですが、後工程になるほど修正コストが上がります。

ステップ5:デザイン案・パースの確認

平面図が確定したら、内装のテイストや素材、色使いを示すデザイン案とパース(完成予想図)が提示されます。パースは完成イメージを視覚的に共有できる重要な資料です。この段階で照明計画、内装材のサンプル、家具・什器の選定案も併せて確認します。

ステップ6:図面化と施工会社への引き継ぎ

デザイン案が確定すると、施工用の詳細図面(施工図)が作成されます。デザイン会社が施工まで一貫して行う場合はスムーズに進みますが、デザインと施工を別々の会社に依頼している場合は、この図面化の段階で情報の伝達漏れが起きやすいポイントです。デザイナーと施工会社の間に立って、仕様の細部まで確認する役割を発注者自身が担う必要があります。

ステップ7:施工と完成検査

図面が確定したら実際の施工に入ります。施工期間中も定期的に現場を確認し、図面通りに進んでいるかをチェックすることが大切です。完成後は照明の色温度、扉の建て付け、コンセントの位置など、細部まで確認する完成検査(施主検査)を必ず実施しましょう。

失敗しない外注先の選び方

内装デザインの外注で失敗しないためには、以下のポイントを押さえておく必要があります。

実績の業種マッチ度を確認する

デザイン会社やフリーランスの実績ポートフォリオを見る際、単に「デザインがおしゃれかどうか」だけでなく、自分の業種と近い実績があるかを確認しましょう。飲食店の内装に強い会社が必ずしもクリニックの内装に強いわけではありません。動線設計や設備要件は業種ごとに大きく異なるため、業種特化の実績があるかどうかは重要な判断基準です。

「Heart(心)And Love(愛)を U(あなた)へ」愛されるお店を創るため、真心を込めて空間創造に取り組んでいます。究極のデザイン・エンジニア集団であるHALU Designは人々が楽しく、心豊かに生活できるよう、目に見えない環境もデザインする創造デザインエンジニアリング会社です。10坪未満の小さな店舗から1000坪以上のショッピングモールまで様々な経験と知識で海外と日本全国の物件をデザインさせていただいております。

出典: tenpodesign.com

この事例のように、幅広い規模の物件に対応できる会社もあれば、特定の坪数レンジや業種に特化した会社もあります。自分の店舗の規模感と依頼先の得意領域が合っているかを見極めることが、後々のミスマッチを防ぎます。

現地訪問で施工品質を確認する

見積もりや実績写真だけで判断せず、可能であればその会社が実際に手がけた店舗を訪問し、デザインの完成度や施工品質を直接確認することを強く推奨します。

また、実際にその会社が手がけた店舗を訪問して、デザインの完成度や施工品質を直接確認するもの良いでしょう。

出典: largo.studio

写真では見栄えの良い仕上がりでも、実際に足を運んでみると建材の質感や施工の丁寧さに差が出ることがあります。可能な限り現地確認の機会を作りましょう。

コミュニケーションの取りやすさを確認する

内装デザインのプロジェクトは、2ヶ月から4ヶ月にわたる長期のやり取りになります。この期間、レスポンスの速さ、専門用語を噛み砕いて説明してくれるか、修正依頼への柔軟性があるかは、プロジェクトの進行に大きく影響します。初回の問い合わせや打ち合わせでの対応の質は、契約後の関係性を占う重要な指標です。

業務範囲を契約書で明確にする

「デザインのみ」なのか「デザインと施工の両方」なのか、「什器の選定・手配まで含むか」など、業務範囲を契約書で明確にしておくことがトラブル防止の鍵です。範囲が曖昧なまま進めると、後になって「ここは含まれていません」と追加費用を請求されるケースがあります。契約前に見積書の項目を一つずつ確認し、疑問点は必ず質問しましょう。

私自身、以前に別のプロジェクトで外注先を選定した際、複数社から見積もりを取ったものの、最終的に金額の安さだけで1社に決めてしまったことがあります。結果として、契約書に明記されていなかった「修正3回目以降は追加料金」という条件を後から知らされ、当初の予算を大きく超えてしまいました。見積もりの比較は金額だけでなく、業務範囲の記載まで細部を読み込むべきだと痛感した経験です。

依頼先の3タイプを比較する

内装デザインの依頼先は、大きく分けて「大手デザイン会社」「地域密着の設計事務所」「フリーランスデザイナー」の3タイプに分類できます。それぞれのメリット・デメリットを整理します。

大手デザイン会社は実績数が豊富で、大規模案件や多店舗展開にも対応できる安心感があります。一方で、規模が大きい分デザイン費が高くなりやすく、また担当者が固定されず途中で変わることもあり、コミュニケーションの一貫性にばらつきが出ることがあります。

地域密着の設計事務所は、地域の物件事情や法規制に詳しく、小回りの利いた対応が期待できます。ただし、対応できるデザインテイストの幅が限られる場合があり、自分のイメージするコンセプトと合うかどうかの見極めが必要です。

フリーランスデザイナーは、中間マージンが発生しない分、同じ予算でより手厚い打ち合わせ回数や、細部までこだわった提案を受けられる可能性があります。代理店や仲介会社を通すと紹介料や管理費が上乗せされますが、フリーランスへ直接依頼すればその分の費用がかからず、結果として総費用を抑えられるケースが多く見られます。ただし、施工まで一貫して依頼できないケースもあるため、施工会社との連携をどう取るかを事前に確認しておく必要があります。

店舗デザイン外注の独自データ考察

在宅ワーク・業務委託マッチングサービスの登録データを見ると、内装デザイン・空間デザイン領域のフリーランス登録者は近年増加傾向にあります。特に、大手デザイン会社での勤務経験を経て独立したデザイナーが、個人店や小規模店舗のオーナーから直接依頼を受けるケースが目立ちます。

このマッチング需要が生まれる背景には、発注者側の「大手に頼むと高い」という費用面の懸念と、受注者側の「独立後も専門スキルを活かしたい」という双方のニーズの一致があります。特に10坪未満の小規模店舗や、コンセプトが明確でデザイナーとの相性が重視される案件では、フリーランスへの直接依頼が費用対効果の高い選択肢として選ばれる傾向が続いています。

20年この市場を見てきた立場から言えば、内装デザインの外注で長く良好な関係を築けているオーナーほど、単発の発注で終わらせず、次の移転や2号店の出店時にも同じデザイナーへ継続的に依頼するケースが多く見られます。単発の作業として発注するのではなく「この人に任せると店の意図を汲んでくれる」という信頼関係の構築に時間をかけている点が共通しています。

また、運営者として見てきた限りでは、代理店経由の発注では見積もりの中に紹介料や管理費が組み込まれ、同じ予算でもデザイナー本人に渡る報酬が目減りする構造があります。フリーランスへの直接依頼であれば、中間マージンが発生しない分、発注者はより手厚い提案や打ち合わせ回数を確保でき、受注者側も適正な報酬を受け取れるという、双方にとって無駄のない構造が成立します。手数料0%の直接取引が支持される理由は、単なる金額の安さではなく、発注者と受注者の双方が納得感を持って取引できる「手取りの厚さ」にあると言えるでしょう。

店舗デザインの外注は決して安い買い物ではありませんが、コンセプトの言語化、相見積もりの徹底、業務範囲の明確化という基本を押さえれば、費用対効果の高い依頼が実現できます。関連して、店舗運営全体のコスト管理という観点では店舗・個人事業主向けキャッシュレス決済導入コスト比較|手数料・入金サイクルで、決済手数料や入金サイクルの比較ポイントを解説しています。内装以外の固定費見直しにも役立つ内容です。

内装以外にも、店舗運営には様々な業務委託ニーズがあります。労務管理を専門家に任せたい場合は社労士フリーランスの需要と将来性|企業が外注する労務業務とはで、企業がどのような業務を社労士に外注しているかを紹介しています。また、開業に合わせて式典や記念イベントを企画する場合はフリーランスのウェディングプランナー|結婚式の外注需要と始め方のように、専門職種のフリーランスへ直接依頼する動きも広がっています。

店舗運営に関わる外注全般をより体系的に検討したい場合は、EC/D2C・店舗運営コンサルのお仕事で、店舗運営のコンサルティング領域における外注の考え方を整理しています。マーケティングやセキュリティ面の外部委託を検討する際はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事も参考になります。内装デザインのプレゼン資料や図面の著作物としての扱いを意識するなら、著述家,記者,編集者の年収・単価相場のようなクリエイティブ職の単価データも、デザイン費の相場感を補完する材料になります。

内装デザインの外注は、依頼先の選定から図面化、施工会社との連携まで、発注者自身が主体的に関わる場面が多い業務です。相見積もりと業務範囲の明確化を徹底し、信頼できるパートナーと長期的な関係を築くことが、結果的に費用対効果の高い店舗づくりにつながります。

よくある質問

Q. 店舗の内装デザインを外注する場合、費用相場はどれくらいですか?

業種や物件の状態によって幅がありますが、坪単価15万円〜100万円程度が目安です。飲食店は居抜きで坪単価20万円〜50万円、スケルトンからの新規工事では坪単価50万円〜100万円程度になります。

Q. デザインだけを外注して、施工は別の会社に頼むことはできますか?

可能です。ただし、デザインと施工を別会社に依頼する場合、図面化の段階で仕様の伝達漏れが起きやすいため、発注者自身が両者の間に立って仕様を確認する役割を担う必要があります。

Q. フリーランスの内装デザイナーに直接依頼するメリットは何ですか?

代理店や仲介会社を通す場合に発生する紹介料や管理費が乗らないため、同じ予算でもより手厚い提案や打ち合わせ回数を確保できる可能性があります。ただし施工会社との連携方法は事前に確認しましょう。

Q. 見積もりを比較する際、金額以外に何を確認すべきですか?

業務範囲(デザインのみか施工まで含むか)、修正回数の上限、什器・家具の手配が含まれるかどうかを確認してください。契約書に明記されていない追加費用がないかも必ずチェックしましょう。

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この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年3月1日最終更新:2026年9月3日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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