釧路市の小中学校 学習用アカウントの情報漏洩の可能性|委託先のランサムウェア被害 2026


この記事のポイント
- ✓釧路市の情報漏洩の可能性について
- ✓2026年10月15日の市教委の発表と10月20日の北陽高校の発表をもとに整理
- ✓委託先のランサムウェア被害で流出の可能性がある学習用アカウントの項目
釧路市の情報漏洩の可能性について、釧路市教育委員会は2026年10月15日、市立小中学校の学習用端末の管理運用を委託している株式会社ポータスの社内サーバーが外部から不正アクセスを受け、児童生徒と教職員の学習用アカウントの情報が外部に流出した可能性を否定できないと発表しました。対象は学校名、氏名、ふりがな、アカウント名、パスワードで、令和8年分は児童生徒8,284件、教職員837件などと年ごとに示されています。 2026年11月1日時点で、市の発表では情報の流出や不正利用の事実は確認されておらず、住所、生年月日、電話番号、口座情報、成績、健康診断情報は含まれていません。 保護者がまずすることは、学校から届く説明を読むこと、子どもの学習用アカウントと同じパスワードを家庭のほかのサービスで使っていないかを確かめること、市や学校を名乗る不審な連絡に注意することの3つです。
この記事は、2026年11月1日時点で釧路市のホームページにある2つの発表を開き直して確かめた内容だけで書いています。1つは2026年10月15日更新の市立小中学校についての発表、もう1つは2026年10月20日更新の市立北陽高校についての発表です。どちらも同じ委託先の同じ事案で、北陽高校の発表は後から分かった範囲を示す続報にあたります。お詫びの品や補償についての記載は、2026年11月1日時点の発表にはありません。報道に出ている合計の件数は使わず、市が示した年ごとの件数をそのまま載せます。
釧路市の学習用アカウントで何が起きたのか
釧路市の市立小中学校では、児童生徒が授業で学習用の端末を使っています。この学習用端末の管理と運用を、市は外部の事業者である株式会社ポータスに委託していました。端末を使うには、児童生徒と教職員それぞれに学習用のアカウント(端末やサービスにログインするための名前とパスワードの組み合わせ)が要ります。今回、このアカウントの情報を含む委託先のサーバーに、不正アクセスの痕跡が見つかりました。
市の発表の骨子は次のとおりです。
- 委託事業者の社内サーバーが外部から不正アクセスを受けた
- そのサーバーには、児童生徒と教職員の学習用アカウントの情報が含まれていた
- 現時点で、情報の流出や不正利用の事実は確認されていない
- ただし不正アクセスの痕跡が確認されたため、市教委が対策を進めている
- 流出した可能性のある情報に、住所、生年月日、電話番号、口座情報、成績、健康診断情報は一切含まれていない
- 学校の学習用端末や、市教委のシステムが攻撃を受けたものではない
大事なのは最後の点です。子どもが使っている端末そのものが攻撃を受けたわけではなく、端末の設定などの情報を預かっていた委託先の社内のサーバーが攻撃を受けた、という事案です。家庭で端末を初期化したり、使うのをやめたりする必要があるとは発表されていません。
もう1つ押さえておきたいのは、市が使っている言葉です。発表は一貫して「流出した可能性」「情報漏洩の可能性」と書いており、流出したと確定したとは書いていません。この記事でも同じ言い方で書きます。可能性の段階であっても、パスワードが含まれているため、市はアカウントの変更という手を先に打つと発表しています。家庭の側でも、確定を待たずにできる確認を済ませておくのが安全です。
公表の経緯と分かってきたこと
公式の発表から読み取れる流れを、日付の順に並べます。
| 日付 | 出来事(市の発表による) |
|---|---|
| 2026年8月29日 | 委託事業者の社内サーバーがランサムウェアによる攻撃を受けた |
| その後 | 委託事業者から当初、市が利用するサーバーへの影響はないと報告があった |
| 外部専門機関の調査後 | 市の端末設定等に関する情報を保存していた同社のサーバーに、不正アクセスの痕跡が確認された |
| 2026年10月13日 | 委託事業者から、情報が外部に流出した可能性を否定できないと報告があった。同日、市教委が小中学校へ経過と対応を説明した |
| 2026年10月15日 | 市が小中学校についての発表をホームページに掲載した |
| 2026年10月15日 | 北陽高校でも同様の流出の可能性があることを委託事業者に確認した |
| 2026年10月16日 | 北陽高校が保護者に文書で経過説明とお詫びを行った |
| 2026年10月20日 | 北陽高校についての発表が更新された |
攻撃を受けた日から市の発表まで、1か月半ほど空いています。これは、委託事業者が当初「本市が利用するサーバーへの影響はない」と報告していたためで、外部の専門機関の調査が進んでから、市の情報を保存していたサーバーにも痕跡があったと分かった、という順番です。発表が遅れたことを責める材料として読むより、調査の結果で範囲が広がることがある、と読むほうが家庭での備えには役に立ちます。
2026年11月1日時点で、市立小中学校についての発表に第2報や追記はなく、更新日は2026年10月15日のままです。一方、北陽高校についての発表には「現時点における調査結果であり、今後の調査により増減する可能性があります」と書かれています。件数や項目が変わる可能性があることは、市自身が示しています。気になる家庭は、ときどき市のホームページの発表を開き直して、更新日が変わっていないかを見ておくと確実です。
流出した可能性のある情報と含まれない情報
市立小中学校について、市が示した項目と件数は次のとおりです。件数は年ごとに分かれており、市は合計を示していません。同じ子どもが複数の年に含まれることもあるため、この記事でも年ごとの数字だけを載せます。
| 区分 | 項目 | 件数(市の発表どおり) |
|---|---|---|
| 令和2年 | 児童生徒及び教職員の学校名、氏名、ふりがな、アカウント名、パスワード | 児童生徒分 11,106件、教職員分 879件、管理者分 4件 |
| 令和7年 | 同上 | 児童生徒分 9,252件、教職員分 871件 |
| 令和8年 | 同上 | 児童生徒分 8,284件、教職員分 837件 |
| 学校の設備 | 学校のネットワーク機器及び学校用メールアドレス等の管理用パスワード | 全39校分 |
含まれていないと市が明記した情報は次のとおりです。
| 含まれない情報 | 市の書き方 |
|---|---|
| 住所 | 含まれていない |
| 生年月日 | 含まれていない |
| 電話番号 | 含まれていない |
| 口座情報 | 含まれていない |
| 成績 | 含まれていない |
| 健康診断情報 | 含まれていない |
市の発表には、次のように書かれています。
なお、流出した可能性のある情報に、住所、生年月日、電話番号、口座情報、成績、健康診断情報は一切含まれていません。 出典: city.kushiro.lg.jp
令和2年は2020年、令和7年は2025年、令和8年は2026年です。2020年の時点で市立小中学校に在籍していた子どもは、すでに中学校を卒業している場合もあります。卒業した子どもの家庭でも、当時のアカウントの情報が含まれている可能性があるという点は知っておいて損はありません。
北陽高校の分は項目が違う
2026年10月20日更新の北陽高校の発表では、項目が小中学校と異なります。北陽高校では、委託事業者が端末の販売とアカウント管理を担っていたため、端末を購入した生徒と保護者の情報が含まれています。
| 区分 | 項目 | 件数(市の発表どおり) |
|---|---|---|
| 生徒情報(令和7年度) | 生徒氏名、学年、クラス、アカウント | 200件 |
| 生徒情報(令和8年度) | 生徒氏名、学年、クラス、アカウント | 195件 |
| 端末購入者(令和4年度) | 生徒氏名、メールアドレス | 190件 |
| 端末購入者(令和6年度) | 生徒氏名、保護者氏名、フリガナ、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレス | 195件 |
| 端末購入者(令和7年度) | 同上 | 191件 |
| 端末購入者(令和8年度) | 同上 | 179件 |
| 学校の設備 | 学校のネットワーク機器管理用パスワード | 件数の記載なし |
北陽高校の生徒情報と端末購入者の情報は、どちらも「Excelファイル(パスワード保護あり)」と書かれています。パスワード保護とは、ファイルを開くときに合言葉が要るように設定されている状態のことです。また北陽高校については、パスワードの流出が確認されていないため、現在のアカウントを引き続き使うと発表されています。小中学校とは対応が分かれている点に注意してください。
北陽高校で端末を購入した家庭は、保護者の氏名、住所、電話番号、メールアドレスが含まれている可能性があります。小中学校の家庭とは、気をつけることが少し違うため、後の節で分けて書きます。
原因について発表で分かっていること
市の発表で、原因として書かれているのは「委託事業者の社内サーバーがランサムウェアによる攻撃を受けた」という点です。ランサムウェアとは、侵入したコンピュータのデータを暗号化して使えなくし、元に戻すことと引き換えに金銭を要求する不正なプログラムのことです。最近は、暗号化の前にデータを外へ持ち出し、「支払わなければ公開する」と脅す手口も知られています。市が「流出した可能性を否定できない」と書いているのは、こうした持ち出しがあったかどうかを、調査で完全には打ち消せなかったためと読めます。
どこから侵入されたのか、どの機器の弱点が使われたのか、誰が攻撃したのかは、市の発表には書かれていません。発表に無いことを推測で埋めるのはやめておきます。分かっているのは、攻撃を受けたのが委託事業者の社内サーバーであり、学校の端末や市教委のシステムではない、という範囲です。
委託とは、市が自分で行う仕事の一部を、外部の事業者に任せることです。任せた仕事に必要な情報は委託先にも渡るため、委託先が攻撃を受けると、委託元である市の情報にも影響が出ることがあります。今回の発表で、市が委託事業者に管理体制の確認と指導を行うとしているのは、この関係があるためです。
現在の状況について、市は次のように書いています。委託事業者が外部専門機関に委託して、個人情報の流出に関する監視や調査を続けており、現時点で市に関する情報の掲載や不正利用は確認されていない、という内容です。ここでいう「掲載」は、攻撃者が盗んだデータを載せるインターネット上の場所に、市の情報が出ていないかを見張っている、という意味だと考えられます。
学校の設備の管理用パスワードが含まれている点も、原因の節で触れておきます。ネットワーク機器の管理用パスワードとは、学校の中の通信機器の設定を変えるための合言葉です。学校用メールアドレスの管理用パスワードは、学校の業務用メールの設定を変えるための合言葉です。これらは家庭で何かをする対象ではありませんが、市はすべてを速やかに変更すると発表しています。家庭が使う子どものアカウントとは別に、学校の側の鍵も付け替える、ということです。
市教委と北陽高校の対応
市立小中学校について、市教委が発表した対応は次の3つです。
- 2026年10月13日(火曜日)に小中学校へ経過と対応を説明した。保護者には、各学校を通じて順次、経過説明とお詫びを行う
- 全ての児童生徒と教職員のアカウント、学校のネットワーク機器と学校用メールアドレス等の管理用パスワードを速やかに変更する
- 情報の取扱いとその重要性について株式会社ポータスに改めて伝え、管理体制についても確認と指導を行う
保護者への説明は「各学校を通じて」と書かれています。市から家庭へ直接メールや郵便が届く、とは書かれていません。学校からの配布物や、学校が普段使っている連絡の仕組みで届くと考えてよいでしょう。
北陽高校について、発表された対応は次の3つです。
- 2026年10月16日(金曜日)に、保護者に対して文書で経過説明とお詫びを行った
- パスワードの流出が確認されていないため、現在のアカウントを引き続き使う
- 情報の取扱とその重要性について委託事業者に改めて伝え、管理体制についても確認と指導を行う
どちらの発表にも、お詫びの品や金銭の補償についての記載はありません。補償の有無をこちらで推測することはしません。情報漏えいの補償がどのような形で行われることが多いかは、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で一般的な例を整理しています。
自分の子どもが対象かを確かめる方法
市の発表から考えると、対象かどうかの目安は次のとおりです。
- 2026年度(令和8年度)に釧路市立の小中学校に在籍している子どもは、令和8年の分に含まれている可能性がある
- 2025年(令和7年)や2020年(令和2年)の時点で在籍していた子どもも、その年の分に含まれている可能性がある
- 釧路市立北陽高校の生徒は、北陽高校の発表の範囲に含まれている可能性がある
- 北陽高校で委託事業者から端末を購入した家庭は、保護者の情報も含まれている可能性がある
ただし、どの子どもが何年の分に含まれているかを一人ずつ示す仕組みは、発表には書かれていません。確かめる手段は、学校から届く説明を読むことと、問い合わせ窓口に聞くことの2つです。
学校からの説明が手元に届いていない場合は、子どもに学校で配布物をもらっていないかを聞いてみてください。配布物が見つからない、内容が分からないという場合は、後の節に書いた委託事業者の窓口に問い合わせることができます。市の発表では、本件の問い合わせ先として委託事業者が示されています。
もう1つ確かめておきたいのが、家庭でこの学習用アカウントのパスワードを控えているかどうかです。入学時に学校から配られたアカウントの紙を冷蔵庫に貼っていたり、保護者のスマートフォンに写真で保存していたりする家庭もあります。その控えのパスワードを、家庭のほかのサービスでも使っていないか、次の節で確かめます。
保護者が家庭ですること
流出した可能性のある項目は、氏名、ふりがな、学校名、アカウント名、パスワードです。住所や電話番号、口座の情報は含まれていません。そのため、家庭でする対策は、パスワードの使い回しの確認と、学校を名乗る連絡への注意が中心になります。全員がする必要のないことまで広げないように、要るものだけを書きます。
同じパスワードを使っていないかを確かめる
子どもの学習用アカウントのパスワードを、ほかのサービスでも使っていないかを確かめます。例えば次のようなものです。
- 子どもが家庭で使っているゲーム機やゲームのアカウント
- 動画サービスや学習アプリの子ども用アカウント
- 子ども用のメールアドレスやスマートフォンのロック
- 保護者が、子どもの学校用のパスワードを覚えやすいからと流用したもの
1つでも同じパスワードや、少しだけ変えたパスワードを使っていたら、そのサービスのパスワードを変えます。新しいパスワードは、学習用アカウントのものとは似ていない、長めのものにします。学習用アカウントのパスワード自体は市が変更すると発表しているので、家庭で勝手に変える必要はありません。学校から新しいパスワードが知らされたら、その案内に従ってください。
パスワードが漏れたかもしれないときの一般的な手順は、パスワードが漏洩したらどうなる|変更の順番と使い回しの見直し方 2026で整理しています。
新しいパスワードの紙の扱いを決めておく
アカウントの変更が行われると、学校から新しいアカウントやパスワードが知らされることになると考えられます。家庭では、その紙の扱いを決めておくと安心です。
- 玄関や冷蔵庫など、来客の目に入る場所に貼らない
- スマートフォンで写真を撮ったら、家族と共有するアルバムに入れたままにしない
- 子どもの名前とパスワードを同じ紙に書いて、ランドセルの外側のポケットに入れっぱなしにしない
紙で配られるかどうか、配られ方は発表に書かれていないため、あくまで届いたときの備えです。
卒業した子どもの家庭がすること
令和2年の分には、2020年に在籍していた児童生徒の情報が含まれています。すでに市立中学校を卒業した子どもの場合、当時の学習用アカウントは使っていないことが多いでしょう。それでも、当時のパスワードを今もほかのサービスで使い続けていることはあり得ます。高校生や大学生になった子どもに、小中学校のころのパスワードを今も使っていないかを一声かけておくと確実です。
しなくてよいこと
項目に口座情報やクレジットカードの番号は含まれていません。そのため、この事案を理由に銀行口座を解約したり、クレジットカードを止めたりする必要は、発表からは読み取れません。住所や電話番号も含まれていないため、小中学校の家庭では、引っ越しや電話番号の変更を考える必要もありません。不安になって大きな手続きを急ぐより、パスワードの確認と連絡への注意に絞るほうが効果があります。
子どもと話しておくこと
学習用アカウントを毎日使っているのは子ども本人です。保護者が把握していないところで、子どもが同じパスワードを使い回していることもあります。年齢に合わせて、次のようなことを話しておくと役に立ちます。
小学生の子どもには、難しい言葉を使わずに伝えます。「学校の端末で使っている合言葉を、ほかのゲームや動画のアプリで使っていたら教えてね」「知らない人から合言葉を聞かれても答えないでね」の2つで十分です。怖がらせる必要はなく、学校の端末は攻撃を受けていないことも一緒に伝えると安心します。
中学生の子どもには、少し踏み込んで話せます。自分の名前と学校名と合言葉の組み合わせが、外に出た可能性があること。その組み合わせを使って、ほかのサービスにログインしようとする人がいるかもしれないこと。だから同じ合言葉は使い回さないほうがよいこと。この3つを順に説明すると伝わりやすくなります。
名前と学校名が分かっていると、子どもに対して「同じ学校の先輩だよ」「先生に頼まれた」と近づく口実に使われることも考えられます。SNSやゲームのチャットで、知らない相手から学校名を出されて話しかけられたら、返事をする前に保護者に知らせるよう話しておきます。これは今回の事案に限らず、子どもを守るうえで普段から大事なことです。
子どもが「もう同じパスワードで何かに登録してしまった」と打ち明けたときは、叱らずに、どのサービスかを一緒に確かめてください。叱られると次から言わなくなります。パスワードを変える作業を一緒にすること自体が、子どもにとってアカウントの管理を覚えるよい機会になります。
市や学校を名乗る連絡に備える
情報漏えいの発表が出ると、それに便乗した連絡が届くことがあります。今回の項目には電話番号や住所、メールアドレスが含まれていない(小中学校の場合)ため、名簿を使った連絡が増えるとは限りません。それでも、ニュースを見た人をねらって、市や学校、委託事業者を名乗る連絡が来ることは考えられます。
次のような連絡は、本物かどうかを疑ってください。
- 「お子さまのアカウントが流出したので、確認のためにパスワードを教えてください」という電話
- 「補償の手続きのため」として、口座番号やクレジットカードの番号を求める連絡
- 「アカウントを再設定するには、このリンクからログインしてください」というメールやショートメッセージ
- 学校の名前を出して、家庭のスマートフォンにアプリを入れるよう求める連絡
市の発表には、家庭に電話でパスワードを聞くとも、補償の手続きのために口座を聞くとも書かれていません。保護者への説明は各学校を通じて行うと書かれています。迷ったら、届いた連絡に書かれた番号ではなく、この記事の後の節に書いた窓口や、学校の代表の番号に自分からかけて確かめてください。
北陽高校で端末を購入した家庭は、保護者の氏名、住所、電話番号、メールアドレスが含まれている可能性があります。こうした家庭では、学校や端末の販売会社を名乗る電話や郵便、メールにも注意が要ります。住所が含まれるときの備えは、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番で詳しく整理しています。
学校の設備の管理用パスワードが含まれることの意味
今回の項目の中で、家庭にとって分かりにくいのが「学校のネットワーク機器及び学校用メールアドレス等の管理用パスワード(全39校分)」です。これは、学校の中の通信機器や業務用メールの設定を変えるための合言葉で、児童生徒や保護者の個人情報ではありません。
このパスワードが悪用された場合に考えられるのは、学校のネットワークの設定を書き換えられることや、学校用のメールアドレスを使ってなりすましのメールを送られることです。市は、この管理用パスワードもすべて速やかに変更すると発表しています。変更が済めば、古いパスワードは使えなくなります。
家庭にとって意味があるのは、学校のメールアドレスから届いたように見えるメールでも、念のため中身を確かめる習慣をつけることです。学校から普段届かない内容、例えば「至急このリンクから保護者情報を入力してください」といったメールが来たら、リンクを開く前に学校に電話で確かめます。これは今回の件で実際になりすましが起きたという意味ではなく、管理用パスワードが含まれている以上、念のため気をつけておく、という程度の話です。
問い合わせ窓口
市の発表では、本件の問い合わせ先として委託事業者が示されています。
| 窓口 | 内容 |
|---|---|
| 委託事業者 | 株式会社ポータス |
| 電話番号 | 0154-61-5111 |
| 受付時間 | 午前9時から午後5時まで(土曜日・日曜日・祝日を除く) |
市立小中学校の発表のページそのものについての問い合わせ先は、次のとおりです。
| 窓口 | 内容 |
|---|---|
| 担当 | 釧路市 学校教育部 学校教育課 学校教育係 |
| 所在地 | 北海道釧路市錦町2丁目4番地 釧路フィッシャーマンズワーフMOO4階 |
| 電話 | 0154-23-5186 |
| ファクス | 0154-25-5999 |
北陽高校の発表のページの問い合わせ先は、北陽高等学校 事務局(電話 0154-41-4401)です。
問い合わせるときは、子どもの学校名と在籍した年、聞きたいことを先にメモしておくと話が早く進みます。例えば「2020年に在籍していた子どもが含まれているか知りたい」「新しいパスワードはいつどうやって知らされるのか知りたい」といった形です。電話で子どものパスワードを伝える必要はありません。もし窓口を名乗る相手からパスワードを聞かれたら、その場で切って、上の番号にかけ直してください。
この機会に家庭のアカウントを見直す手順
今回の事案をきっかけに、家庭全体のアカウントの管理を一度見直しておくと、次に別のサービスで漏えいが起きたときにも慌てずに済みます。時間をかけずにできる順番で並べます。
- 家族が使っているサービスを書き出す。ゲーム、動画、学習アプリ、通販、メール、SNSなど、子どもの分と保護者の分を分けて一覧にする
- 一覧の中で、同じパスワードを使っているものに印をつける。子どもの学習用アカウントと同じもの、または似たものがあれば最優先で変える
- 保護者の通販やメールなど、お金や連絡に関わるアカウントには、多要素認証を設定する。多要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認の番号などでも本人かどうかを確かめる仕組みのこと
- パスワードを覚えきれない場合は、パスワード管理アプリを使う。紙に書くなら、家の外に持ち出さない手帳1冊にまとめ、子どもの名前と並べて書かない
- 子どものゲーム機やアプリに保護者の管理機能があれば、課金の上限や、知らない相手からのメッセージを受け取らない設定を確かめる
この5つは、今回流出した可能性のある項目とは直接関係のないものも含みます。それでも、名前と学校名とパスワードの組み合わせが外に出た可能性がある以上、家庭のほかのアカウントが巻き込まれない形にしておくことには意味があります。一度に全部をする必要はなく、2番目までを今週中に、3番目以降を少しずつ、という進め方で十分です。
これからの発表で確かめておきたい点
2026年11月1日時点で、市立小中学校の発表は2026年10月15日の更新のままです。今後、調査が進めば、発表が更新される可能性があります。市のホームページを開き直すときは、次の点が変わっていないかを見てください。
- 更新日が2026年10月15日(小中学校)、2026年10月20日(北陽高校)から変わっているか
- 「現時点で、情報の流出や不正利用の事実は確認されていません」という書き方が変わっていないか
- 年ごとの件数や項目に、追加や削除がないか
- アカウントの変更が終わったかどうか、新しいアカウントの知らせ方が書き加えられていないか
- 問い合わせ先が変わっていないか
特に2つ目の点は大事です。流出の事実が確認されたと書き換えられた場合は、家庭でする対策も一段強める必要が出てきます。逆に、調査が終わって流出がなかったと分かれば、過度に心配する必要はなくなります。どちらの場合も、判断の土台にするのは市の発表そのものであり、SNSで回ってくる話や報道の要約ではありません。
在宅で仕事をする人が気をつけること
保護者の中には、在宅で仕事をしている人もいます。子どもの学習用端末と同じ家の中で、取引先の資料を扱っていることも多いでしょう。今回の事案は子どものアカウントの話ですが、仕事の面でも見直しておきたい点があります。
まず、家庭のパスワードと仕事のパスワードを分けているかどうかです。子どもの学校用のパスワードを家族で覚えやすいようにと、保護者自身の仕事用のサービスにも同じものを使っていたら、すぐに変えてください。仕事用のアカウントには取引先から預かった情報が入っていることがあり、そこに入られると、自分だけでなく取引先にも影響が出ます。
次に、預かった個人情報が漏れたときの扱いです。個人情報保護委員会は、個人データの漏えいが起きたとき、またはそのおそれがあるときに、一定の場合は委員会への報告と本人への通知が必要だと案内しています。報告が必要な場合として、不正アクセスなど不正の目的をもって行われたおそれがある場合や、本人の数が1,000人を超える場合などが挙げられています。地方公共団体などの行政機関等では、本人の数が100人を超える場合とされています。ランサムウェアの事案については、政府の共通様式で報告できるとも書かれています。詳しくは個人情報保護委員会の漏えい等の対応とお役立ち資料にあります。
在宅で仕事をする人は、自分が委託先になる立場でもあります。今回のように、委託先のサーバーが攻撃を受けて、委託元の情報まで影響が及ぶことがあります。取引先から名簿やアカウントの一覧を預かる仕事を受けるなら、作業が終わったデータを消す、作業用のパソコンと家族が使う端末を分ける、といった基本を契約の前から決めておくと、取引先からの信頼にもつながります。
家の中での端末の使い分けも見直しておきます。子どもが宿題の調べ物のために保護者の仕事用のパソコンを借りることは、どの家庭でも起こり得ます。そのときに、取引先とのメールやファイルが開いたままになっていると、子どもが誤って消したり、知らないうちに転送したりすることがあります。仕事用のパソコンには家族用の別のログインを作る、仕事用のブラウザには家族が使わない設定をする、仕事の資料はパスワード付きのフォルダに保存する、といった小さな工夫で、こうした事故はかなり防げます。子どもの学習用端末を、反対に保護者が仕事で使うことも避けてください。学習用端末は学校と委託事業者が管理するもので、仕事の情報を入れる場所ではありません。
個人情報の扱いで迷ったときは、個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤル(電話 03-6457-9849、受付時間 9時30分から17時30分、土日祝日と年末年始を除く)に相談できます。
フィッシングメールへの備えを家族や仕事仲間と共有したい場合は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドが参考になります。
アカウントを守る力を仕事に生かす
今回の事案で家庭がすることは、パスワードの使い回しを見直すことと、なりすましの連絡に気をつけることでした。どちらも、在宅で仕事をする人が取引先の情報を守るときに求められる力と同じです。自分の家庭のアカウントを整理できる人は、小さな事業者のアカウント管理の手伝いや、パスワード管理の見直しの支援といった仕事にも、その経験を生かせます。
在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事にどんな種類があるかは、@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。まずは家庭の中で、子どもと一緒にパスワードの使い回しを1つずつ減らすところから始めてみてください。学校から新しいアカウントの案内が届いたら、その紙の扱いを家族で決めておくことも忘れずに。
よくある質問
Q. 子どもの学習用アカウントのパスワードは、家庭で変える必要がありますか?
釧路市教育委員会は、市立小中学校の全ての児童生徒と教職員のアカウントを速やかに変更すると発表しています。家庭で独自に変える必要はなく、学校から新しいアカウントやパスワードの案内が届いたら、それに従ってください。家庭ですることは、同じパスワードをゲームや動画サービスなど、ほかのサービスで使っていないかを確かめ、使っていればそちらを変えることです。
Q. 住所や電話番号は漏れていないのですか?
市立小中学校の発表では、流出した可能性のある情報に、住所、生年月日、電話番号、口座情報、成績、健康診断情報は一切含まれていないと明記されています。ただし、北陽高校で委託事業者から端末を購入した家庭は、保護者の氏名、住所、電話番号、メールアドレスが含まれている可能性があると、2026年10月20日更新の北陽高校の発表に書かれています。
Q. 2020年に在籍していて、もう卒業した子どもも対象ですか?
市の発表には、令和2年(2020年)の分として児童生徒分11,106件、教職員分879件、管理者分4件が示されています。卒業した子どもの当時のアカウント情報が含まれている可能性があります。当時のパスワードを今もほかのサービスで使っていないかを、本人に確かめておくと安心です。個別に対象かどうかは、委託事業者の窓口に問い合わせてください。
Q. 本件の問い合わせはどこにすればよいですか?
市の発表では、委託事業者の株式会社ポータス(電話 0154-61-5111、午前9時から午後5時まで、土曜日・日曜日・祝日を除く)が問い合わせ先として示されています。発表のページについては、釧路市 学校教育部 学校教育課 学校教育係(電話 0154-23-5186)が担当です。電話でパスワードを伝える必要はありません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
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