動画で収入を得る|投稿先の選び方と撮影を続ける段取り


この記事のポイント
- ✓動画でお金を稼ぐ方法は
- ✓受託制作と素材販売の4経路に整理できます
- ✓それぞれの現金化までの距離
結論から書きます。動画でお金を稼ぐ経路は4つあり、そのうち最も早く現金になるのは広告収入ではなく、他人の動画を作る受託制作です。自分のチャンネルの広告収入は、いちばん遅くていちばん不確実です。この順番を知らずに始めると、半年かけて収入0円という結果になります。
この記事では、4つの経路を現金化までの距離で並べ直し、投稿先の選び方、案件動画で守るべき表記のルール、権利の扱い、税金の区分までを整理します。撮影の技術論ではなく、収入の設計の話です。
検索してこの記事に来た方の状況は、だいたい次のどれかだと思います。スマホで動画は撮れるが、どこに出せばお金になるのか分からない。編集ソフトを触ってみたが、何を作ればいいか決まらない。すでに投稿しているが、再生数が伸びず収入がゼロのまま。いずれの場合も、最初に必要なのは撮影の腕ではなく、経路の選択です。
4つの経路を、現金になるまでの距離で並べる
動画で収入を得る道は、性質の違う4つに分かれます。混ぜて考えると判断ができなくなるので、分けて見ます。
第一は、自分の動画に付く広告収入です。プラットフォームが広告主から受け取った金額の一部が、動画の再生に応じて配分されます。最大の特徴は、収益化を始めるまでに条件の達成が必要な点です。登録者数や総再生時間の基準を満たすまで、1円も入りません。達成までに1年以上かかる例が普通にあります。
第二は、視聴者から直接受け取る形です。ライブ配信中の投げ銭、月額のメンバーシップ、応援の仕組み。こちらは規模が小さくても成立しますが、視聴者との関係を作るまでに時間がかかり、配信を止めると収入も止まります。
第三は、企業から依頼を受けて商品を紹介する案件です。単価は大きくなりますが、依頼が来るには一定の視聴者数か、特定の分野での認知が必要です。つまり第一の経路をある程度進めた人に開く道です。
第四は、他人のための動画を作る仕事、そして素材として動画を売る仕事です。撮影代行、編集代行、字幕付け、切り抜きの作成。こちらは自分の知名度と無関係に、作業に対して報酬が発生します。最短で現金になる経路はここです。
正直なところ、動画で稼ぐという話題のほとんどが第一の経路だけを扱っています。そのせいで、第四の経路を知らないまま「自分のチャンネルを伸ばすしかない」と思い込んでいる人が多い。収入を早く得たいなら、順番は第四から第一です。
第四の経路から始める理由
受託制作から始める利点を、数字の性質で説明します。
広告収入は、再生数に対する単価で決まります。1回の再生に対する収益は分野と季節で大きく動き、数十銭から数円という幅で語られます。仮に1回0.3円として計算すると、月に1万円を得るには約3万回の再生が必要です。始めたばかりのチャンネルで月3万回は、かなり高い壁です。
一方、編集代行の報酬は作業に対して発生します。短い動画1本あたりの単価は、内容と納期によって数千円から数万円の幅で提示されるのが一般的です。月に数本受ければ、再生数がゼロでも収入になります。
もうひとつ重要なのは、受託の仕事をすると技術が上がる点です。他人の要望に合わせて作る経験は、自分の動画を作るときにそのまま効きます。何が伝わりやすいか、どこで離脱されるかを、他人のデータで学べるからです。自分のチャンネルだけで試行錯誤するより、学習の速度が速い。
必要な技術は、意外に限られています。カットの判断、音量の整え方、字幕の付け方、サムネイルの作成。この4つができれば、依頼を受ける入口には立てます。高度な合成や3Dは、入口では求められません。
投稿先はどう選ぶか
自分の動画を出す場合、投稿先の選択が収益の形を決めます。プラットフォームごとに、視聴のされ方が違います。
長い動画を横向きで見せる場所は、検索や関連表示から後から見られる性質があります。つまり、過去に出した動画が積み上がって収入を生みます。解説、レビュー、手順の実演といった内容が向いています。収益化の条件は厳しめですが、一度越えると安定しやすい。
短い縦型の動画が流れる場所は、初速が出やすい代わりに、投稿を止めると視聴も止まります。過去の動画が読まれ続けにくいのです。そのかわり、始めたばかりの人でも大量に見られる可能性があります。認知を取る目的では強い。
写真や短い映像を中心とした場所は、直接の広告収入よりも、案件や自分の商品につなげる役割で使われます。
判断の基準は3つです。ひとつ、自分が作ろうとしている内容は後から検索されるものか、その瞬間に楽しむものか。ふたつ、週にどれだけの本数を出せるか。みっつ、収益化の条件を自分がいつまでに達成できそうか。
積み上がる形を求めるなら長い動画、認知を早く取りたいなら短い縦型。両方やる場合は、長い動画を作って、その一部を短く切り出して出す形が現実的です。制作の手間を二重にしないことが、続ける条件になります。
収益化の条件は、達成できる前提で計算しない
見落とされがちな点を書きます。収益化の条件は、プラットフォームの判断で変わります。基準の数値だけでなく、内容の審査もあります。
そして、条件を満たしても収益が想定どおりに出るとは限りません。広告の単価は分野で大きく違い、視聴者の国や年齢層でも変わります。同じ再生数でも、収益が数倍違うことがあります。
つまり、広告収入は自分で制御できる要素が少ない収入源です。制御できない収入源に生活を預けるのは、投資の考え方としても危うい。生活費は制御できる収入で賄い、広告収入は上振れとして扱うのが妥当な設計です。資産の組み立て方という観点では【20年で2倍?】毎月10万円の積立投資で資産形成する最強のポートフォリオにある考え方が参考になります。収入の柱を複数持つという発想は、動画の収益設計でもそのまま使えます。
案件動画には、表記のルールがある
企業から依頼を受けて商品を紹介する場合、守らなければならない決まりがあります。
広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すことがいわゆる「ステルスマーケティング」です。 出典: caa.go.jp
2023年10月から、広告であることが一般の消費者に分からない表示は景品表示法違反となりました。対象はインターネット上の投稿に限りません。
インターネット上の表示(SNS投稿、レビュー投稿など)だけでなく、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌等の表示についても対象です。 出典: caa.go.jp
規制の対象は広告主である事業者側で、依頼を受けた投稿者が直接罰せられる仕組みではありません。ただし実務上は、広告主が自社を守るために、投稿者に明示を求める契約を結ぶのが標準になりました。表記を怠れば契約違反になり、報酬が支払われません。
やることは単純です。動画の冒頭とテキストの説明欄の両方で、提供を受けていることを分かる形で書く。動画の中で口に出して言うのがいちばん確実です。隠すよう指示してくる依頼は、断ってよいと思います。そういう相手は、他の部分でも約束を守りません。
撮影を続けるための段取り
動画で収入を得られなかった人の大半は、撮影の技術で負けたのではなく、続かなかったから終わっています。続けるための段取りを3つに分けて書きます。
企画を在庫として持つ
撮影のたびに何を撮るか考えるのが、いちばん時間を食います。企画は別の日にまとめて出してください。紙かメモに20本分のタイトルを書き溜めておく。撮影の日は、リストの上から順に撮るだけにします。
企画の出し方は、自分が検索した言葉を記録するのが速いです。自分が知りたかったことは、他の人も知りたい。逆に、漠然と「面白い企画」を考えると、出てきません。
撮影の日をまとめる
1本ずつ撮ると、機材の準備と片付けの時間が毎回かかります。同じ服装でよい内容なら、1日に3本から5本まとめて撮るほうが効率が高い。照明の設定も一度で済みます。
これは編集にも効きます。同じ条件で撮った素材は、同じ設定で処理できます。1本ごとに色や音を調整し直す手間がなくなります。
型を決めて、毎回同じ手順で作る
冒頭10秒で何を言うか、本題の構成、締めの形。この3つを型として固定してください。毎回考え直すと、1本の制作時間が倍になります。
型が決まると、編集のテンプレートも作れます。字幕のフォントと位置、使う音源、サムネイルのレイアウト。保存しておいて毎回呼び出す形にすると、制作時間が半分近くまで落ちます。
筆者が現場で見てきた限り、続いている人の共通点は撮影の腕ではなく、この3つの段取りを持っているかどうかでした。才能の差に見えるものは、たいてい手順の差です。
最初に揃える道具と、揃えなくていい道具
機材から始めようとして、そこで止まってしまう人が多い領域です。先に結論を書くと、最初に必要なのは3つだけです。
撮影する端末。いま持っているスマートフォンで足ります。近年の端末は、数年前の専用機より扱いやすい映像が撮れます。買い替えの判断は、収入が出てからでいいです。
音を拾う道具。ここだけは早めに手を入れる価値があります。視聴者は、映像の粗さには耐えますが、音の聞き取りにくさには耐えません。端末に付けられる小型のマイクで十分改善します。数千円の範囲で選べます。
固定する道具。三脚でも、机に固定する器具でも構いません。手持ちの揺れは、見る側の疲労に直結します。
逆に、最初はいらないものを挙げます。明るいレンズの専用機、複数台のカメラ、大きな照明機材、有料の高機能な編集ソフト。いずれも、作るものが決まってから必要性が見えてきます。決まる前に買うと、使わないまま置くことになります。
照明については、窓からの自然光で足ります。顔が影になるなら、窓に向かって座るだけで改善します。撮影する時間帯を日中に固定すると、明るさが毎回そろいます。
編集は、無料の範囲で始められます。まず無料で20本作ってみて、そこで足りないと感じた機能だけを買う。この順番なら、無駄がありません。
受託の仕事をどう取るか
編集や撮影の仕事を受けるには、自分が何を作れるかを見せる必要があります。実績がない段階での取り方を、順番で書きます。
最初に、見本を3本作ります。依頼されたものではなく、自分で題材を決めて作ります。長さは1分から3分で構いません。大事なのは、種類を散らすことです。手順を説明するもの、商品を紹介するもの、対談を切り出したもの。3種類あると、依頼する側が判断できます。
次に、その3本をまとめて見られる場所を作ります。動画を置く場所と、自分ができる作業の一覧、納期の目安、連絡の手段を1ページに置く。凝ったサイトは不要です。
そして提案文を用意します。提案文で見られているのは文章力ではなく、依頼内容を読んでいるかどうかです。募集に書かれている条件を自分の言葉で言い直し、それに対して自分ができることを書く。定型文を貼るだけの提案は、まず通りません。
見積りの出し方も決めておきます。1本あたりの金額、修正は何回まで含むか、素材の受け渡し方法、納期。この4点を最初に文字で出せると、相手の警戒が下がります。金額を後回しにすると、あとで揉めます。
正直なところ、ここまでやる人は少ないです。だから、やると目立ちます。技術の差より、段取りの差で決まる場面が多いというのが実感です。
素材として売るという選び方
もうひとつ、地味ですが着実な道があります。映像を素材として売る形です。
風景、街の様子、食べ物、手元の作業、季節の移り変わり。こうした短い映像は、企業の広告や他の制作者の動画に使われます。素材を扱うサイトに登録して、使われた分だけ受け取る仕組みです。
1点あたりの単価は小さく、数百円から数千円が一般的な幅です。まとまった額にするには点数が必要で、数百点の規模になってから収入として意識できる水準になります。つまり、これ単体で生活を作るのは難しい。
それでも意味があるのは、出かけたときに撮るだけで在庫が増える点です。企画を考える必要がなく、編集もほとんど不要。動画を作る過程で余った素材を出すだけでも積み上がります。撮影の習慣を切らさないための仕組みとして、使う価値があります。
審査があるサイトが多いため、手ぶれや露出の失敗は通りません。逆に言えば、審査に通る映像を撮る訓練になります。
素材として出す場合も、権利の確認は必要です。人物が特定できる形で映っているなら、その人の同意を書面で残していないと登録できないサイトが多い。看板やロゴ、キャラクターが映っているものも同様です。人のいない風景、手元の作業、食べ物といった題材から始めると、確認の手間がかかりません。
視聴のデータは、3つだけ見る
自分の動画を出したあと、何を見て直すか。指標は多くありますが、見るのは3つで足ります。
最初の30秒で何割が残っているか。ここが低いなら、冒頭の作り方の問題です。内容を変える前に、最初の10秒を作り直します。
どの時点で離脱が集中しているか。特定の場所で急に落ちているなら、その部分が長すぎるか、話が逸れています。次の動画で同じ構成を避けます。
表示された回数に対して、どれだけ再生されたか。ここが低いなら、内容ではなくサムネイルと題名の問題です。動画を作り直す必要はありません。
逆に、見ないほうがよいものもあります。登録者数の増減を毎日見るのは、気持ちが振られるだけで判断材料になりません。週単位、月単位で見てください。
本業がある場合に確かめること
会社に勤めながら始める場合、2つ確認しておきましょう。
就業規則です。副業が全面禁止なのか、届出制や許可制なのか。厚生労働省が示すモデル就業規則は2018年1月の改定で、許可なく他の会社の業務に従事しないという一律禁止の規定を削除し、副業に関する規定を新設しました。多くの会社がこのひな型を参考にしているため、規則を更新している会社では手続きが用意されている可能性があります。
もうひとつは、顔や声を出すかどうかの判断です。動画は身元が割れやすい表現です。勤め先の名前や業務の内容が推測できる映り込みには注意してください。自宅の外観、制服、社内の資料。意図せず映ることがあります。
顔を出さずに作る形は十分に成立します。手元だけを映す、画面を録画する、音声と字幕で進める。むしろ、顔を出さない構成のほうが編集の型を作りやすい場合もあります。
3か月で見直す数字
始めてから3か月を目安に、次の3つを計算してください。数えていない人は、たいてい割の悪い形を続けています。
ひとつめは、1本あたりの制作時間です。企画、撮影、編集、投稿までの合計を測ります。最初は1本に5時間以上かかっても普通ですが、3か月後も同じ時間なら、型ができていないということです。テンプレートの作り直しを検討してください。
ふたつめは、時間あたりの手取りです。受託の仕事をしているなら、報酬から手数料と経費を引いて、投じた時間で割ります。自分の動画だけの場合は、この時点ではゼロになるのが普通なので、比較の対象にはしません。
みっつめは、続けられている頻度です。最初に決めた本数を守れているか。守れていないなら、目標が多すぎます。週1本でも、1年で50本以上になります。数を減らして続けるほうが、多くを宣言して止まるより結果が出ます。
3か月で判断を変えるとしたら、選ぶのは「投稿先を変える」か「経路を変える」のどちらかです。同じ場所で同じ作り方を続けて改善するのは、数字が少しでも動いている場合に限ります。まったく動いていないなら、内容ではなく置き場所が合っていない可能性が高い。
権利の扱いを軽く見ない
動画は、他人の権利に触れやすい表現です。ここでつまずくと、収益化が止まるだけでなく、動画そのものが公開できなくなります。
音源です。市販の楽曲をそのまま使うのは避けてください。プラットフォームの自動検出で収益が権利者に移るか、公開が制限されます。商用利用が明示されている音源を、規約を読んだうえで使うのが基本です。無料と書かれていても、条件が付いていることが多いので必ず読んでください。
映り込みです。屋外で撮影すると、通行人、店舗の看板、他人の作品が映ります。人物が特定できる形で映っている場合は、映さないか、処理をするのが安全です。施設内での撮影は、その施設の許可が必要な場合があります。
他人の映像や画像です。引用として使う場合でも、必要な範囲に限る、出所を示す、自分の表現が主である、といった条件があります。判断が難しい領域なので、迷ったら使わないほうが確実です。
商品のレビューをする場合、パッケージや画面を映すこと自体は一般に問題になりませんが、内容を丸ごと見せるのは別の話になります。映画やゲームの内容を長く映すのは、権利者が個別にルールを出していることが多いので、そのルールを探してから撮ってください。
収入が出たら、区分を確かめる
税金の扱いは、動画の収入でつまずきやすい部分です。まず、どの所得にあたるかを確かめます。
雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも当たらない所得をいい、例えば、公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が該当します。 出典: nta.go.jp
副業として得た動画の収入は、多くの場合この雑所得になります。ここで注意が必要なのは、赤字の扱いです。
雑所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の所得の金額と損益通算はできません。 出典: nta.go.jp
つまり、カメラや編集ソフトの費用が収入を上回っても、その赤字を給与の所得から差し引くことはできません。「機材を買えば節税になる」という説明を見かけますが、雑所得の場合はそうなりません。
記録の義務にも段階があります。国税庁のページには、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える場合には、現金や預金の取引に関する書類の保存が必要になる旨が示されています。収入が増えると義務が増えるので、最初から記録を残す形にしておくほうが楽です。
確定申告が必要になる線は、給与を1か所から受けている方の場合、給与以外の所得金額の合計が20万円を超えるかどうかです。条件は勤め先の数や所得の種類で変わるため、国税庁のタックスアンサーで自分のケースを確かめてください。申告そのものの考え方は確定申告 メリットを最大化!フリーランスが知るべき節税と還付のコツに整理があります。
額面と手取りの距離を測る
受託の仕事で収入を得る場合、額面と手取りの差を知っておく必要があります。
仕事を仲介するサイトを通して受けると、報酬から手数料が引かれます。国内のクラウドソーシングでは、報酬額に応じて16.5%から22%程度が引かれる設計が多く、金額が小さいほど率が高くなる階段になっています。加えて振込の手数料がかかります。年間100万円を受け取る計算なら、十数万円から二十万円前後が手数料として消えます。
これに対して、手数料0%で発注者と直接やり取りする形の仲介もあります。同じ予算を用意した発注者から見れば、中間で引かれない分だけ制作者に届く額が厚くなる。受ける側から見れば、同じ作業で手取りが増える。金額の大小ではなく、手取りの厚みの話です。
20年この市場を見てきた立場から言えば、長く続けている制作者ほど、単発の編集を安く数こなす形から早く抜けています。同じ相手から繰り返し頼まれる関係を作ることに時間を使っているのです。相手の好みが分かっていると、修正の往復が減り、同じ時間で入る額が上がる。「この人に任せると楽だ」と思われることが、単価交渉より効きます。
運営者として見てきた限り、依頼が集まりにくいのは単価が安い募集ではなく、条件が曖昧な募集です。納期、修正の回数、素材の受け渡し方法が書かれていない依頼は、経験のある制作者から避けられます。受ける側のときも、この3点が明記されているかを基準に選べば、はずれを大きく減らせます。
市場側から見た、動画制作の位置
在宅で受発注される仕事の分布を見ると、動画関連の需要は文章の仕事より新しく、単価の幅が広いという特徴があります。作業として切り出せる部分の単価は下がりつつある一方で、企画から関われる人の単価は上がっています。生成技術で置き換えられる部分と、置き換えられない部分が分かれてきたためです。
置き換えられないのは、何を撮るかを決める部分、実物を撮影する部分、そして相手の事情を踏まえて構成を組む部分です。編集のカット作業だけを売る形は、今後厳しくなる可能性があります。
方向を広げるなら、隣接する領域の相場も見ておくと判断しやすくなります。文章と編集の方向は著述家,記者,編集者の年収・単価相場、開発寄りはソフトウェア作成者の年収・単価相場、デザイン寄りの収入分布はUI/UXデザイナーの平均年収は?職種別の収入格差を公開【2026年版】にまとまっています。動画だけに絞らず、隣を知っておくほうが値段の交渉が有利になります。
仕事の内容から考えたい場合は、業務の中身を理解して支援する側がAIコンサル・業務活用支援のお仕事、広告や販促に関わる領域がAI・マーケティング・セキュリティのお仕事、作る側に回るならアプリケーション開発のお仕事に整理があります。
動画で収入を得る話は、再生数を増やす話に見えて、実際には収入の経路を選ぶ話です。制御できる収入から始めて、制御できない収入を上に乗せる。この順番で組めば、半年で0円という結果は避けられます。撮影の腕は、続けているうちに自然に上がります。先に決めるべきは、腕ではなく順番です。
よくある質問
Q. 動画でいちばん早く収入になる方法はどれですか?
他人のための動画を作る受託制作です。編集代行や字幕付け、切り抜き作成は自分の知名度と無関係に作業に対して報酬が発生します。自分のチャンネルの広告収入は収益化の条件を満たすまで1円も入らず、達成に1年以上かかる例も普通にあります。受託で現金を作りながら自分の動画を積むのが現実的な順番です。
Q. 広告収入は再生数がどれくらいあれば生活の足しになりますか?
1回の再生に対する収益は分野や季節で大きく動き、数十銭から数円という幅で語られます。仮に1回0.3円として計算すると、月1万円には約3万回の再生が必要です。同じ再生数でも視聴者層や分野で収益が数倍違うため、自分で制御できない収入源として扱い、生活費は別の経路で賄うのが安全です。
Q. 企業から依頼された商品紹介の動画には何を書けばよいですか?
提供を受けていることが視聴者に分かる形で明示してください。2023年10月から、広告であることが分からない表示は景品表示法違反となりました。規制の対象は広告主側ですが、実務では広告主が投稿者に明示を求める契約が標準です。動画の冒頭と説明欄の両方に書き、動画内で口に出すのが最も確実です。
Q. 機材代が収入を上回ったら税金は戻りますか?
雑所得の場合は戻りません。国税庁は、雑所得の計算上生じた損失は他の所得と損益通算できないと示しています。カメラや編集ソフトの費用が収入を超えても、給与所得から差し引くことはできません。なお前々年分の収入金額が300万円を超えると取引書類の保存義務が生じるため、最初から記録を残す形にしておくと楽です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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