UI/UXデザイナーの平均年収は?職種別の収入格差を公開【2026年版】


この記事のポイント
- ✓UIデザイナーの年収は550万〜750万円
- ✓UXデザイナーは700万〜1,000万円が経験者の実勢【2026年】
- ✓UXエンジニア含む職種別・経験年数別の年収相場早見表と
「Webデザイナーとして働いているけど、年収が頭打ちで……。UI/UXデザイナーに転向すれば年収は上がるの?」
エンジニアとして多くの開発プロジェクトに参画している僕のところに、デザイナーの友人からよく届く相談です。結論から言いましょう。「ただのWebデザイナー」と「UI/UXデザイナー」の間には、年収にして200万〜400万円もの巨大な壁が存在します。
2026年現在のIT市場では、単に「綺麗な画面を作る人」の価値はAIによって暴落しましたが、「使いやすさを設計し、ビジネスの結果を出す人」の価値は天井知らずで上がっています。
今回は、@SOHOの最新案件データと、僕が現場で実際に耳にしている「デザイナーの生々しい財布事情」をもとに、UI/UXデザイナーのリアルな年収格差を公開します。
先に数字の結論をまとめます。UIデザイナーの年収は会社員で550万〜750万円、UXデザイナーは700万〜1,000万円、フリーランスなら月単価60万〜120万円が経験者の実勢レンジです。一方、求人サイトの統計では募集年収の平均がUIデザイナー485万円・UXデザイナー495万円(スタンバイ・2026年5月)とやや低めに出ますが、これは未経験可・若手向け求人を含む全体平均だからです。職種別・経験年数別の詳しい相場は、すぐ下の早見表で確認してください。
【早見表】UIデザイナー・UXデザイナー・UXエンジニアの年収相場一覧【2026年】
「自分の職種と経験年数なら、いくらが適正なのか」を最速で確認できるように、本記事の年収データを早見表に整理しました。
職種別の年収相場早見表
| 職種 | 会社員の年収目安 | フリーランス月単価 | 求人統計(参考) |
|---|---|---|---|
| UIデザイナー | 550万〜750万円 | 60万〜80万円 | 募集年収 平均485万円・中央値443万円 |
| UXデザイナー | 700万〜1,000万円 | 80万〜120万円 | 募集年収 平均495万円・中央値432万円 |
| UXエンジニア | 実装力に応じて上振れ(後述) | 100万〜150万円(デザインシステム構築型の実例) | 職種単独の統計は未整備 |
| プロダクトデザイナー | 900万〜1,500万円 | 120万円以上 | 統計データなし |
会社員の年収目安とフリーランス月単価は、@SOHOの案件データと僕の現場観測に基づく経験者の実勢値です。求人統計は求人検索エンジン・スタンバイのUIデザイナー・UXデザイナーの給与統計(2026年5月時点)で、未経験〜ジュニア向けの募集も含むため実勢より低めに出ます。この「統計」と「実勢」の開きこそ、この職種のスキル格差の大きさの証拠です。
年収データの読み方:複数の出典を掛け合わせて相場を判断する
一つの統計だけを見ると相場を見誤るため、性格の異なる出典を並べて幅を確認するのがおすすめです。
- 求人検索エンジンの統計(スタンバイ等):実際に出ている募集の年収レンジを集計したもの。未経験可・若手向け求人が母数に含まれるため、平均・中央値は経験者の実勢よりやや低めに出やすい傾向があります。
- 厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag):ハローワーク求人などを基に職種ごとの求人賃金の分布を公開しています。公的統計であるぶん保守的な数値になりやすく、こちらも「相場の下限〜中央値」を確認する目安として使うのが適切です。
- 大手転職サービスが公表する職種別年収データ:転職顕在層(すでに実務経験があり転職市場に出てきた人材)が母数のため、求人検索エンジンや公的統計より高めのレンジで示される傾向があります。
- @SOHOのようなフリーランス特化プラットフォームの案件データ:即戦力人材が受注する案件の単価が中心のため、会社員の年収統計とは物差しが異なり、経験者の実勢に近い数値が出やすい特徴があります。
本記事のレンジは、この4系統の出典を照らし合わせたうえで「経験者が実際に到達しうる目安」として提示しています。断定的な保証値ではなく、あくまで意思決定の参考としてご活用ください。
経験年数別の年収相場早見表
| 経験年数 | 会社員年収の目安 | フリーランス月単価の目安 |
|---|---|---|
| 1〜3年目(20代前半) | 300万〜450万円 | 転向非推奨。実績づくり優先 |
| 4〜7年目(20代後半) | 450万〜650万円 | 60万〜80万円 |
| 8〜12年目(30代前半) | 600万〜900万円 | 90万〜120万円(PM兼任) |
| 13年目以降(30代後半〜40代) | 800万〜1,500万円超 | 顧問契約 週1日・月30万〜60万円を複数社 |
各レンジの背景や「停滞ポイント」の詳細は、後半の年代別セクションで解説しています。
UXエンジニアの年収と必要スキル:統計が無い今こそ狙い目
「UXエンジニア」は、UI/UXデザインとフロントエンド実装(HTML/CSS/JavaScript、React等)の両方を担う職種です。検索しても確かな年収統計が見つからないはずで、実際、求人統計サイトでも職種区分としてまだ整備されていません。それくらい新しく、人材が希少な領域だということです。
職務定義としては、大きく次の2パターンに分かれます。
- デザイン起点型:Figmaでコンポーネント設計を行い、そのままコードとしてデザインシステムに落とし込むところまで担当する
- 実装起点型:フロントエンドエンジニアとしてUIを実装しながら、ユーザビリティやアクセシビリティの観点で設計そのものにも意見を出す
僕の現場観測では、UXエンジニアに最も近い実例は後述する「デザインシステム構築型デザイナー」で、月単価100万〜150万円。デザインだけのUIデザイナー(60万〜80万円)と比べ、コードが書けるだけで単価が1.5倍以上に跳ね上がります。デザインと実装の間の「翻訳者」が圧倒的に足りていないからです。
関連職種と並べると、ポジションの違いがわかりやすくなります。
| 職種 | 主な担当範囲 | フリーランス月単価の目安 |
|---|---|---|
| UIデザイナー | 画面設計・ビジュアル | 60万〜80万円 |
| フロントエンドエンジニア | 実装のみ(設計は受け取る側) | 60万〜100万円 |
| UXエンジニア | 設計と実装の橋渡し | 100万〜150万円 |
| デザインシステム構築型デザイナー | 複数プロダクト横断の基盤設計 | 100万〜150万円 |
募集企業側から見ると、UXエンジニアは「デザイナーとエンジニアの間で発生する手戻り・認識齟齬」をまるごと解消してくれる存在です。母数が少なく代替が利きにくいため、単価交渉で優位に立ちやすいポジションだと言えます。
1. 【職種別】UI/UXデザイナーの平均年収シミュレーション
UI/UXデザイナーと一口に言っても、その役割によって年収レンジは驚くほど異なります。
① UIデザイナー(画面設計特化)
主にアプリやWebサイトの「見た目」と「使い勝手」を設計するフェーズです。
- 会社員平均:550万〜750万円
- フリーランス月単価:60万〜80万円
- 特徴:Figmaなどのツール習得は必須。コンポーネント設計ができると単価が上がります。
② UXデザイナー(体験設計特化)
ユーザー調査やインタビュー、カスタマージャーニーマップの作成など、上流工程を担います。
- 会社員平均:700万〜1,000万円
- フリーランス月単価:80万〜120万円
- 特徴:マーケティングの知識や論理的思考力が問われます。案件数はUIより少ないですが、競合が極めて少ない「ブルーオーシャン」です。
③ プロダクトデザイナー(UI/UX + ビジネス)
デザインだけでなく、サービスの事業計画やKPI(売上指標)まで責任を持つ最高峰のデザイナーです。
- 会社員平均:900万〜1,500万円
- フリーランス月単価:120万円以上
- 特徴:エンジニアとの高度な連携や、経営層へのプレゼン能力が求められます。
2. 年収1,000万円を超えるデザイナーの共通点
僕が現場で出会う「超高単価デザイナー」には、共通するスキルセットがあります。それは、「デザイン以外の言葉が話せること」です。
- エンジニアの言葉(実装)がわかる: 「そのデザイン、実装するとめちゃくちゃ工数かかりますよ」というエンジニアの悲鳴を先回りして理解し、工数を半分に抑えつつ価値を維持する提案ができる。
- マーケターの言葉(数値)がわかる: 「この色に変えたことで、クリック率が1.5倍になりました」と、自分のデザインを数字で語れる。
- 経営者の言葉(利益)がわかる: 「このUX改善によって、解約率が5%下がり、年間で2,000万円の利益増が見込めます」と提案できる。
こうしたデザイナーは、企業からすれば「コスト」ではなく「投資」の対象になります。だからこそ、一般的な相場を無視した高額な報酬が支払われるのです。
3. 私の失敗談:UI/UXという「言葉」だけを売って信用を失った過去
これはエンジニアである僕の、デザイナー選びの失敗談です。 以前、あるプロジェクトで「私はUXデザイナーです」と自称する方に、高単価(月100万円)で依頼しました。
しかし、彼がやったことは、ネットにあるテンプレート通りの「ユーザー調査」と「綺麗なだけの図」を作ることだけ。実際のアプリ開発で必要な、泥臭い画面遷移の細かな仕様や、エンジニアが求めるアセット作成は「私の仕事ではありません」と拒否されました。
結局、そのプロジェクトは頓挫。 「上流だけやりたい」というデザイナーは、現場から最も嫌われます。 年収を上げたいなら、上流のUXから下流のUI実装(さらにはCSSの知識)までを一気通貫でカバーする「フルスタックな姿勢」が、2026年のフリーランス市場では最強の信頼に繋がります。
4. 2026年、デザイナーが単価を上げるための「最短ルート」
@SOHOのお仕事ガイドのデータを見ると、今すぐできる単価アップ術はこれです。
- 仲介マージンを排除する: エージェントに20%抜かれているなら、手数料0%の@SOHOへ。月収80万円なら、それだけで手取りが16万円増えます。
- 「デザイン監修」案件を狙う: 制作そのものはAIや若手に任せ、自分は「UI/UXのプロ」として最終チェックと改善提案だけを行う案件です。時給効率が劇的に上がります。
まとめ:あなたのデザインを「数字」に繋げよう
デザイナーの年収が決まる基準は、絵の巧さではありません。「そのデザインが、どれだけのビジネス価値を生んだか」です。
もし今の年収に満足していないなら、自分のポートフォリオを見直してみてください。そこに「売上への貢献度」や「ユーザーの行動変化」についての記述はありますか? なければ、まずは@SOHOで「UX改善」や「コンバージョン改善」というキーワードで案件を探し、今の市場が何を求めているのか、肌で感じてみてください。
5. 【スキル別】UI/UXデザイナーの専門領域マップと単価相場
UI/UXデザイナーとして年収を上げたいなら、「全部やります」より「この領域なら誰にも負けない」という尖った専門性を持つことが近道です。僕がエンジニアとして現場で見てきた、2026年に高単価が付きやすい専門領域を具体的な数値とともに整理します。
① BtoB SaaS特化型デザイナー
法人向けクラウドサービスの管理画面を専門に手がけるデザイナーです。一般的なBtoCアプリと違い、データテーブル・ダッシュボード・複雑なフォームなど「業務を効率化するためのUI」を設計します。
- 平均月単価:90万〜130万円
- 必要スキル:業務フローの理解、データ可視化、アクセシビリティ
- 案件特徴:単発ではなく半年〜2年の長期契約が多く、収入が安定します
SaaS市場は経済産業省の調査でも継続成長が確認されており、デザイナー需要は今後も拡大が見込まれます。
我が国のSaaS市場は、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を背景に拡大を続けており、業務アプリケーション分野におけるクラウドサービスの利用率は年々上昇している。 出典: meti.go.jp
② モバイルアプリ特化型デザイナー
iOS/Androidネイティブアプリのデザインに特化したタイプです。HIG(ヒューマンインターフェースガイドライン)やMaterial Designを熟知し、各プラットフォームの作法に沿った設計ができます。
- 平均月単価:80万〜110万円
- 必要スキル:プロトタイピング、マイクロインタラクション設計
- 案件特徴:リリース後の改善フェーズで継続案件化しやすい
③ デザインシステム構築型デザイナー
企業全体で使うコンポーネントライブラリやスタイルガイドを設計する役割です。複数プロダクトを横断するため、一度導入されると長期的に頼られます。
- 平均月単価:100万〜150万円
- 必要スキル:Figma Variables、コードへの理解、ドキュメンテーション
- 案件特徴:大企業や上場準備中のスタートアップで急増中
④ リサーチ特化型UXリサーチャー
ユーザーインタビュー・ユーザビリティテスト・行動データ分析を専門に行う領域です。日本ではまだプレイヤーが少ないため、希少性で単価が上がりやすくなっています。
- 平均月単価:90万〜140万円
- 必要スキル:定性・定量分析、統計の基礎知識、英語論文の読解
- 案件特徴:プロジェクト単発(1〜3ヶ月)が多く、複数並行で稼げる
僕が一緒に仕事をして「この人は単価が高くて当然」と感じたデザイナーは、必ずこのどれかで突き抜けた実績を持っていました。「広く浅く」のデザイナーが月60万円で止まるのに対し、専門特化型は同じ年齢・経歴でも月100万円超えが珍しくありません。
6. 【年代別】UI/UXデザイナーのリアルな年収カーブと「停滞ポイント」
デザイナーの年収は、年齢ではなく「キャリアの設計図」で決まります。ここでは、僕が@SOHOや知人ネットワーク経由で観測してきたリアルな年収カーブと、多くのデザイナーがハマる「停滞ポイント」を解説します。
20代前半(社会人1〜3年目):年収300万〜450万円
新卒〜ジュニアデザイナーの時期です。この段階では「とにかく手を動かす量」が年収を決めます。Figmaの操作スピード、デザインの引き出し、フィードバックを素直に取り込む姿勢が評価されます。 ここで失敗するのは「ツールに固執しすぎる人」。Figmaのプラグインに詳しくても、ビジネス視点がゼロだと20代後半で頭打ちになります。
20代後半(4〜7年目):年収450万〜650万円
中堅として独り立ちする時期。要件定義から実装フェーズまで一人で回せるようになります。フリーランスに転向するならこのタイミングが最も多く、月単価60万〜80万円の案件を取れます。
ここでの停滞ポイントは「制作だけしかしない」こと。手を動かす作業はAIや若手に追い上げられるため、ディレクション・要件整理・プレゼンができないと、30代で逆転されます。
30代前半(8〜12年目):年収600万〜900万円
管理職またはリードデザイナーとして、複数案件・チームをマネジメントする時期。事業会社の場合はデザインマネージャー、フリーランスならPM兼任の単価90万〜120万円案件が中心になります。
総務省の労働力調査によると、IT・専門サービス分野では30代から年収格差が急拡大することが示されています。
専門的・技術的職業従事者の所得分布は、30歳代以降に上位層と下位層の格差が顕著に拡大する傾向があり、特に情報通信業や専門サービス業においてその傾向が強い。 出典: soumu.go.jp
つまり、30歳前後で「指示を受けて作る側」から「指示を出す側」に回れるかが、生涯年収を1,000万円単位で左右します。
30代後半〜40代:年収800万〜1,500万円超
プロダクトデザイナーまたはCDO(Chief Design Officer)候補として、経営に近い領域で働く層です。フリーランスでも単発契約ではなく、業務委託役員・顧問契約という形態に切り替わります。 顧問契約の相場は週1日稼働で月30万〜60万円。これを3社受けるだけで年収1,500万円が現実的に組み上がります。
停滞ポイントから抜け出す3つの行動
- 毎月1社、自分のデザインを「数字」で説明する練習をする
- エンジニアと並走できるよう、HTML/CSSとAPIの基礎知識を学ぶ
- 案件選定で「自分が成長できるか」を月単価と同じ重みで評価する
7. UI/UXデザイナーが副業・複業で年収を底上げする具体的な戦略
会社員デザイナーが「いきなり独立は怖いけど、年収はもっと上げたい」と感じたとき、最も現実的な選択肢が副業・複業です。@SOHOでも副業案件の登録数は2025年以降増え続けており、デザイナー領域は特に高単価案件が多く眠っています。
戦略①:休日2日で月10万〜20万円を狙う「単発バナー+LP案件」
副業の入口として最も取り組みやすいのが、ランディングページ(LP)やバナー制作の単発案件です。
- 単価相場:LP1本10万〜30万円、バナーセット3万〜8万円
- 必要工数:1案件あたり10〜20時間
- メリット:本業のスキルセットそのままで対応可能
ここで重要なのは、安請け合いしないこと。1本5万円のLPを5本受けるより、1本20万円のLPを1本作る方が、時給効率も信用も上がります。
戦略②:平日夜2時間で月30万〜50万円を狙う「継続UI改善案件」
SaaSやアプリ運営企業から、毎月固定で「UI改善提案+簡易デザイン制作」を請け負うパターンです。
- 単価相場:月20万〜50万円(稼働20〜40時間)
- 案件特徴:契約期間が長く、安定収入になる
- 注意点:本業との競業避止義務に必ず確認を取る
中小企業庁が示すフリーランス・副業ガイドラインでも、契約の明確化と継続的な関係構築が重要だと整理されています。
副業・兼業を行う者と発注事業者との関係においては、業務委託契約の内容を書面で明確化し、報酬の支払時期や成果物の取扱いを事前に合意することが、トラブル防止と継続的な取引関係の構築に資する。 出典: chusho.meti.go.jp
戦略③:ストック型収入を作る「テンプレート販売+オンライン講座」
作業時間を切り売りしない選択肢です。Figmaコミュニティでテンプレートを販売したり、自分のノウハウをオンライン講座にして販売します。
- 売上目安:月5万〜30万円(初年度)
- 必要工数:仕込みに50〜100時間、運用は月数時間
- メリット:寝ている間も収入が発生する
僕の知人デザイナーは、Figmaの管理画面テンプレートを7,800円で販売し、月平均60本ほどコンスタントに売れる仕組みを作っています。年間にして560万円の追加収入です。
副業案件で「やってはいけない」3つのNG
- 本業の会社で使った資料・データを流用すること(情報漏洩リスク)
- 友人価格で受けて相場を下げること(業界全体の単価を破壊する)
- 確定申告を怠ること(雑所得20万円超は申告必須)
副業収入が年間20万円を超える場合は、必ず確定申告が必要です。経費計上を正しく行えば、税負担を最小限に抑えられます。
給与所得者が、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える場合は、確定申告書を提出しなければならない。 出典: nta.go.jp
副業は単なる小遣い稼ぎではなく、独立に向けたシミュレーションでもあります。月20万円を3ヶ月連続で安定して稼げるようになったら、フリーランス転向の準備が整ったサインだと考えていいでしょう。
8. 働き方別の年収比較:事業会社・制作会社・フリーランスどこで働くべきか
同じスキルのUI/UXデザイナーでも、「どこで働くか」によって年収カーブはまったく違う形を描きます。3つの働き方の特徴を比較します。
| 働き方 | 年収・単価の目安 | 経験の積み方 | 強み | 弱み |
|---|---|---|---|---|
| 事業会社(自社サービス) | 600万〜900万円(リード層) | 1プロダクトを深く長期改善 | 数字で語る実績が積める/ストックオプションの可能性 | 1プロダクト特化で経験が偏りやすい |
| 制作会社・受託 | 事業会社よりやや低めの傾向 | 多業種の案件を短期間で経験 | 多業種の案件で引き出しが急増する | 納品型で「数字への貢献」を語りにくい |
| フリーランス | 月単価60万〜120万円 | 案件ごとに裁量範囲が変わる | 単価交渉の自由/複数案件の並行 | 収入の波/営業・経理も自分で |
フリーランス協会が毎年公表している実態調査でも、フリーランス人材の年収は経験年数・専門性による分散が非常に大きいことが繰り返し指摘されています。会社員のような一律の給与テーブルが存在しないぶん、「実績の言語化」ができる人とできない人の差が単価にそのまま反映されやすい働き方だと言えます。
事業会社デザイナー:年収1,000万円への王道
自社サービスを継続的に改善する立場なので、「このUI変更でコンバージョン率が◯%上がった」という数字の実績が自然に貯まります。デザインマネージャー→プロダクトデザイナー→CDO候補と昇格すれば、会社員のまま年収900万円以上が見えてきます。
制作会社デザイナー:20代で「引き出し」を最速で増やす場
受託制作は案件の回転が速く、多様な業種のデザインを短期間で経験できます。年収水準は納品型ビジネスの構造上、事業会社より控えめになりやすいのが現実ですが、20代で引き出しを増やし、30代で事業会社かフリーランスに移るルートは、僕の周囲の高年収デザイナーに最も多いパターンです。
フリーランス:実勢単価が最も高いが「実績の言語化」が前提
早見表の通り、経験者のフリーランス月単価は60万〜120万円。事業会社で数字の実績を作ってから独立すると、単価交渉で圧倒的に有利です。逆に、ポートフォリオが「綺麗な画面の羅列」だけだと、単価の安い制作代行に埋もれます。会社員のうちに副業案件(前セクション参照)で市場の手応えを確かめてから転向するのが、再現性の高い順序です。
最短で年収を上げる「移行モデル」
- 20代:制作会社または事業会社で量をこなし、Figma+実装基礎を固める
- 20代後半〜30代前半:事業会社で「数字で語れる実績」を2〜3個作る
- 30代:フリーランス転向、または事業会社でマネジメント職へ
- 30代後半以降:顧問契約・プロダクトデザイナーとして複数社と契約
どの道を選ぶにせよ、共通する鍵は「デザインの成果を数字で語れること」。それさえあれば、事業会社でも制作会社でもフリーランスでも、年収はついてきます。
9. 地域・リモート可否による年収差
同じ経験年数・同じスキルでも、「どこで・どんな働き方で」仕事をするかによって年収には差が出ます。地域とリモート可否の2軸で傾向を整理します。
東京圏 vs 地方:案件単価とコストのバランス
東京圏は事業会社・制作会社ともに案件の絶対数が多く、単価水準も高めに出やすいのが実情です。一方で地方は生活コストが低いぶん、同じ手取り額を得るための必要年収自体が下がるという側面もあります。会社員として腰を据えて働くなら「地方×低めの年収」でも可処分所得ベースでは悪くない、という判断も十分成立します。
フリーランスの場合はこの差がより顕著です。案件発注元が東京圏に集中している業界(SaaS、スタートアップ等)では、地方在住のままオンラインで受注できるかどうかが単価を左右する分かれ目になります。
フルリモート求人の広がりと地域差の縮小
近年はフリーランス向け案件を中心にフルリモート前提の募集が増えており、居住地に関わらず全国一律の単価で契約するケースが一般的になりつつあります。厚生労働省のテレワーク関連調査でも、専門職・技術職を中心にテレワークの実施率が高い水準で推移していることが示されており、UI/UXデザイナーのようなPC完結型の職種は特にリモート親和性が高い領域です。
- フルリモート案件のメリット:地方在住でも東京圏クライアントの単価で契約できる、通勤コストがゼロになる
- 注意点:時差のあるオンボーディングやレスポンス速度など、リモートならではのコミュニケーション設計が単価交渉の前提として求められる
会社員として地域差を気にするより、フリーランスとしてフルリモート案件を狙うほうが「地域による年収の天井」を実質的に取り払いやすい、というのが現場観測からの実感です。@SOHOのWebデザイナーのお仕事では、副業・フリーランス向けデザイン案件の仕事内容や単価相場を解説しているので、独立前の市場リサーチに活用してください。
なお、年収300万円の場合に実際に手元へ残る金額(所得税・住民税・社会保険料の内訳つき)は、年収300万円の手取りシミュレーターで確認できます。
よくある質問
Q. UI/UXデザイナーになるにはどんなスキルが必要ですか?
Figmaの操作スキルは必須です。加えて、ユーザーリサーチ手法(インタビュー、アンケート設計)、ワイヤーフレーム作成、プロトタイピング、デザインシステムの構築・運用スキルが求められます。HTML/CSSの基礎知識があると、エンジニアとのコミュニケーションがスムーズになり評価が上がります。
Q. 単価交渉をしたら「じゃあ他の人に頼む」と言われませんか?
もしそう言われたなら、あなたの提供している価値が「誰でも代わりが効くレベル」だと思われているか、クライアントが単なる「安さ」しか求めていないかのどちらかです。そのような現場に長くいても未来はありません。早めにおすすめ の新規案件を探し始めましょう。
Q. 実績をどう数値化すればいいか分かりません。?
「自分がやったこと」ではなく「それによって何が変わったか」を考えます。「リファクタリングをした」ではなく「それによって開発工数が15%削減された」という視点です。具体的な数字が出せない場合は、チームメンバーや上長からの評価を「定性的な実績」として引用しましょう。
Q. デザイナー未経験からフリーランスになるには何年かかりますか?
一般的には実務経験2〜3年が目安です。ただし、スクールやオンライン学習で基礎を身につけ、個人の制作実績を積むことで、1年半程度で独立するデザイナーもいます。ポートフォリオの質が案件獲得の鍵となります。
Q. フリーランスの年収は会社員より本当に高いですか?
データ上は、大半の職種でフリーランスのほうが会社員より高い年収を得ています。ただし、福利厚生(社会保険の会社負担分、退職金、有給休暇など)を含めた「総報酬」で比較すると、差は縮まります。また、フリーランスは案件がない期間のリスクも自分で負う必要があります。
@SOHOでキャリアと年収を見直そう
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この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
榊原 隼人@SOHO編集部
フルスタックエンジニア・テックライター
SIerで8年間システム開発に携わった後、フリーランスエンジニアに転身。React/Next.js/Pythonを中心に開発案件をこなしながら、技術系の記事を執筆しています。
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