子育てしながら訪問リハビリで働く|シフトの融通と、頼れる制度


この記事のポイント
- ✓子育てしながら訪問リハビリで働くときの
- ✓シフトの融通が利く職場と利きにくい職場の違い
- ✓お迎えに間に合う1日の組み方
「保育園のお迎えに間に合う働き方をしたくて、訪問リハビリを考えています。でも、子どもが熱を出したら利用者さんに迷惑をかけてしまいそうで、踏み出せないんです」。
子育て中の療法士さんから、こういうご相談をいただくことがあります。
訪問リハビリは、直行直帰ができたり、訪問の件数で1日の時間を組み立てられたりと、子育てと両立しやすい面を持つ職場です。一方で、利用者さんの予定に合わせて動くので、急に休みにくいという面もあります。
大丈夫ですよ。両立できるかどうかは、あなたの頑張りだけで決まるものではありません。どの職場を選ぶか、どんな制度を使うかで、ずいぶん変わります。
この記事では、職場によって変わるシフトの融通、お迎えに間に合う1日の組み方、子どもの急な発熱への備え、法律で用意されている制度、働き方の選び方までを、順番にお話ししますね。
訪問リハビリが子育て中の療法士に選ばれる理由と、その裏側
まず、訪問リハビリがなぜ子育て中の方に選ばれやすいのかを見てみましょう。
選ばれる理由
1つ目は、1日の終わりの時間が読みやすいことです。 病院のリハビリ科では、夕方の会議や、入院患者さんの急な対応で帰りが遅くなることがあります。訪問リハビリは、最後の訪問が終わる時間がおおよそ決まっているので、帰る時間の見通しが立ちやすいんです。
2つ目は、直行直帰ができる事業所があることです。 自宅から1件目の利用者さん宅へ直接向かい、最後の訪問から直接帰れる。保育園に近い場所で最後の訪問を組めれば、移動の時間も短くなります。
3つ目は、件数で働く量を調整しやすいことです。 訪問リハビリは、1回の訪問が40分や60分といった単位で組まれます。「1日4件」「午前だけ2件」のように、働く量を件数で決められるので、時短勤務や非常勤でも仕事を組み立てやすいんです。
4つ目は、土日休みの事業所が比較的多いことです。 利用者さんの訪問は平日が中心のところが多く、保育園や学校のお休みと合わせやすくなります。ただし、土曜日も訪問している事業所もあるので、ここは確認が必要です。
その裏側にあること
一方で、訪問リハビリならではの難しさもあります。
訪問の頻度や時間は、利用者さんとの話し合いで決まります。
その他ご自宅でリハビリテーションを受けることが可能な方や、訪問リハビリテーションサービスを利用することに同意できる方など、主治医または外来理学療法士、作業療法士、医療相談員(精神保健福祉士)に相談してください。 医師の指示書に基づき、訪問頻度や一回あたりの訪問時間は利用者さんと訪問リハビリスタッフで話し合って決めます。 出典: shimamatuhp.jp
利用者さんと話し合って決めた訪問の予定は、利用者さんの生活の一部になります。デイサービスの日、ヘルパーさんが来る日、ご家族が在宅している日。そうした予定と組み合わさっているので、療法士の都合で簡単に動かせないんですね。
つまり、訪問リハビリは「時間の見通しは立てやすいけれど、急な変更には弱い」職場です。子育て中の方がつまずきやすいのは、まさにこの「急な変更」の場面です。だからこそ、職場を選ぶときは、急な休みにどう対応している事業所なのかを見ることが、何より大切になります。
職場の種類で変わるシフトの融通
同じ訪問リハビリでも、どこが運営しているか、どれくらいの規模かで、シフトの融通の利き方は変わります。
| 職場の種類 | 融通が利きやすい点 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 病院・診療所の訪問部門 | 育児支援の制度が整っていることが多い。院内保育所がある病院も | 外来や病棟との兼務で、時間の読みにくさが出ることがある |
| 介護老人保健施設の訪問部門 | 施設内のリハビリ職と協力しやすい | 施設の行事や業務に合わせる場面がある |
| 訪問看護ステーション(大規模) | 急な休みの代わりを立てやすい | 決まったルールに沿うので、個別の調整は通りにくいことも |
| 訪問看護ステーション(小規模) | 管理者との話し合いで柔軟に時間を決めやすい | 休むと他の人に負担が集中しやすい |
病院・診療所の訪問部門
大きな病院は、職員数が多いぶん、育児休業や時短勤務を使った前例も多いことがあります。院内保育所を持つ病院なら、子どもを預けて出勤できる安心感もありますね。
ただ、訪問部門の人数が少ないと、病院全体の制度は整っていても、訪問部門の中での代わりが立ちにくいことがあります。制度があることと、実際に使えることは別なんです。
介護老人保健施設の訪問部門
老健の訪問部門は、施設の中で働くリハビリ職と同じチームにいることが多く、急な休みのときに施設側の療法士が訪問を代わってくれる場合があります。人の厚みがあるのは、子育て中の方にとって心強い点ですね。
その一方で、施設の行事や入所者さんのリハビリの予定に合わせて、訪問の時間が動くこともあります。施設の勤務時間に合わせた決まりがあり、時短勤務の組み方が施設全体のルールに沿う形になりやすいので、訪問部門だけの事情で調整できるかを確認しておくと安心です。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションでは、看護師にオンコール(夜間や休日の緊急連絡の当番)がある事業所が多いのですが、療法士はオンコールの当番に入らないことが一般的です。ここは子育て中の方にとって安心材料のひとつです。ただし、事業所によって違うので、面接で確認してください。
規模の大きなステーションは、スタッフの人数が多いので、子どもの急な発熱で休んでも、他の療法士が訪問を代わってくれることがあります。小さなステーションは、管理者との距離が近く、「この曜日は午後を空けたい」といった相談が通りやすい。どちらが合うかは、あなたが「急な休みへの安心」と「日々の時間の融通」のどちらをより必要としているかで変わります。
お迎えに間に合う1日の組み方
では、実際に子育て中の療法士が、どんなふうに1日を組み立てているのか。時短勤務で1日4件の訪問を行う場合の一例を見てみましょう。
| 時間 | 動き |
|---|---|
| 8:00 | 子どもを保育園に送る |
| 8:45 | 事業所に出勤、または1件目へ直行 |
| 9:30 | 1件目の訪問(40分) |
| 10:30 | 移動、次の訪問先の情報を確認 |
| 11:00 | 2件目の訪問(40分) |
| 12:00 | 昼休憩、午前分の記録 |
| 13:30 | 3件目の訪問(40分) |
| 14:30 | 移動 |
| 15:00 | 4件目の訪問(40分) |
| 15:45 | 記録、事業所への報告 |
| 16:30 | 退勤、保育園へ |
この例のポイントは3つあります。
最後の訪問を保育園の近くに組む
1日の最後の訪問先を、保育園や自宅の近くの利用者さんにしてもらうと、移動の時間が短くなります。担当する利用者さんの地域を相談できる事業所なら、ぜひ伝えてみてください。
記録をその場で終わらせる
訪問リハビリで帰りが遅くなる大きな原因は、記録です。タブレットで記録できる事業所なら、訪問の直後に車の中や次の訪問先の近くで記録を済ませることができます。夕方に事務所で記録をまとめる事業所だと、その分だけ帰りが遅くなります。記録の方法は、時間を守るうえでとても大事な確認ポイントです。
余白の時間をつくる
予定をぎりぎりまで詰めると、1件の訪問が少し延びただけで、お迎えの時間に響きます。1日のどこかに30分ほどの余白を置いておくと、気持ちにもゆとりが生まれます。
私も子どもが小さかったころは、お迎えの時間から逆算して予定を詰め込み、少しでも遅れると焦ってばかりいました。あるとき、あえて夕方に何も入れない時間をつくったら、仕事の質も、子どもと向き合うときの気持ちも、ずいぶん楽になったんです。余白は、さぼりではなく、両立のための大切な仕組みですよ。
子どもの急な発熱にどう備えるか
子育てしながら働くうえで、いちばん不安なのが子どもの急な発熱ですよね。保育園から「お熱が出ました」と電話がかかってくる。訪問の予定がまだ3件残っている。こういう場面は、必ずやってきます。
大丈夫。前もって備えておけば、慌てずに対応できます。
事業所の中で決めておくこと
・急に休む場合、誰に、どの方法で連絡するか ・残りの訪問を、他の療法士が代わるのか、別の日に振り替えるのか ・利用者さんやケアマネジャーへの連絡は誰がするのか
入職したら早めに、管理者とこのルールを確認しておきましょう。ルールがはっきりしていれば、電話を受けたときに「どうしよう」と迷う時間が減ります。
利用者さんに前もって伝えておくこと
担当が決まったとき、利用者さんやご家族に「急な事情で訪問の時間を変更させていただくことがあります。そのときは事業所からご連絡します」と、ひと言伝えておく方法もあります。多くの利用者さんは、療法士が人として事情を持っていることを理解してくださいます。前もって伝えてあるだけで、いざというときの気まずさがずいぶん違うんです。
家庭の外に頼れる先を持つ
事業所の工夫だけでは、どうしても対応しきれないときがあります。そんなときのために、家庭の外に頼れる先を持っておきましょう。
・病児保育や病後児保育(自治体や医療機関が運営していることが多い) ・ファミリー・サポート・センター(地域で子育てを助け合う仕組み) ・パートナーや家族との分担のルール ・ベビーシッターの利用(自治体によって利用料の助成がある場合も)
病児保育は、事前の登録が必要なことがほとんどです。子どもが元気なうちに登録を済ませておくと、いざというときにすぐ使えます。
こういう相談がよくあります。「頼れるものは全部頼っているのに、それでも休む日が続いて申し訳ない」。そんなとき、自分を責めなくていいんです。子どもが小さいうちの体調の崩しやすさは、誰にでもあることです。休む日が続いたら、それはあなたの努力不足ではなく、働き方の組み方を見直すサインだと受け止めてくださいね。
頼れる制度|育児・介護休業法と2025年の改正
ここからは、子育てしながら働く人を支える制度をお話しします。制度は少し難しく感じるかもしれませんが、知っているだけで、職場との話し合いの材料になります。
休業に関する制度
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 産前産後休業 | 出産予定日の6週間前(多胎は14週間前)から請求でき、産後8週間は原則として働けない |
| 育児休業 | 原則として子どもが1歳になるまで。保育園に入れないなどの事情があれば最長2歳まで延長できる |
| 産後パパ育休 | 子どもの出生後8週間以内に、父親などが最大4週間まで取得できる |
育児休業は、正社員だけの制度ではありません。パートや契約社員など期間を定めて働く人も、子どもが1歳6か月になるまでに契約が終わることが明らかでなければ取得できます。ただし、労使協定によって、入社1年未満の人などが対象から外されている場合もあるので、職場の就業規則を確認してください。
復帰後に使える制度
復帰したあとの働き方を支える制度は、2025年に大きく広がりました。
・短時間勤務制度:3歳未満の子どもを育てる人は、1日の所定労働時間を原則6時間とする短時間勤務を利用できます ・残業の免除:2025年4月から、小学校に入る前までの子どもを育てる人に対象が広がりました ・子の看護等休暇:2025年4月から、対象が小学校3年生の修了までに広がり、学級閉鎖や入園式・卒園式などの行事でも取れるようになりました。年に5日、子どもが2人以上なら10日取得できます ・柔軟な働き方を実現するための措置:2025年10月から、3歳から小学校に入る前までの子どもを育てる人のために、事業主は始業時刻の変更、テレワーク、短時間勤務、休暇の付与、保育施設の設置運営などの中から2つ以上の措置を用意し、働く人がその中から選べるようにすることが義務になりました
子の看護等休暇は、子どもの急な発熱のときにも使える休暇です。有給か無給かは事業所によって違うので、確認しておきましょう。
柔軟な働き方の措置のうち、訪問リハビリの現場で使いやすいのは、始業時刻の変更や短時間勤務です。「朝の1件目を9時半からにしたい」「午後は15時までにしたい」といった希望は、この制度を背景に相談しやすくなっています。
お金の面で支える制度
休業中や時短勤務中の収入を支える給付もあります。
・育児休業給付金:雇用保険に入っている人が育児休業を取ると、休業開始から6か月は休業前の賃金のおおむね67%、その後は50%が支給されます ・出生後休業支援給付金:2025年4月から、子どもの出生後の一定期間に、両親がそれぞれ14日以上の育児休業を取った場合などに、給付が上乗せされる仕組みができました ・育児時短就業給付金:2025年4月から、2歳未満の子どもを育てるために時短勤務をして賃金が下がった場合に、時短勤務中の賃金の一定割合が支給される仕組みができました
受給にはそれぞれ条件があります。詳しくは、勤め先の担当者やハローワークに確認してくださいね。
妊娠中に訪問リハビリで働くときに気をつけたいこと
子育ての前の段階、妊娠中の働き方についても触れておきますね。訪問リハビリは、身体を使う場面と、1人で動く場面が多い仕事です。妊娠が分かったときに、どう職場と相談すればいいのかを知っておくと安心です。
訪問リハビリならではの負担
訪問リハビリでは、次のような場面で身体に負担がかかります。
・ベッドから車いすへの移乗など、利用者さんの身体を支える介助 ・床からの立ち上がりの練習など、低い姿勢での動作 ・1日に何度も車の乗り降りをし、長い時間運転すること ・感染症にかかっている利用者さんや、ご家族との接触
病院なら、周りのスタッフに介助を手伝ってもらうことができます。でも訪問では、利用者さん宅で1人です。妊娠中は、無理をしてしまいやすい環境だということを、まず知っておいてください。
使える仕組み
妊娠中の働く人を守る仕組みは、法律で決められています。
・妊婦健診を受けるための時間を確保してもらうこと ・医師などから指導を受けた場合に、通勤の緩和や休憩、作業の制限などの措置を事業主に講じてもらうこと ・軽い業務への転換を事業主に求めること
医師からの指導の内容を職場に伝えるときには、「母性健康管理指導事項連絡カード」を使うと、口頭で説明するよりも正確に伝わります。主治医に書いてもらい、事業所に提出する形です。
訪問リハビリの職場で相談しやすいのは、介助量の多い利用者さんの担当を一時的に外してもらう、移動の距離が短い地域に担当を寄せてもらう、訪問件数を減らす、といった調整です。「迷惑をかけてしまう」と思って黙っていると、身体にも心にも負担がたまってしまいます。早めに管理者と話してくださいね。
ブランクのあとに訪問リハビリへ復帰するとき
育児休業のあとに同じ職場へ戻る人もいれば、出産を機にいったん仕事を離れて、数年後に訪問リハビリで復帰する人もいます。ブランクのあとの復帰について、こういう相談がよくあります。
「数年離れていたので、1人で利用者さんの家に行くのが怖いんです」。
その気持ち、とても自然なものですよ。
小さく始める
ブランクのあとは、いきなり常勤で件数を多く持つより、非常勤で1日2件ほどから始めるのがおすすめです。訪問に慣れること、子どもの生活リズムと仕事を合わせること。この2つを同時に進めるには、少ない件数から始めるほうが、心にも身体にも余裕が生まれます。
同行訪問をもう一度お願いする
経験があっても、ブランクのあとは同行訪問の期間を設けてもらえるか相談してみてください。事業所ごとに、記録のシステムや連絡のルール、訪問先の地域の事情が違います。何回か先輩と一緒に回るだけで、「1人で行くのが怖い」という気持ちはずいぶん小さくなります。
学び直しの場を使う
各職能団体や地域の研修会では、復職を考えている人に向けた研修や、在宅のリハビリをテーマにした勉強会が開かれていることがあります。オンラインで参加できるものも増えているので、子どもが寝たあとの時間に少しずつ学び直すこともできます。
子育ての経験は、訪問で活きる
ブランクを「空白の期間」と思う必要はありません。子育てを通して、ご家族の生活の忙しさや、介護と家事を同時に回す大変さを、身をもって知っているはずです。
訪問リハビリでは、利用者さんのご家族に介助の方法を伝えたり、生活の中で続けられる運動を一緒に考えたりします。そのとき、「毎日これを続けるのは大変ですよね。朝の支度のついでにできる形にしてみましょうか」と言える感覚は、ご家族にとって大きな支えになります。子育ての経験は、訪問リハビリの仕事の中で、ちゃんと力になりますよ。
常勤・時短・非常勤、どの働き方を選ぶか
子育て中の訪問リハビリの働き方には、大きく3つの形があります。
| 働き方 | 良いところ | 気をつけたいところ |
|---|---|---|
| 常勤(フルタイム) | 収入が安定し、昇給や賞与もある | 件数の基準が高いと、お迎えに間に合わない日が出る |
| 常勤の時短勤務 | 正社員の立場のまま、時間を短くできる | 給与は時間に応じて下がる。件数手当の基準も確認が必要 |
| 非常勤(パート) | 曜日や件数を選びやすい | 1件あたりの報酬で働く場合、キャンセルで収入が減ることも |
非常勤で働く場合、訪問リハビリの報酬は、時給2,000円から3,000円程度、あるいは1件(40分程度)あたり4,000円から5,000円程度で設定されることが多いです。1件あたりの報酬の場合は、利用者さんのキャンセルで収入が減ること、移動時間の扱いがどうなっているかを確認してください。
また、働く時間や収入によって、社会保険に加入するか、配偶者の扶養に入るかが変わります。いわゆる「年収の壁」の制度は見直しが続いているので、最新の条件を確認したうえで、家族と一緒に働く量を考えるのがおすすめです。
どの働き方がいいかは、子どもの年齢によっても変わります。子どもが小さいうちは非常勤で件数を少なめに、小学校に上がったら時短勤務の常勤へ。そうやって、段階的に働き方を変えていく人も多いんですよ。今の働き方は、ずっと続けなければいけないものではありません。
求人票と面接で確かめること
最後に、子育てしながら訪問リハビリで働く職場を探すときに、確かめておきたいことをまとめますね。
求人票で見るところ
・「時短勤務可」「子育て中のスタッフ在籍」などの記載があるか ・勤務時間の終わりの時刻と、直行直帰ができるか ・土曜日の訪問があるか、ある場合はどのくらいの頻度か ・記録の方法(タブレットでその場で入力できるか) ・非常勤の場合、報酬が時給制か1件ごとか
面接で聞くこと
・子育て中の療法士は何人くらい働いていますか ・子どもの急な発熱で休んだとき、訪問はどう振り替えていますか ・時短勤務を使ったスタッフの前例はありますか ・夕方の訪問は、何時までに終わるように組んでいますか ・学校行事などで、前もって休みを取るときの決まりはありますか
子育てのことを面接で聞くと、不利になるのでは、と心配になるかもしれません。でも、入ってから「こんなはずじゃなかった」となるほうが、あなたにとっても事業所にとってもつらいことです。聞いたときの反応そのものが、その事業所の子育てへの理解を映す鏡になります。
入職して最初の1か月で話しておくこと
面接で確かめたことも、実際に働き始めると細かな違いが出てきます。最初の1か月のうちに、管理者と次のことを話しておくと、その後がぐっと楽になりますよ。
・保育園や学校の年間行事の予定と、前もって休みたい日 ・子どもの急な発熱のときに、実際にどの順番で連絡を回すか ・担当する利用者さんの地域を、お迎えの動線に寄せられるか ・慣れてきたら件数をどう増やしていくか、その目安
最初に伝えておくと、管理者も訪問の組み方を考えやすくなります。「わがままを言っているみたいで気が引ける」と思うかもしれませんが、前もって分かっている予定を伝えるのは、職場にとってもありがたいことなんです。
運営者として見てきたこと
フリーランスや在宅ワーク、医療や介護の人材の動きを長く見てきた運営者の立場から、少しだけお伝えしたいことがあります。
運営者として見てきた限りでは、子育てと仕事を長く両立している人ほど、ひとつの働き方に自分を合わせるのではなく、子どもの成長に合わせて働き方を組み替えています。非常勤で訪問を少しずつ続け、子どもが大きくなってから常勤に戻る。常勤の時短勤務をしながら、週に1回だけ別の事業所で訪問を持つ。訪問リハビリで非常勤や副業として働く方法は、理学療法士・作業療法士の訪問リハビリ副業|高時給を狙う方法【2026年版】で、時給の相場や事業所との条件の決め方とあわせて紹介しています。そうした非常勤の仕事を探すときは、仲介の手数料が乗らない直接のやりとりのほうが、同じ予算で事業所はより多くの訪問を頼め、療法士の手取りも厚くなります。手数料0%の直接の関係は、限られた時間で働く子育て中の方にとって、働いた時間の価値をしっかり手元に残せるという点で心強い選択肢だと感じています。
訪問看護ステーションで働く場合は、同じ職場の看護師がどんな働き方をしているかも参考になります。訪問看護を含めた看護師の給与水準や、雇用形態による違いは看護師の年収・単価相場で確かめられます。利用者さんの生活を支えるヘルパーさんの働き方については、介護職員の年収・単価相場で介護職員の賃金水準や処遇の状況が整理されています。
子育てと仕事のバランスに悩んで、どう働けばいいか分からなくなったときは、ひとりで答えを出さなくて大丈夫です。キャリアコンサルタントは、働き方や人生の節目の悩みを一緒に整理する国家資格の専門家で、そのページでは資格の役割や相談できる内容を紹介しています。どんな場で相談を受けられるのかは、職場・転職・キャリア相談のお仕事で知ることができます。
子育て中のあなたの経験は、ご家族を支える利用者さんの気持ちに寄り添う力にもなります。無理をしすぎず、頼れるものに頼りながら、あなたらしい働き方を見つけてくださいね。あなたは一人じゃありません。
よくある質問
Q. 訪問リハビリは子育てと両立しやすいですか?
帰る時間の見通しが立ちやすく、直行直帰や件数での調整ができる事業所も多いため、両立しやすい面があります。一方で、利用者さんの予定に合わせて動くため、急な休みには弱い職場でもあります。子どもの急な発熱のときに訪問をどう振り替えているか、代わりの療法士がいるかを確認して選ぶことが大切です。
Q. 子どもの急な発熱で訪問リハビリを休むときはどうすればいいですか?
入職時に、連絡先と方法、訪問の代行や振り替えのルール、利用者さんへの連絡を誰がするかを管理者と決めておきましょう。子の看護等休暇も使えます。あわせて、病児保育やファミリー・サポート・センターに事前登録しておくと、事業所の工夫だけで対応しきれないときの支えになります。
Q. 訪問リハビリで時短勤務はできますか?
3歳未満の子どもを育てる人は、法律に基づき1日原則6時間の短時間勤務を利用できます。2025年10月からは、3歳から小学校入学前の子どもを育てる人向けに、始業時刻の変更や短時間勤務などの措置を事業主が用意する義務も加わりました。件数手当がある職場では、時短中の基準件数も確認してください。
Q. 子育て中は常勤と非常勤のどちらで訪問リハビリをするのがいいですか?
収入の安定や賞与を重視するなら常勤の時短勤務、曜日や件数を細かく選びたいなら非常勤が向いています。非常勤で1件ごとの報酬の場合は、キャンセル時の扱いや移動時間の扱いを確認しましょう。子どもの成長に合わせて、非常勤から常勤へ段階的に切り替えていく人も多くいます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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