Gmailで複数アカウントを切り替える方法と、ログインし直さずに使い分けるコツ


この記事のポイント
- ✓Gmailで複数アカウントを切り替える方法を
- ✓パソコンとスマホのアプリに分けて手順で解説
- ✓転送や送信元アドレスの追加で1つの受信トレイにまとめる方法
Gmailで複数アカウントを切り替えるたびに、ログアウトしてパスワードを入れ直していないでしょうか。本業用、副業用、個人用とアカウントが増えると、切り替えの手間だけでなく「違うアドレスから取引先に返信してしまった」という取り違えも起きやすくなります。
結論から書くと、Gmailはログアウトせずに複数のアカウントへ同時にログインでき、右上のプロフィール画像から切り替えられます。スマホのGmailアプリも同じ考え方です。さらに、切り替えそのものを減らしたいなら、転送と送信元アドレスの追加で1つの受信トレイに寄せる方法、ブラウザのプロファイルで窓ごと分ける方法があります。この記事では、それぞれの手順と、2026年に入って変わった点、仕事で使うときの注意点を順に整理します。
Gmailのアカウントを複数持つ人が増えている背景
Gmailのアカウントを複数持つこと自体は、いまでは珍しいことではありません。会社員が副業を始めると、本業の連絡と副業の連絡を同じアドレスで受けるのは避けたくなります。フリーランスなら、取引先ごとに専用のアドレスを用意してほしいと頼まれることもありますし、取引先のGoogle Workspace(企業向けのGoogleのサービス)のアカウントを発行されて、そちらで共有ドライブやカレンダーを使うよう求められることもあります。
在宅で受ける仕事が広がるほど、この傾向は強まります。たとえば、ECサイトの商品撮影を受けるカメラマンは、撮影の依頼主とのやりとり、画像データの受け渡しに使うクラウドストレージ、写真素材サイトへの登録など、用途ごとにアカウントが分かれがちです。ライターや編集者も、媒体ごとに入稿用のアカウントを渡されることが多い職種です。仕事の数だけアカウントが増える、という状態は在宅の働き方ではごく普通に起こります。
アカウントを分けることには、はっきりした利点があります。仕事を辞めたり取引が終わったりしたときに、そのアカウントだけを整理すればよく、私的なメールや写真まで巻き込まずに済みます。確定申告の時期に、副業の売上や経費に関するメールだけを探すのも簡単になります。
その一方で、アカウントが3つ、4つと増えると、切り替えの手間と取り違えの危険が一気に大きくなります。切り替えるたびにログインし直す運用では、二段階認証(パスワードに加えてスマホへの通知などで本人確認をする仕組み)のたびにスマホを手に取ることになり、1日に何度も作業が中断されます。
| 使い分けの例 | よくあるアカウントの分け方 | 困りやすい場面 |
|---|---|---|
| 会社員の副業 | 本業の会社アカウントと、副業用の個人Gmail | 副業の連絡を会社のパソコンで開いてしまう |
| フリーランス | 自分の事業用Gmailと、取引先から発行されたアカウント | 取引先の共有ファイルが別アカウントで開いて閲覧できない |
| 個人事業と家庭 | 事業用、個人用、家族の連絡用 | 家族用のアドレスで取引先に返信してしまう |
このあと紹介する方法は、どれもGoogleが公式に案内している機能だけで組み立てられます。追加の費用はかかりません。
パソコンのブラウザでGmailのアカウントを切り替える手順
パソコンのブラウザでは、複数のGoogleアカウントに同時にログインしておき、画面右上のプロフィール画像から切り替えるのが基本です。Googleのヘルプでも、ログアウトとログインを繰り返さなくてよい方法として案内されています。
複数の Google アカウントを使用している場合、一度に複数のアカウントにログインすることができます。この方法でアカウントを切り替えると、ログアウトとログインを繰り返す必要がなくなります。 出典: support.google.com
アカウントを追加する
- パソコンのブラウザでGmail(mail.google.com)を開く
- 右上に表示されるプロフィール画像またはイニシャルを押す
- メニューの「アカウントを追加」を押す
- 追加したいアカウントのメールアドレスとパスワードを入れてログインする
これで、最初のアカウントにログインしたまま、2つ目のアカウントにもログインした状態になります。3つ目以降も同じ手順で追加できます。
アカウントを切り替える
切り替えるときは、右上のプロフィール画像を押し、メニューに並んだアカウントの中から使いたいものを選びます。選んだアカウントのGmailが新しいタブで開くことが多く、元のアカウントのタブもそのまま残ります。タブを2つ並べておけば、2つの受信トレイを行き来するのはタブの切り替えだけで済みます。
最初にログインしたアカウントが「デフォルト」になる
ここで知っておきたいのが、デフォルトのアカウント(既定のアカウント)という考え方です。複数のアカウントに同時にログインしていると、新しいウィンドウを開いたときや、Googleのほかのサービスを開いたときに、どのアカウントを使うかをGoogleが判断できないことがあります。そのときは、最初にログインしたアカウントが使われる場合があるとGoogleのヘルプは説明しています。
実務でこれが効いてくるのは、取引先から届いた共有ドキュメントのリンクを開いたときです。共有されているのが仕事用のアカウントなのに、デフォルトが個人用だと「アクセス権が必要です」と表示されます。この場合は、画面右上のアカウントを切り替えれば閲覧できるようになります。毎回これが起きるなら、一度すべてのアカウントからログアウトし、仕事用のアカウントから順にログインし直すと、仕事用がデフォルトになります。
URLの番号でアカウントを見分ける
ブラウザのアドレス欄を見ると、Gmailのアドレスは「mail.google.com/mail/u/0/」「mail.google.com/mail/u/1/」のように、ログインした順の番号で分かれています。番号の付き方はログインの順番で変わるため、ブックマークに番号付きのアドレスを登録しても、ログインし直した後は別のアカウントが開くことがあります。番号で固定せず、右上の切り替えメニューから選ぶ習慣にしておくほうが確実です。
ログアウトとアカウントの削除
共用のパソコンや、一時的に借りたパソコンでログインした場合は、作業が終わったら右上のメニューから「すべてのアカウントからログアウトする」を選びます。さらに、ログイン画面の一覧にアカウント名を残したくない場合は、ログアウト後の画面で「アカウントを削除」を選ぶと一覧から外せます。これはそのパソコンのブラウザから外すだけで、Googleアカウントそのものが削除されるわけではありません。
スマホのGmailアプリでアカウントを切り替える手順
Android、iPhone、iPadのGmailアプリでも、複数のアカウントを追加して切り替えられます。Googleのヘルプによると、アプリには別のGmailアドレスのほか、OutlookやiCloudメールなどGmail以外のアドレスも追加できます。
アプリにアカウントを追加する
- Gmailアプリを開く
- 右上の検索バーにあるプロフィール画像をタップする
- 「別のアカウントを追加」をタップする
- 追加したいアカウントの種類を選び、画面の手順に沿ってログインする
アプリでアカウントを切り替える
右上のプロフィール画像をタップすると、追加済みのアカウントが一覧で表示され、タップした先の受信トレイに切り替わります。アプリでは、アカウントごとに通知のオンとオフを分けて設定できます。急ぎの連絡が来る仕事用のアカウントだけ通知をオンにし、個人用はオフにしておくと、通知が来るたびにどのアカウント宛てかを確かめる手間が減ります。
切り替え先のアカウントが一覧に出ないとき
よくあるのが、プロフィール画像をタップしても「アカウントを管理」しか出ず、切り替えたいアカウントが見当たらないという相談です。
gmailアカウント切り替えについて。右上の丸いアイコンをタップ、そうしたら切り替えたいもうひとつのアカウントが出るはず。しかしでない。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
この場合に多いのは、そもそも2つ目のアカウントがスマホに追加されていないという状況です。パソコンでは2つのアカウントにログインしていても、スマホのアプリは別にログインが必要です。Androidでは、端末の設定にある「パスワードとアカウント」(機種によって名前が異なります)にGoogleアカウントが登録されているかを確かめ、無ければそこから追加します。端末には登録されているのにGmailアプリに出てこない場合は、そのアカウントの「Gmailの同期」がオフになっていないかを確認します。
iPhoneの場合は、Gmailアプリと、iPhone標準のメールアプリが別物である点に気をつけてください。標準のメールアプリにGoogleアカウントを追加しても、Gmailアプリには反映されません。Gmailアプリで切り替えたいなら、Gmailアプリの中で「別のアカウントを追加」を行います。
不要になったアカウントをアプリから外す
取引が終わったアカウントは、アプリから外しておくと切り替え先の一覧がすっきりします。プロフィール画像をタップし、アカウントの管理画面から外したいアカウントを選んで削除します。これもスマホから外すだけで、アカウントそのものが削除されるわけではありません。
切り替えずに1つの受信トレイで読む方法
切り替えの回数そのものを減らしたい人には、メインのGmailにほかのアカウントのメールを集める方法があります。仕組みは2つで、受信は「転送」、送信は「送信元アドレスの追加」で行います。
受信は転送で1つにまとめる
サブのGmailアカウントで、届いたメールをメインのアカウントへ自動で転送する設定ができます。サブのアカウントで設定画面を開き、「メール転送と POP/IMAP」のタブで転送先のアドレスを追加すると、転送先に確認のメールが届きます。そのメールのリンクを開いて承認すれば転送が始まります。
すべてのメールではなく、特定の取引先からのメールだけを転送したい場合は、フィルタを作り、その条件に合うメールだけを転送するように設定します。メイン側では、転送されてきたメールに「副業」「A社」のようなラベルを自動で付けるフィルタを作っておくと、受信トレイが混ざっても見分けがつきます。
送信は「他のメールアドレスを追加」で使い分ける
受信をまとめても、返信がメインのアドレスから出てしまうと、取引先には知らないアドレスから返事が来たように見えます。そこで、メインのGmailの設定にある「アカウントとインポート」のタブで、「他のメール アドレスを追加」からサブのアドレスを登録します。確認の手続きを済ませると、メールを書くときに差出人を選べるようになります。Googleのヘルプによると、この方法では最大で99個のアドレスを差出人として使い分けられます。
返信のときに「メールを受信したアドレスから返信する」を選んでおくと、サブのアドレス宛てに来たメールにはサブのアドレスから返信されます。取り違えを防ぐうえで、この設定は外せません。
2026年からの変更点:POPでの取り込みと外部アドレスの差出人
ここで注意したいのが、Gmail以外のメールを取り込む機能の変更です。Googleは、パソコン版Gmailの「他のアカウントのメールを確認」(POPという方式でほかのメールサービスからメールを取り込む機能)と、Gmailify(ほかのメールサービスにGmailの迷惑メール対策などを適用する機能)のサポートを終了すると告知しています。
2026 年の第 1 四半期以降、この機能の新規ユーザーに対するサポートは終了します。既存ユーザーは 2027 年 1 月まで引き続きこの機能を使用できます。 出典: support.google.com
さらに、2027年1月からは、yahoo.comやoutlook.comのようなGmail以外のアドレスを差出人にして送信する機能のサポートも終了すると案内されています。Googleのヘルプでは、この変更はGoogle Workspaceのエイリアス(別名のアドレス)や、自分が持っているほかのGmailアドレスには影響しないとしています。
つまり、Gmail同士の転送と差出人の追加は引き続き使えますが、プロバイダのメールや他社のメールをパソコン版Gmailに取り込む運用は、これから組み直しが必要です。Googleは代わりの方法として、他社のメールサービス側で自動転送を設定するか、スマホのGmailアプリにアカウントを追加する方法を挙げています。
| やりたいこと | Gmail同士 | Gmail以外のアドレス |
|---|---|---|
| メールを1つの受信トレイに集める | 転送で可能 | POP取り込みは新規受付終了。相手側で転送を設定する |
| 差出人を切り替えて送る | 他のメールアドレスを追加で可能 | 2027年1月にサポート終了と告知 |
| スマホでまとめて読む | アプリに追加して切り替え | アプリに追加して切り替え(IMAPで接続) |
ブラウザのプロファイルでアカウントを窓ごと分ける方法
同時ログインの切り替えは手軽ですが、デフォルトのアカウントの問題が残ります。仕事用と個人用を完全に分けたいなら、ブラウザのプロファイル機能を使う方法があります。
Google Chromeのプロファイルは、ブックマーク、履歴、パスワードなどをプロファイルごとに分けて持てる機能です。仕事用のプロファイルでは仕事用のGoogleアカウントだけにログインし、個人用のプロファイルでは個人用のアカウントだけにログインしておけば、ウィンドウごとにアカウントが固定されます。共有ドキュメントのリンクを開いたら別のアカウントだった、という事故も起きにくくなります。
Chromeでプロファイルを追加する
- Chromeの右上にあるプロファイルのアイコンを押す
- 「Chrome プロファイルを追加」を選ぶ
- 使うGoogleアカウントでログインする(ログインせずに作ることもできる)
- プロファイルの名前とテーマの色を決める
プロファイルごとにテーマの色を変えておくと、いまどのアカウントの窓を見ているかがひと目で分かります。仕事用は青、個人用は緑というように決めておくのがおすすめです。
プロファイルを使うときの注意
Googleのヘルプでは、同じパソコンを使う人はほかのプロファイルにも切り替えられるため、パソコンは信頼できる人とだけ共用するよう注意を促しています。家族と共用しているパソコンで仕事用のプロファイルを作る場合は、パソコン自体のユーザーを分けるほうが安全です。
また、プロファイルを分けると、ウィンドウの数が増えます。アカウントが5つあれば、5つのウィンドウを行き来することになり、どのウィンドウがどのアカウントかを探す手間が別に生まれます。プロファイルは「2つか3つに分けたい」人には向いていますが、アカウントがそれ以上ある人には、窓の管理が負担になりやすい方法です。
複数アカウントで起きやすい失敗と、防ぐための設定
切り替えの方法が分かっても、仕事で使うと特有の失敗が起きます。よくあるものと、設定で防ぐ方法を整理します。
違うアドレスから返信してしまう
もっとも多いのがこの失敗です。転送でメールを集めている場合は、前の節で触れた「メールを受信したアドレスから返信する」の設定を必ず入れます。同時ログインで切り替えている場合は、アカウントごとにプロフィール画像を変えておくと、右上を見ただけで今どのアカウントかが分かります。初期設定のイニシャルのままだと、アカウントが似た名前のときに見分けがつきません。
撮影の仕事を受けている人から聞く話では、納品データのダウンロードリンクを送るときに個人用のアドレスから送ってしまい、取引先の担当者が迷惑メールのフォルダで見つけるまで2日かかった、という例があります。差出人の取り違えは、相手の受信設定によっては届かないことにもつながります。
署名が混ざる
アカウントごとに署名(メールの末尾に入れる氏名や連絡先)を設定しておきます。送信元アドレスを追加している場合は、アドレスごとに別の署名を設定できます。屋号を使って仕事をしている人は、仕事用の署名に屋号、氏名、連絡先を入れ、個人用には入れないようにしておくと、送る前に違和感に気づけます。
二段階認証とスマホの紛失
アカウントが増えるほど、スマホを無くしたときの影響が大きくなります。すべてのアカウントで二段階認証を有効にしたうえで、再設定用のメールアドレスと電話番号を登録しておきます。Googleのヘルプでも、ログアウトする前に再ログインできない場合に備えてバックアップの確認方法を設定しておくよう案内しています。
アカウントの数を増やしすぎない
切り替えが楽になると、つい用途ごとにアカウントを作りたくなります。ただ、使っていないアカウントもパスワードの管理やセキュリティの確認が必要です。メールの宛先を分けたいだけなら、Gmailのアドレスに「+」と任意の文字を付けた形(例: [email protected])でも同じ受信トレイに届くので、ラベルで振り分けるという方法もあります。新しいアカウントを作る前に、本当に分ける必要があるかを考えてみてください。
判断の目安は、「そのアカウントを将来まるごと手放す可能性があるか」です。特定の取引先との仕事のためだけに使うアドレスや、いつかやめるかもしれない副業のアドレスは、別のアカウントに分けておくと終わったときの整理が楽になります。反対に、ネットショップの会員登録やメールマガジンの受信のように、手放す予定のない用途は「+」付きのアドレスとラベルで十分です。アカウントを分ける理由が説明できないものは、分けないほうが管理の手間は少なく済みます。
Gmail以外のGoogleのサービスも一緒に切り替わる点に注意
アカウントを切り替えるとき、見落とされやすいのが、Gmail以外のGoogleのサービスもアカウントごとに分かれているという点です。Googleドライブ、Googleカレンダー、Googleドキュメント、Google Meetは、どれもいま選んでいるアカウントのものが表示されます。
カレンダーの予定が見当たらないとき
取引先との打ち合わせの招待を仕事用のアカウントで受けたのに、個人用のアカウントのカレンダーを見ていると予定は表示されません。予定の見落としを防ぐには、仕事用のカレンダーを個人用のカレンダーに共有して重ねて表示する方法があります。仕事用のアカウントでカレンダーの設定を開き、「特定のユーザーまたはグループと共有する」に個人用のアドレスを追加すると、個人用のカレンダーにも仕事の予定が並びます。予定の詳細まで見せるか、空き時間だけを見せるかは共有の権限で選べます。
逆に、取引先から発行されたアカウントのカレンダーは、相手の管理者が外部への共有を制限していることがあります。共有できない場合は、スマホのカレンダーアプリに両方のアカウントを追加して、表示を重ねるだけにしておくのが無難です。
ドライブのファイルを別のアカウントに保存してしまう
取引先から受け取ったデータを、うっかり個人用のドライブに保存してしまう例もあります。取引先のデータは、取引先から発行されたアカウント、または仕事用のアカウントのドライブにだけ保存するという決まりを自分の中で作っておきます。秘密保持の契約を結んでいる仕事では、データの保存先が契約で決められていることもあるため、契約書の該当箇所を確認しておくと安心です。
Meetの会議に違うアカウントで入ってしまう
Google Meetの会議リンクを開くと、デフォルトのアカウントで参加しようとします。取引先の会議に個人用のアカウント名で入ると、相手の画面には個人用の名前とプロフィール画像が表示されます。会議の参加画面には参加に使うアカウントが表示されるので、参加ボタンを押す前に確認し、違っていればその画面で切り替えます。会議の多い人は、会議用の窓を仕事用のプロファイルで開く習慣をつけるとこの失敗はほぼ無くなります。
取引先から発行されたアカウントを使うときの決まりごと
取引先のGoogle Workspaceのアカウントは、相手の会社の持ち物です。転送の設定、外部への共有、スマホへの追加などが、相手の管理者によって制限されていることがあります。制限がかかっているのに無理に転送しようとすると、エラーになるだけでなく、管理者に記録が残ることもあります。発行されたときに、スマホで使ってよいか、転送してよいかを担当者に一度確認しておくと、後から気まずくなりません。
働き方に合わせた使い分けの組み立て方
ここまでの方法は組み合わせて使えます。働き方ごとに、無理のない組み立て方の例を示します。
アカウントが2つの会社員の副業
本業の会社アカウントは会社のパソコン、副業用の個人Gmailは自宅のパソコンとスマホ、と端末で分けるのが基本です。会社のパソコンに副業のアカウントでログインすることは、就業規則や情報管理のルールに触れることがあります。自宅のパソコンでは、副業用と個人用をChromeのプロファイルで分けると混ざりません。
アカウントが3つから5つのフリーランス
事業用のGmailをメインにして、取引先から発行されたアカウントは同時ログインで切り替える形が現実的です。取引先のアカウントは、相手の管理者が転送を禁止していることも多いため、無理に1つの受信トレイへ集めようとしないほうが安全です。スマホのGmailアプリにはすべてのアカウントを追加し、通知は急ぎの連絡が来るアカウントだけに絞ります。
取引先ごとに窓を分けたい人
取引先が多く、それぞれのアカウントでGmail、カレンダー、チャットを開く人は、ブラウザのタブとプロファイルだけでは管理が追いつかなくなってきます。たとえば画像のレタッチを受ける仕事では、依頼主ごとに共有フォルダとメールとチャットが分かれ、1日に何十回も切り替えることがあります。この段階になると、切り替えを前提にした専用のアプリを検討する価値が出てきます。
ブラウザでの切り替えが合わなかったときの候補
同時ログインやプロファイルでは足りない人向けに、Webのサービスをアカウントごとに分けて開ける専用のアプリがあります。Macを使っている人の選択肢の1つがSpaceDeckです。
公式サイトによると、SpaceDeckはGmailやSlackなど毎日使うWebのサービスを「アプリ」として左のサイドバーに並べ、切り替えて使うmacOS専用のブラウザです。アプリごとにログイン状態を別々に保存する作りで、登録済みのGmailを右クリックして「別アカウントとして追加」を選ぶと、2つ目のGmailを別のアプリとして追加できます。切り替えるたびにログインし直す必要はありません。ワークスペースという単位で「本業」「副業」のようにアプリの組を分けることもできます。
料金は、無料版がワークスペース1つ・1つのワークスペースあたりアプリ3つまでで、同じサービスに複数のアカウントで入る機能はPro(インストールから14日間の体験期間を含む)で使えると案内されています。Proは税込で月額980円、年額8,800円、買い切り19,800円の3通りです。アカウントの登録は不要で、体験期間にクレジットカードの登録も求められません。対応するのはmacOS 12以降で、WindowsやスマホのGmailには使えません。詳しくはSpaceDeckの公式サイトで確かめられます。
SpaceDeckは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
Windowsを使っている人や、アカウントが2つか3つの人は、この記事で紹介したGoogleの標準機能だけで十分に回ります。専用のアプリは、標準機能で困っていることがはっきりしてから試すので遅くありません。
在宅で受ける仕事とアカウント管理の関係
最後に、アカウントの使い分けが仕事の受け方とどう関わるかを整理します。
在宅で受ける仕事のうち、取引先から専用のアカウントを発行されやすいのは、システム開発、AI活用の支援、編集や執筆といった、相手の社内ツールに入って作業する仕事です。たとえばアプリケーション開発のお仕事では、開発の依頼に加えて保守や改修の継続案件が多く、取引先のリポジトリやチャットに参加するためのアカウントを渡されることがよくあります。AIコンサル・業務活用支援のお仕事も、相手の業務に入り込んで支援する性格上、先方のGoogle WorkspaceやMicrosoft 365のアカウントで作業することが前提になりがちです。
年収の面から見ても、こうした仕事は継続して受けるほど収入が安定しやすい分野です。ソフトウェア作成者の年収・単価相場と著述家,記者,編集者の年収・単価相場では、公的な統計をもとに職種ごとの年収の目安を確認できます。取引先が増えるほど、アカウントの数も増えるのが実態です。
フリーランスや在宅ワークの市場を長く見てきた運営者の立場から言えば、継続して仕事を頼まれる人ほど、連絡の取り違えや返信の遅れが少ないという共通点があります。技術や作品の質が同じなら、「この人に連絡すれば確実に届き、すぐ返ってくる」という安心感が、次の依頼を左右します。アカウントの切り替えを整えることは、地味ですが信頼を積み上げる土台です。仲介の手数料がかからない直接の取引であれば、受け手の手取りが厚くなるため、こうした連絡の確かさがそのまま次の仕事につながりやすくなります。
テレワークの環境づくりに使える公的な支援については、テレワーク 助成金 2026で制度の概要をまとめています。人を雇ってテレワークを導入する事業者向けの制度が中心ですが、在宅で仕事を受ける側が取引先の事情を理解するうえでも参考になります。
よくある質問
Q. Gmailには同時にいくつまでアカウントを追加できますか?
Googleのヘルプでは、パソコンのブラウザで複数のアカウントに同時にログインして切り替えられると案内していますが、この記事で確かめた範囲では同時ログインの上限数は明記されていません。なお、Gmailのアカウントに「メールアドレスを追加」する機能は5つまで、差出人として使い分けられるアドレスは最大99個と案内されています。
Q. スマホのGmailアプリで切り替えたいアカウントが出てきません。どうすればよいですか?
多いのは、スマホにそのアカウントがまだ追加されていないケースです。パソコンでログインしていても、アプリには別に追加が必要です。右上のプロフィール画像から「別のアカウントを追加」を選んでログインします。Androidでは端末の設定でアカウントの同期がオフになっていないかも確認してください。
Q. 複数アカウントのメールを1つの受信トレイで読むことはできますか?
Gmail同士なら、サブのアカウントで自動転送を設定し、メイン側で「他のメールアドレスを追加」から差出人を登録すれば、受信も返信も1つの受信トレイで行えます。Gmail以外のメールをPOPで取り込む機能は新規受付が終わり、既存の利用者も2027年1月までとされているため、相手側のサービスで転送を設定する方法に切り替えます。
Q. 仕事用と個人用のアカウントが混ざらないようにするコツはありますか?
アカウントごとにプロフィール画像と署名を変えておくと、右上や本文の末尾を見ただけで区別できます。より確実に分けたいなら、Chromeのプロファイルを仕事用と個人用に分け、テーマの色を変えておく方法があります。転送でまとめている場合は「メールを受信したアドレスから返信する」の設定も入れてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
吉田 沙織@SOHO編集部
フリーランスカメラマン・レタッチャー
写真スタジオで5年間勤務後、フリーランスに独立。EC商品撮影・画像編集・レタッチを手がけ、写真・カメラ・画像編集系の記事を執筆しています。
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