基本情報技術者試験のテキストの選び方と、独学で進める勉強の順番


この記事のポイント
- ✓基本情報技術者試験のテキストの選び方を
- ✓対応している試験の形式
- ✓自分の経験に合った説明の深さ
基本情報技術者試験のテキストは、書店にもネットにも数多く並んでいて、どれを選べばよいか迷う人が少なくありません。「評判の良い1冊を買ったのに、説明が難しくて最初の章で止まった」「分かりやすいテキストを選んだら、プログラムの問題に太刀打ちできなかった」という声もよく聞かれます。テキストの良し悪しよりも、自分の経験と、試験のどの部分を補いたいのかに合っているかで、選ぶべき1冊は変わります。
この記事では、基本情報技術者試験のテキストを選ぶときに確かめたい点と、独学で進める勉強の順番を整理します。3か月で準備する場合の計画の例、試験を実施している情報処理推進機構(IPA)が公開している問題の使い方も説明します。あわせて、2026年10月時点でIPAが公表している、2027年度からの新しい試験制度と、2026年12月28日以降の試験の休止の予定にも触れます。テキストを買う時期と受験の時期を決めるうえで欠かせない情報です。
基本情報技術者試験の今の形を確かめる
テキストを選ぶ前に、試験の形を確かめておきます。IPAの公式ページ(基本情報技術者試験)によると、試験は科目Aと科目Bの2つに分かれています。
| 科目 | 試験時間 | 出題形式 | 出題数 |
|---|---|---|---|
| 科目A | 90分 | 多肢選択式(四肢択一) | 60問 |
| 科目B | 100分 | 多肢選択式 | 20問 |
試験は、試験会場に設置されたコンピュータで解くCBT(Computer Based Testing)方式で、年間を通じて実施されています。受験する日と会場は、申し込むときに自分で選びます。試験の申し込みを受け付けている会社のページでは、受験手数料は7,500円(税込)とされています。同じ試験を受け直す場合は、前回の受験日の翌日から数えて30日を超えた日以降でないと、次の受験日に指定できません。
合格の基準は、IPAの試験要綱で、科目Aと科目Bのそれぞれで、1,000点満点中600点以上とされています。片方だけ高得点でも、もう片方が600点に届かなければ不合格です。採点は、問題ごとの難しさを考えて点数を出すIRT(項目応答理論)という方式で、正解した問題の数がそのまま点数になるわけではありません。また、出題される問題のうち、科目Aでは60問中4問、科目Bでは20問中1問は、今後の出題のための評価に使われる問題で、点数には入りません。
科目Bの20問は、アルゴリズムとプログラミングの分野が16問、情報セキュリティの分野が4問です。プログラムの問題は、特定のプログラム言語ではなく、試験のために定められた「擬似言語」で出題されます。擬似言語とは、日本語と記号で書かれた、プログラムの書き方の約束事のことです。
2027年度からの新しい試験制度と、試験の休止の予定
テキストを選ぶうえで、2026年10月時点で特に知っておきたいのが、試験制度の見直しです。IPAの試験制度の見直しのページ(試験制度の見直しについて)では、2027年度から新しい試験制度に移る予定だと公表されています。
IPAが2026年3月31日に公表した検討状況(その後4月28日に更新)によると、基本情報技術者試験は新しい制度でも続けられる予定で、主な点は次のとおりです。
- 新しい制度の基本情報技術者試験は、2027年度の春頃に始まる予定
- 試験時間と出題数は、科目Aが90分で60問、科目Bが100分で20問のまま
- 科目Aの出題範囲の体系と、科目Bの出題範囲の一部が変わる。ただし、技術の動きに合わせた表記の変更などで、試験で問う知識と技能の範囲そのものは変わらないとされている
- これまでと同じく、通年でCBT方式で実施する予定
- 今の試験制度は、2026年度の試験の実施をもって終わる予定
- 科目Aの免除制度は、変更を予定していない
新しい制度の基本情報技術者試験のシラバス案(Ver.0.1)は、2026年9月30日にIPAのページに掲載されています。シラバスとは、試験で問われる知識と技能を細かく整理した資料のことです。
もう1つ気をつけたいのが、試験の休止の予定です。IPAのお知らせによると、試験のシステムの入れ替えのため、CBT方式の基本情報技術者試験は2026年12月28日以降の試験の実施を休止する予定です。試験会場によっては、それより前に休止になる場合もあるとされています。再開の時期は決まり次第お知らせするとされ、2027年1月以降の試験の実施については2026年秋頃に案内すると書かれています。2026年9月1日以降の申し込みでは、選べる試験日は2026年12月27日までに限られています。
これらは公表時点の予定で、変わる可能性があります。受験の時期を決める前に、IPAの公式ページで最新の案内を確かめてください。
テキストを選ぶときに確かめたい5つの点
試験の形が分かったら、テキストを選びます。次の5つを順に確かめると、自分に合う1冊を絞り込めます。
1. 今の試験の形に対応しているか
基本情報技術者試験は、2023年度から科目Aと科目Bの形になり、通年のCBT方式に変わりました。それより前は「午前」「午後」という形で、午後の試験ではプログラム言語を選ぶ形式もありました。古い形のテキストや問題集は、科目Bの対策としては使えない部分が多いので、表紙や前書きで「科目A・科目B」に対応していることを確かめます。
さらに、2027年度から新しい制度に移る予定なので、受験の時期によって選ぶテキストが変わります。2026年12月27日までに受験するなら今の制度に対応したテキスト、2027年度の新しい制度で受験するなら、新しいシラバスに対応した版が出ているかを確かめます。前の節のとおり、出題の範囲そのものは大きく変わらないとされているので、今のテキストで基礎を学び始め、受験の前に新しい版の差分を確かめるという進め方もできます。
2. 自分の経験に合った説明の深さか
基本情報技術者試験は、受験する人の経験の幅がとても広い試験です。この点について、IT業界で働く人が書いた記事に、次のような指摘があります。
など、受験者のバックグラウンドの幅がとても広い試験です。そのため、人によって合う教材・合わない教材がはっきり分かれる と感じています。 出典: note.com
引用にあるとおり、ITの仕事の経験がない人、文系の学生、すでに開発の仕事をしている人では、合うテキストが違います。
- ITの経験がない人:図や例え話が多く、用語を1つずつ説明しているテキスト
- 少し経験がある人、ITパスポート試験に受かっている人:説明と問題演習の量のバランスが取れたテキスト
- 開発の経験がある人:説明は簡潔で、分野ごとの要点と問題演習が多いテキスト
書店で選ぶ場合は、目次だけでなく、自分が苦手そうな分野(2進数の計算、ネットワーク、データベースなど)のページを開いて、説明を読んでみます。1ページ読んで意味が分からないテキストは、どれほど評判が良くても、今の自分には合っていません。
3. 科目Bの擬似言語の説明があるか
科目Bは、多くの受験者がつまずく部分です。擬似言語の読み方、配列や繰り返しの処理、データ構造とアルゴリズムの説明に十分なページを割いているかを確かめます。科目Aの知識をまとめたテキストの中には、科目Bの説明が少ないものもあります。その場合は、科目B専用の問題集を別に用意する必要があります。
4. 問題演習の量と解説の詳しさ
知識を読むだけでは、試験で点は取れません。各章の終わりに練習問題があるか、巻末や付録に模擬試験があるか、そして解説が「正解はこれ」で終わらず、なぜほかの選択肢が違うのかまで書かれているかを確かめます。解説が詳しいほど、間違えた問題から学べることが増えます。
5. 使い続けられる形か
紙のテキストか、電子版か、動画の講座と組み合わせたものかも、続けやすさに関わります。通勤の電車でスマートフォンで読みたいなら電子版、書き込みながら覚えたいなら紙、というように、自分が勉強する場面に合わせて選びます。テキストによっては、出版社のWebサイトで練習用のファイルや追加の問題を配布しているものもあります。
テキストは何冊必要か
テキストを何冊も買う必要はありません。多くの場合、次の組み合わせで足ります。
- 科目Aと科目Bの両方を説明した基本のテキスト:1冊
- 科目Bの擬似言語の問題を多く載せた問題集:1冊(基本のテキストの科目Bの説明が少ない場合)
- IPAが公開している問題:無料で使える
テキストを何冊も並行して読むと、同じ内容を違う説明で何度も読むことになり、時間がかかります。1冊を決めたら最後まで読み通し、分からない部分だけを別の本やWebの解説で補う方が、結果的に早く進みます。
途中で「このテキストは合わない」と感じたときは、すぐに買い替えるのではなく、まず次の章まで進んでみます。最初の章は用語が多く、どのテキストでも読みにくく感じやすいからです。それでも読み進められないときは、説明の深さが合っていないので、もう一段易しいテキストに替えます。
テキストを買う時期にも気をつけます。試験の制度が変わる前後は、出版社が新しい制度に合わせた版を出すことが多くあります。受験の予定が2027年度の新しい制度になりそうな人は、今すぐ高いテキストを何冊もそろえるより、今の版の基本のテキスト1冊で基礎を固め、新しい制度に対応した問題集が出た段階で買い足すほうが、無駄が少なくなります。
独学で進める勉強の順番
テキストが決まったら、次の順番で進めると、途中で迷いにくくなります。
ステップ1:試験の全体像をつかむ(1週目)
最初に、テキストの目次と、IPAが公開しているサンプル問題や公開問題を一度だけ眺めます。この時点で解けなくても構いません。「どんな問題が、どのくらいの分量で出るのか」を知ることが目的です。科目Bの問題を一度見ておくと、科目Aの勉強をしている間も、プログラムの考え方を意識して読めるようになります。
ステップ2:科目Aの基礎を一周する(2週目から6週目)
科目Aは、コンピュータの仕組み、ネットワーク、データベース、情報セキュリティといった技術の分野と、プロジェクトの管理やサービスの運用の分野、経営や法律の分野から出題されます。テキストを最初から順に読み、各章の練習問題を解きます。
この段階では、完全に理解しようとしすぎないことが大切です。2進数の計算や、ネットワークの仕組みのように、最初は分かりにくい分野もあります。分からない部分には印を付けて先に進み、2周目で戻ります。1周目は、全体を見渡すことを優先します。
ステップ3:科目Bの擬似言語に慣れる(4週目から並行して)
科目Bは、科目Aの勉強と並行して、早めに始めます。科目Aの勉強を終えてから科目Bに取りかかると、時間が足りなくなりやすいからです。
まずは、擬似言語の約束事(変数、配列、条件分岐、繰り返し、関数の呼び出し)を覚えます。そのうえで、短いプログラムを1行ずつ追いかけて、変数の値がどう変わるかを紙に書き出す練習をします。この「値の変化を表に書く」練習が、科目Bの得点を上げる近道です。試験要綱の出題範囲でも、処理の流れや変数の変化を想定する力、処理の誤りを見つける力が挙げられています。
ステップ4:分野ごとの弱点を埋める(7週目から9週目)
1周目で印を付けた部分に戻り、もう一度読みます。練習問題で間違えた問題は、解説を読んで、なぜ間違えたのかを一言でノートに書きます。「用語を知らなかった」「計算の手順を間違えた」「問題文を読み違えた」のように原因を分けておくと、同じ間違いを防げます。
ステップ5:本番の形で問題を解く(10週目から12週目)
最後の3週間は、本番と同じ時間で問題を解く練習をします。科目Aは90分で60問なので、1問あたり1分半程度で解く必要があります。科目Bは100分で20問なので、1問あたり5分程度です。時間を計って解き、時間が足りなかった問題の種類を確かめます。
科目Aの分野ごとの勉強のコツ
科目Aは出題の範囲が広いため、分野ごとに勉強の仕方を変えると効率が上がります。テキストの章立ては本によって違いますが、おおむね次の3つのまとまりに分かれています。
技術の分野(テクノロジ系)
2進数と16進数の計算、論理演算、コンピュータの構成、OSの働き、ネットワーク、データベース、情報セキュリティ、ソフトウェアの開発の進め方などが含まれます。出題数が最も多く、科目Bの理解にもつながる分野です。
計算問題は、読むだけでは身に付きません。テキストの例題を、答えを見ずに紙の上で解き直します。データベースの分野では、表の結合や絞り込みのような考え方が問われるので、身近な表(例えば、顧客の一覧と注文の一覧)を思い浮かべながら読むと理解しやすくなります。情報セキュリティは科目Bでも出題されるので、用語を覚えるだけでなく、「この場面でどの対策が適切か」を考える練習をしておきます。
管理の分野(マネジメント系)
プロジェクトの進め方、作業の見積もり、システムの運用とサービスの管理、システムの監査などが含まれます。仕事でプロジェクトに関わった経験がある人には、イメージしやすい分野です。経験がない人は、テキストの用語を、自分の身近な作業(引っ越しの準備や、イベントの段取りなど)に置き換えて考えると覚えやすくなります。
経営と法務の分野(ストラテジ系)
経営の考え方、会計の基礎、システムの企画、知的財産権や取引に関する法律などが含まれます。法律の分野は、改正があると出題の内容が変わる点に注意が必要です。IPAの試験要綱・シラバスのページによると、基本情報技術者試験のシラバスは2026年1月8日掲載のVer.9.2で、「下請法」が削除され、「中小受託取引適正化法」が追加されています。古いテキストでは、法律の名前が古いままになっていることがあるので、法律の分野はIPAのシラバスで最新の名前を確かめておきます。
3つの分野のうち、どこから手をつけるかに迷ったら、技術の分野から始めます。科目Bの問題を解くための土台になるうえ、出題数も多いからです。
科目Bの擬似言語でつまずきやすい点と練習の仕方
科目Bでつまずく人の多くは、プログラムの書き方が分からないのではなく、プログラムが動く順番を頭の中だけで追おうとして、途中で混乱しています。擬似言語の問題を解くときは、次の手順を習慣にします。
- プログラムの最初に宣言されている変数と配列を、紙に書き出す
- 繰り返しの処理に入ったら、1回目、2回目と、回ごとに変数の値を表に書き込む
- 条件分岐では、どちらの道に進んだかを表の横に書く
- 問題で問われている時点(例えば、繰り返しが3回終わったとき)の値を表から読む
この「値の変化を表に書く」方法は、慣れるまでは時間がかかりますが、正確に解ける方法です。最初は1問に20分かかっても構いません。同じ形の問題をいくつか解くうちに、表に書かなくても分かる部分が増え、1問5分程度で解けるようになっていきます。
もう1つのつまずきやすい点が、配列の番号の数え方です。擬似言語では、配列の要素の番号を1から数えるか0から数えるかが、問題文の約束事で決まっています。問題文の冒頭にある約束事の説明を読み飛ばさず、最初に確かめる習慣をつけておきます。
科目Bのセキュリティの4問は、プログラムではなく、会社の情報セキュリティの場面を読み、適切な対策を選ぶ問題です。試験要綱の出題範囲では、マルウェアからの保護、バックアップ、ログの取得と監視、利用者のアクセスの管理などが挙げられています。科目Aの情報セキュリティの分野の知識を、具体的な場面に当てはめる練習として取り組みます。
3か月で準備する場合の計画の例
働きながら3か月で準備する場合の、1週間の勉強の配分の例です。平日は1日1時間、休日は1日3時間程度を想定しています。
| 期間 | 平日(1日1時間) | 休日(1日3時間) |
|---|---|---|
| 1か月目 | 科目Aのテキストを読み、章末の問題を解く | 平日の続きと、その週の復習 |
| 2か月目 | 科目Aの2周目と、科目Bの擬似言語の練習 | 科目Bの問題を時間を計って解く |
| 3か月目 | 間違えた問題の解き直し | 本番と同じ時間で科目Aと科目Bを解く |
この配分で、3か月の合計はおよそ100時間から120時間になります。ITの仕事の経験がある人はもっと短く、まったく初めての人はもっと長くかかることがあります。大切なのは、計画どおりに進まなかった週があっても、翌週に取り戻そうとして無理をしないことです。遅れが2週間を超えたら、受験日を後ろにずらす判断も必要です。
なお、「2027年度からの新しい試験制度と、試験の休止の予定」の節で触れたとおり、今の制度の試験は2026年12月27日までの試験日しか選べない予定です。今から3か月で準備して今年中に受験する場合は、試験日の空きを早めに確かめておきます。間に合わないと判断したら、新しい制度の試験の開始を待ち、その間に基礎を固めるという選択肢もあります。
IPAの公開問題とサンプル問題の使い方
IPAは、基本情報技術者試験の公開問題(問題冊子と解答例)を年度ごとに掲載しています(公開問題)。2026年10月時点で、2023年度から2026年度までの分が並んでいます。IPAは、公表している試験問題の使用について、法令に特別の定めがある場合を除いて許諾や使用料は必要ないとしており、ダウンロードして使うこともできます。
公開問題は、次のように使うと効果があります。
- 勉強を始めた最初の週に、一度だけ眺めて、出題の形を知る
- テキストを一周したあとに、時間を計って解き、今の実力を確かめる
- 試験の直前に、もう一度解いて、仕上がりを確かめる
1回目で解けなかった問題を、すぐに答えを見て覚えてしまうと、2回目と3回目の練習として使えなくなります。最初は眺めるだけにして、本格的に解くのはテキストを一周したあとにすると、実力を測る道具として使えます。
新しい制度については、IPAが2026年6月22日から新しい試験制度のサンプル問題を掲載しています(8月31日に更新)。2027年度の新しい制度で受験する予定の人は、こちらも確かめておきます。
独学が止まりやすい3つの場面と立て直し方
独学では、勉強が止まりやすい場面がいくつかあります。あらかじめ知っておくと、止まったときに立て直しやすくなります。
場面1:最初の計算の章で止まる
多くのテキストは、2進数の計算や論理演算から始まります。数学が苦手な人は、ここで手が止まりがちです。この場合は、計算の章を後回しにして、情報セキュリティやプロジェクトの管理のような、読み物として理解しやすい章から先に読み進めます。テキストの章の順番どおりに読む必要はありません。全体の3割ほど読み進めて勉強の習慣ができてから、計算の章に戻ると、落ち着いて取り組めます。
場面2:科目Bの問題がまったく解けない
科目Aの勉強が順調でも、科目Bの問題を初めて解くと、ほとんど解けないことがあります。これは珍しいことではありません。科目Bは、知識ではなく、プログラムを読む技能を問う科目だからです。「科目Bの擬似言語でつまずきやすい点と練習の仕方」の節で紹介した「値の変化を表に書く」方法で、易しい問題から1問ずつ取り組みます。1日1問でも、毎日続けることが大切です。
場面3:仕事が忙しくて2週間空いてしまう
働きながら勉強していると、仕事が立て込んで勉強できない時期が出てきます。2週間空くと、それまでに覚えたことの多くを忘れたように感じます。そんなときは、新しい章に進む前に、これまでに解いた練習問題のうち、間違えた問題だけを解き直す日を1日か2日つくります。忘れたように感じても、一度学んだ内容は、解き直すと短い時間で思い出せます。
どの場面でも、止まった理由を「自分には向いていない」と考えないことが大切です。勉強の順番や方法を変えるだけで、進み始めることがよくあります。
テキストと一緒に使える無料の資料
テキストのほかに、IPAが無料で公開している資料も、独学の助けになります。
- 試験要綱:試験の時間、出題の形式、合格の基準、出題の範囲がまとめられた資料
- シラバス:試験で問われる知識と技能の細目を整理した資料。テキストに載っていない用語を見つけたときに、試験の範囲に入っているかを確かめられる
- 公開問題とサンプル問題:実際の出題の形を知り、実力を測るための問題
特にシラバスは、テキストの内容が試験の範囲に合っているかを確かめるのに使えます。テキストの説明が詳しすぎて、どこまで覚えればよいか迷ったときも、シラバスに載っている範囲を目安にできます。2027年度の新しい制度で受験する人は、新しい制度のシラバス案も見比べておくと、変わる部分が分かります。
科目Aの免除制度を使う道
IPAには、認定された講座を受講し、その講座の修了試験に合格すると、基本情報技術者試験の科目Aが免除される制度があります。IPAの説明によると、学校や企業が開く講座のうち、IPAに認定されたものが対象です。免除を受けて申し込む場合は、科目Bだけを受験します。受験の申し込みのページでは、科目Aの免除で申し込む区分と、科目Aと科目Bの両方を受ける区分は別になっていて、申し込んだあとで切り替えることはできないとされています。
独学で進めるか、講座を受けて科目Aの免除を目指すかは、使える時間と費用で決めます。講座の費用はかかりますが、講師に質問できること、勉強の進み具合を管理してもらえることを重視するなら、講座も選択肢になります。なお、IPAの検討状況では、2027年度の新しい制度でも、この科目Aの免除制度は変更を予定していないとされています。
本番の前に確かめておきたいこと
テキストでの勉強が仕上がったら、本番の前に次の点を確かめておきます。
- 試験日と会場:CBT方式なので、自分で選んだ日時と会場を受験の申し込みのページで確かめる
- 遅刻の扱い:申し込みのページでは、試験の開始時刻から80分を超えて遅れると受験できず、受験手数料も戻らないとされている
- 休憩:科目Aと科目Bの間に、最長で10分の休憩を取れる
- 本人確認の書類:申し込みのページの案内に従って用意する
本番では、解けない問題が出ても気にしすぎないことが大切です。最初の節で触れたとおり、出題される問題の中には点数に入らない問題も含まれています。1問に時間をかけすぎず、分からない問題は印を付けて先に進み、時間が余ったら戻ります。
試験の前日は、新しい内容を覚えようとするより、これまでに間違えた問題のノートを見直すことに時間を使います。前日に初めて見る難しい問題に取り組むと、解けなかったことで不安が増し、当日の集中に響くことがあります。当日は、会場までの道順と所要時間を前もって確かめておき、開始時刻に余裕を持って着くようにします。科目Aが思ったより解けなかったと感じても、科目Bは別に採点されるので、休憩の間に気持ちを切り替えて臨みます。
試験に受かったあとの使い道
基本情報技術者試験は、ITの仕事に必要な基本の知識と技能を幅広く持っていることを示す国家試験です。IPAの公式ページでは、試験の対象者を、ITを使ったサービスや製品、システム、ソフトウェアを作る人材に必要な基本の知識と技能を持ち、実際に活用する力を身に付けた人としています。
在宅でITの仕事を受けたい人にとって、この資格は、ITの基礎を学んだことを相手に伝える材料になります。資格だけで仕事が決まるわけではありませんが、プログラムを読む力、セキュリティの基本、データベースやネットワークの基礎知識は、Web制作、システムの保守、社内のIT担当の補助など、多くの仕事で役に立ちます。
ネットワークの分野をさらに深めたい人には、ネットワーク機器の設定や運用の知識を問うCCNA(シスコ技術者認定)のような資格もあります。ITの知識を文章で伝える仕事に進みたい人には、仕事の文書を正しく書く力を示すビジネス文書検定も、組み合わせると強みになります。
在宅の仕事を長く見てきた立場から見る、資格と仕事のつなげ方
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた中で見えてきたのは、資格を取った人のうち、仕事につなげられる人は、資格の勉強で得た知識を、自分の言葉で説明できる人だという傾向です。基本情報技術者試験に受かったことを伝えるだけでなく、「データベースの正規化の考え方が分かるので、顧客の管理表の作り直しを提案できる」のように、何ができるかを具体的に示せる人は、発注する側にとって頼みやすい相手になります。
例えば、ITに詳しいWebライターは、技術の記事を正確に書けるため、文字単価の高い仕事を任されやすくなります。ポートフォリオに技術の記事を加える方法はWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、単価を上げていく考え方はWebライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で整理しています。
中間の手数料がかからない直接取引で仕事を受けると、同じ予算でも受け手の手取りは厚くなります。資格の勉強で身に付けた知識を、仕事の提案の言葉に置き換えられるようになると、その強みを生かしやすくなります。アプリやシステムの開発の仕事の内容と求められる力は、アプリケーション開発のお仕事で紹介しています。基本情報技術者試験のテキストを選ぶときも、試験に受かることだけでなく、受かったあとにどんな仕事をしたいかを考えておくと、勉強の目的がはっきりし、途中で止まりにくくなります。
よくある質問
Q. 基本情報技術者試験のテキストは何冊必要ですか?
多くの場合、科目Aと科目Bの両方を説明した基本のテキスト1冊と、IPAが公開している問題があれば足ります。基本のテキストの科目Bの説明が少ない場合は、擬似言語の問題を多く載せた問題集を1冊加えます。何冊も並行して読むより、1冊を最後まで読み通し、分からない部分だけを補うほうが早く進みます。
Q. 古い年度のテキストでも使えますか?
2023年度から試験の形が科目Aと科目Bに変わったため、それより前の「午前」「午後」の形のテキストは、特に科目Bの対策には向きません。また、2027年度から新しい試験制度に移る予定です。受験の時期に合わせて、対応している試験の形を表紙や前書きで確かめてから選びます。
Q. 独学でどのくらいの勉強時間が必要ですか?
人によって大きく違いますが、働きながら3か月で準備する場合、平日1時間と休日3時間程度で、合計100時間から120時間ほどが1つの目安です。ITの仕事の経験がある人はもっと短く、まったく初めての人はもっと長くかかることがあります。遅れが2週間を超えたら、受験日をずらすことも考えます。
Q. 今から勉強を始めて、いつ受験できますか?
IPAの案内では、今の制度のCBT方式の試験は2026年12月28日以降に休止する予定で、新しい制度の基本情報技術者試験は2027年度の春頃に始まる予定です。休止の前に受験できない場合は、新しい制度の試験の開始を待つことになります。予定は変わる可能性があるので、IPAの公式ページで最新の案内を確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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