毎日のチェックリストの作り方と、ルーティンの抜け漏れを防ぐ続け方


この記事のポイント
- ✓毎日のチェックリストの作り方を
- ✓項目の書き出し・時間帯での分け方・確かめられる言葉での書き方・数の絞り方の手順で解説します
- ✓朝の始業や店舗の開店・閉店などの例
毎日やっているはずの作業なのに、ある日だけ抜けてしまう。メールの返信、請求書の確認、店のシャッター前の戸締まり、薬の飲み忘れ。慣れた作業ほど頭が自動で進めてしまい、1つ飛ばしても気づきにくくなります。こうした抜け漏れを防ぐ道具が、毎日のチェックリストです。
この記事では、毎日のチェックリストの作り方を手順で説明し、そのうえで形だけのリストにしないための続け方を整理します。朝の始業前、在宅ワークの終業前、店舗の開店と閉店など、場面ごとの例も載せています。チームで同じリストを回したい人向けには、カードの中にチェックリストを作れるボード型のプロジェクト管理ツールPinatecaにも触れます。
先に結論を書くと、続くチェックリストには3つの共通点があります。項目が「見て確かめられる言葉」で書かれていること、1回分の項目が多すぎないこと、そしてチェックする時刻が決まっていることです。
毎日のチェックリストが必要になる理由
チェックリストは、やることを思い出すための道具というより、「やったかどうかを確かめる」ための道具です。ここが、やることリストとの大きな違いです。やることリストは、その日にやる仕事を書き出し、終わったら消していくものです。毎日のチェックリストは、毎日同じ項目を繰り返し確かめるものです。
毎日繰り返す作業に抜け漏れが起きるのは、能力や注意力の問題ではありません。同じ作業を何百回も繰り返すと、手順が習慣になり、意識しなくても体が動くようになります。これは効率の面では便利ですが、途中で電話がかかってきたり、来客があったりして手が止まると、どこまで進んだかがあいまいになります。再開したときに「おそらく終わっている」と思い込んで、1つ飛ばしてしまうのです。
チェックリストの効果がよく知られている分野に、医療があります。世界保健機関(WHO)は、手術の安全のためのチェックリストを公開しています。麻酔を始める前、皮膚を切る前、患者が手術室を出る前という3つの時点で、本人確認や器具の数などをチーム全員で声に出して確かめる仕組みです。経験を積んだ専門家ほど「自分は大丈夫」と考えがちですが、決まった時点で決まった項目を確かめる仕組みを入れることで、思い込みによる抜けを防ごうとしています。
在宅で働く人や、1人で店を切り盛りしている人にとっては、チェックリストの意味がさらに大きくなります。会社のオフィスなら、隣の席の同僚が「あの件、送った?」と声をかけてくれることがありますが、自宅や小さな店ではその声がありません。自分の抜けに気づく仕組みを、自分で用意しておく必要があります。紙1枚のリストでも、毎日同じ時刻に見る習慣があれば、その役目を果たせます。
毎日の仕事も同じです。経験のある人ほど、チェックリストを面倒に感じます。しかし、抜けた1つが取引先への連絡漏れや、売上金の確認漏れだった場合、その後始末にかかる時間は、毎日数分のチェックとは比べものになりません。
作り始める前に決めておく3つのこと
いきなり項目を書き始めると、何のためのリストなのかがぼやけ、項目が際限なく増えていきます。手を動かす前に、次の3つを決めておくと、後の作業がずっと楽になります。
1つ目は、このリストで防ぎたい失敗は何か、です。「請求漏れを防ぎたい」「閉店後の火の元を確実に確かめたい」「在宅勤務で連絡の返し忘れをなくしたい」のように、具体的な失敗を1つか2つ書き出します。防ぎたい失敗がはっきりしていれば、その失敗につながらない項目は入れなくてよいと判断できます。
2つ目は、誰が使うのか、です。自分1人で使うのか、アルバイトや家族も使うのか、外注先と共有するのかで、書き方が変わります。自分だけが使うなら短い言葉で足りますが、ほかの人が使うなら、初めてその仕事をする人でも迷わない言葉が必要です。
3つ目は、何をもって完了とするか、です。チェックリストの最後の項目まで印が付いたら、その日の確認は終わりです。ところが、項目の途中で「これは今日はやらなくていい」と判断する場面が出てきます。休業日、雨の日、担当者が休みの日などです。こうした例外のときにどう扱うかを、最初に決めておきます。印の代わりに「休」と書く、斜線を引くなど、空欄のまま残さないルールにしておくと、後から見たときに「やり忘れたのか、やらなくてよかったのか」が分かります。
この3つを紙の上の余白に書いておくと、項目を足したくなったときの判断の基準にもなります。「この項目は、防ぎたい失敗に関係があるか」と問えば、足すか見送るかがすぐ決まります。
毎日のチェックリストの作り方
ここからは、実際にチェックリストを作る手順を5つに分けて説明します。紙でもアプリでも、手順は同じです。
手順1:毎日やっていることを全部書き出す
最初に、1日の中で繰り返している作業を、思いつく順に全部書き出します。この段階では、大事かどうかを考えずに、とにかく並べることが目的です。1日の流れを朝から順に思い出すと、書き漏れが減ります。
書き出すときは、普段は意識していない作業も入れます。パソコンを起動したらメールを確認する、ではなく、「受信箱を開く」「迷惑メールのフォルダも開く」「返信が必要なものに印を付ける」のように、実際の動作の単位まで分けて書くと、後で項目を選びやすくなります。
手順2:時間帯や場面ごとに分ける
書き出した作業を、いつやるかで分けます。朝の始業前、昼、終業前、のように時間帯で分ける方法と、開店前、閉店後、のように場面で分ける方法があります。
分けておくと、1回にチェックする項目の数が減ります。朝に20項目を一度に確かめるより、朝7項目、昼3項目、夕方6項目のように分けたほうが、1回あたりの負担が軽くなり、続けやすくなります。
手順3:「確かめられる言葉」で書き直す
チェックリストの質を決めるのが、この手順です。項目は、後から見て「やった」「やっていない」がはっきり分かる言葉で書きます。
たとえば「メールの確認」という項目は、どこまでやれば完了なのかが分かりません。これを「受信箱を0件まで既読にした」「返信が必要なメールに当日中の返信予定を入れた」と書き直すと、終わったかどうかが一目で分かります。「戸締まり」も、「裏口の鍵を閉めた」「窓3か所の鍵を確かめた」と分けて書きます。
手順4:数を絞る
書き直した項目を見て、毎日確かめる必要がないものは外します。週に1回で足りるもの、月末だけのものは、別の週次や月次のリストに移します。
1回分の項目は、目安として10項目以内に収めると、確かめる時間が数分で済みます。数が多いと、途中から読み飛ばすようになり、チェックリストの意味がなくなります。どうしても多くなる場合は、手順2に戻って時間帯を分け直します。
手順5:チェックする時刻と場所を決める
最後に、いつ、どこでこのリストを見るかを決めます。「始業してすぐ、パソコンの前で」「店のシャッターを閉める直前、レジの横で」のように、時刻と場所をセットで決めておくと、チェック自体を忘れることが減ります。
紙のリストなら、その場所に貼るか、作業に使う道具の近くに保管します。アプリなら、その時刻に通知が出るように設定しておきます。チェックリストは、見なければ効果がありません。見る仕組みまで作って、はじめて完成です。
項目の書き方で差がつく
作り方の中でも、手順3の書き直しは慣れが必要です。よくある書き方と、確かめやすい書き方を並べると、違いがはっきりします。
| よくある書き方 | 確かめやすい書き方 |
|---|---|
| メールチェック | 受信箱を0件まで既読にし、返信が要るものに印を付けた |
| 売上の確認 | レジの売上と現金の差額を記録した |
| 在庫を見る | 棚の残りが10個を切った商品をメモに書いた |
| 戸締まり | 裏口・倉庫・窓3か所の鍵を確かめた |
| 予定の確認 | 明日の予定をカレンダーで見て、準備物を書き出した |
| バックアップ | 外付けディスクへの保存が完了した表示を見た |
確かめやすい書き方には共通点があります。動詞が過去形で、「何を」「どこまで」が入っていることです。過去形で書くと、チェックするときに「〜した」と自分に問いかける形になり、思い込みで印を付けにくくなります。
もう1つのコツは、判断の基準を数字で入れることです。「在庫が少ない」ではなく「残りが10個を切った」と書けば、誰がチェックしても同じ結果になります。チームでリストを共有するときに、この違いは特に大きく効いてきます。
場面ごとのチェックリストの例
ここでは、よくある4つの場面について、毎日のチェックリストの例を載せます。そのまま使うのではなく、自分の仕事に合わせて項目を入れ替える出発点にしてください。
在宅ワークの始業前
- パソコンとネット回線がつながっていることを確かめた
- 受信箱とチャットを開き、夜の間に来た連絡を読んだ
- 今日が締め切りの仕事をカレンダーで確かめた
- 今日やる仕事を3つに絞って書き出した
- オンライン会議がある場合、接続先のURLを開けることを確かめた
在宅ワークの終業前
- 今日の作業ファイルを保存し、共有フォルダに上げた
- 返信が必要な連絡に、すべて返事をした
- 明日の最初の仕事を1行で書いた
- 作業時間を記録した
小さな店舗の開店前
- 釣り銭の準備金を数え、決められた額と合っていることを確かめた
- 冷蔵庫と冷凍庫の温度を記録した
- 入口と客席の清掃を終えた
- その日の予約と取り置きを確かめた
小さな店舗の閉店後
- レジの売上と現金の差額を記録した
- 火の元とガスの元栓を確かめた
- 冷蔵庫の扉が閉まっていることを確かめた
- 裏口と窓の鍵を確かめた
- 明日の仕込みの量をメモに書いた
どの例も、5項目前後に収めています。これ以上増える場合は、時間帯を分けるか、週に1回でよい項目を別のリストに移してください。
暮らしの中の毎日のチェックリスト
仕事だけでなく、家の中の毎日の繰り返しにもチェックリストは役立ちます。家事の分担、子どもの持ち物、ペットの世話など、家族の誰かがやったと思い込んで、実は誰もやっていなかった、という抜けは珍しくありません。
たとえば、朝の家を出る前なら、次のような形になります。
- ガスコンロの火が消えていることを確かめた
- 子どもの連絡帳と水筒をかばんに入れた
- ゴミの日の袋を出した
- 玄関の鍵を閉めた
夜なら、翌日の天気を確かめて洗濯物の予定を決めた、炊飯器の予約を入れた、スマートフォンを充電器につないだ、といった項目が入ります。家族で分担するときは、項目の横に担当者の名前を書いておくと、「誰かがやるだろう」という思い込みがなくなります。
健康に関わる習慣を記録したい場合も、チェックリストの形は使えます。ただし、薬の飲み方や量は、医師や薬剤師の指示が優先です。チェックリストは指示どおりにできたかを確かめる道具であり、飲み方そのものを自分で決めるための道具ではありません。
1週間で定着させる進め方
チェックリストは、作った日から完璧に使えるものではありません。最初の1週間を「試運転」と決め、毎日少しずつ直していくと、自分の仕事に合った形に落ち着きます。
1日目は、作ったリストをそのまま使います。チェックしながら、書き方が分かりにくい項目、順番が実際の動きと合っていない項目に、その場で印を付けておきます。
2日目と3日目は、1日目に印を付けた項目を書き直します。順番は、実際に体が動く順に並べ替えます。たとえば閉店後のリストで、鍵の確認が火の元の確認より先にあると、鍵を閉めた後でもう一度店内に戻ることになります。動線に沿って並べるだけで、チェックにかかる時間は短くなります。
4日目と5日目は、チェックにかかった時間を測ります。5分を超えるようなら、項目が多すぎるか、1つの項目に複数の作業が入っています。外せる項目を週次のリストに移すか、項目を分けます。
6日目は、リストを見ないで作業をしてから、最後にリストで確かめてみます。抜けていた項目があれば、そこがこのリストの本当の価値がある場所です。抜けやすい項目には、目立つ印を付けておきます。
7日目に、1週間分の記録を見返します。毎日すぐに印が付いた項目と、何度か抜けた項目を分け、次の週の形を決めます。この1週間の試運転を経たリストは、作った直後のリストより、ずっと実際の仕事に合ったものになっています。
例外の日と、抜けが見つかったときの扱い
毎日のチェックリストを使っていると、必ず「今日はこの項目が当てはまらない」という日が出てきます。休業日、在庫の入荷がない日、担当者が不在の日などです。この扱いを決めていないと、空欄が残り、後から見て「やり忘れたのか」が分からなくなります。
例外の扱いは、次のどちらかに決めておくと混乱しません。1つは、空欄にせず「休」「対象外」と書く方法です。もう1つは、リストの項目に条件を書いておく方法で、「入荷がある日だけ:検品の数と伝票の数を照らし合わせた」のように書きます。どちらにしても、空欄のままにしないことが大切です。
チェックの途中で抜けが見つかったときは、まずその場で作業をやり直し、印を付けます。そのうえで、余白に「何が、なぜ抜けたか」を一言書いておきます。「来客対応で中断した」「項目の順番が動線と逆だった」といった理由が残っていれば、週の見直しのときに対策を立てられます。
抜けがあったことを責める空気があると、チームでは印だけ付けて報告しない人が出てきます。抜けを見つけたこと自体を評価し、リストを直す材料として扱う姿勢が、チェックリストを長く生かすうえで欠かせません。
紙・スマートフォン・表計算・アプリの選び方
毎日のチェックリストをどの道具で作るかは、使う場面で決めます。
紙は、手が汚れる仕事や、パソコンを開かない場面に向いています。店舗の開店前や、作業場での点検です。毎日新しい紙に印を付けていけば、そのまま記録として残せます。弱点は、複数の人が同時に見られないことと、項目を変えるたびに作り直す手間がかかることです。
スマートフォンのアプリは、時刻での通知と、繰り返しの予定を組み合わせられる点が強みです。タスク管理の機能を持つアプリは多く、チェックリストとしても使えます。
タスク管理・スケジュール管理・習慣トラッキング・ポモドーロタイマーを統合した多機能型のToDoリストアプリ。シンプルなチェックリストから高度なタスク整理まで対応でき、個人利用とビジネス利用の両方で人気です。 出典: pfu.ricoh.com
これは PFU が ToDo リストのアプリを紹介した記事の一節です。アプリには、チェックリストだけでなく習慣の記録やタイマーまで入っているものがあります。ただ、機能が多いほど覚えることも増えます。毎日のチェックリストが目的なら、通知と繰り返しが使えれば足ります。
表計算ソフトは、チェックの結果を後から見返したい場合に向いています。縦に項目、横に日付を並べ、毎日セルに印を付ける形です。1か月分を並べると、どの項目がよく抜けるかが一目で分かります。抜けが多い項目は、書き方が分かりにくいか、チェックする時刻が合っていないかのどちらかなので、見直しの材料になります。
迷ったときは、まず紙で1週間使い、項目が固まってからアプリや表計算に移すのが確実です。最初からアプリで作ると、設定や画面の操作に気を取られ、肝心の項目の書き方を詰める前に手が止まりがちです。紙で形を整えてから移せば、どの道具を使っても中身は変わりません。
複数の人で同じチェックリストを使う場合は、共有できる道具が必要です。この点は、後の「チームで毎日のチェックリストを回すとき」の節で詳しく書きます。
抜け漏れを防ぐ続け方
チェックリストは、作った直後がいちばんよく使われ、時間がたつと形だけになりがちです。続けるための工夫を5つ挙げます。
1つ目は、チェックした時刻も書くことです。印だけでなく「8:42」のように時刻を書くと、実際にその時刻にチェックしたことが残ります。後でまとめて印を付ける癖を防げます。
2つ目は、印を付けるのは作業が終わった後にすることです。作業の前に印を付けてしまうと、途中で中断したときに「終わっている」と勘違いします。必ず、確かめてから付けます。
3つ目は、週に1回、リストそのものを見直すことです。毎回すぐ印が付く項目は、すでに習慣になっていてリストから外してもよいかもしれません。逆に、何度も抜ける項目は、書き方を変えるか、チェックする時刻を変えます。新しく始めた作業があれば追加します。
4つ目は、項目を増やしすぎないことです。見直しのたびに項目を追加していくと、1か月後には倍の長さになっています。1つ追加したら1つ外す、くらいの気持ちで、全体の数を保ちます。
5つ目は、抜けたときに自分を責めないことです。チェックリストは、抜けが起きることを前提にした道具です。抜けを見つけられたなら、リストは役目を果たしています。どの場面で抜けたかを記録し、次の見直しに生かします。
チームで毎日のチェックリストを回すとき
1人で使うチェックリストと、チームで使うチェックリストでは、求められるものが変わります。チームで回す場合に必要になるのは、次の3つです。
- 誰がどの項目を担当するかが分かること
- 今日の分がどこまで進んでいるかを、離れた場所からも見られること
- 終わっていない項目に、担当者が気づけること
紙のリストを事務所の壁に貼る方法は、全員が同じ場所にいるなら機能します。しかし、在宅勤務の人がいる、複数の店舗がある、外注先と分担している、といった場合は、紙では状況が見えません。表計算ソフトを共有する方法もありますが、同時に何人もが書き込むと、行がずれたり、誰が付けた印か分からなくなったりします。
こうした場面では、タスクをカードとして並べ、担当者と期限を付けて管理するボード型のツールが向いています。たとえばPinatecaは、カンバン・ガント・カレンダー・リストなど8種類のボードとチャットを備えたプロジェクト管理ツールで、カードの中にチェックリストを作ると、進捗バーで消化の状況がカードの表からも見えるようになっています。毎日の開店準備を1枚のカードにまとめて担当者を割り当てたり、カレンダーボードで締め切りの集中している日を確かめたりといった使い方ができます。公式の料金ページによると、5人までのチームなら無料プランで8種類のボードをすべて使え、6人目からは1人あたり月額500円(税抜)のスタンダードプランになります。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
ボード型のツールで毎日のチェックリストを回すときは、次のような組み立てにすると分かりやすくなります。まず、「開店前」「閉店後」「終業前」のように、時間帯や場面ごとにカードを1枚ずつ作ります。カードの中に、この記事の手順で作った項目をチェックリストとして並べます。カードには担当者と期限を設定し、終わったカードは「完了」の列へ動かします。こうしておくと、離れた場所にいる管理者も、どの場面の確認がまだ終わっていないかを列の並びで把握できます。
在宅勤務のメンバーがいるチームでは、チェックの結果だけでなく、気づいたことをカードのコメントに残す使い方も役立ちます。「冷凍庫の温度が少し高かったので様子を見る」「取引先からの返信待ち」のような一言があると、次の担当者が状況をつかみやすくなります。紙のリストでは、こうした申し送りは別のノートに書くことになり、リストとばらばらになりがちです。
道具を選ぶときに大切なのは、全員が毎日開く場所にチェックリストがあることです。チャットやメールを毎日開くチームなら、その近くで確かめられる道具を選びます。
道具を選ぶときは、まず1人で使っているチェックリストを1つ移してみて、毎日開く習慣が作れるかを試すのが確実です。どれほど機能が多い道具でも、毎日開かなければ紙のリストに負けます。
週次・月次の確認と組み合わせる
毎日のチェックリストを作っていると、「毎日ではないけれど、忘れると困る作業」が必ず出てきます。週に1回のバックアップ、月末の請求書の発行、季節ごとの設備の点検などです。これらを毎日のリストに入れると、毎日「今日は対象外」と書くことになり、リストが重くなります。
そこで、リストを3つの層に分けます。毎日のリスト、週次のリスト、月次のリストです。毎日のリストは毎日同じ時刻に、週次のリストは決まった曜日に、月次のリストは月末か月初の決まった日に見ます。週次と月次のリストの存在を忘れないように、毎日のリストの最後に「金曜日なら週次のリストを開いた」「月末なら月次のリストを開いた」という項目を1行入れておく方法があります。
週次のリストに入れる項目の例は、次のとおりです。
- 外付けディスクやクラウドへの保存が最新になっていることを確かめた
- 来週の予定と締め切りをカレンダーで確かめた
- 毎日のチェックリストで抜けた項目を見直し、書き方を直した
月次のリストには、請求と入金の照合、消耗品の発注、契約の更新日の確認など、お金と期限に関わる項目が多く入ります。月に1回しかやらない作業は手順を忘れやすいので、項目の横に手順のメモや参照する資料の名前を書いておくと、翌月に迷いません。
3つの層に分けると、毎日のリストは短く保たれ、週次と月次の作業も抜けにくくなります。毎日のリストが10項目を超えてきたら、週次か月次に移せる項目がないかを確かめるのが、長く使い続けるためのコツです。
チェックリストを引き継ぎの資料として使う
よくできた毎日のチェックリストは、そのまま引き継ぎの資料になります。担当者が休む日、新しい人が入った日、外注先に作業の一部を任せる日に、チェックリストを渡せば、最低限やるべきことが伝わるからです。
引き継ぎに使うときは、項目ごとに「なぜやるのか」を短く添えておくと、受け取った人の理解が深まります。たとえば「冷蔵庫の温度を記録した」の横に「食品の衛生管理の記録として保管するため」と書いておけば、記録を省略してはいけない理由が分かります。理由が分かっている作業は、手順が少し変わったときにも、受け取った人が自分で判断できます。
もう1つ大切なのは、チェックリストの最終更新日を書いておくことです。古いリストのまま引き継ぐと、今は使っていない道具や、変わった手順がそのまま伝わってしまいます。リストの上か下に「最終更新:2026年10月14日」のように日付を書き、見直したら日付も書き換えます。
引き継ぎを受ける側にとっても、チェックリストは安心材料です。初めての作業でも、項目を上から順に確かめていけば、大きな抜けは起きません。分からない項目があれば、その項目を指して質問すればよいので、何が分からないのかを説明する手間も省けます。
うまくいかないチェックリストのよくある形
最後に、作ったのに使われなくなるチェックリストの典型を挙げます。自分のリストが当てはまっていないか確かめてください。
1つ目は、項目が抽象的なリストです。「品質の確認」「整理整頓」のような項目は、何をすれば完了なのかが人によって違います。結果として、毎日なんとなく印が付き、抜けを防ぐ役に立ちません。
2つ目は、長すぎるリストです。30項目を超えるリストは、最後まで丁寧に読まれることがほとんどありません。重要な項目が後ろのほうに埋もれ、そこが抜けます。
3つ目は、見る時刻が決まっていないリストです。「気づいたときに見る」リストは、忙しい日ほど見られません。抜けが起きやすいのは忙しい日なので、いちばん必要なときに使われないことになります。
4つ目は、作った人しか意味が分からないリストです。略語や社内の呼び名だけで書かれていると、担当が替わったときに使えなくなります。初めてその仕事をする人が読んでも分かる言葉で書いておくと、引き継ぎの資料も兼ねられます。
5つ目は、見直しをしないリストです。仕事の中身は少しずつ変わります。半年前に作ったリストのまま使い続けると、今は不要な項目と、新しく必要になった項目のずれが広がり、リスト全体が信用されなくなります。
外注や業務委託でチェックリストが果たす役割
在宅ワークと業務委託の仲介を2004年から続けてきた運営者として、仕事を外に出す側と受ける側の両方を見てきました。その中で、外注がうまく回っている発注者には、決まって手順を書いたチェックリストがあります。何を、どの順で、どこまでやれば完了かが書かれていれば、初めて頼む相手でも同じ品質で仕事を返せます。逆に、チェックリストがない発注は、受け手が毎回確認の連絡を入れることになり、お互いに時間を失います。
受ける側にとっても、チェックリストは信頼をつくる道具です。納品の前に、依頼内容と照らし合わせて確かめる項目を自分で持っている人は、修正の依頼が少なく、次の仕事を指名でもらいやすくなります。依頼する側と受ける側が直接やり取りできる形なら、こうした手順の共有も早く、間に入る手数料がない分、同じ予算でより多くを頼め、受け手の手取りも厚くなります。
業務の手順を整え、チェックリストやツールで回る形に作り替える仕事は、それ自体が外部の専門家に頼まれる仕事にもなっています。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、業務の流れを見直して道具の使い方を提案する仕事の中身と、求められる力をまとめています。毎日のチェックリスト作りで身につく「手順を分解して、確かめられる言葉にする力」は、こうした仕事の土台そのものです。
在宅勤務の仕組みを整えるときは、道具だけでなく制度も確かめておくと安心です。テレワーク 助成金 2026では、テレワークの環境づくりに使える助成金の情報を整理しています。毎日のチェックリストを、まずは自分の朝の始業前の5項目から作ってみてください。
よくある質問
Q. 毎日のチェックリストは何項目くらいがよいですか?
1回にチェックする項目は、目安として10項目以内に収めると、確かめる時間が数分で済み、続けやすくなります。項目が多くなる場合は、朝・昼・夕方のように時間帯で分けるか、週に1回でよい項目を別のリストに移してください。長いリストは後半が読み飛ばされやすくなります。
Q. チェックリストとやることリストは何が違いますか?
やることリストは、その日にやる仕事を書き出し、終わったら消していくものです。毎日のチェックリストは、毎日繰り返す作業を同じ項目で確かめるもので、やったかどうかの確認が目的です。前者は毎日中身が変わり、後者は中身がほぼ同じという違いがあります。
Q. チェックリストが形だけになってしまうのを防ぐにはどうすればよいですか?
項目を「受信箱を0件まで既読にした」のように確かめられる言葉で書くこと、印を付けるのは作業を終えて確かめた後にすること、チェックした時刻も書くことが効果的です。週に1回はリストそのものを見直し、何度も抜ける項目の書き方やチェックの時刻を変えてください。
Q. 紙とアプリのどちらで作るのがよいですか?
手が汚れる作業や店舗の点検のように、パソコンを開かない場面では紙が向いています。時刻での通知や繰り返しを使いたい場合はスマートフォンのアプリ、結果を後から見返したい場合は表計算ソフトが便利です。複数の人で使うなら、離れた場所からも進み具合が見られる共有できる道具を選びます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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