クラウドワークスのポートフォリオを初めて作る人へ|載せる内容と見せ方の基本 2026

長谷川 奈津
長谷川 奈津
クラウドワークスのポートフォリオを初めて作る人へ|載せる内容と見せ方の基本 2026

この記事のポイント

  • クラウドワークスのポートフォリオを初心者が初めて作るときの手順を解説します
  • 実績ゼロで何を載せるか
  • 守秘義務のある納品物を無断掲載しないための注意点まで

先日、Webデザインの勉強を終えたばかりという方から相談を受けました。「クラウドワークスに登録したけれど、ポートフォリオの欄が真っ白のまま応募していいのか分からない」と。結論から言うと、真っ白のまま応募するのはおすすめしません。ただし「実績がないから作れない」というのは誤解です。ポートフォリオは納品済みの仕事を並べる場所ではなく、あなたが何をどの品質でできるかを発注者に見せる場所だからです。実績ゼロでも載せられるものは確実にあります。

そしてもうひとつ、初心者の方が驚くほど無自覚に踏んでしまう地雷があります。それが、守秘義務のある納品物を許可なくポートフォリオに載せてしまうこと。これ、知らない人が本当に多いんです。この記事では、クラウドワークスのポートフォリオを初めて作る人に向けて、載せる中身の決め方、登録の手順、説明文の書き方、そして契約上やってはいけないことまで、実務の順番どおりに整理していきます。

クラウドワークスでポートフォリオが重視されるようになった背景

クラウドソーシングの世界では、この数年で「選ばれ方」が明確に変わりました。かつては提案文の熱量やレスポンスの速さで拾ってもらえる場面もありましたが、いまは違います。1件の案件に対して数十件の提案が集まることが珍しくなく、発注者側は全部を丁寧に読む時間がありません。そこで最初に見られるのが、プロフィールとポートフォリオです。

つまり、提案文は「読んでもらえたら効く武器」であって、「読んでもらうための入口」ではないということです。入口を担っているのがポートフォリオ。ここが空欄だと、提案文がどれだけ良くても開かれずに終わる可能性が高くなります。

発注者の立場から考えると理由は明快です。発注者にとって最大のリスクは、報酬を払うことではなく、納品されたものが使えず、修正のやり取りに何週間も取られることです。実際、Webサイト制作やライティングの案件では、修正回数が想定を超えて炎上するケースが後を絶ちません。だから発注者は「この人に頼んだら、どんなものが上がってくるか」を事前に確認したい。その判断材料がポートフォリオなのです。

クラウドソーシング大手が自社メディアで説明している内容も、この方向性を裏付けています。

ポートフォリオとして目立つためには、掲載するサイト全体から個性を感じるものが理想ですが、これからクラウドワークスでフリーランスを始めたいという方にとっては、少々ハードルが高いかもしれません。 出典: crowdworks.jp

ここで言われている「ハードルが高い」という感覚は正しいものです。ただ、ハードルの正体は技術力ではなく、多くの場合「見せ方が整理されていないこと」です。個性は後からで構いません。初心者がまずやるべきなのは、判断材料を過不足なく置くこと。この記事の後半で扱う説明文の項目立ては、まさにその整理のための道具になります。

単価の高い仕事ほどポートフォリオの比重が上がる

もうひとつ押さえておきたいのが、単価帯とポートフォリオの関係です。低単価のタスク形式の仕事、たとえばアンケート回答や短文の口コミ作成のような案件では、ポートフォリオはほとんど見られません。誰がやっても結果が大きく変わらない作業だからです。

一方、Webライティングで1文字1円を超える案件、デザインで1件3万円を超える案件、開発系の案件になると、選考の様相が一変します。発注者はスキルの証明を求めますし、場合によっては簡単なテスト課題を出してきます。ここで過去の成果物が見せられるかどうかが、単価の壁を越えられるかどうかを分けます。

言い換えると、ポートフォリオを作る作業は「応募できる案件の値段を上げる作業」です。作るのに数時間かかったとしても、それによって手が届く単価帯が変われば、回収は早い。この順序で考えると、後回しにする理由はなくなります。

ポートフォリオとプロフィールは役割が違う

初心者の方が最初につまずくのが、プロフィール文とポートフォリオの書き分けです。同じことを2回書いてしまい、どちらも中途半端になっているケースをよく見ます。

プロフィールは「あなたという人の全体像」を伝える場所です。対応できる業務範囲、稼働可能な時間帯、連絡が取れる時間、使用ツール、経験してきた業界。発注者が知りたいのは、依頼したときに一緒に仕事が進められる相手かどうかです。

ポートフォリオは「個々の成果物」を見せる場所です。1件につき1つの作品を登録し、その作品について何を担当し、どういう狙いで作り、どんな条件下で仕上げたかを書きます。つまり、プロフィールが履歴書で、ポートフォリオが作品集にあたります。

この違いを意識すると、書く内容が自然に決まります。プロフィールに「Photoshopが使えます」と書くのは自己申告ですが、ポートフォリオに実際のバナー画像を置き、そこに「Photoshopで作成、制作時間2時間」と添えれば、それは証拠になります。発注者が信じるのは後者です。

登録できる件数と、そろえるべき最低ライン

クラウドワークスのポートフォリオは複数登録できますが、初心者の方が最初に目指すべきは数ではありません。目安として3点から5点あれば、選考の土俵には十分乗れます。

重要なのは、その3点が応募したい案件の種類とそろっていることです。SEO記事の案件に応募したいのに、載っているのがポエムのようなエッセイだけ、というミスマッチが実によく起きています。発注者は「この人にうちの記事が書けるか」を判断したいのであって、文章が上手いかどうかを鑑賞したいわけではありません。

逆に、まったく分野の違う作品が混ざっていると、専門性がぼやけます。作品を10点並べるより、応募先に直結する3点を丁寧に見せるほうが通過率は上がります。数を増やすのは、受注が動き出してからで構いません。

実績ゼロの状態で何を載せるか

ここが本題です。まだ1件も納品していない段階で、ポートフォリオに何を置くのか。答えは「自主制作」「学習課題」「実在案件を想定した架空の制作物」の3種類です。順番に見ていきます。

自主制作物を作って載せる

もっとも素直な方法が、自分でテーマを決めて成果物を作ることです。ライターなら特定ジャンルの記事を2本から3本書き下ろす。デザイナーなら架空の店舗のロゴやバナーを作る。動画編集なら自分で撮った素材や、商用利用が許諾されたフリー素材を使って60秒程度の作品を仕上げる。

ポイントは、テーマを「自分の好きなもの」ではなく「仕事として発注されそうなもの」に寄せることです。たとえばライターなら、日記風のエッセイではなく、転職、美容、金融、住宅といった実際に案件が多いジャンルで書く。デザイナーなら、抽象的なアート作品ではなく、飲食店のメニュー表やECサイトのバナーのような、明確な用途があるものを作る。

自主制作の弱点は「誰にも評価されていない」ことですが、これは説明文で補えます。何を目的に、誰に向けて、どんな制約の中で作ったのかを書けば、発注者は業務としての再現性を読み取れます。

学習課題やスクールの制作物を載せる

オンラインスクールや独学教材で作った課題も、立派な掲載対象です。ただし、そのまま出すと他の受講生と丸かぶりになります。同じ教材で学んだ人が同じ課題を載せるので、発注者から見ると見飽きた画面になってしまう。

対策は、課題をベースに改変を加えることです。配色を変える、実在しそうな架空企業の設定を追加する、スマートフォン表示を作り込む。そのうえで説明文に「教材の課題を土台に、想定顧客層を変えて再設計した」と正直に書けば、学習内容の理解度と応用力の両方が伝わります。

なお、スクールによっては課題の成果物を公開する条件が規約で定められていることがあります。掲載前に受講規約を確認してください。※教材そのものの著作物(テキストや素材データ)を丸ごと転載するのは著作権侵害になり得ます。ここは判断に迷ったら、スクール運営に直接問い合わせるのが確実です。

実在案件を想定した「架空案件」の制作物を載せる

これがもっとも効果が高い方法です。クラウドワークスに掲載されている募集要項を読み、その条件どおりに成果物を作ってみる。文字数、トンマナ、納品形式、想定読者。すべて実案件と同じ条件で仕上げます。

ただし、ここで絶対にやってはいけないことがあります。募集文をそのまま引用したり、その発注者の企業名やサービス名を出したりすることです。実在企業のロゴを勝手に使って「〇〇社向けに作りました」と掲載してしまうと、商標や著作権の問題に加えて、あたかも取引実績があるかのような誤認を与えます。架空案件で作る場合は、企業名も商材名も自分で創作した架空のものに置き換えてください。

説明文には「架空の案件を想定した自主制作」と明記します。隠す必要はまったくありません。むしろ、実績があるように見せかけて後でバレるほうが致命的です。私が契約の相談を受ける中でも、経歴や実績の誇張が原因で契約解除に至るケースは一定数あります。信用は一度失うと回復に時間がかかります。

守秘義務のある納品物を無断で載せてはいけない

実績が出てきたあとに、多くの人が無自覚に踏むのがここです。納品した仕事を、発注者の許可なくポートフォリオに載せる。これ、知らない人が本当に多いんです。

クラウドソーシングの案件では、契約時にNDA(エヌディーエー、秘密保持契約)を結ぶことがあります。またNDAを結んでいなくても、募集要項や個別のやり取りの中に「納品物の二次利用禁止」「実績としての公開禁止」といった条件が書かれている場合があります。ライティング案件では、記事の著作権を発注者に譲渡する条項が入っていることも一般的です。

つまり、納品した瞬間にその成果物はあなたの自由になる、というわけではないのです。著作権を譲渡していれば、その記事はもうあなたの著作物ではありません。ゴーストライティングの案件であれば、あなたが書いたと公表すること自体が契約違反になります。

何がアウトで、何がセーフか

判断の順番はシンプルです。

第一に、契約書や募集要項に実績公開の可否が書かれているかを確認します。「実績として公開可」と明記されていれば問題ありません。「不可」と書かれていれば載せられません。

第二に、記載がない場合は発注者に確認します。「今回の納品物をポートフォリオに掲載してもよろしいでしょうか」と一言メッセージを送るだけです。断られたら載せない。これだけで揉め事はほぼ防げます。

第三に、掲載許可が下りた場合でも、どこまで出せるかを確認します。URLだけならOK、画像は不可、企業名は伏せてほしいなど、条件付きで許可されることがよくあります。この条件を守れば掲載できます。

許可が取れないときの代替案もあります。成果物そのものは載せず、「BtoB向けSaaSサービスのLP制作を担当(守秘義務のため詳細非公開)」のように、担当領域と分野だけを書く方法です。これなら契約に反しません。実際、経験の長いフリーランスのポートフォリオには、この書き方がよく登場します。

※契約書の条項の解釈で判断がつかない場合や、すでに掲載してしまって発注者から指摘を受けている場合は、弁護士に相談してください。個別の契約内容によって結論が変わる領域です。

私が実際に見てきた失敗

行政書士として契約まわりの相談を受ける中で、印象に残っているケースがあります。あるライターの方が、納品した記事の全文をポートフォリオにコピーして掲載していました。その記事は著作権譲渡の条項付きで、しかもクライアント名義で公開されていたものでした。発注者から連絡が来たときには、すでに複数の案件で同じ見せ方をしていた状態でした。

幸い、その方が速やかに削除して謝罪したことで法的紛争にはなりませんでしたが、そのクライアントとの継続契約は終了しました。本人に悪意はなく、「自分が書いたものだから載せてよいと思っていた」というのが正直な感想でした。悪意がなくても契約違反は成立します。だからこそ、掲載前の一手間が効くのです。

ポートフォリオ登録の手順

クラウドワークスでの登録操作そのものは難しくありません。手順を整理しておきます。

ステップ1:載せる作品を選ぶ

応募したい案件のジャンルに直結する作品を3点選びます。分野がばらけている場合は、いちばん受注したい分野を主軸にして並べ替えます。表示順は上から見られるので、自信のある作品を先頭に置きます。

ステップ2:掲載可否を確認する

実案件由来の作品であれば、前章のとおり掲載許可を確認します。自主制作や架空案件であれば、使用した素材のライセンスを確認します。フリー素材でも商用利用不可、加工不可、クレジット表記必須といった条件があるものは多いので、素材配布元の利用規約を読み直してください。

ステップ3:ファイルとURLを準備する

画像作品はJPEGやPNGで書き出します。Webサイトであれば公開URLを用意します。記事であれば、公開されているURLか、公開できない場合はテキストをPDF化したものを用意します。動画はYouTubeの限定公開URLを使うのが一般的です。

ファイルサイズが大きすぎるとアップロードに失敗するので、画像は表示に必要な解像度まで落としておきます。バナーやサムネイル程度であれば、長辺1920pxもあれば十分です。

ステップ4:タイトルと説明文を書く

ここが差のつくポイントです。次章で詳しく扱います。

ステップ5:登録して、他人の目で見直す

登録後、ログアウト状態またはスマートフォンで自分のプロフィールページを開いてみてください。発注者が見る画面は自分の編集画面とは違います。画像が小さすぎて内容が読めない、説明文の冒頭で切れてしまって要点が伝わらない、といった問題はここで初めて気づけます。

説明文の書き方で通過率が変わる

作品を置くだけで満足してしまう人が多いのですが、発注者が読むのは説明文です。ここを埋めるかどうかで印象は大きく変わります。以下の項目を順に書けば、必要な情報はそろいます。

1. 制作物の種類と用途 「飲食店向けInstagram投稿用バナー」のように、何を何のために作ったかを一行で書きます。

2. 担当範囲 企画、構成、執筆、デザイン、コーディング、撮影、編集のうち、どこを自分がやったのかを明示します。チーム制作なら自分の担当だけを書きます。ここを曖昧にすると、発注者は「全部できると誤解して発注してトラブルになるリスク」を感じます。

3. 使用ツール Photoshop、Illustrator、Figma、Premiere Pro、WordPress、Canvaなど。発注者は自社の制作フローに合うかを見ています。

4. 制作条件と制約 文字数、納期、想定読者、参考にしたトンマナ。「5,000文字、納期3日、20代女性向け」のように具体的に書きます。

5. 工夫した点 なぜその構成にしたのか、どんな課題を解決しようとしたのかを2文程度で書きます。ここに書き手の思考が出ます。発注者はスキルより思考プロセスを見て「話が通じる相手か」を判断しています。

6. 実案件か自主制作かの区別 「架空案件を想定した自主制作です」「クライアント許諾を得て掲載しています」のいずれかを必ず書きます。

7. 非公開部分の断り書き 守秘義務がある場合は「詳細は守秘義務のため非公開」と添えます。隠していることを明示するほうが、発注者からの信頼は上がります。

悪い説明文と良い説明文

悪い例は「バナーを作りました。よろしくお願いします。」です。これでは何ひとつ判断できません。

良い例はこうなります。「架空のオーガニックカフェを想定したInstagram投稿用バナーです。30代女性の来店を想定し、写真を主役にして文字量を絞りました。可読性を確保するため、文字は白抜きで最小18pt相当を維持しています。Photoshopで制作、所要時間は3時間です。」

長さは200文字前後で構いません。長すぎると読まれません。判断に必要な情報だけを詰めるのがコツです。

無料で使えるポートフォリオ作成の選択肢

クラウドワークス上のポートフォリオ欄だけで完結させることもできますが、外部にまとめページを持っておくと、他のプラットフォームや直接取引でも使い回せます。初心者が無料で始めやすい選択肢を整理します。

ノート系サービス:文章主体のライターに向いています。記事を書いて公開するだけでポートフォリオになるうえ、書き続けることでそれ自体が実績になります。

デザイン共有サービス:デザイナー向けのプラットフォームでは、作品を並べるだけで見栄えの整ったページが作れます。海外のサービスが多いですが、日本語の説明文を添えれば問題ありません。

ノーコードのサイト作成ツール:無料プランでも1ページのポートフォリオサイトは十分作れます。独自ドメインは有料になることが多いですが、初期段階では無料の共有ドメインで構いません。

クラウドストレージの共有リンク:もっとも手軽な方法です。フォルダに作品をまとめ、閲覧専用の共有リンクを発行します。見栄えはしませんが、動画や大容量ファイルを渡すときには実用的です。

表計算ソフトやスライドで作る作品一覧:意外に使えるのがこの方法です。1スライド1作品で、画像と前章の7項目を並べ、PDFに書き出します。デザインツールを持っていない職種の方でも作れます。

どれを選ぶにせよ、外部ページを作った場合はプロフィールにURLを記載しておきます。ただし外部サイトへの誘導が営業行為とみなされないよう、プラットフォームの規約は事前に確認してください。直接取引への誘導を禁止しているサービスもあります。

初心者がやりがちな失敗

相談の中で繰り返し出てくるパターンを挙げます。

作品を載せただけで説明文が空欄:もっとも多い失敗です。前章の7項目を埋めるだけで改善します。

画像が粗い、スクリーンショットが切れている:Webサイトの実績を載せる際、画面の一部だけを切り取った画像を貼っている例をよく見ます。全体像が分かるように撮り直してください。

分野がばらばら:料理写真、名刺デザイン、ブログ記事が同列に並んでいると、何が本業なのか伝わりません。応募する分野に絞ります。

古い作品を放置している2年前の作品が先頭に来ていて、直近の仕事が下にあるケース。新しい順に並べ替えるだけで印象が変わります。

他人の作品を無断で載せる:論外ですが、チーム制作で自分が関与していない部分まで自分の実績として書いてしまうケースは、悪意なく起きます。担当範囲は正確に。

掲載許可を取らずに納品物を載せる:前述のとおり、契約違反のリスクがあります。

個人情報が写り込んでいる:クライアントの担当者名、メールアドレス、社内資料の一部などが画像に残っていることがあります。掲載前に必ず拡大して確認してください。個人情報の漏えいは、契約以前に信用の問題になります。

職種別に見る、見せ方の違い

同じポートフォリオでも、職種によって発注者が見る場所は異なります。

ライター:文章そのものより、構成力を見られます。見出し構成が分かるように、記事全体のURLまたはPDFを提示します。得意ジャンルを明記し、取材の可否、SEOの知識の有無、使用しているCMSも書いておくと選考が進みやすくなります。文章系の職種の相場感は著述家,記者,編集者の年収・単価相場にまとまっているので、単価交渉の基準として目を通しておくとよいでしょう。

デザイナー:完成品だけでなく、なぜその配色・レイアウトにしたかの意図が重視されます。ラフやワイヤーフレームを添えると評価が上がります。デザイン系の学習の進め方についてはWebデザイナー初心者必見!失敗しない学習方法から転職まで徹底解説で学習ルートから実務までの流れが整理されています。

エンジニア:動くものを見せるのが最短です。GitHubのリポジトリURL、デプロイ済みのアプリのURLを提示します。使用言語、フレームワーク、設計上の判断を説明文に書きます。開発系の案件の内容と求められる範囲はアプリケーション開発のお仕事に職種別の解説があります。単価水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認できます。

事務・データ入力系:成果物を見せにくい職種ですが、ここでも工夫はできます。架空のデータを使った集計表、議事録のサンプル、業務フロー図などを作って載せます。ビジネス文書の基礎を証明する手段としてはビジネス文書検定のような資格も、書類作成の水準を客観的に示す材料になります。

AI活用・マーケティング系:近年伸びている領域です。生成AIを使った制作物を載せる場合は、AIを使った範囲と自分が手を入れた範囲を明記してください。これを書かないと、発注者は品質を評価できません。この分野の仕事の広がりはAIコンサル・業務活用支援のお仕事AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で概観できます。ネットワーク関連の案件に関わるならCCNA(シスコ技術者認定)のような資格も判断材料になります。

副業として始める場合の全体像や、安全に案件を選ぶための基準は【副業 初心者】安全に稼ぐ!失敗しないための完全ガイド2026年版にまとまっています。収入が出てきたあとの資産形成まで考えるなら【初心者向け】NISA積立投資 始め方|33歳主婦がゼロから実践!も参考になります。

在宅ワーク市場を長く見てきた立場からの観察

在宅ワークの仲介を20年見てきた立場から言えば、長く続く人とそうでない人の差は、ポートフォリオの豪華さではありません。差が出るのは「更新しているかどうか」です。

受注が始まると、多くの人はポートフォリオを放置します。仕事が忙しいからです。ところが、継続的に案件が途切れない人は、四半期に一度くらいのペースで中身を入れ替えています。新しい分野の仕事を受けたら、その分野の作品を先頭に持ってくる。単価を上げたい方向に合わせて構成を組み替える。この地味な作業を続けている人が、結果として「この人に任せると楽だ」という評価にたどり着いています。発注者にとっての楽さとは、説明しなくても意図が伝わることであり、それはポートフォリオの説明文の丁寧さと直結しています。

もうひとつ、運営者として見てきた限りでは、額面より手取りの構造を早く理解した人が伸びています。同じ10万円の予算でも、仲介手数料が何割か引かれる経路と、手数料0%で直接やり取りする経路とでは、依頼側が頼める量も、受け手に残る金額も変わります。中間マージンが乗らない取引は、依頼者にとっては同じ予算でより多く頼めるという意味を持ち、受け手にとっては手取りが厚くなるという意味を持つ。この構造を理解している人は、プラットフォーム上での実績づくりを「通過点」として捉え、そこで作ったポートフォリオを他の経路でも使えるように整えています。だからこそ、クラウドワークスの管理画面の中だけでなく、外部にまとめページを持っておく価値があるのです。

掲載可否の判断を仕組みにしておく

最後に、法務の観点から実務的な提案をひとつ。案件を受けるたびに毎回悩まないよう、判断のルールを自分の中で固定してしまうことをおすすめします。

具体的には、契約を結ぶ段階で「実績公開の可否」を必ず確認する習慣をつけます。契約書やメッセージのやり取りに書かれていなければ、着手前に一言聞く。着手前なら発注者も答えやすく、断られてもこちらは何も失いません。納品後に聞くと、発注者側は判断が面倒になり、無難に断られる確率が上がります。タイミングの問題です。

そして、確認した結果を自分の記録に残します。案件名、発注日、掲載可否、条件付きなら条件の内容。表計算ソフトで4列あれば足ります。案件が増えてくると、どれが載せてよいものだったか必ず分からなくなります。記録があれば迷いません。

フリーランス保護新法の施行以降、発注条件を書面や電磁的方法で明示することは発注側の義務になりました。つまり、条件が曖昧なまま仕事が進む状況は以前より減っています。制度の詳細は法務省や公正取引委員会が公表している資料で確認できます。取引条件に関する公的な相談窓口の情報は公正取引委員会のサイトからたどれます。※個別の契約トラブルで法的判断が必要になった場合は、弁護士や各地の弁護士会の相談窓口を利用してください。

ポートフォリオは、自分のスキルを見せる道具であると同時に、契約を守っている証拠でもあります。何を載せるかと同じくらい、何を載せないかが問われる。少し窮屈に感じるかもしれませんが、ルールを守って積み上げた実績は、あとから必ず効いてきます。法律はあなたの味方です。

よくある質問

Q. 実績がゼロでもポートフォリオは登録すべきですか?

登録すべきです。ポートフォリオは納品済みの仕事だけを並べる場所ではなく、何をどの品質でできるかを示す場所だからです。自主制作、学習課題を改変したもの、架空案件を想定した制作物の3種類なら実績ゼロでも用意できます。まずは応募したい分野に直結する作品を3点そろえてください。

Q. 納品した仕事をポートフォリオに載せてよいか、どう判断しますか?

まず契約書や募集要項に実績公開の可否が書かれているかを確認します。記載がなければ、着手前に発注者へ一言確認するのが確実です。著作権を譲渡した記事やゴーストライティング案件は掲載できないことが多く、許可が取れない場合は「BtoB向けサービスのLP制作を担当(守秘義務のため詳細非公開)」のように担当領域だけを書きます。

Q. ポートフォリオの説明文には何を書けばよいですか?

制作物の種類と用途、担当範囲、使用ツール、制作条件(文字数や納期など)、工夫した点、実案件か自主制作かの区別、非公開部分の断り書きの7項目です。全体で200文字前後にまとめると読まれやすくなります。担当範囲を曖昧にすると発注ミスマッチの原因になるので、必ず明示してください。

Q. ポートフォリオは無料で作れますか?

作れます。ノート系サービス、デザイン共有サービス、ノーコードのサイト作成ツール、クラウドストレージの共有リンク、スライドをPDF化したものなど、無料の選択肢は複数あります。外部にまとめページを持っておくと他のプラットフォームでも使い回せますが、直接取引への誘導を禁止しているサービスもあるため規約は事前に確認してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年1月12日最終更新:2026年8月2日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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