中部電力のメールマガジンで情報漏えいの可能性|ブラストメール経由で324名の氏名とメールアドレス 対象者が確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓中部電力の情報漏洩が気になる人へ
- ✓2026年10月26日
- ✓メールマガジン配信システム「ブラストメール」への不正アクセスで
中部電力の情報漏洩について、2026年10月27日時点で中部電力の公式発表から分かっていることを先に書く。 中部電力株式会社と中電クラビス株式会社は2026年10月26日、中部電力が中電クラビスに委託したメールマガジン配信業務で使われていた株式会社ラクスライトクラウド運営のメールマガジン配信システム「ブラストメール」が第三者による不正アクセスを受け、イベント「みんなの美尻フェスタin掛川」のメールマガジンの配信を希望した客324名の氏名とメールアドレスが漏えいした可能性があると発表した。 発表は「現時点で具体的な情報漏えいの事実は確認されておりません」とも書いており、利用者がまずすることは、中部電力や中電クラビスを装った不審な電話やSNSの連絡に応じないこと、自分がこのメールマガジンに登録していたかを思い出すこと、そして心配なら発表に載っている事務局の電話窓口で確かめることの3つになる。
この件は、中部電力の電気やガスの契約者全員に関わる話ではない。 対象として発表されているのは、「みんなの美尻フェスタin掛川」というイベントのメールマガジンを受け取ることを希望した324名であり、漏えいした可能性がある項目は氏名とメールアドレスの2つである。 電気料金の口座やクレジットカードの番号、住所、電話番号は、発表に挙げられている項目に入っていない。 この記事では、会社の表現に合わせて「漏えいした可能性がある情報」と書き、外部に持ち出されたと確定したかのような書き方はしない。 以下、発表の内容、公表までの経緯、対象の情報、件数の読み方、原因として発表されていること、委託の構造、会社の対応、自分が対象かを確かめる方法、利用者がすること、偽の連絡の見分け方、問い合わせ先、そして在宅で仕事をする人がメール配信サービスを仕事で使っている場合の考え方を、中部電力、ラクスライトクラウド、個人情報保護委員会の公式ページで確かめた範囲で書く。
中部電力と中電クラビスが2026年10月26日に発表した内容
発表は、中部電力のサイトのプレスリリースとして2026年10月26日16時に掲載された「メールマガジン配信システム「ブラストメール」への不正アクセスによるお客さま情報漏えいの可能性について」で、中部電力株式会社と中電クラビス株式会社の連名になっている。 同じ日に、この発表の記載を一部訂正するプレスリリースも出ている。 2026年10月27日時点で、中部電力のプレスリリースの一覧に、この件の続報はまだ掲載されていない。 発表の冒頭は次のとおりで、どの業務で、どのシステムが不正アクセスを受け、会社が何を確認していて何を確認していないかが1段落にまとめられている。
このたび、中部電力株式会社(以下「中部電力」)が中電クラビス株式会社(以下「中電クラビス」)に委託したメールマガジン配信業務において、中電クラビスの再委託先が使用する株式会社ラクスライトクラウド(以下「ラクスライトクラウド」)運営のメールマガジン配信システム「ブラストメール」が第三者による不正アクセスを受け、同システム内に保管されていたお客さま情報が漏えいした可能性があること(以下「本事案」)が判明しました。 なお、現時点で具体的な情報漏えいの事実は確認されておりません。 出典: chuden.co.jp
引用した文の「再委託先」は、同じ日の訂正のプレスリリースで「委託先」に直されている。 つまり、ブラストメールを使っていたのは中電クラビスの委託先であり、中部電力から見ると、中部電力、中電クラビス、中電クラビスの委託先、ラクスライトクラウドという並びになる。 この構造は後の節で改めて整理する。
ここで押さえておきたいのは、発表が「漏えいした可能性」と「漏えいの事実は確認されていない」の2つを並べて書いている点である。 不正アクセスを受けたのはブラストメールというシステムで、その中に中部電力のメールマガジンの配信先が保管されていた。 だから配信先の情報が持ち出された可能性はある。 ただし、中部電力の情報が実際に外部に出たことが確かめられたわけではない。 発表はこの段階の事実関係をそのまま書いており、この記事もその段階に合わせて書く。
公表までの経緯を日付の順に並べる
この件は、ブラストメールを運営するラクスライトクラウド側の発表と、中部電力側の発表の2本を日付の順に並べると流れが見える。 ラクスライトクラウドの公式のお知らせ「【重要】ブラストメールの緊急停止および個人情報漏えいに関するお詫びとご報告」は、2026年10月26日17時の更新まで同じページに追記されていく形で公開されている。 中部電力の発表と合わせると、2026年10月27日時点の経緯は次のとおりである。
- 2026年10月21日 0時30分:ラクスライトクラウドがブラストメールのサービスを緊急停止。管理画面とAPIが使えない状態になり、メールの配信も同日1時頃から停止(ラクスライトクラウドの発表)
- 2026年10月21日:中電クラビスの委託先から、ブラストメールが第三者による不正アクセスを受け、客の情報が漏えいした可能性があるとの報告が中電クラビス側に入る(中部電力の発表)
- 2026年10月23日:ラクスライトクラウドが、個人情報保護委員会への報告を契約者と連名で行う案内を公開(ラクスライトクラウドの発表)
- 2026年10月26日 16時:中部電力と中電クラビスが連名でプレスリリースを公表
- 2026年10月26日:中部電力と中電クラビスが、プレスリリースの「再委託先」を「委託先」に訂正するプレスリリースを公表
- 2026年10月26日 17時:ラクスライトクラウドが、配信先リストなど契約者情報以外の漏えいが確認された契約を345件と更新。次回の報告を10月27日12時頃と予告
中部電力の発表には、中電クラビス側が報告を受けた10月21日から公表の10月26日までの間に何をしていたかは書かれていない。 発表に無いことはこの記事でも書かない。 一方、ラクスライトクラウドの発表は時刻つきで更新されているので、ブラストメール側の調査がどこまで進んでいるかは、そちらのページで追える。 ラクスライトクラウドの10月26日17時の発表は、次回の報告を10月27日12時頃と予告しているため、この記事を読む時点では新しい報が出ている可能性がある。
中部電力の発表に続報が出るかどうかは、2026年10月27日時点の発表には書かれていない。 中部電力のプレスリリースの一覧を見れば、同じ題名の続報や訂正が出たかどうかを確かめられる。
漏えいした可能性がある情報と、発表に挙げられていない情報
中部電力の発表が「漏えいした可能性があるお客さま情報」として挙げているのは、対象者と項目の2点だけである。 対象者はイベント「みんなの美尻フェスタin掛川」のメールマガジンの配信を希望した客324名で、項目は氏名とメールアドレスの2つになる。 発表には「含まれない」と明記した項目の一覧は無いので、ここでは「発表に挙げられている項目」と「発表に挙げられていない項目」に分けて整理する。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | イベント「みんなの美尻フェスタin掛川」のメールマガジンの配信を希望した客 324名 |
| 漏えいした可能性がある項目 | 氏名、メールアドレス |
| 発表に挙げられていない項目 | 住所、電話番号、生年月日、クレジットカード番号、銀行口座、電気・ガスの契約情報、パスワード |
発表に挙げられていない項目について、中部電力が「含まれない」と断定して書いているわけではない。 ただし、発表が漏えいした可能性がある情報を「氏名、メールアドレス」と限定して書いている以上、それ以外の項目が対象に含まれると読む根拠は発表には無い。 メールマガジンの配信先として配信システムに保管される情報は、一般に配信に要る項目に限られ、電気の契約情報のような別の業務の情報を同じシステムに入れる理由は無い。 電気料金の支払いに使っているクレジットカードや口座の情報が、このメールマガジンの配信システムに保管されていたという記載も無い。
参考として、ブラストメールを運営するラクスライトクラウドの発表は、ブラストメールの契約者の情報(会社名、担当者名、電話番号、メールアドレス、請求先のメールアドレス、契約と支払いの履歴など)が持ち出されたことを確認したと書き、クレジットカード番号は同社では保持していないとしている。 ここでいう契約者は、ブラストメールを契約している会社のことで、中部電力のメールマガジンを受け取る側の個人のことではない。 配信先の個人に関わるのは、同じ発表にある「一部のお客様については、配信に関する情報(配信先のリストなど)の漏えいも確認しております」の部分で、中部電力の324名はこの配信先のリストに当たる。 ただし、中部電力の発表は「漏えいの事実は確認されていない」としているため、中部電力の配信先リストが漏えいの確認された345件の中に入っているかどうかは、2026年10月27日時点の両社の発表からは分からない。
件数「324名」の読み方
発表の件数は324名で、「最大」や「約」は付いていない。 これは、メールマガジンの配信を希望した客の数がそのまま出ているためで、配信先のリストに登録されていた人数と考えて読める。 中部電力の電気やガスの契約者は中部地方を中心に多数いるが、この件で対象として発表されているのは、イベント「みんなの美尻フェスタin掛川」のメールマガジンを受け取ることを希望した324名だけである。
「中部電力」という名前で情報漏洩を調べる人の中には、電気の契約者として自分の情報が漏れたのではないかと心配している人が多いはずである。 2026年10月27日時点の発表の範囲では、電気やガスの契約情報は対象に入っていない。 中部電力のメールマガジンのうち、イベント「みんなの美尻フェスタin掛川」のものを受け取る登録をした覚えが無い人は、発表の対象に当たらない。
もう1つ、件数と一緒に読んでおきたいのが「可能性」という言葉である。 中部電力の発表は、情報が漏えいした「可能性がある」と書き、同時に「現時点で具体的な情報漏えいの事実は確認されておりません」と書いている。 この2つは矛盾しているのではなく、不正アクセスを受けたシステムに情報が保管されていたので漏えいの可能性は否定できないが、実際に持ち出されたかどうかはまだ確かめられていない、という段階を表している。 ラクスライトクラウド側の調査が進むと、中部電力の配信先リストが実際に持ち出されたのか、持ち出されていなかったのかがはっきりする可能性があり、そのときには中部電力から続報が出ることが考えられる。 ただし、続報の有無や時期は発表に書かれていないので、この記事では予測として書かない。
なお、中部電力は2026年8月4日にも、第三者機関からの情報提供を受けて一部のシステムに関する資格情報が不正に利用され、役職員の電子メールの一部と中部電力グループの連絡先情報が漏えいした可能性があると発表している。 今回のメールマガジンの件は、それとは別の事案で、対象のシステムも対象者も違う。 検索結果には別の事案の件数や、報道が独自に集計した数字も混ざって出てくるので、今回の件の数字は2026年10月26日の発表に書かれた324名だけと押さえておきたい。
原因について発表されていること
中部電力の発表は、原因について「本事案が発生した要因につきましては、ラクスライトクラウドにおいて詳細を確認中」と書いている。 つまり、中部電力側のシステムが攻撃されたのではなく、委託先の先で使われていた外部のメール配信システムが不正アクセスを受けたという位置づけで、原因の詳しい説明はラクスライトクラウドの発表に委ねられている。
ラクスライトクラウドの発表は、2026年10月26日17時の更新時点で、原因を次のように書いている。
外部の第三者が、弊社の API 用のサーバー 2 台に侵入してコマンドを実行し、そこから弊社の販売管理システムとサービスのデータベースに接続して、データを持ち出しました。 侵入経路の詳細は調査中です。 出典: info.blastmail.jp
APIとは、外部のプログラムからブラストメールの機能を呼び出すための窓口のことで、契約者が自社のシステムからメールの配信を自動で行うときに使う。 ラクスライトクラウドの発表によると、攻撃者はこのAPI用のサーバー2台に入り込み、そこから契約者の情報を管理する販売管理システムと、配信先のリストなどを保管するサービスのデータベースに接続して、データを持ち出した。 どうやってサーバーに入り込んだのか、つまり侵入経路は、2026年10月27日時点で調査中とされている。
同じ発表は、影響の範囲として、販売管理システムから全ての契約者の情報が持ち出されたことを確認したと書き、配信先のリストなど契約者情報以外の漏えいが確認された契約を345件としている。 この345件は外部機関の調査の進み具合で変わる可能性があると注記されている。 ラクスライトクラウドの発表には、どの会社の配信先リストが漏えいしたかという一覧は無く、中部電力の配信先リストがこの345件に含まれているかどうかは、2026年10月27日時点では両社の発表のどちらからも読み取れない。
ブラストメールは、中部電力の他の会社や自治体もメールマガジンの配信に使っている。 2026年10月21日の緊急停止の後、ブラストメール経由で自分のところの配信先の情報が漏えいした可能性があると公式に発表した会社や自治体は、中部電力だけではない。 ただし、どの会社が対象で、それぞれ何件かは各社の発表で確かめる必要があり、この記事では中部電力の件に絞って書く。
委託の構造を整理する。中部電力、中電クラビス、委託先、ブラストメール
この件を分かりにくくしているのは、中部電力とブラストメールの間に複数の会社が入っている点である。 発表と訂正を合わせて読むと、並びは次のようになる。
- 中部電力:イベントのメールマガジンの配信業務を中電クラビスに委託した
- 中電クラビス:中部電力から委託を受け、配信業務を自社の委託先に委託した
- 中電クラビスの委託先:ラクスライトクラウドのブラストメールを使って配信していた
- ラクスライトクラウド:ブラストメールを運営する会社で、ブラストメールが不正アクセスを受けた
最初のプレスリリースでは3番目の会社を「中電クラビスの再委託先」と書いていたが、同じ日の訂正で「中電クラビスの委託先」に直された。 中電クラビスから見れば自社の委託先であり、中部電力から見ればこの会社は委託先の委託先に当たるため、「再委託先」と書くか「委託先」と書くかは、どの会社を起点にするかで変わる。 訂正の内容は言葉の整理であって、会社の数や関係そのものを変えるものではない。
利用者の立場で押さえておきたいのは、自分の氏名とメールアドレスを登録した相手は中部電力のイベントであっても、実際にそのデータを保管していたのは外部のメール配信システムだったという点である。 会社が顧客の情報を外部のシステムに預けて使うこと自体は珍しくなく、個人情報保護法は、預けた先(委託先)を監督する義務を預けた側の会社に課している。 今回は、その預け先のシステムが攻撃を受けた。 中部電力の発表は、個人情報保護委員会への報告を中部電力から行ったと書いており、委託元としての報告を自社で行っている。
中部電力と中電クラビスの対応として発表されていること
発表の「対応状況」と「お客さまへのお願い」に書かれていることを、そのまま整理する。
- 要因はラクスライトクラウドにおいて詳細を確認中
- 現時点で、この件に起因する不正利用などの被害は確認されていない
- 中部電力から個人情報保護委員会へ報告を行っている
- 中部電力や中電クラビスを装った不審な電話、SNSなどに十分注意し、心当たりのない連絡を受けた場合は応じないよう呼びかけている
- 問い合わせ先として「みんなの美尻フェスタin掛川」事務局(中電クラビス株式会社内)の電話番号と受付時間を掲載
発表に書かれていないことも、同じくらい大事である。 対象者324名への個別の通知を行うかどうか、行う場合はメールか郵便か、といった連絡の方法は発表に書かれていない。 パスワードの初期化やログインの制限といった措置も書かれていないが、これはメールマガジンの配信先にはパスワードのような認証情報が含まれていないためと考えるのが自然で、発表の項目にもパスワードは入っていない。 お詫びの品や補償についての記載も無い。 発表に無いことはこの記事でも書かず、今後の続報で分かった時点で確かめるのがよい。
自分が対象かどうかを確かめる方法
対象かどうかを分ける条件は1つで、イベント「みんなの美尻フェスタin掛川」のメールマガジンの配信を希望したかどうかである。 中部電力の電気を契約しているかどうかは関係ない。 確かめる手順は次のとおりになる。
- 自分のメールの受信箱で「美尻フェスタ」「掛川」「中電クラビス」といった語を検索し、イベントのメールマガジンを受け取っていたかを確かめる
- 受け取っていた覚えがある、または登録した覚えがあるなら、発表の対象に当たる可能性が高い
- 自分が対象かどうかをはっきりさせたいときは、発表に載っている「みんなの美尻フェスタin掛川」事務局に電話で問い合わせる
発表には、対象者に個別の連絡を行うかどうかが書かれていないため、連絡を待つだけでは対象かどうかが分からない可能性がある。 配信を希望した覚えがあるなら、連絡が無くても対象として扱われているものと考えて、後の節の対策を取っておくのが安全である。
メールアドレスが過去の漏えい事案に含まれているかを自分で調べる方法としては、海外の無料サービスで自分のメールアドレスを検索する手がある。 使い方と結果の読み方はHave I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩で説明している。 ただし、今回の件はまだ漏えいの事実が確認されておらず、こうしたサービスに登録されるかどうかも分からないため、検索して出てこなかったからといって対象外と判断することはできない。
利用者がすること
漏れた可能性がある項目が氏名とメールアドレスの2つに限られているので、対策もその2つに合わせて組み立てればよい。 クレジットカードの情報は発表の項目に入っていないので、カードの利用明細を急いで確かめる必要は、発表の範囲では生じていない。 パスワードも発表の項目に入っていないので、この件だけを理由にあちこちのパスワードを変える必要もない。 氏名とメールアドレスの組み合わせが第三者の手に渡った場合に起こりうるのは、本人の名前を宛名にした偽のメールが届くことと、そのメールアドレスをログインIDにしている別のサービスでの不正ログインの試みである。 対策は次の3つに絞れる。
中部電力や中電クラビスを装ったメールを疑う
氏名が分かっているので、「〇〇様」と本名の宛名が入った偽のメールが届く可能性がある。 宛名が本名だから本物だ、と判断しないことが第一になる。 中部電力の発表は、中部電力や中電クラビスを装った不審な電話やSNSに注意し、心当たりのない連絡には応じないよう呼びかけている。 電話番号は発表の項目に入っていないが、会社がわざわざ電話とSNSに触れているのは、氏名とメールアドレスを足がかりに別の経路で接触してくる手口を想定しているためと読める。 メールの中のリンクを押して電気料金の支払いやログインを求められたら、そのメールからは操作せず、中部電力のサイトをブラウザで直接開いて確かめる。
メールアドレスをIDにしているサービスの守りを固める
メールアドレスは、多くのサービスでログインIDとして使われている。 今回メールアドレスが漏えいした可能性があるということは、そのアドレスをIDにしているサービスで、パスワードを当てにくる試みを受ける土台ができたということになる。 パスワードを複数のサービスで使い回している人は、この機会に、同じアドレスをIDにしているサービスから順に別々のパスワードに変えておくとよい。 パスワードそのものは今回の件で漏れていないので、全部を一度に変える必要はなく、お金に関わるサービスから順に進めれば足りる。
あわせて、二段階認証を使えるサービスでは有効にしておく。 二段階認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンのアプリやSMSで届く一時的な番号の入力を求める仕組みのことで、パスワードが当てられてもそれだけではログインできなくなる。 仕組みと設定の考え方はMFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版に詳しくまとめてある。
メールマガジンの登録先を見直す
今回の件で分かるのは、メールマガジンに登録した氏名とメールアドレスは、登録先の会社ではなく、その会社が使う配信システムに保管されるということである。 使わなくなったメールマガジンは配信停止の手続きをしておくと、保管されている先が1つ減る。 配信停止の手続きの後も一定期間はデータが残ることがあるが、登録先を減らしておくこと自体が、次に同じような事案が起きたときに対象になる確率を下げる。
偽のメール・SMS・電話の見分け方
この件を利用した偽の連絡が来るとすれば、「情報漏えいのお詫び」や「補償の手続き」を装う形が考えられる。 見分けるときの目安を具体的に書く。
- 送信元のメールアドレスの「@」より後ろが、chuden.co.jp のような中部電力のドメインになっているかを確かめる。表示名が「中部電力」でも、アドレスが無関係なドメインなら偽物と考える
- 本文の中のリンクにカーソルを合わせ、表示される実際のURLが中部電力のドメインかを確かめる。短縮URLや見慣れない文字列のときは押さない
- 「本日中に手続きしないと」「24時間以内に」のように期限で急がせる文面は、偽の連絡でよく使われる型である
- 補償金の受け取りと称して、クレジットカードの番号や銀行口座、本人確認書類の画像の入力を求めるものは応じない。中部電力の2026年10月27日時点の発表には補償の記載は無い
- 電話で「中部電力です」と名乗り、パスワードや暗証番号を聞き出そうとするものは応じない。会社が電話で暗証番号を聞くことは通常無い
- SMSで届く「料金が未払いです」「サービスが停止されます」のリンクは、開かずに中部電力のサイトや契約中の会員ページから確かめる
迷ったときは、そのメールや電話の指示どおりに動かず、発表に載っている事務局の番号か、中部電力のサイトに載っている公式の窓口に自分からかけ直すのが確実である。 会社や職場で、従業員に偽メールの見分け方を身につけてもらう取り組みを考えているなら、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドが訓練の設計と効果の測り方を説明している。
問い合わせ先
中部電力の発表に載っている問い合わせ先は次の1つである。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 中部電力株式会社「みんなの美尻フェスタin掛川」事務局(中電クラビス株式会社 内) |
| 電話番号 | 052-223-0339 |
| 受付時間 | 9時から17時(土曜・日曜・祝日を除く) |
メールやWebフォームの窓口は発表に載っていない。 電気やガスの契約に関する通常の問い合わせ窓口は今回の件の窓口ではないので、この件を確かめたいときは上の事務局にかける。
ブラストメールを運営するラクスライトクラウドの窓口は、ブラストメールを契約している会社向けのものであり、メールマガジンを受け取る側の個人が自分の情報について問い合わせる窓口ではない。 個人が自分の情報の扱いを確かめる相手は、情報を預けた先である中部電力の事務局になる。
在宅で仕事をする人が、メール配信サービスを仕事で使っている場合
この件は、受け取る側としてだけでなく、送る側として読む必要がある人もいる。 在宅で仕事をしていて、自分の顧客や講座の受講者にお知らせを送るためにメール配信サービスを使っている人は、配信先のリストをそのサービスに預けている「委託元」の立場にある。 今回のブラストメールの件では、契約者の情報が持ち出されたことに加え、一部の契約者の配信先リストの漏えいも確認されているため、ブラストメールを使っていた人は自分の配信先、つまり取引先や顧客の情報が対象になっていないかを確かめる必要がある。
個人情報保護委員会の漏えい等の対応とお役立ち資料のページは、事業者に報告が義務付けられる場合を4つ挙げており、その1つが「不正の目的をもって行われたおそれがある」行為による個人データの漏えい等(そのおそれを含む)である。 「不正の目的をもって」の主体には、従業者だけでなく盗難などの第三者も含まれると書かれ、例として「不正アクセスにより個人データが漏えいした場合」が載っている。 この類型には人数の下限が無く、不正な目的のおそれがある場合の報告の期限は、発覚した日から60日以内とされている。 また、同じページは「不正検知を行う専門家等の第三者から漏えいのおそれについて連絡を受けた場合」も例に挙げているので、配信サービスの運営会社から漏えいのおそれの連絡を受けた段階で、報告の要否を考え始めることになる。
一方で、個人情報保護委員会の別のFAQは、住所、電話番号、メールアドレス、SNSアカウントだけの漏えいは、「不正に利用されることにより財産的被害が生じるおそれがある個人データの漏えい等」には直ちに当たらないという考え方を示している。 これは報告の4つの類型のうち別の1つについての説明であり、不正アクセスの類型に当たるかどうかとは別の話になる。 自分の配信先リストがどの類型に当たるか、個人事業主として報告が要るかは、預けていた項目と状況で変わるので、個人情報保護委員会のページと相談窓口で確かめるのがよい。
ラクスライトクラウドは、ブラストメールの契約者向けに、個人情報保護委員会への報告を同社と連名で行う案内を2026年10月23日に公開している。 連名での報告を申し込む期限は2026年10月29日とされ、連名で報告する場合でも、配信先リストの漏えいが確認された契約者は、配信先の本人への通知を自分で行う必要があると書かれている。 ブラストメールを仕事で使っていた人は、この案内のページと、同社から届く個別の連絡を確かめた上で、報告の方法を決めることになる。
取引先に知らせるかどうかの考え方も整理しておく。 自分の配信先に取引先の担当者のメールアドレスが含まれていて、配信サービスの運営会社から漏えいまたはそのおそれの連絡を受けたなら、取引先には早めに事実を伝えるのが筋になる。 伝える内容は、どのサービスで、いつ、どの項目が対象になった可能性があるか、運営会社の発表のURL、そして自分がこれから行うこと(委員会への報告の有無、配信サービスの変更など)で足りる。 事実が確定していない段階でも、「可能性がある」と「確認されていない」をそのまま伝えればよく、中部電力の発表の書き方はその手本になる。
在宅で仕事をする人がアカウントや顧客の情報を守る力は、仕事を受ける上での信用にもつながる。 在宅ワーク求人サイトでも、情報の扱いに関わる仕事は、セキュリティの基本を押さえている人が求められる分野である。 AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、セキュリティの知識を活かせる在宅の仕事の種類と、求められる経験を整理している。 また、小さな会社や個人事業で、メール配信や顧客管理のシステムを選び直すときの考え方と、国の補助金を使える範囲は中小企業のサイバーセキュリティ対策2026|IT導入補助金で防御力を強化する方法にまとめてある。
続報が出たときに確かめる点
2026年10月27日時点で、この件はまだ途中にある。 続報が出たときに読むべき点を先に挙げておく。
- 中部電力の発表が「漏えいした可能性」のままか、「漏えいを確認」に変わったか、または「漏えいは無かった」と確認されたか
- 対象者の数(324名)と項目(氏名、メールアドレス)に変更が無いか
- 対象者への個別の連絡が行われるか、行われる場合はどの方法か
- ラクスライトクラウドの発表で、侵入経路と、配信先リストの漏えいが確認された契約の件数がどう更新されたか
- ブラストメールのサービス再開の時期と、再開の条件
続報を確かめる場所は、中部電力のサイトのプレスリリースの一覧と、ラクスライトクラウドのお知らせのページの2つで足りる。 検索結果に出てくる解説記事や掲示板の書き込みは、公表の時点から時間が経つと古い情報のまま残ることが多いので、日付を見て、必ず公式の発表に戻って確かめる。 この記事も、2026年10月27日時点の公式発表の範囲で書いたものであり、その後の続報で内容が変わる可能性がある。
よくある質問
Q. 中部電力の電気を契約しているだけでも、今回の情報漏えいの対象になりますか?
2026年10月27日時点の発表では、対象はイベント「みんなの美尻フェスタin掛川」のメールマガジンの配信を希望した324名に限られています。電気やガスの契約情報は対象に挙げられていません。このメールマガジンに登録した覚えが無い人は、発表の範囲では対象に当たりません。
Q. 漏えいした可能性がある情報に、クレジットカードや口座の情報は含まれますか?
発表が挙げている項目は氏名とメールアドレスの2つだけで、クレジットカード番号や銀行口座、住所、電話番号は項目に挙げられていません。カードの利用明細を急いで確かめる必要は、発表の範囲では生じていません。ただし、氏名を宛名にした偽のメールには注意が要ります。
Q. 自分が対象かどうかは、どこに問い合わせれば分かりますか?
発表に載っている問い合わせ先は、中部電力「みんなの美尻フェスタin掛川」事務局(中電クラビス株式会社内)で、電話番号は052-223-0339、受付時間は9時から17時(土曜・日曜・祝日を除く)です。対象者への個別の連絡を行うかどうかは発表に書かれていないので、登録した覚えがあるなら自分から問い合わせるのが確実です。
Q. パスワードを変える必要はありますか?
今回の発表の項目にパスワードは含まれていないので、この件だけを理由に全てのパスワードを変える必要はありません。ただし、漏えいした可能性があるメールアドレスをログインIDにしているサービスでパスワードを使い回している場合は、お金に関わるサービスから順に別々のパスワードに変え、二段階認証を有効にしておくと安全です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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