バーンダウンチャートの見方と作り方|残りの作業量で進み具合をつかむ方法


この記事のポイント
- ✓バーンダウンチャートの見方と作り方を
- ✓理想線と実績線の読み方
- ✓線の形ごとに分かること
バーンダウンチャートとは、残っている作業の量を縦の軸、日付を横の軸にとり、作業が減っていく様子を線で表したグラフです。「予定どおりに減っていれば、この線に沿って下がっていく」という理想の線と、実際に残っている作業の量の線を並べて見ることで、仕事が予定より進んでいるのか遅れているのかを、ひと目でつかめます。
ソフトウェア開発のスクラムの現場でよく使われてきた図ですが、仕組みはとても単純なので、資料の作成、Webサイトの更新、事務の作業の消化など、決まった期間で決まった量の仕事を片づけるチームなら、どこでも使えます。この記事では、バーンダウンチャートの見方、線の形ごとに分かること、Googleスプレッドシートで作る手順、作業量の測り方の選び方、使うときの注意点を順に説明します。日々の作業をカードで管理し、残りの作業を数えやすくする道具の選択肢の1つとして、カンバンのボードを使えるPinatecaも紹介します。
バーンダウンチャートとは何か
バーンダウンチャートの「バーンダウン」は、英語で「燃え尽きる」という意味です。作業の山が燃えて少しずつ小さくなっていくように、残りの作業が減っていく様子を表しています。
図の作りは、次のとおりです。
- 横の軸:日付。期間の初日から最終日まで
- 縦の軸:残っている作業の量。作業の件数、見積もりの時間、ポイントなど
- 理想の線:初日の作業の量から、最終日にゼロになるまで、まっすぐ下がる線
- 実績の線:毎日の終わりに数えた、実際に残っている作業の量をつないだ線
たとえば、10日間で40件の作業を終える計画なら、理想の線は、初日の40件から1日に4件ずつ下がり、10日目にゼロになる直線です。実績の線が理想の線より上にあれば、予定より作業が残っている、つまり遅れていることを、下にあれば予定より進んでいることを表します。
スクラムガイドでの位置づけ
スクラムを考案した2人が公開している「スクラムガイド」の日本語版では、進み具合の見通しを立てるための方法として、バーンダウン、バーンアップ、累積フローなどさまざまなやり方があると紹介しています。そのうえで、これらは役に立つものの、実際に起きたことをもとに判断するという考え方の大切さに取って代わるものではない、とも書かれています。バーンダウンチャートは、未来を言い当てる道具ではなく、ここまでの実績から、いまの状況を確かめるための道具だということです。
バーンダウンチャートの見方
バーンダウンチャートを読むときは、理想の線と実績の線の位置関係と、実績の線の傾きを見ます。
実績の線が理想の線の上にある
予定より作業が残っている状態です。このまま進むと、期間の終わりまでに作業が終わらない可能性があります。上にある幅が大きいほど、遅れが大きいことを表します。
実績の線が理想の線の下にある
予定より作業が進んでいる状態です。期間の終わりより前に作業が終わる見込みがあります。ただし、下にあるからといって必ずしも良いとは限りません。最初の見積もりが大きすぎた可能性もあるので、次の期間の計画の参考にします。
実績の線の傾き
実績の線の傾きは、1日に片づけている作業の量を表します。傾きが急なら作業がよく進んでいて、平らなら作業があまり減っていません。直近の数日の傾きをそのまま先に伸ばしてみると、期間の終わりにどれくらい作業が残りそうかの見当が付きます。
数字で読む例
10日間で40件の計画で、5日目の終わりに残りが26件だったとします。理想の線では5日目の終わりに残り20件なので、6件の遅れです。ここまでの5日間で減ったのは14件、1日あたり2.8件です。残りの5日間で26件を片づけるには、1日あたり5.2件のペースが必要になります。このペースの差を見て、作業を減らすのか、人を増やすのか、期限を見直すのかを、早めに話し合えます。
このとき、1日あたり5.2件という数字が、これまでの2.8件と比べて現実的かどうかを考えます。ほぼ倍のペースが必要なので、同じやり方のままでは間に合わない可能性が高いと判断できます。そうであれば、優先度の低い作業を次の期間に回して残りを減らす、ほかの仕事を一時的に止めて作業の時間を確保する、関係者に期限の見直しを相談する、といった選択肢を、期間の半ばのうちに検討できます。期間の最終日になってから「終わりませんでした」と伝えるのと比べて、取れる手がずっと多くなります。
線の形ごとに分かること
実績の線の形には、よく見られるパターンがあります。形から、チームで起きていることを読み取れます。
| 線の形 | 起きていることの例 | 考えられる対応 |
|---|---|---|
| 理想の線に沿ってなめらかに下がる | 作業の大きさがそろい、毎日着実に終わっている | そのまま続ける |
| 最初は平らで、終わりに急に下がる | 作業が大きすぎて、途中まで「終わった」と数えられない/最後にまとめて確認している | 作業を小さく分ける、確認を小分けにする |
| 途中で上に跳ね上がる | 期間の途中で作業が追加された、見積もりが見直された | 追加の作業を次の期間に回せないか話し合う |
| ずっと平らなまま | 作業が止まっている、または実績を更新していない | 止まっている理由を確かめる、更新の決まりを見直す |
| 最初に急に下がり、あとは平ら | 簡単な作業から先に片づけ、難しい作業が残っている | 難しい作業を早めに分けて、手をつける |
特によく起きるのが、2つ目の「最初は平らで、終わりに急に下がる」形です。1つの作業が大きすぎると、何日も「進行中」のままで、終わったと数えられるのは最終日近くになります。この形が続くときは、作業を1日から2日で終わる大きさに分けるだけで、線がなめらかになり、遅れにも早く気づけるようになります。
バーンダウンチャートを使うメリット
バーンダウンチャートを使うと、チームの仕事にどんな良いことがあるのでしょうか。システム会社のブログでは、次のように説明しています。
バーンダウンチャートは作業の視覚化だけでなく、チームの生産性や作業スピードの向上にもつながります。実際の作業量が理想的な作業量と大きく異なる場合は、チーム全体の生産性を高める取り組みも必要でしょう。 出典: products.sint.co.jp
具体的には、次の4つのメリットがあります。
遅れに早く気づける
期間の終わりになって初めて「終わらない」と分かるのではなく、途中の段階で、理想の線との差として遅れが見えます。3日目に遅れに気づけば、残りの7日で手を打てます。
チーム全員が同じ数字を見られる
「順調です」「少し遅れています」といった感覚の報告ではなく、残りの作業の量という同じ数字を、チーム全員で見られます。報告する人によって受け取り方が違う、ということがなくなります。
作業の追加が目に見える
期間の途中で作業が追加されると、実績の線が上に跳ね上がります。追加の依頼がどれだけチームの負担になっているかを、関係者に図で示せるので、「この依頼は次の期間に回しましょう」と話し合いやすくなります。
次の計画が立てやすくなる
期間ごとに、実際に片づけられた作業の量が記録として残ります。数回くり返すと、チームが1つの期間でどれくらいの作業を終えられるかの目安が分かり、無理のない計画を立てやすくなります。
作業量の測り方を決める
バーンダウンチャートを作る前に、縦の軸に何をとるか、つまり作業の量を何で測るかを決めます。主な方法は3つです。
| 測り方 | やり方 | 向いている場面 | 気をつける点 |
|---|---|---|---|
| 作業の件数 | 残っている作業の数を数える | 作業の大きさがそろっている、始めたばかりのチーム | 大きな作業と小さな作業が同じ1件になる |
| 見積もりの時間 | 残っている作業の見積もり時間を合計する | 時間で計画を立てている、業務委託の稼働を管理している | 見積もりの精度に左右される |
| ポイント | 作業の大きさを相対的な点数で表し、残りの点数を合計する | スクラムに慣れたチーム | 点数の付け方をチームでそろえる必要がある |
初めて使うなら、作業の件数で始めるのがいちばん簡単です。そのかわり、作業を同じくらいの大きさに分けておくことが大切です。1件が半日で終わる作業と、1件が3日かかる作業が混ざっていると、件数が減っても実際の進み具合とずれてしまいます。
見積もりの時間で測る場合は、作業を終えたら残りの時間をゼロにし、途中の作業は「残りあと何時間か」を見積もり直して更新します。最初の見積もりから使った時間を引くのではなく、残りを見積もり直すのがこつです。
Googleスプレッドシートでの作り方
バーンダウンチャートは、専用の道具がなくても、表計算ソフトで作れます。ここでは、Googleスプレッドシートで作る手順を説明します。
ステップ1:期間と作業の量を決める
まず、期間の初日と最終日、初日の時点で予定している作業の量を決めます。ここでは、10営業日で40件の作業を終える計画を例にします。
ステップ2:表を作る
シートに、次のような3つの列を作ります。
| 日付 | 理想の残り | 実績の残り |
|---|---|---|
| 1日目(開始時) | 40 | 40 |
| 1日目の終わり | 36 | 38 |
| 2日目の終わり | 32 | 35 |
| 3日目の終わり | 28 | 30 |
| 4日目の終わり | 24 | 27 |
| 5日目の終わり | 20 | 26 |
理想の残りは、初日の作業の量を日数で割った量ずつ減らしていきます。この例では1日に4件ずつです。表計算の数式で、1つ上の行から4を引くようにしておくと、期間や量を変えたときにも直しやすくなります。実績の残りは、毎日の終わりに実際に残っている作業の数を書き込みます。まだ来ていない日の実績の欄は、空けたままにしておきます。
ステップ3:折れ線グラフにする
Googleのヘルプでは、グラフを作る手順を、グラフに含めるセルを選び、[挿入]、[グラフ]の順にクリックする、と説明しています。表の3つの列を選んでグラフを挿入し、グラフの種類が折れ線グラフになっていなければ、右側の設定でグラフの種類を折れ線グラフに変えます。理想の残りと実績の残りが2本の線で表示されれば、バーンダウンチャートの完成です。
ステップ4:毎日、同じ時刻に更新する
実績の残りは、毎日同じ時刻に数えて書き込みます。朝の打ち合わせの前に更新すると決めておけば、打ち合わせでグラフを見ながら話せます。更新の担当を1人決めておくと、更新の忘れを防げます。
Excelでも、同じ表から折れ線グラフを作れます。操作の手順は、Microsoftのサポートページで使っている版に合わせて確かめてください。
作業の分け方で、図の正確さが決まる
バーンダウンチャートが実態を正しく表すかどうかは、作業の分け方でほとんど決まります。作業が大きすぎると、終わるまで何日も数字が動かず、線が平らなまま、最後に急に下がる形になります。これでは、途中で遅れに気づくという、バーンダウンチャートのいちばんの利点が失われます。
作業を分けるときの目安は、1つの作業が1日から2日で終わる大きさにすることです。たとえば、「営業資料を作る」という作業は、そのままでは何日かかるか分からず、途中の進み具合も見えません。これを、「伝えたいことを3つに整理する」「資料の構成を決める」「1枚目から5枚目の下書きを作る」「6枚目から10枚目の下書きを作る」「営業担当に見てもらう」「指摘を直す」のように分けると、1つずつが1日以内で終わり、毎日数字が動くようになります。
分けるときに気をつけたいのは、それぞれの作業が「終わった」と判断できる形にしておくことです。「資料を考える」のような作業は、どこで終わりなのかが人によって違います。「構成を決めて、チームのチャットで共有する」のように、終わりの状態が分かる書き方にすると、数え方がぶれません。
また、作業の大きさをできるだけそろえておくと、件数で数えたときにも実際の進み具合とずれにくくなります。どうしても大きさがそろわない場合は、件数ではなく見積もりの時間で数えるほうが向いています。
毎日の打ち合わせでの使い方
バーンダウンチャートは、毎日の短い打ち合わせで見ると、いちばん効果を発揮します。打ち合わせの最初に、前の日の終わりに更新した図を画面に映し、次の3つを確かめます。
- 実績の線は、理想の線と比べてどの位置にあるか
- 前の日に、作業はいくつ減ったか(減らなかった場合は、その理由)
- このペースで、期間の終わりまでに作業は終わりそうか
遅れが見えたら、その場で細かい原因を議論するのではなく、「打ち合わせのあとに関係する人で話す」と決めて、短い打ち合わせの時間を守ります。原因が分かったら、作業の順番を入れ替える、ほかの人が手伝う、期限の近い作業を優先する、といった手を、その日のうちに打ちます。
在宅のメンバーがいるチームなら、図を共有のスプレッドシートやチャットに毎朝貼り、メンバーが自分の時間に確かめられるようにしておく方法もあります。全員が同じ時間に集まれなくても、同じ図を見ていることが大切です。
期間の終わりの振り返りでの使い方
期間が終わったら、バーンダウンチャートを見ながら、チームで振り返りを開きます。図の形は、期間中に何が起きたかを思い出す手がかりになります。
まず、図の全体の形を見て、「どこで線が平らになったか」「どこで跳ね上がったか」「どこで急に下がったか」を確かめます。それぞれの時期に何があったのかを、チームで話します。たとえば、3日目から5日目に線が平らだったなら、その間にほかの急ぎの仕事が入っていた、確認待ちで作業が止まっていた、といった理由が出てくるはずです。
次に、期間の初めに計画した作業の量と、実際に終えた作業の量を比べます。計画どおりに終わらなかった場合は、見積もりが甘かったのか、途中で作業が追加されたのか、想定外の問題が起きたのかを分けて考えます。
最後に、次の期間で変えることを1つか2つ決めます。「作業を1日以内の大きさに分けてから計画する」「期間中の追加の依頼は、いったん次の期間の候補に回す」のように、具体的な行動にします。期間ごとの図を並べて保管しておくと、数回分を見比べたときに、チームのやり方が良くなっているかどうかも確かめられます。
休みの日の扱いと、計画の直し方
実際にバーンダウンチャートを作ると、細かいところで迷う点がいくつか出てきます。よくあるものを整理しておきます。
土日や祝日をどう扱うか
横の軸に暦の日付をそのまま並べると、土日や祝日には作業が減らないので、実績の線が平らになり、遅れているように見えます。チームが平日だけ働くなら、横の軸は営業日だけを並べ、理想の線も営業日の数で割って引くと、実態に合った図になります。メンバーの休暇が多い期間は、その分だけ計画する作業の量を減らしておきます。
作業が追加されたらどうするか
期間の途中で作業が追加された場合は、追加した日の実績の残りにその量を加え、追加したことを表の横にメモしておきます。理想の線は引き直さず、期間の終わりの振り返りで、追加の量を確かめます。追加が多い期間が続くなら、バーンアップチャートを併せて使うことを考えます。
作業が不要になったらどうするか
計画していた作業が不要になった場合も、その日の実績の残りから引き、理由をメモしておきます。不要になった作業を終わったことにしてしまうと、チームが実際に片づけた量が分からなくなるので、区別して記録しておくと、次の計画の参考になります。
バーンアップチャートとの違い
バーンダウンチャートとよく比べられるのが、バーンアップチャートです。バーンダウンチャートが「残っている作業の量」を表すのに対し、バーンアップチャートは「終わった作業の量」を、下から積み上げる線で表します。あわせて、全体の作業の量も、別の線で表します。
| 比べる点 | バーンダウンチャート | バーンアップチャート |
|---|---|---|
| 線が表すもの | 残っている作業の量(下がっていく) | 終わった作業の量(上がっていく)と全体の量 |
| 作業が追加されたとき | 実績の線が跳ね上がり、進んだ分と追加分が混ざって見える | 全体の量の線が上がるので、追加分と進んだ分を分けて見られる |
| 向いている場面 | 期間中に作業の量があまり変わらない、短い期間 | 期間中に作業の量が変わりやすい、長い期間 |
期間の途中で作業が追加されることが多いなら、バーンアップチャートのほうが状況を正しく伝えられます。バーンダウンチャートでは、作業を10件終えた日に新しい作業が10件追加されると、線が平らになり、何も進まなかったように見えてしまいます。バーンアップチャートなら、終わった作業の線は上がり、全体の線も上がるので、チームが作業を進めていたことが分かります。
どちらを使うか迷ったら、まずバーンダウンチャートで始め、途中で作業の追加が多いと感じたら、バーンアップチャートに切り替えるか、両方を並べて使います。
使うときの注意点
バーンダウンチャートは便利な図ですが、使い方を誤ると、かえってチームの動きを悪くすることがあります。同じブログでも、次のように注意しています。
バーンダウンチャートだけを見て進捗を把握しないようにしましょう。実際の作業には数値だけでは表現できない情報が多くあります。 出典: products.sint.co.jp
図だけで判断しない
線が理想どおりに下がっていても、品質に問題が残っていたり、メンバーが無理をしていたりすることがあります。逆に、線が遅れていても、難しい問題を1つ解決したばかりで、ここから一気に進む見込みがあることもあります。図は話し合いのきっかけとして使い、理由は必ずチームに聞きます。
人を責める道具にしない
バーンダウンチャートで遅れが見えたときに、誰の作業が遅れているかを責める場にしてしまうと、メンバーは作業を終わったことにしたり、見積もりを大きめに出したりするようになります。そうなると、図は実態を表さなくなります。遅れは、チームで原因を探して手を打つための情報として扱います。
「終わった」の基準をそろえる
作業を「終わった」と数える基準が人によって違うと、図は正しくなりません。「確認を受けて、提出まで済んだもの」のように、終わったと数える基準をチームで決めておきます。
期間の途中で計画を作り直しすぎない
遅れが見えるたびに理想の線を引き直していると、遅れが見えなくなります。作業の追加や削除は記録したうえで、理想の線は期間の初めに引いたものを残しておき、期間の終わりの振り返りで、計画と実績の差を話し合います。
スクラム以外のチームの仕事で使う例
バーンダウンチャートは、ソフトウェア開発以外でも使えます。ここでは、開発以外のチームでの使い方の例を3つ紹介します。
例1:Webサイトの記事の更新
20本の記事を2週間で書き直す計画を立てたチームなら、縦の軸を「書き直しが終わっていない記事の本数」にします。毎日、公開まで終わった記事の本数を引いていけば、2週間で終わるペースかどうかが分かります。途中で書き直す記事が追加されたら、その日の線が上がるので、追加の依頼がどれだけ負担になっているかを、依頼した人に見せられます。
例2:月末の事務作業
経理のチームで、月末の5営業日の間に、請求書の発行、経費の精算の確認、支払いの手続きなど、決まった数の作業を片づける場合にも使えます。毎月のバーンダウンチャートを並べて見ると、どの月に作業が詰まりやすいか、どの日に作業が止まりやすいかが分かり、次の月の段取りに生かせます。
例3:イベントの準備
イベントの準備で、当日までにやるべき作業が60件あるなら、当日までの日数で理想の線を引き、毎日残りの件数を記録します。準備の後半になって作業が一気に残っていることに気づく、という事態を防げます。
例4:資格の勉強
個人の勉強にも使えます。試験までの60日間で、問題集の300問を解き終える計画なら、理想の線は1日5問ずつ下がります。毎日、解き終えていない問題の数を記録していけば、試験の何日前にどれだけ遅れているかが分かり、週末に多めに進めるといった調整ができます。1人で使う場合も、計画と実績の差が目に見えることで、気持ちの面でも続けやすくなります。
業務委託やフリーランスと組む仕事で使うとき
社外のフリーランスや業務委託の人と一緒に仕事を進める場合も、バーンダウンチャートは役立ちます。離れた場所で働いていると、相手の作業がどこまで進んでいるかが見えにくく、「進み具合はいかがですか」というやり取りが増えがちです。残りの作業の量を同じ図で見られるようにしておけば、こうした確認の手間が減り、お互いに作業に集中できます。
使い方の例としては、次のような形があります。
- 依頼する側と受ける側で、作業の一覧と、終わったと数える基準を最初に決める
- 受ける側が、毎日の作業の終わりに、残りの作業の数を共有の表に書き込む
- 依頼する側は、週に1回ほど図を確かめ、遅れが見えたら早めに相談する
このとき大切なのは、図を相手の働きぶりを見張るための道具にしないことです。業務委託では、仕事の進め方は基本的に受ける側に任されています。図は、期限までに終わる見込みを一緒に確かめ、困ったときに早く相談するための共通の材料として使います。
受ける側にとっても、図を使うメリットがあります。依頼の途中で作業が追加されたときに、追加によって残りの作業がどれだけ増えたかを図で示せるので、期限の延長や報酬の見直しを相談しやすくなります。作業の範囲が広がることはよくあるので、最初の作業の一覧を残しておき、追加された作業を区別して記録しておくと、あとで話し合うときの根拠になります。
カードで作業を管理し、残りを数えやすくする
バーンダウンチャートを毎日更新するには、「いま、作業がいくつ残っているか」をすぐに数えられる状態にしておく必要があります。作業がメールやチャットや個人のメモに散らばっていると、毎日の数え直しに時間がかかり、更新が続きません。
作業を1か所で管理する方法として、作業を1件ずつカードにして、「未着手」「進行中」「確認待ち」「完了」の列に並べるカンバンのボードがあります。完了の列以外にあるカードの数を数えれば、その日の残りの作業の量が分かります。
カンバンのボードを使える道具の選択肢の1つが、Pinatecaです。公式サイトによると、Pinatecaにはカンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードがあり、カードには担当と締切を付けられます。カスタムフィールドで、見積もりの工数のような項目をカードに追加することもできるので、作業の件数だけでなく見積もりの時間で残りを数えたい場合にも使えます。リストのボードでは全件を表で並べて絞り込めるので、毎日の終わりに残っているカードを数えて、表計算ソフトのバーンダウンチャートに書き写す、という使い方ができます。5人までのチームならボード10個まで無料で、6人目または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円・税抜、年払いなら1人あたり月額400円)になります。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
作業を管理する場所と、バーンダウンチャートを作る場所が分かれていても構いません。大事なのは、作業の一覧が1か所にまとまっていて、毎日同じ基準で残りを数えられることです。
進み具合を数字でつかむ力が生きる仕事
最後に、バーンダウンチャートのように、進み具合を数字でつかむ力がどんな仕事で役立つかを見ておきます。
ソフトウェアの開発の現場では、スプリントごとにバーンダウンチャートを見ながら進み具合を確かめることがよくあります。アプリケーション開発のお仕事では、Webアプリやスマートフォンのアプリを作る仕事の内容を紹介しています。業務委託で開発チームに加わる場合も、自分の担当の作業の残りを正しく更新することが、チーム全体の見通しを支えます。
研究や調査の仕事でも、期限までに分析する件数や、読む資料の数が決まっている場面では、残りの量を図にして管理すると、遅れに早く気づけます。研究者の年収・単価相場では、研究職の年収の目安と、業務委託で調査や分析を受けるときの単価の目安を紹介しています。
デザインや制作の仕事では、修正の依頼が期間の途中で増えることが多いので、バーンアップチャートのように追加の分を分けて見られる図が役立ちます。デザイナーの年収・単価相場では、デザイナーの年収と、業務委託で受けるときの単価の目安を紹介しています。
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、離れた場所で働く人どうしの仕事が順調に進むかどうかは、「いまどこまで進んでいるか」を、言葉ではなく同じ数字で共有できているかに大きく左右されます。依頼する側が「順調ですか」と聞き、受ける側が「順調です」と答えるだけのやり取りでは、遅れが見えるのは締め切りの直前になりがちです。残りの作業の量を毎日1つの数字で共有していれば、早めに相談でき、作業の範囲や期限を一緒に見直せます。仲介の手数料がかからない直接の取引では、こうした相談をすぐに相手と直接できることも、仕事を立て直しやすくする理由の1つです。
よくある質問
Q. バーンダウンチャートとは何ですか?
残っている作業の量を縦の軸、日付を横の軸にとり、作業が減っていく様子を線で表したグラフです。予定どおりならこう減るという理想の線と、実際に残っている作業の量の線を並べることで、予定より進んでいるか遅れているかをひと目でつかめます。スクラムの現場でよく使われますが、決まった期間で決まった量の仕事を片づけるチームならどこでも使えます。
Q. バーンダウンチャートの縦の軸には何をとればよいですか?
作業の件数、見積もりの時間、ポイントの3つが主な方法です。初めてなら作業の件数がいちばん簡単ですが、作業を同じくらいの大きさに分けておく必要があります。時間で計画を立てているなら見積もりの時間を使い、途中の作業は残りの時間を見積もり直して更新します。チームの中で測り方をそろえることが大切です。
Q. バーンダウンチャートはExcelやスプレッドシートで作れますか?
作れます。日付、理想の残り、実績の残りの3つの列を作り、理想の残りは初日の量から毎日同じ量ずつ減らし、実績の残りは毎日の終わりに実際の残りを書き込みます。この表を選んで折れ線グラフにすれば完成です。Googleスプレッドシートでは、セルを選んで挿入からグラフを選ぶ手順でグラフを作れます。
Q. バーンダウンチャートとバーンアップチャートはどう使い分けますか?
バーンダウンチャートは残りの作業の量を表すので、期間中に作業の量があまり変わらない短い期間に向いています。バーンアップチャートは終わった作業の量と全体の量を別の線で表すので、期間の途中で作業が追加されやすい場面でも、進んだ分と追加された分を分けて見られます。作業の追加が多いと感じたら、バーンアップチャートも併せて使います。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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