管理業務主任者のオンライン相談の仕事


この記事のポイント
- ✓管理業務主任者がオンラインで管理組合や区分所有者の相談を受ける仕事の形をまとめました
- ✓答えてよい範囲と渡すべき範囲
- ✓法令名を挙げながら整理します
管理業務主任者の資格を持っていると、思いのほか相談を受けます。親戚のマンションで修繕積立金が上がるらしい、友人の組合が管理会社を変えたいと言っている、自分の住むマンションで理事になった人から規約について聞かれた。そういう場面です。
先日、あるご相談を受けました。管理会社に勤めている方が、知人から「うちの組合の管理委託契約、内容が妥当か見てほしい」と頼まれ、無償で見てあげた。そのあと「お金を払うから継続して相談に乗ってほしい」と言われて、受けていいのか分からなくなったというのです。
結論から言うと、内容次第で受けられます。ただし、受けてよい部分と、受けると別の法律の領域に入る部分がはっきり分かれています。これ、知らない人が本当に多いんです。この記事では、オンライン相談という働き方の形と、その線引きを整理します。
オンラインで相談を受ける形が増えている理由
管理組合が抱えている問題は、この数年で確実に難しくなっています。建物の高経年化、修繕積立金の不足、役員のなり手不足、そして管理会社側の人手不足による委託費の値上げ。理事会は判断を求められる場面が増えているのに、判断材料を持っている人が組合の中にいない、という状態が各地で起きています。
一方で、相談先の選択肢は限られていました。管理会社に聞けば管理会社の立場からの答えが返り、弁護士に頼むほど紛争化はしておらず、マンション管理士を探すにも身近にいない。この隙間に、オンラインで単発の相談に応じる形が入り込んできました。
会議ツールが当たり前になったことも大きいです。理事会そのものがオンライン開催になっている組合が増え、外部の人が30分だけ入って説明する、という形が違和感なく受け入れられるようになりました。移動が要らないので、副業として時間を切り出しやすい働き方になっています。
とはいえ、実際にこの領域で動いている資格保有者は多くありません。近い資格であるマンション管理士のデータですが、こういう数字が出ています。
その中で副業でマンション管理士の業務を行っている人の割合をみると、資格取得者全体のうちの8%ほどです。 出典: studying.jp
つまり、資格を持っている人の92%は、副業としては動いていないということです。需要が増えているのに供給側が薄い。この構造は、これから入る人にとって不利には働きません。
どんな相談が持ち込まれるのか
オンライン相談で実際に来る相談は、ある程度の型に収まります。型を知っておくと、答えられる相談かどうかを最初の連絡の時点で判定できます。
管理委託契約と管理会社への不満
一番多い型です。委託費が上がった、担当者が変わってから連絡が遅い、清掃の品質が落ちた。理事会としてどう動けばいいか、という相談です。
ここで求められているのは、契約書のどこを見ればいいかという視点です。委託業務の範囲がどう書かれているか、再委託の扱いはどうか、解約の予告期間は何か月か。契約書を読み解く力そのものが商品になります。管理業務主任者として重要事項説明の実務に触れてきた人なら、契約書のどこに争点が潜むかを知っています。
修繕積立金と長期修繕計画
値上げの議案が出た、あるいは計画の見直し時期が来た、という相談です。工事会社から出てきた見積が妥当か、積立金の水準が他の組合と比べてどうか、段階増額方式と均等方式のどちらがいいか。
この型は、判断そのものより判断の枠組みを示すことが求められます。国土交通省が示している長期修繕計画のガイドラインや、修繕積立金に関する目安を土台に、その組合の数字を当てはめて説明する形です。
規約と細則の改正
民泊、ペット、電気自動車の充電設備、宅配ボックスの設置、専有部分のリフォーム基準。標準管理規約は改定を重ねていて、自分の組合の規約が何年版を土台にしているかを把握していない組合が多くあります。
ここでの相談は「うちの規約でこれは禁止できるのか」という形で来ます。答えるときに注意が必要なのは、規約の解釈が争いになっている案件かどうかです。すでに区分所有者との間で対立が起きている場合、話が変わります。後の章で扱います。
滞納と管理費の回収
管理費や修繕積立金を払わない住戸がある、という相談です。この型は、最初の連絡の段階で慎重に扱ってください。滞納債権の回収は紛争性が高く、法的手続きの話に直結します。
一般論としての手順、つまり督促の段階、内容証明の位置づけ、区分所有法に基づく先取特権や競売請求といった制度の説明までは、法令の解説として成立します。しかし、特定の滞納者に対して具体的にどう請求するかという段階に入ったら、弁護士につないでください。※この判断は迷ったら弁護士側に倒すのが正解です。
役員のなり手不足と総会運営
輪番制が回らない、委任状が集まらない、オンライン総会をやりたいがどう進めればいいか。運営実務の相談です。この型は紛争性が低く、答えやすい領域です。議事録の書き方、決議要件の確認、書面決議の手続き。実務経験がそのまま価値になります。
答えてよい範囲と、渡すべき範囲
ここが、この仕事の一番大事なところです。丁寧に整理します。
法令の説明と、個別の事案への当てはめは別物
一般論として法律や規約の仕組みを説明することと、目の前の具体的な紛争について「あなたのケースではこう請求すべきだ」と助言することは、法的に見て性質が違います。
前者は情報提供です。区分所有法に特別決議の定めがあること、標準管理規約がどういう構成になっていること、管理委託契約の解約にどういう手続きが要ること。これらを説明するのは、書籍やセミナーがやっていることと同じです。
後者は、報酬を得て法律事務を取り扱うという評価を受ける可能性があります。弁護士法には、報酬を得る目的で法律事件に関して法律事務を取り扱うことを制限する規定があります。つまり、争いになっている案件について、報酬をもらって具体的な対応方針を示す形は、この規定との関係を確認しなければいけません。
実務上の線引きとして、相談を受ける側に共通して求められる整理は次のとおりです。相手方が特定されていて、その相手方との間で権利義務の争いがある案件は、資料の整理と論点の洗い出しまでにとどめる。方針の決定と交渉は弁護士に渡す。この形なら、相談者にとっても弁護士費用の圧縮になります。
書類の作成そのものが目的になったとき
相談を受けているうちに、「では規約改正案を作ってください」「内容証明の文面を作ってください」という依頼に変わることがあります。ここでも確認が要ります。
他人の依頼を受けて報酬を得て官公署に提出する書類や、権利義務に関する書類を作成する業務は、行政書士法をはじめとする各資格の業務範囲に関わります。組合内部で使う資料の下書きと、法的効果を持つ書類の作成では位置づけが違います。自分が作ろうとしている書類がどちらなのか、迷うなら作る前に確認してください。行政書士の資格ガイドには、その資格が扱う書類の範囲が整理されているので、自分の受けようとしている依頼がその領域に入っていないかを見比べる材料になります。
名乗り方と、資格の建て付け
管理業務主任者は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律に定めのある資格です。同じ法律には、マンション管理業者が事務所ごとに管理業務主任者を置くことや、管理受託契約に関する重要事項の説明といった事務の定めがあります。これらの事務は、管理業者の従業者として行う建て付けになっています。
したがって、個人がオンライン相談の場で「管理業務主任者として重要事項説明を行います」といった打ち出し方をするのは、制度の想定と食い違います。また、同じ法律にはマンション管理士の名称に関する制限もあります。自分の肩書きの書き方が問題ないかは、条文と国土交通省の解説を確認したうえで判断してください。人づてに聞いた話や、他の人のプロフィールを真似る形で決めないことです。
法律は、範囲を守っている限りあなたを守ってくれます。範囲を曖昧にしたまま進むと、守ってくれるはずの規定が自分に向いてくるだけです。
相談を受ける場をどう作るか
では、実際に相談をどこで受けるか。オンライン相談の受け皿には、いくつかの型があります。
1つ目は、スポット相談のマッチングサービスです。専門知識を持つ人に30分から1時間の相談ができる形のサービスが複数あり、そこにプロフィールを登録して待つ形です。単価は5,000円〜2万円程度が中心で、実績が積み上がるまでは指名が入りにくい代わりに、集客の手間がかかりません。
2つ目は、業務委託のマッチングサービスです。相談やアドバイスをオンラインで提供する案件がどう募集されているかは、キャリア・副業・人生相談のお仕事にまとまっていて、面談形式の仕事がどういう条件で出ているかを確認できます。管理組合向けに絞った募集は多くありませんが、専門相談という枠組みでの受注実務は共通しています。
3つ目は、自分で発信して直接依頼を受ける形です。管理組合が抱える論点について記事を書いておくと、検索から相談が入ります。時間はかかりますが、単価をこちらで決められるのが利点です。この場合、書く仕事そのものが収入源にもなります。文章仕事の相場は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認でき、職業分類ベースの収入データが載っています。
4つ目は、管理会社や関連事業者の一次受けを代行する形です。管理会社のカスタマー窓口に入る問い合わせのうち、専門的な内容だけを外部に流す運用をしている事業者があります。この形は継続案件になりやすい代わりに、対応時間の縛りが出ます。副業として受けるなら、対応時間帯を先に確定させてください。
近年は、組合向けの情報整理や問い合わせ対応にデジタルの仕組みを組み合わせる動きも出ています。そうした技術寄りの案件がどう募集されているかはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確認できます。専門知識と仕組みづくりを掛け合わせられる人は、まだほとんどいません。
値付けをどう決めるか
相談業の値付けで失敗するのは、時間で測ってしまうときです。30分5,000円と決めると、準備に2時間かかる相談を受けたときに割に合いません。
現実的なのは、次の3段階に分ける形です。第1段階は、事前資料を見ない一般相談。規約や契約書を読まずに、口頭の質問に答える形です。ここは30分単位で値付けします。第2段階は、資料を事前に読む相談。管理委託契約書、規約、長期修繕計画といった資料を読み込んだうえで臨む形です。読み込みの時間を含めて見積もります。第3段階は、資料を読んだうえで書面の所見を出す形。ここが一番単価が高くなります。
副業として現実的な収入水準も見ておきます。
マンション管理士として副業している人の年収については、副業している人の59%が年収100万円未満で、年収100万円以上400万円未満が13%です。 出典: studying.jp
59%が年収100万円未満という分布です。本業を持ちながら相談を受ける形なら、この帯に入るのが自然だと考えてください。逆に言えば、月に数件の相談で年50万円前後という設計は、十分に現実的です。
なお、間に入る事業者の手数料は手取りに直結します。同じ1万円の相談でも、手数料が2割引かれる場と、手数料0%で直接やり取りする場では、手元に残る額が違います。相談業は1件あたりの単価が読みやすい分、この差がそのまま年間の収入差になります。
30分の相談を成立させる進め方
相談の質は、当日の話術ではなく事前の設計で決まります。実際に回っている形を書きます。
まず、申込みの時点で質問票を送ります。物件の築年数、総戸数、管理形態(全部委託か一部委託か自主管理か)、相談したい論点、すでに理事会で決まっていること。この5項目です。これがあるだけで、当日の最初の10分を状況確認に使わずに済みます。
次に、資料の受け取り範囲を決めます。管理規約、直近の総会議事録、管理委託契約書。この3点があれば大半の相談は成立します。すべての資料をくださいと言うと、相談者は準備が重くて連絡が止まります。
当日は、結論から話します。相談者が一番知りたいのは「この件はどう扱うのが普通か」です。背景説明から入ると時間が溶けます。結論、根拠となる規定、次にやること。この順で話すと30分で収まります。
そして必ず、当日中に要点を文章にして送ります。3行から5行で構いません。何を相談され、どう答え、どこは専門家に渡すべきと伝えたか。この記録が、あとで自分を守ります。相談内容が「言った言わない」になる場面は、実際に起きます。
起きやすいトラブルと、その防ぎ方
相談業でよくある食い違いを3つ挙げます。
1つ目は、相談者が「助言どおりにやったのに結果が違った」と言ってくる形です。これは、こちらが断定的に話したときに起きます。制度の説明と、結果の保証は別だということを、その場で明示してください。「この手続きを踏むのが一般的です。ただし総会の決議次第です」という言い方に変えるだけで、食い違いは減ります。
2つ目は、相談の途中で相手方が登場する形です。理事長からの相談だと思っていたら、途中から特定の区分所有者との対立の話になり、その人への対応を求められる。ここで役割が変わります。紛争の一方当事者の代理のような立場に入りかけていたら、その場で止めて、弁護士への相談をすすめてください。
3つ目は、無償の相談が延々と続く形です。知人経由の相談は、最初の1回が無償になりがちです。それ自体は悪くありませんが、2回目から有償にする線を最初に伝えておいてください。曖昧にしたまま続けると、断るタイミングを失います。
運営者として見てきた、相談業が続く条件
在宅の仕事を仲介する場を20年運営してきた立場から見ていると、相談を仕事にして続いている人には、共通した性質があります。
答えを出す速さではなく、答えられない範囲を明示する速さが早い、という点です。「それは私の範囲ではないので、弁護士に相談してください」と最初の10分で言える人のほうが、結果的にリピートされています。相談者は万能な人を探しているのではなく、判断の地図を持っている人を探しているからです。
もう1つ、続く人は記録を残しています。相談後の要点メモを毎回送る。この習慣がある人は、依頼者側から見て仕事が可視化されるので、次の依頼につながります。逆に、口頭で丁寧に答えているのに次が来ない人は、大抵この記録がありません。
そして手取りの構造です。相談業は原価がほとんどかからない仕事なので、報酬から差し引かれる分がそのまま利益の減少になります。同じ予算を出す依頼者から見ても、中間マージンが乗らない形のほうが、同じ金額でより多くの時間を買えます。双方が得をする構造なので、直接取引の形は相談業と相性がいい。手数料0%の意味は、金額の大小ではなく、限られた時間で動く副業にとっての実質時給が変わる点にあります。
相談という仕事の位置づけを、職種データから見る
在宅で成立する職種を横に並べて見ると、相談業は特殊な位置にあります。成果物がファイルではなく、時間そのものだからです。
たとえばソフトウェア作成者の年収・単価相場を見ると、在宅で完結する開発職は成果物が明確で、納品して終わる構造になっています。相談業はここが違います。時間を売る以上、単価を上げる以外に収入を伸ばす方法がありません。だからこそ、事前準備を減らす仕組みと、記録を型にする工夫が効いてきます。
管理業務主任者の知識は、相談という形にしたときに一番密度が高くなります。契約書のどこを見るか、規約のどこに落とし穴があるか、総会でどこが揉めるか。この判断の順番は、実務を通らないと身につきません。教科書に書いてある知識ではなく、順番を知っていることが商品になる。ここが、この資格でオンライン相談を始める人の強みです。
まずは、答えられる相談の型を3つ決めてください。管理委託契約、修繕積立金、総会運営。この3つに絞って受けるところから始めれば、範囲を外れる依頼を反射的に見分けられるようになります。法律はあなたの味方です。範囲を守る限り、この仕事はとても安全に続けられます。
相談の前に用意しておく「答えの型」
相談業を始めた人が最初につまずくのは、質問の幅が広すぎて準備しきれないという点です。ここは、あらかじめ答えの型を用意しておくことで解けます。
管理組合から来る相談は、突き詰めると次の5つの論点のどれかに落ちます。第1に、契約の中身が妥当かという論点。第2に、お金が足りるのかという論点。第3に、規約で禁止できるのかという論点。第4に、決議が取れるのかという論点。第5に、誰が責任を負うのかという論点です。
この5つについて、それぞれ「確認すべき資料」「根拠となる規定」「よくある誤解」を1枚にまとめておきます。たとえば契約の妥当性なら、確認する資料は管理委託契約書と重要事項説明書、根拠はマンションの管理の適正化の推進に関する法律の関係規定と国土交通省が示す標準管理委託契約書、よくある誤解は「解約は理事会だけで決められる」というものです。
この1枚があると、相談の場で調べながら話すという状態がなくなります。相談者が最も不安を感じるのは、答えの正確さではなく、答える人が迷っている様子を見たときです。型を持っている人は、迷いが見えません。
さらに、この5枚は資料としても使えます。相談後に該当する1枚を添えて送るだけで、こちらが提供した内容が形になって残ります。相談内容そのものを毎回文書化するのは負担が大きいので、共通部分を先に作っておく発想です。
副業として始める最初の90日
いきなり相談を受け始めるより、順番を踏んだほうが安全です。実際に立ち上がっている人の進み方を、90日で区切って書きます。
最初の30日は、範囲の確定に使ってください。自分が答えられる論点と、渡すべき論点を紙に書き出します。あわせて、勤務先の就業規則の副業規定を確認し、競業避止に触れない範囲を決めます。ここを飛ばして受注から入ると、あとで断れなくなります。前述の5つの型の資料を作るのも、この期間です。
次の30日は、無償または低額での実践に使います。知人の組合、自分が住むマンションの理事会、地域の相談会。金額の交渉が要らない場で、実際に人に説明する経験を積みます。ここで分かるのは、自分の説明のどこが伝わらないかです。専門用語を使わずに修繕積立金の段階増額を説明できるか。ここが最初の壁になります。
最後の30日で、有償の受け皿を作ります。スポット相談のマッチングサービスに登録する、業務委託の募集に応募する、自分の発信を始める。この段階でようやく集客の話に入ります。順番を逆にすると、受注してから慌てて準備することになり、品質が安定しません。
90日でいきなり収入が立つわけではありません。相談業は指名で動く仕事なので、最初の数件が出るまでに時間がかかります。ただし一度回り始めると、同じ組合から翌年も相談が来る形になりやすく、積み上がる性質があります。
守秘と個人情報の扱いを最初に決める
相談で受け取る資料には、区分所有者の氏名、住戸番号、滞納の有無、理事会での発言内容といった情報が含まれます。副業として自宅で扱う以上、扱い方を最初に決めておいてください。
具体的には4点です。第1に、資料は共有のパソコンで開かないこと。家族が使う端末に管理組合の資料を置かない。第2に、受け取ったファイルは相談終了後に一定期間で削除すること。削除の時期を相談者に伝えておくと、相手も安心します。第3に、クラウドで受け渡す場合は共有リンクの範囲を確認すること。誰でも閲覧できる設定のまま送られてくることが実際にあります。第4に、相談内容を事例として発信する場合は、物件が特定できない形まで抽象化すること。築年数と戸数と地域を並べただけで特定される場合があります。
これは信用の話であると同時に、事故が起きたときに副業そのものが終わるという実務の話でもあります。相談を受ける前に、守秘についての一文をメッセージで交わしておくだけでも、扱いの意識が変わります。
お金まわりで押さえておくこと
有償で相談を受ける以上、税務の扱いも押さえておきます。給与以外の所得が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要になります。相談料は源泉徴収されるものとされないものが混ざるので、受け取った金額と源泉税額を案件ごとに記録してください。
もう1点、報酬の受け取り方です。相談当日に口頭で金額を伝えて後日振込という形は、支払い遅延の原因になります。申込みの時点で金額と支払い時期を書面かメッセージで確定させ、可能なら事前決済にしてください。相談業は納品物が形として残りにくいため、対価の約束を先に固めておくほど後の揉め事が減ります。
これは相手を疑うという話ではありません。条件が明確な取引のほうが、相談者にとっても頼みやすいのです。金額と範囲と時間が最初から見えている相手には、次の相談も持ち込みやすくなります。
相談という仕事は、知識の量で勝負する仕事ではありません。相談者が抱えている状況を整理し、どの規定に当てはまるかを示し、自分の範囲を超える部分を正しい相手に渡す。この3つを毎回同じ手順で行えるかどうかで、続くかどうかが決まります。手順を型にしてしまえば、本業を持ちながらでも無理なく回せる働き方になります。
よくある質問
Q. 管理業務主任者の資格だけでオンライン相談を有償で受けても問題ありませんか?
規約や契約の一般的な仕組みを説明する情報提供であれば成立します。ただし争いのある個別事案について報酬を得て対応方針を示す形は、弁護士法が定める範囲との関係を確認する必要があります。相手方が特定された紛争案件は、資料整理までにとどめて弁護士へつないでください。
Q. オンライン相談1件あたりの相場はどのくらいですか?
30分から1時間のスポット相談で5,000円から2万円程度が中心です。事前に管理規約や委託契約書を読み込む場合は、その読み込み時間を含めて見積もってください。書面で所見を出す形が最も単価が高く、資料読解込みで数万円という設計が現実的です。
Q. 相談を受ける案件はどこで見つけられますか?
スポット相談のマッチングサービス、業務委託のマッチングサービス、自分の発信からの直接依頼、管理会社の一次受け代行という4つの経路があります。副業として始めるなら、対応時間帯を先に決められる単発型から入るほうが本業と両立しやすくなります。
Q. 管理会社に勤めながらオンライン相談の副業をしてもよいですか?
まず就業規則の副業規定を確認してください。あわせて勤務先が受託している管理組合からの相談は受けないなど、競業避止に配慮した線引きが必要です。勤務先と関係のない地域の組合や、一般的な情報発信から始めるほうが安全です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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