初心者が簿記3級を勉強する方法|必要時間と順番、独学の落とし穴

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
初心者が簿記3級を勉強する方法|必要時間と順番、独学の落とし穴

この記事のポイント

  • 簿記3級の勉強方法を初心者向けに
  • 得点配分から逆算した直前対策まで通しでまとめました
  • 暗記から入って挫折する原因と

簿記3級の勉強方法を初心者が調べると、「1か月で合格できる」という話と「半年かかった」という話が並んで出てきて、どちらを信じればよいのか分からなくなります。テキストを1冊買ったものの、借方と貸方という言葉が出てきたところで閉じてしまった方も多いはずです。結論から書くと、簿記3級は暗記ではなく仕組みの理解で通る試験で、学習の順番を守れば独学で十分に届きます。この記事では、試験の全体像、必要な時間の目安、つまずく原因、教材の選び方、学習の順番、そして得点配分から逆算した直前の詰め方までを、初めての方が迷わない粒度で書いていきます。

簿記3級はどんな試験か、全体像を先に押さえる

勉強方法の前に、何を目指すのかを明確にします。ここが曖昧なまま教材を開くと、どこに力を入れるべきかが分からず、全部を同じ重さで覚えようとして時間が足りなくなります。

簿記3級は日本商工会議所が実施する検定で、小規模な企業の日常的な経理処理と、決算に関する基本的な知識が問われます。受験資格はなく、誰でも申し込めます。試験の方式は現在2つあり、決まった日に会場で紙で受けるものと、テストセンターのパソコンで随時受けられるものがあります。後者は日程を自分で選べるので、社会人にとっては計画が立てやすい。どちらの方式でも、合格基準は100点満点で70点以上です。競争ではなく基準に達すれば全員合格するので、他の受験者を気にする必要はありません。

出題は大きく3つのまとまりに分かれ、配分が偏っています。最も配点が大きいのが仕訳の問題で、取引の内容を読んで借方と貸方に振り分ける作業を何題も解きます。次に帳簿や補助簿、伝票に関する問題があり、最後に決算に関する総合問題が来ます。この構成から分かることは1つです。仕訳が正確に速く切れるかどうかで、合否がほぼ決まります。

試験時間は60分と短く、ここも初心者が驚く点です。知識があっても手が遅いと最後まで届きません。だから学習の後半では、理解する練習から解く速さの練習へ切り替える必要があります。この切り替えのタイミングを知らずに、最後まで理解の練習を続けて時間切れになる人が毎回います。

試験日程や受験手数料、方式ごとの申込方法は変更されることがあるため、申し込む前に必ず主催団体の公式な案内で確認してください。試験の位置付けや出題範囲の全体像は日商簿記3級に整理されており、どんな知識が問われる資格なのかを申し込み前に把握できます。

必要な勉強時間の目安と、期間の決め方

次に時間です。ここを見積もらないまま始めると、途中で「思っていたより長い」と感じて止まります。

簿記3級を目指すための必要な勉強時間は、一般的に50~100時間程度といわれています。しかし、もともと学習者に簿記の知識や、経理関係の仕事経験があるかどうかによっても変わります。 出典: college.coeteco.jp

50時間から100時間という幅の意味を補足します。下限の50時間で届くのは、経理の実務経験がある方、商業高校で簿記を習った方、あるいは数字の処理に慣れている方です。まったくの初心者は上限側、つまり100時間前後を前提に計画してください。ここを甘く見て1か月で詰め込もうとすると、決算の総合問題に入る前に試験日が来ます。

簿記3級の合格に必要な勉強時間は100時間 簿記3級に合格するためには、100時間程度の勉強時間が必要です。ただし、簿記の予備知識があれば、100時間よりも短い勉強時間で合格できる可能性があります。たとえば、商業高校出身の人や経理業務経験者は、ある程度学習経験があるためスムーズに勉強を進められるでしょう。 出典: u-can.co.jp

期間の決め方は、1日に確保できる時間から逆算します。平日1時間と週末2時間を確保できるなら週9時間で、100時間なら11週、およそ3か月弱です。平日30分しか取れないなら週5時間で20週、5か月ほど見ておきます。

簿記の知識がない人でも、3~5ヵ月しっかり勉強すれば、簿記3級合格の対策が可能です。簿記の試験には専門的な用語も多いため、理解するまでに時間がかかるかもしれません。実際に簿記初心者だった私は、1日3時間、3ヵ月程度勉強し、ほぼ満点で合格しました。 出典: college.coeteco.jp

3か月から5か月という期間は、初心者にとって現実的な幅です。ここで大事なのは、期間を長く取ることと、間隔を空けることを混同しないことです。簿記は前の内容が次の内容の土台になる積み上げ式の科目なので、週に1回だけ3時間やる形は効率が落ちます。忘れた分を取り戻す時間が毎回発生するからです。1日30分でも毎日触るほうが、合計時間が同じでも到達点が高くなります。

私が受けたときは、平日の朝に40分だけ確保して、通勤前に仕訳を解く形にしました。夜に回した週は必ず崩れました。疲れているときに新しい概念を入れるのは無理があり、逆に朝は前日の記憶が整理されているので進みが速い。時間の長さより、同じ時間帯に固定できるかどうかが続くかどうかを決める、というのが実感です。

初心者がつまずく本当の原因は、暗記から入ること

ここが最も伝えたい部分です。簿記3級で挫折する人の大半は、頭の良さではなく入り方で失敗しています。

最初の壁は借方と貸方です。左が借方、右が貸方、と覚えたあとに「なぜこちらが左なのか」を考え始めて止まります。結論を言えば、この言葉に意味を求めるのは無駄です。借方と貸方は単に左と右の呼び名で、語源をたどっても実務の理解には繋がりません。「左が借方」だけを機械的に受け入れて先へ進んでください。ここで悩んで1週間を溶かす人が本当に多い。

次の壁は、勘定科目を暗記しようとすることです。現金、売掛金、買掛金、未払金、前払費用。数十個の科目を一覧で覚えようとすると、似た名前が混ざって混乱します。正しい入り方は、5つの箱に分類する発想から始めることです。資産、負債、純資産、収益、費用。すべての勘定科目はこの5つのどれかに属し、それぞれ増えたときに左に書くか右に書くかが決まっています。この5要素の性質だけを先に理解すれば、個別の科目は「これは資産だから増えたら左」と導けます。覚えるのではなく、判定するのです。この切り替えができた人は、そこから急に伸びます。

3つめの壁は、取引の文章を読み取れないことです。「商品を掛けで仕入れた」「手形を振り出した」「小切手を受け取って直ちに当座預金に預け入れた」。日常では使わない言い方なので、何が起きたのか像が浮かびません。これは知識ではなく慣れの問題です。抜け方は、文章を読んだら「何が増えて、何が減ったか」を日本語で2つ書き出してから仕訳に移ることです。この一手間を最初の1か月は必ず挟んでください。慣れると頭の中で処理できるようになりますが、最初から省くと当てずっぽうで書く癖が付きます。

4つめの壁は、テキストを読むだけで進めてしまうことです。簿記は手を動かさないと身につきません。読んで理解した気持ちになった翌日、同じ問題が解けないという経験を何度もします。対策は単純で、1つの単元を読んだらその場で問題を解く、を絶対に崩さないことです。読む時間と解く時間の比率は、初心者でも4対6くらいが適正です。

独学、通信講座、スクールの選び方

学習手段については、正解が人によって違うので判断基準を書きます。

独学が向いているのは、自分で計画を立てて守れる方、そして分からない点を検索して解決することに抵抗がない方です。費用はテキストと問題集で数千円に収まります。簿記3級は独学者の割合が高い試験で、市販教材の質も十分に高い。初心者でも独学で届きます。

通信講座が向いているのは、何を使うかの選定に時間をかけたくない方、そして映像で説明されたほうが理解しやすい方です。教材が一式そろい、学習の順番も組まれているので、迷う時間が消えます。費用は数千円から数万円の幅がありますが、仕事が忙しくて教材選びから始める余裕がない場合、この時間の節約には価値があります。

通学のスクールが向いているのは、締切と場所が決まっていないと動けない方です。費用は最も高くなります。3級だけを目標にするなら、費用対効果としては独学か通信が妥当です。

判断の分かれ目を1つ挙げます。過去に何かの試験を独学で通した経験があるかどうかです。あるなら独学で問題ありません。ないなら、最初の1回は伴走のある形を選ぶほうが、合格までの期間が短くなります。3級で学習の型を作ってから、2級以降を独学に切り替えるという順番も合理的です。上位級の難易度と学習量の違いは日商簿記2級で確認でき、3級との差がどこにあるかを先に知っておくと、3級の勉強中にどこを丁寧にやるべきかが見えてきます。

教材の選び方と、そろえる順番

教材は多く買わないほうが速く進みます。必要なのは3種類です。

1つめは、基本のテキスト1冊です。選ぶ基準は、図が多いことと、単元ごとに練習問題が付いていることの2点です。書店で借方と貸方の説明のページを開いて、自分が読めると感じたものを選んでください。合わない本で粘るのは損失です。なお、簿記の出題範囲は改定されることがあるので、必ず最新版を買います。古い版で学ぶと、現在は出題されない論点に時間を使います。

2つめは、仕訳を大量に解くための問題集です。前述のとおり配点が仕訳に偏っているので、ここだけを集めた問題集が1冊あると効率が上がります。目標は、典型的な取引を見た瞬間に手が動く状態です。考えて解ける段階と、反射で解ける段階は別物で、試験時間60分に収めるには後者が必要になります。

3つめは、本番形式の予想問題か過去問題です。これは学習の後半で使います。目的は知識の確認ではなく、時間配分の練習です。どの問題から解くか、どこで見切りを付けるかを、本番と同じ時間を計って試します。

順番としては、テキストと仕訳問題集を並行で進め、全単元を終えた時点で本番形式に移ります。よくある失敗は、本番形式を早く始めすぎて点が取れず、自信を失うことです。決算の総合問題は全単元の知識が前提なので、途中で解いても解けません。解けないのが当たり前だと知っておいてください。

教材に関してもう1つ。無料の動画や解説サイトだけで進めようとするのは、初心者には勧めません。質の高いものはありますが、単元の抜けが起きます。誰かが解説しやすい論点だけが厚く扱われ、地味で覚えにくい論点が薄くなるからです。試験は薄い論点からも出ます。市販のテキストは出題範囲を網羅する義務があるので、抜けが起きません。無料の教材は、テキストで分からなかった箇所を補う用途に絞ると、いちばん役に立ちます。順番としては、テキストで詰まった単元だけを検索して、その単元の解説を見る。最初から最後まで無料の教材で通そうとすると、何が抜けているかを自分で把握できないまま本番を迎えることになります。

また、複数のテキストを買って比べるのは、初心者の段階では逆効果です。説明の仕方が違うと混乱が増えます。1冊を決めたら、その本の言葉で理解しきる。3級の範囲で、テキストによって結論が変わる論点はありません。

パソコンで受ける方式を選ぶ場合は、画面上で解く練習を必ず1回は入れます。紙に書き込めない、電卓を手元で使う、入力欄に数字を打ち込む、といった操作の違いで手が止まります。本番形式の教材にパソコン受験向けの模擬機能が付いているものを選ぶのが安全です。

学習の順番を6段階で固定する

学ぶ順番はテキストの目次どおりで構いませんが、どこに重みを置くかを知っておくと配分を間違えません。

第1段は、簿記の目的と5要素です。会社の状態を表す表と、1年間の成績を表す表があり、すべての記録がこの2つに集まっていく。この全体像を最初に掴みます。ここに時間を使うと、あとの理解が速くなります。

第2段は、仕訳の基本ルールです。5要素それぞれについて、増えたら左か右かを整理します。表を自分で1枚書いて、見ないで再現できるまでやります。この1枚が試験本番まで効き続けます。

第3段は、取引ごとの仕訳です。現金と預金、商品の売買、手形、貸し借り、固定資産、給料と税金。ここが分量的に最も多く、学習期間の半分を使います。単元ごとに問題を解き、間違えたものに印を付けて翌日もう一度解く。この反復だけで着実に進みます。

第4段は、帳簿と補助簿、伝票です。仕訳を書き写す先の帳簿の種類と役割を押さえます。暗記色が強い部分なので、後半にまとめて詰めるほうが効率的です。

第5段は、試算表です。日々の記録を集計して、左右の合計が一致することを確かめる作業です。計算量が多く、集中力が試されます。

第6段は、決算整理と財務諸表の作成です。期末に行う調整、つまり在庫の計算、減価償却、前払いと未払いの振り替え、貸倒れの見積もり。ここが総合問題の中心です。1つずつは難しくありませんが、組み合わさると処理の順番を間違えます。決算整理の項目を一覧にして、毎回同じ順番で処理する手順を自分で決めておくと安定します。

会場で受ける方式とパソコンで受ける方式、どちらを選ぶか

申し込む段階で必ず迷うのがここです。どちらでも取得できる資格は同じですが、性質が違うので選び方の基準を書きます。

決まった日に会場で紙で受ける方式の利点は、締切が外から与えられることです。人は期限がないと動けません。3か月後の決まった日に試験があると分かっていると、そこに向けて計画が立ちます。欠点は、日程が限られていることと、落ちたときに次の機会まで待つことになる点です。仕事の繁忙期と重なると、その回は捨てることになります。

パソコンで随時受ける方式の利点は、日程を自分で選べることです。仕上がったと感じた時点で申し込めますし、万一届かなかった場合も比較的短い間隔で再挑戦できます。欠点は、締切が自分次第になるので、先延ばしが起きやすいことです。「もう少し仕上がってから」と考えているうちに数か月が過ぎる人を何人も見ています。

私が勧める使い方は、パソコン方式を選ぶなら申し込みを先に済ませることです。教材を開く前に、2か月半後あたりの日程で予約を入れてしまう。締切を自分で作れば、この方式の欠点は消えて利点だけが残ります。逆に、自分の性格から「予約しても先延ばしにして日程を変更してしまう」と分かっている方は、会場方式のほうが向いています。

操作面の違いも押さえておきます。パソコン方式では、計算過程を答案に書き込めません。手元の計算用紙にメモし、答えだけを画面に入力します。この形式に慣れていないと、総合問題で自分の計算を追えなくなります。対策は、練習の段階から「計算用紙をどう使うか」を決めておくことです。表の形をあらかじめ紙に書いてから数字を埋める、という手順を固定すると、本番で崩れません。

仕訳を速くするための具体的な練習方法

配点の柱が仕訳であることは前に書きました。ここでは、速さを作る練習のやり方を具体的に書きます。理解できているのに時間が足りないという人は、ほぼここが原因です。

まず、目標を数字で決めます。1題あたり30秒前後で処理できれば、仕訳の大問を余裕をもって終えられます。今の自分が何秒かかっているかを、10題だけ計って測ってください。測らないまま「速くしよう」と思っても改善しません。

練習の形は、毎日同じ時間帯に10題から20題を、時間を計って解くことです。ここで重要なのは、間違えた問題を翌日もう一度解くことと、時間がかかった問題に別の印を付けることの2点です。間違いと遅さは原因が違います。間違いは理解不足なのでテキストに戻る必要がありますが、遅さは慣れの不足なので回数を重ねるだけで解決します。この2つを同じ扱いにすると、時間の使い方を間違えます。

速くなる仕組みも説明します。仕訳が速い人は、取引文を読んだ瞬間に「これは商品を仕入れたパターン」と型を判別しています。1から考えているのではなく、見覚えのある型に当てはめています。だから練習の目的は、型のストックを増やすことです。典型的な取引は数十種類しかないので、同じ問題集を3周すれば型は入ります。新しい問題集を次々に買うより、1冊を繰り返すほうが速さは付きます。

もう1つの工夫は、声に出さずに手だけで書く練習です。頭の中で「これは資産が増えたから左」と言葉にしている段階では、まだ遅い。言葉にせずに手が動くところまで持っていくと、時間が半分になります。ここまで来ると、試験時間60分が短いと感じなくなります。

得点配分から逆算した直前2週間の詰め方

残り2週間になったら、やることを絞ります。この段階で新しい論点に手を出すのは損です。

第1に、仕訳を毎日解きます。1日15題から20題、時間を計って。ここが最大の配点なので、取りこぼしがそのまま不合格に直結します。目標は、1題あたり30秒前後で処理できる状態です。速く解ければ、後半の総合問題に時間を回せます。

第2に、本番形式を通しで3回から5回解きます。必ず60分を計り、通しでやります。解いたあとに確認するのは、間違えた論点と、時間を使いすぎた場所の2つです。時間配分の目安を自分で決めてください。仕訳に20分、帳簿系に10分、決算の総合問題に25分、見直しに5分という配分が1つの型になります。

第3に、決算整理の手順を紙1枚にまとめます。在庫、減価償却、貸倒れ、経過勘定、といった項目を処理する順番を書き出し、毎回その順にチェックします。総合問題で落とす原因の多くは、知らないことではなく飛ばしたことです。

第4に、電卓の操作に慣れます。地味ですが効きます。メモリ機能を使えるか、打ち間違いを1桁だけ消せるか。この操作を知っているだけで、計算のやり直しが減ります。試験会場に持ち込める電卓には条件があるので、直前に慌てないよう早めに確認しておいてください。

第5に、間違えた問題だけをまとめたノートを作ります。新しく作る必要はなく、問題集に付けた印のページを見返すだけでよい。前日は新しい問題を解かず、これだけを眺めるのが精神的にも有効です。

なお、試験制度や申込に関する公的な情報を調べる際は、公式の案内を一次情報として確認してください。関連する税や制度の基本的な考え方については国税庁の解説が正確で、簿記で学ぶ消費税や減価償却の扱いが実務ではどう運用されているかを確認できます。

合格したあと、何が広がるか

在宅と業務委託の市場を20年見てきた立場から、簿記3級を取ったあとの広がりについて書きます。

まず率直な話として、3級だけで経理の仕事に就けるかというと、それだけでは弱い。求人で条件として挙げられるのは2級以上が多いです。ただし、3級の価値は別のところにあります。1つは、自分の事業の数字を自分で読めるようになることです。フリーランスや個人事業として働く方にとって、これは資格というより生活の道具です。確定申告のときに何を集めればよいか分かる、経費として計上できるかの判断が付く、利益と手元の現金の違いが分かる。この3つは、事業を続ける限り毎年効きます。

もう1つは、他の技能と組み合わせたときの効き方です。文章が書ける人が簿記を知っていると、会計や税務の分野の記事を書けるようになります。この分野は書ける人が少ないので、書き手としての位置が取りやすい。文章を書く仕事の報酬水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場に統計ベースでまとまっており、専門性のある分野で単価が変わることが読み取れます。組み合わせ方の具体例は簿記資格で始める副業5選|3級・2級それぞれの活かし方に級ごとの活かし方が整理されており、3級の段階でも成立する関わり方が分かります。

資格を重ねる方向では、お金の全体像を扱う資格との組み合わせが相性が良いという実感があります。簿記×FPのダブルライセンスで副業の幅が広がる|組み合わせの相乗効果には、企業の数字を読む力と個人のお金を扱う力を掛けたときに何ができるようになるかがまとまっています。財務諸表を読む側に進みたい場合はビジネス会計検定で経理副業のスキルアップ|簿記との違いと活かし方が、簿記が「作る側」の知識で、会計検定が「読む側」の知識であるという違いを整理しています。

学習の途中で不安になったときの考え方も書いておきます。簿記3級は、途中で「自分は向いていないのではないか」と感じる瞬間が必ず来ます。多くの場合それは決算整理に入った時期で、単元ごとには解けていたものが組み合わさった途端に解けなくなる段階です。これは能力の問題ではなく、全単元が繋がる瞬間に起きる正常な混乱です。ここで新しい教材に手を伸ばす人が多いのですが、必要なのは新しい説明ではなく、処理する順番を固定することだけです。順番を紙に書いて、毎回同じ手順で解く。それだけで数日のうちに解けるようになります。この時期を越えた人が合格しているので、混乱が来たら「予定どおりの場所に来た」と受け取ってください。

運営者として見てきた限りでは、経理や記帳の分野で長く続いている方に共通するのは、正確さよりも「聞き方」でした。依頼者から渡される資料は、たいてい不足しています。足りない書類を、相手が用意できる形で具体的に依頼できる人のところに、翌年も依頼が戻ってきます。簿記の知識は、この「何が足りないかを特定する力」の土台です。3級の範囲でも、取引の記録に必要な情報が何かは分かるようになります。

最後に報酬の構造の話を1つ。同じ予算でも、間に何社も入る形だと依頼者が実際に買える作業時間は目減りし、受け手の手取りも薄くなります。手数料0%の直接取引が成立している現場では、依頼者は同じ予算でより多くの処理を頼めて、受け手は同じ作業でも手取りが厚くなります。記帳や月次の処理は毎月続く仕事なので、この差が年単位で積み上がります。勉強を始めるにあたって、その先に何があるかを知っておくと、100時間の意味付けが変わるはずです。

よくある質問

Q. 簿記3級は初心者でも独学で合格できますか?

できます。独学者の割合が高い試験で、市販のテキストと問題集の質も十分です。条件は、学習の順番を守ることと、読む時間より解く時間を多く取ることです。過去に独学で何かの試験を通した経験がない方は、最初の1回だけ通信講座で学習の型を作り、2級以降を独学に切り替える進め方もあります。

Q. 勉強時間はどのくらい見ておけばよいですか?

まったくの初心者は100時間前後を前提にしてください。経理の実務経験や商業高校での学習経験がある方は50時間程度でも届きます。期間としては3か月から5か月が現実的です。週1回まとめて長時間やる形は効率が落ちるので、1日30分でも毎日触るほうが同じ合計時間でも到達点が高くなります。

Q. 借方と貸方が覚えられません。どうすればよいですか?

言葉の意味を考えるのは時間の無駄です。左が借方、右が貸方という呼び名だけを機械的に受け入れて先に進んでください。そのうえで、資産、負債、純資産、収益、費用の5要素それぞれについて増えたら左か右かを1枚の表にまとめ、見ないで再現できるまで練習します。個別の科目は暗記せず、この表から判定します。

Q. 合格後すぐに経理の仕事に就けますか?

求人の条件は2級以上が多いため、3級だけでは弱いのが実情です。ただし自分の事業の数字を読めるようになる価値は大きく、確定申告や経費の判断が自分でできるようになります。文章やほかの技能と組み合わせると、会計分野を扱える書き手として位置が取りやすくなるという使い方もあります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年9月8日最終更新:2026年9月24日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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