産休育休中に副業はできるか|給付金との関係と会社への確認 2026


この記事のポイント
- ✓産休育休中副業の可否を
- ✓育児休業給付金の10日・80時間の基準
- ✓税金の扱いまで整理しました
産休育休中副業について調べている人が本当に知りたいのは、「できるかどうか」よりも「給付金が止まらない範囲はどこまでか」だと思います。結論から書きます。可否を決めるのは3つの条件で、勤め先の就業規則、育児休業給付金の支給条件、そして自分と子どもの体の状態です。この3つのうち、金額のルールがあるのは2つ目だけです。この記事では、その基準を制度の根拠つきで整理したうえで、会社への確認の仕方、向く仕事と避けたい仕事、税金の扱いまで通しで説明します。
産休と育休は別の制度だという前提から
最初に押さえておきたいのが、産休と育休はまったく別の制度だという点です。ここを一緒に考えると判断を間違えます。
産休、正確には産前産後休業は、労働基準法にもとづく休業です。産前は出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から本人の請求で取得でき、産後は8週間、使用者は就業させてはならないと定められています。産後6週間を過ぎたあとは、本人が請求し医師が支障がないと認めた業務に限って就業できる、という例外があります。つまり産後の一定期間は、働くかどうかを本人が選べる状態ではなく、法律で就業が禁じられている期間だということです。
この期間の収入を支えるのが健康保険の出産手当金で、標準報酬日額の3分の2に相当する額が支給される仕組みです。育休中の給付とは制度の出どころが違い、健康保険から出ます。
育休、正確には育児休業は、育児・介護休業法にもとづく休業です。原則として子が1歳になるまで(保育所に入れないなどの事情があれば最長2歳まで)取得でき、この期間の収入を支えるのが雇用保険の育児休業給付金です。支給率は休業開始から180日までが休業開始時賃金日額の67%、それ以降が50%とされています。
そして、副業の可否に関わる細かい条件が置かれているのは、育休のほうです。産休には「10日以内なら働ける」といった基準はありません。制度の詳細は厚生労働省の案内が一次情報になります。まずは自分がいまどちらの期間にいるのかを確認してください。判断の出発点はそこです。
育児休業給付金が止まる条件を、数字で押さえる
ここが本題です。育休中に働くと給付金がどうなるかは、2つの基準で判定されます。
1つ目は、就業した日数と時間の基準です。支給単位期間(原則として1か月ごとの区切り)のなかで、就業した日数が10日以下であること。10日を超える場合は、就業した時間が80時間以下であることが条件になります。この日数と時間を超えると、その期間の給付金は支給されません。
2つ目は、賃金の額の基準です。休業期間中に事業主から支払われた賃金が、休業開始時の賃金月額の80%以上になると給付金は支給されません。80%未満でも、賃金と給付金の合計が80%を超える場合は、超えた分だけ給付金が減額される調整が入ります。
この2つの基準について、ひとつ重要な注意点があります。
育休中に収入を得る方法として、「副業」「アルバイト」「パート」といった形態が検討されることがありますが、育児休業給付金の支給の可否を判断する10日や80時間といった数字に関しては、これらの名称の違いによる取り扱いの差は基本的にありません。重要なのは、実際に「就労」したかどうかという点です。 出典: biz.moneyforward.com
つまり「副業だから別枠」という考え方は通りません。呼び方ではなく、実際に働いた事実で判定されるという理解が正しい読み方です。
さらに、賃金の基準についてはこう説明されています。
育休中の副業は可能ですが、自社における就労での賃金が育休前賃金の80%以上になると育児休業給付金は停止されます。 出典: biz.moneyforward.com
ここで多くの人が迷うのが、他社での就労や業務委託の報酬がこの基準にどう関わるかという点です。正直なところ、この論点はネット上の情報が食い違っていて、断定的に書いている記事ほど危ない。日数と時間の基準の判定範囲、他社からの収入の扱いは、実際の運用で判断される部分があります。ですから、始める前にハローワークの窓口で「この働き方は就業として数えられるか」を自分のケースとして確認するのが唯一確実な方法です。1回の電話で済む確認を省いて、数十万円の給付を失うのは合理的ではありません。
産休中に働くことをどう考えるか
産休中についても整理します。制度の側から見ると、判断材料は育休とは違うところにあります。
まず、産後8週間は原則として就業が禁じられている期間です。ここに副業を入れる発想自体を、いったん保留してください。産後6週間を過ぎて本人が請求し、医師が認めた業務に限って就業できるという例外はありますが、これは「無理をしてよい」という意味ではありません。
次に、出産手当金との関係です。出産手当金は、産休の期間に事業主から報酬が支払われた場合に、その額に応じて調整される仕組みになっています。他社での就労や業務委託の報酬をどう扱うかは、加入している健康保険の保険者(協会けんぽや健康保険組合)の判断になります。組合によって運用の説明が異なるため、始める前に保険者へ確認してください。ここも自己判断で進めない領域です。
体の側の話も書きます。出産は、回復に個人差の大きい出来事です。産後の数週間は睡眠が細切れになり、まとまった作業時間が取れません。この時期に納期のある仕事を抱えると、体調の回復が遅れるうえに、依頼者に迷惑をかけて信頼を落とすという二重の損になります。収入の計画を立てるなら、産休中ではなく育休の後半に置くほうが現実的です。
制度の面でも1つ有利な点があります。産休と育休の期間は、申し出により健康保険と厚生年金の保険料が本人負担分も事業主負担分も免除されます。免除された期間も、年金の計算では納めたものとして扱われます。つまり、この期間は支出が減っているので、収入を急いで足さなくても家計が回るケースがあります。まず支出の側を確認してから、必要な額を決めるという順番が安全です。
会社への確認は、どう切り出すか
副業の可否を最終的に決めるのは、給付金の基準ではなく勤め先の就業規則です。ここを飛ばして始めると、復職先を失う危険があります。
確認する場所は3か所です。就業規則の兼業・副業条項、労働契約書、入社時の誓約書。書き方は全面禁止、届出制、許可制、同業のみ禁止の4種類に分かれる傾向があります。育休中だから特別に認められる、という扱いは基本的にありません。在籍している社員としての規則がそのまま適用されます。
切り出し方のコツを書きます。「副業をしていいですか」と聞くと、判断が面倒な質問として扱われ、無難な「やめてください」が返ってきやすい。伝える順番を変えてください。目的(育児のすきま時間で復職後に使えるスキルを保ちたい)、業務の内容(同業ではない、在宅で完結する作業)、時間(週に数時間、深夜や早朝は避ける)、そして給付金の基準を守ることを、こちらから先に示します。聞かれる前に条件を並べると、判断する側の手間が消えます。
人事に確認したいことも、あわせて3つあります。1つは届出が必要かどうか。2つ目は、就業した日数や時間を会社に報告する必要があるか(育児休業給付金の手続きを会社が代行している場合、就業の申告が関わります)。3つ目は、復職の時期や条件に影響しないか。この3つを文字でやり取りして残しておくと、あとで話が変わりません。
正直なところ、ここで「黙ってやればわからない」と書いている情報は多いのですが、住民税の額から把握される経路があるうえに、育児休業給付金の手続きは会社を通して行われるのが一般的です。隠す設計は最初から破綻しています。
2026年時点の制度の前提と、働ける枠がある休業
制度は動いています。2026年時点で押さえておくべき前提を2つ挙げます。
1つ目は、産後パパ育休(出生時育児休業)です。子の出生後8週間以内に最大4週間まで取得できる休業で、これは労使協定を結んでいる場合に限り、休業中の就業が制度として認められています。就業できる上限は、休業期間中の所定労働日数や所定労働時間の半分までなどの範囲に定められており、労働者が申し出て事業主が同意した範囲で働く形です。つまり「働ける枠が制度として用意されている休業」は、この産後パパ育休です。通常の育児休業とは仕組みが違う点に注意してください。
2つ目は、給付の拡充です。2025年4月から、両親がともに育児休業を取得した場合に一定期間の給付率を上乗せする出生後休業支援給付金と、時短勤務で働く場合に賃金の一部を補う育児時短就業給付が始まっています。制度の要件は細かいので、自分が対象になるかは厚生労働省の案内やハローワークで確認してください。
もう1つ、頭に入れておきたい考え方があります。
ただし、厚生労働省は公式に「育児休業中は育児に専念する期間である」との見解を示しており、過度な就労や長時間労働を伴う副業については、あまり推奨していません。そのため、実際に副業を始める場合には、一時的または短時間で行える業務に留め、育児とのバランスを取りながら進めることが求められます。 出典: biz.moneyforward.com
制度の趣旨としては、育休は育児のための休業です。基準の範囲内に収まっていても、実質的にフルタイムで働いている状態は、制度の想定から外れます。ここを踏み外すと、給付の問題ではなく会社との信頼の問題になります。
育休中に向く仕事と、避けたほうがよい仕事
仕事選びの基準は、職種の名前ではなく3つの条件です。中断できるか、納期に幅があるか、音を出さずにできるか。乳児がいる生活では、この3つがそのまま可否を決めます。
向いているのは、まず文章を書く仕事です。構成を考える段階と書く段階を分けられるので、細切れの時間で進められます。文字単価0.5円前後の入口から、専門分野の経験がある人が書く場合は3円以上になる案件もあります。前職の業務知識がそのまま単価に反映される領域です。収入の水準を確かめたい人は著述家,記者,編集者の年収・単価相場に職種としての相場が整理されています。
データ入力と資料作成も相性が良い仕事です。作業を15分単位で区切れるため、寝ている間だけ進める形が成立します。単価は単純入力で低く、表計算の関数や書式の整備まで含む案件になると上がります。書類の形式面を体系的に確認したい人にはビジネス文書検定の出題範囲が、実務で求められる項目とほぼ重なっています。
画像の加工やバナー制作も、作業の粒度が細かく中断しやすい仕事です。テンプレートに沿った量産の案件なら、1件500円から5,000円程度で、数をこなす形で組み立てられます。
避けたほうがよいのは、時間が固定される仕事です。電話対応、決まった時間のオンライン会議が多い仕事、当日納品が前提の仕事。乳児の予定は本人が決めるので、こちらの時間割は守れません。もしオンラインの打ち合わせが必要な仕事を受けるなら、ツールの扱いに慣れておくと事故が減ります。参加方法や音声の設定で迷いがある人は、Zoom・Teams・Google Meetを比較|フリーランスの打ち合わせに最適なのは?【2026年版】に違いが整理されています。
乳児のいる生活で、作業時間をどう作るか
制度の話が済んだので、現実の時間割の話をします。ここを設計せずに始めると、給付の基準より先に生活が崩れます。
作業時間を作る方法は、実質的に3つしかありません。1つ目は、子どもが寝ている時間。ただし月齢によって長さが変わり、生後数か月は30分から2時間で区切られるのが普通です。「まとまった3時間」を前提にした計画は、この時期には成立しません。2つ目は、家族が見てくれる時間。週末に1回、2時間だけ確保するという形が現実的です。3つ目は、一時預かりや保育のサービスを使う時間。費用がかかるので、受注額と見比べて決めます。
大事なのは、作れる時間の合計を先に測ることです。2週間、実際に作業できた時間をメモしてみてください。感覚で「週5時間はいける」と思っていた人が、実測では週2時間だったというのはよくある話です。この実測値に対して、受ける仕事の量を決めます。順番を逆にすると、締切に追われて夜を削ることになり、体調と育児の両方に響きます。
もう1つ、作業の中断に強い進め方があります。1回の作業を始める前に「今日やること」を1行だけ書いておく方法です。中断されたあと、どこから再開するかを思い出す時間がゼロになります。細切れの時間で働くとき、いちばん失われるのは作業時間そのものではなく、再開までの立ち上がりです。ここを削るだけで、同じ時間でも進む量が変わります。
最初の案件は、条件の伝え方で決まる
仕事の探し方についても書きます。育休中という状況を伝えるべきかどうかで悩む人が多いので、結論から書くと、事情の説明は不要で、条件だけを先に伝えるのが正解です。
依頼者が知りたいのは、いつまでに何が納品されるかだけです。「育休中なので」という前置きは、相手に判断を委ねる形になり、かえって不安を与えます。代わりに書くべきことは3つです。連絡が取れる時間帯、1週間に対応できる作業量、そして急な依頼には応じられないという条件。この3つが最初に示されていれば、相手はそれを前提に発注するかどうかを決められます。
プロフィールに書く内容も同じ考え方です。前職の業務内容、使えるツール、対応できる作業の種類を具体的に書きます。「丁寧に対応します」「責任を持って取り組みます」という表現は、書いても差がつきません。「経理の実務が8年、月次の締めと請求書の処理を担当」と書いてあるほうが、依頼者は判断できます。
最初の案件の選び方には基準があります。報酬より「3時間以内で終わるか」で選んでください。1件納品して、やり取りの温度感と自分の生活への影響を確かめる。これが完走できたら、同じ依頼者から次の仕事につなげにいきます。新しい依頼者を探し続けるより、継続を積むほうが消耗が少ないのは、稼働時間が限られている人ほど強く当てはまります。
条件を文字にしておく4つの項目
業務委託で受ける場合、条件を文字にしていない案件がトラブルになります。確認する項目は4つです。
1つ目は業務の範囲です。「記事を1本」ではなく、文字数、調査の有無、画像の用意、公開作業まで含むのかを書き出します。ここが曖昧だと、追加された作業を無報酬で引き受ける形になります。2つ目は修正の回数です。無制限だと終わりが見えません。2回までを標準として、それ以上は追加の報酬という形にしておきます。
3つ目は報酬と支払期日です。フリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)では、発注者は成果物を受け取った日から60日以内の日を支払期日として定めることが求められています。あわせて、業務の内容や報酬額などの取引条件を書面や電子メールなどで明示することも発注者の義務とされています。つまり、条件を文字で出してもらうのは交渉ではなく、法律が想定している手順です。
4つ目は連絡の方法です。「返信は日中に数回、まとめて行います」と最初に伝えておくと、遅れが不信につながりません。逆に、何も言わずに返信が遅れる状態が続くと、事情ではなく姿勢の問題として受け取られます。伝えておけば守れる約束を、伝えないまま破るのがいちばん損をする進め方です。
税金と社会保険の扱いを間違えないために
お金の扱いも整理します。ここは誤解が多いところです。
まず、育児休業給付金と出産手当金は非課税です。所得税も住民税もかかりません。したがって、副業の所得だけが課税の対象になります。この点を勘違いして「給付金と合わせて計算すると税金が増える」と心配する人がいますが、そうはなりません。
次に、確定申告です。副業が業務委託で、給与を1か所から受けていて年末調整が済んでいる場合、給与以外の所得が年20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。ただし育休中は本業の給与が支払われていないことが多く、その年の給与の状況によって判定が変わります。所得は売上から経費を引いた額なので、通信費や機材の按分、書籍代などを記録しておくと課税される額が変わります。手続きの詳細は国税庁の案内が一次情報です。20万円以下の場合も住民税の申告は別に必要になるため、市区町村の案内を確認してください。
配偶者控除や配偶者特別控除の判定についても触れておきます。判定に使われるのは所得の額で、非課税の給付金は含まれません。副業の所得が増えると配偶者の控除額が変わる可能性があるため、世帯として見るなら、副業の所得見込みを配偶者に共有しておくのが確実です。
社会保険については、産休育休中は保険料が免除されている状態です。この期間に他社で雇われて社会保険の加入要件を満たすと、扱いが複雑になります。業務委託で受ける場合は社会保険の加入に関わらないため、手続きの面では簡単です。迷ったら、雇われる形ではなく業務委託で受けるほうが、制度の整合をとりやすいという傾向があります。
検索で見かける誤解を4つ正す
この分野は情報が多く、そのぶん誤解も広く流通しています。相談でよく出てくるものを4つ挙げます。
1つ目は、「年20万円以下なら何もしなくていい」という理解です。これは所得税の確定申告が不要になる基準の話で、住民税の申告は別に必要です。金額が小さいほど手続きを忘れやすいので、市区町村の案内を確認してください。
2つ目は、「業務委託なら就業日数に数えられない」という理解です。呼び方で扱いが変わらないことは制度の説明でも示されています。数え方の実際はハローワークの判断になるため、始める前に確認する以外の安全策はありません。ここを「大丈夫と書いてあった」で済ませるのが、いちばん高くつく判断です。
3つ目は、「副業の収入が増えると給付金が減る」という理解です。育児休業給付金の額は、休業開始時の賃金をもとに計算されます。調整の対象になるのは、休業期間中に事業主から支払われた賃金です。ですから、他社や業務委託の収入がそのまま給付額の計算に入るわけではありません。ただし、就業した日数と時間の基準は別に効いているので、「収入が少なければ何時間働いてもよい」という話にもなりません。金額の基準と時間の基準は、それぞれ独立して判定されます。
4つ目は、「開業届を出すと配偶者の扶養から外れる」という理解です。扶養の判定は、税の面では所得の額、社会保険の面では収入と就労の実態で行われます。開業届を出したという事実だけで外れるわけではありません。逆に、開業届を出さなくても所得が基準を超えれば扶養から外れます。書類の有無ではなく金額と実態で決まる、という理解が正しいです。
誤解の多くは、「制度が複数あって、それぞれ違う基準で動いている」という前提を飛ばすことから生まれています。雇用保険の給付、健康保険の給付、所得税、住民税、社会保険の扶養。この5つは、それぞれ別の基準を持っています。1つの数字で全部が決まると考えないことが、間違いを避ける最短の方法です。
復職を見据えて、何を積むかを決める
育休中の副業を「収入を足す手段」としてだけ見ると、続きません。時間も体力も足りないからです。運営者として見てきた限りでは、この期間の働き方がうまく機能しているのは、復職後の選択肢を増やす目的が明確な人です。
たとえば、復職後に在宅勤務や時短勤務を希望するつもりなら、在宅で成果を出した記録そのものが交渉材料になります。あるいは、復職せずに業務委託中心の働き方に移るつもりなら、育休中に受けた案件が最初の実績になります。目的が決まると、受ける案件の選び方が変わります。単価の高さではなく、続く関係が作れるかどうかで選ぶようになるからです。
需要の側から見ると、いま外に出ている仕事は分野によって偏りがあります。増えているのは、AIツールを業務に組み込む支援、マーケティングの運用、情報管理の体制づくりです。AIコンサル・業務活用支援のお仕事やAI・マーケティング・セキュリティのお仕事を見ると、その中身が最新技術の開発ではなく「社内で決めきれない作業の整理」であることがわかります。育休中に触れておく分野としては、学習の負荷が比較的軽く、復職後にも使えます。
技術系に軸足を移す道を考えるなら、収入の水準は先に把握しておく価値があります。ソフトウェア作成者の年収・単価相場を見ると、同じ在宅の仕事でも作業の種類で金額が大きく変わることがわかります。開発の周辺で関われる作業を探すならアプリケーション開発のお仕事に、実装以外の仕事が並んでいます。
20年この市場を運営してきた立場から言えば、育休中に始めた人でその後も続いているのは、作業量を増やした人ではなく、依頼者との関係を1つか2つに絞った人です。子どもの体調で作業が止まる日があることを先に伝えておき、そのうえで任され続けている。信頼は稼働時間の長さでは作られません。連絡の速さと、できない日を早めに言うことで作られます。運営者として見てきた限りでは、この作法を育休中に身につけた人は、復職後も働き方の選択肢が広い。
もう一点、手取りの構造について観察を書きます。中間のマージンが乗らない直接の取引では、依頼者は同じ予算でより多く頼めて、受け手の手元に残る額は厚くなります。仲介の手数料が20%引かれる経路と引かれない経路では、月3万円の売上でも手元に残る額が6,000円ほど違います。作業時間を増やせない時期ほど、この差は大きい。手数料0%の価値は、金額の大小ではなく「限られた時間で手元に残る額が厚い」という質の話です。産休育休中の副業は、大きく稼ぐ計画ではなく、復職後の自由度を買う投資として設計するのが合理的だと考えています。
よくある質問
Q. 育休中に副業をすると育児休業給付金は止まりますか?
支給単位期間の就業日数が10日以下、10日を超える場合は就業時間が80時間以下であることが条件です。これを超えるとその期間は支給されません。また、事業主から支払われた賃金が休業開始時賃金の80%以上になると不支給になり、賃金と給付の合計が80%を超える場合は超過分が減額されます。他社での就労の扱いは運用で判断されるため、ハローワークで事前に確認してください。
Q. 産休中でも副業はできますか?
産後8週間は労働基準法で就業が禁じられている期間です(産後6週間を過ぎ、本人が請求し医師が認めた業務は例外)。まず体の回復が優先されます。出産手当金は産休中に事業主から報酬が支払われた場合に調整される仕組みで、他社の収入の扱いは加入する健康保険の保険者の判断になります。始める前に保険者へ確認してください。
Q. 会社に副業を認めてもらうには、どう伝えればよいですか?
まず就業規則、労働契約書、誓約書の3か所で兼業条項を確認します。届出制や許可制なら手順を踏めば可能です。伝えるときは、同業ではないこと、在宅で完結すること、週の稼働時間、給付金の基準を守ることを自分から先に示すと判断が早くなります。届出の必要、就業日数の報告、復職条件への影響の3点を文字で残しておくと安全です。
Q. 育休中の副業に向いている仕事はどれですか?
中断できる、納期に幅がある、音を出さずにできるという3条件を満たす仕事です。ライティング、データ入力と資料作成、画像の加工やバナー制作が該当します。逆に電話対応や当日納品が前提の仕事、時間が固定される仕事は乳児のいる生活と合いません。育児休業給付金の基準内に収まる範囲で、短時間の業務にとどめるのが制度の趣旨にも沿います。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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