横須賀市の個人情報漏えいのおそれ|防災情報メール47,065人と防犯あんしんメール 消防団の配信も 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓横須賀市の情報漏洩について
- ✓2026年10月13日と15日の市の報道発表をもとに整理
- ✓防災情報メール47,065人と防犯あんしんメール10,848人のメールアドレス
横須賀市の情報漏洩について、横須賀市は2026年10月13日、市が使っている防災情報メールなど4つの配信サービスの登録者の情報が漏えいしたおそれがあると発表しました。配信システムを提供する株式会社アルカディアの「SpeeCAN RAIDEN(スピーキャン ライデン)」が10月11日に第三者から不正アクセスを受けたためで、防災情報メールは47,065人のメールアドレス、よこすか防犯あんしんメールは10,848人のメールアドレスが対象です。10月15日には、消防団員と消防職員に出動を知らせる「119RAIDEN」についても、漏えいのおそれがあると追加で発表しました。 2026年11月1日時点で、市のサイトに件数の確定や原因の詳しい説明といった続報は掲載されていません。防災情報メールとよこすか防犯あんしんメールの各ページは、いずれも「配信を休止しています」という表示のままです(両ページとも10月15日更新)。実際に漏えいしたかどうかは、市もまだ確認できていないと書いています。補償についての記載はありません。 登録している人がまずすることは3つです。市や配信事業者を名乗るメールのURLを開かないこと、メールで個人情報を入力・返信しないこと、防災と防犯の情報は当面、市の公式LINEや防災行政無線、防災情報テレホンガイドなどで受け取ることです。
この記事では、横須賀市の2つの報道発表と、配信システムの提供元であるアルカディアの公式の報告をもとに、どの登録者が対象なのか、何が含まれ何が含まれないのか、登録者が今日からできることを順に整理します。報道の件数や推測は使わず、公式に書かれている範囲だけを書きます。
横須賀市が発表した2つの事案の全体像
横須賀市が今回の件で出した報道発表は2つあります。1つ目は2026年10月13日の「横須賀市防災情報メール及び防犯あんしんメール配信サービス等における不正アクセスに伴う個人情報の漏えいのおそれについて」、2つ目は10月15日の「消防職員・消防団員向け災害情報配信サービスにおける不正アクセスに伴う個人情報の漏えいのおそれについて」です。どちらも配信システムを提供するアルカディアへの不正アクセスが原因で、市のシステムそのものが攻撃を受けたという発表ではありません。
市の発表に書かれている対象を、サービスごとに表にまとめます。件数と項目は市の発表のとおりです。
| サービス | 対象の人数 | 漏えいしたおそれのある項目 | 発表日 |
|---|---|---|---|
| 防災情報メール配信サービス | 47,065人 | メールアドレス | 10月13日 |
| 防災情報FAX配信サービス | 996人 | 氏名(事業者名)、電話番号、FAX番号、メールアドレス | 10月13日 |
| 防災情報電話配信サービス | 11人 | 氏名、電話番号、FAX番号 | 10月13日 |
| よこすか防犯あんしんメール配信サービス | 10,848人 | メールアドレス | 10月13日 |
| 119RAIDEN(消防団員向け災害出動指令メール) | 消防団員757名、消防職員500名 | 氏名、メールアドレス | 10月15日 |
| 119RAIDENで配信した災害情報 | 最大600件 | 災害発生場所の住所、災害点名(苗字) | 10月15日 |
10月13日の発表は、市民や市外の人が自分で登録するサービスが中心です。10月15日の発表は、消防団員と消防職員という市の災害対応に関わる人の連絡先と、過去に配信した火災や救助の発生場所の住所と苗字が対象です。登録したことがない人でも、自宅の近くで火災や救助があった場合は、2つ目の発表に関係する可能性があります。
市は10月13日の発表で、件数と範囲はまだ確定していないと書いています。表の人数は、各サービスに登録されている人の数をもとにした「漏えいしたおそれのある」人数で、実際に漏えいした人数ではありません。
下記サービスに登録されている利用者の連絡先データについて漏洩した可能性があります。 現時点では、漏洩した件数及び詳細な範囲については確定しておらず、現在、サービス提供事業者において調査が進められています。 出典: 横須賀市 報道発表資料(2026年10月13日)
公表の経緯(10月11日から11月1日まで)
市の発表と、アルカディアが公式ブログで出している報告を、日付の順に並べます。アルカディアの報告は、同社が運営する「SpeeCAN RAIDEN公式ブログ」の「弊社サービスへの不正アクセスに伴う一連の対応について」という記事で、2026年10月30日の第24報まで更新されています。
- 10月11日:アルカディアが、SpeeCAN RAIDENで不正アクセスが疑われる不審な挙動を確認しました。同社の報告書では、同日6時26分に攻撃者がアクセスを始め、23時40分に社内の監視で異常を検知したとしています
- 10月12日3時ごろ:アルカディアが侵入経路を塞ぐ応急措置をとりました
- 10月13日:横須賀市に、防災情報メールと防犯あんしんメールの登録者から不審なメールの着信について問い合わせがあり、市が事業者に確認して不正アクセスを把握しました。市は4つのサービスを停止し、報道発表を出しました
- 10月14日15時:アルカディアが、消防向けの「119RAIDEN」と、緊急通報システム「NET119」にも不正アクセスの形跡があり、個人情報が漏えいした可能性があると公表しました
- 10月15日:横須賀市消防局が、119RAIDENを使っていることから、消防団員と消防職員の情報、過去の災害情報が対象になりうると発表しました。同じ日、防災情報メールと防犯あんしんメールの案内ページに「配信を休止しています」と掲載しました
- 10月21日:アルカディアが、10月13日1時17分から7時16分までの間に、不正なプログラムによって同社のシステムから外部へ不正なメールが1,423,428通送られたと報告しました。内容はフィッシング詐欺とされています
- 10月23日:アルカディアが説明資料と報告書を公表しました
- 10月30日:アルカディアが、管理画面へのログインに2段階認証の機能を追加したと報告しました
2026年11月1日時点で、横須賀市の報道発表の一覧(2026年10月分)に、この件の続報は見当たりません。市は10月13日の発表で「サービス提供事業者から原因や詳細な調査結果等が公表され次第、本市としても必要な対応を行うとともに、改めて報道発表等にてお知らせ」すると書いています。サービスの再開や件数の確定は、市の次の発表を待つことになります。
アルカディアは、SpeeCAN RAIDENを使う全国の自治体や会社に向けて報告を出しています。同社の報告に出てくる件数(メールアドレス約3,136,000件など)は全国の利用者を合わせた推定値で、横須賀市の登録者の数ではありません。配信システムの側から見た全体の流れは、アルカディアの情報漏洩|SpeeCAN RAIDENの約313万件と偽メールの見分け方 2026で別にまとめています。
漏えいしたおそれのある項目と、含まれないもの
漏えいのおそれがある項目は、登録したサービスによって大きく違います。防災情報メールと防犯あんしんメールはメールアドレスだけ、FAX配信と電話配信は氏名や電話番号まで含みます。自分がどのサービスに登録したかを思い出すことが、最初の手がかりになります。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| メール配信の登録者(防災情報メール、防犯あんしんメール) | メールアドレス |
| FAX配信の登録者 | 氏名(事業者名)、電話番号、FAX番号、メールアドレス |
| 電話配信の登録者 | 氏名、電話番号、FAX番号 |
| 消防団員・消防職員 | 氏名、メールアドレス |
| 過去の災害情報 | 災害発生場所の住所、災害点名(苗字) |
| 含まれないと明記されているもの | クレジットカードなどの決済情報(SpeeCAN RAIDENでは扱っていないとアルカディアが説明) |
市の発表には「含まれない項目」の一覧はありません。アルカディアは10月13日の第2報で、SpeeCAN RAIDENではクレジットカードなどの決済情報を扱っていないので漏えいの対象ではないと書いています。そもそも防災情報メールも防犯あんしんメールも無料の登録で、カード番号や口座番号を入れる場面はありません。今回の件を理由に、カードや口座の手続きをする必要は示されていません。
一方で、アルカディアの報告では、SpeeCAN RAIDENで扱う情報として「履歴として保存されている本文に記載されている内容」も漏えいの可能性がある項目に挙げられています。これは配信したメールの本文のことです。横須賀市の防災情報メールの本文は、防災行政無線で流した気象警報や避難の情報で、個人の情報が載る性格のものではありません。ただし、119RAIDENで消防団員に送った災害出動の指令には、災害発生場所の住所と苗字が含まれていたため、市は10月15日にその点を明記しました。
メールアドレスだけが対象の人は、住所や電話番号まで知られたと考える必要はありません。市の発表のとおり、登録したのはメールアドレスだけだからです。ただ、メールアドレスに「横須賀市の防災情報に登録している」という属性がひもづいて出回った場合、横須賀市や防災を名乗る偽のメールが本物らしく見えやすくなります。対策の中心は、不審なメールへの備えです。
原因:配信システム「SpeeCAN RAIDEN」への不正アクセス
横須賀市の発表では、原因は配信システムを提供するアルカディアの「SpeeCAN RAIDEN」に対する第三者の不正アクセスとされています。市は、原因と影響の範囲を事業者と連携して調べていると書いています。
アルカディアが10月23日に公表した報告書には、もう少し詳しい経過が書かれています。同社のメディアサーバーにある「ディレクトリパストラバーサル」という弱点を突かれて設定ファイルを取られ、そこからサービス間のログインに使う秘密の鍵が流出し、アカウントIDへの総当たりでログインされて内部の情報を取られた、という説明です。ディレクトリパストラバーサルとは、Webサーバーの中の本来は見られないファイルを、URLの指定の仕方を工夫して読み出せてしまう弱点のことです。総当たりとは、多数のIDやパスワードを機械的に試してログインを突破しようとする攻撃のことです。
同じ報告書では、攻撃者が設置した裏口(バックドア)から、10月13日の未明に不正なメールが大量に送られたとされています。横須賀市の登録者から「不審なメールが届いた」と問い合わせがあったのはこの日で、市の発表にも「すでに不審な迷惑メールが届いていることを確認しております」とあります。アルカディアは、送られた1,423,428通のうち少なくとも869,575通は、同社が保有するメールアドレスへの配信ではなかったと報告しています。届いた人の全員が登録者というわけではない点も、公式の報告から読み取れます。
アルカディアは10月30日の第24報で、管理画面へのログインに2段階認証の機能を追加し、利用を求めたと報告しています。これは自治体など配信する側の管理者が使う画面の話で、防災情報メールを受け取る登録者が何かを設定する必要はありません。登録者の側でできることは、この記事の後半で扱う不審なメールへの備えが中心です。
アルカディアは、セキュリティ専門の第三者機関に詳しい調査を頼んでいると書いています。原因の最終的な説明は、その調査の結果を待つことになります。この記事では、公式の報告に書かれていない攻撃者の正体や目的には触れません。
横須賀市の対応と、サービスの今
市は10月13日、状況が確認されるまで4つのサービス(防災情報メール、防災情報FAX、防災情報電話、よこすか防犯あんしんメール)を停止しました。あわせて、個人情報保護委員会へ報告したと発表しています。10月15日の消防局の発表でも、個人情報保護委員会へ報告したと書いています。
2026年11月1日時点で、市の案内ページの表示は次のとおりです。
- 防災情報メールサービスのページ:「現在、防災情報メールサービスの配信を休止しています。」(10月15日更新)
- よこすか防犯あんしんメールのページ:「現在、よこすか防犯あんしんメールの配信を休止しています。」(10月15日更新)。防犯の情報は横須賀市LINE公式アカウントで配信すると案内しています
市は、サービスを止めている間の防災と防犯の情報を、市の公式ホームページ、公式SNS(X、LINEなど)、防災行政無線などで出すと発表しています。防災の情報の受け取り方は、市の「情報収集(防災行政無線・防災情報メールなど)」のページにまとまっています。メールが止まっている間に使えるものを並べます。
| 手段 | 内容 |
|---|---|
| 横須賀市公式LINE | 防災行政無線で放送した内容をメッセージで受け取れる。防犯の情報は受信設定を「全ての情報を受け取る」か「防犯」にする |
| 防災情報テレホンガイド | 046-822-3900に電話すると、防災行政無線で放送した内容を自動音声で聞ける(24時間) |
| 防災行政無線 | 市内約400か所の放送塔から放送 |
| テレビのデータ放送 | dボタンで気象や防災の情報を確認できる |
| ラジオ | FMブルー湘南(78.5MHz)と防災協定を結んでいる |
防災情報電話配信サービスは、携帯電話を持っていない原則75歳以上の市民に、防災行政無線の内容を固定電話へ音声で届けるサービスです。これも止まっているため、登録していた高齢の家族がいる場合は、防災情報テレホンガイドの番号を伝えておく、テレビのデータ放送の見方を一緒に確かめる、といった声かけが役に立ちます。
防災情報メールは、横須賀市に住んでいない人でも登録できます。市は、市内に家族が住む市外の人にも便利だと案内しています。市外に住んでいて親の住む横須賀市の防災情報を受け取っていた人も、今回の対象に入りうる点に気をつけてください。
自分が対象かを確かめる方法
市の発表は、登録者全員を対象としています。そのため、対象かどうかは「どのサービスに、いつ登録したか」で決まります。市が個別に「あなたの情報が漏えいした」と通知するという記載は、2026年11月1日時点の発表にはありません。
確かめ方は次の順です。
- 防災情報メールに登録しているかを確かめます。登録していれば、過去に「横須賀市」の名前で防災気象情報のメールが届いているはずです。メールソフトの検索で、過去の警報や避難情報の配信を探します
- よこすか防犯あんしんメールに登録しているかを確かめます。空き巣や特殊詐欺、不審者の情報が届いていたなら登録者です
- FAXや電話の配信に申し込んだかを思い出します。FAX配信は事業者の登録も多く、勤め先の総務や防災の担当が登録していることもあります
- 消防団員の人は、119RAIDENで出動の指令メールを受けていたかを確かめます。所属する分団を通じて、市の消防局から案内があるかを確かめます
確かめるときは、新しく届いたメールの中のリンクから登録状況を確かめようとしないでください。市は「本市やサービス提供事業者を装って、個人情報の入力等を求めるメールが送信される可能性があります」と書いています。登録の解除や確認のために案内されたように見えるリンクも、開かずに市の公式ページから入ります。
分からないときは、市の窓口に電話で確かめます。防災情報メールとFAX・電話の配信は市長室危機管理課、よこすか防犯あんしんメールは民生局地域支援部市民生活課、119RAIDENは消防局指令課が窓口です。番号は記事の後半の窓口の表にまとめています。
登録者がすること(項目に合わせて)
メールアドレスだけが対象の人(防災情報メール、防犯あんしんメール)
メールアドレスが知られた場合に起きやすいのは、なりすましのメールが届くことです。市はすでに不審な迷惑メールが届いていることを確認しています。次のことを守れば、多くの被害は防げます。
- 身に覚えのないメールのURLを開かない、添付ファイルを開かない、返信しない
- 「登録情報の確認」「配信再開の手続き」などと書かれていても、メールの中のリンクから個人情報やパスワードを入力しない
- 届いた不審なメールは削除する(市の発表どおり)
- 配信の再開や登録のし直しの案内は、市の公式ページで確かめる
同じメールアドレスを、ネット通販や銀行のアカウントのログインにも使っている人は、そのサービスのパスワードが使い回しになっていないかを見直すと安心です。今回の件でパスワードが漏れたとは発表されていませんが、メールアドレスが知られると、他のサービスへのログインの試みに使われることがあります。メールアドレスが過去の別の漏えいに含まれていないかは、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩の手順で調べられます。
FAXや電話の配信の登録者
FAX配信の登録者は、氏名(事業者名)、電話番号、FAX番号、メールアドレスが対象です。電話配信の登録者は、氏名、電話番号、FAX番号が対象です。メールだけでなく、電話やFAXで市や事業者を名乗る連絡が来ることにも備えます。
- 市や配信事業者を名乗る電話で、生年月日や口座、暗証番号を聞かれても答えない
- 「登録情報の更新が必要」「手数料が返金される」といった電話は、いったん切って、市の代表番号(046-822-4000)や担当課の番号にかけ直して確かめる
- FAXで届いた案内に書かれた番号に、すぐ電話をかけない
電話配信の登録者は、携帯電話を持たない高齢の人が中心です。家族が近くに住んでいなくても、電話で「市から聞かれても答えなくてよいこと」を一度伝えておくと安心です。電話番号が知られたときに起きやすいことと備え方は、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026で詳しく扱っています。
消防団員・消防職員と、災害現場の住所に名前が載った人へ
10月15日の消防局の発表は、ほかの発表と性格が違います。対象は、119RAIDENに配信先として登録されている消防団員757名と消防職員500名の氏名とメールアドレス、そして過去に配信した火災や救助の発生場所の住所と災害点名(苗字)最大600件です。災害点名とは、災害が起きた場所を示すために使う名前のことで、市の発表では苗字とされています。
今回の不正アクセスにより、過去に配信した災害情報に含まれる住所や苗字等が漏えいした可能性がありますが、現時点では、実際の漏えいの有無や対象となる情報の範囲は確認できていません。 また、今回の事案に便乗し、事業者や本市消防局等を装った不審な郵便物が送付される可能性があります。 出典: 横須賀市 報道発表資料(2026年10月15日)
この発表で市が特に注意を呼びかけているのは、郵便物です。住所と苗字が組みになって出回ると、郵便で「消防局」「配信事業者」を名乗る書面が届くことがありえます。市は、不審な郵便物に書かれた連絡先への問い合わせやURLへのアクセス、個人情報の提供を安易にしないよう呼びかけています。
過去に自宅や近所で火災や救助があった人は、自分の住所が災害情報として配信されていた可能性があります。ただし、市はどの住所が含まれるかを個別には発表していません。心当たりがあって不安な場合は、消防局指令課に確かめるのが確実です。市の発表では、指令課の電話番号(046-822-0119)に「緊急時はこちらへお電話ください」と添えられています。問い合わせのときは、その番号が緊急の連絡にも使われていることを意識しておきます。
消防団員の人は、市から届く連絡と、偽の連絡の見分けが特に大切です。出動の指令を装ったメールや、「名簿の更新」を名乗る連絡が来たら、分団の幹部や消防局に別の経路で確かめます。団員の名前とメールアドレスが組みで知られると、仲間内の連絡を装う手口が成り立ちやすくなるためです。
登録を解除したほうがよいか
漏えいのおそれがあると聞くと、すぐに登録を解除したくなるかもしれません。ただ、解除しても、すでに取られたおそれのある情報が取り戻せるわけではありません。市の発表も、登録者に解除を求めてはいません。
防災情報メールの登録の解除は、市のページによると、登録用のアドレスに空メールを送り、届いたメールの中の解除用のアドレスから手続きする仕組みです。配信が休止している2026年11月1日時点で、この手続きが通常どおり使えるかは、市のページには書かれていません。今の時点で、解除の案内を名乗るメールが届いても、そのメールから手続きを進めないでください。
解除するかどうかは、配信が再開されたときに、市が出す案内を読んでから決めても遅くありません。再開の際に事業者や仕組みが変わるのか、どんな安全対策がとられたのかは、市の次の発表で分かるはずです。LINEなど別の受け取り方に切り替えた人も、切り替えたことを理由に急いで解除する必要はありません。
届いている不審なメールの見分け方
市の発表と、アルカディアの報告から分かるのは、不審なメールがすでに実際に送られているということです。アルカディアは10月13日未明の不正なメールをフィッシング詐欺と説明しています。フィッシング詐欺とは、実在する会社などを装ったメールで偽のサイトへ誘い、IDやパスワード、カード番号などを入力させて盗む手口のことです。
横須賀市を名乗るメールで、次のどれかに当てはまるものは開かずに削除します。
- 防災や防犯の配信と関係のない内容(荷物の不在、カードの利用確認、アカウントの停止など)が書かれている
- 「至急」「本日中」など、急がせる言葉がある
- 本文のURLが、市の公式サイト(city.yokosuka.kanagawa.jp)ではない
- 個人情報、パスワード、カード番号の入力を求めている
- 添付ファイルを開くよう促している
横須賀市の防災情報メールは、防災行政無線で流した内容を届けるもので、カード番号や口座の入力を求めることはありません。配信が止まっている2026年11月1日時点で、防災情報メールの名前で何かが届いた場合は、それ自体を疑う理由になります。
見分け方をもう少し広く知りたい人は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で、送信元の見方や、うっかり開いてしまった後の対処を順に解説しています。リンクを開いて情報を入れてしまった場合は、入れたパスワードをすぐ変え、カード番号を入れたならカード会社に連絡します。
問い合わせ窓口
市の発表に載っている窓口を、サービスごとにまとめます。受付の時間は、市のサイトの共通の案内で、開庁時間が月曜日から金曜日の午前8時30分から午後5時まで(土曜日・日曜日、祝日・休日、年末年始を除く)とされています。
| 内容 | 窓口 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 防災情報メール、防災情報FAX、防災情報電話 | 市長室危機管理課 | 046-822-8409 |
| よこすか防犯あんしんメール | 民生局地域支援部市民生活課 | 046-822-9807 |
| 119RAIDEN(消防団員・消防職員、災害情報) | 消防局指令課 | 046-822-0119 |
消防局指令課の番号は、市の発表で「緊急時はこちらへお電話ください」とも書かれている番号です。火事や救急の通報は119番で、問い合わせとは分けます。
配信システムの不正アクセスそのものについては、アルカディアが同社の公式ブログ「SpeeCAN RAIDEN公式ブログ」で報告を続けています。同社の第2報では、個人情報相談窓口として050-5830-0750(受付時間 午前9時から午後5時、土日祝・年末年始を除く)を案内しています。横須賀市の登録についての質問は市へ、システムの経過についての質問は事業者へ、と分けると話が早く進みます。
同じ時期に横須賀市が発表した別の事案
「横須賀市 情報漏洩」と調べると、2026年10月に市が出した別の発表も見つかります。今回の防災情報メールの件とは別の事案なので、混ぜずに読みます。市の報道発表の一覧に並んでいるものを、1文ずつ紹介します。
- 10月7日:ふるさと納税の返礼品の配送を再委託していた佐川急便のWebサイトへの不正アクセスで、寄附者の氏名、住所、電話番号が漏えいしたおそれがあるという発表です
- 10月21日:ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」への不正アクセスで、運営会社が管理する会員の情報が外部に流出し、寄附の受付が一時止まったという発表です。全体の流れはふるさとチョイスの情報漏洩|Amazon Payでの寄付254件と利用者が確かめること 2026でもまとめています
- 10月22日:横須賀市自然・人文博物館のメールマガジンで、運営事業者の株式会社ラクスライトクラウドへの不正アクセスにより、約1,000人のメールアドレスが漏えいしたおそれがあるという発表です
- 10月22日:市が主催する「スタートアップオーディションin YOKOSUKA」の問い合わせフォームで、再委託先のStudio株式会社への不正アクセスにより、問い合わせた6件の情報が漏えいしたおそれがあるという発表です
どれも市の外部の事業者が受けた不正アクセスで、事業者も対象の人も違います。博物館のメールマガジンは防災情報メールと同じくメールの配信ですが、事業者はアルカディアではなくラクスライトクラウドです。登録したサービスが複数ある人は、それぞれの発表を別に確かめてください。
在宅で仕事をする人が気をつけること
防災情報メールに登録したメールアドレスを、仕事の連絡にも使っている人は少なくありません。在宅で仕事をする人は、取引先から預かった顧客名簿や問い合わせの記録を自分のパソコンやメールで扱うことがあります。自分のメールアドレスを狙った偽のメールを開いてしまうと、被害は自分だけでなく、取引先の情報にも及びかねません。
個人情報保護委員会は、事業者が個人データの漏えいやそのおそれに気づいたときの報告について、公式ページ「漏えい等の対応とお役立ち資料」で案内しています。そこでは、不正アクセスによって個人データが漏えいした場合などは報告が義務付けられていること、発覚したらまず速やかに報告すること、不正な目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内に報告することが示されています。個人で仕事を請けている人が取引先の名簿を扱っている場合も、どこまでが自分の責任になるかは契約の内容で変わるので、取引先と確かめておくことが大切です。
日々の作業で気をつけたいのは次の点です。
- 仕事用と、行政や趣味のサービスの登録用で、メールアドレスを分ける
- 取引先から預かったファイルを開くパソコンでは、不審なメールの添付やリンクを開かない
- 仕事で使うクラウドサービスやメールには、2段階認証(パスワードに加えて確認コードなどでも本人を確かめる仕組み)を設定する
- 不審なメールを開いてしまったら、自分で抱えずに取引先へ早めに伝える
情報の受け取り方を複数持っておくという備え
今回の件で横須賀市の登録者が困ったのは、情報が漏えいしたおそれだけではありません。防災と防犯の情報を受け取っていたメールそのものが止まり、2026年11月1日時点でも休止が続いています。市はLINEや防災行政無線、テレホンガイドなどで情報を出していますが、メールだけに頼っていた人は、受け取り方を切り替える必要がありました。
災害の情報は、届かないこと自体が危険につながります。メール、LINE、テレビのデータ放送、ラジオのように、性格の違う受け取り方を2つ以上持っておくと、どれか1つが止まっても情報が途切れません。家族の中で誰がどの手段で受け取るかを決めておくと、高齢の家族に情報を伝える役割も分けられます。
フリーランスや在宅ワークの仲介を長く運営してきた立場から見ても、仕事を長く続けている人ほど、連絡の経路を1つに頼らない工夫をしています。メールが届かない日に備えて電話やチャットの連絡先も取引先と交わしておく、仕事用と個人用のアカウントを分けて片方が止まっても仕事が回るようにしておく、といった備えです。情報の漏えいやサービスの停止は、自分では防げない形で起きます。起きたときに慌てずに済む準備は、防災の情報でも仕事の連絡でも同じです。
セキュリティの知識は、在宅の仕事でもそのまま役に立ちます。不審なメールを見分け、アカウントを守る設定を整えられることは、取引先から信頼される理由の1つです。セキュリティやマーケティングに関わる仕事の種類は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。在宅でできる仕事を実際に探すときは、@SOHO 求人一覧から条件に合う案件を確かめられます。
よくある質問
Q. 横須賀市の防災情報メールに登録していれば、必ず情報が漏えいしたのですか?
市の発表は、防災情報メールに登録している47,065人のメールアドレスについて「漏洩した可能性がある」というもので、実際に漏えいしたと確定したわけではありません。件数と範囲は事業者が調べていると書かれています。登録者は、市や事業者を名乗る不審なメールのURLを開かない、個人情報を入力しない、という備えをしておくのが確実です。
Q. 防災情報メールはいつ再開しますか?
2026年11月1日時点で、市の防災情報メールのページは「配信を休止しています」という表示のままで、再開の日付は発表されていません。市は、事業者から調査結果が出たら改めて報道発表などで知らせるとしています。休止中は、横須賀市公式LINE、防災行政無線、防災情報テレホンガイド(046-822-3900)などで情報を受け取れます。
Q. クレジットカードや銀行口座の手続きは必要ですか?
今回の対象は、メールアドレス、氏名、電話番号、FAX番号などで、配信システムの提供元のアルカディアは、SpeeCAN RAIDENでクレジットカードなどの決済情報は扱っていないので漏えいの対象ではないと説明しています。今回の件を理由にカードや口座を止める必要は示されていません。ただし、偽のメールでカード番号を入力してしまった場合は、すぐカード会社に連絡してください。
Q. 市外に住んでいますが、横須賀市の防災情報メールに登録していました。対象になりますか?
防災情報メールは横須賀市に住んでいない人も登録できるサービスで、市の発表は登録者全体を対象にしています。市外に住んでいても、登録していれば対象に入りえます。登録したか分からない場合は、過去に横須賀市の防災情報のメールが届いているかを探し、それでも分からなければ市長室危機管理課(046-822-8409)に確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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