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横手市の委託業務 個人情報漏えいの恐れ|委託先へのランサムウエア攻撃 延べ約1,300人 2026

@SOHO編集部
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横手市の委託業務 個人情報漏えいの恐れ|委託先へのランサムウエア攻撃 延べ約1,300人 2026

この記事のポイント

  • ✓横手市の情報漏えいについて
  • ✓2026年11月5日の市の発表をもとに整理
  • ✓測量設計業務などの委託先 柴田工事調査株式会社へのランサムウエア攻撃で

横手市の情報漏えいについて、秋田県横手市は2026年11月5日に「市発注業務委託者へのサイバー攻撃に伴う個人情報の漏えいの恐れについてお知らせします」を掲載しました。公共工事の測量設計業務などを委託している柴田工事調査株式会社(本社:湯沢市)がランサムウエア攻撃を受け、市が発注した委託業務に含まれる土地所有者等の住所と氏名、延べ約1,300人に漏えいの恐れがあるという内容です。 該当するのは、令和3年度から令和8年度までに市が発注した測量設計業務や地籍調査など、委託業務12件です。 市内に土地を持つ人がまずすることは、土地や測量を口実にしたメール、SMS、電話、郵便物に応じず、URLや添付ファイルを開かず、個人情報を入力しないことです。

この記事は、2026年11月7日時点で横手市のサイトに掲載されている発表を開き直し、その記載だけをもとに書いています。報道に出ている件数のうち、市の発表と違う数字は入れていません。委託先の柴田工事調査株式会社のサイトは、11月7日時点で接続できず、同社の発表は確かめられていません。

横手市の発表で何が起きたのか

「横手市 情報漏えい」と調べた人の多くは、横手市内に土地を持っていて、市の道路工事や測量、地籍調査で連絡を受けたことがある人でしょう。知りたいのは「自分の名前や住所が入っているのか」「何に気をつければよいのか」「どこに聞けばよいのか」の3つだと思います。最初に、発表の骨子を見ます。

公共工事の測量設計業務などを委託している柴田工事調査株式会社(本社:湯沢市)から、ランサムウエア攻撃によるシステム障害が発生した旨の報告がありました。 市では測量設計業務委託等を同社に対し発注しており、影響等について聞き取りを行った結果、委託業務の個人情報について、漏えいした恐れがあるとの報告を受けました。個人情報の不正利用の事実は確認されていませんが、引き続き受注者からの情報収集に努めてまいります。 出典: 横手市 財務部契約検査課契約係「市発注業務委託者へのサイバー攻撃に伴う個人情報の漏えいの恐れについてお知らせします」

発表の要点を整理します。

  • 横手市は、公共工事の測量設計業務などを柴田工事調査株式会社に委託している
  • 同社から、ランサムウエア攻撃によるシステム障害が起きたと市に報告があった
  • 市が影響を聞き取ったところ、委託業務の個人情報が漏えいした恐れがあると報告を受けた
  • 個人情報の不正利用の事実は確認されていない
  • 市は引き続き、受注者(柴田工事調査株式会社)から情報を集めるとしている

ここで大事なのは、市のシステムが攻撃されたのではないという点です。市から仕事を受けた会社のシステムが攻撃を受け、その会社が業務のために預かっていた情報に影響が出た恐れがある、という流れです。発表の見出しも本文も「漏えいの恐れ」と書いており、漏えいしたと言い切ってはいません。

漏えいの恐れがある情報と件数

発表に書かれた内容を、そのまま表にします。

項目 発表の内容
該当する業務 令和3年度から令和8年度までに当市が発注した測量設計業務や地籍調査など委託業務12件
漏えいした恐れのある個人情報 土地所有者等の住所、氏名
漏えいした恐れのある件数 延べ約1,300人(令和8年11月5日、柴田工事調査株式会社による調査)
不正利用の事実 確認されていない
含まれないと明記された項目 記載なし

項目は住所と氏名の2つです。電話番号、生年月日、口座番号などが含まれるかどうかは、発表に書かれていません。「含まれない」とも書かれていないので、2つの項目以外については分からない、と受け止めるのが正確です。

件数の根拠は「令和8年11月5日、柴田工事調査株式会社による調査」とされています。市が独自に数えた数字ではなく、委託先の会社が調べた結果を市が受け取った形です。調査が進めば、数字が変わることもありえます。

報道では、件数を細かい人数で書いているものもあります。市の発表は「延べ約1,300人」です。人に伝えるときは、市の発表のとおり「延べ約1,300人」と書くのが確実です。

「延べ約1,300人」の読み方

件数に付いている「延べ」は、同じ人を重ねて数えている可能性がある、という意味です。たとえば、ある人の土地が令和4年度の測量設計業務と令和6年度の地籍調査の両方に関わっていれば、その人は2回数えられます。12件の業務ごとに対象者を数えて合計した数が延べ約1,300人で、実際の人数はそれより少ない可能性があります。

「約」が付いているのは、端数を丸めているということです。発表の時点で正確な人数が固まっていない、あるいは業務ごとの数を合わせて丸めた、と読めます。どちらにしても、市はこの数字を確定した人数としては示していません。

もう1つ、「土地所有者等」の「等」にも注意が要ります。発表は、所有者以外にどのような人が含まれるかを書いていません。測量や調査では、土地の所有者のほか、共有者や相続人、隣の土地の所有者などの名前を扱うこともあります。ただし、今回の業務でどの範囲の人の情報が扱われていたかは、発表には書かれていません。推測で範囲を広げず、自分が当たるかどうか分からない人は、後で挙げる窓口で確かめてください。

対象の業務と、委託先が住所と氏名を持っている理由

なぜ測量の会社が土地の所有者の住所と氏名を持っているのか、不思議に思う人もいるでしょう。理由は業務の中身にあります。

測量設計業務は、道路や水路などの公共工事の前に、土地の形や高さ、境界を測り、工事の設計をする仕事です。工事の範囲にかかる土地の所有者に立ち会いを頼んだり、説明の文書を送ったりするため、所有者の住所と氏名が要ります。

地籍調査は、国の地籍調査のサイトで次のように説明されています。

地籍調査とは、主に市町村が主体となって、一筆ごとの土地の所有者、地番、地目を調査し、境界の位置と面積を測量する調査です。 出典: 地籍調査Webサイト「地籍調査とは」

一筆とは、登記の上で1つの土地として区切られた単位のことです。地籍調査では、土地ごとに所有者を調べ、境界の確認に立ち会ってもらいます。そのため、調査を担う会社は所有者の住所と氏名を扱います。市町村が主体の調査でも、実際の測量は専門の会社に委託されることがあり、今回の発表もそうした委託業務の1つとして地籍調査を挙げています。

今回の対象は、令和3年度から令和8年度までの約6年度にわたる12件の業務です。数年前に測量や地籍調査の立ち会いをした人も、対象に含まれている可能性があります。「最近は市から何も連絡が来ていないから関係ない」とは言い切れません。

地籍調査の本物の連絡はどう届くか

地籍調査を口実にした偽の連絡を見分けるには、本物の調査がどのように進むかを知っておくのが近道です。国の地籍調査のサイトは、一般的な流れを次のように説明しています。

  1. 市町村が、いつ、どの地域を調査するかの計画をつくる
  2. 調査する地域の住民に、公民館などで地元説明会を開き、調査の内容、日程、作業をする者を説明する
  3. 境界をはさんだ土地の所有者に現地に来てもらい、双方の合意の上で境界を確かめる(一筆地調査)
  4. 確かめた境界を測量し、地図と面積を求める(地籍測量)
  5. 結果を地籍簿にまとめ、市町村役場で住民に見てもらう。通常、閲覧の期間は20日間
  6. 成果の写しが登記所に送られる

同じサイトは、調査は市町村の職員が直接行う場合と、民間の会社などに委託する場合があるとしています。今回の発表で地籍調査が委託業務の1つに挙がっているのは、この委託の形に当たります。

費用について、同じサイトの「地籍調査の実施者と費用」は次のように書いています。

このように、事業に要する経費は市町村、都道府県、国が負担しており、地元住民の方に個別に負担を求めることはありません。 出典: 地籍調査Webサイト「地籍調査の実施者と費用」

つまり、地籍調査の名目で「測量の費用を振り込んでください」「境界の確定に手数料がかかります」と求める連絡は、本物の地籍調査の流れとは合いません。地籍調査を名乗ってお金を求められたら、払う前に市に確かめてください。測量設計業務など、地籍調査以外の業務についても、市の工事のために住民がその場でお金を払う場面は通常考えにくいので、支払いを求められたら一度立ち止まることが大切です。

原因として発表されていること

市の発表に書かれた原因は、柴田工事調査株式会社から「ランサムウエア攻撃によるシステム障害が発生した旨の報告」があったことです。攻撃を受けた日、侵入の経路、どのシステムが被害を受けたかは、市の発表には書かれていません。

ランサムウエアについて、警察庁は次のように説明しています。

ランサムウェアとは、端末等に保存されているデータを暗号化して使用できない状態にした上で、そのデータを復号する対価(金銭又は暗号資産)を要求する不正プログラムです。 出典: 警察庁「ランサムウェア被害防止対策」

警察庁は同じページで、データを暗号化するだけでなく、データを盗み出したうえで「対価を支払わなければ当該データを公開する」と脅す二重恐喝の被害が多いことも挙げています。市の発表が「漏えいの恐れ」と書いているのは、システムの障害だけでなく、データが外に持ち出された可能性を否定できないためと読めます。ただし、実際に持ち出されたかどうかは、11月7日時点の市の発表では分かっていません。

市の発表は、委託先の会社による発表へのリンクを載せていません。同じ委託先について発表した由利本荘市のページは、柴田工事調査株式会社の「システム障害発生について」へのリンクを載せていますが、2026年11月7日時点では同社のサイトに接続できませんでした。会社側の説明は、接続できるようになってから確かめる必要があります。

ランサムウエアの被害で一般に起こりうること

今回の件で委託先に何が起きたかは、11月7日時点で詳しく分かっていません。ここでは、警察庁の説明をもとに、ランサムウエアの被害で一般にどのようなことが起こるかを整理します。今回の件に当てはまるかどうかは、続報で確かめる必要があります。

警察庁は、侵入の手口について、以前は不特定多数にメールを送る手口が一般的だったのに対し、現在はVPN(社外から社内のネットワークに安全につなぐための仕組み)の機器など、インターネットに露出した箇所から侵入する手口が多くを占めるとしています。修正されていない弱点、漏えいした認証情報、簡単なパスワード、設定の不備などが悪用されます。

被害を受けた会社では、一般に次のようなことが起こりえます。

  • 社内のファイルが暗号化され、業務のシステムが使えなくなる
  • 暗号化の前にデータが盗み出され、公開すると脅される
  • 盗まれたデータが、攻撃者の用意したサイト(リークサイト)に掲載されることがある

市の発表が「システム障害」と「漏えいの恐れ」の両方を書いているのは、この2つの面があるためと読めます。住民の側でできるのは、仮に情報が外に出ていた場合に備えて、住所と氏名を使った連絡に用心しておくことです。データが実際に盗まれたのか、どこかに掲載されたのかは、委託先と市の続報を待つ必要があります。

発表の言葉の読み方

市の発表には、受け止め方を左右する言葉がいくつかあります。

  • 「漏えいした恐れ」:漏えいしたと確定したのではなく、その可能性を否定できない段階
  • 「個人情報の不正利用の事実は確認されていません」:11月5日の時点で、情報が悪用された被害は見つかっていないという意味。今後も起きないという保証ではない
  • 「延べ約1,300人」:重複を含み、端数を丸めた数。確定した実人数ではない
  • 「土地所有者等」:所有者を中心に、それ以外の関係者を含みうる書き方。範囲は書かれていない

家族や近所の人に伝えるときは、これらの言葉をそのまま使うと、必要以上に不安をあおることも、逆に軽く見すぎることも避けられます。「横手市の土地の情報が全部流出した」のような言い方は、発表の内容と違います。

横手市の対応

発表に書かれた市の対応は、次の2つです。

  • 引き続き、受注者(柴田工事調査株式会社)からの情報収集に努める
  • 市民に、不審なメール、SMS、電話、郵便物への注意を呼びかける

対象者への個別の通知、補償、問い合わせ専用の窓口の開設については、発表に書かれていません。書かれていないことは、行われないという意味ではなく、11月7日時点で発表されていないということです。続報で追加されることもあります。

市が呼びかけている注意は、具体的には次のとおりです。

不審なメール、SMS、電話、郵便物にご注意ください。 また、身に覚えのないメールやSMSに記載されたURLや添付ファイルは開かず、不審なWebサイトに個人情報等を入力しないようお願いします。 出典: 横手市「市発注業務委託者へのサイバー攻撃に伴う個人情報の漏えいの恐れについてお知らせします」

注意の対象に「郵便物」が入っている点が特徴です。漏えいの恐れがあるのは住所と氏名なので、メールアドレスが分からなくても、手紙やはがきは届けられます。

同じ委託先に関する由利本荘市と大仙市の発表

柴田工事調査株式会社の件は、横手市だけではありません。由利本荘市は2026年11月6日に、令和3年度から令和8年度までに市が発注した家屋等事前調査と補償調査の委託業務2件で、個人情報が漏えいした恐れがあると発表し、詳細は調査中としています。大仙市も11月6日に、同じ委託先への不正アクセスによる発表を出し、用地測量業務など3件の業務で、土地所有者等の氏名、住所、電話番号、延べ31件に漏えいのおそれがあるとしています。3つの市の件数は業務も対象者も別なので、合わせた数字としては読まないでください。横手市の件として確かめるべき数字は、延べ約1,300人だけです。

自分が対象かを確かめる方法

市の発表には、対象者を個別に知らせるかどうかが書かれていません。自分が当たりそうかは、次の点を手がかりに考えます。

手がかり 当たる可能性
令和3年度から令和8年度に、市の工事や測量で土地の立ち会いを頼まれた 対象の業務に関わっている可能性がある
同じ時期に、地籍調査の案内や境界確認の通知を受け取った 対象の業務に関わっている可能性がある
市の工事の用地について説明の文書を受け取った 対象の業務に関わっている可能性がある
横手市内に土地を持っていない 発表の対象である「土地所有者等」には当たりにくい

上の手がかりは、あくまで考える目安です。12件のうちどの業務が対象か、どの地区が含まれるかは、発表に書かれていません。地籍調査の通知を受け取ったことがあっても、その調査を柴田工事調査株式会社が担当したかどうかは、本人からは分かりません。

確かめたい人は、発表に載っている財務部契約検査課契約係に電話で問い合わせてください。そのときは、土地のある地区、測量や調査の立ち会いをした時期、受け取った文書の差出人を手元に用意しておくと、話が早く進みます。市の窓口が個別の照会に答えられるかどうかは、問い合わせてみないと分かりません。

土地の所有者がすること

漏えいの恐れがあるのは住所と氏名です。それに合わせて、要ることだけを書きます。

すぐにすること

  • 横手市、測量の会社、土地の調査を名乗る郵便物や電話で、お金の支払いや口座番号、暗証番号を求められても応じない
  • メールやSMSに書かれたURLや添付ファイルを開かない
  • 不審な電話は一度切り、市の公式サイトに載っている番号にかけ直して確かめる

家族で共有しておくこと

  • 土地の名義が親や祖父母のままになっている家では、名義人あてに届く郵便物に家族も気をつける
  • 高齢の家族が一人で電話を受けることがあるなら、「土地の測量や境界の話でお金を求める電話は、家族に相談してから」と決めておく
  • 不審な郵便物が届いたら、捨てずに残しておき、市や警察に相談するときに見せられるようにする

念のためにすること

  • 届いた手紙やはがきの差出人と連絡先を、公式サイトや電話帳で確かめる習慣をつける
  • 不動産の売却や登記に関する話を持ちかけられたら、その場で決めず、法務局や信頼できる専門家に相談する

住所と氏名だけでは、それだけでお金を引き出されることはありません。被害につながるのは、その情報をきっかけにした連絡に応じてしまったときです。応じなければ、多くの被害は防げます。

市外に住む所有者や、相続した土地の場合

横手市内の土地の所有者が、横手市に住んでいるとは限りません。親から相続した土地をそのまま持っている人、進学や就職で市外に出た人、遠方に住む共有者など、市外に住む所有者もいます。発表の対象は「土地所有者等」なので、住んでいる場所に関係なく、市内の土地に関わる業務の対象になっていれば含まれる可能性があります。

市外に住む人は、横手市のサイトや地元の報道を見る機会が少なく、今回の発表を知らないままになりがちです。横手市に土地を持つ親族がいる人は、この件を伝えておくとよいでしょう。特に、土地の場所に詳しくない相続人は、「土地の境界のことで」「測量の件で」と言われると、本物か偽物かを判断しにくい立場にあります。

相続の登記が済んでいない土地では、登記の名義が亡くなった人のままになっていることがあります。亡くなった家族あてに、土地に関する郵便物が届いたときも、内容をよく確かめてください。差出人の連絡先を、届いた文書ではなく市の公式サイトで確かめるのが確実です。

住所と氏名で届きうる不審な連絡の型

土地の所有者の住所と氏名は、だます側にとって「土地」という具体的な話題を持ち出せる材料になります。考えられる連絡の型を挙げます。

  • 「測量の結果、境界の確定に費用がかかります。下記の口座に振り込んでください」
  • 「お持ちの土地を高く買い取りたい事業者がいます。手続きのために登記の書類を送ってください」
  • 「情報の流出のお詫びとして、返金の手続きをします。ATMで操作してください」
  • 「固定資産税の過払いがあります。還付の手続きをこちらで代行します」

3つ目と4つ目は、市役所や公的な機関を名乗って、お金を返すふりをする型です。電話でATMの操作を求められたら、その場では操作しないでください。お金の話が出たら、相手の名前と連絡先を聞いて一度切り、市の代表番号にかけ直して確かめてください。

メールアドレスが漏えいの恐れのある項目に入っていなくても、偽のメールやSMSが無関係になるわけではありません。ほかの件で流出したアドレスと組み合わされることもあるので、市が呼びかけているとおり、メールやSMSのURLにも注意してください。偽のSMSの見分け方は、スミッシング詐欺の見分け方|SMSの本文とURLで判定する手順で手順を整理しています。

お金を払ってしまった、だまされたかもしれないと感じたときは、消費者庁の消費者ホットラインの188に電話すると、近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。

測量や調査の立ち会いを頼まれたときに確かめること

今回の件の後も、市の工事や地籍調査は続きます。本物の測量や立ち会いの依頼が届いたときに、偽物と区別するための確かめ方を整理します。

  • 文書に書かれた担当課の名前と電話番号を、市の公式サイトの組織の一覧で確かめる。文書の番号ではなく、サイトの番号にかけて「この文書は市から出たものか」を聞く
  • 自宅を訪ねてきた人には、所属と名前を確かめ、必要なら身分を示すものを見せてもらう。その場で判断できなければ、市に確かめてから改めて対応すると伝える
  • 立ち会いの日時や場所の連絡に、口座番号、暗証番号、マイナンバーを書く欄があったら応じない。境界の確認に、これらの情報は通常要らない
  • 地元説明会の案内が回覧板や地区の役員を通じて届いている場合は、その経路も確かめる手がかりになる

本物の依頼でも、内容が分からないまま署名や押印をするのは避け、分からない点はその場で質問してください。境界の確認は、隣の土地の所有者との合意で決まる大事な手続きです。急がせる相手ほど、一度立ち止まって確かめる価値があります。

なお、今回の件で、市がこれまでの業務の書類の扱いや、今後の委託のやり方を変えるかどうかは、発表に書かれていません。続報で示されることがあれば、確かめておくとよいでしょう。

問い合わせ窓口

市の発表に載っている窓口は、次のとおりです。

項目 内容
担当 財務部契約検査課契約係
所在地 横手市中央町8番2号(本庁舎2階)
電話番号 0182-35-2169
ファクス 0182-32-4655
その他 問い合わせは専用フォームも利用できる

発表には、この窓口の受付時間の記載がありません。市役所の開庁時間は、市のサイトで午前8時30分から午後5時15分までと案内されています。

担当が契約検査課になっているのは、柴田工事調査株式会社との契約を扱う課だからと読めます。土地の測量や地籍調査そのものの担当課ではない点に注意してください。電話をかけるときは、「柴田工事調査株式会社の件」と最初に伝えると、話が通じやすくなります。電話番号は、必ず市のサイトに載っている発表で確かめてからかけてください。

横手市の発表には、委託先の会社の窓口は載っていません。同じ委託先について発表した由利本荘市のページには、問い合わせ先として柴田工事調査株式会社 総務部の電話番号(0183-73-7171)が載っています。横手市の業務についてどこまで答えられるかは分からないので、まずは横手市の契約検査課に聞くのが順当です。

委託先の情報管理と法律の決まり

今回のように、自治体が仕事を外部の会社に委託し、その会社のところで情報に影響が出る例は少なくありません。個人情報保護法は、この関係について決まりを設けています。

同法の第66条は、行政機関の長等に、保有する個人情報の漏えいを防ぐなど安全管理のために必要かつ適切な措置を講じるよう求めています。そして同じ決まりを、行政機関等から個人情報の取り扱いの委託を受けた者が、その委託を受けた業務を行う場合にも当てはめるとしています(e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」)。

つまり、市から測量や調査を受けた会社も、預かった個人情報を守るための措置を取る立場にあります。今回の件で、委託先がどのような措置を取っていたか、契約でどのような取り決めがあったかは、市の発表には書かれていません。こうした点は、続報や調査の結果を待つ必要があります。

利用者の側から見ると、自分の情報を直接預けた相手は市でも、実際に情報を扱っているのは委託先の会社ということがあります。今回の件は、そうした流れの中で起きた例です。

在宅で仕事をする人が気をつけること

在宅で仕事をする人の中には、自治体や企業から事務や調査の仕事を受けて、名簿や住所の一覧を預かる人もいるでしょう。今回の件は、仕事を受けた会社のシステムが攻撃されたことで、発注元の自治体の住民の情報に影響が出た恐れがある例です。仕事を受ける立場の人にとっても、同じことが起こりえます。

フリーランスや個人事業主も、取引先から顧客の名簿を預かれば、個人情報保護法の「個人情報取扱事業者」に当たる場合があります。同法の第26条は、個人の権利利益を害するおそれが大きい漏えい等が起きたとき、個人情報保護委員会への報告と本人への通知を事業者に求めています。ただし、ほかの事業者から取り扱いの委託を受けた側が、委託元に事態を通知したときは、委員会への報告をしなくてよいとしています。報告の対象になるのは、規則の第7条が挙げる場合で、その中には不正の目的をもって行われたおそれがある行為による漏えい等や、本人の数が千人を超える漏えい等(そのおそれを含む)が入っています(e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律施行規則」)。

自分の仕事がこれに当たるかどうかは、扱う情報の種類や量、契約の形で変わります。気になる人は、個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤル(03-6457-9849)で確かめると確実です。

ランサムウエアへの備えとして、在宅で仕事をする人がふだんから決めておきたいことは次のとおりです。

  • 預かった名簿や資料を、どの端末とどのサービスに保存しているかを一覧にしておく
  • 仕事が終わった案件の名簿は、契約で決めた期間が過ぎたら削除する
  • 大事なデータは、普段使う端末とは別の場所にもバックアップを取る
  • 端末やルーターのソフトウエアを最新の状態に保ち、パスワードを使い回さない
  • 何か起きたときに、どの取引先の誰に連絡するかを先に決めておく

侵入の経路と、経路ごとの防ぎ方、バックアップの考え方は、ランサムウェアへの対策|侵入経路別の防御とバックアップ設計の実務で解説しています。小さな事業者が使える補助の制度と、守りの固め方は、中小企業のサイバーセキュリティ対策2026|IT導入補助金で防御力を強化する方法で整理しています。

家族や地域で共有するときの伝え方

この件は、土地を持つ高齢の家族や、市外に住む親族ほど知る機会が少ない話です。伝えるときは、短く、発表の言葉のままにすると誤解が生まれません。家族のグループのメッセージや回覧で使える文の例を挙げます。

横手市が2026年11月5日に、市の測量設計業務や地籍調査などを請け負っていた会社がランサムウエアという攻撃を受け、土地所有者等の住所と氏名が延べ約1,300人分、漏えいした恐れがあると発表しました。不正利用は確認されていないそうです。 土地や測量の件で、お金の振り込みや口座番号、暗証番号を求める電話や手紙が来ても応じず、家族に相談してください。確かめたいときは、市の財務部契約検査課契約係(0182-35-2169)に、市のサイトで番号を確かめてから電話します。

伝える相手が高齢の場合は、文章だけでなく、電話や会ったときに口頭でも伝えると、記憶に残りやすくなります。「お金の話が出たら一度切る」「家族に電話する」の2つだけでも覚えてもらえれば、多くの被害は防げます。

地域の集まりで話題にするときは、どの業務が対象か分かっていないこと、漏えいが確定したわけではないことも添えてください。「うちの地区は関係ない」と決めつけるのも、「全員の情報が漏れた」と広めるのも、発表の内容とは違います。

続報で確かめたい点

2026年11月7日時点の発表では、まだ分かっていないことがあります。続報が出たときは、次の点を確かめるとよいでしょう。

  • 延べ約1,300人のうち、実際の人数は何人か。重複を除いた数が示されるか
  • 12件の業務がどの地区、どの工事に当たるか
  • 住所と氏名のほかに、含まれる項目や含まれない項目が示されるか
  • 対象者に個別の通知をするか
  • 柴田工事調査株式会社の調査で、データが実際に持ち出されたかどうかが分かったか
  • 柴田工事調査株式会社のサイトにつながるようになり、同社自身の発表で攻撃の日付や経路が確かめられるか
  • 市が委託先との今後の契約や、預けた書類の返却と削除について方針を示すか

続報を追うときは、報道の見出しではなく、横手市のサイトに載る発表そのものを見るようにしてください。報道では件数が市の発表と違う形で書かれることがあります。自分や家族に伝えるときも、発表の日付と件数、「恐れ」という言葉をそのまま伝えるのが確実です。確かめた日付をメモに残しておくと、後から続報と見比べるときに役立ちます。

情報を守る力を仕事に生かす

市の工事や土地の調査は、ふだん意識することの少ない手続きです。それでも、その裏側では委託先の会社が住民の住所と氏名を預かっています。利用者が自分で防げる範囲は限られていますが、お金の話が出る連絡に応じない、公式の番号にかけ直すという基本で、被害の多くは避けられます。

家族や地域の人に今回の件を伝えるときは、「漏えいした」ではなく「漏えいの恐れがある」、件数は「延べ約1,300人」と、発表の言葉のまま書くことが大切です。誤解のない文書を書く力を確かめる資格の1つとして、ビジネス文書検定があります。

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よくある質問

Q. 横手市の件では、何の情報が漏えいした恐れがあるのですか?

2026年11月5日の市の発表では、令和3年度から令和8年度までに市が発注した測量設計業務や地籍調査など委託業務12件に関わる、土地所有者等の住所と氏名です。件数は延べ約1,300人で、柴田工事調査株式会社の11月5日の調査によるものとされています。個人情報の不正利用の事実は確認されていません。

Q. 延べ約1,300人は実際の人数ですか?

「延べ」は、同じ人を重ねて数えている可能性があるという意味です。複数の業務に関わった人は、業務ごとに数えられます。実際の人数はこれより少ない可能性がありますが、重複を除いた数は2026年11月7日時点の発表に書かれていません。

Q. 自分が対象かどうかはどうすれば分かりますか?

市の発表には、対象者に個別に知らせるかどうかが書かれていません。令和3年度以降に市の工事や地籍調査で土地の立ち会いをした人は、対象の業務に関わっている可能性があります。確かめたい人は、財務部契約検査課契約係(0182-35-2169)に問い合わせてください。

Q. 土地の件で不審な電話や手紙が来たらどうすればいいですか?

お金の支払いや口座番号、暗証番号を求められても応じず、相手の名前と連絡先を聞いて一度切ってください。市の公式サイトに載っている番号にかけ直して確かめると安心です。お金を払ってしまったときは、消費者ホットライン188で近くの相談窓口を案内してもらえます。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月7日
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