浦添市の個人情報流出のおそれ|ヘルプデスク委託会社の社員による業務用ノートパソコンの盗難 住民登録者115,526人 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓浦添市の情報漏洩について
- ✓2026年5月29日の公表と10月28日までの追記をもとに整理
- ✓業務用ノートパソコンの盗難で住民登録者115,526人の情報と給付金の申請者112件に流出のおそれがある件の項目
浦添市の情報漏洩について、沖縄県浦添市は2026年5月29日(令和8年5月29日)、市のヘルプデスクの委託会社の社員だった人物に業務用ノートパソコンが盗まれ、そのうち3台に市民の個人情報が保存されていたとして、「業務用ノートパソコンの盗難及び盗難に伴う個人情報流出のおそれについて」を公表しました。対象は、令和7年11月17日時点の浦添市住民登録者115,526人の23項目と、定額減税補足給付金(不足額給付分)の申請者の情報112件です。2026年11月1日時点で、市はページを10月28日に更新しており、外部の専門調査会社によるフォレンジック調査では市民課のパソコンから情報を持ち出した痕跡は確認されず、令和8年10月21日までのダークウェブ調査でも本件に関する情報の流出は確認されていないと報告しています。 浦添市に住民登録がある人がまずすることは、市役所や警察などを名乗る電話、メール、郵便、訪問でお金や個人情報の話が出たら、その場で応じずに確かめることです。 給付金の申請をした人には、令和8年6月4日付けで個別の通知が送られているので、その中身を確かめてください。
この記事は、2026年11月1日時点で浦添市の公式ページと、市民向けのお詫びとお知らせのPDFを開き直して確かめた内容だけで書いています。報道で出ている数字や、市の発表に書かれていない事情は入れていません。
浦添市で何が起きたのか
浦添市は、2025年度(令和7年度)に、業務用ノートパソコンの入れ替えを進めていました。市の発表によると、令和7年4月に1,400台のリース契約を結び、同年9月から10月にかけて1,030台を入れ替え、残る370台は使っていない予備の機械として、市役所の中の鍵のかかった部屋で保管していました。
その後、保管している台数に疑いが出て、令和8年3月下旬に、予備の機械の一部が意図的に抜き取られた痕跡が見つかりました。防犯カメラの映像などから、市のヘルプデスクの委託会社の社員に不審な動きが見られ、警察の捜査が始まりました。ヘルプデスクとは、市の職員のパソコンの操作や設定を手伝う業務のことです。
市が全庁で調べたところ、予備の機械以外も含めて、ノートパソコン83台の所在が分からないことが判明しました。そのうち3台の中に、市民の個人情報が保存されていました。5月29日の発表の時点で、個人情報が入っていた3台を含む47台が回収されています。
このたび、本市において、業務用のノートパソコン83台が所在不明となり、令和7年10月以降、盗難に遭ったこと、またそのうちの3台は内部に市民の個人情報が含まれていたことが判明いたしました。 出典: 浦添市「業務用ノートパソコンの盗難及び盗難に伴う個人情報流出のおそれについて」
市の発表は「個人情報流出のおそれ」という言い方をしています。外部からシステムに侵入された事案ではなく、パソコンそのものが盗まれた事案です。市は、パソコンにはパスワードが設定されており、第三者が簡単に中の情報にアクセスできる状況ではなかったとしつつ、容疑者が業務の性質上、管理用のパスワードを把握する立場にあったことも書いています。そのうえで、市の調査や警察からの報告では、容疑者が個人情報を手に入れることを目的にしていた事実は確認されておらず、同じ販売事業者にパソコンを持ち込んでいたことから、転売を目的としていたとみられる、と説明しています。
公表の経緯と2026年11月1日時点の状況
浦添市は、最初の発表のあとも、同じページに追記を重ねています。公式に確かめられる出来事を日付の順に並べます。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 令和8年3月30日 | 予備の機械の盗難の疑いで浦添警察署に相談 |
| 令和8年4月16日 | 盗難届を提出 |
| 令和8年4月17日 | 委託会社の社員が逮捕されたと警察から連絡 |
| 令和8年4月18日 | 最初の公表。この時点では、盗まれたパソコンは未使用で、市民の個人情報や市の機密データはないと説明 |
| 令和8年4月21日から24日 | 全庁で現況調査。83台の所在不明と、うち3台に個人情報があることが判明 |
| 令和8年5月29日 | 「個人情報流出のおそれ」として公表。最初のページにも続報への案内を追加 |
| 令和8年6月3日 | 報道で名前の出た別の事業者が本件と関係ないことを追記 |
| 令和8年6月4日 | 給付金の申請者に個別通知を発送 |
| 令和8年6月22日 | 専門調査の実施を追記 |
| 令和8年7月10日 | フォレンジック調査の結果を追記。市民向けのお詫びとお知らせを作成 |
| 令和8年7月31日 | コールセンターを再稼働。広報うらそえ8月号への折り込みを追記 |
| 令和8年8月31日 | コールセンターを終了 |
| 令和8年10月28日 | ダークウェブ調査の結果(9月25日から10月21日)を追記 |
最初の4月18日の公表では、盗まれたのは未使用のパソコンで、市民の個人情報はないと説明されていました。その後、未使用の機械以外にも盗難の疑いがあったため全庁で調べ直し、個人情報が入ったパソコンも含まれていたことが分かった、という流れです。4月18日のページには、続報があるとして5月29日のページへの案内が加えられています。検索で4月18日のページに当たった人は、内容が古いことに気をつけてください。
2026年11月1日時点の最新の報告は、10月28日の追記です。市は、ダークウェブ調査を今後も定期的に行い、結果が分かるたびに表に追記するとしています。
流出のおそれがある項目と件数
盗まれたパソコンのうち、個人情報が保存されていたのは、市民課のパソコン1台と、給付金室のパソコン2台です。
| パソコン | 対象 | 件数 | 項目 |
|---|---|---|---|
| 市民課ノートパソコン(1台) | 令和7年11月17日時点の浦添市住民登録者 | 個人情報の件数 115,526件(市民向けのお知らせでは115,526人)、ファイル1件 | 23項目(下の表) |
| 給付金室ノートパソコン(2台) | 定額減税補足給付金(不足額給付分)の申請者 | 個人情報の件数 112件、ファイル58件 | 氏名、住所、電話番号、メールアドレス、口座番号、生年月日 |
市民課のパソコンに保存されていた23項目は次のとおりです。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 氏名に関するもの | 氏名漢字、氏名かな、旧氏漢字、旧氏かな、漢字併記名、カタカナ併記名、通称かな、通称漢字、氏名振り仮名、旧氏振り仮名 |
| 生年月日と性別 | 生年月日、生年月日数値、性別 |
| 住所と本籍 | 住所、本籍、転入元住所、前住所 |
| 世帯と戸籍に関するもの | 筆頭者、世帯主かな、世帯主名、続柄 |
| 外国籍の人に関するもの | 在留カード番号、国籍 |
市民課のパソコンの対象は、令和7年11月17日の時点で浦添市に住民登録があった人で、件数は115,526件です。項目に電話番号、メールアドレス、口座番号は含まれていません。一方、給付金室のパソコンの112件には、口座番号、電話番号、メールアドレスが含まれています。対象によって、気をつけることが変わります。
市の発表には、マイナンバーが含まれるかどうかについての記載はありません。項目の一覧にマイナンバーは挙がっていないので、この記事でも項目として扱いません。
住所が出回るおそれがあるときに起きやすいことと、備えの順番は、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番にまとめています。
専門調査の結果:フォレンジック調査とダークウェブ調査
浦添市は、警察から返還された個人情報入りの3台について、外部の専門調査会社に調査を依頼しました。調査は2種類です。
| 調査 | 目的 | 2026年11月1日時点の状況 |
|---|---|---|
| フォレンジック調査 | パソコンの中の情報が外へ流出した痕跡がないかを調べる | 調査完了 |
| ダークウェブ調査 | 情報がインターネット上に出回っていないかを調べる | 定期的に実施中 |
フォレンジック調査とは、パソコンなどの機器を解析して、いつ、どんな操作がされたかの痕跡を調べることです。ダークウェブとは、通常の検索では見つからない、盗まれた情報の売買などに使われることがあるインターネット上の場所のことです。
市民課のパソコンの調査結果
市民課のパソコン1台は詳しく解析され、結果は次のとおりでした。
| 調査項目 | 結果 |
|---|---|
| USBメモリなど情報の持ち出しに使える外部機器が接続された痕跡 | 確認されなかった |
| クラウドサービスを使った痕跡 | 確認されなかった |
| 個人情報を含むファイルへアクセスした痕跡 | 確認されなかった |
| Webメールサービスやメールのソフトを使った痕跡 | 確認されなかった |
市民向けのお詫びとお知らせでも、調査の結果、個人情報が外部に持ち出された痕跡は確認されていないと説明しています。
給付金室のパソコンの調査結果
給付金室のパソコン2台は、いずれも初期化されていたため、詳しい解析ができなかったと市は報告しています。初期化とは、パソコンの中のデータや設定を消して、買ったときの状態に戻すことです。解析ができなかったということは、持ち出しの痕跡があったともなかったとも、調査では確かめられなかったという意味です。
ダークウェブ調査の結果
ダークウェブ調査は、令和8年6月9日から定期的に行われています。市のページの表では、6月9日から6月16日、6月17日から7月16日、7月17日から7月30日、7月31日から8月12日、8月12日から8月27日、8月27日から9月25日、9月25日から10月21日のどの期間でも、本件に関する情報の流出は確認されなかったとされています。
市民向けのお詫びとお知らせに書かれていること
広報うらそえ8月号に折り込まれたお詫びとお知らせは、令和8年7月10日付けで、浦添市長の名前で出されています。中身は次の6つの柱でできています。
- 事件の概要と原因:ヘルプデスク業務の委託会社の元社員による盗難で、令和8年4月17日に逮捕されたこと。パソコンは販売業者に持ち込まれていて、転売目的だったとみられ、警察を経由して市が回収済みであること
- 専門調査会社による調査結果:外部機器の接続、クラウドサービスやWebメールでの送信、個人情報を含むファイルへのアクセスの痕跡は確認されなかったこと
- 今後の調査と市の対応:ダークウェブ調査を定期的に行い、市のホームページで随時更新すること
- 個人情報の対象者と項目:令和7年11月17日時点の浦添市住民登録者(115,526人)と23項目
- 二次被害等への注意:市役所や関係機関をかたる不審な電話、メール、郵便物、訪問への注意
- 再発防止策:入退庁の管理の見直し、機材保管庫の管理、受け渡しのルールの厳格化、職員と委託業者への教育
裏面には「今すぐできる、3つの自衛策」として、知らない番号からの電話には出ない、お金やカードの話が出たらすぐに切る、不審なメールのURLはクリックしない、の3つが挙げられています。このお知らせは住民登録者向けのものなので、給付金の申請者への個別通知とは別のものです。
原因について市が説明していること
市は、今回の事案は委託会社の一社員の不正行為によるものとみられるとしたうえで、盗難に気づくのが遅れたことや被害が広がったことの要因を、次のように挙げています。
- 1,400台の入れ替えの作業が行われる中で、当時の管理の方法では、予備の機械を含めた業務用パソコン全体の配置や動きを十分につかめていなかった
- セキュリティ対策のルールは定めていたが、庁舎内でのパソコンの受け渡しの確認、機器の管理体制、データの消し方などについて、具体的な運用の手順が定められていなかった
- ヘルプデスクの委託会社の作業員に対する管理と連携が不足していた
このうち、個人情報の流出のおそれにつながった要因として市が挙げているのは、2つ目の運用の手順の点です。個人情報が入ったパソコンが盗まれた3台に含まれていたのは、受け渡しのときにファイルを消す手順などが具体的に決まっていなかったためだと読めます。市は再発防止策として、パソコンを返すときや作業を頼んで預けるときに、使う人が個人情報のファイルを消してから渡すことを徹底すると発表しています。
市の対応と再発防止策
市が発表している対応は次のとおりです。
- 警察の捜査に全面的に協力している
- 個人情報が入っていた3台を回収し、外部の専門調査会社に調査を依頼した
- 給付金の申請者には、令和8年6月4日付けで個別通知を送った
- 住民登録者には、広報うらそえ8月号にお詫びとお知らせを折り込んだ
- 令和8年7月31日から8月31日まで、コールセンターを開いた
- ダークウェブ調査を定期的に続け、結果をページに追記している
実施済みの再発防止策として、市は次の5つを挙げています。
- 機材保管庫の鍵と予備の機械の保管場所を見直し、防犯カメラがあり入退室の記録が残る部屋で保管する
- 必要なパソコンの管理者用パスワードを変更した
- パソコンの台帳を整え、予備の機械を含めた配置を随時更新し、定期的に棚卸しをする
- パソコンの受け渡しは、個人情報のファイルを消したうえで、情報政策課の職員の立ち会いのもとで行い、預かり証を使って履歴を共有する
- ヘルプデスクの委託事業者から、作業員の研修や現場の見回りなどの取り組みの報告を受け、市としても委託事業者の作業員にセキュリティの教育を定期的に行う
今後の再発防止策としては、全職員を対象にした情報セキュリティの研修、機材保管庫への入退出管理システムと防犯カメラの導入、サーバ室の入退出記録の定期的な確認、各課での情報資産の管理の徹底が挙げられています。
補償やお詫びの品については、2026年11月1日時点の市の発表には書かれていません。発表にないことは、この記事でもあるとは書きません。
別の事業者との混同に注意
市は令和8年6月3日、ページの冒頭に追記を加え、6月1日と2日付けの新聞報道のとおり、株式会社OCCは本事案とは一切関係がないと説明しました。市は、関係のない事業者を本事案の関係者と思わせる情報の発信や拡散は、その事業者の名誉や信用を傷つける行為だとして、無関係の事業者や市民に迷惑と心配をかけたことをおわびしています。
検索や交流サイトで、事案に関係があるとして特定の会社の名前が挙がっていることがあっても、市の発表で確かめられないものは、事実として受け取らないようにしてください。市の発表では、ヘルプデスクの委託会社の名前は書かれていません。この記事でも書きません。
検索で見かける情報を確かめるときの注意
この件では、時期によって市の説明が変わっているので、古い情報に当たると混乱しやすくなります。
- 令和8年4月18日の最初の公表は、盗まれたのが未使用のパソコンで、市民の個人情報はないという説明だった。その後の調べで、個人情報が入ったパソコンも含まれていたことが分かり、5月29日に改めて公表された
- 6月22日の追記の時点では、フォレンジック調査は「実施中」だった。7月10日の追記で「調査完了」になり、結果が公表された
- コールセンターの番号(0120-340-089)は、8月31日で受付を終えている
市のページは、追記を上に重ねていく形で更新されています。最新の情報はページの上のほうにあり、ページの下のほうには5月29日の最初の説明が残っています。読むときは、それぞれの追記の日付を確かめてください。
自分が対象かを確かめる方法
対象は2つに分かれます。
| こんな人 | 当てはまりうる区分 | 市からの連絡 |
|---|---|---|
| 令和7年11月17日時点で浦添市に住民登録があった | 市民課のパソコンの23項目 | 広報うらそえ8月号に、調査結果をふまえた通知を折り込み |
| 定額減税補足給付金(不足額給付分)を申請した | 給付金室のパソコンの6項目 | 令和8年6月4日付けで個別通知を発送 |
住民登録者については、個人あての通知ではなく、広報誌への折り込みで知らせています。対象が令和7年11月17日時点の住民登録者なので、その日に浦添市に住民票があった人は、すでに市外に引っ越した人も含めて当てはまりうることになります。広報誌が手元にない人は、市のページに掲載されている個人情報を含むパソコンの盗難に関するお詫びとお知らせのPDFで同じ内容を読めます。
給付金の申請者は、市から届いた個別通知を確かめてください。手元に見当たらない場合や、自分が対象か分からない場合は、市の担当の窓口に問い合わせます。
住民登録者がすること
市民課のパソコンの23項目には、電話番号、メールアドレス、口座番号は含まれていません。それでも、氏名、生年月日、住所、本籍、世帯主、続柄といった情報は、家族の構成まで分かる組み合わせです。市は、本事案との関連の有無にかかわらず、市役所や関係機関をかたる不審な電話、メール、郵便物、訪問に十分注意するよう呼びかけています。
市役所や警察を名乗る連絡に応じない
市民向けのお知らせでは、自治体や警察が、電話でキャッシュカードを預かったり、暗証番号を聞いたり、ATMの操作を指示したりすることは絶対にないと書かれています。「すぐに入金して」などと急かされても、慌てずにいったん電話を切り、家族や警察に相談するよう呼びかけています。
知らない番号の電話に出ない
お知らせでは、今すぐできる自衛策の1つ目として、知らない番号からの電話には出ないことを挙げています。固定電話は留守番電話の設定にするか、防犯機能付きの電話を使い、携帯電話でも知らない番号からの着信にはいったん出ず、番号を調べて確かめるよう案内しています。迷惑電話への備え方は、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026でも詳しく説明しています。
不審なメールやSMSのURLを開かない
自衛策の3つ目は、不審なメールのURLをクリックしないことです。身に覚えのないメールやSMSに書かれたURLは開かず、公式のホームページなど正規の経路で情報を確かめるよう書かれています。偽メールを短時間で振り分ける手順は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で説明しています。
在留カード番号が含まれる人
外国籍の住民登録者は、在留カード番号と国籍も23項目に含まれています。入管や役所を名乗って、在留カードの更新や手数料の支払いを求める連絡が来たら、その場で応じずに、公式の窓口で確かめてください。
本籍や世帯の情報が含まれることの意味
市民課のパソコンの23項目は、住民票に載っている情報に近い組み合わせです。氏名と住所だけでなく、本籍、筆頭者、世帯主、続柄、旧氏、前住所、転入元住所まで含まれています。
これらの項目がそろうと、本人だけでなく、同じ世帯の家族の名前や関係まで分かることになります。たとえば「世帯主の〇〇さんのご家族ですね」と、家族の名前を出して話を始める電話や訪問は、本物らしく聞こえやすくなります。旧氏や前住所が含まれるので、結婚や引っ越しの前の名前や住所を知っているような口ぶりの連絡も考えられます。
ただし、市は2026年11月1日時点で、市民課のパソコンから情報を持ち出した痕跡は確認されていないと報告しています。必要以上に身構えるのではなく、「家族の名前や昔の住所を知っていても、それだけで本物の役所や警察とは限らない」と覚えておくことが、実際に役に立つ備えになります。
家族や同じ世帯の人と話しておくこと
対象が住民登録者全体で、世帯や続柄の情報も含まれるため、家族単位で備えておくと安心です。とくに、高齢の家族や、ひとりで電話に出ることの多い家族とは、次の点を話しておきます。
- 市役所や警察を名乗る電話で、お金、キャッシュカード、暗証番号の話が出たら、答えずに切る
- 「家族が事故を起こした」「逮捕状が出ている」といった話で急かされても、まず家族本人に直接確かめる
- 知らない番号からの電話は、留守番電話で用件を聞いてから折り返す
- 不安なときは、家族か警察相談専用電話「#9110」に先に相談する
市は、少しでも怪しいと感じたら、いったん電話を切って相談するよう呼びかけています。家族の中で「切ってから確かめる」を共通の決まりにしておくと、急かされたときにも落ち着いて対応しやすくなります。
訪問への備え
市は、不審な電話やメール、郵便物に加えて、訪問にも注意するよう呼びかけています。市の職員を名乗る人が自宅に来て、書類の確認や手続きを求めてきたら、その場で書類やカードを渡さず、名前と所属を聞いたうえで、市役所の代表電話など公式の番号にかけて確かめてください。浦添市役所の代表電話は、市のページの下に098-876-1234と案内されています。
給付金の申請者がすること
給付金室のパソコンの112件には、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、口座番号、生年月日が含まれています。口座番号と電話番号、メールアドレスがそろっているので、住民登録者の場合よりも、給付金や還付金を名乗る連絡に気をつける必要があります。
- 市や国を名乗って「給付金の追加の支払い」「還付金の手続き」を案内する電話で、ATMに行くよう言われても応じない。市は、自治体や警察がATMの操作を指示することは絶対にないとしている
- メールやSMSで届いた給付金の案内のURLは開かず、市の公式サイトで確かめる
- 通帳やネットバンキングの入出金の記録を、ふだんより気にかけて見る
口座番号だけでは、通常はお金を引き出すことはできません。それでも、口座番号を知っていることを根拠に「あなたの口座に誤って振り込んだ」「手続きのために暗証番号を」と話を進める連絡は考えられます。市は、自治体や警察が電話で暗証番号を聞くことは絶対にないとしています。
給付金室のパソコンは初期化されていて詳しい解析ができなかったと、市は報告しています。持ち出しの痕跡があったかどうかを調査で確かめられなかった以上、念のための備えは続けておくほうが安心です。
市が案内している相談先
市は、本事案との関連の有無にかかわらず注意してほしい手口として、市のサイトで次のような注意喚起を案内しています。
- 大手電機通信事業者の名前や警察をかたり、「逮捕状が出ている」などと告げて、うその事務処理費用などを求める事業者への注意
- 市役所の職員や警察官などになりすました詐欺への注意
- 保険料の還付などをうたう還付金詐欺への注意
- 不審な電話への注意と、迷惑電話対策相談センター「でんわんセンター」の案内
- ニセ警察詐欺への注意
- NTTファイナンスを名乗る架空料金請求詐欺への注意
少しでも怪しいと感じたら、いったん電話を切って相談するよう呼びかけており、相談先として警察相談専用電話「#9110」を挙げています。
問い合わせ窓口
浦添市の窓口は、時期によって変わっています。
| 期間 | 窓口 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|---|
| 令和8年7月31日から8月31日(終了) | 浦添市 個人情報に関する特別相談ダイヤル(コールセンター) | 0120-340-089 | 平日 午前9時から午後5時 |
| 令和8年9月1日以降 | 企画部 情報政策課 | 098-876-1263 | 記載なし |
コールセンターは令和8年8月31日で終わっています。2026年11月1日時点で問い合わせるときは、企画部 情報政策課の098-876-1263です。市民向けのお知らせのPDFには、特別相談ダイヤルの番号が載ったままなので、かけ間違えないようにしてください。市役所の開庁時間は、ページの下に月曜から金曜の8時30分から17時15分(祝日・年末年始を除く)と案内されています。
問い合わせる前に、自分が住民登録者として当てはまるのか、給付金の申請者として当てはまるのかを整理しておくと、話が早く進みます。給付金の申請者は、届いた個別通知を手元に用意してください。
市の発表には、報道機関向けのメールの窓口も載っていますが、これは報道機関のためのものです。市民の問い合わせは、電話の窓口を使ってください。
委託先の作業員に機器を預けるときの考え方
今回の件は、外部の委託先の作業員が、業務の中で市のパソコンに触れる立場にあったことが背景にあります。市の再発防止策は、委託先に機器を預ける側が確かめておく点として、そのまま読むことができます。
- 預ける機器の台数と場所を、台帳で常に分かるようにしておく
- 預ける前に、個人情報のファイルを消しておく
- 受け渡しには立ち会い、預かり証で記録を残す
- 保管場所には、入退室の記録と防犯カメラを備える
- 管理者用のパスワードを、必要に応じて変える
個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等の例として、個人データが記載または記録された書類・媒体等が盗難された場合を挙げています。「不正の目的をもって」の主体には、従業者だけでなく、盗難などの第三者も含まれると書かれています。機器が盗まれることも、個人情報の漏えい等のおそれとして扱われるということです。
浦添市の件では、パスワードが設定されていても、管理用のパスワードを知る立場の人が機器を持ち出せば、パスワードだけでは守りきれないことが示されました。市が管理者用パスワードの見直しと、受け渡しの前にファイルを消す運用をあわせて再発防止策に挙げているのは、そのためだと読めます。機器を守る仕組みと、中のデータを減らしておく運用を組み合わせることが、預ける側にできる備えです。
在宅で仕事をする人が気をつけること
浦添市に住む人の中には、在宅で業務委託の仕事を受けている人もいるはずです。在宅で働く人は、取引先から顧客の名簿やデータを預かったり、取引先のパソコンの設定やサポートを手伝ったりする立場になることがあります。今回の件で市が問題として挙げた点は、委託を受ける側の立場から見ても、確かめておきたい点です。
個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、民間の事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等を挙げています。行政機関等の場合は、本人の数が100人を超える漏えい等が対象とされています。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。
業務委託で取引先の機器やデータに触れる人は、次の点を見直しておくと安心です。
- 取引先から預かったパソコンや記録媒体を、作業が終わったら記録を残して返しているか
- 作業のために預かったデータを、終わったあとも手元のパソコンに残していないか
- 管理者のパスワードなど、作業のために教わった情報を、作業のあとまで控えていないか
- 取引先の機器やデータで不審なことに気づいたとき、取引先の誰に連絡するかを決めているか
どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、預かったものを記録とともに返し、気づいたことをすぐに取引先に伝えることが、取引先が必要な手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。
フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、作業の腕前だけでなく、預かった機器や情報を最後まで責任を持って扱う姿勢で信頼を得ています。受け渡しの記録を残す、使い終わったデータを消したと報告する、といった手当てが、そのまま次の依頼につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま手取りの厚さに結びつきます。
情報を守る力を仕事に生かす
機器の管理、委託先の管理、事案の発表の読み方は、自治体や中小企業の情報管理を支える仕事でも求められる知識です。中小企業が補助金を使ってセキュリティの対策を整える方法は、中小企業のサイバーセキュリティ対策2026|IT導入補助金で防御力を強化する方法で紹介しています。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
浦添市の件は、2026年11月1日時点で、市民課のパソコンから情報を持ち出した痕跡は確認されず、令和8年10月21日までのダークウェブ調査でも流出は確認されていません。給付金室の2台は初期化されていて詳しく調べられなかったと報告されています。令和7年11月17日時点で浦添市に住民登録があった人と給付金の申請者は、市役所や警察を名乗る連絡でお金や暗証番号の話が出たら応じないこと、分からないことは企画部 情報政策課に問い合わせることを先に済ませてください。
よくある質問
Q. 浦添市から引っ越した人も対象になりますか?
市民課のパソコンの対象は、令和7年11月17日時点の浦添市住民登録者です。その日に浦添市に住民登録があった人は、その後に市外へ引っ越していても当てはまりうることになります。住民登録者への知らせは広報うらそえ8月号への折り込みで、市のページにも同じお知らせのPDFが掲載されています。
Q. 口座番号は漏れた可能性がありますか?
口座番号が含まれていたのは、給付金室のパソコンの112件で、定額減税補足給付金(不足額給付分)の申請者の情報です。市民課のパソコンの23項目には口座番号は含まれていません。給付金の申請者には令和8年6月4日付けで個別通知が送られています。給付金や還付金を名乗る電話でATMに行くよう言われても応じないでください。
Q. 情報は実際にインターネットに出回っていますか?
浦添市は、外部の専門調査会社によるダークウェブ調査を令和8年6月9日から定期的に行い、令和8年10月21日までのどの期間でも本件に関する情報の流出は確認されなかったと報告しています。市民課のパソコンのフォレンジック調査でも、持ち出しの痕跡は確認されていません。給付金室の2台は初期化されていて詳しい解析ができなかったとされています。
Q. 2026年11月1日時点の問い合わせ先はどこですか?
コールセンター(0120-340-089)は令和8年8月31日で終わっています。令和8年9月1日以降の問い合わせ先は、浦添市 企画部 情報政策課(098-876-1263)です。市民向けのお知らせのPDFには特別相談ダイヤルの番号が載ったままなので、かけ間違えないよう注意してください。
この記事について
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