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千葉市の個人情報漏えいの可能性|ちばし安全・安心メールなど延べ75,747人 SpeeCAN RAIDENへの不正アクセス 2026

@SOHO編集部
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千葉市の個人情報漏えいの可能性|ちばし安全・安心メールなど延べ75,747人 SpeeCAN RAIDENへの不正アクセス 2026

この記事のポイント

  • ✓千葉市の個人情報漏洩について
  • ✓2026年10月13日の記者発表資料と市の案内ページをもとに整理
  • ✓ちばし安全・安心メールなど4つの配信サービスで延べ75,747人分のメールアドレスや氏名が漏えいした可能性と

千葉市の個人情報漏洩について、千葉市は2026年10月13日、市が情報配信サービスで使っている株式会社アルカディアのシステム「SpeeCAN RAIDEN(スピーキャン ライデン)」が第三者から不正アクセスを受け、個人情報が漏えいした可能性があると記者発表しました。対象は、ちばし安全・安心メール、職員参集メール、電話・FAXによる緊急情報配信サービス、水位情報お知らせメールの4つで、10月13日時点で延べ75,747人分です。市民の登録者で多いのはメールアドレスと配信希望地域(町名)で、電話・FAXのサービスでは氏名、電話番号、FAX番号も含まれます。 2026年11月1日時点で、市の案内ページの最終更新は10月16日で、件数の確定や補償についての続報は掲載されていません。市は、実際に漏えいした事実と不正利用の事実は確認されていないとしています。 登録している人がまずすることは、市や防災情報をかたる不審なメールやメッセージのURLを開かないこと、氏名や住所、パスワード、口座情報を入力しないことです。

この記事は、2026年11月1日時点で千葉市の記者発表資料と案内ページ、運営事業者であるアルカディアの公式ブログを開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。

千葉市の情報配信サービスで何が起きたのか

千葉市は、防犯や防災の情報を市民や職員に届けるために、いくつかの配信サービスを使っています。その配信を支えているシステムが、株式会社アルカディアが運営する「SpeeCAN RAIDEN」です。SpeeCAN RAIDENは、自治体や消防、学校などが、登録者へメールや電話、FAXで一斉に情報を送るためのしくみです。

今回、このSpeeCAN RAIDENに第三者が不正にアクセスしたことが分かり、千葉市の配信サービスに登録していた人の情報が漏えいした可能性が出てきました。千葉市の記者発表資料の骨子は次のとおりです。

  • 発覚は2026年10月13日(火曜日)11時30分ごろで、事業者からの連絡で分かった
  • 10月11日16時30分に、不正アクセスが疑われる不審な挙動が確認された
  • 10月12日3時ごろ、侵入経路を塞ぐ応急措置が講じられた
  • 情報配信サービスは、すでに侵入経路を遮断し安全性が確保されているとして、引き続き継続する
  • 漏えいの可能性がある個人情報は、10月13日時点で延べ75,747人分
  • 現時点で、個人情報が実際に漏えいした事実と不正利用の事実は確認されていない

市の案内ページでは、次のように説明されています。

千葉市が情報配信サービスで利用しているシステムについて、第三者による不正アクセスがあり、個人情報が漏えいした可能性があることが発覚しました。 なお、情報配信サービスについては、すでに不正アクセスの侵入経路を遮断していることから、安全性が確保されているため、引き続きサービスを継続します。 出典: city.chiba.jp

「漏えいした可能性」という言い方は、市の発表そのものの表現です。情報が外に持ち出されたと確定したわけではなく、その可能性がある段階だということです。ただし、可能性の段階でも、登録者の側でできる備えは先に済ませておくほうが安全です。

SpeeCAN RAIDENは千葉市だけのシステムではありません。アルカディアが2026年10月23日に公表した説明資料によると、2026年9月末の時点で官公庁875件(うち自治体715件、消防署312件、警察署22件)、企業など242件、学校584校が契約しています。全国の自治体が同じ時期に同じ種類の発表をしているのはこのためです。運営事業者側の全体の件数や経緯は、アルカディアの情報漏洩|SpeeCAN RAIDENの約313万件と偽メールの見分け方で詳しく扱っています。この記事では、千葉市の登録者に関係する部分に絞って説明します。

公表の経緯と2026年11月1日時点で分かっていること

千葉市が出している資料は、2026年10月13日付の記者発表資料と、ちばし安全・安心メールのページにある案内ページの2つです。案内ページは2026年10月16日に更新されています。市の10月の記者発表の一覧を2026年11月1日に確かめたところ、この件で載っているのは10月13日の1件だけでした。

日時 出来事 出典
2026年10月11日 16時30分 SpeeCAN RAIDENで、不正アクセスが疑われる不審な挙動を確認 千葉市の記者発表資料
2026年10月12日 3時ごろ 侵入経路を塞ぐ応急措置を実施 千葉市の記者発表資料
2026年10月13日 11時30分ごろ 事業者からの連絡で千葉市が把握 千葉市の記者発表資料
2026年10月13日 アルカディアがホームページで状況を公表。千葉市が記者発表 千葉市の記者発表資料
2026年10月16日 千葉市の案内ページを更新 千葉市の案内ページ
2026年10月23日 アルカディアが説明資料と報告書を公表 SpeeCAN RAIDEN公式ブログ
2026年10月30日 アルカディアが第24報を掲載(ログイン時の2段階認証機能の追加) SpeeCAN RAIDEN公式ブログ

記者発表資料では、今後の対応として、漏えいの有無、対象となる情報の内容、件数などの確認を進めること、新しい事実が分かった場合は必要に応じて速やかに知らせること、事業者に原因究明と影響範囲の調査、再発防止策の策定と徹底、その結果の報告を求めることが書かれています。2026年11月1日時点で、その結果についての市の発表は見当たりません。

案内ページでは、新しい事実が分かった場合はアルカディアが運営するSpeeCAN RAIDEN公式ブログの重要なお知らせで知らせる、とされています。このブログは2026年10月13日の第1報から10月30日の第24報まで更新が続いており、続報を確かめるなら、市のページとこのブログの両方を見るのが確実です。

補償やお詫びの品については、千葉市の資料にもアルカディアの公表にも記載がありません。記載がないことを、補償がないと決まったという意味に読み替えることはできないため、この記事では「2026年11月1日時点で記載はない」とだけ書いておきます。

漏えいした可能性がある情報と人数

千葉市の記者発表資料には、サービスごとの登録者数と情報の種類が書かれています。

サービス 登録者 登録者数 漏えいした可能性がある情報
ちばし安全・安心メール 市民 61,319人 メールアドレス、配信希望地域(町名)
職員参集メール 職員 10,606人 氏名、電話番号、メールアドレス
電話・FAXによる緊急情報配信サービス 市民など 2,012人 氏名、電話番号、メールアドレス、FAX番号
水位情報お知らせメール 市民 1,810人 メールアドレス、配信希望地域(町名)
合計 延べ75,747人分

ちばし安全・安心メールは、空き巣やひったくりの発生情報、不審者情報、電話de詐欺の情報などの防犯情報と、気象の警報・注意報、土砂災害警戒情報、避難指示などの防災情報を配信しているサービスです。登録者が最も多いため、この記事を読んでいる人の多くはここに当てはまるはずです。この登録者について漏えいした可能性があるとされたのは、メールアドレスと配信希望地域(町名)です。氏名や住所の番地は、このサービスの項目には挙げられていません。

職員参集メールは、災害のときなどに職員を集めるための連絡に使うもので、登録しているのは市の職員です。市民が登録するサービスではありません。

電話・FAXによる緊急情報配信サービスは、携帯電話を使っておらず緊急情報を受け取りにくい高齢者や障害のある人、土砂災害警戒区域に住む人などを対象に、自宅の電話やFAXに避難指示などの災害時の緊急情報を届けるサービスです。FAXでの登録は、聴覚に障害のある人が優先とされています。市の案内ページでは「電話・FAXによる緊急情報配信サービス登録者等」と書かれています。ここでは氏名、電話番号、メールアドレス、FAX番号が挙げられており、4つのサービスの中で項目が最も多くなっています。

水位情報お知らせメールは、大雨のときに雨水管やマンホールの中の水位が上がったことを知らせるメールで、項目はちばし安全・安心メールと同じく、メールアドレスと配信希望地域(町名)です。

公式の資料に書かれていない項目について、この記事では推測しません。たとえば、ちばし安全・安心メールの登録者の電話番号や生年月日が含まれるかどうかは、資料に項目として挙げられていないので、含まれるとも含まれないとも書けません。また、クレジットカードについては、アルカディアが第2報で、SpeeCAN RAIDENではクレジットカードなどの決済情報を扱っていないため漏えいの対象ではないと説明しています。ちばし安全・安心メールは登録も情報の利用も無料なので、そもそも市にカード番号を伝える場面はありません。

延べ75,747人分という数字の読み方

延べ75,747人分は、4つのサービスの登録者数を足し合わせた数です。「延べ」とあるのは、同じ人が2つ以上のサービスに登録していれば、その人を2回以上数えているためです。たとえば、ちばし安全・安心メールと水位情報お知らせメールの両方に同じメールアドレスで登録している人は、2人分として数えられています。実際の人数は75,747人より少ない可能性があります。

もう1つ大事なのは、この数字が「漏えいしたと確認された人数」ではなく「漏えいした可能性がある登録者の数」だという点です。記者発表資料には、10月13日時点の数字であること、漏えいの有無や件数の確認を進めることが書かれています。今後の調査で数字が変わる可能性もあります。

運営事業者のアルカディアは、SpeeCAN RAIDEN全体で漏えいの可能性がある個人情報の最大件数を、メールアドレス約3,136,000件、電話番号約105,000件、FAX番号約15,000件と公表しています。これは千葉市だけでなく、契約しているすべての自治体や学校などを合わせた推定値です。千葉市の延べ75,747人分は、この全体の中の千葉市の登録者の部分にあたります。全体の数字と千葉市の数字を混ぜて「千葉市で300万件」のように読まないよう注意してください。

報道では別の数え方の数字が出ていることもありますが、この記事では千葉市が公式に示した数字だけを使っています。続報で数字が変わったときも、市の案内ページの数字を基準にしてください。

原因について公式に分かっていること

千葉市の資料では、原因は「第三者による不正アクセス」とだけ書かれています。どのような手口だったかは、市の資料には書かれていません。

運営事業者のアルカディアは、2026年10月19日の第12報と10月23日の説明資料で、もう少し詳しく説明しています。公表されている内容を要約すると次のとおりです。

  • 2026年10月11日6時26分に攻撃者がアクセスを始め、ログイン画面やファイルサーバーなどを探った
  • メディアサーバーの弱点(本来は見られないファイルにアクセスできてしまうもの)から設定ファイルを取られ、サービス間のログインに使う秘密の鍵が流出した
  • その鍵とアカウントIDの総当たりでログインされ、内部の情報を取られた
  • 10月11日23時40分に、社内の監視がデータベースの異常な負荷に気づき、不正アクセスを検知した
  • 10月12日3時に、ファイルサーバーの弱点の修正などで不正アクセスの経路を遮断した

「総当たり」とは、多数のIDやパスワードを機械的に試してログインを突破しようとする攻撃のことです。アルカディアは、全サービスで脆弱性の診断とプログラムの点検を行ったこと、データベースへのアクセス方法を見直したこと、監視を強めていることを再発防止の取り組みとして挙げています。2026年10月30日には、SpeeCAN RAIDENの管理者向けにログイン時の2段階認証の機能を追加したと知らせています。

これらは事業者が公表した調査の経過であり、セキュリティの専門の第三者機関による詳しい調査も依頼されていると書かれています。最終的な原因と影響の範囲は、今後の報告で変わる可能性があります。

アルカディアのシステムから送られた不正なメール

登録者にとって気になるのが、不正なメールの配信です。アルカディアは2026年10月21日の第17報で、10月13日1時17分から7時16分までのあいだに、不正なプログラムによって同社のシステムから外部に不正なメールが配信されたと公表しました。

  • 配信の内容はフィッシング詐欺(実在する企業などを装い、偽サイトへ誘導して情報を盗み取る手口)
  • 配信の総数は1,423,428通
  • そのうち少なくとも869,575通は、同社が持っているメールアドレスへの配信ではないことが分かった
  • 10月13日7時16分の時点で、不正なメールの配信は止められている

10月23日の説明資料では、不正なメールの多くはカード会社を装うフィッシングの疑いがあると書かれています。外部の機関によるダークウェブ(盗まれた情報が売り買いされることがある、通常の検索では届かないネット上の場所)の調査を行い、結果を後日報告するとも書かれています。

千葉市の登録者のメールアドレスに、この不正なメールが届いたかどうかは、千葉市の資料にもアルカディアの公表にも書かれていません。ただ、2026年10月13日の早朝に、カード会社などを名乗る見覚えのないメールが届いていた場合、それがこの配信の一部だった可能性はあります。そのメールのURLを開いていない、情報を入力していないのであれば、メールを削除すれば十分です。

もし偽サイトでカード番号やパスワードを入力してしまっていた場合は、カード会社への連絡と、パスワードの変更をすぐに行ってください。メールの見分け方と、開いてしまった後の対処は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で手順を説明しています。

千葉市の対応と、登録者への連絡のされ方

千葉市は、侵入経路が遮断され安全性が確保されているとして、ちばし安全・安心メールなどの配信サービスを止めずに続けています。防犯や防災の情報を届けるサービスなので、配信が止まると災害時の連絡に支障が出るためです。登録している人は、これまでどおり市からの防犯・防災情報を受け取れます。

アルカディアの説明資料には、住民への案内について、個人情報保護法の目的外の利用になるため、同社から住民へ直接メールを配信することは行っていないと書かれています。つまり、千葉市の登録者に向けた案内は、千葉市のページや市からの連絡で行われ、アルカディアから登録者に直接メールが届くことはない、ということです。アルカディアを名乗って「個人情報の確認」や「補償の手続き」を求めるメールが届いた場合は、その時点で疑ってかかるのが安全です。

アルカディアは、個人情報保護委員会(個人情報の扱いを監督する国の機関)への報告について、契約している自治体などの同意を得て、代わりにまとめて報告する手続きを進めていると公表しています。2026年10月23日に、同意を得たリストとともに「行政機関の漏えい等事案報告書」を個人情報保護委員会へ報告したとしています。千葉市がこの代行の報告に含まれているかどうかは、千葉市の資料には書かれていません。

市の案内ページでは、登録者への注意として次の2点が挙げられています。

  • 不審な連絡に対して、氏名、住所、パスワード、口座情報などの個人情報を決して提示・入力しない
  • 身に覚えのない送信元や不審なメッセージに記載されたURL・添付ファイルは開かない

自分が対象かを確かめる方法

対象になるのは、2026年10月13日時点で、次の4つのサービスのどれかに登録していた人です。

  1. ちばし安全・安心メール
  2. 職員参集メール(市の職員)
  3. 電話・FAXによる緊急情報配信サービス
  4. 水位情報お知らせメール

自分が登録しているかどうかは、普段届いているメールを見るのが一番早い方法です。犯罪発生日報や気象の警報など、ちばし安全・安心メールの配信が届いているメールアドレスは、登録されているメールアドレスです。複数のメールアドレスを使っている人は、どのアドレスに届いているかを確かめておきます。

いつ登録したか覚えていない場合でも、2026年10月13日時点で登録が残っていれば対象に含まれると読むのが自然です。過去に登録して、すでに解除した人が含まれるかどうかは、市の資料には書かれていません。気になる場合は、後の節に挙げる窓口で確かめてください。

市の資料には、対象者一人ひとりに個別の通知を送るとは書かれていません。そのため「通知が来ていないから対象外」とは言えません。登録していると分かった時点で、対象の可能性があるものとして、次の節の備えをしておくのが確実です。

なお、メールアドレスが過去の別の漏えいで出回っていないかを調べたい場合は、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩で調べ方を説明しています。ただし、今回の件が調べられるサービスに載るとは限らないため、結果が出なくても対象外という意味にはなりません。

登録している人がすること

漏えいした可能性がある項目が、サービスによって違います。自分が登録しているサービスに合わせて、要るものだけを行ってください。

ちばし安全・安心メールと水位情報お知らせメールに登録している人

項目はメールアドレスと配信希望地域(町名)です。メールアドレスと住んでいる地域の町名の組み合わせが知られると、「◯◯町にお住まいの方へ」のように、地域を名指しした不審なメールが本物らしく見えやすくなります。

  • 市や防災、防犯の情報をかたるメールのURLを開かない
  • メールの中で氏名、住所、パスワード、口座情報、カード番号を求められても入力しない
  • 本物かどうか迷ったら、メールに書かれた連絡先ではなく、市の公式ホームページに載っている窓口に問い合わせる

ちばし安全・安心メールの本物の配信は、防犯情報や防災情報を知らせるものです。登録の継続のために個人情報やカード番号の入力を求める内容は、市の案内に出てきません。

電話・FAXによる緊急情報配信サービスに登録している人

項目は氏名、電話番号、メールアドレス、FAX番号です。氏名と電話番号がそろうと、市役所や防災の担当を名乗る電話が本物らしく聞こえやすくなります。

  • 市役所や防災の担当を名乗る電話で、口座番号や暗証番号、カード番号を聞かれても答えない
  • 「登録情報の確認」「還付金」などを理由に、ATMやコンビニへ行くよう求められたら電話を切る
  • 本物か迷ったら、いったん電話を切り、市の公式の番号にかけ直して確かめる

電話番号が出回ったときの備え方は、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026で詳しく説明しています。家族がこのサービスに登録している場合は、家族にも一声かけておくと安心です。

職員参集メールに登録している職員

項目は氏名、電話番号、メールアドレスです。職員の場合は、市役所の同僚や上司、関係する事業者を名乗る連絡に注意が必要です。業務に関わる判断は、所属の指示に従ってください。

しなくてよいこと

今回の件だけを理由に、クレジットカードを止める必要はありません。SpeeCAN RAIDENでは決済情報を扱っておらず、漏えいの対象ではないと事業者が説明しているためです。ただし、偽サイトでカード番号を入力してしまった場合は別で、すぐにカード会社に連絡してください。

また、市はサービスを続けており、配信は安全性が確保されているとしています。登録を解除するかどうかは各自の判断ですが、解除すると災害時の情報も届かなくなる点は考えておく必要があります。メールアドレスの変更などを検討する場合も、まずは不審なメールを開かない、入力しないという基本を守ることが先です。

市や防災情報を装うメールと電話の見分け方

不正アクセスの発表のあとには、その発表に便乗した連絡が出回りやすくなります。千葉市の登録者が受け取る可能性のある、注意したい連絡の例を挙げます。

メールの場合

  • 「安全・安心メールの登録情報を確認してください」としてURLへ誘導するメール
  • 「個人情報漏えいのお詫び」として、補償の受け取りのために口座情報の入力を求めるメール
  • カード会社や通販会社を名乗り、利用の確認やカードの停止を理由にログインさせるメール

アルカディアは、住民へ直接メールを配信していないと説明しています。また、市の案内ページには、補償の手続きについての記載はありません。こうした内容のメールが届いたら、開かずに削除するのが安全です。

SMSの場合

メールアドレスだけでなく電話番号も対象になるサービスがあるため、SMSにも注意します。宅配の不在通知、カード会社、役所を名乗るSMSで、URLを開かせる手口は以前から多く見られます。SMSの文面とURLで見分ける手順は、スミッシング詐欺の見分け方|SMSの本文とURLで判定する手順で説明しています。

電話とFAXの場合

市の職員を名乗る電話で、個人情報の確認やお金の手続きを求められたら、その場で答えず、電話を切って市の代表番号や担当課の番号にかけ直します。FAXで「登録内容の確認書」などが届いた場合も、書かれている番号ではなく、市の公式の窓口に確かめてください。

入力してしまったとき

偽サイトでパスワードを入力してしまったら、そのパスワードを使っているサービスのパスワードをすぐに変えます。同じパスワードを複数のサービスで使っていた場合は、すべて変えてください。カード番号を入力してしまったら、カード会社に連絡して利用を止めてもらいます。お金の被害が出た場合や、脅すような連絡が続く場合は、警察の相談窓口に相談してください。

問い合わせ窓口

今回の件の問い合わせ先は、市の案内ページと記者発表資料に次のとおり載っています。

名称 連絡先 受付時間など
株式会社アルカディア 個人情報相談窓口 電話 050-5830-0750、メール [email protected] 午前9時から午後5時まで(土日祝・年末年始は除く)
千葉市 市民局市民自治推進部地域安全課(案内ページの発信元) 電話 043-245-5264 記載なし
ちばし安全・安心メールに関すること(記者発表資料) 市民局市民自治推進部地域安全課 電話245-5634 記載なし
職員参集メール・その他緊急情報配信サービスに関すること(記者発表資料) 総合政策局危機管理部危機管理課 電話245-5136 記載なし
水位情報お知らせメールに関すること(記者発表資料) 建設局下水道企画部総合治水課 電話245-5436 記載なし

記者発表資料の電話番号は、資料の表記のまま市外局番を省いて載せています。アルカディアの個人情報相談窓口については、問い合わせが多く電話がつながりにくいときはメールで連絡するよう、同社が公式ブログで案内していました。

問い合わせる前に、次の点をメモしておくと話がまとまりやすくなります。

  • 登録しているサービスの名前(ちばし安全・安心メール、水位情報お知らせメールなど)
  • 登録しているメールアドレス
  • 不審なメールや電話があれば、その日時と内容

窓口に問い合わせるときも、パスワードやカード番号、口座の暗証番号を伝える必要はありません。電話口でそれらを聞かれたら、その相手が本物の窓口かどうかを確かめ直してください。

個人情報保護委員会への報告と、自治体の場合の決まり

自治体が持つ個人情報が漏えいしたとき、またはそのおそれがあるときは、個人情報保護委員会への報告が必要になる場合があります。個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、国の行政機関や地方公共団体などの「行政機関等」について、報告が必要になる場合を次のように挙げています。

  • 要配慮個人情報(病歴など、とくに慎重に扱う情報)が含まれる漏えい等、またはそのおそれ
  • 不正に使われることでお金の被害が出るおそれがある漏えい等、またはそのおそれ
  • 不正の目的で行われたおそれがある行為による漏えい等、またはそのおそれ
  • 本人の数が100人を超える漏えい等、またはそのおそれ

民間の事業者の場合は人数の基準が1,000人を超える場合ですが、行政機関等では100人を超える場合とされています。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。

千葉市の件では、不正アクセスという不正の目的で行われたおそれがある事案で、人数も100人を大きく超えています。市がどの時点でどのような報告をしたかは、市の資料には書かれていませんが、アルカディアは前の節のとおり、自治体の同意を得て代わりに報告する手続きを進めていると公表しています。

在宅で仕事をする人が気をつけること

ちばし安全・安心メールに登録している人の中には、在宅で業務委託の仕事を受けている人もいるはずです。在宅で働く人は、取引先から顧客の名簿、原稿、デザインのデータなどを預かる立場になることがあります。自分のメールアカウントが不審なメールをきっかけに乗っ取られると、預かった取引先の情報まで外に出るおそれがあります。

個人情報保護委員会のページでは、民間の事業者について、要配慮個人情報を含む漏えい等、お金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等の場合に、委員会への報告が必要になると示されています。業務委託で個人情報を扱う人が、自分の端末やアカウントから預かった情報を漏らしてしまった場合、まず対応を迫られるのは委託元の取引先です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるため、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ取引先に伝えることが、取引先が必要な手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。

今回の件をきっかけに、仕事で使うアカウントについて次の点を見直しておくと安心です。

  • 防災メールなどの登録に使っているメールアドレスと、仕事のメールアドレスが同じになっていないか
  • 仕事のメールやクラウドストレージのパスワードを、他のサービスと使い回していないか
  • 仕事で使うアカウントに多要素認証(パスワードに加えて確認コードなどで本人確認するしくみ)を設定しているか
  • 取引先から預かったデータを、必要がなくなったあとも手元に残していないか
  • 不審なメールを開いてしまったとき、取引先の誰に、どの手段で連絡するかを決めているか

多要素認証の考え方と製品の選び方は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で説明しています。

フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かった情報の扱い方で信頼を得ています。仕事用と個人用のメールアドレスを分ける、パスワードを使い回さない、といった地味な手当てが、そのまま取引先からの評価につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。

セキュリティの知識を仕事に生かす

情報の守り方は、自分の身を守る知識であると同時に、仕事として求められる力でもあります。自治体や企業の中には、住民や顧客に向けた注意喚起の文面づくり、社員向けのセキュリティの研修資料の作成、配信サービスの登録者への案内文の整理などを、外部の人に頼むところがあります。今回のような事案を、公式の発表から正確に読み取り、「どのサービスの登録者が対象で、何が含まれるか」「登録者は何をすればよいか」を整理する作業も、その一つです。

セキュリティの仕事を在宅で受けたい場合、いきなり専門的な診断の仕事を目指す必要はありません。まずは自分のアカウントの管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。

千葉市の件は、2026年11月1日時点で、配信サービスを続けながら調査が進んでいる段階です。ちばし安全・安心メールなどに登録している人は、市や防災情報をかたる不審なメールやメッセージのURLを開かないこと、個人情報やパスワードを入力しないことの2つを守り、続報は千葉市の案内ページとSpeeCAN RAIDEN公式ブログで確かめてください。

よくある質問

Q. ちばし安全・安心メールに登録していると、住所も漏れたのですか?

千葉市の記者発表資料では、ちばし安全・安心メールの登録者について漏えいした可能性がある情報は、メールアドレスと配信希望地域(町名)とされています。住所の番地や氏名は、このサービスの項目に挙げられていません。ただし配信希望地域の町名は含まれるため、町名を名指しした不審なメールには注意してください。

Q. 市から個別に通知は届きますか?

2026年11月1日時点の千葉市の資料には、対象者一人ひとりに個別の通知を送るとは書かれていません。アルカディアは住民へ直接メールを配信していないと説明しています。通知が届かないことは対象外という意味ではないため、登録しているなら対象の可能性があるものとして、不審な連絡への備えをしておくと安心です。

Q. 登録を解除したほうがよいですか?

千葉市は、侵入経路を遮断し安全性が確保されているとして、配信サービスを続けています。解除するかどうかは各自の判断ですが、解除すると防犯や災害時の情報も届かなくなります。解除より先に、不審なメールのURLを開かない、個人情報やパスワードを入力しないという2つを守ることが大切です。

Q. 2026年10月13日の早朝に届いた不審なメールは関係ありますか?

アルカディアは、10月13日1時17分から7時16分までに、同社のシステムからフィッシングの疑いがある不正なメール1,423,428通が外部に配信されたと公表しています。千葉市の登録者に届いたかどうかは公表されていません。URLを開かず削除し、入力してしまった場合はパスワードの変更やカード会社への連絡をしてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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