VMware資格を一覧で比べて自分に合う難易度から選ぶ

前田 壮一
前田 壮一
VMware資格を一覧で比べて自分に合う難易度から選ぶ

この記事のポイント

  • vmware 資格 一覧を体系的に整理しました
  • VCTAからVCDXまでの認定レベル4段階と
  • クラウド基盤・ネットワーク・自動化・仮想デスクトップといった分野別の並びを早見表で解説

まず、安心してください。「vmware 資格 一覧」で検索して、公式サイトを開いた瞬間に頭が真っ白になった皆さんは、決して理解力が足りないわけではありません。VMwareの認定制度は、レベルの階層と、製品分野のトラックという2つの軸が交差してできています。この2軸を分けて見るという一点さえ押さえてしまえば、あの複雑に見える資格群は、驚くほどすっきり整理できます。

この記事では、難易度そのものの深掘りではなく、認定制度が「どういう骨格で並んでいるのか」を一覧として整理することに集中します。どのレベルにどの分野が存在し、どこが今も現役で、どこが再編の途中なのか。全体地図を手に入れてから、自分が登るべき一本を選ぶ。その順番でいきましょう。

VMwareの資格が「一覧で見えにくい」理由

VMwareの資格情報が探しにくいのには、はっきりした理由が3つあります。ここを理解しないまま検索を続けると、古い記事と新しい記事が混ざった情報の海で溺れてしまいます。

1つめは、制度が2軸構造だからです。多くのIT資格は「基礎、応用、上級」という一本道で並びます。ところがVMwareは、レベル(VCTA、VCP、VCAP、VCDX)という縦軸と、分野(クラウド基盤、ネットワーク、自動化、仮想デスクトップなど)という横軸を掛け合わせた格子状になっています。つまり「VCPという資格」が1つあるのではなく、「VCPというレベルの、分野ごとの資格」が複数存在します。この構造を知らずに一覧を見ると、似た名前が延々と並んでいるように感じます。

2つめは、名称の改定頻度が高いことです。VMwareは製品ブランドの整理を何度も行っており、そのたびに認定名も追随します。かつて主力だった名称が姿を消し、別の製品名を冠した認定に置き換わる。この動きが数年おきに起きるため、検索結果の上位に3年前の記事が残っていると、そこに書かれた一覧はもう現行ではない可能性があります。

3つめは、2023年のBroadcomによる買収以降、製品ポートフォリオそのものが大きく束ね直されたことです。個別製品のライセンス販売が統合パッケージ中心に切り替わり、認定体系もそれに合わせて再構成されました。さらに、エンドユーザーコンピューティング事業が別会社として切り出されたことで、一部の資格は運営元自体が変わっています。

だからこそ、この記事の一覧は「暗記する表」ではなく「読み解くための骨格」として使ってください。名称は変わっても、レベルの考え方と分野の切り方という骨格は、ここ十数年ほとんど変わっていません。骨格さえ頭に入っていれば、公式サイトの最新ページを開いたときに、どこを見ればいいかが即座に分かります。

私自身、メーカー在籍時に技術文書の品質管理をしていた関係で、認定制度の改定に振り回された経験があります。社内教育資料に資格名をベタ書きしていたせいで、改定のたびに全ページを直す羽目になりました。あのときの反省から、資格の情報は「名前」ではなく「役割」で覚えるようにしています。皆さんにも同じ読み方をおすすめします。

認定レベルは4段階|VCTAからVCDXまでの階層を押さえる

まず縦軸、つまりレベルの階層から整理します。VMwareの認定は、下から順に4つの段階で構成されるのが基本形です。分野が何であれ、この4段階の考え方は共通しています。

入門レベル|VCTA(Certified Technical Associate)

一番下の段は、技術者見習いや、非エンジニア職の方でも到達できる入門認定です。仮想化とは何か、なぜ必要なのか、対象製品はどんな役割を担うのかといった、概念と用語の理解を問います。実機を触った経験がなくても、公式の学習コンテンツを読み込めば十分に対応できる水準です。

このレベルの立ち位置は、いわば「会話に参加できる」ことの証明です。営業職、プリセールス、社内情報システムの窓口、あるいは他分野のエンジニアが仮想化基盤の担当者と話す際の共通言語を得るために使われます。実務での即戦力性を証明する資格ではありませんが、これから深く入っていく人の最初の一歩としては合理的な選択です。

なお、入門レベルの認定は制度改定時に整理対象になりやすい層でもあります。過去にも一部が廃止され、その後の反響を受けて復活した経緯があります。受験を検討する段階で、必ず提供状況を確認してください。

標準レベル|VCP(Certified Professional)

VMware資格の一覧を見たとき、圧倒的に登場回数が多く、実務でも求人票でも名指しされるのがこのVCPです。対象製品を実際に設計、構築、運用できることを証明する、事実上の標準認定と考えて差し支えありません。

このレベルの特徴は、単なる知識の暗記では通らない点にあります。仮想マシンの作成手順を覚えているかではなく、リソースが逼迫したときにどの設定を疑うか、可用性を担保する構成をどう組むか、といった運用判断まで問われます。実機またはハンズオンラボでの経験が、合否を分ける最大の要素です。

もう1つ重要なのが、上位認定への門になっている点です。多くの分野で、上位のVCAPを受験するにはその分野のVCPを保持していることが前提になります。つまり一覧のどこから登るにせよ、実質的にはVCPが最初の関門であり、ここを取らずに上へは行けない設計になっています。

上級レベル|VCAP(Certified Advanced Professional)

3段目のVCAPは、多くの分野で「設計(Design)」と「導入・管理(Deploy)」の2種類に分かれています。この分岐は制度理解のうえでとても大事なので、少し丁寧に説明します。

設計側は、要件から論理設計と物理設計に落とし込む力を問います。可用性、性能、拡張性、運用性、コストといった相反する要求のバランスをどう取るか。前提条件と制約条件を切り分けて、設計判断の根拠を説明できるか。ペーパーテスト形式であっても、実務で設計書を書いたことがない人には、かなり手強い内容になります。

導入側は、実際の操作能力を問う実技寄りの試験です。与えられた環境で指定された構成を組み上げる、あるいは不具合を切り分けて復旧させる。時間内に手が動くかどうかが問われるため、対策方法は座学ではなく検証環境での反復になります。

そして、同一分野で設計と導入の両方を取得すると、VCIX(Certified Implementation Expert)という称号が与えられる仕組みが長く採用されてきました。VCIXは単独の試験ではなく、2つのVCAPを揃えた結果として付与される位置づけである、という点は覚えておく価値があります。

最上位|VCDX(Certified Design Expert)

一覧の頂点にあるのがVCDXです。この認定は試験に合格して終わりではありません。実際に自分が手掛けた設計案件のドキュメント一式を提出し、審査を通過したうえで、審査員団の前で設計を口頭防衛(ディフェンス)するという、他に類を見ない形式を取ります。

提出する設計書は数百ページ規模になることも珍しくなく、要件定義、リスク分析、運用手順、検証計画まで一貫して整合が取れていなければ通りません。世界全体でも保有者は300人前後の規模とされており、日本国内では非常に希少です。一覧の最上段として名前は覚えておくべきですが、キャリアの第一目標に据えるものではありません。VCAPを取り、大規模設計の実務を数年重ねたその先に見えてくる場所です。

分野別に並べたVMware資格一覧

続いて横軸、つまり分野(トラック)の整理です。ここが「一覧」の本体になります。分野の切り方はデータセンターの機能構成そのものを反映しているので、インフラの構造を思い浮かべながら読むと頭に入りやすくなります。

クラウド基盤・サーバー仮想化の分野

一覧の中心に位置し、受験者数も最も多いのがこの分野です。物理サーバー上に複数の仮想マシンを動かす基盤そのものを扱います。歴史的にはvSphereという製品名で長く親しまれてきた領域で、近年はこれを含む統合基盤スイートを軸とした認定名に整理されています。

この分野の認定は、下からVCTA、VCP、VCAPの設計と導入、そしてVCDXまで、4段階すべてが揃っている数少ないトラックです。どこから始めればいいか迷っている方に対して、私が最初に勧めるのは常にここです。理由は単純で、他のどの分野に進むにしても、サーバー仮想化の理解は必ず土台になるからです。ネットワーク仮想化も、自動化も、仮想デスクトップも、その下には必ずこの基盤が敷かれています。

学習面でも、市販書籍、公式ラボ、コミュニティの情報量が他分野と比べて桁違いに多いという利点があります。独学の難易度が最も低いトラックだと考えて構いません。

ネットワーク仮想化・セキュリティの分野

物理的な配線ではなく、ソフトウェアでネットワークを定義する領域です。NSXという製品名で知られており、仮想スイッチ、分散ルーティング、そしてマイクロセグメンテーションと呼ばれる細粒度のファイアウォール制御などを扱います。

この分野の資格は、ネットワークの基礎知識が前提になる点で難易度が跳ね上がります。ルーティングプロトコル、VLAN、オーバーレイのトンネリング技術といった概念が分かっていないと、製品固有の設定を暗記するだけの苦しい学習になってしまいます。逆に、ネットワークエンジニアとしての経験がある方にとっては、既存スキルの延長線上で市場価値を大きく伸ばせる分野です。

セキュリティ要件の厳格化を背景に、この領域の人材需要は堅調です。ゼロトラストという設計思想が企業に浸透するにつれ、ネットワーク内部の通信をどう制御するかという課題が前面に出てきており、その実装手段としてこの分野の技術が選ばれる場面が増えています。

自動化・運用管理の分野

構築した基盤を、どう効率的に運用し続けるかを扱う領域です。監視、ログ分析、キャパシティ管理、そしてセルフサービス型の払い出しポータルやワークフロー自動化などが含まれます。かつてvRealizeと呼ばれ、その後Ariaという名称で整理された製品群がここに該当します。

この分野は、インフラ運用の現場で最も人手を食っている部分を機械に任せる技術です。そのため、資格の価値が実務コストの削減に直結しやすいという特徴があります。一方で、扱う製品コンポーネントの数が多く、それぞれの役割を横断的に理解する必要があるため、学習範囲は広めです。

スクリプトやAPIへの抵抗感がない方には相性の良い分野です。仮想化基盤の知識とプログラミング的な発想の両方を持つ技術者は市場に多くないため、希少性を作りやすい領域だと言えます。

仮想デスクトップ・エンドユーザー領域

在宅勤務の普及とともに一気に注目された、仮想デスクトップ基盤(VDI)の分野です。Horizonという製品名で長く知られてきました。

ここで一覧を見るうえでの重要な注意があります。この事業領域は2024年にBroadcomから分離され、Omnissaという独立企業に移管されました。そのため、この分野の認定資格は運営元が別会社になっており、VMwareブランドの認定一覧を眺めても見つからない、あるいは旧称のまま残っている場合があります。仮想デスクトップの資格を狙う方は、探す場所そのものが違うという点を必ず押さえてください。

技術としての需要は依然として強い分野です。医療、金融、公共といった情報持ち出し制限の厳しい業界では、端末にデータを残さない構成が事実上の必須要件になっており、この領域の技術者は安定的に求められています。

コンテナ基盤・その他の専門分野

Kubernetesを中心としたコンテナ実行基盤を扱う領域(Tanzuという名称で展開されてきました)、およびサービスプロバイダー向け、ストレージ特化といった専門トラックが存在します。

これらは受験者数こそ多くありませんが、対象を絞った案件では極めて強い差別化になります。特にコンテナ基盤は、従来の仮想マシン中心の設計からアプリケーション実行基盤へと関心が移っている流れの中で、今後の比重が高まると見られる分野です。ただし、この領域は認定の統廃合が最も激しい場所でもあるため、一覧の情報鮮度には最大限の注意を払ってください。

レベルと分野を掛け合わせた早見表の読み方

ここまでの縦軸と横軸を1つの表にまとめます。表の中身は2026年時点の一般的な提供状況をもとにした概観であり、個別の認定名や提供有無は変動します。

分野 入門 標準 上級(設計) 上級(導入) 最上位
クラウド基盤・サーバー仮想化 あり あり あり あり あり
ネットワーク仮想化・セキュリティ 状況により変動 あり あり あり あり
自動化・運用管理 状況により変動 あり あり あり あり
仮想デスクトップ(別会社へ移管) 移管先で確認 移管先で確認 移管先で確認 移管先で確認 移管先で確認
コンテナ基盤・その他専門 状況により変動 あり 分野による 分野による なし

この表の使い方は2つあります。

1つは、自分の現在地に印をつけることです。今の実務がどの行に当たるか。そして、その行のどの列まで来ているか。多くの方は、実務経験はあるのに認定が空欄という状態にあります。その場合、まずは同じ行の「標準」列を埋めるのが最短距離になります。実務でやっていることを証明する作業なので、ゼロから学ぶより負担がはるかに軽いはずです。

もう1つは、進む方向を決めることです。同じ行を右に進む(深さを取る)のか、同じ列で別の行へ移る(広さを取る)のか。この判断が、その後の数年のキャリアを決めます。専門性で勝負するなら右へ、提案や設計の総合力で勝負するなら別の行へ。どちらが正解ということはありませんが、両方を同時に追うと中途半端になります。

なお、上級の設計列と導入列を両方埋めると、実装エキスパートとしての称号が付与される仕組みがあることは先に触れた通りです。表の上では2マスですが、キャリア上は1つの到達点として扱われます。

受験の前提条件・有効期限・費用の目安

一覧を眺めるだけでは見えてこない、制度上の実務的なルールを整理します。ここを知らずに計画を立てると、途中で行き詰まります。

前提条件について。標準レベル以上の認定では、対象製品の公式トレーニングコース受講が受験要件として課される場合があります。これはVMware系認定の大きな特徴で、独学だけでは受験申込に進めないケースがあるということです。ただし、過去に該当コースを受講済みの場合や、既存の認定を保持している場合には要件が緩和される経路も用意されています。自分がどの経路に該当するかは、公式の要件ページで必ず確認してください。

有効期限について。かつては2年ごとの再認定が明確に義務づけられていた時期がありましたが、その後この方針は見直され、期限の扱いは緩和されました。とはいえ、製品バージョンが上がれば認定の年次表記も更新されるため、古い年次の認定を持ち続けることが実務上の評価につながるかは別問題です。技術的な鮮度を保つという観点では、数年おきの更新を前提に計画を組むのが現実的です。

費用について。試験そのものの受験料に加えて、公式トレーニングの受講費用が発生する点が、他のIT資格との最大の違いです。トレーニングは数日間の集中形式が一般的で、費用も相応にかかります。個人で全額を負担するのは軽い判断ではありません。だからこそ、会社の教育制度や、パートナー企業向けの割引、トレーニングと試験バウチャーがセットになった提供形態を先に調べるのが賢明です。

[2026/01/15]Broadcom社VMware認定資格にて廃止されたレガシー認定資格の一部が復活されました。復活された資格、およびその資格に関連する研修・トレーニングの詳細は、下記をご確認ください。 【ニュース】VMware認定資格 一部資格の復活!試験バウチャー付トレーニング募集再開のご案内 出典: school.ctc-g.co.jp

このように、トレーニング提供各社が試験バウチャー付きのコースを用意している場合があります。単体で申し込むより実質的な負担を抑えられることがあるので、申し込み前に比較する価値は十分にあります。

2026年に一覧を見るときの注意点|廃止と復活が繰り返されている

この記事で最も強調しておきたいのが、ここです。VMware認定資格の一覧は、固定された表ではありません。制度そのものが動いています。

直近の数年だけを見ても、レガシー認定と位置づけられた一群の資格が廃止対象となり、その後、市場からの要望を受けて一部が復活するという動きがありました。廃止のアナウンスが出た資格を慌てて駆け込み受験した方もいれば、復活を知らずに選択肢から外していた方もいます。どちらも、情報の鮮度が判断を左右した例です。

この変動が起きる背景には、製品ポートフォリオの統合があります。個別製品ごとにライセンスを販売していた形から、統合基盤スイートを軸とした提供形態へと大きく舵が切られました。認定制度は製品の売り方に追随するものなので、製品側が統合されれば、認定側も統合されます。逆に、統合しきれずに現場が困る領域が出てくれば、個別の認定が戻ってきます。

したがって、皆さんが取るべき行動は次の3つです。

第1に、この記事を含めたあらゆる解説記事の一覧を、そのまま最終判断の根拠にしないこと。骨格の理解には使えますが、個別の認定名や提供状況は必ず公式の認定ポータル、あるいは正規トレーニングパートナーの最新ページで裏取りしてください。

第2に、学習を始める前に、その認定が今後どう扱われそうかを一度考えること。統合基盤の中核に位置する認定は、名称が変わっても内容が引き継がれる可能性が高いと言えます。逆に、周辺の細分化された認定は、統合の対象になりやすい傾向があります。

第3に、資格そのものより、その学習過程で得た技術力を資産として捉えること。認定名は消えることがありますが、設計判断ができる、障害を切り分けられるという能力は消えません。私が現場で見てきた限り、長く評価され続けている技術者は、例外なく後者を積み上げている方たちでした。

より広くIT系の認定制度を見渡したい方には、オンラインで受験できる資格を用途別に整理した記事も参考になります。自宅から受験可能な認定を横断的に比較したうえで学習計画を立てたい方は、オンライン受験できるIT・マーケ資格一覧|自宅で取得して副業開始を先に眺めてみてください。

一覧の中からどれを選ぶか|目的別の絞り込み手順

ここまでで全体地図は手に入りました。最後に、その中から自分の一本を選ぶ手順を示します。私が相談を受けたときに実際に使っている、3つの質問です。

質問1|今の仕事の延長で取るか、転向のために取るか

延長で取る場合は、現在触っている製品の分野をそのまま選ぶのが正解です。実務経験が試験対策の大半を肩代わりしてくれるため、学習時間は半分以下で済むことも珍しくありません。証明したい能力と、実際にやっている業務が一致しているので、取得後の評価にも直結します。

転向のために取る場合は話が変わります。実務経験ゼロから標準レベルを狙うことになるため、検証環境を自前で用意して、手を動かす時間を確保しなければなりません。この場合、最初はクラウド基盤・サーバー仮想化の分野から入るのが現実的です。情報量が最も多く、独学の道が整備されているからです。

質問2|市場のどこで評価されたいか

社内のインフラ担当としてキャリアを積むのか、外部の案件を受ける立場になるのかで、選ぶ分野の優先度は変わります。

社内担当であれば、自社が導入している製品の分野一択です。他分野の資格を取っても、社内では評価対象になりにくいのが実情です。

外部案件を狙うのであれば、求人や案件情報で名指しされる頻度を先に調べるべきです。募集要項に具体的な認定名が書かれているケースは、その認定が発注側の選定基準になっている証拠です。技術者の報酬水準を掴んでおきたい方は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で職種全体の相場観を確認しておくと、資格取得にかける費用と時間の投資判断がしやすくなります。

質問3|どのくらいの期間で結果を出したいか

標準レベルの認定は、実務経験がある方なら3ヶ月程度、未経験からでも6ヶ月程度を目安に計画を組むのが妥当です。上級レベルはその倍以上を見込んでください。最上位は年単位のプロジェクトになります。

期限がある方、たとえば転職活動や案件応募の時期が決まっている方は、標準レベルを1つ確実に取ることに集中すべきです。上級を狙って中途半端に終わるより、標準を1枚持っているほうが選考では強く働きます。限られた時間で合格までたどり着く学習設計については、働きながら短期間で資格を取るための具体的な進め方をまとめた最速で合格する資格勉強法|働きながら3ヶ月で取得した5つの方法が実務的な参考になります。

学習ルートと教材の組み立て方

選ぶ一本が決まったら、次は学習の組み立てです。VMware系の認定は、他のIT資格と教材事情がかなり異なるので、ここも整理しておきます。

まず、公式トレーニングです。受験要件になっている場合はもちろん受講が必要ですが、要件を満たしている場合でも、上級を狙うなら受ける価値があります。理由は、公式コースには実機演習環境が付属しており、自前で構築するのが難しい規模の環境を触れるからです。特に導入系の実技試験対策では、この環境の有無が合否を分けます。

次に、公式ドキュメントです。VMware系の認定は、試験範囲が公式の試験ガイドで細かく公開されているのが特徴です。この試験ガイドに列挙された項目を1つずつ潰していくのが、最も確実な学習方法になります。市販の対策書に頼りきると、ガイドの改定に追従できません。

3つめが、自宅の検証環境です。評価版ライセンスを使えば、期間限定で製品を試せます。ノートPCでは負荷が厳しいため、中古のミニPCやワークステーションを用意して、そこに検証環境を立てる方が多いです。この初期投資は、上級を目指すなら必要経費と割り切ったほうが結果的に早く進みます。

4つめが、コミュニティです。技術ブログ、勉強会、オンラインのユーザーグループなど、実務者が集まる場が国内にも複数あります。制度改定の情報が最も早く回ってくるのもこうした場です。一覧の情報鮮度を保つという意味でも、どこか1つに参加しておく価値があります。

学習の進め方として、私が失敗したのは「理解してから手を動かそう」とした点です。ドキュメントを読み込んでから環境を触ろうとして、結局着手が数ヶ月遅れました。順序は逆です。まず動く環境を作り、壊しながら読む。この順番にしてから、理解の速度が明らかに上がりました。皆さんには同じ遠回りをしてほしくありません。

なお、インフラ以外の分野にも視野を広げたい方には、AIや機械学習の周辺スキルとの組み合わせも選択肢になります。データ活用側のスキルと資格の関係を整理したデータサイエンティスト AI機械学習の違いと年収・資格・成功ロードマップは、インフラ技術者が隣接領域へ広げるときの地図として役立ちます。

市場から見たVMware資格の位置づけと、独立を視野に入れた考え方

最後に、この資格群がフリーランスや副業といった働き方の中でどう機能するかを、市場側の視点から考えます。

仮想化基盤の技術者需要には、他のIT分野とは違う性質があります。それは、案件の発生が新規構築だけでなく、既存環境の維持と更改からも継続的に生まれるという点です。企業が一度導入した基盤は、何年も動き続けます。その間、バージョンアップ、ハードウェア更改、容量拡張、障害対応といった作業が定期的に発生します。この構造が、技術者にとっての需要の下支えになっています。

一方で、注意すべき点もあります。仮想化基盤の案件は、本番環境への影響が大きいため、発注側が実績と信頼を重視する傾向が強いことです。完全な初対面の相手にいきなり基幹基盤を任せるケースは多くありません。つまり、資格を取っただけで案件が舞い込むという分野ではないということです。資格は入口の書類選考を通すための道具であり、そこから先は実績の積み上げが物を言います。

セキュリティやAI活用といった領域と組み合わせて提案できる技術者は、単一分野の技術者より相談される機会が多くなります。技術系の在宅案件がどのような形で発生しているかを把握しておきたい方は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で実際の職種イメージを掴んでおくと、資格取得後の動き方が具体的になります。

20年この市場を見てきた立場から言えば、長く続いている技術者ほど、単発の作業を受けることより「この人に任せると楽だ」と思われる関係づくりに時間を使っています。仮想化基盤のように継続的な保守が発生する領域では、この傾向がとりわけ顕著です。最初の案件で丁寧に引き継ぎ資料を残した人が、翌年の更改案件で最初に声をかけられる。そうした積み重ねが、資格の枚数より確実にキャリアを支えているのを何度も見てきました。

もう1つ、運営者として見てきた限りで言えることがあります。同じ予算でも、中間マージンが乗らない直接取引では、依頼する側はより多くを頼めて、受ける側は手取りが厚くなります。手数料0%という条件は、金額の多寡というより「同じ仕事量で手元に残る質が変わる」という話です。技術者側から見れば、それは1件あたりの単価を上げることより、継続的な関係を維持しやすくなるという意味を持ちます。仮想化基盤のように長期の付き合いになりやすい分野では、この差が数年単位で効いてきます。

資格の一覧を眺めているときは、どうしても「どれを取れば有利か」という発想になりがちです。ただ、実際に評価を決めているのは、その資格で証明した能力を使って、相手の課題をどれだけ楽にできるかという一点です。一覧はそこへ向かうための地図であって、目的地ではありません。まずは自分の現在地に印をつけて、隣の一マスを埋めることから始めてください。40代からでも、そこから積み上げていく道は十分に開けています。

より広い視点で技術者としての市場動向を確認したい方は、行政が公表している情報通信分野の統計も参考になります。産業全体の動きを俯瞰したうえで学習分野を決めたい場合は、総務省が公開している資料に目を通しておくと、判断の裏付けが得られます。

よくある質問

Q. VMwareの資格は全部でいくつありますか?

分野(トラック)とレベルの掛け合わせで構成されるため、固定された総数はありません。レベルは入門、標準、上級(設計と導入)、最上位の4段階、分野はクラウド基盤、ネットワーク、自動化、コンテナなどに分かれます。統廃合が頻繁にあるため、正確な現行数は公式の認定ポータルで確認してください。

Q. 最初に取るならどの資格がおすすめですか?

クラウド基盤・サーバー仮想化分野の標準レベル(VCP)が最も現実的です。他分野の土台になる知識が身につき、市販書籍や公式ラボなど学習リソースが最も充実しているため独学しやすいのが理由です。上位のVCAPを受験する前提条件にもなっています。

Q. 受験に公式トレーニングの受講は必須ですか?

標準レベル以上では、対象コースの受講が受験要件になる場合があります。ただし既存認定の保持者や過去の受講歴がある方には緩和経路が用意されていることもあります。要件は改定されるため、申し込み前に公式の要件ページで自分が該当する経路を必ず確認してください。

Q. 廃止された資格が復活することはありますか?

実際に起きています。レガシー認定として廃止対象になった一群のうち、市場の要望を受けて一部が復活し、試験バウチャー付きトレーニングの募集が再開された例があります。解説記事の一覧は古い可能性があるため、受験を決める前に公式または正規トレーニングパートナーの最新情報を確認してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年3月21日最終更新:2026年9月6日
前田 壮一

この記事を書いた人

前田 壮一@SOHO編集部

元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身

大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。

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