損害保険ジャパンの情報漏洩|SMILING ROADの問い合わせ約6万件と問い合わせた人がすること 2026


この記事のポイント
- ✓損害保険ジャパンの情報漏洩について
- ✓2026年10月7日の公式発表をもとに
- ✓ドライブレコーダーSMILING ROADの問い合わせ約6万件の範囲
損害保険ジャパン株式会社は2026年10月7日、事業者向けの通信機能付きドライブレコーダー「SMILING ROAD(スマイリングロード)」の問い合わせ対応に使っていた委託先、株式会社スカラコミュニケーションズのサーバーが不正アクセスを受け、問い合わせ約6万件(延べ件数)のお客さま情報が漏えいした可能性があると発表しました。対象は氏名、電話番号、住所、メールアドレス、勤務先に関する情報、ドライバーID、運転アラートに関する情報などで、金融機関の口座、クレジットカード、マイナンバーカードの情報は含まれていません。SMILING ROADについて問い合わせたことがある人がまずすることは、損保ジャパンや勤務先を名乗る不審な電話やメールのリンク・添付ファイルを使わないこと、そして身に覚えのない連絡は損保ジャパンの専用窓口に確かめることの2つです。
この記事では、2026年10月20日時点で損保ジャパンと委託先が公表している内容だけをもとに、公表の経緯、漏えいした可能性のある項目と含まれない項目、原因、会社の対応、自分が対象かどうかの確かめ方、そして今日やることを順に整理します。SMILING ROADは会社が導入し、従業員のドライバーが使うサービスなので、問い合わせた従業員と、導入した会社の両方の立場から説明します。
損害保険ジャパンの情報漏洩で何が起きたのか(2026年10月20日時点)
最初に、損保ジャパンの発表で確定している事実を短く並べます。
- 発表日:2026年10月7日
- 対象のサービス:事業者向け通信機能付きドライブレコーダー「SMILING ROAD」の、よくある質問・問い合わせの機能
- 委託先:株式会社スカラコミュニケーションズ(以下、スカラコミュニケーションズ)
- 不正アクセスの期間:2026年10月2日20時33分頃から10月3日8時1分頃にかけて(委託先の説明による)
- 損保ジャパンが連絡を受けた日:2026年10月3日
- 件数:約6万件(問い合わせ単位の延べ件数。同じ人の複数回の問い合わせを重複して含む)
- 含まれない情報:金融機関の口座、クレジットカード、マイナンバーカードの情報
- 損保ジャパンのシステムへの不正アクセス:確認されていない
- 不正利用:発表の時点で、お客さま情報が不正利用された事実は確認されていない
発表の言葉は「漏えいした可能性がある」です。漏えいが確定したという書き方ではありません。また、約6万件は問い合わせの延べ件数なので、対象の人数はこれより少なくなります。人数は発表に書かれていません。
損保ジャパンの発表は、同社の公式サイトのトップページと、ニュースリリースの2026年の一覧から開けます。2026年10月20日時点で、10月7日の発表の件数や項目を変える続報は出ていません。
今回の件で注意したいのは、勤務先の情報、ドライバーID、運転アラートの情報といった、仕事の運転に結び付いた情報が含まれていることです。お金に直接つながる情報は含まれていませんが、勤務先や運転の記録を知っている相手からの連絡は、本物らしく見えやすくなります。対策の中心は、偽の連絡への備えです。
SMILING ROADとは:会社が導入し、従業員が使うサービス
SMILING ROADは、損保ジャパンが事業者向けに提供している、通信機能付きのドライブレコーダーのサービスです。発表によると、損保ジャパンは主にSMILING ROADを導入している企業の従業員からの、よくある質問・問い合わせの機能として、スカラコミュニケーションズのサービスを使っていました。
つまり、今回の対象になりうるのは、個人で車を持っている人ではなく、主に会社の車を運転している従業員です。営業車や配送の車にSMILING ROADが付いている会社で、使い方や不具合について問い合わせたことがある人が中心になります。
発表に出てくる言葉を、簡単に言い換えておきます。
- ドライバーID:SMILING ROADを使う事業者が、ドライバーごとに付ける識別の番号です。発表では、運転の振り返りや安全運転の指導に使うIDと説明されています
- 運転アラート:注意が必要な運転があったときに知らせる通知のことと読めます。発表では「種別・発生日時」が対象と書かれています
- お申込み番号:会社がサービスを申し込んだときの番号と読めます
運転アラートの具体的な中身は発表に書かれていないので、どの種類のアラートが記録されていたかは、会社の管理者か損保ジャパンの窓口で確かめてください。
公表の経緯:委託先からの連絡と、損保ジャパンの発表
2026年10月2日から3日:委託先のサーバーへの不正アクセス
損保ジャパンの発表によると、スカラコミュニケーションズのサーバーに対する不正アクセスは、10月2日20時33分頃から10月3日8時1分頃にかけて行われました。その後、不正アクセスの経路の遮断などの緊急対応が行われています。
スカラコミュニケーションズ自身の発表では、10月3日の朝、データベースの監視アラートをきっかけに調査を始め、同日8時頃に不正アクセスを遮断したとしています。利用企業には同じ日のうちに第一報を伝えたとも書かれています。
2026年10月3日:損保ジャパンが連絡を受ける
損保ジャパンは10月3日、スカラコミュニケーションズから、同社サーバーへの不正アクセスによって損保ジャパンのお客さま情報が漏えいした可能性があるという連絡を受けました。
2026年10月6日:委託先と親会社の発表
10月6日には、スカラコミュニケーションズと、その親会社の株式会社スカラが、それぞれ発表を出しました。被害を受けたのは、スカラコミュニケーションズが提供するFAQシステム「i-ask」です。企業のサイトで利用者からの質問への回答を表示したり、問い合わせを受け付けて管理したりする仕組みです。
2026年10月7日:損保ジャパンの発表
損保ジャパンは10月7日に発表を出し、対象のお客さまには個別に連絡すること、個別の連絡が難しいお客さまについては、この発表をもって連絡に代えることを明らかにしました。
漏えいした可能性のある項目と、含まれない項目
損保ジャパンの発表に書かれた項目を、そのまま表にしました。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 漏えいした可能性のある項目 | 氏名、電話番号、住所、メールアドレス |
| 漏えいした可能性のある項目 | 勤務先に関する情報(法人名・部門名・業種・代理店名等) |
| 漏えいした可能性のある項目 | ドライバーID |
| 漏えいした可能性のある項目 | 運転アラートに関する情報(種別・発生日時) |
| 漏えいした可能性のある項目 | 利用機器の情報(ドライブレコーダーのシリアル番号等) |
| 漏えいした可能性のある項目 | お申込み番号 |
| 漏えいした可能性のある項目 | お問い合わせ内容(件名・本文) |
| 含まれないと明記 | 金融機関の口座、クレジットカード、マイナンバーカードの情報 |
発表は、不正アクセスを受けたのは、SMILING ROADのよくある質問・問い合わせの機能として使っていたスカラコミュニケーションズのサーバーに保存されていた情報に限られるとしています。損保ジャパンの保険の契約の情報や、ドライブレコーダーが記録した映像が対象になったとは、発表には書かれていません。
発表の原文では、件数を次のように説明しています。
約6万件(同一のお客さまによる複数回のお問い合わせを重複して含みます。) 出典: sompo-japan.co.jp
問い合わせの本文に書いたことも対象になる
項目の中には「お問い合わせ内容(件名・本文)」が入っています。問い合わせの本文に、事故やトラブルの状況、取引先の名前、配送先の地名などを書いていた場合は、それも対象に入りうると考えておくのが安全です。どんな内容を書いたか覚えていない場合は、問い合わせの際に届いた受付の確認メールが残っていれば、そこで確かめられることがあります。
勤務先の情報と運転アラートが結び付いていること
今回は、本人の氏名や連絡先だけでなく、勤務先の法人名と部門名、ドライバーID、運転アラートの種別と日時が同じ問い合わせの中に含まれていた可能性があります。「どの会社の、どの部署の、誰が、いつ、どんな運転の注意を受けたか」が分かる形です。仕事上の評価にかかわると感じる人もいるはずです。会社の外に出たことで何が起きうるかは、後の節で整理します。
原因:委託先の問い合わせ管理システム「i-ask」への不正アクセス
損保ジャパンの発表が示している原因は、委託先であるスカラコミュニケーションズのシステムのサーバーへの第三者の不正アクセスです。損保ジャパンのシステムに対する不正アクセスは確認されていないとしています。
詳しい経緯は、スカラコミュニケーションズの発表に書かれています。
- 第三者が「i-ask」の管理サイトに不正にログインした
- スカラコミュニケーションズが管理するサーバー上に、不正なプログラムを設置した
- 同じサーバー上で動いていた利用企業のシステムの環境のデータベースから、問い合わせ情報を取得した可能性がある
- 対象は、同じサーバー上で動いていた利用企業向けの環境(最大5社)
スカラコミュニケーションズの発表では、全体の件数は最大713,126件(問い合わせ単位の延べ件数)で、実際の人数は名寄せの作業中とされています。名寄せとは、同じ人の複数の問い合わせを1人にまとめて数え直す作業のことです。発表の本文はスカラコミュニケーションズのお知らせで読めます。
管理サイトにどうやって不正にログインされたのかは、2026年10月20日時点では明らかにされておらず、外部の専門機関によるフォレンジック調査が進められているとされています。フォレンジック調査とは、サーバーに残った記録を調べて、侵入の経路や盗まれた情報を突き止める調査のことです。
同じ委託先を使っていたほかの会社
スカラコミュニケーションズは利用企業の名前を公表していませんが、利用企業の側がそれぞれ発表を出しています。2026年10月20日時点で公式の発表を確認できたのは、損保ジャパンのほか、大和証券(10月5日、インターネット経由の問い合わせ、約11万名分)、シチズン時計(10月6日、各ブランドのサイトの問い合わせフォーム、約10万名分)、オリックス生命保険(10月8日、公式サイトの問い合わせ、約26,500件)です。これらの会社にも問い合わせたことがある人は、それぞれの会社から別々に連絡が来る可能性があります。
損保ジャパンの対応:個別の連絡、監視、委託先の管理の見直し
損保ジャパンの発表に書かれている対応は次のとおりです。発表に無いことは書いていません。
- 対象となるお客さまへ個別に連絡。個別の連絡が難しいお客さまには、発表をもって連絡に代える
- インターネット上への公開や拡散が無いか、継続して監視
- スカラコミュニケーションズと連携して原因を究明し、再発防止策の徹底を厳しく求める
- 損保ジャパンの委託先の管理のあり方を検証し、管理を強化する策と実施の時期を決める
- お客さま専用窓口を設置
スカラコミュニケーションズの側では、不正ログインに使われたアカウントのパスワード変更、攻撃元のIPアドレスの遮断、不正なプログラムの隔離、全環境の管理者アカウントのパスワード変更、アップロードされたファイルをプログラムとして実行できないようにする設定変更を行ったとしています。個人情報保護委員会への報告と、警察への相談も行っています。
2026年10月20日時点の損保ジャパンの発表には、補償やお詫びの品についての記載はありません。発表に無い「補償の手続き」「お詫びの品の送付先の確認」などの案内が届いた場合は、まず偽物を疑ってください。
自分が対象かを確かめる方法
1. 損保ジャパンからの個別の連絡を確かめる
損保ジャパンは、対象となるお客さまへ個別に連絡するとしています。どの手段で連絡するかは発表に書かれていません。問い合わせの際に登録したメールアドレスや電話番号に連絡が来ていないかを確かめてください。会社のメールアドレスで問い合わせた場合は、会社の受信箱に届いている可能性があります。
問い合わせたことがあるかどうかを思い出す手がかりとして、受信箱を「SMILING ROAD」「スマイリングロード」「損保ジャパン」で検索し、問い合わせの受付の確認メールや回答のメールが残っていないかを見る方法があります。回答のメールが残っていれば、問い合わせの日付や、どんな内容を書いたかも確かめられます。
2. 会社の管理者に確かめる
SMILING ROADは会社が導入しているサービスなので、会社の車両の管理や安全運転の担当者が、損保ジャパンや代理店から事情を聞いている場合があります。自分が問い合わせたことがあるかどうか分からない場合は、まず社内の担当者に相談するのが近道です。
3. 分からないときは専用窓口に問い合わせる
個別の連絡が届いていないが心当たりがある場合、または連絡が本物かどうか分からない場合は、損保ジャパンのお客さま専用窓口に問い合わせてください。番号は後の「問い合わせ窓口」の節にまとめました。
4. 個別の連絡が来ない場合もある
発表は、個別の連絡が難しいお客さまについては、この発表をもって連絡に代えるとしています。退職した人や、問い合わせの時の連絡先が変わっている人には、連絡が届かないこともありえます。前の職場でSMILING ROADについて問い合わせたことがある人は、連絡が来ないから対象ではない、とは言い切れません。
自分のメールアドレスが過去にほかの漏えいに含まれていないかを確かめたいときは、海外の無料サイトでメールアドレスを照合する方法もあります。手順はHave I Been Pwnedの使い方で説明しています。ただし、今回の件がそのサイトに登録されているかどうかは分かりません。今回の件は、損保ジャパンの連絡と専用窓口で確かめてください。
問い合わせた人がすること:偽の連絡への備え
損保ジャパンの発表は、お客さまの氏名や問い合わせの内容を使って、損保ジャパンや関係者を装った電話やメールの詐欺が行われるおそれがあると注意を呼びかけています。そのうえで、不審な連絡に書かれたリンクや添付ファイルを使わないこと、身に覚えのない連絡は専用窓口に問い合わせることを求めています。
本物かどうかを判断するときの基準
- メールやSMSのリンク、添付ファイルを開かない
- 電話で個人情報を聞かれたら、一度切って、公式サイトに載っている番号にかけ直す
- 勤務先の名前、部署名、ドライバーIDが正しく書かれていても、それだけで本物と判断しない
- 「補償」「お詫び」を口実に口座やカードの番号を聞いてきたら偽物を疑う(今回、口座とカードの情報は含まれていない)
- 迷ったら損保ジャパンのお客さま専用窓口に確かめる
運転アラートや事故を口実にした連絡に注意する
運転アラートの種別と日時が漏れた可能性があるので、「○月○日の急ブレーキの件で確認したいことがあります」といった、実際の出来事に触れた連絡が来るおそれがあります。実際の日時に触れていると、本物の連絡だと思い込みやすくなります。運転の記録について問い合わせが来たら、社内の担当者か損保ジャパンの窓口に確かめるまで、その場で個人情報を答えないようにしてください。
勤務先を名乗る連絡にも注意する
勤務先の法人名と部門名も対象に入っているので、損保ジャパンだけでなく、自分の勤務先の総務や上司を名乗る連絡が偽物である可能性も考えておきます。社内の連絡かどうか怪しいときは、社内のいつもの連絡手段で本人に確かめてください。
パスワードと二段階認証
今回、パスワードが漏れたとは発表されていません。それでも、氏名とメールアドレス、勤務先がそろって漏れた可能性があるので、偽のログイン画面に誘導するメールが来るおそれはあります。会社のメールや業務のシステムには二段階認証を設定しておくと、パスワードを盗まれても入られにくくなります。二段階認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コードなどを入力しないとログインできないようにする仕組みです。種類はMFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較で説明しています。
偽のメールの典型的な文面や、受け取ったときの対応の練習方法は、フィッシングメール模擬訓練の効果で紹介しています。会社で従業員に注意を呼びかけるときにも使える内容です。
偽の連絡に答えてしまったときの対処
気をつけていても、勤務先や運転の記録を正しく知っている相手からの連絡には、つい答えてしまうことがあります。損保ジャパンや勤務先を名乗る連絡に個人情報を答えてしまった、リンクを開いてしまったと気づいたら、次の順で動いてください。
- 社内の担当者に報告する。会社のメールで届いた連絡なら、会社の情報システムの担当者にも知らせる
- 損保ジャパンのお客さま専用窓口に、どんな連絡が来たかを伝えて確かめる
- リンク先でパスワードを入力してしまった場合は、そのサービスのパスワードをすぐに変える。同じパスワードを使っている別のサービスも変える
- 添付ファイルを開いてしまった場合は、パソコンをネットワークから外し、会社の担当者の指示を待つ
- お金をだまし取られた場合や、脅すような連絡が続く場合は、警察に相談する
会社のパソコンで偽のメールの添付ファイルを開いてしまうと、自分だけでなく会社のほかの情報にも影響が及ぶおそれがあります。開いてしまったことを言い出しにくくても、早く報告するほど被害を抑えやすくなります。
漏えいした可能性のある項目ごとに、起こりやすいことと備え
項目ごとに、一般に起こりやすいことと備えを整理しました。ここでの「起こりやすいこと」は今回の件で実際に起きたことではなく、同じ種類の情報が漏れたときに一般に注意が呼びかけられている内容です。損保ジャパンは発表の時点で不正利用を確認していません。
| 項目 | 一般に起こりやすいこと | 備え |
|---|---|---|
| 氏名・メールアドレス | 損保ジャパンを名乗る偽のメール | リンクや添付ファイルを開かない |
| 電話番号 | 偽のSMS、勧誘や詐欺の電話 | 一度切って、公式の番号にかけ直す |
| 住所 | 郵便物や訪問を使った勧誘、身に覚えのない請求 | その場で支払わず、窓口で確かめる |
| 勤務先に関する情報 | 勤務先や取引先を名乗る連絡 | 社内のいつもの連絡手段で本人に確かめる |
| ドライバーID・運転アラート | 実際の運転の記録に触れて信用させる連絡 | 社内の担当者か損保ジャパンの窓口で確かめる |
| 機器のシリアル番号・お申込み番号 | 機器の交換や点検を口実にした連絡 | 機器の手続きは社内の担当者を通して確かめる |
| お問い合わせ内容 | 過去の相談の内容に触れて信用させる連絡 | 過去のやり取りを知っていても、本物の証拠にしない |
住所も対象に入っているので、郵便物や訪問を使った勧誘や詐欺に注意が必要です。住所が漏れたときに気をつけることは、住所が漏れたときの対処にまとめています。
問い合わせ窓口
損保ジャパンの発表に載っている問い合わせ先は次のとおりです。
- 窓口の名称:損害保険ジャパン株式会社 お客さま専用窓口
- 電話番号:0120-268-567(フリーダイヤル)
- 受付時間:平日9時から17時(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)
この番号は損保ジャパンの公式発表に書かれているものです。メールやSMSに別の番号が書かれていた場合は、その番号にかけず、発表の番号と同じかどうかを確かめてください。
事業者の対応に疑問があるときは、個人情報保護委員会の「個人情報保護法相談ダイヤル」(03-6457-9849)にも相談できます。委員会のサイトに番号が載っています。ただし、自分が対象かどうかの確認は、まず損保ジャパンの専用窓口にしてください。
SMILING ROADを導入している会社がすること
SMILING ROADは会社が導入するサービスなので、導入している会社の側にも考えておくことがあります。従業員が問い合わせた内容に、会社の部門名や業種、代理店名が含まれていた可能性があるからです。
従業員に知らせ、問い合わせの窓口を一本にする
損保ジャパンは対象のお客さまに個別に連絡するとしていますが、連絡を受けた従業員が社内のだれに相談すればよいか分からないと、不安が広がります。会社として、今回の件を従業員に知らせ、社内の相談先を決めておくと、偽の連絡への対応もそろえやすくなります。損保ジャパンや会社を名乗る不審な連絡があったら、その場で答えず社内の担当者に報告する、という決まりを共有しておいてください。
社内に出す注意喚起の文面の例
従業員に知らせるときは、何が起きたか、何をしてほしいか、どこに相談すればよいかの3点を短く書きます。たとえば、次のような文面です。
「損害保険ジャパンが2026年10月7日に、SMILING ROADの問い合わせ機能で使っていた委託先のサーバーが不正アクセスを受け、問い合わせの情報が漏えいした可能性があると発表しました。過去にSMILING ROADについて問い合わせたことがある人は、損保ジャパンや会社を名乗る不審な電話やメールに注意してください。リンクや添付ファイルは開かず、運転の記録や個人情報を聞かれても、その場で答えないでください。不審な連絡があった場合は、〇〇部の〇〇まで知らせてください。」
代理店を通してSMILING ROADを導入している会社は、代理店の担当者にも今回の件を共有しておくと安心です。漏えいした可能性のある勤務先に関する情報には代理店名も含まれているので、代理店を名乗る偽の連絡が来るおそれもあります。代理店からの連絡で、口座の変更や支払いを求められた場合は、いつもの担当者にいつもの連絡手段で確かめてください。
文面の中で、損保ジャパンの発表に無いことは書かないようにします。補償の有無や件数の内訳など、発表で分からないことを推測で書くと、かえって混乱を招きます。
会社の側に報告の義務はあるか
個人情報保護委員会は、事業者が個人データを漏えいさせ、次の4つのどれかに当たる場合には、委員会への報告が義務になると説明しています。
- 要配慮個人情報(病歴など、取り扱いに特に配慮が必要な情報)が含まれる場合
- 不正に使われると財産的な被害が出るおそれがある場合
- 不正アクセスのように、不正の目的で行われたおそれがある場合
- 漏えいした本人の数が1,000人を超える場合
詳しくは個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページに例とともに載っています。今回の件で、問い合わせの情報を持っていたのは損保ジャパンとその委託先で、報告と本人への連絡は損保ジャパンが行っています。導入した会社の側に報告の義務があるかどうかは、会社がその情報をどう扱っていたかで変わるので、一概には言えません。判断に迷う場合は、損保ジャパンや代理店、委員会の窓口、専門家に確認してください。
在宅で仕事をする人や、個人で運送を請け負う人が気をつけること
SMILING ROADは事業者向けのサービスですが、軽貨物の配送などを個人事業主として請け負い、委託元の会社の車や機器を使って運転している人もいます。また、在宅で事務を請け負い、取引先の車両管理の問い合わせを代わりにしていた、という人もいるかもしれません。そうした立場の人が考えておくことを整理します。
委託元の会社名で問い合わせていた場合
委託元の会社のSMILING ROADについて自分が問い合わせていた場合、勤務先に関する情報として、委託元の会社名や部門名が記録されている可能性があります。偽の連絡は、委託元の会社を名乗ってくることもありえます。委託元の担当者を名乗る連絡で、口座の変更や個人情報の確認を求められたら、いつもの連絡手段で担当者本人に確かめてください。
取引先に知らせる必要はあるか
個人事業主として取引先の情報を預かっている場合、取引先の情報が自分の手元から漏れたのであれば、契約の内容に沿って取引先に知らせる必要が出てきます。今回は、情報を持っていたのは損保ジャパンとその委託先なので、自分の手元から漏れたわけではありません。ただ、取引先の会社名や担当者名が問い合わせの本文に含まれていた可能性があるなら、偽の連絡に注意するよう取引先に一言伝えておくと、取引を守る助けになります。
個人情報保護委員会は、クラウドサービスやテレワークの環境で起きた漏えいの事例をまとめた注意喚起の資料(PDF)も公開しています。在宅で仕事をする人が、自分の使っているサービスの設定を点検するときの参考になります。
運営者の視点:仕事のサービスの漏えいは、本人の知らないところで起きる
フリーランスや在宅ワークの仲介を長く続けてきた運営者として見てきた限りでは、仕事で使うサービスの漏えいは、本人がそのサービスを使っている意識が薄いところで起きることがあります。今回も、ドライバーが問い合わせたのは損保ジャパンのサービスで、その裏で別の会社の問い合わせ管理のシステムが動いていたことは、ほとんどの人が意識していなかったはずです。
利用者の側でできることは限られていますが、偽の連絡にだまされないこと、勤務先や取引先を名乗る連絡はいつもの手段で本人に確かめること、会社のアカウントに二段階認証を設定しておくことは、どの漏えいに対しても効く備えです。問い合わせのフォームに書く内容も、必要な範囲にとどめておくと、万一のときに漏れる情報を減らせます。取引先の名前や事故の相手の連絡先などは、フォームに書かず、窓口から求められたときに電話で伝える、という使い分けも1つの方法です。
在宅ワークの仲介サイトである@SOHOでも、発注者と受注者が直接やり取りする以上、連絡の相手が本物かどうかを確かめる習慣は仕事の基本です。セキュリティの知識は、自分を守るだけでなく、仕事の幅を広げる材料にもなります。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、セキュリティの知識を生かせる在宅の仕事を紹介しています。社内向けの注意喚起の文面を正確に書く力を身につけたい人には、ビジネス文書検定も参考になります。
よくある質問
Q. 損害保険ジャパンの情報漏洩で、保険の契約の情報も漏れましたか?
2026年10月7日の発表では、不正アクセスを受けたのは、SMILING ROADのよくある質問・問い合わせの機能に使っていた委託先のサーバーに保存されていた情報に限られるとされています。保険の契約の情報が対象になったとは書かれていません。金融機関の口座、クレジットカード、マイナンバーカードの情報も含まれていません。
Q. 個人で車に乗っているだけですが、対象になりますか?
SMILING ROADは事業者向けの通信機能付きドライブレコーダーで、発表は主に導入企業の従業員からの問い合わせが対象としています。個人の車の保険について問い合わせただけで、SMILING ROADの問い合わせ機能を使っていなければ、今回の発表の範囲には入らないと読めます。心当たりがある場合は、お客さま専用窓口(0120-268-567、平日9時から17時)で確かめてください。
Q. 損保ジャパンから連絡が来ないのですが、対象ではないということですか?
損保ジャパンは対象のお客さまに個別に連絡するとしていますが、個別の連絡が難しい場合は、発表をもって連絡に代えるとしています。退職した人や連絡先が変わった人には届かないこともありえるので、心当たりがある場合はお客さま専用窓口で確かめてください。
Q. 運転アラートの情報が漏れると、どんなことに気をつければよいですか?
発表では、運転アラートに関する情報(種別・発生日時)が漏えいした可能性のある項目に入っています。実際の運転の日時に触れた電話やメールが来ても、それだけで本物と判断せず、社内の担当者か損保ジャパンの窓口に確かめるまで個人情報を答えないようにしてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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