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中小企業診断士が土日だけで受けられる副業|補助金申請の支援や研修講師の探し方

@SOHO編集部
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中小企業診断士が土日だけで受けられる副業|補助金申請の支援や研修講師の探し方

この記事のポイント

  • ✓中小企業診断士が土日だけで受けられる副業を
  • ✓経営者への継続的な支援などに分けて解説します
  • ✓平日の対応が必要になる場面

中小企業診断士の試験に合格し、登録も済ませた。でも平日は会社員として働いているので、診断士として動けるのは土日だけ。そんな状況で、何から始めればよいか迷っている人は少なくありません。中小企業診断士は、経営の課題を診断し、改善の助言をする専門家です。土日だけでも受けられる仕事はありますが、仕事の種類によっては平日の対応が欠かせないものもあります。

この記事では、中小企業診断士が土日だけで受けられる副業を、補助金申請の支援、研修やセミナーの講師、執筆、経営者への継続的な支援などに分けて説明します。それぞれの仕事で平日の対応がどの程度必要になるか、仕事の探し方、補助金の書類作成で気をつけたい法律の決まり、会社員として確かめておくこと、資格の更新とのつながりまで整理します。

土日だけで受けられる仕事の全体像

中小企業診断士の副業には、いくつかの種類があります。土日だけで回せるかどうかは、仕事の種類によって大きく違います。

仕事の種類 主な内容 土日だけで回せるか
補助金申請の支援 事業計画の策定の助言、申請書の構成への助言 時期によっては平日の連絡が必要
研修・セミナーの講師 創業塾、経営セミナー、資格講座の講義 土日の開催なら回しやすい
執筆・監修 経営やお金の記事の執筆、内容の確認 回しやすい
経営者への継続的な支援 事業計画の進み具合の確認、月次の面談 面談の日程次第
公的機関の相談員・専門家 経営相談の窓口、専門家の派遣 平日の対応が中心になりやすい
経営診断・調査の手伝い 他の診断士が受けた案件の調査や資料作成 締め切り次第

土日だけで回しやすいのは、講師、執筆、資料作成のように、自分の都合で作業の時間を決められる仕事です。一方で、経営者と直接やり取りする仕事は、相手の都合に合わせる必要があり、平日の昼間に連絡や面談を求められることがあります。

補助金申請の支援

中小企業診断士の副業として、最もよく知られているのが補助金申請の支援です。国や自治体の補助金を使いたい中小企業に対して、事業計画の作り方を助言し、申請に向けた準備を支えます。

仕事の流れ

補助金の公募が始まると、申請の締め切りまでの数週間から数か月の間に、事業者と一緒に事業計画を練ります。事業者の強みと課題を聞き取り、補助金を使って何をするのか、それで売上や生産性がどう変わるのかを、審査する人に伝わる形に整理します。

土日で受けるときの注意

補助金の支援は、締め切りに向けて作業が集中します。事業者から資料が届くのが遅れると、締め切り直前の平日に確認が必要になることがあります。土日だけで受ける場合は、引き受ける件数を少なくし、事業者とのやり取りの方法(メールで質問をまとめて送る、オンラインの面談は土曜の午前など)を最初に決めておきます。

事業者に最初に聞くこと

補助金の支援を引き受けるときは、最初の面談で、事業者の状況と、補助金を使う目的を確かめます。土日の限られた時間で進めるには、最初の面談で必要な情報をできるだけ集めておくことが大切です。

聞くこと 確かめる理由
補助金を使って何をしたいか 補助金の目的と合っているかを確かめる
直近の決算の数字 計画の土台になる売上や利益を把握する
事業の強みと、取引先の状況 計画の説得力を支える材料にする
投資の見積もり 補助の対象になる経費かを確かめる
申請の締め切りと、事業者が使える時間 作業の日程を組む
過去に補助金を使ったことがあるか 同じ補助金の重複や制限を確かめる

補助金には、それぞれ目的と対象になる経費が決められています。事業者のやりたいことと補助金の目的が合っていない場合は、無理に申請を勧めず、他の方法を一緒に考えます。採択されることだけを目的にした計画は、採択されても事業の役に立たないことがあります。

書類の作成と行政書士法の関係

補助金の支援で気をつけたいのが、申請書類の作成との関係です。行政書士法では、行政書士でない者は、他人の依頼を受け、いかなる名目によるかを問わず報酬を得て、官公署に提出する書類の作成などの業務を業として行うことができないと定めています(行政書士法第19条)。

中小企業診断士が補助金の支援で関わるのは、一般に、事業計画の内容についての助言や、計画の策定の支援です。申請書そのものを事業者に代わって作成し、報酬を得る形で受けると、この決まりに触れるおそれがあります。どこまでが助言で、どこからが書類の作成に当たるのかは、具体的な関わり方で変わるので、受ける前に契約の内容を確かめ、迷う場合は行政書士や専門家に相談します。

報酬の決め方で揉めないために

補助金の支援では、採択された場合に報酬を受け取る成功報酬の形をとることもあります。成功報酬の形では、採択されなかった場合の扱い、採択後の手続き(実績の報告など)の支援が含まれるか、報酬を支払う時期を、事前に書面で決めておきます。採択されたあとに、補助金が実際に支払われるまでには時間がかかることがあり、報酬の支払い時期で揉める例が少なくありません。

研修やセミナーの講師

研修やセミナーの講師は、土日だけで受けやすい仕事の1つです。創業を考えている人向けの講座、経営者向けのセミナー、資格の受験講座などは、受講する人が働いていることが多いため、土日に開かれることがよくあります。

講師の仕事の種類

種類 主な主催者 内容の例
創業の講座 自治体、商工会議所、商工会 事業計画の作り方、資金の調達
経営者向けのセミナー 金融機関、業界団体、商工会議所 販路の開拓、事業承継、デジタル化
資格の受験講座 資格の予備校、通信講座 試験科目の講義、答案の添削
社内研修 企業 管理職向けの経営の基礎、財務の読み方

準備の時間を見込む

講師の仕事は、当日の講義の時間だけでなく、資料の作成と準備に時間がかかります。初めての内容なら、講義の時間の数倍の準備が必要になることもあります。報酬を時間あたりで考えるときは、準備の時間を含めて計算します。同じ内容の講義を何度も行えるようになると、準備の時間が短くなり、時間あたりの報酬が上がります。

講師の仕事を得るための準備

講師の仕事を初めて受けるには、自分がどんな講義をできるのかを、主催者に分かる形で示す必要があります。

  1. 講義できるテーマを3つほど決め、それぞれの対象者と内容を短く書く
  2. テーマごとに、90分程度の講義の構成案を作る
  3. 講義の資料の見本を数枚作る
  4. 小さな勉強会や、診断士の研究会で話す機会を作り、登壇の経験を積む

主催者は、講義の内容だけでなく、時間どおりに進められるか、受講者の質問に答えられるかも見ています。小さな場で話した経験を重ねると、話し方にも自信がつき、実績として示せるようになります。講義の資料は、受講者が持ち帰って読み返せるよう、文章だけで理解できる書き方を心がけます。仕事の文書を分かりやすく書く基本は、ビジネス文書検定の学習内容も参考になります。

答案の添削は在宅で進めやすい

資格の受験講座では、講義のほかに、受験生の答案を添削する仕事もあります。添削は自宅で、自分の都合のよい時間に進められるので、土日に作業をまとめやすい仕事です。診断士の2次試験の経験は、そのまま添削の仕事に生かせます。

執筆や監修

経営、会計、お金、働き方などの記事の執筆や、他の人が書いた記事の内容の確認(監修)も、土日に進めやすい仕事です。Webメディア、業界の専門誌、金融機関の会員向けの冊子などで、専門家としての執筆の依頼があります。

書く仕事の始め方

専門家として記事を書くには、専門の知識に加えて、読者に分かりやすく伝える文章の力が求められます。最初は、自分の得意な分野についての記事を書いて、実績として見せられるようにしておきます。書く仕事の実績の見せ方は、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、作品の選び方と並べ方が整理されています。

監修の仕事の注意

監修とは、他の人が書いた記事の内容が正しいかを、専門家の立場で確かめる仕事です。監修者として名前が出るので、内容に誤りがあれば、自分の信用にも関わります。どの範囲を確かめるのか、修正の提案をどこまで反映してもらえるのかを、事前に決めておきます。補助金や税制のように、年ごとに変わる制度を扱う記事では、公開後の情報の更新を誰が担うのかも確かめます。

制度を扱う記事や講義では、情報の確かめ方が信用を左右します。補助金の公募の要領、税制の改正、法律の条文は、必ず公的機関の一次資料を開いて、その時点の内容を確かめます。他の解説記事に書かれた数字をそのまま使うと、古い情報を広めてしまうことがあります。確かめた資料の名前と日付を手元に記録しておくと、あとで質問を受けたときにも根拠を示せます。

経営者への継続的な支援

一度の相談で終わらず、経営者と月に1回程度の面談を続け、事業計画の進み具合を一緒に確かめる仕事もあります。

実際、顧問先の事業計画の策定や予算と実績の確認、計画の遂行状況のヒアリングなどを副業で行っている中小企業診断士もいます。 出典: agaroot.jp

継続的な支援は、1件ごとの報酬は大きくなくても、毎月の収入の見通しが立てやすいのが利点です。経営者との信頼関係ができると、紹介で新しい仕事につながることもあります。

土日に面談できる相手を選ぶ

小さな事業者の中には、平日は自分が現場に立つため、土日や夜のほうが話しやすいという経営者もいます。店舗を営む事業者は土日が忙しいこともあるので、相手の業種と働き方を見て、面談の日時を決めます。オンラインの面談を使えば、移動の時間がかからず、平日の夜の短い面談も組みやすくなります。

月1回の面談で確かめること

継続的な支援の面談は、毎回の流れを決めておくと、短い時間でも中身のある話ができます。一例を示します。

順番 確かめること 時間の目安
1 前月の売上と利益を、計画と比べる 15分
2 計画とずれた理由を、事業者に話してもらう 15分
3 前回決めた取り組みの進み具合 10分
4 今月の取り組みと、担当と期限を決める 15分
5 次回までに用意してほしい資料の確認 5分

数字の確認から始めると、話が感覚的な印象に流れにくくなります。計画とずれたときに、診断士が答えを出すのではなく、事業者自身に理由を話してもらうことで、事業者が自分で考える力が育ちます。

経営診断や調査の手伝い

他の診断士やコンサルティング会社が受けた案件の一部を手伝う仕事もあります。業界の動向の調査、競合の比較、事業者へのヒアリングの記録の整理、報告書の資料の作成などです。

こうした仕事は、締め切りまでに成果物を納めればよいことが多く、作業の時間を自分で決めやすいので、土日に進めやすい仕事です。経営の診断の進め方を、経験のある診断士の仕事を間近で見ながら学べるのも利点です。

調査の仕事では、公的な統計や業界団体の資料を正確に読み、出典を明らかにしてまとめる力が求められます。調べた数字の出典と取得した日付を記録しておくと、報告書を作る人が安心して使えます。調査や分析を専門とする仕事の報酬の目安は、研究者の年収・単価相場も参考になります。

オンラインで進める支援の工夫

土日を中心に副業をする場合、移動の時間を減らせるオンラインの面談は欠かせない手段です。オンラインで支援を進めるときの工夫を整理します。

面談の前に資料を共有する

オンラインの面談は、対面より話が散らばりやすくなります。面談の数日前に、話し合いたいことと、見てほしい資料を事業者に送っておきます。事業者にも、面談までに確かめておいてほしい数字を伝えておくと、限られた時間で中身のある話ができます。

決まったことを当日のうちに送る

面談で決まったこと、次回までの宿題、次回の日時を、面談の当日のうちに文章で送ります。平日に事業者が見返せる形にしておけば、次の面談までの間に、事業者が自分で進められます。

画面の共有で数字を一緒に見る

決算書や試算表、売上の推移の表を画面に映し、一緒に見ながら話すと、事業者が自分の会社の数字を理解する助けになります。事業者が自分で数字を読めるようになることは、支援の大きな成果の1つです。

公的機関の相談員や専門家

国や自治体、商工会議所などが設ける経営相談の窓口で、相談員や専門家として働く仕事もあります。中小企業基盤整備機構が各都道府県に設けているよろず支援拠点は、中小企業や小規模事業者の経営相談に無料で応じる窓口です。

こうした窓口の相談や、事業者のもとに出向く専門家の派遣は、平日の昼間に行われることが多く、土日だけで受けるのは難しい場合があります。会社員として働きながら関わるなら、有給休暇を使える範囲で単発の派遣を受ける、といった形になります。独立を考えている人にとっては、多くの事業者の相談に触れられる経験として価値のある仕事です。

仕事の探し方

中小企業診断士の副業の仕事は、求人として広く公開されるものより、人のつながりから生まれるものが多いのが特徴です。

診断士どうしのつながりを作る

診断士の協会の支部や、診断士が集まる研究会に参加すると、先輩の診断士から仕事を手伝う機会を得られることがあります。最初は、調査や資料の作成など、案件の一部を担当するところから始まることが多く、その経験が次の仕事につながります。土日に開かれる研究会も多いので、会社員でも参加しやすい場です。

仲介のサービスや求人を使う

専門家と事業者をつなぐ仲介のサービスや、副業の求人にも、診断士向けの仕事が出ています。ただし、応募しても返事がないまま終わることも珍しくありません。

不採用でもご縁が無くて当たり前くらいの気持ちで、興味の持てそうな案件に地道に応募し続けるしかないのかな、と考えています。 出典: note.com

この引用のように、応募の段階で反応がないことに落ち込まず、応募を続ける粘り強さが求められます。応募の文章では、診断士の資格だけでなく、会社員としての業界の経験や、得意な業務を具体的に書くと、依頼者は頼む理由を見つけやすくなります。

自分の得意分野を言葉にする

「中小企業診断士です」だけでは、依頼する側は何を頼めばよいかが分かりません。会社員として経験してきた業界や職種を軸に、「製造業の原価管理」「小売店のネット販売の立ち上げ」「飲食店の資金繰り」のように、得意分野を具体的に言葉にします。得意分野がはっきりしていると、紹介もされやすくなります。

自分の得意分野を伝える場として、簡単な自己紹介のページを用意しておくのも有効です。得意分野、これまでの経験、対応できる仕事の種類、対応できる時間帯、連絡先を1ページにまとめておけば、研究会で知り合った人や、紹介を受けた事業者に、すぐに案内できます。会社員としての経験を書くときは、勤め先の名前や社外秘の情報を出さず、業界と職種、担当した業務の種類を書く程度にとどめます。副業で受けた仕事の実績も、事業者の了解を得てから、業種と支援の内容を書く形で加えていきます。

最初の1件を受けるまでの進め方

登録したばかりで実績がない段階から、最初の1件を受けるまでの進め方の一例を示します。

段階1:得意分野と受けられる時間を決める

会社員としての経験をもとに、得意分野を1つか2つ決めます。あわせて、副業に使える時間を、1か月あたりの時間で見積もります。土日のうち片方だけ使うのか、両方使うのか、平日の夜にメールを確かめる時間をとれるのかを、具体的に書き出します。

段階2:診断士のつながりに入る

協会の支部や研究会に参加し、他の診断士と知り合います。先輩の診断士が受けている案件の手伝い(調査、資料の作成、議事録の作成など)から始めると、仕事の進め方を学びながら、実務の経験を積めます。

段階3:小さな仕事で実績を作る

記事の執筆、答案の添削、セミナーの補助など、土日に完結する小さな仕事で実績を作ります。仕事の結果を、得意分野ごとに一覧にしておくと、次の依頼を受けるときに示せます。

段階4:直接の依頼を受ける

実績がたまったら、事業者からの直接の依頼や、継続的な支援の仕事を受けます。最初は1件に絞り、土日だけでどのくらい対応できるかを確かめてから、件数を考えます。

1か月の時間の使い方の例

会社員が土日を中心に副業を進める場合の、1か月の時間の使い方の例です。

時期 内容 使う時間の目安
第1週の土曜 継続支援の事業者とオンラインで面談 午前の2時間
第1週の日曜 面談の記録の整理、次回までの宿題の作成 2時間
第2週の土日 執筆の仕事を1本仕上げる 両日で5時間
第3週の土曜 研究会に参加し、他の診断士と情報交換 半日
第3週の日曜 講義の資料の作成 3時間
第4週の土曜 創業の講座で講義 準備を含めて半日
平日の夜 メールの確認と返信 1回30分程度

この例では、1か月に使う時間は土日を中心に25時間ほどになります。本業の忙しさや家庭の事情によって、使える時間は変わります。最初から予定を詰め込まず、半分程度の時間で始めて、無理なく続けられるかを確かめます。

よくある失敗と、その避け方

土日の副業を始めた診断士がつまずきやすい点を整理します。

失敗1:引き受けすぎる

依頼をもらえるようになると、断りにくくなって件数を増やしすぎることがあります。土日だけでは作業が回らず、締め切りに遅れると、信頼を失います。受ける前に、自分の予定表で作業の時間がとれるかを確かめます。

失敗2:範囲を決めずに受ける

「ちょっと相談に乗ってほしい」という依頼を、範囲と報酬を決めずに受けると、相談が何度も続き、どこまでが仕事なのかが曖昧になります。最初の相談の段階で、どこから報酬が発生するかを伝えておきます。

失敗3:資格の名前だけで売り込む

「中小企業診断士です」とだけ伝えても、依頼する側は何を頼めばよいかが分かりません。得意分野と、どんな成果を出せるのかを具体的に伝えます。

失敗4:本業の情報を持ち込む

本業で知った取引先の情報や社内の資料を、副業の支援に使うことは避けます。勤め先との信頼を損なうだけでなく、秘密の漏洩として問題になるおそれがあります。

土日だけで回すための工夫

土日だけで副業を続けるには、仕事の受け方と進め方に工夫が必要です。

平日にできることを決めておく

土日だけといっても、平日にまったく連絡を取らないのは現実的ではありません。平日の夜に30分だけメールを確かめる、急ぎの連絡は翌日の夜に返す、といった自分の決まりを作り、依頼者にも最初に伝えておきます。対応できる時間が分かっていれば、依頼者もそれに合わせて連絡してくれます。

締め切りを分散させる

補助金の締め切りや講義の日程が同じ時期に重なると、土日だけでは作業が回らなくなります。仕事を受ける前に、自分の予定表に締め切りを書き込み、同じ時期に重ならないよう件数を調整します。

本業の繁忙期を避ける

本業の決算期や繁忙期と、副業の締め切りが重なると、どちらにも支障が出ます。本業の忙しい時期が分かっているなら、その時期は副業の新しい依頼を受けないようにします。

会社員として確かめておくこと

会社員が中小企業診断士として副業をする場合は、勤め先の決まりを先に確かめます。

就業規則で副業が認められているか

副業が認められているか、届け出や許可が必要かは、勤め先の就業規則で決まっています。厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)では、副業・兼業は第70条に定められ、労務の提供に支障がある場合、企業の秘密が漏れる場合、会社の名誉や信用を損なう場合、競業により会社の利益を害する場合には、禁止や制限ができるとされています。勤め先の規則がこれと同じとは限らないので、自分の会社の規則で確かめます。

勤め先の取引先や競合との関係

副業で支援する事業者が、勤め先の取引先や競合だった場合、利益が相反したり、勤め先の情報が漏れたと疑われたりするおそれがあります。支援する事業者が勤め先と関係のないことを確かめてから引き受けます。勤め先で知った情報を、副業で使わないことも基本です。

資格の更新と副業のつながり

中小企業診断士の登録には有効期間があり、続けて名乗るには更新が必要です。副業は、この更新の要件を満たすことにもつながります。

更新の要件

中小企業診断士の登録の有効期間は、登録の日から5年です。更新の登録を受けるには、前回の登録から更新の申請までの間に、次の2つの要件を満たす必要があります(中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則第8条、第10条)。

要件 内容
知識の補充 理論政策更新研修の修了などを合計5回以上
実務の従事 診断や助言の実務への従事などを1日1点として合計30点以上

実務の従事の点数は、実務補習を受けることでも満たせますが、副業で実際に経営の診断や助言の仕事をすることでも積み上げられます。会社員として働きながら更新を続けるには、土日の副業で実務の経験を積むことが、点数を満たす現実的な方法の1つになります。どの仕事が実務の従事として認められるか、証明の書類をどう用意するかは、更新の手続きの案内で確かめます。

報酬と契約で確かめておくこと

副業として仕事を受けるときは、仕事の範囲と報酬を、事前に書面で決めておくことが大切です。

確かめておきたい項目

項目 確かめる内容
仕事の範囲 助言だけか、資料の作成まで含むか
報酬 金額、成功報酬の有無、支払いの時期
期間と回数 面談の回数、契約の期間
秘密の保持 事業者の情報の扱い
中途の解約 途中で終わった場合の報酬の扱い

フリーランスとして守られる決まり

個人で仕事を受ける場合は、フリーランスとして扱われます。令和6年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法では、個人で働くフリーランスに業務を委託する事業者に、取引条件の明示や、原則として給付を受け取った日から60日以内の報酬の支払いなどが義務づけられています。条件が示されない場合は、自分から書面で確認を求めます。

確定申告の目安

副業の所得が一定の額を超えると、確定申告が必要になります。会社員として給与を受け取っている人は、給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。所得とは、報酬から交通費や資料代など仕事に使った必要経費を引いた額です。条件は国税庁の確定申告が必要な人の案内(No.1900)に書かれています。所得税の申告が不要でも住民税の申告が必要になることがあるので、住所地の市区町村で確かめます。

独立を考えるときの判断材料

土日の副業を続けるうちに、独立を考えるようになる人もいます。独立するかどうかを考えるときは、次の点を判断の材料にします。

副業の収入の安定

継続的な支援の仕事が何件あり、毎月どのくらいの収入が見込めるかを確かめます。単発の仕事だけで成り立っている場合は、独立したあとの収入が大きく揺れます。

平日に受けられる仕事の見込み

独立すると、公的機関の専門家の派遣や、平日の研修など、会社員の間は受けにくかった仕事も受けられるようになります。平日の仕事の見込みがどのくらいあるかを、他の診断士に聞いて確かめます。

生活費の備え

独立したばかりの時期は、収入が安定しないことがあります。何か月分の生活費を備えておけば安心かを考え、家族とも話し合っておきます。副業の段階で、独立後の働き方を小さく試しておくことが、判断を誤らないための近道です。

診断士の力を生かせる分野を広げる

中小企業診断士の知識は、経営の支援だけでなく、さまざまな分野の仕事に生かせます。

デジタル化やAIの活用の支援

中小企業の多くが、業務のデジタル化やAIの活用に関心を持ちながら、何から始めればよいか分からずにいます。経営の課題を整理する診断士の力と、デジタルの知識を組み合わせると、業務の見直しから道具の選び方までを支援できます。こうした支援の仕事は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介されています。

業界ごとの補助金や助成金の知識

業界ごとに使える補助金や助成金の知識は、その業界の事業者を支援するときの強みになります。福祉や介護の事業所の人材育成に使える助成金の考え方は、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で整理されています。

運営者として見てきたこと

2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた中で、資格を持つ専門家が副業で長く仕事を続けるには、資格の名前よりも、会社員として積んできた業界の経験を前に出すことが効いていると感じています。依頼する側は、資格があることを前提に、自分の業界を分かってくれる人を探しているからです。依頼者と直接やり取りできる形で仕事を受けると、仲介の取り分が無い分、同じ予算でも受け手の手元に残る額が厚くなり、依頼者もその分を面談の回数や支援の範囲に回せます。

よくある質問

Q. 中小企業診断士の副業は土日だけでも成り立ちますか?

仕事の種類によります。研修やセミナーの講師、答案の添削、記事の執筆や監修は、土日に作業をまとめやすい仕事です。一方で、補助金の支援や経営者との面談は、相手の都合で平日の連絡が必要になることがあります。土日だけで受ける場合は、引き受ける件数を絞り、平日の連絡の取り方を最初に依頼者と決めておくと続けやすくなります。

Q. 補助金の申請書を代わりに作って報酬を受け取ってもよいですか?

注意が必要です。行政書士法では、行政書士でない者が、他人の依頼を受け、いかなる名目によるかを問わず報酬を得て、官公署に提出する書類の作成を業として行うことはできないと定めています。診断士の関わり方は、一般に事業計画の内容への助言や策定の支援です。どこまでが助言に当たるかは関わり方で変わるため、受ける前に専門家に確かめます。

Q. 会社員が診断士として副業をするときに確かめることは何ですか?

まず、勤め先の就業規則で副業が認められているか、届け出や許可が必要かを確かめます。そのうえで、支援する事業者が勤め先の取引先や競合でないかを確かめ、勤め先で知った情報を副業に使わないようにします。本業の繁忙期と副業の締め切りが重ならないよう、引き受ける時期も調整します。

Q. 副業の経験は資格の更新に役立ちますか?

役立ちます。中小企業診断士の登録の有効期間は5年で、更新には、理論政策更新研修の修了などを合計5回以上と、実務への従事などで合計30点以上が必要です。実務の従事は1日を1点として数えられるので、副業で診断や助言の仕事をすることが点数を積み上げる方法の1つになります。認められる仕事の範囲は、更新の手続きの案内で確かめます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年9月21日最終更新:2026年10月19日
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