韓国語の翻訳を副業にする|案件の種類と受注までの流れ

@SOHO編集部
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韓国語の翻訳を副業にする|案件の種類と受注までの流れ

この記事のポイント

  • ✓韓国語翻訳副業を始めたい方に向けて
  • ✓案件を6つの種類に分けて解説します
  • ✓原文1文字あたりや映像1分あたりの単価相場

まず、安心してください。韓国語の翻訳を副業にするのに、留学経験や語学系の学位が必須というわけではありません。ただし、「韓国語が読めるから翻訳ができる」という前提で始めた皆さんが、最初のトライアルで落ちるところも何度も見てきました。この2つは矛盾していません。翻訳の仕事で見られているのは韓国語の理解力そのものよりも、日本語で読める文章に組み直す力と、調べて裏を取る手間を惜しまない姿勢だからです。この記事では、韓国語翻訳の案件がいまどこにあるのか、種類ごとの単価はどのくらいか、どうやって最初の1件を受けるのかを、リスクも含めて正直に並べていきます。

韓国語翻訳の需要はどこにあるのか

最初に市場の形を押さえます。韓国語の翻訳需要は、この10年で入口が大きく変わりました。かつては企業間の契約書や技術文書が中心でしたが、いま量として動いているのは映像と電子コミック、それにEC関連の商品説明です。日本国内向けの韓国コンテンツの配信数が増え、Webtoonと呼ばれる縦読みの電子コミックが日本語版として大量に出るようになり、翻訳と、その後の日本語のチェック作業が常に足りていない状態が続いています。

一方で、企業向けの実務翻訳が減ったわけではありません。日韓の間では製造、化粧品、食品、ITの取引が継続しており、仕様書、成分表示、社内規程、監査資料といった文書は毎年出ます。この領域は単価が高く、締切に追われにくい代わりに、募集がクローズドで、翻訳会社の登録者リストの中から声がかかる形が多くなります。つまり、公開されている求人を眺めているだけでは、実務翻訳の仕事は見えてこないということです。

副業としてどれを狙うかは、皆さんが週にどれだけ時間を出せるかで変わります。映像やコミックは分量が安定して出るので継続しやすく、実務文書は1件が大きい代わりに来るタイミングが読めません。フリーランスとして食べていく段階になると両方を混ぜるのが定石ですが、副業として始めるなら、まず量が安定している側から入るほうが挫折しにくいです。

なお、機械翻訳の精度が上がったことで「もう仕事はなくなる」と心配される方がいます。これは半分正しく、半分間違いです。どの領域が残り、どの領域が値崩れしたのかは後の章で具体的に書きます。市場全体の話より、その線引きのほうが皆さんの判断に直結します。

韓国語翻訳の案件を6つの種類に分ける

案件を職種名で並べても選べません。作業の性質で6つに分けます。

1つ目は実務文書の翻訳です。契約書、仕様書、社内規程、監査資料、プレスリリース。正確さが最優先で、用語のぶれが許されません。単価は高い側に入りますが、専門分野の背景知識が要ります。

2つ目は映像の字幕です。ドラマ、バラエティ、企業の紹介動画、オンライン講座。1分あたりで値段が付くことが多く、文字数の制限と表示時間の制約があるため、意味を保ったまま短く削る力が試されます。専用のソフトの操作を覚える必要があります。

3つ目は電子コミックと出版の翻訳です。Webtoonの日本語化はいま案件量がもっとも多い領域の1つです。セリフの自然さ、キャラクターごとの口調の作り分けが評価されます。1話あたりで値段が付く形が一般的です。

4つ目はゲームとアプリのローカライズです。画面に入る文字数の制約、変数が混ざったテキスト、用語の統一。翻訳というより開発工程の一部という性格が強く、表計算ファイルや専用ツールでのやり取りに慣れが必要です。開発の現場感を知りたい方は、アプリケーション開発のお仕事を見ておくと、どの工程に翻訳者が関わるのかが具体的に掴めます。

5つ目はECと観光向けの短文翻訳です。商品説明、店舗案内、レビューの要約。1件が短いので細切れの時間で進められ、副業として始めやすい入口です。ただし単価は低い側で、量をこなす形になります。

6つ目は通訳とオンライン対応です。商談の同行、オンライン会議の逐次通訳、韓国語での問い合わせ対応。時間あたりの単価は高いのですが、予定を押さえられるため、本業がある皆さんには組みにくい面があります。

副業の入口としては、3つ目と5つ目が現実的です。そこで実績を作り、1つ目か4つ目に移っていく流れが、私が見てきた限りもっとも多いパターンです。

単価の相場と、時間あたりの実入りの計算

金額の話は、必ず計算方法と一緒に覚えてください。同じ「1文字いくら」でも、原文の文字数で数えるのか、仕上がりの日本語で数えるのかで結果が変わります。

韓国語から日本語への実務翻訳では、原文1文字あたり3円から10円程度の幅に募集が集まります。分野の専門性が高いもの、法務や医薬のように誤訳の代償が大きいものは上の側です。日本語から韓国語への方向は、日本語を母語とする方にとっては難度が上がるため、ネイティブチェックを別に立てる前提で単価が組まれることがあります。

映像の字幕は、映像1分あたり200円から800円あたりの募集が目立ちます。ここで注意したいのは、1分の映像を訳すのに1分では終わらないことです。慣れないうちは映像10分の字幕に3時間以上かかることも珍しくありません。つまり、単価を時間あたりに換算すると、想定よりかなり下がります。

電子コミックは1話あたり1,500円から5,000円程度という形が多く、慣れると1話を1時間から2時間で処理できるようになります。継続案件になりやすいので、時間あたりの実入りは安定します。

大事なのは、受ける前に必ず時間あたりに直すことです。単価が高く見えても、調べる時間が長い分野では実入りが落ちます。翻訳に限らず、文字を扱う仕事の水準を横目で確認したいときは著述家,記者,編集者の年収・単価相場が役に立ちます。会社員としての給与と比べて、自分の時間をいくらで売っているのかが見えると、安い案件を惰性で続けなくなります。

実際に安定するまでの時間についても、現場の声を1つ挙げておきます。

今日は韓国語翻訳の仕事を始めてから安定した収入を得るまでにかかった時間について書いていこうかなと思います。 出典: kankokuhonyakunavi.com

ここで皆さんに伝えたいのは、安定までに時間がかかることを前提に組んでおけば、途中で折れないということです。最初の数件で時間あたりの実入りが低いのは、能力の問題ではなく、手順がまだ身についていないからです。

求められる語学力と、語学以外に必要なもの

韓国語の水準としては、TOPIKの上級、具体的には5級から6級、あるいはハングル能力検定の準2級から1級あたりを持っていると、応募時に説明が要らなくなります。ただし、資格がないと受けられないわけではありません。トライアルの結果がすべてです。資格は「読んでもらえる確率を上げる道具」として考えてください。

語学以外で見られているものが3つあります。

1つは日本語の文章力です。これが本当に大きい。原文の意味は取れているのに、日本語が翻訳調のまま提出されて落ちる方が多いのです。主語の重複、受け身の多用、助詞のつながりの悪さ。ここは日本語側の訓練で直ります。文書の型を押さえ直したい方はビジネス文書検定の出題範囲を見ると、実務文書で何が標準とされているかが整理できます。

2つ目は調べる力です。固有名詞、制度の名称、企業の正式表記、業界用語。1つの用語を確かめるために公式サイトを3つ当たる、という作業を面倒に思わないかどうかで、成果物の質が変わります。

3つ目は道具の扱いです。翻訳支援ツール、字幕ソフト、表計算での用語管理。使えなくても始められますが、継続案件を持つ段階になると、使えない人は物理的に回らなくなります。

正直に書いておくと、私自身、技術文書の仕事を受け始めた頃に用語集を作らずに進めて、納品後に用語の不統一を指摘され、全体を洗い直すことになった経験があります。作業量としては最初に用語集を作るほうが圧倒的に軽い。これは手を抜いた罰ではなく、単に手順を知らなかっただけでした。皆さんは最初から用語集を作ってください。

受注までの流れ

順番があります。飛ばすと遠回りになります。

第1段階は、サンプルを作ることです。実績がない段階でも、公開されている韓国語の文章を自分で訳して、日本語の成果物として整えたものを3本用意します。分野を散らさず、狙う領域に寄せてください。映像を狙うなら短い動画の字幕、コミックを狙うならセリフ中心のもの。著作物をそのまま公開するのは避け、応募時に非公開で提示する形にします。見せ方の組み立て方については、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】の構成の考え方がそのまま応用できます。

第2段階は、翻訳会社への登録です。ここが本命です。実務文書の案件は公開求人に出ないため、登録者として名簿に入っていることが条件になります。登録時に履歴書と職務経歴、対応分野、単価の希望を出し、トライアルを受けます。落ちても登録は残るので、分野を変えて再挑戦できる会社もあります。

第3段階は、プラットフォーム経由の受注です。短文翻訳やEC関連はここに多く出ます。単価は低い側ですが、評価を積む場として機能します。仲介の手数料が引かれる点は計算に入れてください。

第4段階は、直接の取引です。制作会社、出版社、事業者と直につながる形です。継続すると単価が上がりやすく、中間マージンが乗らないぶん手取りが厚くなります。

第5段階は、単価の見直しです。同じ相手と10件ほど続けたら、実績を根拠に交渉できます。交渉の材料の作り方はWebライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】の考え方が、そのまま翻訳にも当てはまります。

トライアルで落ちたときは、理由を推測せずに分野を変えて次を受けてください。落ちた理由が語学力でないことは、よくあります。単純に、その会社がいま必要としている分野と合わなかっただけのケースが多いのです。

機械翻訳とAIが入った後の立ち回り

ここは正直に書きます。値崩れした領域は、実際にあります。定型的な短文、商品説明の大量処理、社内向けの参考訳。これらは機械翻訳の出力を人が直す形に置き換わり、単価が下がりました。この「機械翻訳の出力を直す作業」は、翻訳そのものより単価が低く設定されるのが一般的です。時間あたりの実入りで見ると、通常の翻訳の60%から70%程度に収まる案件が目立ちます。

一方で、値段が落ちていない、あるいは上がっている領域もはっきりしています。1つは責任を伴う文書です。契約書、医薬、法務、安全に関わる表示。誤訳の代償が大きいものは、人が最終責任を持つ前提で単価が保たれています。もう1つは文体の作り分けが要るものです。コミックのセリフ、広告のコピー、キャラクターの口調。機械の出力はどうしても平板になるため、人の手が必要です。3つ目は、翻訳の前後の工程を引き受ける仕事です。用語集の設計、複数の翻訳者の成果物の統一、機械翻訳の出力品質の評価。これは語学力と業務設計の両方が要るため、代替が効きません。

つまり、皆さんが狙うべきは「機械が出した答えを直す仕事」ではなく「機械に何をさせるかを決める仕事」の側です。AIをどう業務に組み込むかという視点そのものが仕事になっている例は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事を見ると分かります。翻訳者としての経験があると、この領域は入りやすい。言語処理の現場を知っているというのは、思っている以上に強みです。

在宅で続けるための実務

副業として続けるには、仕組みで支えるのが確実です。

1つ目は用語集です。案件ごとに1枚作り、確定した訳語と出典を書き残します。次の案件で使い回せますし、指摘を受けたときに根拠を示せます。

2つ目は工程の分割です。下訳、見直し、最終確認を同じ日にやらない。一晩置くと、自分の誤訳が驚くほど見えます。締切から逆算して、最終確認の日を先に押さえてください。

3つ目は受注量の上限を決めることです。本業がある状態で、月の稼働を埋め切ってしまうと、体調を崩した時点で納期が守れません。私は稼働の20%は空けておくよう勧めています。これは余裕ではなく、事故に対する備えです。

4つ目は記録です。日付、相手、分量、単価、実際にかかった時間。この5列を残しておくと、どの分野が自分にとって効率が良いかが数字で分かります。感覚で選ぶより確実です。

5つ目は体です。40代以降で在宅の作業を増やすと、目と肩と腰に確実に来ます。椅子と机の高さ、画面の位置、休憩の取り方は、生産性の話ではなく継続の話です。

トライアルで落ちる原因は、だいたい5つに収まる

トライアルの結果が返ってこないと、皆さんは自分の韓国語を疑い始めます。でも、落ちた原因を見ていくと、語学力以外のところに理由があるケースが本当に多いのです。

1つ目は、指示を読み切っていないことです。文体の指定、表記のルール、固有名詞の扱い、納品ファイルの形式。指示書に書かれているのに反している成果物は、訳の質を見る前に外されます。これ、もったいない落ち方です。指示書は2回読んで、チェックリストに書き写してから作業に入ってください。

2つ目は、原文に引きずられた日本語です。韓国語と日本語は語順が近いため、そのまま置き換えても文になってしまう。だから「意味は通るのに読みにくい」訳文ができあがります。対策は単純で、訳し終えたあとに原文を閉じて、日本語だけを声に出して読み直すことです。詰まるところが必ず出てきます。

3つ目は、固有名詞と数字の誤りです。人名、企業名、製品名、日付、金額。ここを1つ外すと、他がどれだけ良くても信用されません。数字は原文と訳文を突き合わせて、指で追って確認する価値があります。

4つ目は、分からない箇所を黙って処理してしまうことです。推測で訳してそのまま出すより、訳した上で「この箇所は原文に複数の解釈があり、こちらを採りました」と一文添えたほうが評価は上がります。判断の過程が見えると、発注側は安心します。

5つ目は、分野が合っていないことです。医薬の案件に文芸寄りの訳文を出しても通りません。落ちたときは同じ会社の別分野、あるいは別の会社の同じ分野を受け直してください。3社ほど受けると、自分がどの分野で評価されるのかが見えてきます。

契約と支払いで確かめておくこと

翻訳は成果物が文字なので、二次利用の範囲が曖昧なまま進みやすい仕事です。受注前に確かめる項目を挙げておきます。

まず報酬の支払期日です。業務委託の取引では、成果物を受け取った日から60日以内のできる限り短い期間内に報酬を支払うことが、発注する側に求められています。取引条件の明示についても、いわゆるフリーランス保護新法で義務づけられています。制度の運用や相談窓口は公正取引委員会の案内で確認できます。つまり、「検収が終わったら払う」と言われて期限の話が出てこない発注は、その場で確認していいということです。

次に修正の範囲です。訳文の好みによる書き換え依頼が何度も来ると、時間あたりの実入りが一気に落ちます。修正は2回まで、それ以降は別料金、という線を最初に共有しておくと揉めません。

3つ目は二次利用です。訳した字幕が別の媒体で使われる、コミックの訳文が単行本になる、といったときに追加の報酬が出るのかどうか。出ない契約もありますが、書かれていないまま進めるのがいちばん危険です。

4つ目は秘密保持です。公開前の作品や社内文書を扱うことが多いため、NDAを結ぶ案件が普通にあります。署名する前に、対象となる情報の範囲と期間は読んでください。

5つ目は源泉徴収の扱いです。翻訳料は源泉徴収の対象となる報酬に含まれるため、支払時に税額が引かれる場合があります。引かれた分は確定申告で精算できるので、支払調書や明細は必ず保管してください。詳しい扱いは国税庁の案内が一次情報です。

長く続いている翻訳者に共通していること

在宅とフリーランスの市場を20年見てきた立場から言えば、翻訳で長く続いている人の共通点は、語学力の高さではありません。共通しているのは、依頼する側の手間を減らしているという点です。

止まる人は、訳文だけを納めます。続く人は、判断に迷った箇所と、そこで何を根拠にどう訳したかを短く添えます。用語がぶれている原文に気づいたら、そのまま訳さずに確認を入れます。この一手間があると、発注側は自分で検証する作業が減ります。運営者として見てきた限りでは、単価が上がっている人はほぼ全員この形で、交渉が上手いわけではないのです。「この人に任せると自分の仕事が軽くなる」という状態を作っている。だから継続の声がかかり、結果として単価が動きます。

手取りの構造も、ここにつながります。仲介を通す取引では報酬の一部が手数料として引かれます。仮に手数料が20%なら、年間120万円の仕事で24万円が差し引かれる計算です。中間マージンが乗らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多く頼めて、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%の仕組みの価値は、単価が上がることではなく、同じ仕事で手取りが厚くなるという質の部分にあります。継続案件を何年も回す翻訳の仕事では、この差が積み上がります。

技術系の案件に関わる方には、もう1つ補足があります。ローカライズの現場では、翻訳者が開発側の用語やファイル形式を理解しているかどうかで、任される範囲が変わります。開発職の報酬水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認できますが、翻訳者が同じ土俵で会話できるようになると、単なる訳出ではなく工程の一部として扱われるようになります。語学と技術の両方に足をかけている人は、いまかなり少ない。だから狙う価値があります。

最後に、始め方の結論を置いておきます。狙う領域を1つ決め、その領域のサンプルを3本作り、翻訳会社に登録してトライアルを受ける。並行してプラットフォームで小さい案件をこなし、記録を付けて自分の時間あたりの実入りを測る。3ヶ月続けたところで、どの分野を伸ばすかを数字で決める。この順番なら、40代からでも50代からでも遅くありません。準備さえすれば、時間は味方になります。

月に5万円を目標にしたとき、手元にいくら残るのか

数字を置いて計算します。目標を月5万円に固定して、そこから引かれるものを順番に落としていきます。

映像の字幕で組む場合、1分400円なら月に125分を訳すことになります。週あたり30分強の映像です。電子コミックで組むなら1話3,000円として月に17話。どちらも本業のある方が平日の夜と週末で回せる分量の上限に近いところです。

ここから引かれるものが3つあります。1つ目は仲介の手数料です。プラットフォーム経由で20%が引かれるなら、5万円のうち1万円が消えて4万円になります。2つ目は源泉徴収です。支払う側が源泉徴収義務者で、その報酬が原稿料などに当たる場合、支払金額が100万円以下の部分には10.21%が課されます。5万円なら5,105円です。100万円を超える部分は20.42%になり、税額に1円未満の端数が出たときは切り捨てます。この計算は国税庁のタックスアンサーに表として載っています。自分の報酬がこの対象に当たるかどうかは、支払元に確認するのが早いです。3つ目は道具の費用です。字幕ソフトの利用料、辞書、通信費で月3,000円程度を見ておきます。

つまり、5万円の案件をプラットフォーム経由で受けて源泉徴収もされる場合、実際に振り込まれるのは34,895円です。源泉徴収された分は確定申告で精算されるので消えたわけではありませんが、入金額だけを見ていると「約束と違う」と感じます。ここを先に知っておくと動揺しません。

年でまとめると、月5万円は年60万円です。手数料20%の取引を1年続けると12万円が手数料として出ていきます。同じ60万円を直接の取引で受けられるなら、この12万円が丸ごと残ります。単価交渉で12万円を積み上げるのは簡単ではありませんが、取引の形を変えるだけで同じ差が出るという点は覚えておいてください。

税金まで通した実額も出しておきます。年間の売上60万円、経費が手数料12万円と道具や通信費で3万6,000円、合わせて15万6,000円とすると、残りは44万4,000円です。会社員として給与を受けていて、給与と合わせた課税所得が330万円から695万円の帯に入る方なら、所得税の税率は20%で控除額は42万7,500円という速算表の区分に当たります。この帯で追加の44万4,000円にかかる所得税は8万8,800円、住民税を10%として4万4,400円、合わせて13万3,200円です。最終的に手元に残るのは31万800円という計算になります。月5万円の副業は、税引き後で見ると月2万5,000円台の手取りです。

金額や勤め先の規則、他の控除の有無で結果は変わります。自分の場合の税額は税務署か、勤め先の年末調整の担当に確認してください。

始めてから初報酬までを、日付順に並べる

何をいつやるかが決まっていないと、準備のまま数ヶ月が過ぎます。90日で初報酬に届く並べ方を書きます。

1日目から7日目は、狙う領域を1つに決める作業です。映像の字幕か、電子コミックか、ECの短文か。ここで2つ以上を狙うと、サンプルも用語集も散ります。決めたら、その領域の募集要項を10件集めて、求められる経験、納品形式、単価の書き方をひとつの表に写します。

8日目から21日目は、サンプル訳を3本作る期間です。1本目は自分が読み慣れた題材、2本目は狙う領域の典型的なもの、3本目は少し難しいもの。3本とも、訳文だけでなく「用語をどう決めたか」のメモを1枚付けます。このメモが後で効きます。

22日目から35日目は、翻訳会社への登録です。1社ではなく5社に出します。登録の書類は同じものを使い回せるので、2社目以降の手間は小さい。トライアルの課題が来たら、期限の半分の時点で一度仕上げて、残り半分を見直しに充てます。

36日目から60日目は、プラットフォームでの小さい受注です。トライアルの結果を待っている間に、ECの商品説明や短い案内文のような、1件2,000円以下の案件を5件こなします。目的は収入ではなく、評価とやり取りの記録を作ることです。ここで納期を守った記録があると、単価の高い案件の選考で効きます。

61日目から90日目は、初報酬の入金と記録の整理です。プラットフォームの報酬は締め日の後に支払われるため、作業した月の翌月に入ることが普通です。入金されたら、日付、相手、分量、単価、実際にかかった時間の5列を表に残します。3ヶ月分そろうと、自分の時間あたりの実入りが数字で見えます。

この並べ方で進めると、90日目には「トライアルの結果が2社から返ってきている」「プラットフォームでの評価が5件ある」「自分の作業速度が分かっている」という状態になります。ここが交渉の出発点です。

確定申告でどう書くか

副業の翻訳料は、放っておくと申告漏れになります。書き方を具体的に置きます。

まず、申告が必要かどうかの線です。給与を1か所から受けていて、その給与のすべてが源泉徴収の対象になっている場合、給与所得と退職所得を除いた各種の所得金額の合計が20万円を超えると確定申告が必要になります。給与を2か所以上から受けている場合は、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与と退職所得を除く所得金額の合計で判定します。月5万円の副業を1年続ければ、この20万円は簡単に超えます。

次に、所得の種類です。副業として細々と受けている段階では雑所得として扱われることが多く、その場合は青色申告特別控除は使えません。事業として営んでいると認められる規模なら事業所得になり、複式簿記で記帳して貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添え、翌年3月15日の期限までに提出すれば55万円の控除が使えます。これに加えて優良な電子帳簿の要件を満たすか、確定申告書と決算書を期限までにe-Taxで送信すれば65万円になります。どちらの要件にも当たらない青色申告者は10万円です。自分がどちらに当たるかは金額や継続性で判断が分かれるので、税務署に確認してください。

金額の書き方の例を置きます。年間の売上が60万円、支払手数料が12万円、通信費が1万8,000円、消耗品費が1万2,000円、新聞図書費が6,000円という年なら、必要経費の合計は15万6,000円で、所得は44万4,000円です。源泉徴収された税額が60万円の10.21%で6万1,260円あるなら、それを申告書の源泉徴収税額の欄に書きます。計算した年間の税額がこれより少なければ、差額が還付されます。

勘定科目は迷わなくていいものが多いです。仲介の手数料は支払手数料、辞書や参考書は新聞図書費、字幕ソフトの月額は消耗品費か通信費、他の翻訳者に下訳を頼んだ分は外注費。同じ支出を毎年同じ科目に入れておけば、内訳の説明が要るときに困りません。

支払調書と入金の明細は必ず保管してください。支払調書は発行が義務ではない場面もあるため、届かないことがあります。届かなくても申告はできるので、自分の側の記録を主にしておくのが安全です。

勘違いしやすい5つ

1つ目は「単価が高い案件を選べば実入りが増える」という思い込みです。専門分野の案件は調べる時間が長く、時間あたりに直すと安い案件と変わらないことがあります。判断の材料は単価ではなく、単価を想定作業時間で割った数字です。

2つ目は「源泉徴収された分は取られたまま」という誤解です。引かれた分は前払いの税金なので、確定申告で年間の税額と突き合わせて精算されます。税率の低い方なら戻ってきます。

3つ目は「20万円以下なら何もしなくていい」という読み方です。所得税の確定申告が不要になる場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあります。住んでいる自治体の案内を見てください。

4つ目は「翻訳会社に落ちたら語学力が足りない」という結論です。トライアルの不合格は、その時期にその会社が必要としていた分野と合わなかったという理由が多くを占めます。分野を変えて受け直すほうが早いです。

5つ目は「機械翻訳が使えるから作業が速くなる」という期待です。機械の出力を直す作業は、単価が低く設定されている案件が多く、時間あたりの実入りでは通常の翻訳を下回ることがあります。速くなるかどうかではなく、その仕事の値段がどう決まっているかを見てください。

会社員と主婦(夫)と学生で、どこが違うか

同じ翻訳の副業でも、立場によって注意する場所が違います。

会社員の方がまず見るのは勤め先の規則です。副業を許可制にしている会社、届出制にしている会社、業種を限定している会社があります。翻訳は競業に当たりにくい仕事ですが、勤め先の顧客に関わる文書を訳す場合は利益相反の問題が出ます。就業規則の副業の条項を読んで、迷ったら人事に確認してください。税の面では、副業の所得が20万円を超えたら確定申告が必要になる点と、住民税の徴収方法をどうするかが実務の要点です。

主婦(夫)の方は、扶養の判定が絡みます。配偶者の勤め先で扶養として扱われている場合、自分の所得が一定の額を超えると、配偶者側の控除が減ったり、健康保険の扶養から外れたりします。所得税の扶養の基準と、健康保険の扶養の基準は別の物差しで、金額も違います。どちらも「売上」ではなく「売上から経費を引いた額」で見るのが原則なので、経費の記録を残しておくと判定が有利に働くことがあります。具体的な金額は配偶者の勤め先の規則と加入している健康保険で変わるので、勤め先か保険の窓口に確認してください。

学生の方は、時間の使い方が有利に働きます。締切に余裕がある案件を選べるため、1本に時間をかけて品質で評価を取る戦略が取れます。一方で、親の扶養に入っている場合は所得の額に注意が必要です。勤労学生控除のような仕組みもありますが、適用の条件があるので税務署に確認してください。語学を学んでいる途中の方は、サンプル訳を授業の課題と混ぜないでください。著作物の扱いで揉める元になります。

立場が違っても、記録を付けるという一点は共通です。日付、相手、分量、単価、所要時間。これがあれば、税の申告でも単価の交渉でも、話が早く終わります。

よくある質問

Q. TOPIKを持っていないと韓国語翻訳の副業はできませんか?

資格がなくても応募できます。翻訳会社の採否はトライアルの成果物で決まるため、資格は書類を読んでもらう確率を上げる道具という位置づけです。目安としてはTOPIKの5級から6級、ハングル能力検定の準2級以上があると、語学力の説明を省けます。持っていない場合は、狙う分野のサンプル訳を3本そろえて実力で示すほうが早いです。

Q. 単価はどのくらいを目安に考えればいいですか?

韓国語から日本語への実務翻訳は原文1文字あたり3円から10円程度、映像の字幕は映像1分あたり200円から800円程度、電子コミックは1話あたり1,500円から5,000円程度の募集が目立ちます。ただし分野の専門性や納期で幅があります。受ける前に必ず、想定作業時間で割って時間あたりの実入りに直してから判断してください。

Q. 機械翻訳が普及したいま、始めても仕事はありますか?

定型的な短文や商品説明の大量処理は単価が下がりました。一方で、契約書や医薬のように誤訳の代償が大きい文書、コミックや広告のように文体の作り分けが要る仕事、用語集の設計や複数の訳文の統一といった工程管理の仕事は需要が保たれています。値崩れした領域を避け、責任や文体が絡む側を狙うのが現実的な選び方です。

Q. 本業がある状態で、どのくらいの分量から始めるべきですか?

最初は月に電子コミック2話分、または映像10分程度の字幕から始めるのが無理のない量です。慣れないうちは想定の2倍から3倍の時間がかかるため、締切に余裕のある案件を選んでください。月の稼働を埋め切らず、2割は空けておくと体調を崩したときにも納期を守れます。量を増やすのは記録を取って所要時間が読めてからで十分です。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月25日最終更新:2026年10月11日
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