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手話を独学で学ぶ|始め方と練習の仕方

@SOHO編集部
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手話を独学で学ぶ|始め方と練習の仕方

この記事のポイント

  • ✓手話を独学で学ぶ始め方を
  • ✓読み取りの練習の順に解説します
  • ✓地域の手話講座やサークルの選び方

手話を独学で学びたいと思ったとき、「本や動画だけで覚えられるのか」「何から始めればよいのか」と迷う人は多いものです。手話は、手の形や動きだけでなく、表情や視線、体の向きまで使って意味を伝える言語です。独学でも基礎は十分に身につけられますが、言語として使えるようになるには、実際に手話を使う人と関わる機会を少しずつ取り入れることが大切です。

この記事では、手話の独学の始め方を、指文字、あいさつ、単語、表情の使い方、読み取りの練習の順に説明し、教材や講座の選び方、検定試験を目標にする方法、独学で気をつけたい点まで解説します。

手話とはどんな言語か|独学を始める前に知っておくこと

手話は、耳の聞こえない人や聞こえにくい人を中心に使われている、目で見る言語です。日本語の単語を手の動きに置き換えたものではなく、独自の文法や表現を持っています。

2025年には、手話に関する施策の推進に関する法律(手話施策推進法)が公布・施行されました。この法律の第1条では、手話について次のように書かれています。

この法律は、手話がこれを使用する者にとって日常生活及び社会生活を営む上で言語その他の重要な意思疎通のための手段であることに鑑み、手話の習得及び使用に関する施策、手話文化の保存、継承及び発展に関する施策並びに手話に関する国民の理解と関心の増進を図るための施策 出典: laws.e-gov.go.jp

同じ法律では、9月23日を「手話の日」とし、国や地方公共団体が手話に関する理解を深める取り組みを進めることも定められています。手話を学ぶことは、こうした社会の取り組みに参加することでもあります。手話の日の前後には、各地で手話に触れる催しが開かれることもあるので、学び始めのきっかけとして参加してみるのも1つの方法です。

手話を学ぶ前に知っておきたいのは、手話にもいくつかの形があることです。

  • 日本手話:耳の聞こえない人の間で受け継がれてきた手話で、日本語とは異なる独自の文法を持つ
  • 日本語対応手話:日本語の語順に合わせて手話の単語を並べる表し方で、主に日本語を身につけた後に聞こえなくなった人や、手話を学ぶ聞こえる人が使うことが多い
  • 両方の中間の表し方:実際の会話では、相手や場面によって両方の要素を混ぜて使うことも多い

独学の教材や地域の講座では、どちらを中心に教えているかが分かれます。どちらが正しいということではありませんが、自分が誰と、どのような場面で手話を使いたいかを考えて、教材を選ぶ手がかりにしてください。

もう1つ知っておきたいのは、手話には地域による違いがあることです。同じ意味でも、地域によって手の動きが違う単語があります。地域の講座やサークルで学ぶと、その地域で使われている表し方を身につけられます。

手話の独学で目指すゴールを決める

独学を始める前に、手話で何ができるようになりたいかを決めておきます。ゴールによって、重く見る練習と、選ぶ教材や講座が変わります。

ゴール 重く見る練習 学び方の例
あいさつや簡単なやり取りをしたい 指文字、あいさつ、よく使う単語 本、動画、オンライン講座
職場や地域で聞こえない人と日常の会話をしたい 単語、表情、読み取り、会話 独学に加えて、地域の講座やサークル
接客の場面で手話を使いたい 接客の決まった表現、数字、読み取り 接客向けの講座、検定試験
手話通訳を仕事やボランティアにしたい 読み取りと表現の両方、通訳の技術、福祉の知識 地域の養成講座、手話通訳士の試験

ゴールを決めたら、期限のある目標に言い換えます。「手話ができるようになる」ではなく、「半年後に職場の聞こえない同僚と、あいさつと簡単な業務の連絡を手話でできるようになる」「1年後に手話技能検定の4級に合格する」のように書くと、毎日の練習で何をすべきかがはっきりします。

手話の独学で大事なのは、「何のために学ぶのか」を見失わないことです。手話は言語なので、使う相手がいて初めて意味を持ちます。単語を覚えることだけが目的になると、続ける意欲が下がりやすくなります。誰とどんな会話をしたいかを、具体的に思い描いておくと、続ける力になります。

手話の独学の始め方|最初の3か月で身につける順番

手話の独学は、次の順番で進めると、途中で迷いにくくなります。

  1. 指文字の五十音を覚える(最初の2〜4週間)
  2. あいさつと自己紹介の表現を覚える
  3. 数字の表し方を覚える
  4. よく使う単語を、テーマごとに覚える(家族、仕事、時間、天気、食べ物など)
  5. 表情と視線、うなずきの使い方を意識する
  6. 動画を見て、読み取りの練習を始める
  7. 短い文を表現する練習をする

1つ目の指文字は、手の形で五十音の1文字ずつを表す方法です。手話の単語が分からない言葉や、人の名前、地名などを伝えるときに使います。指文字の五十音を覚えると、単語を知らない言葉でも、ひとまず伝えられるようになります。手話技能検定の7級は、この指文字の五十音の基本の形を覚え、ゆっくり表現して読み取れることが目安とされています。最初の目標として、指文字を覚えることから始めるのは効果的です。

2つ目のあいさつと自己紹介は、実際に手話を使う場面で最初に必要になる表現です。「こんにちは」「ありがとう」「よろしくお願いします」「名前は〇〇です」「手話を勉強中です」といった表現を覚えておくと、手話を使う人と出会ったときに、最初の一歩を踏み出せます。

5つ目の表情と視線は、手話の独学で見落とされやすい部分です。手話では、表情が文法の一部の役割を持ちます。たとえば、眉を上げたり、あごを引いたりする表情で、質問の文であることを表します。手の動きだけを覚えて表情が乏しいと、意味が正しく伝わらないことがあります。動画で手本を見るときは、手の動きだけでなく、顔の表情と視線にも注目します。

最初の3か月の目標は、「指文字で自分の名前を伝え、あいさつと自己紹介ができ、ゆっくり表してもらえれば簡単な質問が分かる」状態です。

教材の選び方|本・動画・オンライン講座

手話の独学の教材は、目的に応じて組み合わせるのが効果的です。手話は動きのある言語なので、本だけでなく、動画を必ず組み合わせます。

教材の種類 役割 選ぶときのポイント
入門の本 指文字や単語、文法の基本を学ぶ 動画が付いているか、手の動きの向きが分かりやすく描かれているか
手話の辞典 単語の表し方を調べる 単語の数、索引の引きやすさ、動画の有無
動画(DVD・配信) 手の動き、表情、速さを見て学ぶ 聞こえない人が表現しているか、字幕があるか
オンライン講座 段階を追って体系的に学ぶ 講座の段階、受講できる期間、質問の窓口の有無
検定試験の過去の問題や試験範囲 学習の範囲を確かめ、力を測る 自分が目指す級の範囲が公開されているか

本で手話を学ぶときの難しさは、平面の絵や写真から、手の動きの向きや速さを読み取らなければならないことです。動画が付いている本を選ぶか、本で覚えた単語を動画の辞典で確かめる、という使い方がおすすめです。

動画の教材を選ぶときは、耳の聞こえない人が表現している動画を中心にすると、自然な手話の動きや表情を学べます。

オンライン講座は、自宅で自分のペースで学べるのが利点です。手話技能検定協会が認定するオンライン講座を運営するサイトでは、講座の特徴を次のように紹介しています。

ご家庭や職場、外出先等を問わず24時間講座の受講が可能になっています。また理解が不十分と感じられた講義は、追加費用なく繰り返し学習することも可能です。受講に際して面倒な受講予約等も、一切不要です。 出典: shuwa-study.net

オンライン講座を選ぶときは、講座の段階(入門、初級、中級など)、受講できる期間、料金、質問ができる窓口の有無を確かめます。繰り返し見られる講座は、読み取りの練習にも使えるので、独学との相性が良いと言えます。

指文字と単語の覚え方

手話の独学で最初に取り組む指文字と単語は、覚え方を工夫すると効率よく身につきます。

指文字を覚えるときは、五十音を「あ行」「か行」のように行ごとに区切り、1日に1〜2行ずつ覚えていきます。覚えた行は、鏡を見ながら自分で表し、手の形が手本と同じになっているかを確かめます。指文字は、相手から見た形が正しくなるように表す必要があるので、鏡に映った自分の手と、手本の動画を見比べるのが効果的です。

五十音の基本の形を覚えたら、濁音(が、ざ、だ など)、半濁音(ぱ、ぴ など)、長音(ー)、拗音(きゃ、しゅ など)の表し方に進みます。手話技能検定の6級は、こうした動きのある指文字や、千の位までの数字、日常よく使われる単語の表現と読み取りができることが目安とされています。

指文字の練習には、身の回りの言葉を指文字で表す方法が役立ちます。家族や友人の名前、自分の住んでいる地名、駅の名前などを、指文字で表してみます。自分に関係のある言葉は覚えやすく、実際の会話でもすぐに使えます。

単語を覚えるときは、手の動きの意味を考えながら覚えると記憶に残りやすくなります。手話の単語の多くは、物の形や動作をもとに作られています。たとえば、ある単語がなぜその動きになっているのかを知ると、単に形を暗記するより覚えやすくなります。

単語は、テーマごとにまとめて覚えるのが効果的です。同じテーマの単語を一緒に覚えると、使う場面を思い浮かべやすく、短い文もすぐに作れるようになります。家族、仕事、時間、天気、食べ物、趣味など、毎日の会話で使うテーマから始めます。手話技能検定の目安では、5級で約200語、4級で約500語の単語が範囲とされているので、最初の目標として200語を目指すと計画が立てやすくなります。

読み取りの練習の仕方

手話の独学で最も伸ばしにくいのが、読み取りの力です。相手が表す手話を見て意味を理解する力で、自分で表現する力とは別に練習が必要です。本や辞典で単語を覚えても、実際の会話の速さで表されると、読み取れないことがよくあります。

読み取りの練習は、次の段階で進めます。

  1. 単語の読み取り:動画の辞典などで、単語の手話を見て意味を答える
  2. 短い文の読み取り:教材の例文の動画を見て、意味を答える
  3. 会話の読み取り:手話の会話の動画を見て、内容を答える
  4. 速さに慣れる:同じ動画を繰り返し見て、だんだん字幕を見ずに分かるようにする

1つ目と2つ目の段階では、字幕や答えを隠して見て、自分で意味を答えてから確かめます。答えを先に見ると、分かったつもりになってしまうからです。

読み取りでは、手の動きだけでなく、表情や口の形も手がかりになります。手話を使う人の中には、日本語の口の形を一緒に表す人もいます。口の形を手がかりにすると、読み取れる単語が増えることがあります。

指文字の読み取りも練習が必要です。指文字は1文字ずつ表されますが、実際の会話では素早く続けて表されるので、1文字ずつ追っていると間に合いません。単語のまとまりとして読み取れるように、知っている言葉を指文字で表した動画を繰り返し見て慣れます。

読み取りの練習の素材としては、教材の動画のほかに、手話の付いたニュースや番組も役立ちます。字幕の付いたものを選ぶと、読み取れなかった部分を字幕で確かめられます。最初は内容の2〜3割しか分からなくても構いません。同じ素材を数日おいて見直すと、前より読み取れる部分が増えていることに気づきます。その変化を記録しておくと、上達を実感しながら続けられます。

表現の練習の仕方|表情と視線を意識する

読み取りと並んで大事なのが、自分で手話を表す表現の練習です。独学では、自分の表現が正しいかを確かめる機会が少ないので、工夫が必要です。

表現の練習で効果的なのは、次の3つの方法です。

1つ目は、鏡を見ながら練習することです。手の形、動き、位置、表情を、鏡に映った自分の姿で確かめます。特に、表情が動いているかを意識します。手話に慣れないうちは、手の動きに集中して、表情が固まってしまうことがよくあります。

2つ目は、自分の手話を録画して見ることです。スマートフォンで自分の手話を録画し、手本の動画と見比べます。録画すると、鏡では気づきにくい動きの速さや、手の位置のずれが分かります。数週間前の録画と比べると、自分の上達も見えるので、続ける励みになります。

3つ目は、1日の出来事を手話で表す練習です。「今日は朝7時に起きた」「昼に友人と会った」のような簡単な文で構いません。表したいのに表し方が分からなかった単語をメモしておき、後で辞典で調べると、自分に必要な単語が効率よく身につきます。

表現の練習で気をつけたいのは、自己流の癖がつくことです。独学だけで長く練習していると、手の形や動きが少しずつ手本からずれていくことがあります。数か月に1回でも、講座やサークルで手話を使う人に自分の手話を見てもらい、癖がないかを確かめてもらうと安心です。

1日の練習の組み立て方

手話の独学は、1日に長い時間を取るより、毎日少しずつでも続けることが大切です。仕事をしながら学ぶ人を想定した、1日20〜40分の組み立て方の例を示します。

時間帯 時間 内容
朝 5〜10分 前日に覚えた単語を、鏡の前で表してみる
通勤や移動の時間 5〜10分 単語や例文の動画を見て、読み取りの練習をする(音を出さずにできる)
夜 10〜20分 新しい単語や表現を覚え、自分の手話を録画して手本と比べる
週末 30〜60分 1週間の復習、手話の会話の動画を見る、サークルに参加する

手話の練習は、声を出さずにできるので、場所を選ばないのが利点です。ただし、電車の中などで手を大きく動かすのは周りの迷惑になるので、移動の時間は動画を見て読み取る練習に充て、表す練習は自宅で行うのが現実的です。

この例では、平日の学習時間は合計20〜40分ほどです。毎日30分なら、半年で約90時間になります。手話技能検定の目安でいえば、4級を受ける人の目安とされる学習時間(1年で80時間程度)を超える計算です。もちろん、独学の時間と、講座やサークルでの学習の時間は中身が違うので、時間の数字だけで判断せず、検定の試験範囲や、手話を使う人とのやり取りで、自分の力を確かめていきます。

時間が取れない日は、指文字の五十音を1回通して表すだけでも構いません。手話は体を使って覚える言語なので、数日手を動かさないと、覚えたはずの形が思い出しにくくなります。毎日少しでも手を動かす習慣が、独学を続ける一番のコツです。

家族や職場で手話を使い始めるときの心がけ

手話を学ぶきっかけが、家族や職場に耳の聞こえない人や聞こえにくい人がいる、という人も多くいます。身近な人と手話を使い始めるときには、いくつかの心がけがあります。

1つ目は、相手がどのような方法で話したいかを確かめることです。耳の聞こえない人や聞こえにくい人の中には、手話を主に使う人もいれば、筆談や、口の形を読み取る方法、文字を表示するアプリを使う人もいます。聞こえ方や、聞こえなくなった時期によって、使いやすい方法は人それぞれです。手話を覚えたからといって、必ず手話で話すのが良いとは限らないので、まず相手に確かめます。

2つ目は、完璧でなくても使ってみることです。覚えたての手話は、うまく表せないこともあります。それでも、あいさつや「ありがとう」を手話で伝えようとする姿勢は、相手に伝わります。分からないときは、指文字や筆談を組み合わせて伝え合えば十分です。

3つ目は、手話だけに頼らないことです。職場の会議や大事な説明の場面では、学んでいる途中の手話で通訳の役を担おうとすると、内容が正しく伝わらないおそれがあります。正確さが求められる場面では、手話通訳者の派遣の制度や、文字による情報の保障(話の内容を文字にして示すこと)を使うことを検討します。手話通訳者の派遣は、多くの市区町村で制度が設けられているので、福祉の担当の窓口で確かめてください。

身近な人と手話を学ぶことは、相手の暮らしをより深く知るきっかけにもなります。相手に手話を教えてもらう形で学ぶと、その人がふだん使っている表し方を覚えられるうえ、会話そのものが楽しい時間になります。

地域の手話講座やサークルを活用する

独学で基礎を身につけたら、地域の手話講座やサークルを活用すると、実際に手話を使う人と関わる機会が増えます。

多くの市区町村では、手話を学びたい人のための講座を開いています。手話奉仕員の養成を目的とした講座として、入門の段階から基礎の段階まで、段階を分けて開かれていることが多く、費用もテキスト代程度で受けられる場合があります。講座の名前、回数、期間、受講の条件は自治体によって違うので、住んでいる市区町村の広報やWebサイト、福祉の担当の窓口で確かめてください。

地域の手話サークルは、手話を学ぶ人と、耳の聞こえない人が一緒に集まって交流する場です。サークルに参加すると、教材では学べない自然な手話や、その地域で使われている表し方を知ることができます。初心者を歓迎しているサークルも多いので、独学を始めて数か月たった段階で、見学に行ってみるのがおすすめです。

地域の講座やサークルを活用する利点は、次の3つです。

  • 自分の手話を、手話を使う人に見てもらい、直してもらえる
  • 耳の聞こえない人の生活や文化について、直接話を聞ける
  • 同じ目標を持つ仲間ができ、続ける意欲を保ちやすい

2つ目の点は、手話を学ぶうえでとても大事です。手話は言語であると同時に、それを使う人たちの文化と結び付いています。耳の聞こえない人が日常の中でどのような場面で困るのか、どのような配慮がうれしいのかを知ることは、手話の単語を覚えることと同じくらい大切です。

講座やサークルの情報は、地域の聴覚障害者の団体や、聴覚障害者情報提供施設などでも案内されていることがあります。

講座やサークルに初めて参加するときは、少し緊張するかもしれません。独学で覚えた指文字での自己紹介と、「手話を勉強中です」「ゆっくりお願いします」の表現を準備しておくと、最初のやり取りがしやすくなります。分からないことがあれば、遠慮せずに指文字や身ぶりで尋ねて構いません。学び始めの人を歓迎する雰囲気の場が多いので、うまく表せないことを気にしすぎる必要はありません。参加を続けるうちに、顔なじみの人が増え、自然と会話の量も増えていきます。

検定試験を目標にする|手話技能検定と全国手話検定試験

独学の目標として、検定試験を使う方法があります。代表的な試験が、NPO手話技能検定協会が実施する手話技能検定と、社会福祉法人全国手話研修センターが実施する全国手話検定試験です。

手話技能検定は、7級から1級までの7つの段階に分かれています。協会が公開している各級の目安は次のとおりです。

級 試験の方法 単語数・例文数の目安 学習時間の目安
7級 筆記 基本の指文字の五十音 1か月(8時間)程度
6級 筆記 単語100程度、動きのある指文字、数字 3か月(24時間)程度
5級 筆記 単語200程度、基本の例文30程度 6か月(40時間)程度
4級 筆記 単語500程度、基本の例文100程度 1年(80時間)程度
3級 筆記 単語1,000程度、基本の例文300程度 2年(160時間)程度
2級 実技 単語2,000程度、例文数の制限なし 3年(240時間)程度
1級 実技 単語数・例文数の制限なし 3年(240時間)以上

学習時間の目安は、講座やサークルで学んだ場合の時間として示されています。協会の案内によると、7級は自宅で受ける在宅試験で、いつでも受験できます。3〜6級は年2回の会場試験のほか、自宅のパソコンやスマートフォンで受けるオンライン試験もあります。試験の範囲は協会のサイトで公開されているので、独学の学習の範囲を決めるのに役立ちます。最新の日程と受験の方法は、手話技能検定協会のサイトで確かめてください。

全国手話検定試験は、面接委員と手話で会話をすることで、聞こえない人と手話でどの程度コミュニケーションできるかを評価する試験とされています。5級、4級、3級、2級、準1級、1級の段階があり、会場試験は年に1回、秋に行われ、インターネットで受ける試験も年に1回行われると案内されています。2026年度のインターネット試験は、申込期間が2026年10月27日から11月30日までと告知されています。詳しくは全国手話検定試験のサイトで確かめてください。

独学を始めたばかりなら、手話技能検定の7級や6級を最初の目標にすると、指文字や数字といった基礎を確実に身につけられます。会話の力を確かめたい段階になったら、面接のある全国手話検定試験を目標にする、という進め方もあります。

手話通訳を目指す場合の道のり

手話を学ぶうちに、手話通訳を仕事やボランティアにしたいと考える人もいます。手話通訳には、いくつかの段階の資格や登録の制度があります。

市区町村の手話奉仕員の養成講座を修了した後、さらに都道府県などが開く手話通訳者の養成講座で学び、手話通訳者として登録される道があります。その上の段階として、厚生労働大臣が認定する手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)があります。この試験は、社会福祉法人聴力障害者情報文化センターが実施しています。

センターの案内によると、2026年度の第37回試験は、学科試験が7月26日、実技試験が9月27日に行われました。学科試験は「障害者福祉の基礎知識」「聴覚障害者に関する基礎知識」「手話通訳のあり方」「国語」の4科目、実技試験は音声による出題を手話で答える聞き取り通訳と、手話による出題を音声で答える読み取り通訳の2科目です。受験資格は、20歳以上(受験日の属する年度末までに20歳に達する人を含む)とされています。詳しくは聴力障害者情報文化センターの手話通訳士試験の案内で確かめてください。

手話通訳士を目指すには、独学だけでなく、養成講座での体系的な学習と、多くの実践の経験が必要になります。手話技能検定の目安でも、1級や2級は講座やサークルで3年(240時間)程度以上の学習が目安とされています。手話の独学は、その長い道のりの最初の一歩として位置付けると、無理のない計画が立てられます。

独学で気をつけたい点と続けるコツ

手話を独学で学ぶときに、気をつけたい点がいくつかあります。

1つ目は、表情を軽く見ないことです。表現の練習の節で触れたとおり、手話では表情が文法の役割を持ちます。手の動きだけを覚えて安心せず、表情と視線を意識して練習します。

2つ目は、自己流の癖をつけないことです。本と動画だけで長く練習すると、手の形や動きがずれていくことがあります。数か月に1回でも、手話を使う人に見てもらう機会を作ります。

3つ目は、手話を使う人への敬意を忘れないことです。手話を学ぶ立場として、耳の聞こえない人の文化や経験を尊重する姿勢が大切です。サークルなどで、耳の聞こえない人を「練習の相手」としてだけ見るのではなく、一緒に会話を楽しむ相手として関わることが、手話を学ぶうえでの基本です。

続けるコツとしては、毎日少しずつでも手話に触れることが大切です。1日10分でも、指文字の復習や、単語の動画を見る時間を作ると、覚えた内容を忘れにくくなります。手話の動画を見る、自分の手話を録画する、検定試験の申込をして期限を作る、といった工夫で、続ける理由を作ります。

自分の学習の経験を発信する人もいます。noteで検定試験の受験の記録を公開している書き手は、試験の準備の様子を次のように書いています。

とりあえず読み取り試験と面接試験があることだけ把握した。 出典: note.com

このように、試験の形式は早めに確かめておくと、準備の計画が立てやすくなります。目指す級の試験の方法(筆記か、読み取りか、面接か)を最初に調べておき、その形式に合わせて練習を組み立てると、独学の効率が上がります。

手話の学びを仕事や活動にいかす

手話を学んだ経験は、仕事や地域の活動にもいかせます。接客の仕事で簡単な手話ができると、耳の聞こえないお客様への対応の幅が広がります。福祉や医療、教育の現場でも、手話ができる人が求められる場面があります。

在宅の仕事と組み合わせる道もあります。たとえば、手話の学習の経験をもとに、手話や聞こえない人の暮らしについて分かりやすく伝える記事を書く仕事や、動画の字幕の作成などがあります。文章を書く仕事を始めるときは、実績を見せる準備が大切です。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、実績の少ない段階でも作れるポートフォリオの形を紹介しています。報酬を上げていく方法は、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で段階ごとに解説しています。

手話の学習の教材や、聞こえない人にも伝わる案内の資料を作る仕事では、見やすいデザインの力も役立ちます。デザインの仕事の報酬の目安はデザイナーの年収・単価相場で確認できます。仕事の文書を正しく書く力を示したい場合は、ビジネス文書検定も役立つ資格の1つです。

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く仕事が続く人ほど、自分の学んできたことを「相手の困りごとを減らす力」として言葉にしています。手話を学んだ経験も、「聞こえない人にも伝わる情報の届け方を知っている」という強みとして示すと、依頼する側がその価値を思い描きやすくなります。仲介の手数料が乗らない直接取引であれば、依頼する側は同じ予算でより丁寧な仕事を頼め、受ける側は手数料0%で直接取引できるので手取りが厚くなります。手話の学びを、人と人をつなぐ力として育てていくことが、仕事にも活動にも生きてきます。

よくある質問

Q. 手話は独学でも身につけられますか?

指文字や単語、あいさつなどの基礎は、本や動画、オンライン講座で独学でも十分に身につけられます。ただ、手話は表情や視線も含めた言語なので、独学だけでは自己流の癖がつきやすく、読み取りの力も伸ばしにくい面があります。基礎を固めた段階で、地域の手話講座やサークルに参加し、手話を使う人と関わる機会を作ると上達が早まります。

Q. 手話の独学は何から始めればよいですか?

最初は指文字の五十音から始めるのがおすすめです。指文字を覚えると、手話の単語を知らない言葉や人の名前も伝えられるようになります。手話技能検定の7級は指文字の五十音の基本の形が範囲で、1か月程度が学習の目安とされています。続けて、あいさつと自己紹介、数字、よく使う単語の順に進めると、簡単な会話ができるようになります。

Q. 手話技能検定と全国手話検定試験はどちらを受ければよいですか?

基礎を段階的に確かめたいなら、7級から1級まで細かく分かれた手話技能検定が向いています。7級は自宅で受ける在宅試験で、いつでも受験できます。聞こえない人と手話でどの程度会話できるかを確かめたいなら、面接委員と手話で会話をする全国手話検定試験が向いています。目的に合わせて選び、日程は各団体の公式サイトで確かめてください。

Q. 手話通訳士になるにはどうすればよいですか?

手話通訳士は、厚生労働大臣が認定する手話通訳技能認定試験に合格して得る資格です。受験資格は20歳以上で、学科試験4科目と、聞き取り通訳と読み取り通訳の実技試験があります。独学だけで目指すのは難しく、地域の養成講座での体系的な学習と、多くの実践の経験を積み重ねて受験するのが一般的な道のりです。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年9月25日最終更新:2026年10月31日
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