営業以外の仕事|営業経験を活かせる職種と選び方


この記事のポイント
- ✓営業以外の仕事を探す人に向けて
- ✓営業経験で身についた力が活きる職種を
- ✓在宅の業務委託まで具体的に紹介
ノルマに追われる毎日に疲れた、外回りや飛び込みが合わない、数字だけで評価される働き方を変えたい。そう感じて営業以外の仕事を探し始める人は少なくありません。一方で、「営業しかやってこなかった自分に、ほかの仕事が務まるのか」と不安になって、なかなか一歩を踏み出せない人も多いはずです。
先に結論を書きます。営業の経験は、営業以外の仕事でも十分に活かせます。相手の困りごとを聞き出す力、数字で目標を追う習慣、社内外の調整を進める力は、多くの職種で求められているからです。ただし、職種によって求人の数と応募の多さには大きな差があり、何となく「事務がいい」と選ぶと、思った以上に厳しい競争に巻き込まれます。この記事では、厚生労働省の統計で職種ごとの状況を確かめたうえで、営業経験が活きる仕事、在宅や業務委託で選べる仕事、職種の選び方、職務経歴書の書き換え方までを順に説明します。
営業以外の仕事を探す前に知っておきたい求人の状況
職種を選ぶ前に、それぞれの職種でどのくらい人が求められているかを数字で見ておきます。ここで使うのは、厚生労働省が毎月公表している「一般職業紹介状況」です。全国のハローワークに出された求人と、仕事を探している人の数をまとめた統計です。
有効求人倍率とは、仕事を探している人1人に対して何件の求人があるかを示す数字のことです。1を超えていれば人手が足りない職種、1を下回っていれば応募する人のほうが多い職種だと読めます。令和8年9月分(パートを含む常用の実数)から、営業から移る先としてよく挙がる職種を抜き出すと、次のようになります。
| 職業の分類 | 有効求人倍率 |
|---|---|
| 職業計(すべての職業) | 1.08倍 |
| 営業職業従事者 | 2.05倍 |
| 一般事務従事者 | 0.30倍 |
| 営業・販売事務従事者 | 0.91倍 |
| 会計事務従事者 | 0.55倍 |
| 情報処理・通信技術者 | 1.33倍 |
| 美術家、デザイナー、写真家、映像撮影者 | 0.15倍 |
| 介護サービス職業従事者 | 3.94倍 |
出典は厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)について」の参考統計表です。
この表から読み取れることは2つあります。1つ目は、営業の仕事は人手が足りていない側にあることです。営業職業従事者の有効求人倍率は2.05倍で、仕事を探す人1人に対して2件ほどの求人があります。営業の経験者は、それだけ企業から求められている人材だということです。
2つ目は、営業から移りたい人の多くが思い浮かべる一般事務は、反対に応募が集中している職種だということです。一般事務従事者の有効求人倍率は0.30倍で、仕事を探す人およそ3人に対して求人は1件ほどしかありません。デザイナーや写真家などの分類はさらに低く、0.15倍です。
ハローワークの統計は、転職サイトや人材紹介会社の求人を含んでいないので、転職市場のすべてを表しているわけではありません。それでも、職種ごとの「求められ方」の傾向を知るには十分な手がかりになります。営業以外の仕事を目指すときは、「営業が嫌だから事務」と選ぶのではなく、営業で身につけた力が評価される職種を選ぶほうが、採用の見込みも、入ってからの働きやすさも高くなります。
営業経験で身についている5つの力
営業以外の仕事に移るとき、最初にやるべきことは、自分が営業で身につけた力を言葉にすることです。多くの人は「営業しかやってこなかった」と言いますが、その中には、ほかの職種でも通用する力がいくつも含まれています。代表的なものを5つ挙げます。
1つ目は、相手の困りごとを聞き出す力です。お客様が本当に困っていることは、最初の一言には出てきません。質問を重ねて背景を聞き出し、本人も気づいていなかった課題を言葉にする経験は、営業ならではのものです。この力は、カスタマーサクセス、人事の面接、商品企画の利用者調査など、相手の話を深く聞く仕事で直接活きます。
2つ目は、数字で目標を追う習慣です。月ごとの目標に対して、いまどこまで来ていて、あと何件が必要かを逆算する習慣は、マーケティングや事業企画の仕事でそのまま使えます。数字を見て次の手を考える癖がついている人は、どの職種でも重宝されます。
3つ目は、社内外の調整を進める力です。お客様の要望を社内の開発や配送、経理に伝え、無理のない形に落とし込む調整は、営業の仕事の大きな部分を占めています。この経験は、購買、プロジェクトの進行管理、営業企画など、部署をまたいで仕事を動かす職種で評価されます。
4つ目は、断られても次に進む粘り強さです。何十件も断られながら成約につなげてきた経験は、採用活動や新規事業の立ち上げのように、結果がすぐに出ない仕事で力になります。
5つ目は、分かりやすく説明する力です。商品の良さを、専門知識のないお客様に短い時間で伝えてきた経験は、研修の講師、マニュアルや記事の作成、IT製品の導入支援などで活きます。
これらの力は、職務経歴書に「営業として売上目標を達成」と書くだけでは伝わりません。「どんな相手に、どんな方法で、どんな結果を出したか」を具体的に書くことで、営業以外の職種の採用担当者にも伝わるようになります。書き方は後の節で例を挙げて説明します。
営業経験を活かせる営業以外の仕事
ここからは、営業経験が評価されやすい職種を具体的に紹介します。仕事の中身と、営業経験のどこが活きるかをあわせて説明します。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスとは、契約したお客様が製品やサービスを使いこなし、成果を出せるように支援する仕事です。クラウドで提供されるソフトウエアの会社を中心に広がっています。新しい契約を取ることより、契約を続けてもらうこと、使い方を広げてもらうことが目標になります。お客様の困りごとを聞き出し、解決策を提案する点は営業と同じなので、営業経験者が最も移りやすい職種の1つです。新規開拓のノルマが苦手で、既存のお客様と長く付き合う仕事がしたい人に向いています。
マーケティング
マーケティングは、商品やサービスが売れる仕組みをつくる仕事です。広告の運用、Webサイトの改善、展示会やセミナーの企画、顧客データの分析などが含まれます。営業で現場のお客様の声を聞いてきた経験は、どんな言葉が響くか、どんな場面で買う気になるかを知っている強みになります。数字を見て改善を重ねる仕事なので、目標を数字で追う習慣も活きます。生成AIを使った広告やデータ分析の仕事も増えていて、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、こうした分野の仕事の内容と求められる力を紹介しています。
人事・採用
採用の仕事は、自社に合う人を見つけ、入社を決めてもらう仕事です。求職者の話を聞いて本音を引き出し、自社の魅力を伝え、入社の判断を後押しする流れは、営業の商談とよく似ています。採用の目標人数を期限までに達成する仕事なので、数字を追う経験も活きます。人を相手にする仕事は続けたいけれど、物を売る仕事からは離れたい人に向いています。
営業企画・営業事務
営業企画は、営業の戦略を立て、営業担当が動きやすい環境をつくる仕事です。売上の分析、販売の計画づくり、営業資料の作成などが含まれます。営業事務は、見積書や受注の処理、お客様からの問い合わせ対応などで営業担当を支える仕事です。営業の現場を知っている人は、何が現場の負担になっているかが分かるので、的確な支援ができます。前の節の表のとおり、営業・販売事務従事者の有効求人倍率は0.91倍で、一般事務より求人と応募の釣り合いがとれています。
購買・調達
購買・調達は、会社が使う材料や部品、サービスを、適切な価格と品質で仕入れる仕事です。営業とは立場が逆になり、売る側の会社と交渉する役割です。営業として交渉してきた経験があると、相手が何を考えて提案しているかが分かるので、交渉を有利に進めやすくなります。
セールスエンジニア・ITエンジニア
セールスエンジニアは、IT製品や機械の技術的な説明を担当し、営業担当と一緒にお客様の導入を支援する仕事です。技術の知識が必要ですが、お客様と話す力がある人は少ないため、営業経験は大きな強みになります。そこからさらに、システムを作るITエンジニアに進む人もいます。開発の仕事の全体像はアプリケーション開発のお仕事で紹介しています。ネットワークの分野から学び始めたい人には、CCNA(シスコ技術者認定)が基礎の知識を体系的に学ぶ目安になります。統計でも、情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.33倍で、全体の平均を上回っています。
カスタマーサポート
カスタマーサポートは、お客様からの電話やメール、チャットでの問い合わせに答える仕事です。売る仕事ではないので、ノルマの重圧から離れられます。お客様の話を聞いて状況を整理し、分かりやすく説明する力は、営業で鍛えたものがそのまま使えます。在宅で働ける求人もあり、通勤や外回りの負担を減らしたい人の選択肢になります。
研修講師・社内教育の担当
研修講師は、社員や顧客向けに、商品の知識や仕事の進め方を教える仕事です。営業の研修を担当する場合はもちろん、ビジネスマナーや話し方、商品の使い方の研修でも、人前で分かりやすく説明してきた経験が活きます。社内の教育担当として、新人の育成計画を立てたり、マニュアルを整えたりする仕事もあります。成果がすぐに数字に表れない分、受講者の変化を見守る根気が必要ですが、人の成長に関わることにやりがいを感じる人に向いています。
店舗や事業の運営管理
小売や飲食のチェーンには、複数の店舗を回って売上や運営の状況を確かめ、店長に改善の助言をするスーパーバイザーという仕事があります。売上の数字を読み、現場の人と話して課題を見つけ、改善の計画を一緒に立てる流れは、営業の経験と重なる部分が大きい仕事です。新規の顧客を開拓するノルマはありませんが、担当する店舗の売上目標を追う立場になるので、数字で成果を出すことに抵抗がない人に向いています。
在宅・業務委託で選べる営業以外の仕事
会社員として転職するだけでなく、在宅や業務委託で営業以外の仕事を始める道もあります。業務委託とは、会社に雇われるのではなく、仕事ごとに契約を結んで成果物や作業を引き受ける働き方のことです。いまの仕事を続けながら副業として試せるので、営業以外の仕事が自分に合うかを確かめる方法としても使えます。
営業経験が活きる在宅の仕事には、次のようなものがあります。
- 記事やコラムの執筆(業界の知識や商談の経験を活かした記事)
- 営業資料や提案書の作成
- 問い合わせへのメールやチャットでの対応
- 顧客データの入力や整理、分析
- 研修の講師やオンラインでの説明会の進行
特に執筆の仕事は、営業で培った「相手に伝わる説明」の力が活きやすい分野です。業界の実情を知っている人が書く記事は、知識だけで書かれた記事より具体的になるため、依頼する側に重宝されます。文字単価を上げていく進め方は、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで詳しく紹介しています。
提案書や資料をきれいに整える力がある人は、デザインの仕事に広げる道もあります。ただし、前に見たとおり、デザイナーや写真家の分類はハローワークの統計で有効求人倍率が0.15倍と低く、未経験から仕事を得るには作品をそろえる準備が欠かせません。報酬の相場はデザイナーの年収・単価相場で、フリーランスとしての働き方の実情はWebデザイナー 年収のリアル:30代フリーランスが語る稼ぎ方とキャリアパスで確かめられます。
業務委託で仕事を受けるときは、契約の条件を書面で確かめることが大切です。2024年11月から、いわゆるフリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が施行され、発注する事業者には、仕事の内容や報酬の額、支払期日などを書面やメールで示すことが求められるようになりました。厚生労働省のフリーランスとして業務を行う方への案内に、受ける側が知っておきたい内容がまとめられています。
もう1つ気をつけたいのは、登録料や教材費を先に払わせる募集です。「在宅で簡単に稼げる」とうたい、仕事を紹介する前にお金を求める募集は、仕事の紹介を口実にした商法である場合があります。仕事を受ける前にお金を払う必要がある募集には、応じる前に内容をよく確かめてください。契約の内容や支払いのことで困ったときは、厚生労働省の案内にある相談窓口を使うこともできます。
職種を選ぶときの判断軸
営業以外の仕事を選ぶときは、「営業の何が嫌なのか」を分解するところから始めます。営業が嫌だと感じる理由は人によって違い、理由によって向いている職種も変わるからです。
よくある理由と、それに合う職種の考え方を整理します。
| 営業で嫌だと感じること | 合いやすい職種の方向 |
|---|---|
| 個人のノルマに追われる | カスタマーサクセス、カスタマーサポート、営業事務 |
| 新規開拓や飛び込みがつらい | カスタマーサクセス、マーケティング、営業企画 |
| 外回りや移動が多い | 在宅の業務委託、カスタマーサポート、マーケティング |
| 人と話し続けるのが疲れる | ITエンジニア、データ分析、執筆 |
| 物を売ることに抵抗がある | 人事・採用、購買、研修の講師 |
| 勤務時間が不規則 | 営業事務、購買、在宅の業務委託 |
この表は目安です。同じ職種でも会社によって仕事の中身は違い、カスタマーサクセスでも契約の更新率に目標が課される会社があります。気になる職種があったら、求人票の「仕事内容」と「評価の方法」を読み比べ、自分が嫌だと感じている要素が含まれていないかを確かめます。
もう1つの軸は、年収をどこまで下げられるかです。営業職は、成果に応じた手当や賞与で年収が高くなっていることが多く、営業以外の職種に移ると、少なくとも最初は年収が下がることがあります。生活に必要な金額を先に計算し、下げられる幅の上限を決めてから職種を選ぶと、入社後に後悔しにくくなります。年収がどの程度変わるかは会社と職種で大きく異なるため、求人票の条件や面接で必ず確かめてください。
3つ目の軸は、どんな働き方をしたいかです。毎日決まった時間に出社して働きたいのか、在宅で働く日を増やしたいのか、将来は業務委託で独立したいのかによって、選ぶ職種は変わります。在宅勤務がしやすいのは、マーケティング、カスタマーサポート、ITエンジニア、執筆などパソコンで完結する仕事です。反対に、購買や運営管理のように、取引先や店舗との対面のやり取りが多い仕事は、出社や出張が前提になりやすくなります。5年後にどんな働き方をしていたいかを思い浮かべ、そこにつながる職種を選ぶと、次の転職のときにも迷いが少なくなります。
年代ごとに変わる選び方
営業以外の仕事への移りやすさは、年齢と経験の長さによっても変わります。年代ごとの考え方を整理しておきます。
20代のうちは、未経験の職種でも、人柄や伸びしろを見て採用する会社が多くあります。営業の経験が数年であっても、社会人としての基本が身についていることは評価されます。この時期は、年収の多少の上下より、将来につながる職種の経験を積めるかどうかを優先して選ぶと、30代以降の選択肢が広がります。ITエンジニアやマーケティングのように、経験を積むほど評価が上がる職種に早めに移るのは、この年代ならではの選び方です。
30代になると、企業は即戦力を求める傾向が強くなります。まったくの未経験の職種より、営業経験がそのまま評価される職種を選ぶほうが、採用の見込みは高くなります。カスタマーサクセス、営業企画、セールスエンジニアのように、営業の延長線上にある職種が現実的な選択肢です。リーダーとして後輩を指導した経験があれば、人事や教育担当への道も開けます。
40代以降は、管理職の経験や業界の深い知識が問われるようになります。営業部門の管理職だった人は、営業企画の責任者や事業の運営管理など、組織を動かす役割で経験を活かす道があります。一方で、会社員として未経験の職種に移るのは難しくなるため、業界の知識を活かした業務委託の仕事や、研修の講師として独立する道を組み合わせて考える人も増えています。
どの年代でも共通して言えるのは、「営業から逃げたい」という理由だけで選ぶと、移った先でも同じ不満を抱えやすいことです。営業のどの部分が合わず、どの部分にはやりがいを感じていたのかを整理しておくと、年代に関係なく、納得して選べる仕事が見つかりやすくなります。
転職活動の進め方と職務経歴書の書き換え方
営業以外の職種への転職は、営業から営業への転職と比べて準備に時間がかかります。次の順番で進めると、遠回りを減らせます。
- 営業の何が嫌なのか、何は続けたいのかを書き出す
- 前の節の表を使って、候補の職種を2つか3つに絞る
- 候補の職種の求人票を10件ほど読み、求められる経験と力を書き出す
- 自分の営業経験の中から、求められる力に当てはまる実績を探す
- 職務経歴書を、候補の職種に合わせて書き換える
- 足りない知識があれば、資格や講座で補いながら応募する
5つ目の書き換えが、営業以外への転職で最も重要な部分です。営業職向けの職務経歴書は、売上の金額や達成率を中心に書くのが一般的ですが、営業以外の職種では、それだけでは評価されません。求められる力に合わせて、実績の切り口を変えます。
たとえば、カスタマーサクセスに応募する場合の書き換えは次のようになります。
- 書き換え前:法人向けに業務用ソフトウエアを販売。年間売上目標を3年連続で達成。
- 書き換え後:法人向けに業務用ソフトウエアを販売。導入後の利用状況を毎月確認し、使い方の説明会を自主的に開催した結果、担当顧客の契約更新率を高く保った。
マーケティングに応募するなら、「展示会で集めた名刺を、業種と規模で分けて提案内容を変えた」「メールの件名を変えて返信率を比べた」のように、数字を使って工夫した経験を前に出します。人事・採用に応募するなら、「新人の同行指導を担当し、独り立ちまでの期間を短くした」のように、人を育てた経験を書きます。
書き換えた職務経歴書は、読み手が営業の業界用語を知らなくても分かるように、言葉を整えることも大切です。社外向けの文書を読みやすく書く力は、営業以外のどの職種でも評価されます。文章の書き方を体系的に見直したい人は、ビジネス文書検定の出題範囲が目安になります。
面接では、「なぜ営業を辞めたいのか」を必ず聞かれます。営業の不満を並べるのではなく、「営業で〇〇の仕事にやりがいを感じ、それを中心にした仕事がしたいと考えた」のように、前向きな理由に言い換えて話せるよう準備しておきます。
未経験の職種に移るための学び方
営業以外の職種に未経験で移るときは、足りない知識を補う準備が必要です。働きながら学ぶ人に役立つのが、国の教育訓練給付金です。厚生労働省は、この制度を次のように説明しています。
教育訓練給付金とは、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、教育訓練経費の一部が支給されるものです。 出典: mhlw.go.jp
対象となる講座は、レベルに応じて専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練の3種類に分かれています。ITやWebマーケティング、簿記などの講座も指定されています。受けられるかどうかは雇用保険に入っていた期間などの条件で決まるため、受講を申し込む前に、住所を管轄するハローワークで自分が対象になるかを確かめてください。
学ぶ内容は、候補の職種の求人票で求められている知識から選びます。マーケティングならWeb広告やアクセス解析の基礎、ITエンジニアならプログラミングやネットワークの基礎、経理や購買なら簿記、というように、求人票に繰り返し出てくる言葉を学習の目標にします。資格の取得そのものより、学んだことを使って何かを作った経験のほうが、面接で話せる材料になります。
いきなり転職するのが不安な人は、いまの会社の中で異動の希望を出す方法もあります。社内の異動なら、年収や待遇を大きく変えずに職種を変えられることがあります。営業企画やマーケティング、カスタマーサクセスの部署がある会社なら、営業の経験は社内でも評価されやすく、異動の希望が通る見込みがあります。上司との面談の機会に、希望の部署と理由を伝えておくと、空きが出たときに声がかかりやすくなります。
求人の探し方と相談先
営業以外の仕事の求人を探す方法は、いくつかを組み合わせるのが効率的です。それぞれの特徴を知っておくと、自分に合った探し方を選べます。
ハローワークは、地域の求人を幅広く扱っている国の窓口です。職業相談の窓口では、職務経歴書の書き方の助言や、応募先の紹介を受けられます。地元の中小企業の事務や購買、運営管理の求人が多く、転居をせずに職種を変えたい人には頼りになります。在職中でも相談でき、教育訓練給付金の対象になるかどうかもあわせて確かめられます。
転職サイトは、自分で求人を検索して応募する方法です。職種や勤務地、在宅勤務の可否などの条件で絞り込めるので、前の節で絞った候補の職種の求人を読み比べるのに向いています。求人票を10件ほど読むと、その職種で繰り返し求められる経験や知識が見えてきます。
人材紹介会社(転職エージェント)は、担当者が希望を聞いて求人を紹介し、応募書類の添削や面接の日程調整までを支援するサービスです。営業から営業以外の職種への転職の事例を多く扱っている担当者に当たれば、職務経歴書の書き換え方について具体的な助言がもらえます。ただし、担当者によって得意な職種が違うので、自分の候補の職種に詳しいかを最初の面談で確かめます。
社内公募や異動の希望の制度がある会社では、まず社内で職種を変える道を検討する価値があります。会社の商品や顧客を知っていることは、社内の他部署にとって大きな強みです。
業務委託の仕事を探すなら、在宅ワークやフリーランス向けの仕事の紹介サイトを使います。最初は小さな仕事から受け、依頼する側とのやり取りや納品の流れに慣れていくと、自分に向いている仕事の種類が分かってきます。
どの方法を使う場合も、応募する前に仕事内容、評価の方法、勤務時間、報酬の条件を確かめ、分からない点は面接や契約の前に質問しておきます。
移った後につまずきやすい点と乗り越え方
営業以外の仕事に移った後、多くの人が同じところでつまずきます。あらかじめ知っておくと、戸惑いを小さくできます。
1つ目は、成果が見えにくいことです。営業は成約の件数や売上で、自分の成果がはっきり数字に表れます。ところが、営業事務や人事、カスタマーサポートなどでは、1日の仕事が終わっても「今日は何を達成したのか」が見えにくいことがあります。この物足りなさに戸惑う人は少なくありません。対処としては、自分で小さな目標を決めることです。「問い合わせへの返信を当日中に終える件数」「マニュアルを1つ改善する」のように、自分の工夫が見える目標を置くと、仕事の手応えを取り戻せます。
2つ目は、仕事の進む速さの違いです。営業は自分の判断で動ける場面が多い仕事ですが、企画や管理の仕事では、関係する部署の確認や承認を待つ時間が長くなります。営業の感覚で急いで進めようとすると、周りとの摩擦が生まれます。最初の数か月は、仕事の流れと決まり方を観察し、誰の確認が必要かを把握することに時間を使うと、その後の仕事が円滑に進みます。
3つ目は、専門知識の不足です。マーケティングやITの仕事では、入社してから覚える用語や道具が一気に増えます。分からないことをそのままにせず、毎日1つずつ調べて書き留める習慣をつけると、半年ほどで会話についていけるようになります。営業で新しい商品の知識を覚えてきた経験は、ここでも役に立ちます。
4つ目は、年収の変化への不安です。営業手当や成果に応じた賞与がなくなると、手取りが減ることがあります。移る前に生活費の見直しをしておき、移った後は、新しい職種で経験を積んで評価を上げる計画を立てておくと、不安に振り回されずに済みます。
どのつまずきも、最初の半年ほどで落ち着くことが多いものです。営業で培った粘り強さを、新しい仕事を覚えることに向ければ、乗り越えられる壁です。
運営者として見てきた、営業経験者が評価される場面
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、営業の経験を持つ人が、営業以外の仕事で長く頼られる場面には共通点があります。依頼する側と最初に話したときに、要望を聞き出し、仕事の範囲と期限をはっきりさせ、途中で進み具合を報告する。この一連の流れを自然にできる人は、執筆でも資料作成でも、次の依頼につながりやすい傾向があります。これは、営業の現場で毎日のように繰り返してきた動きそのものです。
もう1つ見てきたのは、依頼する側と受ける側が直接やり取りできる場では、営業経験者の強みがいっそう活きることです。間に入る手数料がない分、同じ予算でも依頼する側は多く頼め、受ける側の手取りも厚くなります。手数料0%で直接相談できる場では、要望を聞き出して提案する力が、そのまま仕事の質と信頼につながります。
営業以外の仕事は、営業経験を捨てて一から始めるものではありません。身につけた力を、別の形で使う仕事です。まずは候補の職種を2つか3つに絞り、副業や業務委託で小さく試してみると、自分に合うかどうかを確かめながら次の一歩を選べます。生成AIを使った業務改善の支援のように、お客様の課題を聞き出す力がそのまま活きる仕事もあり、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で仕事の内容と始め方を確かめられます。
よくある質問
Q. 営業から事務に転職するのは難しいですか?
一般事務は応募が集中しやすい職種です。厚生労働省の一般職業紹介状況(令和8年9月分)では、一般事務従事者の有効求人倍率は0.30倍で、仕事を探す人およそ3人に対して求人は1件ほどです。営業の経験を活かすなら、営業事務や営業企画のように営業の現場を知っていることが評価される事務の仕事を選ぶと、採用の見込みが高くなります。
Q. 営業以外の仕事に移ると年収は下がりますか?
営業職は成果に応じた手当や賞与で年収が高くなっていることが多く、営業以外の職種に移ると、少なくとも最初は下がることがあります。どの程度変わるかは会社と職種で大きく異なるため、生活に必要な金額を先に計算し、下げられる幅の上限を決めてから応募先を選ぶと安心です。条件は求人票と面接で必ず確かめてください。
Q. 人と話すのが疲れる場合はどんな仕事が向いていますか?
対人の時間を減らしたい場合は、ITエンジニア、データの整理や分析、記事の執筆などが候補になります。いずれも営業で身につけた、数字を追う習慣や分かりやすく説明する力が活きる仕事です。未経験から移る場合は、教育訓練給付金の対象講座などで基礎を学び、小さな成果物をつくってから応募すると話を進めやすくなります。
Q. いまの仕事を続けながら営業以外の仕事を試す方法はありますか?
業務委託や副業で、執筆、資料作成、問い合わせ対応などの仕事を小さく受けてみる方法があります。実際に試すことで、その仕事が自分に合うかを転職の前に確かめられます。副業を始める前に、勤め先の就業規則で副業の決まりを確認してください。登録料や教材費を先に払わせる募集には応じないよう注意が必要です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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