セゾンテクノロジーの個人情報漏えいの可能性|クラウドのストレージの設定不備 技術サポート更新申込書1,214件 担当者の氏名・連絡先 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓セゾンテクノロジーの情報漏洩について
- ✓2026年2月9日の公式発表をもとに整理
- ✓業務で使うクラウドのストレージの設定不備で
セゾンテクノロジーの情報漏洩について、東京都港区の株式会社セゾンテクノロジーは2026年2月9日、業務で使っているクラウドサービス上のストレージで、客から電子メールで送られたパッケージ製品の技術サポートサービス更新申込書が外部から閲覧可能な状態にあり、個人情報が漏えいした可能性があると発表しました。対象は更新申込書に書かれた1,214件の会社名、会社住所、担当者の氏名、所属部署、電話番号、メールアドレスで、閲覧可能だった期間は2021年1月28日から2026年1月21日までです。2026年11月1日時点で、同社のニュースの一覧には、2月9日の発表のあとにこの件の新しい報告は出ていません。発表には補償についての記載はなく、発表の時点で客からの問い合わせはないとされています。 この期間に更新申込書をメールで送った会社の担当者がまずすることは、セゾンテクノロジーや製品の保守の窓口を名乗る、更新の手続きや支払い先の変更を求めるメールに、そのまま応じないことです。 支払いや契約に関わる連絡は、メールの返信ではなく、これまでやり取りしてきた窓口や営業の担当者に、自分から確かめてください。
この記事は、2026年11月1日時点でセゾンテクノロジーの公式発表と、ニュースの一覧(2026年の分)を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。
セゾンテクノロジーで何が起きたのか
セゾンテクノロジーは、会社の中のシステムどうしをつないでデータをやり取りするためのソフトウェアを開発・販売している会社です。同社のサイトでは、ファイル連携の「HULFT」シリーズや、データ連携の「DataSpider Servista」などの製品が紹介されています。今回の発表にある「技術サポートサービス更新申込書」は、パッケージ製品の技術サポートサービスの契約を更新するときに、客の会社が同社に出す書類です。
今回の発表の対象は、その技術サポートサービスの更新申込書です。発表の骨子は次のとおりです。
- 業務で使っているクラウドサービス上のストレージに、客から電子メールで送られた技術サポートサービス更新申込書が保存されていた
- そのストレージが、外部から閲覧可能な状態にあった
- 同社が導入したクラウドセキュリティ管理ツールが検知して、分かった
- 発覚のあとすぐにストレージの設定を変え、外部から閲覧できない状態にした
- 2026年1月26日に個人情報保護委員会に報告した
弊社業務で利用しているクラウドサービス上のストレージにおいて、電子メールで送付いただいたパッケージ製品の技術サポートサービス更新申込書が、外部から閲覧可能な状態にありました。 出典: セゾンテクノロジー「個人情報漏えいの可能性に関するご報告」
この件は、外部からの攻撃や不正アクセスとして発表されたものではありません。発表の言い方は「外部から閲覧可能な状態にありました」「個人情報が漏えいした可能性」です。実際に誰かが閲覧したかどうかは、発表には書かれていません。この記事でも、発表の言い方のまま書きます。
公表の経緯と2026年11月1日時点の状況
2026年11月1日時点で、公式に確かめられる出来事を日付の順に並べます。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2021年1月28日 | 外部から閲覧可能だった期間の始まり |
| 2026年1月21日 | 外部から閲覧可能だった期間の終わり |
| 2026年1月26日 | 個人情報保護委員会に報告 |
| 2026年2月9日 | 「個人情報漏えいの可能性に関するご報告」を公表 |
発表には、クラウドセキュリティ管理ツールが検知した日は書かれていません。発表で日付として示されているのは、閲覧可能だった期間の始まりと終わり、委員会への報告の日、公表の日です。
2026年11月1日時点で、同社のニュースの一覧(2026年の分)には、2月9日のこの発表のあと、この件の続報や調査の結果の報告は見当たりません。発表には、委員会への報告のあとは「個人情報保護委員会のご指導を賜りながら対応を進めております」と書かれています。
漏えいした可能性がある情報
発表では、項目と件数が次のように書かれています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 書類 | 技術サポートサービス更新申込書(電子メールで送られたもの) |
| 件数 | 1,214件 |
| 漏えいした可能性のある項目 | 会社名、会社住所、担当者の情報(氏名、所属部署、電話番号、メールアドレス) |
| 外部から閲覧可能だった期間 | 2021年1月28日から2026年1月21日まで |
会社が影響はないと明記している範囲は次のとおりです。
| 範囲 | 発表の説明 |
|---|---|
| 同社が提供するサービス | 影響はない |
| ソフトウェアパッケージ | 影響はない |
| 受託業務 | 影響はない |
項目は、更新申込書に書かれた会社と担当者の連絡先です。発表の項目には、クレジットカードの番号、銀行口座の番号、パスワード、製品のライセンスキーは挙がっていません。ただし、発表はこれらについて「含まれない」とは書いていないので、この記事でも「項目に挙がっていない」と書くにとどめます。
件数の読み方
件数は「1,214件」で、人数ではなく申込書の件数として示されています。同じ会社が毎年更新していれば、同じ会社の申込書が複数件あることもありえます。逆に、1件の申込書に複数の担当者の名前が書かれていることもありえます。何人の個人の情報に当たるかは、発表には書かれていません。
期間の読み方
閲覧可能だった期間は、約5年にわたります。この期間に、技術サポートサービスの更新申込書を電子メールで送ったことがある会社は、対象に入る可能性があります。発表は「電子メールで送付いただいた」更新申込書としているので、郵送や別の方法で出した申込書がどう扱われるかは、発表からは分かりません。
「外部から閲覧可能な状態」とはどういうことか
発表にある「外部から閲覧可能な状態」とは、本来は社内の決まった人だけが見られるはずのファイルが、社外の人でも見られる設定になっていたことを指します。クラウドのストレージでは、ファイルやフォルダごとに、誰に見せるかを決める設定があります。この設定が広すぎると、ファイルの場所を知った人や、検索などでたどり着いた人が、ログインせずにファイルを開けることがあります。
ここで大切なのは、「閲覧可能な状態」と「実際に閲覧された」は別だという点です。発表は、外部から閲覧可能だった期間を示していますが、その間に誰かがファイルを開いたかどうかは書いていません。クラウドのストレージには、誰がいつファイルを開いたかの記録を残す仕組みもありますが、今回の件でその記録をどう調べたかも、発表には書かれていません。
利用者の側から見ると、実際に閲覧されたかどうかが分からない以上、閲覧された可能性を前提にして備えるのが現実的です。ただし、発表に二次被害の記載はなく、この記事でも被害が起きたとは書きません。
発表から分かることと、まだ分からないこと
2026年11月1日時点の発表で分かることと、書かれていないことを分けて整理します。
| 分かること | まだ書かれていないこと |
|---|---|
| 技術サポートサービス更新申込書1,214件が外部から閲覧可能な状態にあった | 実際に外部の誰かが閲覧したかどうか |
| 閲覧可能だった期間は2021年1月28日から2026年1月21日まで | クラウドセキュリティ管理ツールが検知した日 |
| 原因は業務自動化施策の中で使うクラウドサービスの設定不備 | どのクラウドサービスの、どの設定の不備か |
| 2026年1月26日に個人情報保護委員会に報告 | 対象の会社や担当者に個別に連絡したかどうか |
| 同社のサービス、ソフトウェアパッケージ、受託業務への影響はない | 何人の個人の情報に当たるか |
書かれていないことを、報道や推測で埋めないことが大切です。続報が出た場合に備えて、同社のニュースのページをときどき確かめてください。
原因について会社が説明していること
発表では、原因を次のように説明しています。
業務自動化施策の中で利用しているクラウドサービスの設定不備により、外部から一部のお客様の更新申込書が参照出来る可能性がある状態が発生していました。 出典: セゾンテクノロジー「個人情報漏えいの可能性に関するご報告」
業務自動化施策とは、人の手で行っていた作業を、ソフトウェアやクラウドサービスで自動で処理するようにする取り組みのことです。メールで届いた申込書を自動でストレージに保存するような仕組みの中で、ストレージの公開の設定に不備があった、という説明です。どのクラウドサービスの、どの設定の不備だったかは、発表には書かれていません。この記事でも推測しません。
クラウドのストレージは、設定ひとつで、社内の人だけが見られる状態にも、URLを知っていれば誰でも見られる状態にもできます。便利な反面、設定を誤ると、気づかないうちに外から見られる状態になることがあります。今回は、同社が入れていたクラウドセキュリティ管理ツールが、その状態を検知したと説明されています。
再発防止策として、発表は次の点を挙げています。
- 設定の不備は是正済み
- 事象を検知したクラウドセキュリティの監視が、正常に動いていることを確認した
会社の対応と補償の案内
発表で確かめられる会社の対応は次のとおりです。
- 発覚のあとすぐに、該当するストレージの設定を変え、外部から閲覧できない状態にした
- 2026年1月26日に、個人情報保護法に基づいて個人情報保護委員会に報告した
- そのあとは、委員会の指導を受けながら対応を進めている
- 問い合わせ窓口として、ウェブの問い合わせフォームを案内している
発表には、対象の会社や担当者に個別に連絡したかどうかは書かれていません。お詫びの言葉は発表の冒頭にありますが、補償の案内は書かれていません。補償があるかどうかは、この記事では推測しません。ほかの会社の事案で補償がどう扱われてきたかは、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で説明しています。
発表には「現時点において本件に関するお客様からのお問い合わせはございません」とも書かれています。これは発表の時点(2026年2月9日)の状況で、二次被害の有無についての記載はありません。
自分の会社が対象かを確かめる方法
この件の対象は、個人の消費者ではなく、セゾンテクノロジーのパッケージ製品の技術サポートサービスを契約している会社と、その担当者です。対象かどうかは、次の順に確かめると迷いません。
- 自分の会社が、セゾンテクノロジーのパッケージ製品の技術サポートサービスを契約しているか、していたか
- 2021年1月28日から2026年1月21日までに、更新申込書を電子メールで送ったか
- 送った申込書に、自分の氏名や連絡先が担当者として書かれていたか
社内で製品の管理を担当する部署が変わっていると、過去に誰が申込書を送ったかが分かりにくくなります。情報システムの部署、購買や契約の部署、経理の部署など、申込書のやり取りに関わった可能性のある部署に確かめてください。
担当者が退職や異動をしている場合
2021年から2026年までの5年のあいだに、申込書に名前が書かれた担当者が退職や異動をしていることもあります。その人の氏名と、当時の所属部署、電話番号、メールアドレスが申込書に書かれていた可能性があります。会社の担当の部署から、本人に知らせるかどうかを社内の決まりに沿って判断してください。
問い合わせて確かめる
自分の会社の申込書が対象に含まれるかどうかは、発表の中では確かめられません。確かめたい場合は、発表にある個人情報お問い合わせ窓口のフォームから問い合わせます。問い合わせるときは、会社名、製品の名前、更新申込書を送ったおおよその時期を書き添えると、やり取りが早く済みます。
担当者がすること
漏えいした可能性のある項目は、会社名、会社住所と、担当者の氏名、所属部署、電話番号、メールアドレスです。仕事の連絡先がそろっていて、しかも「技術サポートサービスを更新している会社の担当者」だと分かる情報です。この点に合わせて、することを並べます。
更新や支払いを求めるメールに注意する
もっとも気をつけたいのは、セゾンテクノロジーや販売代理店、保守の窓口を名乗り、技術サポートサービスの更新や支払いを求めるメールです。更新の時期は会社ごとに決まっていますが、相手が会社名と担当者の名前を知っていると、本物らしく見えやすくなります。
| 連絡の例 | 応じないこと |
|---|---|
| 「技術サポートサービスの更新手続きのため、以下のリンクから申込書を再提出してください」 | メールのリンクからファイルを開いたり、情報を入力したりしない |
| 「振込先の口座が変わりました。今回の更新料金は新しい口座へ」 | 口座の変更は、これまでの窓口に電話などで確かめるまで応じない |
| 「サポートの期限切れが近いので、ライセンス情報を確認させてください」 | ライセンスキーや管理画面のパスワードをメールで送らない |
| 添付ファイル付きの「更新申込書の控え」 | 心当たりがなければ添付ファイルを開かない |
取引先どうしのやり取りをまねて、振込先の変更を求めるメールを送る手口があります。支払いに関わる連絡は、メールの返信ではなく、契約書や過去の請求書にある連絡先に、自分から確かめるのが確実です。
偽メールを短時間で振り分ける手順は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で説明しています。社員が偽メールに気づけるよう訓練する方法は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドにまとめています。
メールのリンクや添付ファイルを開いてしまったとき
更新の手続きを装うメールのリンクや添付ファイルを開いてしまったときは、次の順に動きます。
- 開いたパソコンをネットワークから外し、社内の情報システムの担当者に、いつ、どのメールを開いたかを伝える
- リンク先でIDやパスワードを入力した場合は、そのサービスのパスワードをすぐに変え、同じパスワードを使っているサービスも変える
- 振込をしてしまった場合は、振込先の銀行と、社内の経理の担当者に、すぐに連絡する
- 受け取ったメールは削除せずに残し、担当者の指示を待つ
慌てて自分だけで片づけようとすると、記録が消えて、あとで何が起きたかを調べにくくなります。気づいた時点で、社内の決まった窓口に知らせることが先です。
電話への注意
会社の電話番号と担当者の名前がそろっているので、製品の保守や更新を名乗る電話が担当者あてにかかってくることも考えられます。電話で更新の手続きを急がされても、その場で契約や支払いを決めずに、これまでの窓口に確かめてから返事をしてください。
メールアドレスが出回っていないかを調べる
仕事のメールアドレスが、ほかの事案で出回っていないかを調べる方法もあります。調べ方は、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩で説明しています。
社内に知らせる
申込書に書かれた担当者だけでなく、経理や購買など、支払いや契約のメールを受け取る部署にも、この件を知らせておくと安心です。偽のメールは、担当者ではなく、支払いの手続きをする人に届くこともあります。社内に知らせるときは、セゾンテクノロジーの発表のページを示し、更新や支払いの連絡があったらこれまでの窓口に確かめるよう伝えます。
仕事の連絡先が出回ったときに起きやすいこと
今回の項目は、個人の住所や生年月日ではなく、会社名、会社住所、担当者の氏名、所属部署、電話番号、メールアドレスという、仕事の連絡先です。名刺に書かれている情報に近いものです。名刺の情報は日ごろから人に渡しているので、気にしなくてよいと感じるかもしれません。
ただ、今回の情報には「セゾンテクノロジーの製品の技術サポートサービスを契約している会社の、更新の担当者」という文脈が付いています。この文脈があると、相手の会社がどの製品を使い、誰が更新の窓口なのかが分かるので、狙いを定めたメールを作りやすくなります。たとえば、本物の更新の時期に合わせて、本物の書式に似せた申込書を添付し、担当者の名前で呼びかけるメールです。
また、所属部署と電話番号が分かると、担当者あてに電話をかけ、別の担当者や上司の名前を聞き出したり、社内の仕組みについて探りを入れたりする手口も考えられます。電話で聞かれたことに答える前に、相手が誰で、なぜその情報が必要なのかを確かめてください。
問い合わせ窓口
発表に載っている窓口は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 株式会社セゾンテクノロジー 個人情報お問い合わせ窓口 |
| 方法 | 同社のサイトの「個人情報およびCookieの取り扱いに関するお問い合わせ」のフォーム |
電話番号やメールアドレス、受付時間は、発表には書かれていません。フォームでは、お問い合わせの種別として「個人情報の取り扱いについて」と「Cookie情報の取り扱いについて」が選べるようになっています。この件で問い合わせるときは、「個人情報の取り扱いについて」を選び、2026年2月9日の発表の件であることを書き添えます。
製品そのものの技術的な問い合わせや、技術サポートサービスの契約の手続きは、これまで使ってきた窓口が担当です。この件の問い合わせと混ぜないようにすると、回答を受け取りやすくなります。
フォームには、問い合わせる人の名前や役職、住所、勤務先の電話番号などを入力する欄があり、お客様区分として「法人のお客様」か「個人のお客様」かを選ぶようになっています。問い合わせるときは、会社で使っているメールアドレスを入力し、返信が届いたら、差出人が同社のものかを確かめてから開きます。フォームに、製品のライセンスキーや管理画面のパスワードを書き込む必要はありません。
続報を確かめるときの注意
この件の続報が出るとすれば、同社のサイトのニュースの一覧に載ると考えられます。2026年11月1日時点では、2月9日の発表のあとにこの件の続報はありません。続報を確かめるときは、次の点に気をつけてください。
- 検索結果やSNSの投稿ではなく、同社のサイトを自分で開いて、ニュースの一覧から確かめる
- 「DMS Cube」の件や、ウェブサイトの一時停止の件など、同じ時期のほかのお知らせと日付を取り違えない
- 社内で共有するときは、発表の日付とページの名前を書き添える
2026年10月のDMS Cubeの件と混同しない
2026年10月13日、セゾンテクノロジーは、2月の件とは別の「【重要】弊社ユーザーコミュニティサイト「DMS Cube」における個人情報漏えいの可能性に関するお詫びとご報告」を出し、10月26日に改訂しています。件数が近く、同じ会社の発表なので、検索で混ざりやすい件です。違いを整理します。
| 項目 | 2026年2月9日の件 | 2026年10月13日(10月26日改訂)の件 |
|---|---|---|
| 何が起きたか | 業務で使うクラウドのストレージが、設定の不備で外部から閲覧可能な状態にあった | コミュニティサイト「DMS Cube」が使う外部のクラウドサービス「Commune」が、第三者からの不正アクセスを受けた |
| 対象 | 技術サポートサービス更新申込書 1,214件 | 「DMS Cube」の会員情報の一部 約1,200名 |
| 項目 | 会社名、会社住所、担当者の氏名・所属部署・電話番号・メールアドレス | メールアドレス、その他(企業名、役職、氏名、プロフィール) |
| 発表の言い方 | 漏えいした可能性 | 10月26日の改訂で「漏えいの可能性」から「漏えい」に変更 |
DMS Cubeの件は、コミューン株式会社が運営するコミュニティのプラットフォームへの不正アクセスによるもので、同社の発表では、10月26日に全会員と、漏えいに該当する会員に案内をしたとしています。2月の更新申込書の件とは、原因も対象も別の事案です。Communeへの不正アクセスと、ほかの利用企業への広がりは、Communeの不正アクセス|約30.7万人と利用企業への広がりと偽メールの見分け方 2026で詳しく扱っています。
2026年10月21日からのウェブサイトの一時停止
2026年10月23日には「【復旧】弊社ウェブサイト 一時公開停止のお知らせ」も出ています。ウェブサイトで広く使われるプログラム言語「PHP」の重大な脆弱性を直すリリースが予定されていたため、予防の措置として、技術サポートサービス専用サイトやマニュアルサイトなどの公開を10月21日20時から止め、10月23日14時に再開したという内容です。再開のときの追記では、修正プログラムを当て、この脆弱性を悪用した不正アクセスの痕跡は確認されていないと書かれています。これも2月の件とは別のお知らせです。
対象の会社の担当者がすることの一覧
ここまでの内容を一覧にします。
| すること | 内容 |
|---|---|
| 対象かを確かめる | 2021年1月28日から2026年1月21日までに、更新申込書を電子メールで送ったか |
| メールに注意する | 更新の手続きや振込先の変更、ライセンス情報の確認を求めるメールに、そのまま応じない |
| 支払いを確かめる | 支払いに関わる連絡は、契約書や過去の請求書の連絡先に自分から確かめる |
| 社内に知らせる | 担当者、経理、購買など、更新や支払いのメールを受け取る部署に伝える |
| 退職者や異動者を考える | 過去の申込書に名前が書かれた人に知らせるかを、社内の決まりで判断する |
| 問い合わせる | 個人情報お問い合わせ窓口のフォームから |
情報システムの担当者が社内で進める手順
自分の会社が対象かもしれないと分かったとき、情報システムの担当者が社内で進める手順の例を挙げます。会社の決まりがある場合は、そちらを優先してください。
- セゾンテクノロジーの発表のページを開き、日付と対象を確かめる
- 2021年1月28日から2026年1月21日までに送った更新申込書の控えを探し、誰の名前と連絡先が書かれていたかを確かめる
- 名前が書かれていた担当者と、更新や支払いのメールを受け取る部署に、この件を知らせる
- 退職や異動をした人の名前が書かれていた場合は、本人に知らせるかを社内の決まりで判断する
- 必要に応じて、個人情報お問い合わせ窓口のフォームから、自社の申込書が対象に含まれるかを問い合わせる
- 問い合わせの答えと日付を記録しておく
社内の個人情報の担当の部署がある会社では、その部署にも共有しておくと、あとで続報が出たときに対応しやすくなります。自社が取引先から預かっている個人情報の扱いを見直すきっかけにもなります。自社のクラウドのストレージにも、外から見られる設定のままのファイルがないかを、この機会にあわせて点検しておくと安心です。
更新申込書をメールで送るときに気をつけること
今回の件は、受け取った側のストレージの設定の不備として発表されています。そのうえで、取引先に申込書や契約書をメールで送るときに、送る側でもできることがあります。
- 申込書に書く担当者の連絡先を、個人のメールアドレスではなく、部署で共有するメールアドレスにできないかを考える
- 申込書に、必要のない個人の情報(携帯電話の番号など)まで書いていないかを見直す
- 取引先が申し込みの専用のページや仕組みを用意している場合は、そちらを使う
- 送った申込書の控えを、社内のどこに保存したかを決めておく
部署で共有するメールアドレスを使うと、担当者が異動や退職をしても、連絡が途切れにくくなります。漏えいの可能性が出たときに、個人の名前と連絡先が出回る範囲を小さくすることにもつながります。
会社でクラウドのストレージを使う人が日ごろからできること
今回の件は、外部からの攻撃ではなく、クラウドのストレージの設定の不備で、書類が外から見られる状態になっていたという事案です。同じことは、規模の大小を問わず、クラウドのストレージを使うどの会社でも起こりえます。日ごろから次の点を見直しておくと安心です。
- 共有のリンクを「リンクを知っている全員」にしたまま、放っているファイルやフォルダがないか
- 自動で保存する仕組みを作ったとき、保存先の公開の設定を、作った人以外も確かめたか
- 取引先から受け取った申込書や契約書を、必要な期間を過ぎても保存し続けていないか
- ストレージの公開の状態を、定期的に一覧で確かめる仕組みがあるか
今回、同社はクラウドセキュリティ管理ツールで外から見られる状態を検知しています。こうしたツールがない場合でも、主なクラウドのストレージには、共有の設定を一覧で確かめる画面があります。月に1回など、日を決めて確かめる習慣をつけるだけでも、気づかないまま何年も公開が続くことを防げます。
業務を自動にする仕組みを作るときは、作った人が異動したあとも、誰がその仕組みを管理するのかを決めておくことも大切です。作った人しか設定の中身を知らないと、設定の不備があっても、ほかの人が気づく機会がありません。仕組みの一覧と、それぞれの保存先、公開の設定、管理する人を表にしておくと、点検のときに見落としを減らせます。
在宅で仕事をする人が気をつけること
セゾンテクノロジーの製品を使う会社の中には、在宅で業務委託の仕事を受けている人に、システムの運用や事務の作業を頼んでいるところもあるはずです。在宅で働く人は、取引先から申込書や名簿を預かり、クラウドのストレージで共有する立場になることがよくあります。
個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、本人の数が1,000人を超える漏えい等を挙げ、例として、システムの設定ミス等によりインターネット上で個人データの閲覧が可能な状態となり、その個人データに係る本人の数が1,000人を超える場合を示しています。報告は、発覚したらまず速やかに行うよう求められています。今回の件のように、外からの攻撃がなくても、設定の誤りで外から見られる状態になったことが、報告の対象になりうるということです。
取引先の書類をクラウドで扱う人は、次の点を見直しておくと安心です。
- 取引先から預かったファイルを、自分の個人のクラウドのストレージに保存していないか
- 共有のリンクを作るとき、相手を限定する設定にしているか
- 作業が終わったファイルの共有を解除し、手元の写しを削除しているか
- 設定を誤って外から見られる状態にしてしまったと気づいたとき、取引先の誰に連絡するかを決めているか
取引先が使っているクラウドのストレージに招かれて作業するときは、自分のアカウントにどこまでの権限が付いているかも確かめておきます。作業に必要な範囲より広い権限が付いていると、操作を誤ったときに、ほかのファイルの共有の設定まで変えてしまうおそれがあります。権限が広すぎると感じたら、取引先に伝えて、必要な範囲に絞ってもらうと、自分も取引先も安心です。
どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ取引先に伝えることが、取引先が委員会への報告などの手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。
フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、作業の速さだけでなく、預かったファイルの共有の範囲や消し方まで気を配ることで信頼を得ています。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。
クラウドの設定の知識を仕事に生かす
クラウドのストレージの権限の設定や、データ連携の仕組みの知識は、在宅で受けられる仕事の幅を広げます。システムの開発や運用の仕事の種類は、アプリケーション開発のお仕事で紹介しています。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
セゾンテクノロジーの2月の件は、2026年11月1日時点で、2月9日の発表のあとに新しい報告は出ていません。2021年1月28日から2026年1月21日までに技術サポートサービスの更新申込書を電子メールで送った会社の担当者は、更新や支払い先の変更を求めるメールに、これまでの窓口で確かめるまで応じないことを、先に社内で共有してください。
よくある質問
Q. セゾンテクノロジーの製品を使っているだけで対象になりますか?
発表で対象とされているのは、電子メールで送られた技術サポートサービス更新申込書1,214件に書かれた会社名、会社住所、担当者の情報です。製品を使っているだけでなく、2021年1月28日から2026年1月21日までに更新申込書をメールで送ったかどうかが目安になります。発表では、同社のサービスやソフトウェアパッケージ、受託業務への影響はないとされています。
Q. 不正アクセスで情報が盗まれたのですか?
発表は、不正アクセスではなく、業務で使うクラウドサービスの設定不備で、更新申込書が外部から閲覧可能な状態にあったと説明しています。言い方は「漏えいした可能性」で、実際に誰かが閲覧したかどうかは書かれていません。発覚のあとすぐに設定を変え、外部から閲覧できない状態にしたとされています。
Q. 問い合わせはどこにすればよいですか?
発表では、株式会社セゾンテクノロジー 個人情報お問い合わせ窓口として、同社のサイトの「個人情報およびCookieの取り扱いに関するお問い合わせ」のフォームが案内されています。電話番号は書かれていません。問い合わせるときは、会社名、製品の名前、更新申込書を送ったおおよその時期を書き添えると、やり取りが早く済みます。
Q. 10月に出たDMS Cubeの件と同じ事案ですか?
別の事案です。2026年10月13日(10月26日改訂)の件は、コミュニティサイト「DMS Cube」が使う外部のクラウドサービス「Commune」への不正アクセスで、会員情報の一部、約1,200名が対象です。2月9日の件は、クラウドのストレージの設定不備で、技術サポートサービス更新申込書1,214件が外部から閲覧可能な状態にあったというもので、原因も対象も異なります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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