登録販売者の講師・講座の仕事

長谷川 奈津
長谷川 奈津
登録販売者の講師・講座の仕事

この記事のポイント

  • 登録販売者が講師として教える側に回る仕事を整理しました
  • 自作講座の四つの入口と
  • 契約で決めておく権利関係まで実務の順番で解説します

登録販売者として何年か店頭に立っていると、新人に教える場面が自然に増えます。分類の説明、接客のときの聞き取り方、迷ったときの判断。この「教える」という行為は、社内の役割としてやっているうちは無償ですが、外に出すと仕事になります。試験対策の講座、企業の社内研修、個人指導、そして自分で講座を作って売る形。それぞれ入口も値付けも違います。この記事では、教える側に回るための現実的な選択肢と、始め方、値の付け方を整理します。資格の取り方や試験の難易度そのものは扱いません。

教える側の需要がどこに生まれているか

登録販売者の受験者は毎年一定数おり、合格後も店舗管理者の要件を満たすまでの期間や、扱う区分ごとの知識について学び続ける必要があります。この構造があるため、教える需要は試験前だけに集中しません。

需要は大きく三層に分かれます。第一層は、これから受験する人向けの試験対策です。もっとも市場が見えやすく、通信講座やオンラインスクールが事業として運営しています。第二層は、資格を取ったあとの実務教育です。ドラッグストアや調剤併設店では、新人が店頭に立てるようになるまでの教育を社内でまかないきれず、外部に頼ることがあります。第三層は、医薬品を扱い始める異業種です。日用品の店舗や小売がOTC医薬品の取り扱いを始める際、従業員への教育が必要になります。

在宅で教える仕事が成立するようになった背景には、オンライン化の定着があります。以前は教室に出向く前提だった講義や研修が、録画配信とオンライン会議で完結するようになりました。これにより、地方在住でも、平日に本業がある人でも、講師として関われるようになっています。

実際の募集がどのような業務で構成されているかを見ておくと、必要な準備が具体的になります。

株式会社アガルートは「アガルートアカデミー」のブランド名で、各種資格試験、検定試験等のオンライン講座(通信講座)を展開しております。 あなたには登録販売者試験対策講座の講師として、商品企画、テキスト作成、講義の収録、受講相談等の業務をご担当いただきます。 担当スタッフがフォローしながら作業を進めるため、未経験者でも安心して働くことができます。 出典: agaroot.jp

注目すべきは、業務が「講義」だけではない点です。商品企画、テキスト作成、収録、受講相談まで含まれています。教える仕事は、人前で話す作業より、教材を作る作業のほうが時間を使います。この配分を最初に理解しておくと、値付けを間違えません。

教える相手ごとの四つの入口

試験対策講座の講師

通信講座やオンラインスクールと契約し、講義の収録やテキスト作成を担当する形です。安定して依頼が続く一方、求められる準備量は多くなります。一つの単元を収録するために、範囲の整理、スライドの作成、話す順番の設計が必要で、収録時間の何倍もの準備時間がかかります。

報酬は、収録一本あたりの単価か、講座全体を一括で請け負う形が中心です。教材の著作権をどちらが持つかで金額が変わるため、後述する契約の確認が重要になります。

企業の社内研修

店舗を運営する企業から、新人研修や定期研修を請け負う形です。単発の依頼が多く、一回2時間から3時間の研修を、オンライン会議で実施します。実務経験のある人が強い領域で、教科書的な説明より「現場でどう判断するか」を求められます。

この形の良い点は、教材を一度作れば複数の企業に使い回せることです。企業ごとの事情に合わせて一部を差し替えるだけで済むため、二社目以降の準備時間が大きく減ります。

個人指導と学習サポート

受験者や新人に対して、一対一で指導する形です。オンライン会議で60分単位のセッションを行う、質問に文章で答える、学習計画を作るといった関わり方があります。一件あたりの金額は小さいものの、準備がほとんど要らず、空いた時間で受けられます。

キャリアや働き方の相談を受ける仕事と構造が近く、キャリア・副業・人生相談のお仕事の分野で扱われる相談系の案件と同じく、経験そのものが価値になります。

自分で講座を作って販売する

オンライン講座のプラットフォームや自分のサイトで、講座を作って売る形です。依頼を待つ必要がなく、価格も自分で決められます。ただし、集客を自分でやる必要があり、最初の売上が立つまでに時間がかかります。

他の三つで実績と教材を作ってから、この形に移行する順番が現実的です。実績がない状態でいきなり自作講座から始めると、教材の作り方と集客の両方を同時に学ぶことになり、途中で止まります。

値付けをどう決めるか

教える仕事の値付けでもっとも多い失敗は、講義の時間だけで計算することです。2時間の研修に2万円という値付けをすると、実際には準備に8時間かかって時給換算が崩れます。

計算に入れるべきは四つです。講義そのものの時間、教材を作る時間、事前の打ち合わせ、そして実施後の質問対応です。初回はこの合計が講義時間の4倍から5倍になります。二回目以降は教材が流用できるため、1.5倍程度まで下がります。

そのうえで、実務での価格帯は次のように分布しています。企業研修の単発で一回3万円から10万円、試験対策講座の収録で一本1万円から3万円、個人指導は60分5,000円から1万円あたりが中心です。テキストの作成を含めるかどうか、教材の権利を渡すかどうかで、同じ講義時間でも金額は倍以上変わります。

値上げのタイミングは、二回目の依頼が来たときです。初回は実績を作るために抑えた金額で受け、二回目に「教材の更新を含めてこの金額でお願いします」と提示する。すでに一度実施している相手は、講師を探し直すコストを知っているため、この交渉は通りやすくなります。

契約の形も手取りに直結します。仲介が何段も入る研修案件は、依頼企業が支払った金額と講師に届く金額の差が大きくなります。手数料0%で直接やり取りできる形なら、依頼側は同じ予算でより厚い内容を頼め、講師の手取りも増える。研修は継続すると本数が積み上がるため、この差は年単位で大きく効いてきます。

最初の一件をどう取るか

実績がない段階で講師の依頼を得るには、順番があります。

まず、自分が教えられる範囲を一行で言えるようにします。「登録販売者全般」ではなく、「かぜ薬と解熱鎮痛薬の接客判断について、新人が店頭に立てるようになるまでの研修」のように狭く定義する。狭いほど、依頼側は自社の課題に当てはめやすくなります。

次に、教材の骨子を作ります。全部を作る必要はありません。目次と、最初の一単元だけ。これがあると、打ち合わせのときに「こういう内容です」と見せられます。口頭の説明だけでは、依頼側は判断できません。

そのうえで、募集が出ている場所を探します。通信講座の運営会社は講師募集を出していることがあり、在宅ワーク求人サイトや業務委託マッチングサービスにも、研修や講座制作の案件が掲載されます。募集の条件欄に資格名が入っている案件は、応募が集中しにくく、実績が浅くても通る余地があります。

もうひとつの経路は、いま勤めている業界のつながりです。取引先や同業の知人から「新人の教育を手伝ってほしい」という形で始まるケースは多く、これが実質的に最初の実績になります。ただし、勤務先との利益相反にならないか、就業規則に抵触しないかは先に確認してください。

教材の作り方で差が出るところ

教える仕事の質は、話し方ではなく教材で決まります。準備の順番を間違えないでください。

最初にやるのは、受講者が終わったときに何ができるようになっているかを一文で書くことです。「第二類医薬品と第三類医薬品の違いを説明できる」ではなく、「来店した人の話を聞いて、市販薬で対応できる場面か受診を勧める場面かを判断できる」と書く。到達点が行動で書けていない教材は、途中で内容が散ります。

次に、そこに至る手順を三つから五つに分解します。分解の粒度が細かすぎると時間が足りず、粗すぎると受講者が置いていかれます。

そのうえで、各手順に「実際に起きる場面」を一つずつ付けます。店頭で経験した具体的な場面を使うと、受講者の理解が一段深まります。ここが、現場を知っている講師にしか作れない部分です。ただし、実際の相談者が特定される情報は含めないよう、状況を抽象化してください。

最後に、確認の問いを用意します。理解したかどうかを、受講者自身が確かめられる形にする。試験対策であれば過去の出題形式に沿った問い、実務研修であれば場面を提示して判断を答えてもらう形です。

作った教材は、使うたびに更新します。制度や分類の扱いは変わることがあり、古い教材をそのまま使い続けるのは講師として危険です。

オンラインで実施するときの進め方

在宅で講師をするなら、環境の整え方が仕事の質に直結します。

必要なものは多くありません。安定した回線、外付けのマイク、画面共有ができるオンライン会議のツール、そしてスライドを作るソフトです。カメラの画質より、音声の聞き取りやすさのほうが受講者の集中に影響します。マイクは最初に投資する価値があります。

収録型の講義では、一本を長くしすぎないことが重要です。15分から20分で一つの論点が終わる構成にすると、受講者が最後まで見ます。長い動画は途中で止まり、止まった講座は続きが見られません。

資料作成の技術は独学でも身につきますが、体系立てて学びたい場合は関連する認定資格が指標になります。Adobe認定プロフェッショナル Adobe Expressのような資格ガイドでは、資料や教材のビジュアル面をどう整えるかの考え方が扱われています。教材の見た目が整っているだけで、講座の完成度は違って見えます。

オンラインでの研修は、対面と同じ進め方では成立しません。一方的に話す時間が続くと受講者の集中が切れるため、10分ごとに問いかけや確認を挟む設計にします。

実務研修で実際に扱われるテーマ

企業から研修を頼まれたとき、何を教えるのかが決まっていないケースは珍しくありません。依頼側も「新人が育たない」という課題は持っていても、それを研修の内容に落とし込めていないからです。ここで提案できる講師は重宝されます。

現場でよく求められるテーマは、次のようなものです。

来店者からの聞き取りの手順。どの順番で何を聞けば、必要な情報が漏れなく取れるのか。症状の経過、他に飲んでいる薬、持病、年齢、妊娠や授乳の有無。これらを圧迫感なく聞くための言い方は、経験がある人でないと教えられません。

受診を勧める線の引き方。市販薬で様子を見てよい場面と、医療機関へ促すべき場面の判断です。新人がもっとも迷い、もっとも間違えやすいところで、研修の中心に置かれることが多いテーマです。

医薬品の分類と情報提供の位置づけ。第二類医薬品と第三類医薬品の扱いの違い、情報提供に関する定めをどう理解するか。制度に関わる部分なので、根拠となる法令を示しながら説明します。

売場と在庫の管理。陳列の考え方、期限の管理、記録の残し方。地味なテーマですが、現場で困りごとが多い領域です。

クレームや難しい対応の場面。強く求められたときにどう断るか、どこまでが自分の判断でよいのか。ここは正解を教えるのではなく、判断の枠組みと相談先を伝える形にします。

依頼を受けたら、まず現場で何が起きているのかを聞き取ってください。研修の設計は、そこからしか始まりません。汎用のカリキュラムをそのまま持ち込むと、受講者に「うちの話ではない」と受け取られます。

受講者が途中で止まる理由

講座を作ったあとに直面するのが、最後まで受けてもらえないという問題です。オンライン講座では、途中で止まる人の割合が対面より高くなります。

止まる理由は三つに集約されます。第一に、一本が長いこと。まとまった時間が取れず、後回しにしているうちに戻らなくなります。対策は、一本を15分前後に切ることです。

第二に、進み具合が見えないこと。全体のどこにいるのかが分からないと、終わりが遠く感じられます。冒頭に全体像を示し、各回の最初に「前回までにできるようになったこと」を一言入れるだけで、脱落は減ります。

第三に、自分の理解度が分からないこと。分かった気になったまま進み、後半でついていけなくなる。各回の終わりに短い確認の問いを置き、その場で答え合わせができる形にすると、この落ち方を防げます。

企業研修の場合も同じ構造です。研修を受けた直後は理解していても、現場に戻ると使われないまま忘れられていきます。対策として有効なのは、研修の最後に「明日から現場でやること」を受講者自身に一つ書いてもらう形です。抽象的な理解ではなく、具体的な行動に落ちていれば、定着率が変わります。

受講者が最後まで受ける講座は、次の依頼につながります。企業は研修の効果を受講者の反応で判断するため、脱落率は講師の評価に直結します。教材の中身と同じくらい、最後まで受けられる設計に手をかける価値があります。

教える内容で断定してはいけない領域

講師として話すとき、注意が必要な線があります。

登録販売者の資格でできることの範囲は、医薬品医療機器等法(薬機法)とその関係法令で定められています。研修の場で「この資格があればここまでできる」と断定的に説明すると、受講者が誤った理解のまま現場に立つ危険があります。特に、店舗管理者の要件、実務経験の算定、研修の受講義務といった項目は、制度改正で内容が変わる部分です。講義で扱うときは、根拠となる法令名と、確認先である都道府県の薬務主管課を必ず示し、最新の内容は各自で確認するよう伝えてください。

もうひとつは、医薬品の効能効果に関する説明です。承認された範囲を超えた表現を講義で使うと、受講者がそのまま店頭で使ってしまいます。教材に書く文言は、記事を書くときと同じ基準で確認してください。

受講者からの個別の相談についても線が要ります。特定の症状について「この薬を飲めばよい」と答える形は、講師の立場を超えます。判断の考え方を教えるところまでにとどめ、個別の判断は現場の責任者や医療機関に委ねるという整理を、講座の最初に伝えておくと安全です。

契約と権利で決めておくこと

教える仕事では、教材の権利関係が後から問題になりやすい部分です。着手前に、次の点を文字で残してください。

作成した教材の著作権を、誰が持つのか。譲渡するのか、利用を許諾するだけなのか。譲渡すると、同じ教材を他の依頼で使えなくなります。金額に大きく影響する項目です。

収録した動画の利用範囲。どの媒体で、いつまで使われるのか。無期限で使われるなら、それを前提にした金額にする必要があります。

講師名の表示。氏名を出すのか、資格名だけにするのか。顔出しの有無も含めて決めます。

報酬の支払期日。業務委託の取引では、成果物の受領から一定期間内に支払う義務が定められています。期日が明記されていない発注は、着手前に確認してください。

キャンセル時の扱い。研修が直前に中止になったときに、準備した分の報酬が出るのかどうか。

書面の整え方については、行政書士の資格ガイドで扱われている契約書類の考え方が参考になります。個別の契約で法的な判断が要る場面では、弁護士に相談してください。

勤務先との関係を先に整理する

講師の仕事は、記事の執筆と違って名前と顔が出る場面が多くなります。副業として始めるなら、勤務先の就業規則を先に確認してください。

確認すべきは三点です。副業そのものが許可制か届出制か禁止か。競合となる企業の業務を受けてよいか。勤務先の名称や在籍していることを、講師のプロフィールに書いてよいか。

三つ目は見落とされがちですが、重要です。勤務先の店舗名を出すと、講義の内容がその企業の見解として受け取られます。無断で出すことは避けてください。

単発で終わらせず、続く形にする

研修や講座の依頼は、単発で終わると次の月にゼロに戻ります。収入として当てにするには、続く形に設計しておく必要があります。

続く形の作り方は三つあります。ひとつめは、年間の周期に乗せることです。新人が入る時期、資格の合格発表の後、制度の改正があった直後。企業側が教育の必要を感じる時期は毎年ほぼ同じです。初回の研修が終わったときに「来年の同じ時期にも同じ内容が必要になります」と伝えておくと、次の予算に乗りやすくなります。

ふたつめは、内容を段階に分けることです。一回で全部を詰め込むのではなく、基礎編、実践編、フォローアップという形に分ける。依頼側から見ても、一度に大きな予算を出すより、段階的に発注するほうが決裁しやすくなります。受講者にとっても、現場で試してから次を学ぶほうが定着します。

みっつめは、教材を納品物として残すことです。研修が終わったあとに現場で使える手引きや確認表を渡しておくと、実務で参照され続けます。参照されている限り、講師の存在が現場に残る。次に教育の話が出たときに、真っ先に名前が挙がります。

この三つを意識すると、同じ準備量でも依頼の継続率が変わります。運営者として見てきた限り、教える仕事で安定している人は、講義の質を上げることより、依頼が途切れない形を作ることに時間を使っています。

一人で全部やらないという選択

教える仕事を始めると、企画も教材も収録も集客も、全部を自分でやることになります。副業として限られた時間でやる以上、どこかを外に出す判断が必要になる場面が来ます。

外に出しやすいのは、動画の編集、スライドの見た目の調整、告知用の文章の作成といった作業です。中身の設計と講義そのものは自分にしかできませんが、それ以外は分業できます。専門の作業を人に頼む場合、在宅ワーク求人サイトや業務委託マッチングサービスで探すのが一般的で、単発の作業であれば依頼のハードルも高くありません。

逆に、外に出してはいけないのは内容の正確さに関わる部分です。医薬品の説明や法令に関わる記述を、確認できない人に任せると、講師である自分の責任だけが残ります。ここは時間がかかっても自分で確認してください。

自分の時間をどこに使うかを決めることは、値付けと同じくらい重要です。準備に追われて講義の質が落ちるくらいなら、周辺の作業を手放したほうが結果は良くなります。

教える仕事が続く人に共通していること

在宅の仕事を長く見てきた立場から言うと、講師業で続いている人には共通点があります。

ひとつは、教える内容を一度で完成させようとしないことです。最初の講座は必ず粗く、二回目、三回目で形になります。完璧な教材ができるまで始めない人は、いつまでも始まりません。受講者の反応を見て直すという前提で、早く一回目をやってしまうほうが速く上達します。

もうひとつは、受講者の理解度を測る仕組みを持っていることです。講義後にアンケートを取る、確認の問いへの回答を集める。ここから次の改善が出てきます。感覚で「うまくいった」と判断している人は、同じ内容を繰り返すだけで止まります。

三つ目は、教えることを通じて自分の知識が整理されると理解していることです。人に説明するために根拠を確認し直す作業は、そのまま自分の専門性を厚くします。講師業を数年続けた人が、店頭での接客や記事の執筆でも精度を上げているのは、この効果によるものです。

在宅で専門知識を教える仕事の位置づけ

在宅ワークの案件全体を見ると、教える仕事は単価が高い部類に入ります。理由は単純で、代わりが少ないからです。特定の資格を持ち、実務経験があり、それを人に説明できる。この三つが揃っている人は、資格保有者の中でも一部です。

一方で、案件数は多くありません。研修や講座の依頼は、企業の予算の周期に左右されるため、月ごとの波が大きい。講師業だけで収入を安定させるのは簡単ではなく、実際には記事の執筆や監修、店舗での勤務と組み合わせている人が多く見られます。

教える技術そのものは、分野を超えて使えます。専門知識を人に伝える仕事の設計は、ITコンサルティング・講師のお仕事で扱われる領域とも共通しており、教材の作り方や値付けの考え方はそのまま応用できます。同様に、資格を軸にした独立の進め方はキャリアコンサルタント資格の活かし方|副業・独立ガイド【2026年版】に整理されており、資格の種類が違っても段取りは似ています。

運営者として見てきた限り、専門資格を持つ人が在宅の仕事で伸びるときの順番は決まっています。まず自分の知識を文章にできるようになり、次にそれを人に教えられるようになる。教えられるようになると、教材という資産が手元に残り、同じ準備で複数の依頼をこなせるようになります。時間を売る働き方から抜け出す道筋として、教える側に回ることは現実的な選択です。

始めるときの規模も、小さくて構いません。いきなり体系だった講座を組む必要はなく、勤め先の後輩に説明していた内容を一枚の資料にまとめるところからで十分です。その資料が使われた実感が持てたら、次は誰かの依頼に応える形にする。教える仕事は、資料が一枚ずつ増えていくことで形になっていきます。手元に残った資料の束が、そのまま次の仕事を取るための材料になり、値付けの根拠にもなる。この積み上がり方こそが、時間を売る働き方との一番の違いです。

よくある質問

Q. 人前で話すのが苦手でも講師の仕事はできますか?

収録型の講義や、文章で質問に答える学習サポートであれば、リアルタイムで大勢の前に立つ必要はありません。収録は撮り直しができるため、話すことへの負担は小さくなります。教える仕事の質は話し方より教材の設計で決まるので、準備を丁寧にできる人のほうが向いています。

Q. 講師の報酬はどのくらいが目安ですか?

企業研修の単発で一回3万円から10万円、試験対策講座の収録で一本1万円から3万円、個人指導は60分で5,000円から1万円あたりが中心です。テキスト作成を含むか、教材の権利を渡すかで金額は大きく変わります。準備時間を計算に入れずに値付けすると割に合わなくなります。

Q. 教材を作るのにどのくらい時間がかかりますか?

初回は講義時間の4倍から5倍を見ておいてください。2時間の研修なら、教材作成と打ち合わせ、質問対応を合わせて10時間程度かかります。二回目以降は教材を流用できるため1.5倍程度まで下がります。この差を前提に、初回の金額を決めることが重要です。

Q. 勤務先に内緒で講師の仕事をしても大丈夫ですか?

講師業は氏名や顔が出る場面が多く、記事の執筆より知られる可能性が高い仕事です。就業規則で副業が許可制か届出制かを先に確認し、競合企業の研修を受けてよいかも合わせて調べてください。勤務先の店舗名をプロフィールに書くことは、許可なく行わないでください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月11日最終更新:2026年9月1日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方