事務以外の仕事|事務の経験を活かせる職種


この記事のポイント
- ✓事務以外の仕事を探す人に向けて
- ✓事務の経験を活かせる職種を整理
- ✓仕事内容と事務の経験が活きる点
事務の仕事を続けてきたものの、ほかの仕事に挑戦したいと考える人は少なくありません。 「事務以外の仕事に移りたいが、事務の経験しかない自分にできる仕事があるのか」と不安に感じる人も多いはずです。 先に結論を書くと、事務の経験は多くの職種で活かせます。 正確に作業を進める力、締め切りを守る段取りの力、社内外の人と調整する力、Excelなどの道具を使いこなす力は、事務以外の仕事でも評価される土台です。 この記事では、事務の経験を活かせる職種を、仕事の内容と事務の経験が活きる点に分けて紹介し、在宅や業務委託の選択肢、移るための準備と、公的な職業訓練の使い方まで順に解説します。
事務以外の仕事を考える人が増えている背景
事務の仕事を離れたいと考える理由は人によって違います。 単調な作業が続いて成長を感じにくい、給与が上がりにくい、正社員の求人が少なく派遣や契約の働き方が続いている、といった声はよく聞かれます。
事務の仕事そのものの変化も背景にあります。 データの入力や書類の転記といった定型の作業は、システムや自動化の道具に置き換わりつつあります。 請求書の処理や経費の精算をクラウドのサービスで行う会社が増え、手作業で行っていた事務の量は減る方向にあります。 その結果、事務の求人は応募が集まりやすく、未経験の人や経験の浅い人には狭き門になっている地域もあります。
一方で、事務の経験を持つ人が活躍できる場は広がっています。 自動化の道具を導入するには、今の業務の手順を理解している人が必要です。 顧客の問い合わせに答える仕事や、データを集計して報告する仕事では、事務で培った正確さと段取りの力がそのまま役立ちます。 「事務しかやってこなかった」のではなく、「事務を通じて身につけた力がある」と考え直すことが、次の仕事を探す第一歩になります。
働き方の選択肢が広がっていることも見逃せません。 在宅勤務や業務委託の仕事が一般的になり、住んでいる地域に求人が少なくても、インターネットを通じて仕事を受けられるようになりました。 子育てや介護と両立しながら、事務以外の仕事に少しずつ挑戦する人も増えています。 会社を辞めずに、副業として新しい職種の仕事を試してみることもできる時代です。
事務の経験で身についている力を整理する
事務以外の仕事を探す前に、自分が事務の仕事で身につけた力を言葉にしておきましょう。 自分では当たり前だと思っている作業の中に、ほかの職種で評価される力が含まれています。
正確に作業を進める力
請求書の金額や取引先の情報を間違えずに処理する、書類の不備に気づく、といった正確さは事務の基本です。 この力は、品質の管理や経理、データを扱う仕事で強く求められます。 ミスが起きにくい手順を自分で工夫してきた経験があれば、それも伝えられる強みです。
段取りと締め切りを守る力
月末の締めや決算の時期に合わせて、複数の作業を順番に片づけてきた経験は、段取りの力の証明です。 プロジェクトの進み具合を管理する仕事や、イベントの運営、制作の進行管理など、期限のある仕事で活きます。
社内外と調整する力
電話やメールでの取引先とのやり取り、社内の各部署への依頼や確認など、事務の仕事は人と人をつなぐ役割を多く担っています。 相手の立場を考えて言葉を選び、必要な情報を集めて回す力は、カスタマーサポートや営業の補助、人事の仕事などで評価されます。
道具を使いこなす力
WordやExcel、社内のシステム、チャットのツールを日常的に使ってきた経験は、ITに関わる仕事への入り口になります。 Excelの関数やピボットテーブルで集計表を作ってきた人は、データを扱う仕事の基礎ができています。
これらの力を、具体的な作業の例と一緒に書き出しておくと、職種選びと応募書類の作成が楽になります。 例えば「月に約300件の請求書を処理し、二重払いを防ぐための確認表を作った」のように、数字と工夫を添えると伝わりやすくなります。
事務の経験を活かせる職種
ここからは、事務の経験を活かせる職種を紹介します。 それぞれ、仕事の内容と、事務の経験が活きる点、向いている人を整理します。
カスタマーサポート
カスタマーサポートは、商品やサービスを使う顧客からの問い合わせに、電話やメール、チャットで答える仕事です。 使い方の案内、不具合の受付、契約の変更の手続きなどを担います。
事務の経験が活きるのは、問い合わせの内容を正確に聞き取り、決められた手順で処理し、記録を残す部分です。 社内の担当部署に確認を取りながら顧客に回答する流れは、事務での調整の仕事とよく似ています。 メールやチャットでの対応が中心の職場では、文章で分かりやすく伝える力が評価されます。
人と話すことが苦にならず、困っている人の役に立つ実感を得たい人に向いています。 在宅で働ける求人も比較的多い職種です。
ヘルプデスク・社内SEの補助
ヘルプデスクは、社内の社員や顧客から、パソコンやシステムの使い方、トラブルの相談を受ける仕事です。 パスワードの再設定、ソフトの設定、機器の貸し出しの管理などを担当します。
事務で社内のシステムを使い込んできた人は、利用者がどこでつまずくかを知っています。 その経験は、分かりやすい案内や手順書を作るうえで強みになります。 ITの基礎知識は、ITパスポート試験などで体系的に学ぶと、未経験でも応募しやすくなります。 ネットワークの知識まで深めたい人は、CCNA(シスコ技術者認定)のような資格で、仕組みを学ぶ道もあります。
人事・採用担当
人事の仕事のうち、採用の担当は、求人の作成、応募者との日程の調整、面接の準備、入社の手続きなどを担います。 人事事務からの延長と思われがちですが、採用の担当は、応募者との連絡や面接の運営など、人と関わる比重が大きい仕事です。
事務の経験が活きるのは、多くの応募者の情報を正確に管理し、関係する部署と日程を調整する部分です。 個人情報を扱うため、情報の管理を丁寧に行ってきた経験も評価されます。 人と関わる仕事に移りたいが、いきなり営業は不安という人に向いています。
Webマーケティングの補助
Webマーケティングは、インターネットを使って商品やサービスを知ってもらい、購入や問い合わせにつなげる仕事です。 広告の運用、SNSの投稿、メールマガジンの配信、アクセスの分析などがあります。
未経験から入る場合は、広告の数字の集計や、投稿の予定の管理、レポートの作成といった補助の仕事から始めることが多くあります。 Excelでの集計や、締め切りに合わせた段取りの力がそのまま活きる分野です。 数字の変化から原因を考えることが好きな人に向いています。 マーケティングに関わる仕事の全体像は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。
ライター・編集の補助
ライターは、Webサイトの記事、商品の紹介文、社内報、マニュアルなどの文章を書く仕事です。 編集の補助は、原稿の確認や修正、表記の統一、進行の管理を担います。
事務でビジネス文書やメールを書いてきた経験は、読み手に伝わる文章を書く土台になります。 誤字や表記の揺れに気づく正確さは、校正や編集の仕事で特に評価されます。 文書の型を体系的に学びたい人は、ビジネス文書検定の内容が参考になります。 在宅で始めやすい仕事の1つで、報酬の上げ方はWebライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで段階ごとに紹介しています。
データ分析の補助
会社の売上や顧客、在庫のデータを集計し、報告用の資料にまとめる仕事です。 本格的なデータ分析の職種は統計やプログラミングの知識が求められますが、その手前の集計やグラフの作成、定期的なレポートの作成は、Excelに慣れた事務経験者が担うことも多くあります。
Excelの関数やピボットテーブル、グラフを使いこなせる人は、この分野の入り口に立っています。 数字を見て「なぜこうなったのか」を考えることが好きな人に向いています。
ECサイトの運営
ECサイトの運営は、インターネットで商品を販売するサイトの、商品の登録、在庫の管理、受注の処理、顧客からの問い合わせ対応、販売の企画などを担う仕事です。
商品の情報を正確に登録する、注文を漏れなく処理する、といった作業は事務の仕事とよく似ています。 そのうえで、売れ行きの数字を見て商品の見せ方を工夫するなど、売上に直接関わる手応えを得られるのが事務との違いです。 小さな会社のECサイトでは、1人で商品の登録から発送の手配、問い合わせ対応までを幅広く担うことも多く、事務で複数の作業を並行して進めてきた経験が活きます。 大きな会社では、商品の登録、受注の処理、販促の企画などの担当に分かれていることが多いので、まずは事務に近い受注の処理から入り、販促の企画に広げていく道もあります。 商品の写真や紹介文を整える作業もあるため、見せ方を工夫することが好きな人に向いています。
秘書・アシスタント
秘書やアシスタントは、役員や担当者のスケジュール管理、来客の対応、出張の手配、資料の準備などを担います。 事務の延長に見えますが、特定の人の仕事を先回りして支える役割で、判断と気配りの比重が大きい仕事です。 最近は、在宅で複数の経営者や個人事業主を支えるオンラインのアシスタントという働き方もあります。
インサイドセールス
インサイドセールスは、電話やメール、オンライン会議を使って、会社の外に出ずに見込みの顧客と関係を作る営業の仕事です。 資料を請求した会社や、問い合わせをくれた人に連絡し、必要な情報を届けて、訪問や商談の担当者につなぎます。 外を回る営業と比べると、決まった時間に社内で働くことが多く、数字の管理と記録が大きな比重を占めます。
事務の経験が活きるのは、顧客の情報を正確に記録し、連絡の予定を管理し、メールの文面を整える部分です。 顧客の管理には専用のシステムを使うことが多いので、新しい道具に早く慣れる力も役立ちます。 「営業は不安だが、人と話すことは嫌いではない」という人が、事務から営業の分野に移る入り口になりやすい職種です。
購買・調達
購買や調達は、会社が使う原材料や部品、備品、サービスを、適切な価格と品質と納期で仕入れる仕事です。 取引先の候補を探し、見積もりを集めて比べ、発注し、納品まで管理します。
事務で発注書や請求書を扱ってきた人は、仕入れの流れをすでに理解しています。 複数の見積もりを表にして比べる作業や、納期を管理する作業は、Excelと段取りの力がそのまま活きます。 取引先との価格や納期の交渉もあるため、調整の経験を交渉の力へ広げていきたい人に向いています。
品質管理の補助
製造業やサービス業の品質管理では、製品やサービスが決められた基準を満たしているかを確かめ、記録を残し、問題があれば原因を調べて改善につなげます。 未経験から入る場合は、検査の記録の整理や、基準書や手順書の管理、不具合の報告書の作成といった補助の仕事から始めることが多くあります。
書類を正確に管理し、決められた手順を守る力は、事務の仕事で日々使ってきた力です。 記録の不備に気づく目は、品質管理の現場で特に評価されます。 細かい確認を苦にせず、物事を順序立てて進めるのが好きな人に向いています。
企画・営業企画の補助
営業企画や商品企画の部署では、売上のデータを集計して報告書を作る、販促の計画を立てる、社内の会議の資料を整えるといった仕事があります。 事務で集計や資料作りを担ってきた人は、企画の部署の補助として入り、そこから企画の仕事に関わっていく道があります。 自分のアイデアを形にしたい人、数字をもとに提案することに興味がある人に向いています。
職種ごとの比較
ここまでの職種を、事務の経験との近さと、新たに必要になる力で比べると次のようになります。
| 職種 | 事務の経験との近さ | 新たに必要になる力 | 在宅の求人 |
|---|---|---|---|
| カスタマーサポート | 近い | 顧客対応の言葉遣い、商品の知識 | 比較的多い |
| ヘルプデスク | 中くらい | ITの基礎知識 | ある |
| 人事・採用担当 | 近い | 応募者対応、労働に関するルールの知識 | 少なめ |
| Webマーケティングの補助 | 中くらい | 広告やSNSの仕組み、数字の分析 | ある |
| ライター・編集の補助 | 中くらい | 文章の構成力、調べる力 | 多い |
| データ分析の補助 | 中くらい | Excelの応用、グラフの見せ方 | ある |
| ECサイトの運営 | 近い | 販売の企画、商品の見せ方 | ある |
| 秘書・アシスタント | 近い | 先回りの判断、気配り | ある |
事務の経験と近い職種ほど移りやすく、新たに必要になる力が多い職種ほど、準備の時間がかかります。 まずは近い職種で実績を作り、そこから少しずつ離れた職種に広げていく方法もあります。
在宅や業務委託で働く選択肢
事務以外の仕事を考えるとき、会社員として転職するだけでなく、在宅や業務委託で働く道もあります。 業務委託とは、会社に雇われるのではなく、仕事の成果や作業に対して報酬を受け取る働き方のことです。
ライターや編集の補助、データの集計、Webマーケティングの補助、オンラインのアシスタントなどは、在宅や業務委託で受けやすい仕事です。 会社員として働きながら、週末や夜の時間に小さな仕事を受けて経験を積むこともできます。 この場合は、勤め先の就業規則で副業が認められているかを先に確かめましょう。 厚生労働省は副業・兼業の促進に関するガイドラインを公表しており、副業・兼業のページで考え方を確かめられます。
業務委託では、雇われて働く場合と違い、労働時間の決まりや有給休暇がなく、収入も仕事の量によって変わります。 副業で得た収入は、金額によって確定申告や住民税の申告が必要になることがあり、扱いは収入の種類や金額で変わるので、税務署や自治体の案内で確かめてください。 また、仕事を始める前に登録料や教材費を先に払わせる募集には注意が必要です。 仕事を紹介すると言いながら、実際には高額な教材を売ることが目的の募集もあります。
在宅の仕事を初めて受けるときは、次の流れで進めると失敗が少なくなります。
- 自分ができる作業を、データの集計、文章の作成、資料の整理などの単位で書き出す
- 在宅の仕事を紹介するサービスで、その作業に近い募集を探し、求められる条件と報酬の目安を確かめる
- 最初は短い期間や少ない量の仕事を受け、発注者とのやり取りの流れに慣れる
- 納品したら、作業の内容と工夫した点を記録し、次の応募で示せる実績にする
最初の数件は、報酬の高さより、やり取りの丁寧な発注者と実績を作ることを優先するのがおすすめです。 評価や推薦の言葉が積み重なると、次の仕事を受けやすくなり、条件のよい仕事にも応募しやすくなります。 事務で身につけた報告や連絡の習慣は、この最初の段階で大きな差になります。
在宅の仕事では、AIを業務に取り入れる支援のように、事務の流れを知っている人が求められる分野も出てきています。 どの作業を自動にできて、どこに人の確認が要るかを判断するには、実際の業務を知っていることが強みになるからです。 こうした仕事の内容はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。
自分に合う職種の見つけ方
職種の候補が多いと、どれを選べばよいか迷うものです。 自分に合う職種を見つけるには、これまでの事務の仕事を振り返り、好きだった作業と苦手だった作業を分けてみるのが近道です。
例えば、次のような問いに答えてみてください。
- 電話やメールで人とやり取りする時間と、1人で黙々と作業する時間のどちらが楽しかったか
- 決められた手順を正確にこなすことと、手順そのものを改善することのどちらにやりがいを感じたか
- 数字を集計して傾向を読み取る作業と、文章を書いて伝える作業のどちらが得意だったか
- 目の前の相手に感謝されることと、会社全体の成果が上がることのどちらがうれしかったか
人とのやり取りが好きならカスタマーサポートやインサイドセールス、採用の担当が候補になります。 1人で黙々と作業するのが好きならライターや品質管理の補助、データの集計が向いています。 手順を改善することにやりがいを感じた人は、業務の効率化やITの導入を支える仕事が合います。 数字が好きならデータ分析の補助やWebマーケティング、購買の仕事を検討してみましょう。
この問いの答えに、在宅で働きたいか、収入をどこまで重視するか、どのくらいの準備期間をとれるかといった条件を重ねると、候補は2つか3つに絞られます。 絞り込んだら、その職種で働いている人の話を聞いたり、求人票を読み比べたりして、具体的な仕事の姿を確かめていきます。
事務以外の仕事に移るための準備
事務以外の仕事に移るには、準備の順番が大切です。 ここでは、未経験の職種に移るときに役立つ準備を紹介します。
1. 移りたい理由を書き出す
まず、なぜ事務以外の仕事に移りたいのかを書き出します。 給与を上げたい、人と関わりたい、専門の力を身につけたい、在宅で働きたいなど、理由によって選ぶべき職種が変わります。 理由が曖昧なまま転職すると、移った先でも同じ不満を抱えることがあります。
2. 職種の仕事内容を具体的に調べる
候補の職種について、1日の仕事の流れ、使う道具、求められる力を具体的に調べます。 求人票を何件か読み比べると、よく出てくる仕事内容と条件が見えてきます。 ハローワークの求人の検索では、職種や地域、雇用の形で求人を絞り込めます。
3. 足りない力を学ぶ
新しい職種で必要になる力のうち、自分に足りないものを学びます。 独学のほか、公的な職業訓練を使う方法もあります。
主に雇用保険を受給している求職者の方を対象に、就職に必要な職業スキルや知識を習得するための訓練を無料(テキスト代等は自己負担)を実施しています。 出典: mhlw.go.jp
ハロートレーニングと呼ばれる公的な職業訓練では、離職した人を対象に、情報処理や介護などのコースが用意されています。 訓練の期間はおおむね3か月から2年です。 雇用保険を受給できない人を対象にした求職者支援訓練もあります。 在職中に学ぶ場合は、厚生労働省の教育訓練給付制度の対象講座を受けると、条件を満たせば受講費用の一部の支給を受けられることがあります。 対象の講座や条件は、教育訓練給付制度のページとハローワークで確かめてください。
4. 小さな実績を作る
未経験の職種に応募するとき、学んだだけでは採用する側に力が伝わりにくいことがあります。 ライターなら記事の見本、データ分析の補助なら架空のデータで作った集計表とグラフ、Webマーケティングなら自分で運用したSNSの記録など、目に見える成果物を用意しておくと説得力が増します。 在宅の小さな仕事を受けて、実績として示せるものを作る方法もあります。
5. 事務の経験を新しい職種の言葉で伝える
応募書類や面接では、事務の経験を、新しい職種で求められる力の言葉に置き換えて伝えます。 例えばカスタマーサポートに応募するなら、「取引先からの問い合わせに1日平均20件対応し、よくある質問をまとめた案内を作って対応時間を短くした」のように伝えます。 同じ経験でも、伝え方を変えるだけで評価は大きく変わります。
職務経歴書の書き換え方
事務以外の職種に応募するとき、職務経歴書をそのまま使い回すと、事務の作業の一覧になってしまい、新しい職種で何ができるかが伝わりません。 応募する職種ごとに、同じ経験を違う角度から書き直すことが大切です。
例えば、営業事務として働いてきた人が、カスタマーサポートに応募する場合を考えます。 書き換える前の職務経歴書が「受注の入力、見積書の作成、納期の確認、電話の取り次ぎ」という作業の並びだったとします。 これを、カスタマーサポートで求められる力に合わせて書き直すと、次のようになります。
- 取引先からの納期や在庫の問い合わせに、電話とメールで1日平均15件対応した
- よくある問い合わせを一覧にして社内で共有し、担当者による回答のばらつきを減らした
- 急ぎの依頼は関係部署と調整し、回答の期限を取引先に先に伝えることで、催促の連絡を減らした
同じ経験でも、「問い合わせに答える」「情報を整理して共有する」「関係者と調整する」という、カスタマーサポートで評価される力の言葉で書くと、採用する側が働く姿を想像しやすくなります。
データ分析の補助に応募するなら、同じ営業事務の経験から、売上の集計表を作っていたこと、関数やピボットテーブルを使っていたこと、集計の結果を上司への報告に使っていたことを中心に書きます。 Webマーケティングの補助に応募するなら、販促の資料作りや、キャンペーンの申し込みの集計を担当した経験を前に出します。
書き換えるときは、数字を入れることを意識しましょう。 件数、時間、頻度、改善した結果などが入ると、経験の大きさが伝わります。 正確な数字が分からない場合は、「月に約」「1日平均」のように、おおよその数字で構いません。
求人の探し方
事務以外の職種の求人を探すときは、職種名だけで探すと見落としが出ます。 同じ仕事でも、会社によって呼び方が違うからです。 カスタマーサポートは「カスタマーサクセス」「ユーザーサポート」「コールセンター」、インサイドセールスは「内勤営業」「セールスディベロップメント」と書かれていることがあります。 候補の職種について、別の呼び方も調べてから検索すると、見つかる求人が広がります。
求人票では、「未経験可」と書かれているかに加えて、「事務経験者歓迎」「Excelの使用経験がある方」といった条件にも注目しましょう。 こうした条件が書かれた求人は、事務の経験を評価してくれる可能性が高いといえます。 研修の内容や、最初に担当する仕事が具体的に書かれている求人は、未経験からでも仕事を覚えやすい環境であることが多いです。
ハローワークの窓口では、求人の紹介に加えて、職業相談や応募書類の添削を受けられます。 未経験の職種に移るときは、こうした相談の場も活用しましょう。
移ったあとにつまずきやすい点
事務以外の仕事に移ったあと、多くの人が感じる戸惑いがあります。 前もって知っておくと、つまずいたときに落ち着いて対処できます。
1つ目は、成果が数字で見えやすくなることです。 カスタマーサポートなら対応件数や解決までの時間、インサイドセールスなら商談につないだ件数、Webマーケティングなら広告の成果など、自分の仕事が数字で評価される場面が増えます。 事務の仕事では、ミスなく終わることが評価の基本だったため、最初は数字で比べられることに負担を感じる人もいます。 目標の数字を、自分の工夫を確かめる道具として捉え直すと、前向きに取り組みやすくなります。
2つ目は、正解が1つでない仕事が増えることです。 事務の仕事は、決められた手順どおりに処理すれば正解にたどり着くことが多い一方で、企画やマーケティングの仕事では、試してみないと結果が分からないことがよくあります。 小さく試して結果を見て、やり方を変える、という進め方に慣れることが大切です。
3つ目は、覚えることが一時的に増えることです。 新しい職種の専門用語や道具、業界の慣習を覚えるまでには、数か月かかることもあります。 覚えたことを自分用の手順書にまとめていく習慣は、事務の仕事で身につけた強みとしてそのまま活かせます。
年代別の考え方
事務以外の仕事に移るときの進め方は、年代によっても変わります。
20代
20代は、未経験の職種でも採用されやすい時期です。 事務で身につけた基本の力に加えて、新しい職種への意欲と学ぶ姿勢が評価されます。 興味のある職種があれば、早めに挑戦する価値があります。
30代
30代は、事務の経験に加えて、何か1つ強みを示せると移りやすくなります。 Excelでの集計や業務の改善、後輩の指導など、事務の中で担ってきた役割を具体的に伝えましょう。 事務の経験と近い職種から入り、徐々に専門性を高めていく道が現実的です。
40代以降
40代以降は、即戦力として期待される場面が増えます。 事務の経験が長い人は、業務の手順を整える力や、社内の調整の経験を強みとして示せます。 人事や総務の管理、業務の改善を支える仕事、在宅のアシスタントなど、経験の厚みを活かせる仕事を選ぶと移りやすくなります。 新しい道具の操作に不安がある場合は、公的な職業訓練や教育訓練給付制度の対象講座で学び直すと、採用する側に学ぶ姿勢を示す材料にもなります。 これまでの職場で後輩に仕事を教えてきた経験や、業務の手順書を整えてきた経験は、チームをまとめる役割でも評価されます。
運営者の立場から見た事務経験の価値
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、事務の経験を持つ人は、在宅や業務委託の仕事で信頼されやすい傾向があります。 期限を守る、分からないことを早めに確認する、作業の結果を分かりやすく報告する、という事務で当たり前に行ってきたことが、発注する側にとっては何より安心できる要素だからです。
職種を変えるときに大切なのは、「事務しかできない」と考えるのではなく、事務で身につけた力をどの仕事でどう使えるかを言葉にすることです。 長く続く人ほど、単発の作業をこなすだけでなく、「この人に任せると楽になる」という関係づくりに時間を使っています。
発注者と受注者が直接やり取りできる仕組みでは、中間のマージンが乗らない分、同じ予算で発注者はより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。 事務で培った丁寧なやり取りの力は、こうした直接の取引で長く続く関係を築く土台になります。
デザインの分野に関心がある人は、事務で資料を整えてきた経験が入り口になることもあります。 デザイン職の報酬の傾向は、デザイナーの年収・単価相場で確かめられます。 まずは、自分の事務の経験を書き出すことから始めてみてください。
よくある質問
Q. 事務の経験しかなくても未経験の職種に移れますか?
移れます。事務で身につけた正確さ、段取り、調整の力、Excelなどの道具を使う力は、カスタマーサポート、人事の採用担当、ECサイトの運営、データ分析の補助など多くの職種で活きます。応募のときは、事務の経験を新しい職種で求められる力の言葉に置き換え、具体的な作業の例と数字を添えて伝えると評価されやすくなります。
Q. 事務以外で在宅でできる仕事はありますか?
ライターや編集の補助、データの集計、Webマーケティングの補助、カスタマーサポート、オンラインのアシスタントなどは、在宅で受けやすい仕事です。会社員として働きながら副業で始める場合は、勤め先の就業規則で副業が認められているかを先に確かめてください。登録料や教材費を先に払わせる募集には注意が必要です。
Q. 事務以外の仕事に移るために取るとよい資格はありますか?
移りたい職種によって変わります。ヘルプデスクを目指すならITパスポート試験でITの基礎を、ライターや編集を目指すならビジネス文書検定で文書の型を学ぶ方法があります。ただし、未経験の職種では資格より成果物が重視されることも多いので、記事の見本や集計表などの実績もあわせて用意しましょう。
Q. 公的な職業訓練は誰でも受けられますか?
ハロートレーニングの離職者訓練は、主に雇用保険を受給している求職者が対象で、受講料は無料(テキスト代などは自己負担)です。雇用保険を受給できない人には求職者支援訓練があります。在職中の人は教育訓練給付制度の対象講座を使う方法もあります。対象や条件はハローワークで確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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