福利厚生・オフィス紹介の短尺動画|採用ページ用の相場と依頼の進め方 2026

長谷川 奈津
長谷川 奈津
福利厚生・オフィス紹介の短尺動画|採用ページ用の相場と依頼の進め方 2026

この記事のポイント

  • オフィス紹介動画の制作費はいくらかかるのか
  • 依頼先による相場の違いを整理し
  • 見積もり比較で失敗しないための実務ポイントを解説します

採用ページに載せるオフィス紹介動画を作りたいけれど、制作費の相場が分からず見積もり依頼をためらっている。そんな担当者の方は多いのではないでしょうか。オフィス紹介動画の制作費は、依頼先や撮影内容によって10万円から100万円以上まで大きく開きがあります。結論から言うと、相場感を持たずに見積もりを取ると、必要以上に高い金額を払ってしまうケースが本当に多いんです。この記事では、費用の内訳・依頼先ごとの相場差・失敗しない選び方を、発注者側の目線で具体的に解説します。

オフィス紹介動画の制作費、いま何が起きているか

福利厚生やオフィス環境を紹介する短尺動画は、採用ページや求人媒体の応募率を左右する重要なコンテンツとして、この数年で導入企業が急増しています。背景にあるのは、求職者側の情報収集行動の変化です。求人票のテキストだけでは職場の雰囲気が伝わらないという不満を持つ求職者が増え、企業側も「百聞は一見にしかず」の発想で動画を採用ページに組み込むようになりました。つまり、オフィス紹介動画はもはや大企業だけのものではなく、中小企業やスタートアップにとっても採用競争力を左右する武器になっているということです。

この市場拡大に伴って、動画制作を請け負う事業者の裾野も広がっています。従来は制作会社に発注するのが当たり前でしたが、いまはフリーランスの映像クリエイターへ直接依頼する選択肢も一般的になりました。この動きが重要なのは、制作費の構造そのものに影響を与えているからです。制作会社に依頼する場合、企画・ディレクション・撮影・編集・ナレーション収録といった各工程に別々の担当者が入り、そのぶん人件費と管理コストが上乗せされます。一方フリーランスに直接依頼する場合は、この中間コストが発生しません。

企業紹介動画の制作費用は撮影の有無や規模、依頼する制作会社によって大きく変わります。なお、一般的には10万〜200万円程度が目安です。

出典: readycrew.jp

この幅の広さこそが、発注者を悩ませる最大の要因です。「10万円」と「200万円」では意味合いがまったく違います。何が価格を決めているのか、次の章から具体的に見ていきましょう。

オフィス紹介動画の費用相場と内訳

オフィス紹介動画の制作費は、大きく分けて「企画構成費」「撮影費」「編集費」「その他の付帯費用」の4つで構成されています。それぞれの内訳を理解しておくと、見積もり書を見たときに何にお金がかかっているのかが判断できるようになります。

企画構成費(シナリオ・絵コンテ作成)

企画構成費は、どんな流れでオフィスを紹介するか、どのシーンをどの順番で見せるかを設計する工程の費用です。相場は3万円から15万円程度で、企業の理念や採用メッセージまで踏み込んで構成する場合は上振れします。フリーランスに依頼する場合、この企画部分をヒアリングシートベースで簡略化して費用を抑えるケースも多く見られます。

撮影費(カメラマン・機材・出演者手配)

撮影費は制作費全体の中で最も大きな比重を占めます。カメラマン1人・半日撮影のシンプルな構成であれば5万円から20万円程度、ドローン撮影やジンバル撮影などの特殊機材を使う場合、複数日にわたる撮影になる場合は30万円を超えることもあります。社員インタビューを複数人入れる構成にすると、拘束時間分の調整コストも加わります。

編集費(カット編集・テロップ・BGM・カラー補正)

編集費の相場は5万円から25万円程度です。1分程度の短尺動画であれば下限に近く、3分を超える構成やモーショングラフィックスを多用する場合は上限に近づきます。テロップの多言語対応、BGMの著作権処理、ナレーション収録を別途依頼する場合はそれぞれ追加費用がかかる点も見積もり時に確認すべきポイントです。

尺の長さと費用の関係

動画の尺は費用に直結する要素です。30秒から1分の採用ページ用ショート動画であれば総額10万円台から可能なケースが多く、3分から5分のフル尺オフィス紹介動画になると50万円以上が目安になります。長ければ良いというわけではなく、採用ページでの視聴完了率を考えると1分から2分程度に収めるほうが応募率への貢献度が高いという指摘も多くあります。

採用動画(リクルート動画)の制作費用の相場は、50万円から300万円あたりが目安。ただし、撮影の条件や映像表現によって違い、必ずしも相場に納まるとも限りません。

出典: cine-mato.com

この相場は制作会社経由の一般的な価格帯を示したものです。フリーランスへ直接依頼する場合は、後述する通りこれより大幅に抑えられるケースが少なくありません。

依頼先による費用の違い(制作会社 vs フリーランス)

同じ内容のオフィス紹介動画でも、依頼先によって最終的な見積もり額は大きく変わります。ここでは制作会社とフリーランスそれぞれの費用構造の違いを整理します。

制作会社に依頼する場合の費用構造

制作会社に依頼すると、ディレクター・カメラマン・編集者・営業担当といった複数の人員が案件に関わります。それぞれの人件費に加え、会社としての固定費(オフィス賃料・機材維持費・管理部門の人件費)が制作費に転嫁されるため、同じ工数でもフリーランスより高くなる傾向があります。一方で、制作フロー全体を1社が責任を持って管理してくれる安心感や、大型案件への対応力は制作会社ならではの強みです。

フリーランスに直接依頼する場合の費用構造

フリーランスの映像クリエイターへ直接依頼する場合、制作会社が上乗せする仲介マージンや管理コストが発生しません。同じ撮影・編集内容であっても、制作会社経由の見積もりより20%から40%程度安く収まるケースも珍しくありません。手数料0%で発注者とクリエイターを直接つなぐマッチングサービスを使えば、この中間コストを最初から排除した状態で見積もりを比較できます。

ただし、フリーランス個人に依頼する場合は、撮影クルーの手配・機材の可搬性・大規模ロケーションへの対応力という点で制作会社に劣ることがあります。オフィス内での撮影が中心で、出演者も社員数名程度であれば、フリーランスへの直接依頼で十分な品質を確保できるケースがほとんどです。

私が初めてクライアントの動画制作を外注した際、複数の制作会社から見積もりを取ったものの、金額の内訳が「企画演出費一式」のようにざっくりとまとめられていて、何にいくらかかっているのか判断できないまま契約してしまったことがあります。結果的に、撮影当日に追加のドローン撮影費用を請求され、当初の見積もりより8万円近く上振れしました。この経験から、見積もりは必ず工程別に内訳を出してもらい、追加費用が発生する条件を事前に確認するようにしています。

オフィス紹介動画の依頼先を選ぶポイント

依頼先を決める際は、金額の安さだけで判断すると後悔することがあります。以下の観点を必ずチェックしてください。

ポートフォリオで実績を確認する

過去に手がけたオフィス紹介動画・採用動画のサンプルを必ず確認しましょう。特に、自社と近い業種・規模の企業を撮影した実績があるかどうかは重要な判断材料です。オフィスの広さや社員数によって最適な撮影アングルやインタビューの進め方が変わるため、似た規模感の実績があるクリエイターほど当日の進行がスムーズになります。

見積もりの内訳を工程別に出してもらう

「一式○万円」という曖昧な見積もりではなく、企画・撮影・編集・修正対応をそれぞれ分けて金額を提示してもらいましょう。工程別の内訳があれば、どこを削れば予算内に収まるかの相談もしやすくなります。

修正回数と追加費用の条件を事前に確認する

編集後の修正対応は何回まで無料か、それ以降は追加費用が発生するのかを契約前に確認しておくべきポイントです。修正回数の上限を超えると1回あたり1万円から3万円程度の追加費用がかかるケースが一般的です。

著作権・利用範囲の取り決めを契約書に明記する

完成した動画を採用ページ以外(SNS広告、会社説明会での上映など)でも使いたい場合、利用範囲によっては追加のライセンス費用が発生することがあります。つまり、契約時点で「どの媒体でどれだけの期間使うのか」を明確にしておかないと、後から想定外の追加請求が発生する可能性があるということです。フリーランス保護新法の施行後は、業務委託契約における取引条件の明示義務がより厳格になっているため、契約書や発注書に利用範囲・著作権の帰属を明記してもらうよう依頼者側からも確認することをお勧めします。※このケースで契約内容に不安がある場合は、弁護士や行政書士への相談をお勧めします。

費用を抑えるための実務的な工夫

予算に限りがある場合でも、工夫次第で品質を落とさずに費用を抑えることができます。

撮影を1日で完結させる

撮影クルーの拘束時間は費用に直結します。事前に撮影スケジュールと社員の出演可否を細かく調整し、1日で全カットを撮り終える計画を立てることで、拘束日数を減らし費用を抑えられます。

ナレーションを社員が担当する

プロのナレーターを起用すると3万円から10万円程度の追加費用が発生します。社員が自らの言葉で語る形式にすれば、この費用を削減できるだけでなく、リアルな職場の雰囲気が伝わりやすくなるという副次的な効果もあります。

テンプレート化された編集フォーマットを活用する

モーショングラフィックスやオープニング・エンディングの演出を毎回ゼロから作るのではなく、テンプレート化されたフォーマットを流用することで編集工数を削減できるクリエイターもいます。発注前に「テンプレートの活用は可能か」を確認しておくと、見積もり交渉の材料になります。

複数の候補から相見積もりを取る

フリーランス向けマッチングサービスを使えば、複数のクリエイターから同時に見積もりを取り、条件を比較検討できます。金額だけでなく、過去の制作実績やレスポンスの速さも含めて総合的に判断することが、費用対効果の高い発注につながります。

オフィス紹介動画の依頼の流れ

実際に発注する際の一般的な流れを整理します。

ステップ1: 目的とターゲットの明確化

まず、動画を誰に見せたいのか(新卒か中途か、どの職種の求職者か)を明確にします。ターゲットが曖昧なまま撮影を始めると、伝えたいメッセージがぼやけた動画になりがちです。

ステップ2: 依頼先の選定と見積もり比較

制作会社とフリーランス、両方から見積もりを取り、金額と内訳、実績を比較します。前述の通り、フリーランスへの直接依頼は中間マージンが発生しない分、同じ予算でより充実した撮影内容にできる可能性があります。

ステップ3: 企画・構成の擦り合わせ

撮影したいシーン(オフィスの共用スペース、休憩室、社員インタビューなど)をリストアップし、クリエイターと構成案を擦り合わせます。この段階で撮影可能な時間帯や社員の協力体制も確認しておきましょう。

ステップ4: 撮影・編集・納品

撮影後、編集作業に入ります。多くの場合、初稿の確認後に1回から2回の修正フィードバックを経て納品となります。納品形式(MP4、解像度、字幕データの有無)も事前に確認しておくとスムーズです。

オフィス紹介動画制作の外注データから見えること

福利厚生・オフィス紹介動画のような採用系コンテンツは、フリーランスへの業務委託案件の中でも継続的な需要がある分野です。企業探しに苦労している映像クリエイターにとっても、採用担当者にとっても、双方のニーズが噛み合いやすい領域だと言えます。動画制作の依頼と並行して、動画内で紹介する福利厚生の設計や、採用活動全体のアウトソーシングを検討する企業も増えており、たとえば一人親方 持続化補助金のように、個人事業主向けの支援制度を組み合わせて事業基盤を整える動きも見られます。

20年この市場を見てきた立場から言えば、動画制作を含む外注全般で長く良い関係が続く発注者に共通しているのは、単発の作業依頼で終わらせず「この人になら次も任せられる」という信頼関係の構築に時間をかけている点です。オフィス紹介動画は一度作って終わりではなく、社員の入れ替わりやオフィス移転のたびに更新が必要になるコンテンツです。最初の1本を発注する段階から、継続的に依頼できるクリエイターを見つけておくことが、長期的なコスト効率につながります。

中間マージンが発生しない直接取引の構造は、単に金額が安くなるという以上の意味を持っています。同じ予算であれば発注者はより多くの撮影時間や修正回数を依頼でき、受け手であるクリエイター側もマージン控除がない分、手取りが厚くなります。運営者として見てきた限りでは、この"双方が得をする"構造が成立している取引ほど、次回以降も継続して同じクリエイターに依頼される傾向が強いというのが実感です。

動画制作の外注先探しでは、映像クリエイター単体だけでなく、周辺業務まで含めて依頼先を検討するケースもあります。たとえば採用ページ全体の見直しを進める企業であれば、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のように、業務プロセス全体の効率化を専門家に相談する選択肢も視野に入れておくと、動画制作単体で終わらない採用力強化につながります。また、動画の企画構成やナレーション原稿の執筆を別途外部ライターに依頼する企業も一定数あり、著述家,記者,編集者の年収・単価相場を参考に予算配分を検討するのも一つの方法です。

見積もり比較の際は、金額の多寡だけでなく、契約条件の透明性も判断材料に加えるべきです。つまり、安いという理由だけで依頼先を決めるのではなく、内訳が明確で追加費用の条件が事前に提示されている依頼先を選ぶことが、結果的に総コストを抑えることにつながるということです。これ、知らない人が本当に多いんです。法律はあなたの味方です。契約書や発注書の内容をきちんと確認する習慣が、無駄な出費を防ぐ最大の防御策になります。

よくある質問

Q. オフィス紹介動画の制作費はいくらから依頼できますか?

撮影内容や尺によりますが、30秒から1分程度のシンプルな構成であれば10万円台から依頼できるケースがあります。フリーランスへの直接依頼であれば、制作会社経由より費用を抑えやすい傾向があります。

Q. 制作会社とフリーランス、どちらに依頼すべきですか?

大規模なロケーションや複数クルーが必要な撮影は制作会社が向いていますが、オフィス内中心の撮影であればフリーランスへの直接依頼で十分な品質を確保できることが多いです。相見積もりで比較するのがお勧めです。

Q. 見積もりで確認すべき項目は何ですか?

企画・撮影・編集の工程別内訳、修正対応の回数と追加費用の条件、動画の利用範囲と著作権の取り決めを必ず確認してください。曖昧な「一式○万円」の見積もりは追加請求のリスクがあります。

Q. 制作費を抑えるにはどうすればよいですか?

撮影を1日で完結させる、ナレーションを社員が担当する、テンプレート化された編集フォーマットを活用するといった工夫で費用を抑えられます。複数の候補から相見積もりを取ることも効果的です。

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この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年5月24日最終更新:2026年7月31日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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