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事務のファイリングのやり方|紙とデータの整理方法

@SOHO編集部
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事務のファイリングのやり方|紙とデータの整理方法

この記事のポイント

  • ✓事務のファイリングのやり方を
  • ✓紙の書類とパソコンのデータの両方で解説します
  • ✓始める前に決める3つのこと

結論から言うと、事務のファイリングは「どのファイルを買うか」より先に、「何を残すか」「どう分けるか」「いつ捨てるか」の3つを決めることで、ほぼうまくいきます。書類が机の上に積み上がる、共有フォルダのどこに何があるか分からない、という悩みの多くは、この3つが決まっていないことから生まれます。

この記事では、紙の書類とパソコンのデータの両方について、ファイリングのやり方を手順で紹介します。分類の方法、ファイルの種類の選び方、書類の流れの作り方、保存期間の考え方、フォルダとファイル名の付け方、続けるためのコツと注意点まで、事務の仕事を引き継いだばかりの人でも、明日から始められる形でまとめました。Macでばらばらの場所にあるフォルダを案件ごとにまとめたい人に向けて、ファイル管理のアプリのAtriensにも触れます。

ファイリングとは何か、なぜ必要なのか

ファイリングとは、書類やデータを決まったルールで分けて保管し、必要なときにだれでもすぐに取り出せる状態にしておくことです。ただ箱に詰めて保管することではなく、「探さずに見つかる」状態を保つことが目的です。

事務作業において欠かせないファイリングは、書類を整理・保管し、必要な時にスムーズに取り出せるようにする作業です。書類が散乱していると、必要な時に探し回ることになるため、必要な書類を迅速に見つけられるように保管することが大切です。 出典: shoko-bannin.com

ファイリングが必要な理由は、大きく3つあります。

  • 探す時間を減らすため:1日に何度も書類を探していると、積み重なって大きな時間になる
  • 引き継ぎをしやすくするため:担当者が休んだり替わったりしても、他の人が同じ書類にたどり着ける
  • 決められた期間、書類を残すため:契約書や請求書、帳簿などには、法律で保存の期間が決まっているものがある

1日に書類やデータを探す時間が10分だとしても、1年の営業日を240日とすれば40時間になります。ファイリングを整えることは、地味ですが、事務の時間を確実に生み出す仕事です。

ファイリングという言葉は、紙の書類の整理を思い浮かべる人が多いかもしれません。ただ、今の事務の仕事では、メールで届いた請求書、共有フォルダの見積書、スキャンした契約書のように、紙とデータが混ざっています。この記事では、紙とデータを別々の仕組みにせず、同じ考え方で整える方法を紹介します。

始める前に決める3つのこと

ファイリングを始めるときに、いきなりファイルや棚を買いに行くのは失敗のもとです。先に次の3つを決めます。

1. 何を残すか

まず、手元にある書類を「残すもの」と「捨ててよいもの」に分けます。目安は次のとおりです。

  • 残すもの:契約書、請求書や領収書、帳簿、社員の労務の書類、取引先との合意が分かる書類
  • 期限が来たら捨てるもの:会議の配布資料、案内のチラシ、社内の連絡の印刷物
  • すぐに捨ててよいもの:同じものが他にある写し、データで元が残っている印刷物、古い版の下書き

迷ったものは、その場で決めずに「保留」の箱にまとめ、3か月後にもう一度見ます。3か月の間に一度も使わなかったなら、多くの場合は捨ててかまいません。ただし、法律で保存の期間が決まっている書類は、使わなくても捨てられないので、後で紹介する保存期間の節で確かめます。

2. どう分けるか

次に、書類を分ける軸を決めます。軸は、取引先別、案件別、書類の種類別、時期別などがあり、仕事の内容によって合うものが違います。分け方は次の節で詳しく紹介します。

3. いつ捨てるか

最後に、書類をいつ処分するかを決めます。「年度が終わったら書庫に移す」「保存期間を過ぎたら年に1回まとめて処分する」のように、時期を決めておかないと、書類は増える一方になります。

この3つを紙に書いて、事務の担当者全員で共有しておくと、だれがファイリングしても同じ形になります。ルールが担当者の頭の中にしかないと、その人が異動した途端に崩れてしまいます。

書類の分け方の種類

書類の分け方には、いくつかの方法があります。どれか1つが正解というわけではなく、書類を探すときに何を手がかりにするかで選びます。

分け方 向いている書類 探すときの手がかり
取引先別 見積書、契約書、取引先とのやり取り 「〇〇社の書類」
案件別 制作、工事、イベントなど期間のある仕事 「〇〇の案件の書類」
種類別 請求書、領収書、稟議書、申請書 「請求書を全部見たい」
時期別 日報、議事録、月ごとの経費 「先月の分」
五十音順 顧客の名簿、会員の申込書 名前の読み

実際には、2つの軸を組み合わせて使うことが多くなります。例えば、請求書なら「種類別」で大きく分けたうえで、中を「月別」に並べる、取引先とのやり取りなら「取引先別」に分けて、中を「新しいものが前」に並べる、という形です。

分け方を決めるときのコツは、大きな分類から小さな分類へ、3段階までにとどめることです。「総務」の中に「契約」、その中に「取引先別」のように3段階までなら、だれでも迷わずにたどれます。4段階、5段階と深くすると、どこに入れたかを入れた本人しか覚えていない状態になります。

もう1つのコツは、「その他」の分類を作りすぎないことです。どこにも入らない書類を「その他」に入れ続けると、いずれ「その他」が一番大きな分類になり、探せなくなります。「その他」が厚くなってきたら、中身を見て新しい分類を作る合図です。

紙の書類のファイリングの方法

紙の書類をまとめる道具には、いくつかの種類があります。書類の量と、出し入れの回数で選びます。

個別フォルダ(バーチカルファイリング)

個別フォルダとは、厚紙を2つ折りにした形のフォルダで、書類をはさんで、引き出しやボックスに立てて並べます。立てて並べる方法をバーチカルファイリングと呼びます。穴を開ける手間がなく、書類の出し入れが簡単なので、毎日使う書類や、案件ごとに分けたい書類に向いています。

フォルダの見出しの部分(耳)には、分類の名前を書いたラベルを貼ります。見出しの位置を左、中央、右とずらして並べると、引き出しを開けたときにラベルが重ならず、目当てのフォルダをすぐに見つけられます。

フラットファイルとリングファイル

フラットファイルは、紙の表紙に金具が付いたファイルで、書類に穴を開けて綴じます。軽くて安いので、量の多い書類を時系列で綴じていくのに向いています。リングファイルは、輪の形の金具で綴じるファイルで、書類の出し入れや並べ替えがしやすいのが特徴です。

綴じるファイルの注意点は、厚くなりすぎると開きにくく、書類が破れやすくなることです。1冊の厚さの目安を決め、いっぱいになったら2冊目に分けます。背表紙には、書類の種類と期間(「請求書 2026年4月から9月」)を書きます。

ボックスファイル

ボックスファイルは、ふた付きの箱の形をしたファイルで、パンフレットや厚みのある資料、個別フォルダをまとめて入れるのに使います。棚に並べたときに背の表示がそろうので、書庫に移す書類の保管にも向いています。

色分けとラベルのコツ

ファイルの色を分類ごとに変えると、棚を見ただけで場所が分かるようになります。例えば、経理は青、総務は緑、案件は黄色のように、大きな分類ごとに1色を決めます。色を細かく分けすぎると覚えられないので、使う色は4色か5色までにします。

ラベルは手書きより、印刷したもののほうが読みやすく、人によって字の大きさや書き方がばらつきません。ラベルには、分類の名前に加えて、期間や担当を書いておくと、書庫に移すときや処分するときの判断が早くなります。

クリアファイルの使い方

クリアファイルは、一時的に書類を入れておくのには便利ですが、長く保管する道具には向きません。中身が見えるので「処理中の書類」を入れるのには役立ちますが、数が増えると、どれに何が入っているか分からなくなります。処理が終わった書類は、クリアファイルから出して、決めた場所に綴じるか、個別フォルダに移します。

ファイリングにおすすめの道具の選び方

ファイリングの道具は、文房具店や通販でたくさんの種類が売られています。ルールを決めた後で、そのルールに合うものを選ぶのが失敗しないコツです。

まずそろえたい基本の道具

  • 個別フォルダ:毎日使う書類や案件ごとの書類に。A4の書類が入る大きさを基本にする
  • ファイルボックス:個別フォルダを立てて並べるための箱。棚の奥行きに合う大きさを選ぶ
  • 書類のトレー:「届いた」と「処理中」の2段があれば十分
  • ラベル:印刷できるラベル用紙か、ラベルを作る機械があると、表示がそろう
  • シュレッダー:個人情報の入った書類を処分するために必要

買う前に確かめること

道具を買う前に、棚や引き出しの内側の寸法を測ります。ファイルボックスが棚の奥行きより長いと、扉が閉まらなかったり、手前にはみ出したりします。また、同じ種類の道具は同じ商品でそろえると、背の高さや色がそろい、見た目が整って探しやすくなります。後から追加で買うことを考えて、長く売られている定番の商品を選ぶのも1つの方法です。

データのための道具

データのファイリングには、新しい道具を買わなくても、パソコンに入っているファイルの管理の機能と、会社で使っている共有フォルダやクラウドのストレージで十分なことが多くあります。紙をデータにする量が多い職場では、両面を一度に読み取れるスキャナがあると作業が早く進みます。

書類の流れを作る

ファイリングがうまくいかない職場の多くは、「届いた書類をどこに置くか」が決まっていません。書類は、届いてから捨てるまでの間に、いくつかの段階を通ります。この流れを決めておくと、机の上に書類が積み上がりません。

  1. 届いた:郵便、手渡し、印刷したメールなど、まだ中身を見ていない書類
  2. 処理中:返事、承認、入力などの作業が残っている書類
  3. 保管:処理が終わり、手元で見ることがある書類(今年度の分など)
  4. 保存:めったに見ないが、決められた期間残す書類(書庫や倉庫に移す)
  5. 処分:保存の期間を過ぎた書類

机の上には、「届いた」と「処理中」の2つのトレーだけを用意します。届いた書類は一度トレーに入れ、その日のうちに中身を見て、すぐに終わるものはその場で片付け、作業が残るものは「処理中」に移します。「処理中」のトレーは、週に1回は空になるように見直します。

保管から保存に移す時期は、年度の終わりに決めておくと分かりやすくなります。例えば、4月に前の年度の書類をまとめて書庫に移し、事務所の棚には今年度の書類だけを残すようにすれば、棚がいっぱいになることを防げます。

書庫に移す書類の箱には、中身の一覧と、いつまで保存するか(処分してよい年)を書いておきます。処分してよい年が書いてあれば、毎年の見直しのときに、箱を開けずに処分の判断ができます。

散らかった書類を1日で見直す手順

書類が溜まってしまった職場で、ファイリングを一から見直すときの進め方を紹介します。一度に全部を片付けようとせず、1日で終わる範囲に区切るのがコツです。

  1. 範囲を決める:今日は「自分の机の引き出し」、来週は「共有の棚の上段」のように、1日で終わる範囲だけを選ぶ
  2. 全部出す:範囲の中の書類を、いったん全部机の上に出す
  3. 4つに分ける:「残す」「書庫へ移す」「捨てる」「保留」の4つの箱に、1枚ずつ分けていく
  4. 残すものを分類する:決めた分け方で、個別フォルダやファイルに入れ、ラベルを貼る
  5. 書庫へ移すものに処分の年を書く:箱に中身の一覧と、処分してよい年を書く
  6. 捨てるものを処分する:個人情報が入ったものはシュレッダーにかける
  7. 保留の箱に日付を書く:3か月後に見直す日を書いて、カレンダーにも入れる

分ける作業のときは、1枚の書類に悩む時間を短くします。目安は1枚あたり数秒で、迷ったものは保留の箱に入れて先に進みます。悩み始めると手が止まり、1日で終わるはずの範囲が終わらなくなります。

見直しの後は、空いた場所に新しい書類を入れる前に、書類の流れのルールを決めておきます。ルールが無いまま片付けだけをすると、数か月後にはまた同じ状態に戻ります。

保存期間の考え方

ファイリングで迷いやすいのが、「この書類はいつまで残せばよいのか」という点です。契約書、請求書、領収書、帳簿などの多くは、税金や会社の決まりで保存の期間が定められています。

例えば法人の場合、国税庁は法人税の帳簿と書類の保存について、次のように案内しています。

法人は、帳簿(注1)を備え付けてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成または受領した書類(注2)を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間(注3)保存しなければなりません。 出典: 国税庁 No.5930 帳簿書類等の保存期間

ここで言う書類には、注文書、契約書、領収書なども含まれると、同じページで例が挙げられています。数え始めが「書類を作った日」ではなく「その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日」であることにも注意が必要です。また、欠損金(赤字)が出た年度などは、より長い期間の保存が必要になる場合があると注記されています。

個人で事業をしている人の場合は、青色申告か白色申告かなどで扱いが変わります。白色申告の人の保存の期間は、国税庁のNo.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度で、帳簿や書類の種類ごとに5年間または7年間と案内されています。

社員の雇用や給与に関わる書類は、労働の法律で別に保存の期間が決まっています。会社の決まりで、税金の決まりより長く残すことにしている書類もあります。どの書類を何年残すかは、会社の顧問の税理士や社会保険労務士、または経理や人事の担当者に確かめ、一覧表にしておくと、毎年の処分の判断が楽になります。

ファイリングのしくみとしては、保存期間ごとに書類をまとめておくのがコツです。7年残す書類と1年で捨ててよい書類を同じファイルに綴じると、処分のときに1枚ずつ仕分ける手間がかかります。最初から保存期間の同じ書類を1つのファイルや箱にまとめておけば、期限が来たときに箱ごと処分できます。

パソコンのデータのファイリングのやり方

パソコンのデータも、紙の書類と同じ考え方で整えます。データは場所を取らないので、際限なく増えていきやすいので、紙以上にルールが大切です。

フォルダの構成を決める

フォルダの構成は、紙の分け方と同じく、3段階までにとどめます。例えば、次のような形です。

  • 01_総務
    • 契約書
    • 社内規程
  • 02_経理
    • 請求書_発行
    • 請求書_受領
  • 03_案件
    • 2026_〇〇社_Webサイト制作
    • 2026_△△社_パンフレット制作
  • 99_保存期間切れ候補

フォルダ名の先頭に番号を付けると、名前の順ではなく、決めた順番で並べられます。よく使うフォルダを上に、めったに使わないフォルダを下に並べます。

ファイル名の付け方を決める

データのファイリングで一番効くのは、ファイル名のルールです。次のように、日付、相手、内容、版の順に並べると、フォルダを開かなくても中身が分かり、検索でも見つけやすくなります。

  • 20261023_〇〇社_見積書_v2.pdf
  • 20261001_社内会議_議事録.docx
  • 202609_経費精算_山田.xlsx

日付は「20261023」のように、年を4桁、月と日を2桁で書くと、名前の順に並べたときに日付の順になります。「10月23日」「R8.10.23」のように書き方が混ざると、並びがばらばらになります。

「最新」「修正版」「確定」のような言葉は、ファイル名に使わないようにします。修正が重なると「最新_修正版_確定2」のような名前が生まれ、どれが本当の最新か分からなくなります。版は「v1」「v2」のように番号で表し、確定したら古い版は「old」のフォルダに移します。

ファイル名に使わない文字を決めておく

ファイル名には、空白、スラッシュ、コロン、疑問符のような記号を使わないようにします。こうした記号は、パソコンの種類やサービスによって使えなかったり、別の文字に置き換わったりして、WindowsとMacの間でファイルを受け渡したときに名前が崩れる原因になります。区切りには、アンダーバー(_)だけを使うと決めておくと安全です。また、ファイル名が長すぎると、共有フォルダの奥の階層で開けなくなることがあるので、相手と内容が分かる範囲で短くします。

デスクトップとダウンロードのフォルダを空にする

データが散らかる一番の原因は、デスクトップとダウンロードのフォルダです。メールの添付やWebから落としたファイルが、ここに溜まり続けます。1日の終わりか、週の終わりに、この2つのフォルダを空にして、ファイルを決めた場所に移すか、削除する習慣を付けます。

共有フォルダとクラウドでのファイリング

複数の人で使う共有フォルダや、クラウドのストレージ(インターネット上にファイルを保存するサービス)では、1人で使うパソコンよりもルールの影響が大きくなります。1人が自分の分け方で保存すると、他の全員が探せなくなるからです。

だれが見られるかを先に決める

共有フォルダを作るときは、フォルダごとに、だれが見られて、だれが書き換えられるかを決めます。全員が見てよいもの、部署の中だけで見るもの、担当者と管理者だけが見るもの、の3段階程度に分けると管理しやすくなります。給与や人事の書類、お客さまの個人情報が入ったファイルは、見られる人を限ったフォルダに分けます。

個人のフォルダに仕事のファイルを溜めない

「自分用」のフォルダに作業中のファイルを溜めておくと、その人が休んだときに、だれもファイルにたどり着けません。作業中のファイルも、共有フォルダの案件のフォルダの中に「作業中」の小さなフォルダを作って保存し、終わったら正式な場所に移します。

同じファイルを複製しない

クラウドのストレージでは、1つのファイルを複数の人で同時に開いて編集できるものが多くあります。メールにファイルを添付して回すと、それぞれの手元で別々に直された版が生まれ、どれが正しいか分からなくなります。社内でのやり取りは、ファイルを添付せず、保存場所のリンクを送るようにすると、版が分かれません。

削除と復元の決まりを知っておく

共有フォルダで誤ってファイルを削除すると、他の人の仕事にも影響します。使っているサービスで、削除したファイルが何日間復元できるか、だれが復元できるかを、管理者に確かめておきます。大事なファイルは、共有フォルダとは別に、定期的に控えを作っておくと安心です。

紙をデータにするときの注意

書類の保管の場所が足りなくなると、紙をスキャンしてデータにする方法を考える人も多いはずです。データにすれば、検索ができ、複数の人で同時に見られ、棚の場所も空きます。

ただし、税金に関わる書類をスキャンしてデータで保存する場合や、メールやWebで受け取った請求書などのデータを保存する場合には、決まりがあります。国税庁は、電子帳簿保存法について次のように案内しています。

取引に関する書類に通常記載される情報(取引情報)を含む電子データをやり取りした場合の、当該データに関する保存義務やその保存方法等についても同法により定められていますので、所得税法・法人税法上の保存義務者となる方は、特に「電子取引」についてご確認ください。 出典: 国税庁 電子帳簿等保存制度特設サイト

電子取引とは、請求書や領収書を紙ではなく、メールの添付やWebのダウンロード、クラウドのサービスなどで受け渡すことです。こうしたデータは、受け取った後の保存の仕方にも決まりがあるので、紙に印刷して綴じるだけで済ませてよいかは、特設サイトや税理士に確かめてから決めます。

税金に関わらない社内の資料や、参考に残しておく配布物なら、スキャンしてデータにした後、紙を処分する運用にしている会社もあります。スキャンしたデータは、紙と同じファイル名のルールで名前を付け、決めたフォルダに保存します。スキャンしたまま「scan_0001.pdf」のような名前で溜めておくと、紙の山がデータの山に変わるだけです。

紙とデータの両方を持つ場合は、「元はどちらか」を決めておきます。契約書の原本は紙、確認用の写しはデータ、というように決めておけば、どちらを探せばよいか迷いません。

Macでのデータの整理

Macを使っている人は、Finderの標準の機能だけでも、データの整理がかなり進みます。Finderでは、ファイルやフォルダに色と名前の付いたタグを付けて、タグで絞り込んで表示できます。手順はAppleのMacでタグを使ってファイルを整理するで案内されています。「処理中」「確認待ち」「保存期間切れ候補」のようなタグを作っておくと、フォルダの場所を変えずに、書類の状態で一覧できます。

一方で、1つの案件の資料が、書類のフォルダ、外付けのディスク、共有のフォルダのように、ばらばらの場所に分かれていることもあります。案件ごとに関係するフォルダをまとめて見たいけれど、ファイルの場所は動かしたくない、という場面では、Mac用のファイル管理のアプリのAtriens(アトリエンス)も選択肢の1つです。公式サイトによると、ディスクの違う場所にあるフォルダを、サイドバーの上で1つの案件の下にまとめて表示でき、ファイルそのものは元の場所から動かないと案内されています。サイドバーに出す名前はフォルダ名と別にでき、「proj_2026_a」のようなフォルダを「案件A」と呼ぶこともできます。料金は、Macの中でできることは期間の制限なく無料で、iPhoneやiPadから自宅のMacにつなぐ機能を使う場合は、月額780円、年額6,800円、買い切り14,800円の有料プランがあると案内されています。

Atriensは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

まずはFinderのタグとフォルダの構成で整え、それでも案件ごとの見通しが悪いと感じたら、こうした道具を試すとよいでしょう。

ファイリングを続けるコツと注意点

ファイリングは、一度整えたら終わりではありません。続けるためのコツと、つまずきやすい注意点を整理します。

ルールは1枚の紙に書く

分け方、ファイル名の付け方、保管と保存の場所、処分の時期を、1枚の紙か1つのファイルに書いておきます。新しく入った人や、休みの人の代わりに仕事をする人は、まずこれを読めば同じようにファイリングできます。

見直しの日を決める

「毎週金曜日の夕方に処理中のトレーを見直す」「毎月の最後の日にデスクトップを空にする」「毎年4月に前の年度の書類を書庫へ移す」のように、見直しの日を決めてカレンダーに入れておきます。気づいたときにやろうとすると、忙しい時期に必ず後回しになります。

1人で抱え込まない

ファイリングのルールを1人だけが知っている状態は危険です。その人が休むと、書類が見つからず仕事が止まります。共有のフォルダや棚の分け方は、使う人全員で決め、全員が守るようにします。

個人情報の入った書類は分けて扱う

社員の住所や給与、お客さまの連絡先などが書かれた書類は、鍵のかかる棚や、見られる人を限ったフォルダに分けて保管します。処分するときも、普通のごみに出さず、シュレッダーにかけるか、溶かして処分する業者に頼みます。データの場合も、共有のフォルダに入れる前に、だれが見られる場所かを確かめます。

引き継ぎのときは保存場所の一覧を渡す

担当者が替わるときは、仕事の手順だけでなく、書類とデータの保存場所の一覧を渡します。「契約書は総務の棚の2段目」「請求書のデータは共有フォルダの02_経理」のように、書類の種類と場所を表にまとめておくと、引き継いだ人は初日から迷わずに仕事を始められます。一覧は、引き継ぎのときだけ作るのではなく、普段から更新しておくと、急な休みのときにも役立ちます。

完璧を目指さない

最初から全部の書類を完璧に分けようとすると、途中で疲れて続かなくなります。まずは、毎日使う書類と、今年度の書類だけを整えます。古い書類は、書庫に移すときや処分するときに、少しずつ整えていけば十分です。

ファイリングの力が生きる事務の仕事

ファイリングの力は、会社の事務だけでなく、在宅で事務の仕事を受けるときにも強みになります。書類の受け取り、データの入力、ファイルの整理、資料の作成をまとめて任せたいという依頼は、在宅の仕事の中でも多く見られます。問い合わせの対応や事務の代行の仕事の内容は、カスタマーサポート・事務全般のお仕事で紹介しています。

会社で書類の管理を担う仕事の報酬の目安は、庶務・人事事務員の年収・単価相場や、営業・販売事務従事者の年収・単価相場で確かめられます。病院や診療所の事務では、カルテや保険の書類の扱いに専門の知識が求められ、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)のような資格が仕事の入口になります。役所に出す書類の作成を仕事にしたい人には、行政書士も選択肢になります。

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、事務の仕事で長く頼りにされる人は、作業の速さよりも、「どこに何を保存したか」を依頼主がいつでも分かる形で残す人です。フォルダの構成とファイル名のルールを最初に依頼主とすり合わせ、作業の終わりに保存した場所を一覧で伝えるだけで、次の依頼につながりやすくなります。中間の手数料がかからない直接のやり取りでは、こうした細やかな気配りがそのまま信頼になり、依頼主にとっても受け手にとっても、手元に残るものが厚くなっていきます。

よくある質問

Q. 事務のファイリングは何から始めればよいですか?

最初に、何を残すか、どう分けるか、いつ捨てるかの3つを決めます。ファイルや棚を買うのはその後です。手元の書類を残すものと捨ててよいものに分け、迷うものは保留の箱にまとめて3か月後に見直します。ルールは1枚の紙に書いて、担当者全員で共有します。

Q. 書類の分け方は取引先別と種類別のどちらがよいですか?

探すときに何を手がかりにするかで決めます。見積書や契約書のように相手ごとに見ることが多い書類は取引先別、請求書や領収書のようにまとめて見ることが多い書類は種類別が向いています。2つの軸を組み合わせ、大きな分類から小さな分類へ3段階までにとどめると迷いません。

Q. パソコンのファイル名はどう付けると探しやすいですか?

日付、相手、内容、版の順に並べるのがおすすめです。日付は20261023のように年4桁と月日2桁で書くと、名前の順に並べたときに日付の順になります。「最新」「確定」といった言葉は使わず、版はv1、v2のように番号で表すと、どれが新しいかで迷いません。

Q. 紙の書類をスキャンしたら原本は捨ててもよいですか?

書類の種類によって変わります。社内の資料や参考の配布物なら、スキャンの後に紙を処分する運用にしている会社もあります。一方、税金に関わる書類をデータで保存する場合には決まりがあるため、国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトや税理士に確かめてから処分します。

この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年3月8日最終更新:2026年10月28日
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