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ネイリストに必要な資格はあるのか|国家資格がない仕事で信頼を得る検定の選び方

@SOHO編集部
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ネイリストに必要な資格はあるのか|国家資格がない仕事で信頼を得る検定の選び方

この記事のポイント

  • ✓ネイリストに必要な資格はあるのかを
  • ✓美容師法の定義と主催団体の公式情報から整理します
  • ✓ネイリスト技能検定とJNAジェルネイル技能検定の違い

ネイリストに必要な資格は何か、と聞かれたときの答えは「法律で必ず取らなければならない資格はない」です。美容師や理容師には国家資格がありますが、ネイリストにはそれにあたるものがありません。資格がなくても、ネイルの施術を仕事にすることはできます。

それでも、サロンの求人には検定の級が条件として書かれ、自宅サロンの紹介にも取得した検定が並んでいます。国家資格がない仕事だからこそ、技術と知識を外に示す手段として、民間の検定が重く見られているのです。この記事では、ネイリストに国家資格がない理由を法律の定義から確かめたうえで、主な検定の違いと、働き方に合わせた選び方を整理します。

ネイリストに国家資格はない

まず、なぜネイリストに国家資格がないのかを、法律の定義から確かめます。美容に関わる仕事で免許が必要なものは、美容師法で決められています。厚生労働省の美容師法の概要のページは、美容師について次のように説明しています。

美容師は「美容を業とする者」をいい、美容師法に基づき厚生労働大臣の免許を得なければならない。美容師の免許を持たないものは美容を業として行うことはできない。なお、業とは反復継続の意思をもって行うことで、有料・無料は問わない。 出典: mhlw.go.jp

では、免許が必要な「美容」とは何か。美容師法の第2条は、美容を「パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」と定義しています(条文はe-Gov 法令検索の美容師法で確かめられます)。パーマネントウエーブはパーマのこと、結髪は髪を結い上げることです。この定義には爪の施術が挙げられておらず、ネイルの施術だけを行う場合に美容師の免許を求める規定は、この法律には置かれていません。このため、ネイリストは免許がなくても働ける職業として扱われています。

ここで注意したいのは、「業として」の意味です。厚生労働省の説明にあるとおり、業とはくり返し続ける意思をもって行うことで、お金を受け取るかどうかは問われません。ネイルの施術そのものは免許が要りませんが、同じ店でまつ毛や髪、メイクの施術まで行う場合は、その部分が美容師法の対象になる可能性があります。施術の範囲を広げるときは、住んでいる地域の保健所に確かめてから始めてください。

ネイリストの仕事と、資格が関わる場面

資格の話に入る前に、ネイリストがふだんどのような仕事をしているかを確かめておきます。資格のどの部分が仕事のどこで生きるかが分かると、どの検定を選ぶべきかも判断しやすくなります。

ネイリストの仕事は、大きく4つに分けられます。1つ目はネイルケアで、爪の形を整え、甘皮まわりの角質を取り除き、爪と指先を健やかに保つ施術です。2つ目はカラーリングで、ポリッシュ(マニキュア)やジェルで爪に色を付ける施術です。3つ目はアートで、絵柄やストーン、ラメなどで爪を飾る施術です。4つ目は長さ出しや補修で、ネイルチップやジェルを使って爪の長さを出したり、割れた爪を補ったりする施術です。

このうち、ネイルケアは他のすべての施術の土台になります。爪の表面が整っていなければ、色もアートも長持ちしません。ネイリスト技能検定の3級やジェルネイル検定の初級でネイルケアが必ず問われるのは、この土台が仕事の質を左右するからです。

施術のほかにも、ネイリストにはさまざまな仕事があります。お客様の要望を聞き取るカウンセリング、器具の消毒と施術台の片付け、予約の管理、材料の在庫の管理などです。自宅サロンや出張で働く場合は、これに集客、料金の設定、お金の管理が加わります。

検定は主に施術の技術と知識を証明するもので、接客や経営の力までは測りません。資格を取ったうえで、それ以外の力をどう身につけるかも、ネイリストとして長く働くための課題になります。

国家資格がないのに検定が重視される理由

法律で求められていないのに、なぜネイリストの世界では検定が重く見られるのでしょうか。理由は3つあります。

1つ目は、お客様が施術の前に腕を確かめられないことです。初めてのサロンや自宅サロンを選ぶとき、お客様が見られるのは写真と口コミ、そしてプロフィールです。国家資格がない仕事では、「どの検定の何級を持っているか」が、技術の水準を伝えるほぼ唯一の共通の物差しになります。

2つ目は、サロンが採用の基準として使いやすいことです。サロンにとって、応募してきた人の技術を面接だけで見極めるのは簡単ではありません。検定の級は、一定の課題を決められた時間で、決められた基準で仕上げられることの証明になります。求人に「ネイリスト技能検定2級以上」「ジェルネイル検定中級以上」と書かれているのは、この基準を共有するためです。

3つ目は、衛生と安全の知識を示せることです。ネイルは爪や皮膚に直接触れ、薬剤や器具を使う施術です。消毒が不十分なまま器具を使い回したり、薬剤の扱いを誤ったりすれば、お客様の健康を損なうおそれがあります。検定や講習は、技術だけでなく、こうした衛生の知識を体系立てて学んだことの証明にもなります。

国家資格がないということは、裏を返せば、資格の有無で守られている範囲がないということです。ネイリストが自分で信頼を作らなければならない仕事であることが、検定が重視される理由の根っこにあります。

ネイリストの主な資格の全体像

ネイリストに関わる主な資格を、主催団体と目的ごとに整理します。

資格 主催 目的 段階
ネイリスト技能検定試験 日本ネイリスト検定試験センター(JNEC) ネイリストとしての総合的な技術と知識 3級、2級、1級
JNAジェルネイル技能検定試験 日本ネイリスト協会(JNA) ジェルネイルの知識と技術 初級、中級、上級
ネイルサロン衛生管理士 日本ネイリスト協会(JNA) ネイルサロンの衛生管理の知識 講習と確認テスト
JNAフットケア理論検定試験 日本ネイリスト協会(JNA) フットケアの施術に必要な理論 1段階
JNA認定講師 日本ネイリスト協会(JNA) ネイルを教える立場の認定 試験による選考

サロンの求人で目にすることが多いのは、上の2つ、ネイリスト技能検定とジェルネイル検定です。この2つが、ネイリストの技術を示す中心の資格と考えてよいでしょう。衛生管理士とフットケア理論検定は、技術の検定を補う資格です。認定講師は、技術の検定を高い級まで取ったうえで目指す、教える立場の資格です。

ほかにも、民間のスクールや団体が独自に出している認定がありますが、どこまで評価されるかは団体の知名度や業界での広がりで変わります。求人の条件として広く使われているのは、上の表の検定です。

ネイリスト技能検定試験(JNEC)

ネイリスト技能検定試験は、公益財団法人日本ネイリスト検定試験センターが主催する検定で、公式ページによると27年目を迎え、約107万人の受験実績があります。ネイルケア、カラーリング、アートなど、ネイリストとしての総合的な技術を問う内容で、1級を最高位とする3段階に分かれています。全級で実技試験と筆記試験があり、実技試験ではモデルか、試験センターが認定したモデルハンドが必要です。

級 受験資格 受験料(税込) 累計の合格率
3級 義務教育を修了した人 6,820円 85.46%
2級 3級の取得者 9,900円 43.94%
1級 2級の取得者 12,650円 39.98%

受験料は2026年夏期の試験から改定されたもので、申し込みの際に別途システム手数料がかかります。合格率は2025年秋期までの累計です。3級は8割を超える人が合格していますが、2級と1級は半数以上が不合格になっています。

各級の位置づけを、求人での扱われ方と合わせて考えると次のようになります。3級は、ネイルケアとカラーリングの基礎を身につけた段階です。2級は、サロンでお客様の施術を任せられる水準の目安とされることが多く、求人の条件にもよく登場します。1級は、長さ出しなどの高度な技術を含む最上位の級で、サロンの中で指導役を務める人や、講師を目指す人が取る資格です。

JNAジェルネイル技能検定試験

現在のネイルサロンでは、ジェルネイルが施術の中心になっています。ジェルネイルの技術に絞って評価するのが、日本ネイリスト協会のJNAジェルネイル技能検定試験です。

初級は、ネイルケアの基礎とジェルネイルの基本の知識と技術を問う級で、筆記と実技の両方が100点満点中80点以上で合格です。中級は、プロとしてサロンワークで通用する専門的な知識と技術が求められ、補修やネイルチップを使った長さ出しなどの実務的な内容が加わります。上級は実技のみの試験で、ジェルネイルのスペシャリストとしての総合的な技術が問われます。受験料(税込)は初級9,900円、中級13,200円、上級16,500円です。

公式会場での試験は毎年6月と12月の年2回で、JNA認定校の在校生と卒業生は、自分の学校で随時受験できます。2027年12月の試験からは、公式会場の実技試験がモデルハンド持参のみになり、ジェルを固めるライトもコードレスのものに限られると発表されています(2028年6月までは有線のライトも使える猶予があります)。

ネイリスト技能検定との関係では、ネイリスト技能検定3級以上を持っているとジェルネイル検定初級の実技の第1課題(ネイルケア)が、2級以上を持っていると中級の同じ課題が免除されます。2つの検定は別の団体が主催していますが、組み合わせて受けることを前提にした仕組みになっています。

検定の試験はどのように進むか

ネイリスト技能検定とジェルネイル検定は、どちらも実技試験と筆記試験の組み合わせが基本です(ジェルネイル検定の上級だけは実技のみ)。初めて受ける人がつまずきやすい点を中心に、試験の進み方を説明します。

実技試験では、決められた時間の中で、指定された課題の施術を仕上げます。ネイリスト技能検定では、施術を受けるモデルを連れて行くか、試験センターが認定したモデルハンドを持参するかを、申し込みの際に選びます。申し込みの際に選んだ方法と違う形では受験できず、申込期間の後は変更できません。モデルハンドを選んだ場合は、試験の当日に用意がないと受験できないので、申し込む前に手元に揃えておくよう案内されています。

採点は、仕上がりの美しさだけでなく、施術の手順、衛生的な扱い、道具の準備まで含めて行われます。ネイリスト技能検定は、級ごとの実技採点基準を公式ページで公開しています。採点基準を読むと、どこで減点されるかが具体的に分かるので、練習の前に必ず目を通してください。

筆記試験は、爪の構造、皮膚の知識、衛生、道具や薬剤の扱いなどを問う内容です。ネイリスト技能検定の筆記試験は、試験センターが発行する公式問題集の中から出題されると、公式ページに書かれています。問題集には級ごとに5パターンの問題が載っています。

どちらの検定も、筆記だけに合格した人は、次回に同じ級を受けるときに筆記試験が免除される仕組みがあります。実技は不合格でも、筆記の合格は無駄になりません。

技術の検定を補う2つの資格

ネイルサロン衛生管理士

ネイルサロン衛生管理士は、日本ネイリスト協会が定めた「ネイルサロンにおける衛生管理自主基準」を学ぶ講習を受け、確認テストに合格した人に与えられる資格です。講習は約180分の理論講習と20分の確認テストで、20問の択一式で80点以上が合格です。受講できるのは18歳以上の人で、実務経験は問われません。受講料は一般価格で11,000円(税込)です。

技術の検定と違い、短い時間で取れる資格ですが、お客様に衛生の取り組みを説明する根拠になります。特に、サロンのような決まった手順がない自宅サロンでは、この講習で学ぶ基準が、自分の衛生の手順を作るときの土台になります。

JNAフットケア理論検定試験

足の爪や角質のケアを行うフットケアは、ネイルサロンで広く取り入れられている施術です。JNAフットケア理論検定試験は、ネイリストがフットケアを正しく行うために必要な理論を問う検定で、全国のJNA認定校で随時開催されています。受験料は一般価格8,800円(税込)で、テキスト代は別にかかります。フットケアのメニューを扱いたい人や、後で触れる認定講師を目指す人が取る資格です。

目指す働き方別の検定の選び方

ネイリストに必要な資格は、どのように働きたいかで変わります。代表的な4つの働き方ごとに、目安となる検定を整理します。

サロンに就職したい場合

サロンへの就職を目指すなら、まず応募したいサロンの求人を何件か読み、条件に書かれている検定と級を確かめてください。多くの求人で目安とされるのは、ネイリスト技能検定2級と、ジェルネイル検定中級です。未経験者を歓迎する求人もありますが、その場合でも3級や初級を持っていると、基礎を学んだ証明として評価されやすくなります。求人を読むときは、応募の条件だけでなく、入社後に研修があるか、どの段階でお客様の施術を任されるかも確かめておくと、入ってからの学び方の見通しが立ちます。研修が手厚いサロンなら、入社の時点では基礎の級で足り、働きながら上の級を目指す道も選べます。

自宅サロンを開きたい場合

自宅サロンでは、お客様が予約の前に見るのは、作品の写真とプロフィールです。ジェルを中心に施術するならジェルネイル検定の中級、ネイルケアやカラーリングも含めて幅広く受けるならネイリスト技能検定の2級が、技術の水準を伝える目安になります。それに加えて、ネイルサロン衛生管理士を取っておくと、衛生の取り組みを具体的に説明できます。フットケアのメニューも扱いたい場合は、JNAフットケア理論検定試験で理論を学んでおくと、足の爪や角質の状態を見て施術してよいかを判断する根拠になります。自宅サロンは1人で判断する場面が多いので、技術の級だけでなく、こうした知識の裏付けを持っておくことが安心につながります。

ネイルを教える立場を目指す場合

スクールの講師など、ネイルを教える立場を目指すなら、日本ネイリスト協会の認定講師が1つの目標になります。公式ページによると、受験資格は、ネイリスト技能検定1級の合格から1年以上が経過していること、ジェルネイル検定上級、ネイルサロン衛生管理士、フットケア理論検定を取得していること、協会の個人正会員であること、満20歳以上であることなど、多くの条件が並んでいます。技術の検定を最上位まで取り、さらに講習の修了や大会への出場まで求められる、ネイリストの中でも最も高い水準の資格です。

副業として始めたい場合

本業を持ちながら副業として始めるなら、最初からすべての検定を目指す必要はありません。ネイリスト技能検定3級とジェルネイル検定初級で基礎を固め、家族や知人への施術で経験を積みながら、中級や2級を目指す進め方が無理なく続きます。勤め先の就業規則で副業が認められているかも、始める前に確かめてください。

資格の有無で変わること、変わらないこと

資格を取ることで、具体的に何が変わるのかを、変わることと変わらないことに分けて整理します。

変わることの1つ目は、応募できる求人の幅です。サロンの求人で検定の級が条件になっている場合、その級を持っていなければ応募の段階で対象から外れます。資格は、応募できる求人を増やす鍵になります。

2つ目は、お客様への説明のしやすさです。プロフィールに検定の名前と級を書くと、初めてのお客様に技術の水準を一言で伝えられます。自宅サロンや出張で働く場合は、特にこの効果が大きくなります。

3つ目は、学ぶ道筋がはっきりすることです。検定の級は、何をどの順で身につければよいかを示してくれます。独学で何から手を付ければよいか迷う人にとって、検定は学習の地図の役割を果たします。

一方で、資格を取っても変わらないこともあります。資格があるからといって、お客様が自然に集まるわけではありません。予約が入るかどうかは、作品の写真、口コミ、立地、料金、接客で決まります。また、資格は取った時点の技術を示すもので、その後も技術を磨き続けなければ、流行の変化に取り残されます。

サロンの待遇が級によってどう変わるかは、サロンごとに違います。資格手当があるか、級によって任される施術が変わるかは、求人票や面接で確かめてください。

資格以外で信頼を得る方法

検定は信頼を得るための大切な手段ですが、それだけで十分ではありません。国家資格がない仕事だからこそ、資格以外の方法で信頼を積み上げることも欠かせません。

1つ目は、作品の写真です。お客様がもっとも重視するのは、自分の爪がどう仕上がるかです。明るい場所で撮った写真を、同じ角度と背景で並べると、技術の安定感が伝わります。お客様の爪の写真を使う場合は、必ず許可を取ってください。

2つ目は、衛生の取り組みを言葉で示すことです。器具をどう消毒しているか、使い捨てのものをどう扱っているかを、予約ページやサロンの中で説明すると、初めてのお客様の不安を和らげられます。

3つ目は、料金と規定を明確にすることです。施術ごとの料金、追加料金がかかる場合、キャンセルの扱いを事前に書いておくと、トラブルを防げます。料金が分かりにくいことは、お客様が予約をためらう大きな理由の1つです。

4つ目は、トラブルが起きたときの対応です。施術の後にお客様の爪や皮膚に赤みやかゆみが出た場合は、自分で判断せず、医療機関の受診を勧めてください。ネイリストの役割は、トラブルを起こさない施術を心がけ、起きたときには医療につなぐことです。誠実な対応は、長い目で見て何よりの信頼になります。

これはネイルに限った話ではありません。建築の図面の仕事でも、資格より先に「この人の図面なら施工できる」という信頼が次の仕事を呼ぶと言われます。ネイルも、資格で入り口に立ち、施術の積み重ねで信頼を育てる仕事です。

自宅や出張で働くときに知っておきたい決まり

国家資格は要らなくても、ネイリストとして自分で仕事を受けるなら、知っておきたい決まりがいくつかあります。

1つ目は、開業届です。自宅や出張で施術を事業として続ける場合は、税務署に開業届を出します。国税庁の案内では、提出の期限は、事業を始めた日の属する年分の確定申告の期限までです。所得の申告の扱いは収入や経費の状況で変わるので、迷う場合は税務署に相談してください。

2つ目は、広告や紹介の表示です。SNSで作品を紹介したり、使っているネイル用品を紹介したりする場合、表示の仕方に気をつける必要があります。消費者庁は、令和5年10月1日から、いわゆるステルスマーケティング(広告であることを隠した宣伝)を景品表示法の違反として扱っています。メーカーから商品を提供されて紹介する場合などは、広告であることが分かるように表示する必要があります。日本ネイリスト協会も、ネイル業界向けにステルスマーケティングへの注意を呼びかけています。

3つ目は、住まいの契約です。賃貸の住宅で自宅サロンを開く場合、契約や管理規約で、住居以外の目的での使用や、不特定の人の出入りが制限されていることがあります。始める前に契約書を読み、分からない点は管理会社に確認してください。

4つ目は、お客様との約束を書面で残すことです。料金、キャンセルの扱い、施術後のトラブルへの対応を事前に示しておくと、お互いの認識のずれを防げます。資格のない仕事だからこそ、こうした決まりを自分で整えておくことが、安心して利用してもらうための土台になります。

未経験からネイリストの資格を取るまでの流れ

未経験からネイリストを目指す人に向けて、資格を取るまでの流れを5つの段階で整理します。

段階1:目指す働き方を決める

サロンに勤めるのか、自宅で始めるのか、副業として続けるのかを決めます。働き方によって必要な級が変わるので、最初にここを決めると、無駄な受験を避けられます。

段階2:学び方を選ぶ

独学、通信講座、スクールのどれで学ぶかを選びます。独学は費用を抑えられますが、実技の評価を自分でできない難しさがあります。通信講座は添削で客観的な評価を受けられ、スクールは直接の指導で上達が早くなります。JNA認定校で学ぶと、ジェルネイル検定を自分の学校で随時受けられます。

段階3:試験要項を読んで道具を揃える

受ける検定の試験要項を読み、持ち込める道具と必要な道具を確かめてから揃えます。2027年12月以降のジェルネイル検定の公式会場では、コードレスのライトとモデルハンドだけになるので、その条件に合わせておくと買い替えずに済みます。

段階4:基礎の級から受ける

ネイリスト技能検定3級と、ジェルネイル検定初級から受けます。3級を先に取ると、ジェルネイル検定初級で実技の一部が免除されます。筆記試験には公式の問題集や教材があるので、早めに目を通しておきます。

段階5:経験を積みながら上の級を目指す

基礎の級を取ったら、サロンや知人への施術で経験を積みながら、2級や中級を目指します。2級と1級は累計の合格率が半数を下回るので、時間を計った練習を重ね、仕上がりに自信を持ってから申し込むのが近道です。

資格の名前に惑わされないために

ネイルの資格を調べていると、聞き慣れない名前の認定や資格に出会うことがあります。民間の資格は、どの団体でも名前を付けて出すことができるため、似た名前のものが数多くあります。

資格を選ぶときに確かめたいのは、次の3点です。1つ目は、主催している団体がどこか。2つ目は、その資格が求人の条件として実際に使われているか。3つ目は、試験の内容と合格の基準が公開されているか。この3点を確かめると、仕事で評価される資格かどうかが見えてきます。

講座の案内で「この講座を修了すると資格が取れる」と書かれている場合は、その資格が講座を出している会社独自の認定なのか、業界で広く使われている検定なのかを見分ける必要があります。講座独自の認定が悪いわけではありませんが、求人で求められる検定とは別物だと理解したうえで選んでください。迷ったときは、講座の案内に書かれている資格の名前で求人を検索してみると、仕事の場でどれだけ使われているかの見当がつきます。

海外で働くことを考えている場合

ネイリストとして海外で働くことを考えている人もいるでしょう。日本ネイリスト協会は、世界のネイリストの技術と知識の向上と、国際的なネイル技能の平準化を目的に、「JNAネイリスト技能検定国際試験」を海外の団体に委託して実施しています。国内の検定と同じ協会の考え方に沿った試験が、海外でも行われているということです。

ただし、海外でネイリストとして働くために必要な資格や免許は、国や地域ごとに決まっています。日本では免許が要らない仕事でも、国や地域によっては免許や登録が求められることがあります。働きたい国が決まったら、その国の公的な機関の案内で、必要な資格と手続きを確かめてください。日本の検定の級は、技術の水準を説明する材料にはなりますが、それだけで現地で働けるとは限りません。

ネイリストに向いている人と、検定の勉強で身につく力

最後に、ネイリストに向いている人の特徴と、検定の勉強を通じて身につく力を整理しておきます。

ネイリストに向いているのは、細かい作業を長い時間続けられる人、同じ手順を毎回きちんとくり返せる人、相手の話を聞いて要望を形にするのが好きな人です。ネイルの施術は、1本の爪に数分から数十分かけ、それを10本くり返す仕事です。集中力と根気、そして手順を守る誠実さが、仕上がりの質を左右します。

検定の勉強は、こうした力を自然に鍛えてくれます。決められた時間で課題を仕上げる練習は、施術の段取りを組む力になります。採点基準に沿って自分の仕上がりを見直す習慣は、お客様の目線で自分の仕事を確かめる力になります。筆記試験で学ぶ爪や皮膚の知識は、施術してよい状態かどうかを判断する力になります。

国家資格がない分、どこまで学ぶかは自分で決めることになります。検定はその目安を示してくれる道しるべです。必要な級を見極め、仕事を始めてからも学び続ける姿勢が、ネイリストとして信頼を得るいちばんの近道です。

ネイリストの経験を仕事の幅につなげる

最後に、在宅ワークの市場を長く見てきた運営者の視点から、ネイリストの資格と仕事の広げ方について書いておきます。

運営者として見てきた限りでは、国家資格がない仕事で長く続く人ほど、資格を取ったあとの「信頼の積み上げ方」を知っているように感じます。毎回同じ品質で仕上げる、連絡を丁寧に返す、できないことははっきり断る。こうした地道な積み重ねが、資格の級以上に、次の依頼を呼び込んでいます。

ネイルの経験は、施術以外の仕事にもつながります。色や形のバランスを見る感覚は、デザインの仕事に通じ、デザイナーの年収・単価相場では、デザイナーの全国平均年収と都道府県別の相場を確かめられます。サロンの集客やSNSの運用を任される経験は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しているデジタルマーケティングの仕事にも通じます。ネイルの知識を記事にする仕事を考えるなら、伝わる文書の基本を問うビジネス文書検定も、学び直しの候補になります。

仕事を受ける場を選ぶときは、中間の手数料がどれだけかかるかも、手元に残る額を左右します。仲介の取り分が小さいほど、依頼する側は同じ予算で頼みやすく、受ける側は手取りが厚くなります。手数料0%で直接やり取りできる場では、単価の交渉より、内容や継続の相談に時間を使えます。文章の仕事で単価を上げる考え方は、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で詳しく説明しています。

よくある質問

Q. ネイリストになるのに資格は必要ですか?

法律で必ず取らなければならない資格はありません。美容師法が免許を求める「美容」は、パーマや結髪、化粧などの方法で容姿を美しくすることと定義されており、ネイルの施術だけを行う場合に美容師の免許を求める規定はありません。ただし、サロンの求人では検定の級が条件になることが多くあります。

Q. サロンに就職するにはどの検定の何級があればよいですか?

多くの求人で目安とされるのは、ネイリスト技能検定2級とJNAジェルネイル技能検定中級です。未経験者を歓迎する求人もあり、その場合も3級や初級があると基礎を学んだ証明になります。応募したいサロンの求人を読み、条件に書かれている級を確かめるのが確実です。

Q. ネイリスト技能検定とジェルネイル検定の違いは何ですか?

ネイリスト技能検定はJNECが主催し、ネイルケア、カラーリング、アートなど総合的な技術を3級から1級で問います。JNAジェルネイル技能検定は日本ネイリスト協会が主催し、ジェルネイルの技術を初級から上級で問います。ネイリスト技能検定3級以上があると、ジェルネイル検定初級の実技の一部が免除されます。

Q. 自宅でネイルサロンを開くのに届出は必要ですか?

ネイルの施術だけなら、美容所の開設届のような届出を求める規定は美容師法にはありません。ただし、まつ毛や髪、メイクなどの施術を組み合わせる場合は美容師法の対象になる可能性があるため、地域の保健所に確かめます。事業として続ける場合は、税務署への開業届も必要です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年9月16日最終更新:2026年10月15日
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