住宅ローンアドバイザーの試験|受け方と仕事での使い方


この記事のポイント
- ✓住宅ローンアドバイザーの試験を
- ✓2026年11月時点の公式情報で整理します
- ✓住宅金融普及協会の養成講座と効果測定
住宅ローンアドバイザーの試験を調べ始めると、「養成講座を受けて効果測定に合格する」という説明と、「CBTの会場で認定試験を受ける」という説明の両方が出てきて、どちらが正しいのか迷う人が多くいます。先に結論を書くと、どちらも正しく、名前の似た2つの別の制度があります。1つは一般財団法人住宅金融普及協会の「住宅ローンアドバイザー」で、もう1つは一般社団法人金融検定協会の「住宅ローンアドバイザー認定試験」です。どちらも国家資格ではなく、民間の資格です。
この記事では、2つの制度の違いを最初に整理し、それぞれの受け方、費用、出題の形式、登録と更新の仕組みを、実施団体の公式ページで2026年11月時点に確かめた内容で説明します。そのうえで、勉強の進め方、仕事での生かし方、関連する資格との組み合わせ方まで順に見ていきます。
| 比べる点 | 住宅金融普及協会の住宅ローンアドバイザー | 金融検定協会の住宅ローンアドバイザー認定試験 |
|---|---|---|
| 取り方 | 養成講座を受講し、応用編の効果測定に合格 | CBTの会場で認定試験を受けて合格 |
| 費用 | 受講料23,100円(税込、テキストと効果測定料を含む) | 受験料7,700円(税込) |
| 試験の時期 | 年2回の募集に合わせて実施 | 通年(会場で予約) |
| 試験の形式 | マークシート40問、50分 | CBT、130分、合格基準60%以上 |
| 登録 | 登録料11,000円、有効期間3年 | 制度の詳細は協会の案内で確認 |
住宅ローンアドバイザーとはどんな資格か
住宅ローンアドバイザーは、住宅を買う人が自分に合った住宅ローンを選べるように、商品の特徴やリスクを正しく説明する人のための資格です。住宅金融普及協会は、資格の目的を次のように説明しています。
「住宅ローンアドバイザー」とは、お客さまが最適な住宅ローンを選択することができるように、消費者保護や説明責任を果たし、住宅ローンについての正確な商品特性やリスク、情報などをアドバイスする資格者です。 出典: 住宅金融普及協会「住宅ローンアドバイザーとは」
住宅ローンの商品の説明をする責任は、本来はお金を貸す金融機関にあります。ただ、実際に住宅を買う人が最初に相談する相手は、多くの場合、住宅の販売会社や不動産会社の担当者です。資金の計画を立てる段階で、どの金利の型を選ぶか、いくら借りるかの方向が決まってしまうことも珍しくありません。そのため、住宅を売る側の担当者にも、住宅ローンの正しい知識と、売りたい気持ちに流されない倫理観が求められています。
協会は、登録者が心がける考え方として、「借りられる」住宅ローンではなく「返せる」住宅ローンを選べるように、条件やリスクを正確に伝えることを掲げています。資格の中身は、金利の種類、返済の方法、借入額の決め方、繰上返済や借換え、住宅にかかる税金、契約書のローン特約など、住宅を買う場面で実際に必要になる知識です。
なお、この資格を持っていなければ住宅ローンの相談ができない、という決まりはありません。資格は、知識を学んだことを示す目安であり、仕事を始めるための許可ではありません。
2つの制度を取り違えないために
名前が似ているため、2つの制度はよく取り違えられます。違いを押さえておかないと、申し込み先を間違えたり、自分が欲しい資格と違うものを取ったりしてしまいます。
住宅金融普及協会の制度は、講座を受けることが前提です。テキストと映像で基礎編と応用編を学び、基礎編の効果測定をWebで受けたあと、応用編の効果測定を指定の会場で受けます。効果測定とは、講座の内容を理解したかを確かめる試験のことです。合格すると修了証書が届き、協会に登録することで「住宅金融普及協会 住宅ローンアドバイザー」の名称を名乗れるようになります。この名称は協会の登録商標です。
金融検定協会の認定試験は、講座の受講は求められず、全国のテストセンターでCBT方式の試験を受けます。CBTとは、会場のパソコンで問題を解く試験のことです。試験の運営はプロメトリック社が行い、予約から受験まで同社のサイトで手続きします。金融機関の職員の受験を想定した検定の1つで、予約の画面で所属する金融機関のコードを入力しますが、学生や会社員、自営業の人などは「9999個人」を選んで申し込めます。
どちらを選ぶかは、目的で決めます。住宅の販売や不動産の仕事で、名刺に協会の登録者であることを示したい人や、登録者向けの最新情報を受け取り続けたい人は、住宅金融普及協会の制度が向いています。金融機関に勤めていて、職場で指定された検定として受ける人や、講座を受けずに試験だけで知識を確かめたい人は、金融検定協会の認定試験が向いています。勤め先の指定がある場合は、どちらを指しているのかを必ず確かめてください。
立場別に見る、どちらの制度を選ぶか
2つの制度のどちらを選ぶかは、働いている立場によって答えが変わります。よくある立場ごとに、考え方の例を並べます。
住宅の販売会社や工務店の営業担当者の場合は、住宅金融普及協会の制度が合いやすいと言えます。お客さまと資金計画を話す場面が多く、名刺に登録者であることを示せること、登録者向けに毎月の金利の動きや税制改正の解説が届くことが、日々の仕事に直接役立つからです。講座の映像を何度でも見られるので、営業の合間に少しずつ学べます。
銀行や信用金庫などの金融機関で住宅ローンの窓口を受け持つ人の場合は、職場で金融検定協会の認定試験の受験を指定されていることがあります。その場合は、指定に従って認定試験を受けるのが近道です。指定がない場合は、窓口で説明する商品の知識を体系的に整理する目的で、どちらかを選びます。
不動産の仲介の仕事をしている人や、これから住宅や金融の業界に転職したい人は、学ぶ範囲の広さで選ぶ考え方もあります。住宅金融普及協会の講座は、契約書のローン特約や購入の手続きの流れまで含み、住宅の売買の全体を学べます。業界に入る前の学びとしては、こちらのほうが全体像をつかみやすいでしょう。
自分の家を買う予定があり、知識を身につけたいという人もいます。資格として名乗る必要がなければ、登録の費用をかけずに、講座のテキストや協会の公開している住宅ローンの基礎知識のページで学ぶという選び方もあります。資格を取ることが目的なのか、知識を得ることが目的なのかを、申し込む前に一度はっきりさせておくと、費用と時間を無駄にしません。
住宅金融普及協会の養成講座の受け方
住宅金融普及協会の住宅ローンアドバイザーになるまでの流れは、次のとおりです。
- 年2回の募集期間に申し込む
- Webで基礎編と応用編の講義を受け、基礎編の効果測定をWebで受ける
- 指定の会場で応用編の効果測定を受ける
- 合格したら修了証書と登録申請書を受け取る
- 期間内に登録の手続きをする
協会の資格と養成講座のページでは、受講のコースとしてAコースが案内されています。基礎編と応用編をWebで受講し、応用編の効果測定を指定の会場で受ける形で、受講料は23,100円(税込)です。この金額には、テキスト、映像の視聴、効果測定の料金が含まれます。映像はWebで何度でも見られます。
募集は年2回です。第1回は4月下旬から6月下旬に募集し、効果測定が7月下旬、合格発表が8月下旬です。第2回は9月中旬から11月中旬に募集し、効果測定が12月中旬、合格発表が1月下旬です。2026年度の第2回は、2026年9月14日から11月13日まで募集しています。効果測定の会場は、全国の主要都市の資格試験の学校などです。
申し込みは個人でも法人でもできます。個人で申し込む場合、受講料はクレジットカードの一括払いかコンビニエンスストアでの支払いを選びます。不動産や金融の仕事に就いていない人でも申し込めますが、講座の中身は住宅の売買の実務を前提にしているので、初めての人は用語を調べながら進めることになります。
効果測定の内容と合格の目安
応用編の効果測定は、指定の会場でマークシート方式で行われます。協会の案内によると、正誤を答える2択の問題が30問、計算問題が3択で10問、合計40問で、制限時間は50分です。基礎編と応用編の講義の内容から出題されます。
計算問題では、テキストに載っている「返済額早見表」を使います。返済額早見表とは、借入額と金利と返済期間から、毎月の返済額を求めるための表のことです。そのため、効果測定の会場にはテキストと電卓を必ず持っていきます。持ち物を忘れると計算問題が解けなくなるので、前日に必ず確かめてください。
合格の基準について、協会のページでは「一定以上の点数を取得した方を合格」と案内しています。合格者の受講番号は協会のホームページで確認でき、合格者には修了証書と登録申請書が送られます。
不合格だった場合は、再受験の手続きができます。協会は2026年9月1日付で料金を改め、2026年度の第2回以降は再受験料が11,000円(税込)になりました。それまでは7,700円でした。申し込んだ回の効果測定を受けられず、別の回に移す振替受講料も、それまでの0円から11,000円(税込)に変わっています。日程の変更にも費用がかかるようになったので、申し込みの前に効果測定の日に予定を空けられるかを確かめておきます。
金融検定協会の認定試験の受け方
金融検定協会の住宅ローンアドバイザー認定試験は、プロメトリック社が運営するCBT方式の試験です。プロメトリック社の案内では、試験時間は130分、受験料は7,700円(税込)で、合格基準は60%以上とされています。試験は通年で開かれ、出題を切り替えるために一定期間、配信を止めることがあります。
住宅ローンアドバイザー認定試験 F30-011J 日本語 130分 7,700円 予約受付期間 随時 試験実施日 通年開催 出典: プロメトリック「金融検定試験」
予約は試験日の60日前から、最短で3営業日前までできます。試験日が土日の場合は4営業日前までです。支払いはクレジットカード、コンビニエンスストア、Pay-easyから選べます。試験の当日は、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を1点持っていきます。受付は試験の開始時刻の30分前から15分前までで、遅れると受験できません。
試験が終わると結果が画面に表示され、メールでスコアレポートが届きます。会場とパソコンで受けるので、効果測定のようにテキストを持ち込む前提ではありません。学習には、金融検定協会が指定する教材を使うのが基本です。金融検定協会のページでは、指定教材への掲載が遅れている税制改正や制度の変更を、最新の参考情報として公開しているので、受験の前に目を通しておきます。
登録と更新の仕組み
住宅金融普及協会の制度では、効果測定に合格しただけでは住宅ローンアドバイザーを名乗れず、協会への登録が必要です。合格者は、送られてきた登録申請書で、所定の期間内に手続きをします。
| 手続き | 費用(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| 新規の登録 | 11,000円 | 登録日から3年間有効 |
| 登録の更新 | 11,000円 | 3年ごとに手続きが必要 |
| 更新後の登録者証 | 更新料に含まれる | カードの色がゴールドになる |
登録すると、カード型の登録者証が交付され、名刺やホームページで登録者であることを示せます。希望すれば、協会の登録者検索サービスに、氏名や連絡先、PRの文章を掲載することもできます。登録者向けのページでは、全国の主要な金融機関の住宅ローン金利の動きが毎月更新されるほか、年4回の情報誌、税制改正の解説動画、最新版の講座の映像とテキストを見られます。
更新のときには、継続講習の課題を修了することが求められます。住宅ローンの金利や税制は毎年のように変わるため、3年ごとの更新は、知識を新しく保つための仕組みでもあります。更新の期限を過ぎてしまうと、もう一度講座を受けて効果測定に合格し直す必要が出てくるので、期限の管理には気をつけてください。
さらに協会は、2027年4月から「住宅ローンシニアアドバイザー」という制度を始めると発表しています。登録を連続して9年を超えて続けた人を、継続講習の課題の修了を条件に認定する制度で、更新料は1回11,000円(税込)とされています。長く登録を続けた人を示す新しい区分です。
住宅ローンの相談が増えている背景
住宅ローンの知識が求められる場面は、ここ数年で大きく変わっています。住宅金融普及協会は、2026年10月15日の発表で、住宅価格の高騰と、日本銀行による政策金利の継続的な引き上げにともなって住宅ローンの金利も徐々に上がっており、住宅を買う人が最適な住宅ローンを選ぶことがますます難しくなっていると説明しています(住宅金融普及協会の発表資料)。協会には、住宅ローンアドバイザーの必要性を求める声が多く寄せられているとも書かれていて、相談に応じられる人を増やしたいという業界の事情がうかがえます。
金利が低い時期には、変動金利を選んでおけば多くの場合は問題になりにくい、という考え方が広まっていました。金利が上がり始めると、変動金利と固定金利のどちらを選ぶか、どのくらいの返済額なら金利が上がっても払い続けられるかを、一人ひとりの家計に合わせて考える必要が出てきます。返済の途中で金利が上がったときに何が起きるかを説明できる人の価値は、金利が動く時期ほど高くなります。
協会の発表によると、住宅ローンアドバイザー養成講座の累計受講者数は8.1万名を超え、累計修了者数は6.6万名を超えています(2026年8月31日現在)。住宅の販売や金融の仕事をする人にとって、すでに広く知られた資格だと言えます。
住宅ローンは、インターネット専業の銀行や住宅ローンの専門会社が増え、窓口に行かずに手続きを終える人も増えました。商品の選択肢が増えた分、比べる手間も増えています。多くの選択肢を整理して、相談する人の事情に合わせて説明できることが、これからの住宅ローンアドバイザーに求められる力です。
講座で学ぶ内容
住宅金融普及協会の養成講座は、基礎編と応用編の2つで構成されています。協会が公開しているカリキュラムをもとに、何を学ぶのかを整理します。
基礎編では、住宅ローンを取り巻く環境の変化、代表的な住宅ローンの種類、借入の基準、金利の種類、返済の方法、借りられる額の考え方を学びます。コンプライアンスの章では、住宅ローンアドバイザーとしての倫理と行為の規範、個人情報保護法の順守を扱います。説明責任の章では、住宅ローンの重要事項、売買契約書のローン特約、適用される金利が決まる時期など、契約の場面で誤解が起きやすい点を学びます。
ローン特約とは、住宅ローンの審査に通らなかったときに、売買契約を解除できるようにする取り決めのことです。この特約の内容を正しく説明できないと、買う人が大きな損をすることがあります。
応用編では、金利の型ごとのリスク、繰上返済の仕組み(返済の期間を短くする型と、毎月の返済額を減らす型の違い)、目的別の借換えの効果、住宅にかかる税金と贈与の特例、住宅借入金等特別控除、購入から引き渡しまでの手続きの流れを学びます。最後の章では、将来の収入の見込みや、夫婦で共有する場合など、買う人のタイプ別に住宅ローンの選び方と返し方を考えます。
金利の型と返済の方法の基礎
講座や試験の中心になるのが、金利の型と返済の方法です。ここを先に押さえておくと、テキストの読み進め方がまったく変わります。
住宅ローンの金利の型は、大きく3つに分けられます。
- 変動金利型: 市場の金利の動きに合わせて、返済の途中でも金利が見直される型。金利が上がれば返済額も増える
- 固定金利期間選択型: 最初の一定の期間だけ金利を固定し、期間が終わったときに次の金利の型を選び直す型
- 全期間固定金利型: 借りたときの金利が、返し終わるまで変わらない型
どの型が得かは、借りたあとの金利の動きで決まるため、借りる時点では誰にもわかりません。だからこそ、それぞれの型で「金利が上がったら何が起きるか」を説明できることが大切です。変動金利型でも、金利が見直される時期や、返済額が見直される時期、見直しの幅の決まりは商品ごとに違います。こうした仕組みの細部は、説明するときは必ずその金融機関の商品の説明書で確かめます。
返済の方法には、元利均等返済と元金均等返済があります。元利均等返済は、毎回の返済額(元金と利息の合計)が一定になる方法で、家計の計画を立てやすいのが特徴です。元金均等返済は、毎回返す元金が一定で、最初のうちは利息が多い分だけ返済額が大きく、だんだん減っていく方法です。同じ金額を同じ金利で借りた場合、総返済額は元金均等返済のほうが少なくなりますが、借り始めの負担が重くなります。
この2つの組み合わせを、相談する人の収入の見通しに合わせて説明できるようになることが、講座の大きな目標の1つです。
申し込む前に確かめておくこと
住宅ローンアドバイザーの試験に申し込む前に、次の5つを確かめておくと、あとで困りません。
- どちらの制度か: 住宅金融普及協会の制度か、金融検定協会の認定試験か
- 勤め先の指定: 会社が費用を出す場合、どちらの資格を求めているか
- 日程: 効果測定の日や、CBTの予約日に確実に予定を空けられるか
- 費用の総額: 受講料や受験料のほか、登録料と3年ごとの更新料も含めて考える
- 学習の時間: 申し込みから試験まで、どのくらいの時間を勉強に使えるか
とくに4つ目は見落としがちです。住宅金融普及協会の制度では、受講料のほかに登録料が必要で、3年ごとに更新料がかかります。名称を名乗り続けるための費用まで含めて、続けられるかを考えておきます。会社が受講料を出してくれる場合でも、登録や更新の費用を誰が払うのかは、先に確かめておくとよいでしょう。
合格に向けた勉強の進め方
住宅ローンアドバイザーの試験は、知識を問う問題と計算問題の両方が出ます。勉強は、とりあえず次の3つの段階で進めると迷いません。
- 全体像をつかむ: テキストを最初から最後まで一度読み、知らない用語に印をつける
- 計算に慣れる: 返済額早見表を使う計算と、借入可能額の計算を何度も解く
- 本番の形で解く: 時間を計り、正誤の問題と計算問題を通して解く
1つ目の段階では、完璧に覚えようとしないことが大切です。金利の型、返済の方法、税金の特例など、範囲は広いですが、最初は「どの章に何が書いてあるか」がわかれば十分です。
2つ目の段階が、合否を分けます。計算問題は、表の引き方と手順を覚えれば確実に点が取れる分野です。たとえば、借入額と金利と期間から毎月の返済額を求める問題は、早見表の該当する欄を探して借入額を掛けるという手順を体で覚えておけば、本番で慌てません。勉強の前は数字の並んだ表に戸惑っていた人も、同じ型の問題を10問ほど解くと、表を見た瞬間に手順が浮かぶようになります。
3つ目の段階では、時間配分を確かめます。効果測定は40問を50分で解くので、1問に使える時間は1分少しです。計算問題に時間をかけすぎないよう、正誤の問題を先に解いてから計算問題に戻る、といった自分なりの順番を決めておきます。金融検定協会の認定試験は130分と長いので、集中力を保つ練習として、本番と同じ時間で模擬問題を解いておくと安心です。
仕事での使い方
住宅ローンアドバイザーの知識が直接生きるのは、住宅の販売、不動産の仲介、金融機関の住宅ローンの窓口、住宅の設計や工務店の営業といった仕事です。住宅を買う人と最初に話す立場の人ほど、資金計画の相談を受ける機会が多くなります。
協会のページでは、新人研修や社員研修として社内で活用している例が紹介されています。住宅の販売会社の営業担当者が講座を受けることで、資金計画の説明の質をそろえるという使い方です。名刺に登録者であることを示すと、相談する人が安心するきっかけにもなります。
ただし、資格を持っていることと、相談する人の利益を第一に考えることは別の話です。住宅を売る側が、売買を成立させたい気持ちから「まだ借りられますよ」と勧めすぎると、買った人が後で返済に苦しむことになります。協会が掲げる「返せる住宅ローン」の考え方は、この資格の中心にあります。
住宅ローンの説明では、税金や保険の個別の判断に踏み込む場面もあります。住宅借入金等特別控除を受けられるかどうか、贈与の特例が使えるかどうかは、その人の収入や家族の事情で変わります。一般的な仕組みを説明したうえで、最終的な判断は税務署や税理士に確かめるよう案内することが、信頼を守るうえで欠かせません。
組み合わせると生きる資格
住宅ローンアドバイザーの知識は、ほかの資格と組み合わせると、さらに使い道が広がります。
- 宅地建物取引士: 不動産の取引の重要事項を説明する国家資格。住宅ローンの知識と合わせると、契約から資金計画まで一貫して説明できる
- ファイナンシャル・プランニング技能士: 家計全体の計画を考える国家資格。住宅ローンを、教育費や老後の資金と合わせて考えられる
- 損害保険や生命保険の募集の資格: 住宅ローンと一緒に検討される火災保険や団体信用生命保険の説明に役立つ
組み合わせを考えるときは、自分の仕事の流れの中で、相談する人がどこでつまずいているかを考えます。不動産の営業なら、物件は決まったが資金計画で迷う人が多いはずです。保険の仕事なら、住宅ローンの借換えと保険の見直しを同時に相談されることがあるでしょう。つまずきが多い場面に合わせて資格を選ぶと、学んだことがすぐに仕事で生きます。
宅地建物取引士とファイナンシャル・プランニング技能士は国家資格で、住宅ローンアドバイザーとは試験の形も難しさも違います。いきなりすべてを目指すのではなく、今の仕事に一番近いものから1つずつ積み上げていくのが現実的です。
資格の知識を発信の仕事につなげる
住宅ローンの知識は、会社の中で使うだけでなく、文章で発信する仕事にもつながります。住宅の販売会社や不動産会社、金融の比較サイトなどでは、金利の型の違い、繰上返済の考え方、住宅ローン控除の仕組みといった記事の需要があります。
こうした記事の執筆を受けるときは、制度の数字を一次資料で確かめる習慣が何より大切です。住宅の税制は毎年のように改正され、古い数字のまま書かれた記事は、読む人に損をさせかねません。住宅ローンアドバイザーの登録者向けに届く税制改正の解説や、金融検定協会の最新の参考情報は、記事を書くときの確認にも使えます。
執筆の仕事を始めるなら、まず過去に書いた文章を見せられるように準備します。その準備の進め方は、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、作品の選び方と見せ方を説明しています。専門知識を生かして報酬の水準を上げていく考え方は、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】が参考になります。
履歴書と名刺への書き方
資格を取ったら、履歴書には正式な名称で書きます。2つの制度は名前が似ているので、どちらの資格なのかがわかるように、実施団体の名前を添えます。
- 2027年1月 住宅金融普及協会 住宅ローンアドバイザー養成講座 修了(住宅ローンアドバイザー登録)
- 2026年11月 金融検定協会 住宅ローンアドバイザー認定試験 合格
住宅金融普及協会の制度では、合格しただけで登録していない場合、協会の住宅ローンアドバイザーとして名乗れるかどうかについて、協会の住宅ローンアドバイザーのページに案内があります。履歴書や名刺に書く前に、登録の状態と、協会が示している表記の仕方を確かめてください。
応募書類の自己PRでは、資格名を並べるよりも、何ができるかを書きます。「金利の型ごとのリスクと、繰上返済の2つの型の違いを、相談する人の家計に合わせて説明できる」のように、相談の場面を思い浮かべられる書き方が伝わります。書類の文章を整える力を高めたい人は、ビジネス文書検定で学ぶ社外向けの文書の書き方も役に立ちます。
専門知識で仕事を受ける働き方
フリーランスや在宅ワークの市場を2004年から運営してきた立場から見ると、住宅や金融の専門知識を持つ人が、会社の外で小さな仕事を受ける例は少なくありません。住宅の販売会社の資金計画の資料づくり、住宅ローンの比較記事の執筆や監修、社内研修の教材の作成など、知識を持つ人にしか頼めない仕事があります。
運営者として見てきた限りでは、こうした仕事で長く続く人ほど、資格の名前よりも「この人に任せると、制度の変更まで正しく反映してくれる」という信頼を積み重ねています。金利や税制は動き続けるので、変化を追い続けられることそのものが価値になります。また、仲介の手数料が引かれない直接の取引であれば、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手元に残る報酬が厚くなります。手数料0%で直接取引できる場があることは、専門知識を持つ人が小さな仕事から始めるうえで大きな意味を持ちます。
ただし、個人の住宅ローンの相談を有料で受ける場合は、扱う内容によって別の資格や登録が必要になることがあります。保険の商品を勧める、特定の金融商品の売買を仲介する、といった行為は、それぞれの法律で決まりがあります。資格で学んだ一般的な知識の説明と、個別の商品の勧誘を分けて考え、迷うときは関係する団体や窓口に確かめてください。
住宅ローンアドバイザーの資格は、年2回の募集と通年のCBT試験という2つの入り口があり、どちらも受験の条件はありません。まずは自分の目的に合う制度を決め、公式ページで最新の募集の日程と受験料を確かめるところから始めてください。資格を取ったあとに応募書類を整えたい人は、ビジネス文書検定の出題範囲にも目を通しておくと、書類と実務の両方に生かせます。
よくある質問
Q. 住宅ローンアドバイザーは国家資格ですか?
国家資格ではありません。一般財団法人住宅金融普及協会の「住宅ローンアドバイザー」と、一般社団法人金融検定協会の「住宅ローンアドバイザー認定試験」は、どちらも民間の資格です。資格がなくても住宅ローンの説明はできますが、知識を体系的に学んだことを示す目安として、住宅や金融の仕事で使われています。
Q. 住宅金融普及協会の効果測定はどんな試験ですか?
応用編の効果測定は、指定の会場で受けるマークシート方式の試験です。正誤を答える問題が30問、3択の計算問題が10問の合計40問で、制限時間は50分です。計算問題では返済額早見表を使うため、テキストと電卓を必ず持っていきます。合格者には修了証書と登録申請書が送られます。
Q. 住宅ローンアドバイザーになるにはいくらかかりますか?
住宅金融普及協会の制度では、受講料が23,100円(税込)で、テキストと効果測定の料金を含みます。合格後の登録料は11,000円(税込)で有効期間は3年、更新にも11,000円(税込)がかかります。金融検定協会の認定試験は受験料7,700円(税込)です。料金は変わることがあるので公式ページで確かめてください。
Q. 住宅ローンアドバイザーの試験は独学で合格できますか?
住宅金融普及協会の制度は講座の受講が前提ですが、学習はテキストとWebの映像で進めるため、自分のペースで学べます。計算問題は返済額早見表の引き方を覚えれば得点しやすい分野です。金融検定協会の認定試験は講座の受講が不要で、指定教材を使って独学で準備する人が多くいます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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